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1953-02-21 第15回国会 衆議院 予算委員会 第27号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年二月二十一日(土曜日)     午後三時十分開議  出席委員    委員長 太田 正孝君    理事 尾崎 末吉君 理事 塚田十一郎君    理事 橋本 龍伍君 理事 本間 俊一君    理事 中曽根康弘君 理事 川島 金次君    理事 成田 知巳君       相川 勝六君    淺利 三朗君       植木庚子郎君    植原悦二郎君       岡本  茂君    小坂善太郎君       重政 誠之君    島村 一郎君       砂田 重政君    塚原 俊郎君       中  助松君    永田 亮一君       灘尾 弘吉君    西川 貞一君       貫井 清憲君    原 健三郎君       南  好雄君    山崎  巖君       井出一太郎君    川崎 秀二君       小島 徹三君    櫻内 義雄君       鈴木 正吾君    早川  崇君       古井 喜實君    宮澤 胤勇君       石井 繁丸君    春日 一幸君       河野  密君    西尾 末廣君       西村 榮一君    平野 力三君       伊藤 好道君    稻村 順三君       上林與市郎君    八百板 正君       和田 博雄君    福田 赳夫君  出席国務大臣         内閣総理大臣  吉田  茂君         国 務 大 臣 緒方 竹虎君         法 務 大 臣 犬養  健君         外 務 大 臣 岡崎 勝男君         大 蔵 大 臣 向井 忠晴君         文 部 大 臣 岡野 清豪君         厚 生 大 臣 山縣 勝見君         通商産業大臣 小笠原三九郎君         国 務 大 臣 木村篤太郎君         国 務 大 臣 本多 市郎君  出席政府委員         法制局長官   佐藤 達夫君         国家地方警察本         部長官     齋藤  昇君         大蔵事務官         (大臣官房長) 森永貞一郎君         大蔵事務官         (主計局長)  河野 一之君  委員外出席者         専  門  員 小林幾次郎君         専  門  員 園山 芳造君         専  門  員 小竹 豊治君     ————————————— 二月二十日  委員川崎秀二君、河野金昇君、園田直君及び中  村寅太辞任につき、その補欠として鈴木正吾  君、早川崇君、井出一太郎君及び北村徳太郎君  が議長指名委員に選任された。 同月二十一日  委員助松君、西村直己君、濱田幸雄君、日高  忠男君、松浦周太郎君、春日一幸君及び足鹿覺  君辞任につき、その補欠として永野護君、岡本  茂君、塚原俊郎君、田子一民君、川崎秀二君、  水谷長三郎君及び和田博雄君が議長指名で委  員に選任された。 同日  委員水谷長三郎辞任につき、その補欠として  春日一幸君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  分科会区分に関する件  分科員並びに分科会主査の選任  昭和二十八年度一般会計予算  昭和二十八年度特別会計予算  昭和二十八年度政府関係機関予算     —————————————
  2. 太田正孝

    太田委員長 これより会議を開きます。  この際、私より一言申し上げます。先日来の本委員会の状態はまことに遺憾でありました。今後は諸君の御協力によつて、審議が円滑に進められることを希望いたします。  それでは昭和二十八年度一般会計予算外二件を一括議題といたします。  内閣総理大臣より発言を求められております。これを許します。吉田茂君。
  3. 吉田茂

    吉田国務大臣 十七日の予算委員会における警察法改正に関しての大蔵大臣答弁は、当初政府予算措置を仮定として申し述べたもので、いろいろ物議をかもしたことははなはだ遺憾であります。その後政府考え方からすれば、十九日の大蔵大臣答弁が、政府の正しい最終的のものであると御了解を願いたいのであります。
  4. 太田正孝

    太田委員長 それでは質疑を継続いたします。中曽根康弘君。
  5. 中曽根康弘

    中曽根委員 ただいまの総理大臣の御釈明は、耳をそばだてて聞いている全国民が、その是非を判断してくれるものと信じまして、大蔵大臣発言についてはこれ以上論じません。事態は明らかであります。そこで次の質問に入ります。  この警察制度改正要綱及びその次に出されました経過措置概要というものには、非常に多くの問題があります。たとえば府県警察になつても、自治体警察を持つてつた市町村が、今まで通り府県吏員となつた警察官給料その他を依然として負担しなければならない。これは重要な問題であります。あるいは市町村自治体警察使つてつた警察財産を、国が一方的に召し上げてしまう。これは重大な財産権に対する侵害でありまして、憲法上の疑義もあります、あるいはさらに警察大臣なるものが日本にできて来て、あたかもソ連のゲー・ぺ一・ウーのごとき戦前の警察国家を再現するのではないか、昔の政党政治では、内務大臣がこれを握つてつて警察官の異動までやつた、そういうことが日を追うて惹起されはしないか、こういう点は国民がひとしく心配している点であります。そこで、それらの点は他の委員質問すると思いますので、私は一つの大きな問題である費用負担予算との関係について、大蔵大臣その他の大臣に御質問申し上げます。  まず第一に御質問申し上げたいと思いますことは、この改正要綱の中の経過措置概要の中に、「昭和二十八年度に限り都道府県警察に要する経費の中、従前国が支弁していたものについては国が、都及び市町村が支弁していたものについては都及び市町村が支弁する。」と書いてあります。これは要綱でありますから詳しいことはわからないのでありますが、支弁するということは一体いかなることでございますか、大蔵大臣にお尋ねいたしたしたいと思います。
  6. 向井忠晴

    向井国務大臣 政府委員に御答弁させます。
  7. 河野一之

    河野(一)政府委員 かわつて答弁いたします。直接その経費をもつて支出するという意味であります。
  8. 中曽根康弘

    中曽根委員 主計局長でなくて大蔵大臣にお尋ねいたしたいと思います。直接支出する、こういうお話でありますが、直接支出するという意味は、「国家警察官署」と書いてあるこれらの費用を、府県警察吏員となつた個々人に対して直接国が支払うのか、あるいは府県という団体に対して支払うのか、あるいはさらに市町村——自治警察を持つてつたその町村が、もう自分町村警察官でなくなつて県警察官になつた人に対して、個々人に対して給料その他を支払うのか、あるいは府県に一括して支払つてそれがまわつて来るのか、どちらかを大蔵大臣にお尋ねいたします。これは重要な点でありますから、主計局長には聞きません。
  9. 向井忠晴

    向井国務大臣 込み入つておりますから政府委員に……。
  10. 中曽根康弘

    中曽根委員 それはいけません。これは非常に重要な問題でありまして、この予算総則一つ問題点になつておる。従つてこういう重要な点については、当然大蔵大臣が御承知でなければならぬ。主計局長から聞く必要はありません。大蔵大臣言葉を通して聞きたいと思います。そこで主計局長から大蔵大臣に教えなさい。大蔵大臣からお答えを願います。
  11. 向井忠晴

    向井国務大臣 従来国家警察でやつてつたところは国が直接に払うのでございます。
  12. 中曽根康弘

    中曽根委員 答弁が要領を得ておりません。私が御質問申し上げておりますのは、国家警察であつた警察官府県警察官になります。その場合に国家は、今まで国家警察予算としてとつてつたお金府県警察官個々人に払うのか、あるいは府県へ一括して払つて府県から払うのか、あるいは地方町村自治体警察を持つてつたところが町村警察がなくなるわけです、しかしそのお金は持てというのですから、そのお金個々人警察官に払うのですか、団体に払うのですか。
  13. 向井忠晴

    向井国務大臣 国が直接に個人に払います。
  14. 中曽根康弘

    中曽根委員 市町村の場合はどうでございますか。
  15. 向井忠晴

    向井国務大臣 市町村の場合は、市町村が直接個人に払います。
  16. 中曽根康弘

    中曽根委員 そうしますと、警察官自治体警察の場合は七万とか、五万とかおつたはずです。その警察官に対して、国家が直接個々人にみな払うわけでございますね。転勤した場合とかいろいろございます、あるいはそのほかいろいろな錯雑した変動が生じますが、すべて国家が直接払うわけでございますか、大蔵大臣にお尋ねいたします。
  17. 向井忠晴

    向井国務大臣 それは技術的な問題でありますから、政府委員に返事をいたさせます。
  18. 河野一之

    河野(一)政府委員 警察制度改正にあたりまして、従来国家警察であつた警察署経費は、直接国の経費をもつて支出いたします。また従来自治警であつたところの経費は、市町村予算をもつて直接支出するのでございます。これは昭和二十三年に現行の警察制度改正になりましたとき同様の措置をとりましたので、その制度と同様であります。
  19. 中曽根康弘

    中曽根委員 そうしますと、そういうような財政措置をとられる法的根拠は、財政法及びこの予算総則の上においてはどこに根拠を求めておいでになりますか、大蔵大臣にお伺いいたします。法の根拠であります。
  20. 向井忠晴

