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1952-12-04 第15回国会 参議院 外務委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十二月四日(木曜日)    午前十時三十五分開会   ━━━━━━━━━━━━━  出席者は左の通り。    委員長     徳川 頼貞君    理事            伊達源一郎君            荒木正三郎君            大隈 信幸君    委員            杉原 荒太君            團  伊能君            平林 太一君            石黒 忠篤君            岡田 宗司君            曾祢  益君            有馬 英二君            兼岩 傳一君   国務大臣    外 務 大 臣 岡崎 勝男君   政府委員    外務政務次官  中村 幸八君    外務省条約局長 下田 武三君   事務局側    常任委員会専門    員      久保田貫一郎君   説明員    保安庁長官官房    法規課長    麻生  茂君   ━━━━━━━━━━━━━   本日の会議に付した事件 ○日本国アメリカ合衆国との間の船  舶貸借協定締結について承認を求  めるの件(内閣送付) ○本委員会運営に関する件   ━━━━━━━━━━━━━
  2. 徳川頼貞

    委員長徳川頼貞君) では只今から外務委員会を開会いたします。  日本国アメリカ合衆国との間の船舶貸借協定締結について承認を求める件を議題に供します。政府より説明を求めます。
  3. 岡崎勝男

    国務大臣岡崎勝男君) 船舶協定につきましての提案理由の御説明の前に、一言御挨拶を申上げます。  今までこの委員会が開かれましても、ほかのほうに呼ばれまして出席機会がなかつたのでございますが、私今回再び外務大臣に就任いたしました。只今いろいろの問題で外交上の交渉日本の将来にとりまして相当の重要性があることは御説明するまでもないことでございます。これにつきましては、今後ともできるだけ事情を御説明し、資料を差上げて十分の御理解を得るように努力をいたしまするが、事は外交関係でありまして、最近では世界のいろいろの国でもいわゆる超党派と申しますか、国全体のことを考え外交問題を処理して来る傾向が多いのであります。私としましても委員諸君の十分なる御理解の上に御支援を願いたいと考えております。又我々のほうで足らざるところは御意見によりまして十分に改めて、将来について誤りなきを期したいと考えておりますので、どうぞよろしく御協力、御支持のほどをお願いしたいと思います。ちよつと御挨拶申上げます。  それから日本国アメリカ合衆国との間の船舶貸借協定締結につきましての提案理由は、政府としては本年四月、アメリカ合衆国政府に対しまして、我が国沿岸警備に充てるために合衆国船舶貸与方について要請をいたしたのであります。アメリカ合衆国側ではこの要請に基きまして、先ずアメリカ国会において必要な立法措置を行いまして、その結果、東京で外務省在京アメリカ大使館との間に協定締結することにつきまして交渉を進めて来たのでありますが、漸くにして協定文について意見が一致いたしましたので、本年の十一月十二日に、外務省におきまして私とアメリカ大使との間に協定に署名をいたした次第であります。  この協定に基いて我が国のほうに引渡されるアメリカ合衆国船舶は、その国内法の定めるところによりまして、十八隻を超えないいわゆるパトロールフリゲート及び五十隻を超えない上陸支援艇であります。この協定効力が発生することとなれば、直ちにすでに用意してありまする、そうしてこの協定附表のAに掲げられてありまする七隻のパトロールフリゲート引渡しが行われることになつております。又その残りの船につきましても、大体明年の五月末頃までには準備を整えて引渡しを完了する予定になつております。  今申上げましたように、この船舶を借入れることは、我が国沿岸警備に寄与するところが非常に大きいと考えられますので、ここにこの協定締結について御承認を求める次第であります。  何とぞ御審議上速かに御承認あらんことを希望いたします。
  4. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 今大臣から簡単な御説明があつたのですが、もう少し詳細にその経過なりいろいろ御説明願つて、それから今日は質問に入るなら入つて頂きたいと思います。余り簡単であつて、もう少し我々としては聞きたいと思います。  それから私この際に外務委員会運営について一つお願いしておきたいと思いますが、それは過般の施政演説におきまして、政府外交方針が一応述べられたのでありますが、外務委員会としては、もう少し詳細な外交方針なり、或いは外交上の重要な問題についての経過等について御説明願つて、そうして一応それに対する質疑をいたまして、それからいろいろこういう問題に入つて行く。そういう外交方針について何らの質疑機会がないというままにずるずる進行するということは、私としては当を得たものではないというふうに考えておりますので、この点は委員長のほうでもお考えを頂いて、そうして皆さんにもお諮りを願つて一つ委員会運営して頂きたいと思います。ただ今日は御説明を聞くことについては別に異議はありません。
  5. 徳川頼貞

