○石黒忠篤君 私簡単に質問を申上げたいと思います。私は予算
委員会で
朝鮮のことを総理に質問申上げたことでありますが、今日南
朝鮮の
政府とこちらとの交渉が停頓してしま
つている。これは速かに交渉の再開が行く
ように願いたいと思います。あちらがその気がなければやれないと言いう状態でなく、もつと進んでおやりになることを希望するのでありますが、それにはこちらとして非常に御用意が要ろうと思う。甚だ申上げにくいことではありますが、外務省には
朝鮮の実情に関して詳しくお知りのかたがその陣容内におられないと私は思う。これは無理もないことでありまして、
朝鮮が外国という
関係でなか
つたものですから、外務省にそのほうの知識経験のあるかたのおられないことは止むを得ないと思う。併しながら
日本としましては、長い間
朝鮮と
関係が密であります。随分
朝鮮人のために図
つた民間の人もおる又民政に当
つた人もいる。これからの人は占領当初におきましては好ましからざる人物として遠去けられてお
つたのでありまするけれども、もはや
日本も
独立を回復いたしまして最も密接な隣国といたして、これに対しまする使節は非常に緻密に外務省で御用意頂かなければならんことにな
つたのですから、そういう人たちの広く知識を求められまして、そうして現
政府が
日本に対する
考えの如何にかかわらず、人民間の好意ある国交を厚くする
ように、正式の国交ができない間におきましてもいろいろ準側として一応御着手の御努力を頂きたいということを私は衷心から希望いたします。
それと同時に
一つ今日質問をいたして見たいと思いますことは、
朝鮮に最も近接している、僅か三時間でここに行ける、平和の時代におきましては夜出て朝物を売
つて帰
つて来ていたという対馬のことであります。ここに数千の
朝鮮の人々が長い以前から住居しておりまして、そうして山の中で最も多くは炭焼きをや
つているのであります。対馬の薪炭というものは、貧弱なあそこの経済としては相当大きな部分を占めている島外に出る産物であります。又海岸には漁業をや
つている
朝鮮人の人たちもいるのであります。これらの人たちが夜釣りに出る、又は山の中で生活をしているという
ようなことは、今日
我が国として非常に警戒を要する密入国、密輸の問題に対して非常に大きな便宜を与えておるのであります。私は本年の夏に対馬にわざわざ参りまして詳細に視察をして参
つたのでありまするが、この問題は非常に注意をしなければならんことで、こういうことが両国の間の悪い感情を起す
ようなことがあ
つてはいけないので、相当にこれについては
警備をしなければいかんと、こう思うのであります。今回の
フリゲート艦のごときは、これが軍備であるかどうであるかという問題もありまし
ようが、
政府はこれを以て沿岸
警備のために必要である、人命救助以外の
フリゲート艦の大きな使命は、恐らく密入国、密輸の問題の警戒にあるのだろうと私は
考えるのであります。それの最もしばしばある、多少の変遷はありましても、地理上一番便利の所が、又前から
朝鮮人の住んでいるということが、先ほど申上げました
ような事情の土地であります。そこに今回の
フリゲートという
ようなものを配置されまして、そうして一番近接している外国との国交をよく正しくするためにそこに当てられるということは、殊に八隻余計に参
つたフリゲードのごときは、有効なる使い方があるならばということがついておるとい
つたような
関係から申しましても、最もここに当てべきものだと
考えるのでありますが、木村長官はこの対馬の問題に対して如何な
ようなお
考えを持
つておられるか。今回のこの
条約を
国会が
承認をするということに
なつた上におきましての配置等に関しまして、この点を重視されるかどうか、その点を伺
つておきたいと思います。