    向井国務大臣 予算総則第十三条でございます。
  21. 中曽根康弘

    中曽根委員 そこに問題があります。予算総則第十三条というのは、こういうふうに書いてあります。「国家行政組織法改正等に伴い、職務権限変更によつて、別冊各号に定める所管及び組織別区分により、予算を執行することができない場合においては、所管若しくは組織設置廃止若しくは名称の変更を行い、又は所管若しくは組織の間において予算移し替えることができる。」この規定は従来なぜつくつたかというと、行政整理行政簡素化によつて廃官廃庁が行われる。その場合に予算が浮いて来る。新しい違つた名前官署が出て来る。そこに移すという意味であつて経費の本質的な性質が違う場合は意味しておらない。つまり手続的な規定であります。行政整理やその他を前提にして廃官廃庁あるいは名前がかわつた場合に、従来の経費をそのまま転用できるようにする経過的な、手続的な規定であります。経費性質がまつたく違う方向へ移されるという場合には、当然これは適用してはならぬのであります。ところがただいまの大蔵大臣の御答弁によりますと、府県吏員になつたその警察官に対して、国家警察官に対する給与をそのまま払う。これは明らかに性質が違つて来ておる。国家警察官であるならば、それが中央であろうが、地方であろうが、これはかまいません。しかし国家公務員でないその府県吏員に対して国家お金を払うということは、第十三条違反であるとわれわれは思う。大蔵大臣はいかにお考えになりますか。大蔵大臣答弁を求めます。(「政府委員でいい」と呼ぶ者あり)大蔵大臣答弁を求めます。
  22. 向井忠晴

    向井国務大臣 政府委員にお答えいたさせます。
  23. 河野一之

    河野(一)政府委員 まず前例を申し上げますれば、昭和二十三年におきます警察制度改正のときにも、同様な規定によりまして国家地方警察本部の金で直接自治体警察経費を支弁したのでございます。現在も一般会計予算総則第十三条の規定によりましてやりますことは、中曽根さんのおつしやるように行政機構改廃の場合もございますが、行政組織変動によつて、その通り予算が執行できない場合においては、これに基いて予算移しかえることができるという規定でございまして’行政組織法改正等」と申しまする「等」というのは、いろいろの場合が従来までの取扱いにおいて入つておることを御存じだと思つております。
  24. 中曽根康弘

    中曽根委員 前の警察制度改正のときには、昭和二十三年の三月七日に施行されておる。これは当時まだ内務省があつたころであつて内務本省経費の中で警察費国庫負担金というものがあつて、これを府県に出して、これから支出されておると思うのであります。国家が直接個々人に対して給与払つたということは私は聞いていない。ただいまの主計局長答弁は、その点若干間違いがあると思うがいかがですか。
  25. 河野一之

    河野(一)政府委員 間違いはございません。昭和二十三年の三月七日から警察制度改正になりましたが、昭和二十三年の七月七日まで国が直接経費負担しておるのでございます。
  26. 中曽根康弘

    中曽根委員 それは警察費国庫負担金府県に出して、そうして負担しているという意味ではありませんか。形式的にはそういうことになつておるはずです。
  27. 河野一之

    河野(一)政府委員 さようではございません。国家地方警察本部経費をもつて地方経費を直接支出いたしております。またそのほかに市町村の分を都道府県が支弁いたしておるのでございます。その都道府県の支弁した分について、半分を別に国が負担いたしておるのでございます。
  28. 中曽根康弘

    中曽根委員 それはそれでよろしいとしても、それでわれわれはひつ込むわけには行かぬ。ここに書いてあるのは廃官廃庁その他行政整理前提としておるのであつて、そのような本質的な変化を対象にしているのではない。もしこういうことを許すならば、一方的に法律改廃することによつて予算実体がかわつて来るということが行われるのです。たとえば厚生省なら厚生省経費の中で、社会保障費というものがある、この官庁が廃止になる、あるいはこれがいろいろ変化が行われて、それを法律で方的にきめて、その金を出張旅費に使うこともできないとは言えない。それは極端な例であるけれども、一方的な法律改廃によつて経費使用方途が違つて来るということがこれで行われるのであります。現に国家警察職員身分と、府県吏員身分が違うのであります。国家警察吏員国家公務員である。しかし府県警察の者は府県という地方自治団体吏員である。従つて府県吏員府県に対してサービス義務権利を持つておる。国家警察の者は国家に対して持つておる。まつたく別個の団体に対して、そのようなことをするのは、少くとも財政法第三十案に違反するとわれわれは思う。財政法第三十三条には大蔵大臣御存じのように、予算の各経費というものは、各項についてはその目的以外に支出してはならない、こういうふうに書いてある。その財政法第三十三条をきめたというのは、そのような経費実体がかわることを防ぐためにやつたのです。もしこういうことを今のような主計局長のやり方で認めるとするならば、予算はくずれなければならない。われわれはここでわくをつくつて、こうしろ、ああしろといつて一定の予定をつくつても、一方的な法律改廃によつて、すべてこれはくずれます。それは財政法違反するところであると思う。大蔵大臣はいかにお考えになりますか、財政法の基本的な問題でありますから、大蔵大臣答弁を求めます。
  29. 向井忠晴

    向井国務大臣 基本的にくずしているとは考えません。しさいは政府委員からお答えいたさせます。
  30. 河野一之

    河野(一)政府委員 予算総則第十三条の従来の取扱い、ここ数年来の取扱いを申し上げて御了承を得たいと思うのであります。つまり中曽根さんのおつしやつたような行政機構改廃ということは、これが相当の分をなしていることは事実であります。行政組織と申しましても、裁判所組織は入りませんので、あるいは人事院とかそういつたようなものの組織改廃もこれで動いております。また各省設置法ももちろんこれで動いております。それから実体法の中に機構規定してあるといつたようなもの、たとえて申しますと、北海道開発法の中に北海道開発庁のことが規定してあり、国家公務員法の中に人事院規定してあり、あるいは独禁法の中に公正取引委員会のことが規定してあり、実体法変更に基き機構がかわるといつた場合もこれに含まれておるのでございます。すなわち国警本部というものは、新しい制度におきましては警察庁となる、あるいは国家警察地方官署というものは、新しい府県察警官署として経費の面では当分の間存置される、そういう附則の規定によりまして、このような運用ができるのでございます。これは昭和二十三年におきまする例もまつたく同様であります。   (「占領下つたんじやないか」と   呼び、その他発言する者多し〕
  31. 太田正孝

    太田委員長 静粛にお願いします。
  32. 中曽根康弘

    中曽根委員 昭和二十三年は占領軍がおつたころで、日本政府の自由がそうなかつたころである。従つて法運用というものもそういう面から非常に制約されておつた。少くとも財政法第三十三条を読めば、今のような運用は明らかに財政法三十三条違反であるとわれわれは断ぜざるを得ない。  もう一つお尋ねいたしますが、この法案によりますと、市町村自治体警察官吏府県吏員警察官吏となる。   (委員長退席塚田委員長代理着   席)その場合に、その経費従前通り市町村負担しなければならぬ。これは重大なる予算に対する権利侵害であります。しかし府県吏員となつた警察官吏は、府県に対して義務があると同時に権利を持つておるわけです。従つて当然自分が奉職しておる府県から給料をもらう権利がある。またサービスをする義務がある。こういう関係が生ずるわけです。従つて県から当然要求する権利があるのであるから、たとい自治体からよこさぬ場合でも、あるいはよこしている場合でも、県からもらわなくちやならぬ。そういう権利身分上から本質的に出て来ると思う。こういう問題はいかがです。また逆に考えると、あるいは市町村によつては一方的にそういうふうにやられるのでは、おれのところは給料を出さぬ、大体自分の町の警察官吏でなくて、県の警察官になつたものに、自分の町の税金を使つて給料を出すばかなものは市町村にはいない。そういう町や村が出て来る。給料を払わぬ、こういう問題が出て来る。そういうときには一体どうなさるか。そういうことが現実的にあり得る。私は大蔵大臣の御答弁をお願いします。
  33. 向井忠晴

    向井国務大臣 制度改正のときには、こういう暫定的の処置をとるのはやむを得ないと存じます。
  34. 中曽根康弘

    中曽根委員 政府無理やりにそういうふうにかえようというのですから、やむを得ないと大蔵大臣はお考えになるだろうけれども、国民の方は忍び得ないところである。やむを得ないと、忍び得ないでは大分問題が違います。しかもそういう本質的な問題が違つておる。なぜこういうことが起きたかといえば、これは予算編成上この間問題になつたときから起きておる。大蔵大臣が前にお考えになつたときと、あとでこの経過措置をお出しになつたときと条件が違つておる。そこで無理やりにそういうふうにこじつけたといわざるを得ない。現に前の要綱においては市町村などについては何ら触れておりません。この警察制度改正要綱を読んでみますと、「経費負担その他」というところがある。ここにこう書いてあります。「国家公務員である警察職員給与、装備、国家的警察事務活動等に要する経費国庫の支弁とする。」「都道府県警察費の一部は特定の割合又は種類により国庫負担する。」「警察に要する経費は、都道府県負担とする。」こういう言葉はあるけれども、市町村負担するという言葉は一言も書いてない。それが俄然翌日になると、市町村という言葉がここに飛び出して来た。なぜこういうことになつたか。これは予算を組みかえざるを得ないという立場に追い込まれて、苦しまぎれにこういうことをおやりになつたので、それがために市町村がどれくらい莫大なる損害をこうむるか、どれだけの迷惑をこうむるかはかり知れないと思う。そういう点から考えてみても、市町村個有権を持つておる。府県府県個有権を持つておる。警察職員警察職員としての権利義務を持つておる。そういう政府の一方的な措置によつて、簡単に身分給料やその他の権利義務が左右されるというようなことは、とうていわれわれ国会として許し得ざるところである。現にそういうことが起る。起こればわれわれは支持せざるを得ない。大蔵大臣はこういうことに対していかなる措置をなさるおつもりですか、大蔵大臣の御答弁をお伺いいたします。
  35. 向井忠晴

