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説明員(水野峯君)
建設省といたしまして、今度の特別国会には法律案を実は提案する予定のものはございませんが、臨時国会には十五、六ばかりの法律案を事務当局といたしましては
研究準備中でございます。併しながらまだ正式に
建設省の省議にかけましたり、或いは又はかの
各省、殊に大蔵省の了解を得ておるというような段階にも立
つておりませんので、まあ、本当に情報交換である、こういう
意味合でお聞きとりを願いたいと思うのであります。
先ず第一には、
建設業法の一部を
改正する法律案を
研究準備いたしております。この主なる
改正点を申上げますと、
建設業
審議会の
委員の任期が現在現行法によりますと六カ月にな
つておりますが、これが短か過ぎますので、これを二年に延長すると共に同
審議会の権限を強化して参りたい、これが第一の
改正点でございます。
第二の
改正点といたしましては、御
承知の
通り道路法施行令というものがこれまでございまして、
地方公共団体の発注する
建設工事につきまして、その
工事施行方法の基準とな
つてお
つたものでございますが、新
道路法の施行に伴いまして、その
道路法施行令が廃止にな
つたのでございますので、それらの
関係を考慮いたしまして、この
建設業法の中に公共
工事の施行方法につきまして、落札価額の制限等の基準を設けて参りたい。これが第二の
改正点でございます。
それから第三点といたしましては、登録要件の強化と所要の
改正をして参りたい。こういうようなことを内容といたしまして
建設業法の一部を
改正したいということを
計画いたしております。
その次は鉱工業地帯
整備特別
措置法案でございます。これは
建設省だけではございませんで、通産省、運輸省、こういう省
ども折衝いたしまして三省で共同提案をする、こういうようなことで準備をいたしたいというつもりでございます。この法律案の狙
つておりますことは、鉱工業地帯の
整備を必要とする、こういう地帯につきまして、先ほど申しました
建設大臣、通産
大臣、運輸
大臣が協議をいたしまして、鉱工業地帯の
整備計画を決定して参りたい。鉱工業地帯
整備計画に包含せられる施設といたしましては、主として鉱工業の
ための交通を
目的といたします
道路或いは水路、それから港湾におきまする荷捌施設、それから生産施設、並びにこれに附帯する用に供します一団地の土地の造成を
目的とする土地区画整理、水面の埋立、鉱
工業用水道、下水道、防潮施設等を総合的に
計画して施設
計画を立てて参りたい。それからこの
整備計画の
事業主体に対しまして、国はその必要な資金につきまして貸付ける途を開きましたり、或いは予算の
範囲内において補助する途を開きたい。それから
整備計画によりまして完成された施設の運営について必要な基準を設けるのでございます。それからなおこの
整備事業の実施の円滑化を図ります
ために、
地方公共団体、港湾管理者、土地所有者等の出資による鉱
工業用水組合という特殊の法人を設置し得る途を開いて行く、まあこういうようなことによりまして鉱工業の適正な立地を
推進して参りたいというのが狙いでございます。目下
関係各省といろいろ相談いたしたり、
研究いたしておるというような段階でございます。
それからその次には、罹災都市
復興促進法案でございます。罹災都市の
復興につきましては現在何らの法案もございませんので、単に予算
措置で必要な経費の二分の一の補助を出しておる
実情でございます交この罹災都市の
復興を図ります
ために、都市
計画事業として施行れる土地区画整理
事業、それから罹災施設、これは水利施設でありますとか、防潮施設、或いは街路等を罹災施設と称しておりますが、この罹災施設の復旧、それから水災防除施設、これは排水路とか、排水ポンプ等を称しておりますが、こういう水災防除施設等につきまして、これに必要な経費の一部を国庫負担とするということを法律で明確に規定して参りたい。なおこの場合の国の負担割合は、公共
土木施設
災害復旧
事業国庫負担法に準じまして、
地方公共団体の財政力に応じて二分の一乃至四分の三として参りたい。先ほど申しました
通り現行は二分の一ということにきま
つておりますが、この負担割合を上げまして二分の一乃至四分の三、こういうふうに高率なものにして参りたいということを
考えております。
その次は
地方公園法案でございます。
地方公園の健全な発達と利用の適正化を図ります
ために、
地方公共団体が設置する営造物たる公園、これをまあ公営公園と称することにしておりますが、この公営公園とそれから
地方公共団体が区域を定めて指定する公園、これは主として保勝地を
保全し、その利用を増進する
ための
目的のものでございますが、そういう
地方公共団体が区域を定めて指定する公園、これを公立公園と称したいと思
つておりますが、このような公営公園、公立公園、こういう
制度をはつきり設けて参りたい。それからこれらの公園の設置及び管理に関する基準につきまして必要な規定を設けて参りたい。そのほか公園の土地が国有である、こういう