    委員長徳川頼貞君) なお理事のかたとも御相談をいたしまして、善処いたしたいと思います。  では大臣いま少しく詳しく御説明を願えれば大変仕合せでございます。
  6. 岡崎勝男

    国務大臣岡崎勝男君) 提案理由としましては今申した程度以上には出られないのでありますが、今度はどうしても協定内容その他に入つて参ります、詳しく御説明をするとしますれば……。但し協定内容につきましては、実は今後逐条審議等をなさるときに一番正確に各条に亘つて説明いたしますので、その点は後に廻しまして、大体の経緯を申しますと、実は当時海上保安庁でありましたが、その当時に例えばその持つておりまする船が皆木造船でありまして、又武器もない、僅かにその職員が拳銃などを持つておるという程度沿岸警備をやつておりましたが、その当時に、今でも無論そうでありますが、その当時非常に密入国の船が多うございまして、これを防ごうとしましても、相手の船が武器を持つておるとか或いは速力がかなり早いとかいうのでどうも効果が挙りません。そこで海上保安庁のほうでは、予算をとつて新らしい船を建造するということと共に、今までの船の改造を行なつてデツキの補強をやりまして小さな砲を積む程度のことで、若し逆に襲われた場合には、すぐに逃げなければならんという程度のものでないようにいたしたいという希望がありまして、いろいろ計画いたしたのであります。併しどうもその当時国内でそういうようなことの準備を進めるのには時間がかかるし、予算関係もありまして思うように行かなかつたのであります。ところがその困つておる事情をいろいろ当時の司令部と話をいたしておりましたところが、先方でもそういうことなら、ことによるとアメリカ政府から或る程度の船の貸与ができるかも知れないからということでありまして、そこで、とにかくそれじや頼んでみようということで、こちらから要請をいたしたのであります。それが本年の四月であります。そうしますると、向うでも非常に同情して考えてくれまして、何とかしようということになりましたが、こちら側からの要請もあつたものですから、正式に向うで取上げまして、向う国会にかけて、そうして法案を成立させたのであります。で、その法案ができましたので、こちらでもそれに基いて協定を作る話に進めて来たのでありますが、アメリカ側では法案ができまして大統領にその権限を任されましたので、いわゆるエグゼクテイブ・アグリーメントと申しますか、大統領限りの権限協定ができることになつております。そこで日本側でも同じような形式で日本行政府でこういう貸与協定作つて、船の貸与を受けるということにすれば、形が同じで結構じやないかという話もありましたが、日本側としてはやはりこれは国会承認を求めなければいかんであろうという結論に達したのであります。それは特にあとでこの協定逐条審議のときに申上げますが、万一船が沈没したような場合には、両国政府の合意するような額の補償を払うというようなことがありまして、これは沈没するかしないかわかりませんし、又どういう話合いになるか将来のことでありまするからわかりませんけれども、如何にしても場合によつては不確定な債務を負うことに将来なり得る、こういう点がありまして、勿論この不可抗力なんかの場合にはこれは別問題でありますが、それから又これを将来要らなくなつて返還する場合にはできるだけ元のような状況で返還する、勿論これも使つたために自然の減耗といいますか、自然に減損したものはこれは別でありますが、それ以外はできるだけ元のような形にして返すということになつておりますので、これも場合によつたら不確定な或る種の債務である、こういうふうにも考えられましたので、これは国会承認を得て協定締結するのが日本としては適当であろう、こういう考えになりましたので、先方にも話しまして、結局アメリカ側国会承認は受けない、日本側国会承認を受ける、こういうことでこの協定を作つたわけであります。そこでもうこの一部の船は横須賀に来ておりまして、できるだけ早くこれを実際に使用したいという希望を持つておるのでありますが、協定ができなければできない。というのは、協定承認を得まして、成規手続を経て効力を発生しなければ引渡しを受けることができませんので、只今ではその船の中に行きまして、こちらの者はいろいろ砲の扱い方とかその他船の運用等について見学をしたり、その中で艦艇訓練をしたりしていますが、まだ日本の旗を立てているわけでもありませんし、又外洋へ出ることもいたしておりません。ただ一応練習用に使わしてもらつておるという程度であります。でこれにつきましては、いろいろこういうものを借受けるということは要するに自衛力の漸増であり、戦力に至るものではないかという疑惑もあつたようでありまして、実は昨日は衆議院の外務委員の一行は実地横須賀に行かれまして、その船を実地に見まして判断を下そう、こういうことでありました。でなおこの点は参議院の本会議でも御説明いたしましたが、例えばフリゲート、これはなかなか言葉が適当な日本語がありませんので、ここでもパトロールフリゲートと書いてありますが、これは軍艦じやないか、なぜ船舶と書いたのか、こういうような御質問もあつたのでありますが、フリゲートと申しますと、適当な向う言葉もないのですが、軍艦、いわゆるウワー・シツプということは全然言つておりません。で一般のベツセルであつて軍艦というには余りに貧弱である、我々のほうから言えばヴエツセルだから船舶という名前にしたのでありますが、事実上海上警備に当るのでありますから、軍艦でないことは、少くとも日本政府に関する限りは軍艦でないことは明らかでありますので、船舶といたしております。それから上陸支援艇と言いますか、これも向うでは上陸用支援艇、そしてそういうことに使つておりますが、現に我々のほうでこれを借りて引揚船に使つたことも御承知の通りであります。従つて日本側で使用する目的が普通の船舶でありますから、そこで船舶貸借協定、こういうことにいたしておるわけであります。その他なお御質問があれば詳しく御説明申上げます。
  7. 徳川頼貞