    向井国務大臣 先ほども申しましたように、制度改正のときにはこういうことが起るのはやむを得ない。そうしますとただいまの御意見は見解相違ということになろうと思います。
  36. 中曽根康弘

    中曽根委員 見解相違ということになると、これ以上議論がだんだん進んで行くと、また黙祕権をお使いになるところにお進みになると思います。まさか今回は使われるとは思われません。しかし私は次に質問者が控えておりますから、またきようは大蔵大臣もお疲れのようですから、これで一応質問は保留いたします。しかしただいま申し上げた本質は残つております。疑問も残つております。それらの問題についてはあらためて別の機会に、大蔵大臣その他に厳重に所信を問いたださんとするものであります。私の質問はこれで一応終ります。
  37. 塚田十一郎

    塚田委員長代理 成田君の関連質疑を許します。成田君。——成田君にちよつと御注意申し上げておきますが、あなたの順番は川島君のあとになつておりますから、関連の部分だけにしてください。
  38. 成田知巳

    成田委員 ただいまの中曽根君の質問に対しまして、重大な発言があつたのです。と申しますのは、予算総則第十三条の問題でありますが、ことさらにこの総則を読み違えて言われたのか、あるいは言葉の誤りか知りませんが、主計局長は、行政組織改正行政組織改正と言つておられます。しかしながらこの第十三条は、国家行政組織法改正なんです。そうしますと国家行政組織法にはその第一条に「この法律は、内閣の統轄の下における行政機関組織の基準を定め、もつて国の行政事務の能率的な遂行のために必要な国家行政組織を整えることを目的とする。」この国家行政組織がいかなるものであるかということは別表に詳しく出ております。先ほど北海道開発庁のことを言われましたが、北海道開発庁国家行政組織一つとして、あがつておるわけです。従つて第十三条は、国家行政組織間の、国家機関内の予算移しかえでありまして、国家機関地方機関の間の予算移しかえということは、この第十三条では規定していない。二十三年度におやりになつたと言われますが、それはもしやつたとすれば悪例です。あくまでも国家行政組織間の問題であると解釈したいと思いますが、いかがですか。
  39. 河野一之

    河野(一)政府委員 これは先ほども申し上げたのが御了解願えなかつたかと思うのであります。国家行政組織法だけではないのでありまして、そこに「等」とございますが、従来のことを申し上げても、裁判所もございますれば、行政組織法以外のいろいろな法律があるのでございます。実体規定もあるのです。それ基いたいろいろの機構改廃もこれに含めてずつとやつておるということであります。
  40. 成田知巳

    成田委員 戦争中にいろいろ法律で何々等という法律が出た、それは悪法だと言われるのでありますが、今「等」ということを非常に問題にされておりますが、もし今言われたような「等」であるならば、国家行政組織法等改正によると、こう行かなければならぬ。国家行政組織法改正等のこの「等」は改正についているのです。もし警察とか裁判所とかそういうものを問題にするならば、国家行政組織法等改正ということにならなければいかぬと思いますが、いかがですか。     〔発言する者多し〕
  41. 塚田十一郎

    塚田委員長代理 御静粛に願います。
  42. 河野一之

    河野(一)政府委員 その点は従来からの取扱いもそうでありますが、そこに、読んでいただけばわかりますように、改正等に伴い、職務権限変更によりということで、すべてが入るのであります。
  43. 成田知巳

    成田委員 職務権限変更は、国家行政組織改正によつて職務権限変更があるのです。職務権限変更があるから国家行政組織以外のものでもこれを準用するというのは間違つておる。先例でおやりになるというなら、その先例が間違つておるので、やるべきではない。悪例なんです。等というのは——はつきり御確答願いたいのですが、国家行政組織法等改正というふうに書かなければ、この問題の解決はつかないのです。
  44. 河野一之

    河野(一)政府委員 成田さんは文章の問題をおつしやいますが、ここ数年来そういうような文句で実はそのような運用をいたして来ておるのであります。われわれは運用上当然だと考えております。
  45. 成田知巳

    成田委員 その運用はあくまでも間違つた運用なんです。悪例なんです。しかしこれは関連質問ですから、またあとから申し上げることにしまして、一応これで終つておきます。
  46. 塚田十一郎

    塚田委員長代理 古井君から関連質疑の申出があります。これを許します。古井君。——古井君にも御注意申し上げますが、関連の点だけに限定を願います。
  47. 古井喜實

    ○古井委員 ただいま中曽根君の質問に対する答弁を伺つておりまして、国家公務員府県の公務員になる者の給は与国庫が直接に支払う、また市町村吏員である警察職員府県公務員になつた者の給与は、直接に市町村が支払うということでありました。そこで従来国家公務員であつた者は国家に対する給与の請求権を失うのでありますかどうですか。また市町村公務員であつた者は市町村に対する給与の請求権を、個人としての権利を失うのかどうか。私はこの問題はきわめて重要だと思つております。今日私どものところに参ります多数の市町村警察職員は、自分たちは一体どうなるのか、これを憂えておる。また自治体は、自分たちの財産がどうなるのかということを憂えておるのであります。そこで私は明確に伺いたい。公務員たる個人が持つておる権利である給与請求権はどうなるのか、両方に対して持つのか、また今までのものを失うのか。この経過規定によりますと、支弁するという負担者をきめておるだけである。これだけで個人権利が入るのかどうか、両方に持つておるのかどうか、この点をまず明確に伺いたいと思います。
  48. 齋藤昇

    ○齋藤(昇)政府委員 ただいまの点は、都道府県警察になりましても、二十八年度中は従来の市の公務員であつた者は市に対して請求権を持ちます。失いません。それから国の方から給与をもらつてつたというものは国の方に対して請求権を持ちます。失わない、かように考えておるのであります。
  49. 古井喜實

    ○古井委員 従来の国に対する請求権あるいは市町村に対する請求権を失わないということでありました。府県に対して請求権を持つかどうか、お伺いいたしたい。
  50. 齋藤昇

    ○齋藤(昇)政府委員 二十八年度に限りましては府県に対する請求権を持ちません。
  51. 古井喜實

    ○古井委員 府県に対して請求権を持たないという根拠を示してもらいたい。それからこの支弁するという、経費負担者をきめる法律によつて権利が奪われるという根拠は私は出て来ないと思う。のみならずこの市町村給料を払いませんよ。これほど今度の制度に対して市町村自体反対をしているのである。給料を払わない。その場合は警察官は大動揺に陥るのであります。十月一日からこの法律が施行になるといたしまして、私の憂うる問題は、日本の全警察が大混乱に陥るということを憂えているのであります。地方費支弁に属する警察職員が八万四千名おります。八万四千名の地方費に属する警察官がいるが、これは全警察の約三分の二を占めております。この諸君が給与がもらえないというおそれがある場合に、一体職務が勤まりましようか。私はこの政府のおやりになつている措置のいい悪いよりも、むしろこの案によつて日本警察は大混乱に陥ると思います。それでその場合、市町村が払わない場合、府県に請求できないのか。必ず大混乱に陥る。こういうときに日本警察を半年もあるいはその余も混乱に陥れるということはどういうことでありましようか。これは容易ならぬことであります、よくお考えを願いたい。府県に対して権利がないと言われるのかどうかお伺いいたしたい。これは大臣から御答弁を願います。
  52. 本多市郎

    ○本多国務大臣 ただいまの御質問市町村法律を守らないということを前提にしての御質問のように受取れるのでございますが、私は国会で承認されて法律として制定されましたならば、市町村もこれを守るものと思います。さらにまたその利害関係の理論といたしましては、今回の警察制度改正は治安確保をさらに万全なものにするということでございまして、この改正がいいか悪いかという意見の相違から来る議論ではないと存じます。今日まで自治警察を持つておりました市町村が、その自治警察のため負担しておりました限度内において警察費を負担する。すなわちそのために特に地方団体負担の圧迫を受ける、過重ということはないわけでございます。今までの限度内における警察費を負担して、しかもその自治体警察であつたものが府県警察の支所となりまして、警察活動は一層万全を期せられ、治安の確保もできるということになりましたならば、りつぱに理論の裏づけもあることでございますので、改正されました警察制度は必ず遵奉されるものと期待いたしております。
  53. 古井喜實

    ○古井委員 本多国務大臣のような東京市政まで御関与になつて裏から裏まで御承知の大臣の御答弁として、まことに驚き入りました。一体この市町村が支払わなかつた場合にはいかなる強制方法が施せるのでありましようか。  (「仮定の理論はいかぬよ」と呼ぶ者あり)今全国の市町村政府の案に対して大反対をいたしているのであります。御承知でありましようか。この状況においてこの給与自分の税金で払え、——せめて平衡交付金でもらつたもので払うならまだしも、自分の自己財源、自分の税金まで出して給与を払え、そして権限は府県に持つて行かれてしまつた給与は払え。これで払うとお考えになりますか。払わないときにはどういう方法がありましようか。なおまた市町村等においては、警察のための財産をただ持つて行かれてしまう、こう規定を見て驚いているのであります。これは国庫から、府県からもらつた金でつくつた財産ではございません。税金でつくつた財産である。これをどうして持つて行かれるのか、非常な疑問を持つております。きのうの委員会と称せられるものの応答には先例があるどいうことでございました。あるならば、その先例を伺いたい。     〔「強盗だ」と呼び、その他発言する者多し〕
  54. 塚田十一郎

