○
政府委員(
荒木茂久二君) お手許にこの前配付いたしました資料があるわけでございますが、航空局の
関係は簡単でございまして、むしろこれに即しないで抽出して
お話申上げたほうがわかりいいかと思いますので、そういうふうにして御
説明申上げたいと思います。御存じのように、航空局の航空
関係の
予算は、本
年度の
予算はまだ占領中に組まれた
予算でございまして、当時は全然航空の自主権というものがなかつた時代でございます。今度即ち来
年度予算が初めて航空自主権の回復した情勢下における
予算の編成ということに相成りまするので、我々事務当局といたしまして非常な熱意を以て当つた次第でございますが、全体として見ますと、国の
財政一般の
事情から相当に抑制されておる次第でございます。で航空局といたしまして、民間航空を発達さすためにやらなければならないことを考えたのが、項目から申上げますと、先ず第一に、国際線を発足させるためにはすでに国際間の競争が非常に猛烈でございますので、この競争に堪え得るようにして行かなくてはいけない。従つておおむね一社といたしまして、それに対して
政府出資をする必要があるということで、この点を主張したわけでございますが、これは十億円だけ
政府出資をするということがきまりまして、これは大蔵省から直接会社に出資するということになりますので、
運輸省予算に計上されないで大蔵省
予算に計上されておりますが、実際はそういうことでございます。なおそのほかに国際航空を始めますに当りましては、試験飛行を少くも三回ぐらいはやつて見なくてはいけないわけでございますが、それにつきましては収入がない部類に属しますので、その分を半分ぐらい
補助したいという考えを持つておりましたが、その
予算は認められなかつたわけであります。
次は国内の航空路網を拡充するということでございます。これはいつかも御
説明申上げましたが、現在日航が飛んでおりまする線以外に来
年度実施したいと思いましたのが、
大阪—高松—岩国—大分—福岡—大村、これが
一つ。それから福岡鹿児島が
一つ。もう
一つは
東京—
新潟—小松—
大阪と、この三線を開設したいということで
予算を
要求いたしたわけでございますが、これは気象台の
関係は別といたしまして、私のほうの
関係だけで申しますと、おおむね六億円
程度の経費を要するわけでございます。併しこれを一挙にできないと、いたしますれば、或いは鹿児島まで福島から延ばすというような線でもやりたいと思つたのでありますが、遺憾ながらこれは認められませんで、ただ路線調査費として八十二万円を認められたわけでございます。
次はこうして日本の空を飛びますために、いつかも御
説明申上げましたように、現在は飛行場に発着するにいたしましても、飛行場の周辺、又飛行場と飛行場の間の空を飛びますにつきましても、全部完全なる航空管制を行いまして、交通の安全を期しているわけでございますが、全部米軍によつて行われているわけでございまして、従つて英語を用いなければならんということでございますので、この状態を一刻も早くなくしたいと考えまして、これに要する人員三百八十六名を
要求したわけでございますが、一挙にそこまで行くことも困難だろうということで、来
年度は百五名の増員を認められたわけでございます。それで行きますると、羽田は大いに力を入れるということでございまして、羽田におきましてはGCAを、夜とか、非常に曇つているというようなときに、飛行場に降りますのにレーダーでもう少し頭を左へやれ、もう少し頭を下げろというようなことで、全部無電誘導で下へ降ろすわけでございますが、その分に対するものは羽田だけでございまして、他は管制塔ということに相成つております。養成いたしますのにもも、おおむね一年間を要しますので、逐次養成をいたして行くわけでございます。我々といたしましては来
年度の六月頃にはこれを全部こちらで行いたいということを考えていたわけでございますが、これは少し、一年以上延びるということにならざるを得ないと思います。
次は乗員の
関係でございますが、御
承知のように乗員はまだ日本人がやるという状態に来ておりませんので、これも一刻も早く日本人にしたいというために乗員養成所を作るということを考えたわけでございますが、これには十億近くの多額の経費を要しますので、それより現在の定期航空に要する職員の教、その他から見て、今そういつた設備をするよりは定期航空の会社で以て訓練をする、アメリカにやつて訓練をするなり、国内において訓練をしてその経費を
補助するという考えで本
年度三千万円の
予算を計上してあつたわけでありますが、来
年度それを五千万円に殖やすということで話がきまつたわけでございます。
以上申上げました四点がこれが新としい日本の航空を自主的に発展さすための基本になる事柄でございまして、これを実現したいと努力した次第でございますが、
予算的制約によりまして今申上げましたような
程度にとどまつておる次第であります。逐次これを充実して行かなければならないとかように考えておるわけであります。
なおもう
一つ、羽田にエアー・リンクというのがある。これはエアー・ラジオ。イン・コーポレイテツドと言いまして、これが占領中に羽田に進出して参りまして、羽田を
中心としましてセミアを南下いたし釜山、南方へ行きますとグアム、ウエーキ、沖繩マニラというところの相互の航空
関係の基地通信、それからウエーキから飛んで来る飛行機との相互の間で通信して保安上の
施設をやつておるわけでありまして、その経費は飛行場会社から徴収するという純粋の民間会社が支店を置きまして羽田で
作業をしておるわけでありますが、これは申すまでもなく講和条約が成立いたしました今日におきましては外国の会社が国内においてさようなことは電波法上できない建前に相成つておりますので、講和条約の効果を発生した三カ月を経た以後は違法の状態になりますので、
政府としましてはそれを航空局に引継ぐということにいたしまして、実際には要員その他の問題がございますので、予備
機関を置きまして航空局の上請という状態で今運営しておりますが、これを四月一日から全部日本側に接収する。その機械は六億六千万円、電通省
関係で約八千万円ばかりのものと考えまして、人間を五十七人新たに定員を認められておりまして、四月一日からこれを完全に日本側に接収し、日本人の手によりまして英語によつてこれを運営する、こういうことに相成つた次第であります。以上申上げます。