    委員長徳川頼貞君) 只今より質疑に入りたいと存じます。
  8. 伊達源一郎

    伊達源一郎君 私の御質問申上げてお答えを得たいと思つたことは、只今お話のようなことでありますが、なお一層そのことを明らかにするために細かいところへ入つて説明を願いたいと思います。昨年の八月のサンフランシスコ会議の前にリツジウエイ司令官から当時の岡崎官房長官を招かれて、この問題について話があり、フリゲート艦十隻と上陸用舟艇五十隻を貸与する用意があるということを話されて、それが具体的の話合いのようになつておるように承知しておりますが、果してそうであるかどうか。  それからサンフランシスコ会議が済みまして、十月の十九日にリツジウエイ大将吉田総理のそのことに関する会談があつて、そこで大体の方針はきまつたように伝えられておりますが、その会談の結果準備するために岡崎官房長官の御尽力によつて海軍少将山本善雄氏を中心としていわゆるY委員会なるものを作られて、受入態勢をしつかりやるために準備が着々進められておるというように伝えられておりますが、その事実をお話願いたいと思います。
  9. 岡崎勝男

    国務大臣岡崎勝男君) 第一の御質問につきましては、私も日はそう正確に覚えておりませんが、前から海上保安庁のほうで非常にこの警備力の足りないことを憂いまして、いろいろアメリカ側と非公式には話合いをしておつたようであります。その結果御指摘のような事実そういう話があつたかどうか、記録でも調べてみないとわかりませんが、私も何遍かリツジウエイ大将なりその他海軍関係者等に話したこともあります。併し本当に具体的にそれじや要請しようと言つて要請したのは四月頃と記憶しております。それから山本善雄という人を依嘱しましていろいろ意見を求めたり、尽力を頼んだりしたことは事実でありますが、併し主として船を借りることとか、或いはそういう直接関係のあることではなくして、吉田総理の意向が、当時の予備隊にしましても或いは海上保安庁にしましても、先ずその幹部教育が非常に大切である、うつかりすると妙な方向に走る恐れがあるので、国際情勢をよくよく説明したり、或いは一般常識、例えば憲法であるとか、或いは日本の歴史であるとかいう点の要点等をよく説明して、つまり常識のある幹部のでき上ることが最も必要であるというようなことで、予備隊のほうにも海上保安庁のほうにも、保安大学という名前にしようと言つて、おりましたが、幹部養成機関を各段階に、つまり下のほうの幹部、中間の幹部、上のほうの幹部、これを皆いわゆる何と申しますか、民主的な教育を施して、新らしい観点からこの要員幹部を作らなけれつならない、こういうことでありまして、主としてその意味で今までの海軍でやつておりました教育情況とか、そこの欠点がどうであるか、そこをどう直せばちやんと教育目的を達するかというようなことにつきまして、山本君その他に意見を求めまして、それでだんだん具体化して来たのであります。その結果がやはりこのフリゲート艦に将来乗り込むような幹部養成にも無論なりましたし、殊にこれだけでなくて一般海上保安庁職員訓練、訓育と言いますか、そういう趣旨で主として頼んだのであります。