    塚田委員長代理 静粛に願います。
  55. 古井喜實

    ○古井委員 強制方法はいかん。実行できるとお考えになる今の情勢においての理由いかん。今の諸点について御答弁願いたい。
  56. 本多市郎

    ○本多国務大臣 前段の御質問はただいまお答えいたしました通りに、法律を守るか守らぬか、守らぬことを前提としての御質問でございますから、これはまつた前提が違つていると思います。(「根拠がない」と呼ぶ者あり)根拠はさいぜん申し上げた通りでございます。さらに平衡交付金でも出ているならばとにもかくにもというお話でございましたが、二十八年度限り警察費を負担するものとして平衡交付金を交付するのでございます。  次に警察用財産物品等の所有権の移転の問題でございますが、これはさいぜん予算問題についてお話がありました通りに、二十三年の府県警察から自治体警察に移行いたしましたときも、その後同じ処置がとられているのでございます。また自治体警察廃止、する場合、その自治体住民の投票によつて決せられるという制度が開かれまして、昨年は相当数の自治体警察廃止を見たのでございますが、その場合における財産物品等の所有権の移転につきましても、同じ制度で所有権が移転いたしているのでございます。その今日まで使つておりました庁舎等は、お話の通りおおむね府県から無償で自治体警察に移つたものでございますけれども、その後新築拡張等のために起債等によつているものもございます。こうしたものにつきましてはその負担関係を調整する必要があると存じます。さらにまた起債がない場合でありましても、地元負担でやつている問題につきまして、事情によつて府県市町村の間に協議をしなければならないと存じます。そうした問題は前回の自治警への移転のときも、さらにまた自治警から国警へ移管のときにも同じような方法で円滑に進んで来ておりますので、今回も適当な調整をいたしましたならば、円滑に実現できるものと考えております。さらに今回の警察用財産なるものは、やはり、経費についても申し上げました通りに、それが同じその市町村の治安確保のために供せられることでございますので、大きな目的のために移転の措置としては従来通りの方法をとつて行くことが適当であると考えております。
  57. 古井喜實

    ○古井委員 ただいま私が尋ねました、市町村給与を払わない場合の強制方法いかんということについては、はつきりした御答弁を伺わなかつたように思います。  次に、市町村に属しておつた警察官がその市町村以外に転入することもたびたびあるのであります。これも支払うのであります。支払わなかつた場合に強制方法がない。これは政府としてはそのための措置はとらない。やるであろう、こういうことにまかして何の方法も考える必要がない、こういうことでほうつてしまわれるのでありましようか。それで一体八万四千の警察職員が安心して働くでありましようか。この点について方法がないのか。政府は何も配慮をしないとおつしやるのか、伺いたいと思います。
  58. 本多市郎

    ○本多国務大臣 重ねて前段の御質問に対しましては、そういう法律をつくつて市町村警察には支弁をしないという、法律を守らないということを前提としておられますが、私どもは法律は守られるという考えでございます。     〔「守らせる根拠がないじやないか」と呼び、その他発言する者多し〕
  59. 塚田十一郎

    塚田委員長代理 御静粛に願います。
  60. 本多市郎

    ○本多国務大臣 市町村における府県警察の性格はかわりますけれども、この費用市町村で支弁するという法律根拠であります。  さらに転任した場合は、その人間の給料はどこからもらうかというようなお話に聞えたのでありますが、それは転任した先の警察のある市町村であります。
  61. 古井喜實

    ○古井委員 たいへんなことを伺いましたが、一体悪意で払わないというだけを申しているのではありません。こちらの市の警察職員であつた者が、まるで別のところに行つた場合に、月々の給料が払えないことも悪意でなくても起るのであります。こういう場合に払わなかつたらどうするのか、その不安を現在持つておるのであります。今またおまけに、伺いますれば、地元の市町村で払うのだというような意味のことをおつしやつた。これはどういうことでありましようか。地元の市町村で払うのでありましようか、どうですか。
  62. 本多市郎

    ○本多国務大臣 二十八年度の措置といたしまして、根本方針は御承知の通りであります。かりに一つ市町村警察から、他の自治体警察でありました市町村警察に転任をしたいというような場合には、その転任先の警察のある市町村が本年限りは負担する、そういう意味であります。
  63. 古井喜實

    ○古井委員 今本多大臣は、自治体警察のあつた市町村から、他の自治体警察のあつた市町村に行つた場合のことをおつしやいました。ところが従来自治体警察がなくて、国警だけあつたという場所に行つた者は、どうでありましようか。
  64. 本多市郎

    ○本多国務大臣 これは国警長官に補足してもらいますが、その場合には現在の国家地方警察の管内に行くことでございますから、今度はそこの公務員となるわけでございますので、そこの系統で払うということになります。また現在の国家地方警察の系統の警察から自治体警察にやはり定員の範囲内において異動が行われるということでありますので、支払いに支障が生じないと思います。
  65. 古井喜實

    ○古井委員 そこの系統のという意味を御説明願います。  なお、どこに行つてもどこかで払うとおつしやる意味では了解ができません。どこで払つてくれるのか、これが大事な問題であります。そこの系統というわからないことをおつしやらないで、明確にひとつ……。
  66. 本多市郎

    ○本多国務大臣 これはあまりに常識的でしたから、私はそうくどくど申し上げる必要はなかろうと思つたのであります。警察官が転勤した場合、転勤した先の警察費用を担当するものが担当して払う、こういうことであります。
  67. 古井喜實

    ○古井委員 転任した先の警察を担当するものというのはどこでありますか。自治体警察のないところに転任した場合について御説明願いたいと思います。
  68. 本多市郎

    ○本多国務大臣 二十八年度限りは、転任先が今まで自治体警察を持つていたところでありましたならば、その市町村、それから転任先が今まで国警の系統範囲内でありましたならば、国家から直接払うということになります。
  69. 古井喜實

    ○古井委員 ただいまの本多大臣の御説明によりますと、自治体警察のあつた地区からしからざる国警地区に転任すれば、みな国庫で払うとおつしやるのですが、それで一体国費は足りますか。全部払うとおつしやるのか、承りたい。
  70. 本多市郎

    ○本多国務大臣 これは従来の自治体警察にいたしましても、さらに今日まで国家地方警察でやつておりましたところにいたしましても、それぞれその警察署の定員というものを設けられることと存じますので、その定員の範囲内において異動がある分には予算に支障は生じない、こう考えております。
  71. 古井喜實

    ○古井委員 先ほど本多大臣は、経費の支弁についても、財産の移転についても、先例があるというお話でありました。財産の移転についての先例とお話になりますのは、どの先例をおつしやつておるのでありましようか。
  72. 塚田十一郎

    塚田委員長代理 古井君に申し上げますが、その点は関連の範囲を越えますので、川島君にまわしたいと思います。
  73. 古井喜實

    ○古井委員 大臣答弁を……。
  74. 塚田十一郎

    塚田委員長代理 それはあなたがお尋ねになつたので、御答弁が出るのですから、その点は……。
  75. 本多市郎

    ○本多国務大臣 その先例は他の機会に詳しく申し上げてもよろしゆうございますが、二十三年の警察制度の改革のとき、府県の所有物であつたものを自治体警察へ移管したという先例がございます。さらに昨年来自治体警察がたくさん廃止になりましたことは御承知の通りであります。そうしたものの国家地方警察で使用いたすものについて所有権の移転をいたした例がございます。詳しくそれをどういうふうに移転したかということについては、国警長官から説明があると思います。
  76. 齋藤昇

    ○齋藤(昇)政府委員 ただいま本多大臣から御答弁申し上げた通りでございまして、先般自治警を廃して、国家地方警察の管轄に入れるという改正をいたしましたときに、そういう附則をつけているのであります。詳しくはその予算審議のときに御審査いただきたいと思います。
  77. 塚田十一郎

    塚田委員長代理 その問題は打切つて、もし疑義があれば、別の機会にお許しいたします。  川島君に発言を許します。
  78. 古井喜實

    ○古井委員 ただいまの質問に対して応区切りをつけて……。     〔「どんどん続けてやれと呼び、その他発言する者多く、議場騒然〕
  79. 塚田十一郎

    塚田委員長代理 社会党の了解があつたようですから……。古井君。
  80. 古井喜實

    ○古井委員 今齋藤国警長官の御説明によると、昭和二十六年の警察法の改正によるあの場合、つまり警察法の改正によつて自治体警察を国警に移す場合において先例があるということをおつしやいました。この場合に自治体警察廃止するについて住民の一般投票をやつているのであります。住民の一般投票によつて自治警を廃して国警に移すという住民の意思がみな一致した場合において、財産が移るという場合であります。昭和二十三年と本多国務大臣はおつしやいましたが、昭和二十三年の場合の御説明は遺憾ながら伺うことができませんでした。この点を明瞭にしていただきたいと思います。
  81. 本多市郎

    ○本多国務大臣 この点についてはいずれ法制局長官からお聞き取り願いたいと思いますが、私の考えといたしましては、住民投票による自治体警察の移管ということは、個々に起きる問題でございます。今回は一般的な警察制度に伴う措置でございますので、住民投票の場合とは事情が違つています。
  82. 古井喜實