地方公園も全国で相当ある
状況でございますが、これらの公園につきまして、いろいろ公園を廃止したり、或いは区域を縮小したりというような場合におきましては、
建設大臣の承認を受けさせる、こういうようなこともはつきりこの法案に書いて行きたい。このようなことを内容とする法案でございますが、これにつきましては御
承知と思いますが、厚生省におきましても、自然公園法というような法律案を準備いたしておりまして、そういう自然公園法案というようなものが若し提案されたといたしますれば、
地方公園法案と衝突して参るところが一部出て参りますので、その間の
調整を図る必要があるわけでありまして、目下厚生省と種々折衝いたしておるというような
状況であります。
その次に特殊公共物管理法案でございます。これは
河川法とか、
道路法等の単行公物法が適用されていない国有に属する水路或いは海浜地或いは湖沼等のうち、一般公共の利用に供されているものにつきまして、これが管理及び処分の基準を規定いたしまして、これら公共物の利用及び
保全を適正ならしめたいということを規定いたしております。
次に
河川法の全面
改正でございます。これは明治二十九年に制定されました古い法律でございまするので、非常に
実情に副わない点がございますので、この際全面
改正をいたしたい。全面
改正をする内容といたしまして、
只今研究いたしております点は、第一は
河川を
水系単位に第一種、第二種、第三種
河川に分けまして、これをそれぞれ
建設大臣、都道府県、市町村の管理する
河川とすることによりまして、その管理の責任体制を明確にして参りたい。第二点といたしましては、
建設大臣は第一種
河川につきまして、都道府県知事は第二種
河川につきまして、それぞれ当該
河川の全体に亘る
治水及び
利水を総合した
河川計画を樹立する途を開くということであります。第三点は、水利権等の設定及び
調整につきまして合理的な基準を設けたい。第四点といたしましては、
河川行政の適正を期します
ため、国及び都道府県に
河川審議会を設けて参りたい。第五点といたしましては、法律体系の
整備をいたして参りたい。こういうようなことを主たる内容とするものでございます。
次が公共
土木施設地盤沈下
対策事業促進法案であります。この地盤沈下
対策事業につきましても、御
承知の
通り現在は単に予算補助をしておるに過ぎない
状況でございますが、この地盤沈下
対策事業の
促進を図ります
ために、
地方公共団体がこの当該
事業に必要な経費の三分の二を国が負担することをはつきりして参りたい。それと同時に
地方公共団体がこの地盤沈下
対策事業につきまして
事業計画を樹立いたしまして主務
大臣がこれを審査して認めて行く、この認めたものにつきましては、先ほど申しましたように三分の二を国が負担する、こういうことを規定して参りたい。なおこの法案におきましては、地盤沈下
対策事業として
考えておりますのは、公共
土木施設に一応限
つて参りたいというふうに
考えております。
その次は水防法の一部を
改正する法律案でございます。これは水防法運営の実績に徴しまして、新たに
地方史分局の長等が、その管理する施設を利用して
洪水予防を行うことを明確にして参りたい。第二点といたしましては、水防活動を
促進いたします
ため、都道府県及び市町村が行う水防活動に要する経費及び水防活動に従事したものの死傷等の場合における扶助金につきまして、国が補助をなし得る規定を設け、て参りたい。これが内容でございます。
それからその次に
考えておりますのが、
産業労務者住宅資金融通法案でございます。
住宅不足の逼迫せる
産業労務者用の
住宅の
建設を
促進いたします
ため、
事業主或いはその
事業に雇われておる労働者で結成する
住宅組合或いは
住宅を
建設して賃貸する会社その他の法人等に対しまして、国は特別の融資をすることを第一に規定して参りたい。この貸付金限度、利率及び償還期間等について、
住宅金融公庫の一般融資
住宅に比し特別の
措置を講じて参りたい。貸付金限度といたしましては、
建設資金の約六割を貸して参りたいと思うのでございます。利率も大分五厘程度を
考えております。それからこの融資業務は
住宅金融公庫をして行わしめたいというように
考えております。なお毎年この
産業労務者の
建設資金融通といたしましては、予算額百五十億円を以ちまして三万七千戸を
建設して参りたいというようなことを
考えております。この百五十億円の内訳は、五十億円が一般会計からの出資、それから残りの百億円が預金部資金で以て充当するというようなことを
考えております。なおこの法律案につきましては、こういう単行法を制定いたさないで、
住宅金融公庫法の一部政正でや
つてはどうかという有力な意見も
関係各省のほうから出ておりまして、或いは
住宅金融公庫法の一部
改正になるかもわかりませんが、一応こういうような法律案を
研究いたしておるという段階でございます。
それからその次には不良
住宅地区
改良法の一部を