  10. 伊達源一郎

    伊達源一郎君 この船を借りるにつきまして、米国のほうから海上保安庁警備救難の部門から切離して別なデイビジヨンを作つてやられるという強い要請があつて保安庁側運輸省の間に意見相違があつて、これをまとめるにかなりむずかしかつたようなことを当時聞いておりましたが、それはどういうことであつたのでしようか。
  11. 岡崎勝男

    国務大臣岡崎勝男君) これは主としてこの当時の海上保安庁仕事というのは三つに分れておりました。一つ一般警備といいますか、沿岸警備の問題、もう一つ魚雷、今まで戦争中に沈んでおりました魚雷等引揚作業、もう一つ沿岸の整備といいますか、地図を作つたり、燈台とか標的を整備したり、そういう種類の仕事であります。そこでこの海にありまする魚雷等の処理につきましては、これは日本も無論利害があるのは当然でありますが、アメリカ側も当時非常に利害を感じておりました。これはアメリカ共同作業をやつておりました。それから沿岸警備と全然関係のない、つまり沿岸における例えば浅瀬がどこであるとか、ここの所がどうなつているとか、或いはここに明りが少いからつけなければいかんとか、そういうような仕事はこれはちよつと沿岸警備と間接には関係がありますが、漁船その他にも無論関係があるので、仕事三つに分れておりました。その仕事をどういうふうに分けるかということが主たる問題でありまして、別に非常に意見相違ということもなかつたと思いますが、ただこれを漫然と一つ海上保安庁にして置いておくのがいいのか、それとも一部は運輸省に残しておいて、他の沿岸警備等の主力としたものだけを今できまする保安庁のほうへ持つてつたほうがいいかというようなことが主たる議題になつておりまして、結局今のような状況になつたのでございます。
  12. 伊達源一郎

    伊達源一郎君 このフリゲート艦十隻と上陸用舟艇五十隻を借入れるために、六千三十八名の隊員を増加せねばならんという問題が起りまして、この前の十三国会法律の一部を改正する提案が出たのでありますが、あのときはフリゲート艦十隻でありました。それに六千三十八名の隊員が要るということは承認を得たのでありますが、今度は十八隻借りるということになると、又それに伴つて増員せねばならんという必然的な必要が起つて来るのだろうと思いますが、それはそうでしようか。あの法律だけで十八隻が受取れることになりましようかどうか、その点をお伺いします。
  13. 岡崎勝男

    国務大臣岡崎勝男君) これは私のほうの所管でありませんので、あと海上保安庁のほうから説明することにいたします。
  14. 伊達源一郎

    伊達源一郎君 先刻ちよつと大臣からお触れになつたのでありますが、この問題を国会に提出すると非常にうるさいことになるから、傭船契約にして協定としないという議論も大分政府部内にあつたようでありますが、結局協定とせなければ大蔵省のほうの予算手続にも困るということで、協定なつたというふうに伝えられておりますが、その点は先刻大臣からお話がありましたけれども、もう一応どうぞ……。
  15. 岡崎勝男