    ○古井委員 ただいまの点でありまするが、要するに、昭和二十三年の場合に先例があつたということは、間違いであつたとおつしやるのか、先例があつたとおつしやるのか、念を押しておきたいと思います。
  83. 本多市郎

    ○本多国務大臣 間違いがあつたとは申し上げておりません。
  84. 古井喜實

    ○古井委員 それならば、さつき二十三年の先例があるとおつしやつたのでありますから、その先例を御説明願いたいと思います。
  85. 齋藤昇

    ○齋藤(昇)政府委員 二十三年の場合の措置は、二十四年に単行の法律を出しておりまして、その法律はやはり同一趣旨によるものでございます。
  86. 古井喜實

    ○古井委員 先ほどのしまいの御説明がちよつと伺えなかつたのでありますが、同一趣旨とおつしやつたのでありますか、どういうことでありますか。
  87. 齋藤昇

    ○齋藤(昇)政府委員 無償で譲渡をするという趣旨でございます。
  88. 古井喜實

    ○古井委員 市町村から巻き上げるという場合ではございますまい。
  89. 齋藤昇

    ○齋藤(昇)政府委員 警察責任の所在の変更によつて、その変更をした先に財産を無償で譲渡するという趣旨でございます。
  90. 古井喜實

    ○古井委員 およそ国家市町村に援助を与えましたり、財産を無償で交付したりするということはあることであります。上級の国体が下級の団体に援助をするということもあることであります。下級の団体から無償で財産を巻き上げるという場合の先例がありましたかどうかということを伺つておるのであります。
  91. 齋藤昇

    ○齋藤(昇)政府委員 下級の団体から上級の団体に無償で譲渡をするというのは、自治体警察廃止して国家地方警察所管に入れたという場合だけでございます。それは御承知のように警察権の所在がかわりましても、当該地方警察の用に使うわけでありますから、さような趣旨でこの前の改正の際も立法せられたものと考えております。その立法趣旨をこのたびも踏襲いたしたいと考えております。
  92. 古井喜實

    ○古井委員 私が求めた前例とは少し違うようでございます。おまけに先例とおつしやるものによりますと、不必要な財産を移転できるということであります。今回のこの措置によれば、どこに必要、不必要の区別がありますか、この点を明瞭に願いたいと思います。
  93. 齋藤昇

    ○齋藤(昇)政府委員 これは要綱でございますので、さような趣旨だけを示しておるのでございます。ただいま立法中でございますので、法律案になりましてから御審議願いたいと思います。警察に不必要なものを……。   (発言する者多し〕
  94. 塚田十一郎

    塚田委員長代理 御静粛に願います。
  95. 齋藤昇

    ○齋藤(昇)政府委員 譲渡するという意思は毛頭ございません。
  96. 古井喜實

    ○古井委員 それではひとつ明瞭に伺つておきたいと思います。要綱においては必要、不必要にかかわらず巻き上げるというような規定になつておりますが、立法においてはそうはしない、不必要なものだけを移転するのだということでありますか、明瞭に願いたいと思います。     〔「犬養国務大臣答弁」「これは重要な問題だ、責任者の答弁だ」と呼び、その他発言する者多し〕
  97. 塚田十一郎

    塚田委員長代理 御静粛に願います。——御静粛に願います。
  98. 齋藤昇

    ○齋藤(昇)政府委員 警察に不必要なものを譲渡させるような考えはもちろんありません、これはもう常識でありますから、要綱には省いております。法律には入れるつもりでございます。
  99. 古井喜實

    ○古井委員 私はこれは国警長官が補佐される事務の範囲外だと思つております。国家地方警察だけを担当されている国警長官の御職分の外であります。責任ある政府の御当局から御答弁を求めます。
  100. 犬養健

    犬養国務大臣 ただいま政府委員が述べた通りでございます。
  101. 古井喜實

    ○古井委員 ただいま法律においては不必要な財産だけを移転する規定を設けるということであるということが明瞭になりました。そこでその財産を移転される場合に、先ほど本多大臣の御説明のうちから明らかにしておきたい一点があります。財産を移転する自治体は、特定の甲、乙という、きよう現に自治体警察を持つておる市町村だけであります。抽象的な市町村ではございません。この特定の市町村に対して財産の移転を規定する、あるいは経費の支弁を規定する、これはいわゆる地方特別法ではございませんか。住民の一般投票を要する事項ではございませんか。
  102. 本多市郎

    ○本多国務大臣 これは特定の市町村に施行する法律ではないと考えております。
  103. 古井喜實

    ○古井委員 憲法第九十五条の「一の地方公共団体」というのは、単一のという意味ではございません。特定のという意味は明瞭であります。そこで現にきよう自治体警察を持つておる市町村だけを対象にした一もしそれが一つであれば事は明瞭でありますが、特定の市町村だけについて財産が移転するというような法律を設けるのであります。これは明瞭に憲法上住民の一般投票を要する地方特別法だと思います。しかるにかかわらず、もしあえてこれをしからざるものとしてお扱いになるならば、これは違憲の立法になつて訴訟が起りましよう。明瞭に願います。
  104. 本多市郎

    ○本多国務大臣 これは見解相違かしれませんが、二十三年自治警察施行の際において、やはり新憲法のもとにおいて、一般的な警察制度の改革は、特定の市町村に施行するというような建前でなく解釈されております。
  105. 古井喜實

    ○古井委員 関連でありますし、あまり長くなりますからやめたいと思いますが、ただ明瞭にいたしておきたいと思いますのは、二十三年のときには府県の財産が移転する、あるいは国の財産が移転する、このときの関係した府県であります。例外は一つもありません。今回の場合は、自治体警察を持つておる特定の川崎市とか尼崎市とか、こういう市町村だけが引続いて吏員給料を支払う、あるいは警察用の財産が移転される、こういうことになると思います。まつたく話が違うのであります。この点をもう一度お聞かせ願います。
  106. 本多市郎

    ○本多国務大臣 これは最初に御答弁申し上げましたように、今回の警察制度改正は、特定の市町村に適用されるという趣旨のものではなく、一般的な制度改正である、こういうふうに思います。もし古井さんのような見解をとりますならば、他の法律の中にも特定の市町村には関係がないという法律はたくさんあるわけでございます。そうした場合も一般法律としてこれを公布されるのでございます。
  107. 古井喜實

    ○古井委員 特定の市町村であれば、一般住民投票によるべきだという考えだけは明瞭になりました。そこで特定かどうか、これは至つて明瞭であります。きよう自治体警察を持つておるところはさまつておるのである。これから先、市町村自分たちの血税でつくつた警察用財産を提供することには非常に大きな抵抗をするでございましよう。あるいは違憲の、無効の立法であるという訴訟も起るかもしれません。しかし私は関連質問でありますから、後日の機会において、また他の問題とともにあらためて御質問して行きたいと思います。
  108. 塚田十一郎

    塚田委員長代理 川島金次君。
  109. 川島金次

    川島(金)委員 まず私は、年度の途中においてこの重大な治安機構である警察法をどうしても改正しなければならぬという政府根拠はどこにあるか。これをまず明確にしてもらいたいと思う。
  110. 犬養健

    犬養国務大臣 お答えをいたします。国の内外の情勢にかんがみまして、治安の保持ということが非常に急を要するという判断をいたした結果でございます。それと関連いたしまして、やはり組織の一本化——二つの命令から、似たような仕事をするものが、わかれて並立するということが、現実上御経験もあると思いますが、どうもさしさわりがありますので、ここに組織を一本化する。そして命令を明確に貫徹させたい。こういう必要からでございます。但しそうやりますと、とかくいわゆる警察国家になりやすいので、御承知のように警官のやり過ぎに対して各種のそういう制限規定を設けておる次第であります。
  111. 川島金次

    川島(金)委員 今法務相は、治安保持のためきわめて急を要するというところに、警察法改正根拠があるようなお答えであります。しからばそういう急を要するという実情はどうなつておるというのか。この察警法を改正せずこのまま存置いたしますならば治安の保持ができないという、何らかの具体的な根拠があるのか。それを明確にしてもらいたい。
  112. 犬養健

    犬養国務大臣 昨日も同様な御質問があつたのでございますが、ただいまの制度におきましては、個々の警官、国家地方警察の警官あるいは地方自治体警察の警官個人々々のどちらが劣るかという議論は別問題でございますが、種類の違う警察が二つ並立してあります場合に、やはりそこに管轄の間の盲点とか、いろいろなものがありまして、暴力主義的破壊活動のいわゆる軍事方針をいろいろ研究しておりますと、この管轄の境目の盲点というものが、私たちの立場から考えますとやはり気がかりになりまして、急ぐ心持を決した次第であります。
  113. 川島金次

    川島(金)委員 そういう急ぐ実情があるといたしますならば、何ゆえに政府はもつと明確なものをあらかじめ用意しなかつたのか。しかも今日、予算はすでに一箇月にわたつて審議せられ、しかもその過程において今なお政府からは要綱だけが国会に提示されている程度である。急を急がなければ国内の治安の保持ができないという焦頭欄額といいますか、そういう実に急を要する問題というにかかわらず、政府のやつていることはきわめて漫々的ではないのか。いまだに法律案すらもできておらない。しかも名前がどつちになるのかさえも未決定というようなありさまである。こういう状態で、しかも国内の治安に急を要するというその答えと実際とはまことに矛盾もはなはぢいとわれわれは思うのでありますが、その点はどうですか。
  114. 犬養健

