○長崎
説明員
お答えいたします。まず
裁定理由書の第七の冒頭を読みますと、これは本
年度だけのことを言
つているようでもありますが、前にも述べたように、本
年度予算には期待し得る余裕が乏しい。本
裁定実施のためには、本
年度において
賃金総額を百二、三十億円程度追加することを要するが本
年度予算には、期待し得る余裕が乏しく、その大
部分は他に俟つのほかはない、こうあるのでありまして、それから
先ほどいろいろ御
議論に
なつたような、五の「収入の本源たる
運賃は、」云々というようなことがありまして、大体私は
委員長のお考えもそういう面では同じである。ただ四のところが問題でしようが、「現在
国鉄において最も注目すべきことは、戦災に伴う復旧復興、戦時中の酷使並びに修理不足による老朽荒廃に対する急速な修繕の要請が極めて強いことである、」
——この
財源をいかにすべきかという点で、いろいろと
委員長は
意見を述べておられるようでありますが、これは要するに、こういう資金を借入金、あるいは
鉄道債券とでも申しますか、そういうものでやるのがいいのじやないか、そうする場合にはいろいろな手がまた出て来るのじやないか、こういう御
意見のように私は拝聴するのであります。それが可能でありますれば、これはまたいろいろのやり方もあり、また借入金の返済をどうするかというような償還
計画についても問題が起るかと存じますが、それだけに借入金が、現在までの経験から申しますと、なかなかできない。少くともそこに非常に困難があるという
見地からいたしまして、これは全面的に御賛成ができないのであります。この
意見自体が間違
つているとは思いませんが、実際問題として、われわれの要求するような多額の復興資金とでも申しますか、早く
国鉄をもとの姿に返して、さらに進んでは増収等もはかられるように、近代的な
鉄道にして行きたいというような目的から申しますと、資金の要請が非常に大きいので、
仲裁裁定の
委員長の御
意見通りには、なかなか参らないのではないか。
一つの見方ではあるが、実際問題としては非常に困難があるのではないかと考えております。