    国務大臣岡崎勝男君) これは初めの話は、勿論話というものはだんだん固まつて来るのでありますが、初めのうちは補償というような問題は出て来なかつたものですから、政府のほうに負担がないならば、これは国会承認を特に仰がなくても行政府限りでできる、こういう考えもありましたが、だんだんこの話を進めて参りますと、今申したような、万一沈んだ場合の補償というような点が出て来ましたので、これはどうしても国会承認を得なければ、日本としては協定を結ぶことが困難であるという結論に達しまして、それで国会に提出した、こういうことにしたわけであります。
  16. 伊達源一郎

    伊達源一郎君 ついでに伺いますが、これは保安庁のほうの問題かも知れませんけれども、いわゆる警察予備隊なるものもいろいろな武器を借用しておるといいますか、貸与されておるのであります。戦車とか大砲とかいうようなものに至るまで貸与されておるのでありますが、それには何ら協定が結ばれていない。この船のほうは協定で行く、向うのほうは司令官と申しますか、責任者個人関係のようなことになつておるというように承知しておりますが、船だけを貸借協定にするという理由はどこにありますか。
  17. 岡崎勝男

    国務大臣岡崎勝男君) これは今申上げたように、政府のほうで不確定ではありますが、一種オブリゲーシヨンを負つておるという点であります。保安隊のほうについてはそういうオブリゲーシヨンがありませんものですから、只今のところは協定にいたしていない、こう承知しておりますが、これは保安庁長官のほうの問題でありますから、正確には保安庁長官から一つお聞きとりを願いたいと存じます。
  18. 伊達源一郎

    伊達源一郎君 もう一つ伺いたいのですが、フリゲート艦十隻はすでに前から横須賀に来ておることは、すでに大臣からお話がありましたが、いつから来ておるか。乗組員は十三国会提案された程度でそれに乗組んでおるのか。それは何人ぐらいであるか。これも保安庁のほうの問題と考えますが、一応お伺いします。
  19. 徳川頼貞

    委員長徳川頼貞君) 速記をやめて。
  20. 徳川頼貞

    委員長徳川頼貞君) 速記を始めて。
  21. 平林太一

    平林太一君 今回のフリゲート艦その他の貸与方についてアメリカとの間に協定締結いたされました。これが問題になつておりますが、そういうようなことは先刻大臣の御説明通り、これは現状では甚だ足らざるものがあるから強化したいという必要によつてこういうことになつた。ところがその経緯が、海上保安庁がその必要を痛感して、それから直ちにそれを米軍側交渉して、そうして話が熟してむしろ決定的になつて、それから外務省のほうではそれの第二の段階に入つた、こういうことでありますが、これは非常に私としましては由々しい問題でありまして、いわゆる海上保安庁が必要だと思えば直接先方交渉して、そうしてそれが成り立つてあれになるということは、過去のいわゆる軍というようなものの擡頭が如何にもめざましく、そこにこの活動を開始した海上保安庁としては越権の行為ではないか、こういうふうに思うのですが、その間のお考えはどうであるか。
  22. 岡崎勝男

    国務大臣岡崎勝男君) これは私の言葉が足りなかつたかも知れませんが、海上保安庁向う側の様子を聞く前には、勿論総理大臣許可を得てやつておるのであります。
  23. 平林太一

    平林太一君 そうしますというと、やはり海上保安庁というものの自主的な独往性というものが非常に強くなるのでありますが、総理大臣許可を得られるようなお話でありますと……。
  24. 徳川頼貞

    委員長徳川頼貞君) 今申上げましたようなわけですから、次回に十分御質疑を願つた如何でしようか。
  25. 岡田宗司

    岡田宗司君 次回の質疑の際に一つ保安庁長官も同時に御出席を願いたい。
  26. 徳川頼貞

    委員長徳川頼貞君) ではそういうふうにいたします。なおこの法案についての御質疑がございましたら、続いてお願いいたします。
  27. 大隈信幸

    大隈信幸君 フリゲート艦というものはそもそもアメリカでどういう目的で作られ、又使われているかということ、現在どれくらいのトン数で、どれくらいの装備を持つて、どれくらいな船員を配置しているかといつたような定義的なものがあるなら一つ御披露頂きたいと思います。
  28. 中村幸八