    犬養国務大臣 いろいろの考え方がありまして、ただ一つ考え方だけに頭を熱中させるのは国民に対する義務でございませんので、いろいろ考えられる組織制度をあれやこれやと考えまして、時を費したわけであります。
  115. 塚田十一郎

    塚田委員長代理 西村君から関連質問の申出がありますからこれを許します。
  116. 西村榮一

    西村(榮)委員 簡単にお尋ねいたします。ただいま法務大臣から、本法制定の真の目的は、国の治安の緊迫化から急を要するという御説明がありました。これで御答弁間違いありませんか。
  117. 犬養健

    犬養国務大臣 いろいろ副次的な原因はございますが、一番おもな原因はそれでございます。
  118. 西村榮一

    西村(榮)委員 私は結論だけ申します。総理大臣は施政演説の中において、国際情勢はきわめて楽観すべき方向に向いつつある。自由党内閣の努力によつて国情は安定しつつある。こういう施政演説をなさつた。しからばあなたの今の本法制定の趣旨と、総理大臣の施政演説とは違つておるではないか。(拍手)この問題をどうするか。
  119. 犬養健

    犬養国務大臣 西村君の御質疑はこういうことだろうと思います。なるほど野党の方面からいろいろ国際情勢についての御議論がありましたが、総理大臣としては、国際間において戦争の危機はそう切迫していない。しかし国内の底流に流れ薫るいろいろな暴力主義的破壊活動の動きは、表面平穏のようではあるが、なお警戒を要するということを……(「緊迫しておるとは言つてないじやないか」と呼ぶ者あり)それに対して緊迫化すと言うことは、当然の義務だと思つております。
  120. 川島金次

    川島(金)委員 政府はただ声を大にして国内治安の確保の急を要すると言うだけであるけれども、その実情というものはきわめて曖昧模糊であつて、ほとんど把握はできません。そこで政府はこの重要な問題について、正式な法律案は一体いつ出すという見込みになつておるのか、その点を伺いたい。
  121. 犬養健

    犬養国務大臣 お答えをいたします。今ほとんど徹夜でつくつておりますが、きわめて近いうちに、数日中にでき上ると信じております。
  122. 川島金次

    川島(金)委員 そういう数日中なんというような不明確な事柄ではわれわれ了承できません。今や法務大臣みずからが国内治安の確保の急を要するといきうわめて緊迫した答弁であります。そういう事情にあるにかかわらず、法律案がまだ数日後であろうというような事柄では、まつたく答えになつておらぬと思う。いつこれを国会に提出する運びになるのか、明確な日時を明らかにしてもらいたい。
  123. 犬養健

    犬養国務大臣 印刷の都合もありまして——これは緊迫、不緊迫と別個に、印刷の所要時間がございますが、大体二十四、五日にでき上ると思います。
  124. 川島金次

    川島(金)委員 それではわれわれは二十四日か五日にならなければ、この重大な法律案を政府は国会に提出できないと了解しておきます。  そこで続いてお尋ねいたします。これは大蔵大臣及び法務相にあわせてお尋ねいたしますが、私の乏しい経験によりますと、元来この重要なる法律案を提出し、しかもての法律案が直接に大きく予算の上に影響を与えるという問題を、年度の途中において実施するということを予定して出すという、この国会への提出の手続が、妥当であるかどうかということを政府考えておるか、私の見解をもつていたしますならば、この重大な問題、しかも政府が国内治安確保の急を要するという実情をみずから把握しておるならば、少くとも年度の初めにおいてこの改革が実施されるという建前もしくは諸般の事情上、許されるならばこの年度中において重大法案を審議し、明年度初頭においてこれを実施するという仕組みと順序にすることが、手続の上から言いましても、その他諸般の事情から言いましても、当然な事柄ではないかと思うのでありますが、このような重大な法案を突如として提案し、しかもそれを年度の中途において実施することが予定され、そのために当初編成された中央及び地方の財政予算の上に、重大な影響をもたらすという現実を考えたときに、こういう手続の仕方というものが、妥当なものであると政府考えておるかどうか。その点についての見解を両相から承つておきたい。
  125. 犬養健

    犬養国務大臣 お答えいたします。あるいは見解相違ということになるかもしれませんが、何よりもまず組織の改革というものを、一本筋を入れてやつておくことが大切であると思つておる次第でございます。
  126. 向井忠晴

    向井国務大臣 私の考えも法務大臣と同じでございます。
  127. 川島金次

    川島(金)委員 こういう重大な問題は、今私が申し上げましたごとくまず年度の初頭において実施をする、従つて予算も新しい年度において、その実施の上に立つて編成されて来る、こういうことが私は政治の常識でなければならない、そのことが手続上妥当なものでなければならぬと思いますが、そういうふうには考えられませんか、もう一度お尋ねいたします。
  128. 犬養健

    犬養国務大臣 お答えをいたします。これもあるいは見解相違になるかもしれませんが、何でもかんでも腕押しで早急にきめるということならば、川島さんの御説に従つてもよろしいのでございますができるだけ地方を納得させながら丁寧にやつて行きたい。こういう心持がありまして、十月より実施ということになつております。また、もしもそれよりも早く実施期日を定めまして、いろいろの事情で遅れるようなことがありましたならば、これもまた責任がありますので、妥当な時期というものを、慎重を期して定めた次第でございます。
  129. 向井忠晴

    向井国務大臣 準備に手間がかかりますので、ただいま申しましたような時期にいたすよりしかたがなかつたのでございます。
  130. 川島金次

    川島(金)委員 法務大臣答弁にあるように、国内治安の確保のために非常な急を要するという建前でこの無理な警察法を出して参つたのですが、一体国内治安の確保のために、警察法を改正しなければならぬ緊急事態というものを政府が感じたのは、いつごろなんですか。
  131. 犬養健

    犬養国務大臣 新内閣ができまして、最初にいろいろ会議を開きまして、表面国内の情勢は一時平穏のようではあるが、なおかつ底流を検査しますると、破壊活動は、まだ警戒を要するという結論に達しまして、それに対処する方策がいかがなものかということを考えた次第であります。
  132. 川島金次

    川島(金)委員 その要綱によりますと、十月一日を目途として実施する。本来なら、政府がそれほど急を要する問題であつたならば十月一日とか、九月一日とか、八月一日とか、明確な線が引かれなければならぬ。そうでなければ、今のお話とは矛盾すると思う。十月一日までは現状のままで、別に国内治安の確保について不安がないという見通しのもとにやつておるのであるか、どういうことになりますか。
  133. 犬養健

    犬養国務大臣 先日中曽根委員にお答えをしたのでありますが、十月一日を目途としてはおるが、できるだけ早く制定したいという心持を申し上げた次第であります。いろいろご意見を伺つたのでありますが、どうも論理が飛躍しておるようでございます。一方は緊迫を要するので急ぐが、しかし大事なことであるからできるだけ慎重を期したい、この両方の要点というものはきわめて大切なことと私は考えまして、急ぐけれども無理をしないで慎重に実施の方法をきめたい、しかしそうかといつて来年までほつておくというわけには行かない。そういう心持で実はいたわけでございます。
  134. 川島金次

    川島(金)委員 政府は慎重ということを言つておりますが、おそらくこの問題については、かんじんかなめの党内にさえもいろいろ異論があるために、せつかく政府は緊迫を感じているけれども、次第に延びて来ておる。従つて二十四、五日でなければ法律案でさえもまだ出せない、こういうていたらくであることは、法務大臣は心中相当責任を感じておろうと思います。そこでさらに私はお伺いいたすのでありますが、昨日私はこの法案の改正に直接、間接関係ある国内の有力な人たちの見解を承つたのでありますが、今や地方警察の各位は、一体今度の警察法の改正によつて自分たちの身分がどうなるのであろうか、あるいはまた一体いつこれが実施されるのであろうか、そういつたことについて相当の不安と動揺を感じておるという事柄でございます。こういつたことについて法務相は何らか調査をしたことがあるか、あるいはそういつた事柄に対してどういうふうに対処して、動揺なきよう、不安なきようにする考え方を持つておるか。その点についての態度を明らかにしていただきたい。
  135. 犬養健

    犬養国務大臣 お答えを申し上げます。お話のように各方面から、自分たちがどうなるのであろうか、あるいは警官の人たちがどうなるのであろうかという心配で、いろいろ御陳情があります。その通りでございます。私はでき得る限りこの人たちと長時間会いまして、そういう心配のないように、いろいろこちらの考えも話し参つておるのであります。究極は、ただいま御指摘の点は、法律案作成のときに、それらの人々の心持をくみまして作成いたしたいと考えております。
  136. 川島金次

    川島(金)委員 地方警察ことに自治警察は、住民投票によりまして廃止するという法律、そのことを出発点といたしまして、今日はかなり廃止したところもあります。しかしまた一方においては相当存続をしておる、しかも相当能率を上げているものもあるように承つておるのでありますが、今日存続しておる地方警察というものは、政府から見ても、存続はしているけれども、あまり治安確保のために役に立たないと考えておるのかどうか。その点はいかような見解でおられるのか。
  137. 犬養健

    犬養国務大臣 お答えをいたします。それらの人たちの代表の人にも会いまして、いろいろな事情も聞きました。決して今の人がなつてない、そういう考えではないのでありまして、よりよい制度をつくろうという考えであります。
  138. 川島金次

