○兼
岩傳一君 あなたは口の先でそういうことを言われたつて、今の戦争犠牲者の問題は第二として、第一の問題として、
中国に対してどうして
国交を平和的に再開して行くかということは、侵略の過去の事実に対してお詑びしないで、どうしてあなたは
解決をしますか。
日本は侵略者である、
中国が被侵略者であ
つたという事実を承認されるならば、そういう傲慢な、不遜な、
向うからどうだああだ、そういうあたかも自分がもともと平等で公正であ
つたような
態度は、あなたとれるわけがないじやありませんか。あなた方の
政府は今まで
引揚者が残つておる、ひどい目に会つておる、ああだこうだというようなデマ的な問題を振りまいて、わざと
国交の再開なり戦争犯罪に対するお詫びをごまかしていて、そうして今に至つて
向うから
提案があつても、それに対する
政府として積極的に何ら再開しないで、
インドからお願いしてある、一向返事がない、ああだこうだということを
言つておられる。私はもう一ぺんお伺いします。順序が逆に
なつても止むを得ないと思うのです。戦争の侵略に対する問題が
解決して、
国交が再開されて、これが私正しいルートだと思いますが、百歩を譲つてこの
引揚者の、あなた方が口にやかましく数年来騒ぎ立てておられる
引揚げの問題が、
先方のその
提案によつて口が開かれようとしているなら、進んでもつと熱意ある、もつと言葉の上の遊戯でなく、熱意のある行動を以てこの
引揚げの問題の促進を図つて行かなければならない。その場合に、
インドを通じて交渉をするということが唯一の途ですか。これ以外にあり得ないのですか。
政府はそれ以外に手を拱いて荏苒と日を送るということですか。何らそれ以外に熱意ある
態度を示さないのですか。その途はあり得ないのですか。た
つた一つですか。どうですか。