改正する法律案でございます。このユラム街の
改良事業を
促進いたします
ために、不良
住宅地区
改良事業の施行者に対しまして、国がその経費の三分の二を助成することといたしたい。なお不良
住宅地区
改良事業の
範囲を明確にすると共に、
改良住宅の区画及び
建設の基準につきまして所要の規定を設けたい。なおこの不良
住宅地区
改良法は、一応事務当局といたしましては、全面
改正をこの際したらどうかというようなことも
一つの
研究課題にな
つております。その点も併せて、
お話申上げておきたいと思います。
なおその次には耐火建築
促進法の一部を
改正する法律案でございます。現行法に規定されました防火建築帯街に所在する学校でありますとか、病院等の公共建築物につきまして、これが不燃火のだめに国は助成をなし得る途を開きたい、こういうのが主たる
改正内容でございます。
それからその次に官庁営繕法の一部を
改正する法律案でございます。これは国有及び公有の公共建物の維持保存についての技術的な基準を新たに定めて参りたい。これは現在官庁営繕法は御
承知の
通り国有建物についての営繕
関係の法律でございますが、
地方公共団体が所有いたしております庁舎等につきましても、官庁営繕法を適用して参りたいというようなことも
考えておるのでございまして、
只今申しました
通り、なおそういう問題と同時に、この維持保存につきまして技術的な基準を新たに国有建物につきましても制定して参りたい、そうしてこれが維持保存の適正を図
つて参りたいということを
考えております。それからこの法律案におきましては、国有公共建物の
建設及び改修につきまして、その合理的
経済的施行を図ります
ため、
建設大臣が
建設技術上の
調整を行うことができるというようなことを明文を以て規定して参りたい。現在の法律案の営繕当時の線を一歩進めまして、
建設技術上の
調整をはつきり
建設大臣が行うのだということを明足して参りたいと思うのでございます。
それからその次には、公共建物管理公社法案でございます。これは主として国がその用に供します公共建物及びその附属物につきまして、特に
一元的管理の必要があると認められる建物につきまして、その管理の
経済的能率的な管理を図
つて行きたい、そういうことによりまして国費の節減と建物の
保全を図
つて参りたい。その
ためにこれらの建物につきまして管理を一元的に行う管理公社という公社を設立いたしまして、
只今申しましたような
目的に資して行きたいというふうに
考えておるのでございます。この公社法案におきましては、従いまして出資金の
関係で出資の規定でありますとか、公社の役職員の規定でありますとか、財務及び会計につきまして、それぞれ規定をするということに相成
つておるのでございます。
それからそのほかに
只今研究中のものといたしましては、先ほ
ども問題になりました
ガソリン税の
目的税化に伴いまして、それに伴う法律案を是非
ども提案いたすつもりでございます。
そのほか公共
土木施設の復旧につきまして、敏速にこれが復旧をなす
ために罹災復旧資金の基金法案というような法案も実は
研究をいたしております。この案は
政府が五カ
年間に大体四百五十億円ばかりを出資いたしまして、あと百五十億円ばかりは預金部資金を使
つて行く、そういうことによりまして公共
土木施設の復旧をするということを大体三
年間に終了して行きたい、その
ために
地方公共団体に融資をするのでございます。そういう特別会計を設けて参りまして、この特別会計の所管は大蔵
大臣、
建設大臣その他
農林大臣等の共管とする、そういうような法律案を
研究いたしております。
そのほか
只今研究いたしております問題といたしましては、北海道の開発
住宅促進法案、北海道の寒地
住宅の
建設及び防寒改修を積極的に
推進いたします
ために、
只今申しましたような寒地
住宅の
建設、防寒改修に要する試験
研究並びにこれらに対する普及
事業を助成する
ために、
関係地方公共団体に対しまして補助金或いは委託金を交付する途を規定いたしますと共に、
住宅金融公庫が北海道地区における耐寒
住宅の
建設及び防寒改修を行うのに対しまして資金を貸付ける場合において、貸付対象、貸付金の限度、利率、償還期間につきまして特別な
措置を講じて参りたい。又
住宅金融公庫は北海道地区の
住宅建築の融資につきまして、一般とは別に
事業計画を策定いたしまして、内地分とは別枠で北海道地区の
住宅建築を強力に
推進する、なお耐寒
住宅建築
促進の
ために
公営住宅法に特例を設けて、
只今申しましたような点を規定いたしました。北海道開発
住宅促進法案というふうなものも実は内々で
研究をいたしております。そのほか建築基準法の一部
改正或いは
住宅金融公庫法の一部を
改正する法律案というような点につきましても
研究はいたしておりますが、まだ正式のものとはな
つておりません。
以上申しました
通りでございまして、これらは冒頭に申しましたように、まだ省議にもかけておりません。本当のうちうちでの
研究をいたしております内容でございますので、その点重ねて申上げておきます。