    川島(金)委員 今この問題をめぐつて地方自治警察の各位に相当な不安を与えていることは事実であります。その点、政府は相当注意を要するのではないかと、われわれは心配をいたしておるのであります。そこで重ねてお伺いいたします。先ほど改進党の古井委員から質問がありましたが、この法律を実施いたしました後において、国家警察あるいは都道府県警察であるのにかかわらず、市町村がそれの費用負担をしなければならぬ、ことに人件費の問題等のごときは、市町村にとつては相当重大な事柄であろうと思いますが、さらにあわせて一般の施設の問題についても、これまた警察の活動の上において一日も欠くことのできない重要なものがたくさんございます。   (塚田委員長代理退席、本間委員長代理着席〕 そういつた重要な施設について破壊をしたり、あるいは損耗してしまつて用をなないような事態になる、しかも市町村はこれに対して応急の修理とか、あるいは新しくそれを買いかえるとかいうようなことのできないような事情になつたときに、一体どういうことになるのでありますか、その点はいかがですか。
  139. 本多市郎

    ○本多国務大臣 従来の自治警察のあつたところで、やはりそこにできます。る府県警察費用を担当するのでありますが、これは二十八年度限りの暫定措置でございます。その財政的な裏づけといたしましては、平衡交付金も警察費を払うものとして算定いたします。またその土地における予算の総合的な計画といたしましても、同じ警察があるということを建前に予算を作成いたしますから、予算の面からは特にこのために生ずる支障というものはないと考えます。
  140. 川島金次

    川島(金)委員 私はそうは思わないのであります。大臣もおそらく御承知の通り都道府県あるいは市町村は、今ようやく予算をつくつておるのです。そして予算議会をやり、予算問題を検討しておる。しかもそのやさきにこういう重大な変改が起つて来る。従つてその変改を目途として、こうした事柄について単なる感情ではなく、いろいろの立場から、やがてはこの警察都道府県に科り、国のものになるというので、警察のある市町村におきましては、その部面に対するところの予算をできるだけ節約するという感じになることは、私は人情上も当然だと思うのです。従つて人件費のごときはもちろんでありますが、その他の重要な施設の上において重大な支障が起るのではないかと私は思う。そういうときに一体国はいかなる手段と方法とをもつてそれを補おうとするのか。命令で出すのか、それともそういう場合には、国の方でそれを補うという立場をとるのか、その点はどういうことになりますか。
  141. 本多市郎

    ○本多国務大臣 これは府県警察と性格がかわりましても、やはりその警察市町村の治安確保のために活動するのでございますから、予算の作成にあたりましても、その見地に立つて作成されるものと期待いたしております。特に一年度限りの負担であるから、今年度予算の査定にあたつて、故意に圧縮して警察活動に支障を来すというようなことはないことと考えております。そういうことのないように、これはどこまでも努めて行きたいと存じます。
  142. 本間俊一

    ○本間委員長代理 川島君にちよつと申し上げますが、あなたの方の河野さんから関連して質問があるいうことですから、御了知を得れば……。
  143. 川島金次

    川島(金)委員 よろしゆうございます。
  144. 河野密

    河野(密)委員 ただいまの問題でありますが、私は本多国務大臣犬養法務大臣並びに向井大蔵大臣に、はつきりしていただきたいと思うのであります。地方公共団体に新しい任務を課し、あるいは新しい負担をかけるときにおいては、国家はこれは対して財源上の措置をしなければならないはずであります。しかるにこの予算のどこに財源の措置が講じてあるか。地方財政法の第十三条に「その経費地方公共団体負担する国の機関が法律又は政令に基いてあらたな事務を行う義務を負う場合においては、国は、そのために要する財源について必要な措置を講じなければならない。」こういうことになつておるのであります。この経費地方公共団体負担する国の機関というものは、これは当然府県知事であり、あるいは市町村長であるはずだと思うのであります。これに対して新しい法律をもつて負担をかける場合において、財源上の措置を講じないということは、法律上の違反であるということがはつきりしておると思うのでありますが、明確なる御答弁を願います。
  145. 本多市郎

    ○本多国務大臣 お話の通り地方財政法におきまして国が地方団体に新しい財政的な負担をかける場合には、それぞれその費目ごとに財政措置を講じて行かなければならぬことになつておりますが、今回の二十八年度限りの暫定措置におきましては、その財政措置は平衡交付金で講ずるのでございます。
  146. 河野密

    河野(密)委員 今の御答弁では納得しできないのでありますが、平衡交付金の額を算定するにあたりまして、こういう既定の財政規模というものを予定して——給与改訂に基く増、物価騰貴に基く増、自治体警察廃止に伴う減、こういうものをすべて前提として、地方財政平衡交付金の算定をいたしておるのであります。これ以外に地方財政平衡交付金を算定する基準がないはずだと私は思うのであります。それに基いて地方財政平衡交付金を算定しておきながら、新しい負担地方の公共団体に課するにかかわらず、これに対する財源の措置を講じておらないというのは、私はこの法律違反であるし、ひいて憲法違反であると思うのでありますが、その点は御答弁をまつて、さらに尋ねます。
  147. 本多市郎

    ○本多国務大臣 平衡交付金を含む財政計画におきまして、財政措置を講じてあるのでございます。ただいまお読み上げになりました通りに、この財政措置の範囲内において、支出の責任を負うのでございますから、新しき財政負担というものは起きないのでございます。
  148. 河野密

    河野(密)委員 地方財政平衡交付金の額は、少くともこの法案に盛つておる本年度の一般予算に計上してありまする財政の範囲においては、自治体警察廃止に伴う減というのは、現在各地においてやつておりまする住民投票による自治体警察廃止に伴う減を見込んでおるだけであつて、全般的なる自治体警察廃止に伴う地方財政平衡交付金というものは考えておらないはずであります。それによつて全般的に自治体警察廃止するにもかかわらず、これに対する財港措置を講じなくてもよろしいということは、私は言えないと思うのであります。  大蔵大臣にお尋ねしますが、大蔵大臣はこの予算において、地方財政平衡交付金八百億円を算定するにあたつて、いかなる基準によつて、これを算定されたのでありますか。今本多国務相の言われるようなそういう趣旨をもつて、この地方財政平衡交付金を考えられたのかどうか、御答弁を願いたい。
  149. 本多市郎

    ○本多国務大臣 先に私からお答えいたします。自治体警察のありまする市町村に対しましては、その自治体警察を維持するための基準財政需要額というものを算入いたしております。それが十月一日からかりに新しい警察法の改正があるといたしますと、その財政措置が、そのまま支弁費の財源になるから財政措置は伴つておると思います。
  150. 向井忠晴

    向井国務大臣 本多さんのおつしやつたのと同じでございます。
  151. 河野密

    河野(密)委員 なお重ねてお尋ねしますが、地方財政法第十三条にいつてありまする「国は、そのために要する財源について必要な措置を講じなければならない。」というのは任意規定でありますか、それとも義務規定でありますか。なお義務規定であるといたしまするならば、「前項の財源措置について不服のある地方公共団体は、内閣を経由して国会に意見書を提出することができる。」「内閣は、前項の意見書を受け取つたときは、その意見を添えて、遅滞なく、これを国会に提出しなければならない。」こういうことになつておるのでありますが、もし財源措置を講じておらないということによつて地方がこれに対する財源を要求した場合においては、当然にこの予算の範囲内においてはまかなうことができないと私は信ずるのでありますが、もし地方の公共団体が、この条文に基いて財源の措置が講じられておられないからして、われわれは財源の措置を案ずるということを提出して参りました場合においては、当然に大蔵大臣としてあるいは内閣として、この予算の補正なり、あるいは編成がえなりをしなければならない義務を負うものと私は思いますが、これはいかがでありますか。
  152. 本多市郎

    ○本多国務大臣 法律の趣旨は、ただいまお読み上げになりました通り明瞭だと考えております。それはまさに国家地方団体に対する責任を明らかにした規定であると考えておりますから、責任規定であると思います。もし国の財政措置が不十分であるということで、手続を経まして、国会においても不十分であるという決議になりますれば、お話の通りになるのでございますけれども、また平衡交付金の決定にあたりましては、国会の承認を得て、これで地方財政措置は整つているという建前に立つておるのでございますから、さような心配は起きないと思います。
  153. 河野密

    河野(密)委員 これは単なる仮定というようにおとりになつては困ると思うのでありまして、現在の地方の公共団体においては、今回の自治体警察廃止に対する反対運動をいたしておることは御存じ通りだと思うのであります。もしこの反対運動をしておりますものが、その財源の措置が講じられておらないからというので、成規の手続をとつて、財源を増してくれ、あるいは財源を与えてくれということを要求して参りました場合においては、私は当然に国会において、あるいは政府において、これが補正の手続をとらなければならないものと考えるのであります。この点重ねて本多国務大臣並びに向井大蔵大臣の御見解をただします。
  154. 本多市郎

    ○本多国務大臣 ただいまの場合は警察費に限らないのでありまして、平衡交付金が十分であるか不十分であるかという問題でございます。そういう場合に立ち至りまして、最終的な判断が下されれば、お話のような場合もございますが、政府といたしましては、警察費につきましても基準財政需要額を算定いたしまして、国会の承認を得て財政措置を講じておりますから、その限度内において負担の許す限り地方にさような不平の起きないように、できるだけ理解を深めて行くよりほかはないと考えます。
  155. 向井忠晴