    政府委員中村幸八君) お答えいたします。  このパトロールフリゲートと申しますのは、やはりアメリカでも沿岸警備用に主として使つておるようであります。トン数につきましては千四百三十トンの排水量を持つております。
  29. 大隈信幸

    大隈信幸君 装備や何かはどうでしようか。
  30. 中村幸八

    政府委員中村幸八君) 装備につきましては、三インチ砲三基四十ミリ機銃が二基、二十ミリ機銃が九基、爆雷投射機が十基、ヘツジホツグ一基それぞれであります。
  31. 大隈信幸

    大隈信幸君 ヘツジホツグつて何ですか。
  32. 麻生茂

    説明員麻生茂君) 保安庁のほうから政府委員が来ておりませんので私から代つて説明申上げます。これはやはり爆雷を投射する一種のものでございます。ただヘツジホツグはたくさん管がありますので、何と申しますか、やまあらしと申しますか、たくさん毛が出ておるようなところがやまあらしに似ておりますので、ヘツジホツグというようなことになつております。目的爆雷投射機と同じような働きをするものであります。
  33. 大隈信幸

    大隈信幸君 乗組員はどれくらいであつて、そうしてこれに相当する曾つて日本海軍にどういう船があつたかという点も御説明願います。
  34. 麻生茂

    説明員麻生茂君) PFの要目といたしましては、排水量は先ほど政務次官から申上げましたように千四百三十トン、全長が三百三フイート最大幅が三十三フイート、それから平均吃水が十二フイート最大速力が約十八ノツトであります。現在これだけ出るかどうかわかりませんが、約十八ノツト。それから航続距離が十二ノットで一万浬ということであります。それから装備は先ほど申しました三インチ砲三基、四十ミリ機銃二基二十ミリ機銃九基が主たるものであります。それから乗組員は約百六十名くらいのものでございます。場合によりましてはこれを少し越すことがあるかも知れませんが、大体百六十人となつております。  それからLSSLのほうでございますが、これは排水量が二百五十トン、全長が百五十七フイート最大幅が二十三フイート平均吃水が五フイート最大速力は約十二ノツト航続距離は十ノツトで五千五百浬、それから装備といたしましては四十ミリ機銃が三乃至二基、二十ミリ機銃が四基ということでございます。これについては書面で御説明を申上げます。
  35. 岡田宗司

    岡田宗司君 こういう点はここでただべらべら喋られてもわからないのです。こういうことはやはりちやんと保安庁のほうで刷り物にして廻すくらいのことをして然るべきだと思うのです。それを何もやつておらんということは怪しからんと思うのです。
  36. 麻生茂

    説明員麻生茂君) それは用意しておりますから、差上げたいと存じます。
  37. 徳川頼貞

    委員長徳川頼貞君) 岡田さんに申上げますが、今日は保安庁のほうから今説明員麻生君が来ておるわけですから、今のお申出のことはできるだけ御希望に副うようにいたします。
  38. 團伊能

    ○團伊能君 今の岡田君の御要求に関連してこれは文書か表で一つ頂きたい。それからできましたら写真を入れて頂きたい。
  39. 徳川頼貞

    委員長徳川頼貞君) そのようにいたします。それでは引続いて大隈君の質問に……。
  40. 大隈信幸

    大隈信幸君 今のパトロールフリゲートというのは、日本海軍の艦艇のどれに相当していたのか。
  41. 麻生茂

    説明員麻生茂君) 正確にこれと匹敵するものはございませんが、まあ大体比べれば海防艦より少し劣る。海防艦より少し程度が劣ります。速力の点、或いは砲の点において海防艦ほど装備もされておりませんし劣ります。
  42. 大隈信幸

    大隈信幸君 海防艦より劣るというのは、装備の点と速力の点ですか。
  43. 麻生茂

    説明員麻生茂君) ええ。
  44. 大隈信幸

    大隈信幸君 それからもう一つ伺いたいのは、今日、現在においてパトロールフリゲートというのは日本で造つたら一隻どのくらいでできますか。
  45. 麻生茂

    説明員麻生茂君) はつきりした数字はちよつと申上げられないのでありますが、大体の推定でございますが、P・Fで大体十五億から十六億くらいかかるのじやなかろうかと考えております。LSSLで四億五千万円は少くともかかるのじやないかと思います。上陸支援艇のほうで。
  46. 伊達源一郎

