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三浦辰雄君 私この問題は、この
神田君さんという人が、どうという問題では勿論ないのですが、今ほかの方から言われたように、現在の
公務員を見ますというと、
各省によ
つて比率は違いますけれども、農林だとか、
建設だとか、運輸、通信と、こう言
つたような所は、特に
技術者が非常に多い。半分以上です。そうしてその
内容を見ますと、例えば
待遇の
内容を見ますと、現在の例の
職階制の
関係も非常に問題になるわけですが、非常に
専門を尊重し、その
専門の人を
待遇して行くのに、なかなか都合の悪い形の
職階制ができているのです。現在の形は、
各省、私は若し必要であれば御覧に入れてもいいのですが、
卒業年次別に
事務系統の者と、
技術系統の者とをグラフに出すと、どの省でも等しく申合せたように、
技術系の者はずつと下の線を
行つて、いわゆる頭打ちの
関係にな
つておる。で、
一つの
局長になるとか何とかいう問題は、これはそれぞれの
適任者でなければならない。だから、どつちがどうというわけではないけれども、一般に
技術の者が、いわゆる簡単な言葉で言えば、下積にな
つているということは、もう皆さんも御
承知だと思うのです。で
人事院ができました際に、あの三人の
人事官の中の一人が、いわゆる
技術関係、
技術出身者であられた。
国家公務員法で以て
相当にいろいろな問題を
公務員に対して制約をしている。その半面において
人事院のいわゆる使命という点から
言つて、私は誠に当然な姿だと思
つております。ところが、そうして逐次いわゆる
技術者に対する
待遇というものも、いわゆる従前の
法経万能ということからは
変つて、いわゆる有能の
士尊重という線が出て来た。日本は御
承知の
通り、これは言う必要はないが、資源に乏しい。そうして何とかしてこの中からいわゆる
科学技術を尊重して、
一つの
国家再建の有力な足掛りにしなければならない。
それには誠にあの三人のうちの一人が
技術者であるということは望ましか
つた、ところが、今回こういうふうになられた。私はこの人を言うんじやない。併し三君のうちの一人が
科学技術系統の人であ
つたということは誠に望ましか
つた。更に言えばこの
承認事項じやないけれども、
任用局長などは、いわゆる
工学出身の者であ
つた。ところが先にその人の転出によりまして、そのあとはやはり
法系の人が
なつた。だから虐げられるというと語弊があるけれども、非常に不安を感じている
技術者、そうしてあの
人事院の公平な技能の発揮によ
つて、それを或る程度是正されることを期待していた
技術者系統の
公務員というものは、非常にこの際失望しているんです。私はこういうことも当然お
考えに
なつたであろうとは思うのだけれども、こういう点についてどういうふうにお
考えにな
つて、こういう方を特にお選びに
なつたか。私はなお今言
つた問題を一体
長官は
御存じなのか
御存じないのか、
公務員は過半数が
技術者で占められている。その
技術者が、今までいわゆるこの
法文系統、
法経万能のあの姿がようやく改まろうとしているのに、又こういう形にな
つて、余計な不安、余計な何と言うか、失望を与えることは、私は今後の
公務員がいわゆる国民全体の
奉仕者として行くに当
つて、残念に思うのです。
これらについて、
一つ官房長官から、お考を率直に伺いたい。