    伊達源一郎君 外務省のほうへ伺いますが、今まで警備船が大分あるはずでありますが、現存の日本警備に使つておられる船の数と、それから今まで警備にどういうここをしておつたかという、マツカーサーフインの周囲において拿捕されて持つて行かれる船を見付けたことがあるかどうか。見付けたらばそれをどう処理したか。武力を行使することを許されていたかいないか。今後P・Fのようなものを持つて来て大砲を射つ覚悟があるのかどうか、それをお伺いしたい。
  47. 麻生茂

    説明員麻生茂君) 現在海上保安庁が持つております巡視船は九十三隻であります。それからマーラインその他のことにつきましては、海上保安庁のほうの所掌に属することと思いますので、私からちよつとお答えいたします。御承知のように、警備隊はこの六十八隻の船が順次入つてからそういう漁船の保護等に出して行くことになると思いますので、今すぐ外へ出て行くというわけにはいかんわけであります。なお入つて参りましても、十分にこれらの船を動かすまでには相当の時日が要します。恐らく半年ぐらいの訓練をしなければ実際外洋に出て行くということは困難であろうと推測します。現在そういうところに持つて行くとかどうとかいうことはお答えをまだしにくいと思います。
  48. 岡田宗司

    岡田宗司君 只今お話ですと、まあ六カ月ぐらい訓練しなければならないというお話でしたが、その六十八隻に対する要員ですね、要員はどういうふうにしてこれを募集というか、作つたか、どういう訓練をするのか。誰がこれを訓練するのか。その点ちよつと事務的にはつきりと一つお聞かせ願いたい。
  49. 麻生茂

    説明員麻生茂君) 募集につきましては、海上警備隊として海上保安庁にありましたとき、一部海上保安庁職員が転じたのであります。それからあと一般に公募して募集しております。  それから訓練につきましては、現在、先ほど外務省のほうからお話がありましたように、向うのまだ管理下にある船でありますので、向うの好意に基いて事実上訓練してもらうという状況であります。最初これらの船につきましては向うの船でありますので、その操法なりについて基礎的なことを教えて頂きました。順次その基礎を受けた者が隊員に対して教育訓練をして行くということにやつて行く考えであります。一つ一つについて予備隊の初期にありましたような米軍からの細かい訓練の指示を受けるというようなことはやつて行かない考えであります。
  50. 岡田宗司

    岡田宗司君 どうも今の説明は私どもよくわからないのですが、一体その公募したのは幾人なのか。それからそれはいつやつたのか、そういうことをやはり詳しく我々は知りたい。それからその外国の軍人が訓練しておると、それは一体いつ頃まで訓練をするのか。それとも顧問団か何かとして相当長く残るのか。それらのことをはつきりさせてもらいたいというのでお聞きしたのですがね。まあ細かい数字や何かはやはりできたら表を御提出願いたいと思うのです。そしてその上で又改めて説明をお伺いしたい。
  51. 徳川頼貞

    委員長徳川頼貞君) ちよつと速記をとめて下さい。
  52. 徳川頼貞

    委員長徳川頼貞君) 速記を始めて。  質疑をお願いいたします。
  53. 杉原荒太

    ○杉原荒太君 議事進行について…、もう少し資料をあらかじめ提供してもらわんと、私少し無理だと思うのです。それを先ず次回前に資料をもつと提供してもらいたい。その上で質問するほうがもつと実質的でいいと思う。我々は文字ずらだけを審議するのではないからそのほうがいいと思いますが、どうですか皆さんは。
  54. 徳川頼貞

    委員長徳川頼貞君) それでは政府のほうでもできるだけ一つ早くその提出をお願いいたします。ちよつと速記をとめて。
  55. 徳川頼貞

    委員長徳川頼貞君) 速記をつけて。今日はこの程度で散会いたします。    午前十一時三十七分散会