    向井国務大臣 本多国務大臣のおつしやる通りであります。     〔「あなたの言葉で答えてください」「それでいいじやないか」と呼ぶ者あり〕
  156. 川島金次

    川島(金)委員 先ほどの続きですが、施設等の問題について、もう一年限りだ、少くとも十月に実施され、長くても来年の三月にはおしまいだという立場に立つ場合と、まだ続くのだという場合における施設の扱い方、考え方というものは全然違います。そういつた場合に、もし正当なる警察活動にさしつかえのあるような事態が起きたときに、一体政府はいかなる命令をするのが、命令する場合に根拠があるのか、あるいはそれが聞かれなかつた場合に、国は具体的にどういう形でそれを補おうとするのかということを、私は先ほど聞いたのですが、その点はいかがですか。
  157. 本多市郎

    ○本多国務大臣 これは今回の改正が、警察をさらにりつぱなものにするかいなかということの理解によることだと存じます。その警察は従前通りその市町村の治安の住に当るのでありまして、治安の完全なことは住民の人々も希望するところでございますので、予算措置の範囲内におきましては、もちろん従前通り協力してもらえるものと考えております。またもし警察職員の中で、まだ二年も三年も使えるものを、あとは県負担だからという気持で、ことさら乱暴に扱うというような者がありましたら、これに対しては任免権者である監督の地位にある者が、そうしたことないように注意し、さらに住民に対しましては、今度の警察制度改正によつて治安は一層確保せられるのであるという理解を深めて行くよりほかはないと考えます。
  158. 川島金次

    川島(金)委員 そういう問題については議論になろうと思いますから一応とりやめます。  今度は中曽根委員からも若干触れられた問題でありますが、現在の国家警察警察官自治警察の警察官の待遇は、御承知の通り大分違つております。私が最近聞いたところによりますと、一例をあげますれば警視庁における五年間勤めた巡査の俸給は一万六千九百四十八円、しかるにこれに対し同じ五年の巡査でありますが、これが一万四千四百九十六円で二千四百五十二円も違います。また警部補のような立場の者で、自治警は三万一千二百余円の俸給をもらつておるのに対し、国家警察は二万一千六百余円で、驚くなかれ約一万円も違うのであります。そういつた地方国家との待遇の大きな格差について、一体この法律を実施する場合に、どういう形で処理しようとするのであるか、今の高い線に全部を引上げようとするのかどうか、その点についてはどういう方針でありますか。
  159. 齋藤昇

    ○齋藤(昇)政府委員 できるだけ高い方に引上げて参りたいと存じますけれども、府県給与体系の関係もありますから、来年四月まで十分調査をいたしまして、適当な基準に調整をいたしたいと考えております。その際にもし引下げるのがあるといたしますならば、一時金その他の方法で、本人には不利益を来さないような措置を講ずるように、政府では方策を決定しております。
  160. 川島金次

    川島(金)委員 この重大な法案を来る二十四、五日に出して、しかも国内治安確保のために非常に緊迫した、急を要するという問題であるにかかわらず、かんじんかなめの警察官給与問題について、まだ明確を欠いた立場に政府が立つておるということは、問題でないかと思う。少くとも政府がこういう重大な法律を実施しようとするならば、一番かんじんな給与問題について、いまだに明確なものを持つておらぬのは、無責任きわまると私は思う。そういうことであるから、今地方警察官に大きな不安を与え動揺を与えている。これは当然なことである。今、若干そういう格差のことについて不平な事態が起れば、何らか他の一時金とか何とかいう形で埋め合せをするということであります。この間中から新聞に出ているところを見ますと、大分その問題についてもまとまつて来ておるようにわれわれは見ておるのですが、この重大な問題は、一日も早く明確にすべきであると思うので、もつと具体的に、この機会に説明してもらいたい。
  161. 齋藤昇

    ○齋藤(昇)政府委員 この調整は二十九年度において行うことになつておりますので、ただいまのところは、先ほど私が申し上げました程度でございます。
  162. 川島金次

    川島(金)委員 この警察法の改正が実施になりますと、現在における国家警察官と地方警察官の格差は、今申し上げたように開きが多い。それが一体この警察法が改正になつたときは、自分給料はどうなるのか、これはきわめて重大な問題だと思う。そういう問題を一刻も早く、政府みずからの責任において明確にして、一般の人たちを納得させておくということは、きわめて重大なことだと思う。いやしくも国家治安確保について、きわめて緊迫した情勢であつて、しかもそれが急を要するのだという立場であれば、警察官の責任もきわめて重大であります。そういう重大な責任を負わされた人々に対して、身分上、生活上に最も重大な問題について不明確であるということは、私は政府の怠慢であり、無責任な態度であると思うのであります。もう少し明確にできないものか、大臣に重ねてお尋ねしたい。
  163. 犬養健

    犬養国務大臣 川島さんのお話になります御趣旨はよくわかりましたし、同感でございます。改革のためには、高い俸給をもらつている人を低くしてもかまわないという気持は持つておりませんので、どうかして実質的に損害を与えない、こういう目標で、目下案を練つているのでございます。
  164. 川島金次

    川島(金)委員 高いものを低くするわけに行かないから、低いものと高いものとの格差については、別途の措置をとる。そうするとこういうふうに了解してもよろしいのですか。この警察法の改正が実施される以後においての地方警察官給与というものは、現行の国家警察官の給与に一応は実質的には引下げられる、しかしその格差というものは別途の処置をするのだ、こういうことに了解してよろしいのですか。
  165. 齋藤昇

    ○齋藤(昇)政府委員 ただいま申し上げました通り、相当程度国家地方警察警察官給与は上る、それよりも高いところに水準がきめられて調整されるものと考えております。従いまして現在の国家地方警察給与水準まで引下げられるということだけはないと思つております。
  166. 川島金次

    川島(金)委員 これはまことに重要な答弁であります。もし現行の国家警察官に対する給与水準まで引下げないで、逆に地方警察給与の線まで引上げるということになれば、これはひとり警察官だけの問題ではありません。中央、地方を通じての一般公務員の給与引上げという問題も当然に起つて来ようと思うのですが、そういうことになりますと、一般公務員あるいは地方公務員の給与引上げということを、政府はすでに考えられておるかどうか、その点はいかがですか。
  167. 齋藤昇

    ○齋藤(昇)政府委員 府県公務員となりました者につきましては、府県公務員の水準がありますから、そこまでは上るであろう、国家地方警察職員も上るであろうということを申し上げておるのであります。その程度がどの程度か、今日まだ申し上げる時期に達しておりません。
  168. 川島金次

    川島(金)委員 この警察官は、なるほど大多数は地方公務員になります。しかし中には国家公務員の者もある。従つて国家公務員になる者をさらに引上げるということになれば、私は一般公務員の賃金水準の引上げということまからもつて来ることは当然だと思うのですが、その点はどういうことになりますか、大蔵大臣見解をひとつ示していただきたい。
  169. 向井忠晴

    向井国務大臣 地方公務員は、できるだけ国家公務員に近くしたいとは存じますが、しかしその間に差の起りますのは、やむを得ないと存じております。
  170. 川島金次

    川島(金)委員 もう一ぺんよく聞いて参りたい。今のお話では、国家警察官の現給は低いから、今行われているところの地方警察官給与ベースになるべく引上げる、こういうことが政府の方針だというふうに私は聞いたのです。ですから、今後この改正法が実施されれば、従来地方警察官であつた者も、あるいはその身分と地位によつて国家警察官になり得る場合もある。その国家警察官になつた場合には、今申されました答弁によれば、これは給与水準が引上げられる、どの程度に引上げるかは別として、引上げられる。引上げられれば、当然にその引上げられたことを中心として、一般公務員の給与に及んで来る、これは私はきわめて理の当然だろうと思うのですが、そういうことに対して大蔵大臣はどういうふうに考えられるか、明確に御答弁いただきたい。
  171. 河野一之

    河野(一)政府委員 国家公務員に対して、地方公務員はこれに準じた給与であるべきでありますが、実際問題として、地方公務員の中には相当高いものがあることは事実であります。これは地方公務員が上つているから、国家公務員をどうするかという一般的の問題でございまして、国家地方警察職員地方公務員になりました場合に、各地方団体においてどういうふうに取扱われるだろうかという問題でありまして、それがために、ただちに一般の警察官あるいは一般の国家公務員について、その引上げを要するというようなことにはならぬと考えます。
  172. 川島金次

    川島(金)委員 この問題は、さらに行きますと議論になりますから、この程度でやめます。  続いてお尋ねいたしますが、先ほど質疑の中にもあつたのですが、憲法第九十五条によれば、「一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない」。こういうことになつておる。こういう問題とこの法案との関係は、一体どういうふうに明確に政府見解を持つているのか、私からも重ねてお尋ねをしておきたいと思う。
  173. 佐藤達夫

    ○佐藤(達)政府委員 お答え申し上げます。ただいま御指摘の条文の最も典型的な例は、例の都市建設法、熱海、伊東というようなところを目ざしまして、おのおのの法律が制定せられております。そういうものの場合に、その市における住民投票を必要とするというように従来解釈されております。今度の問題になつておりますところはこれは一般的な基準によるものでございます。たとえば現在の警察法をごらんになりましても市と、人口五千人以上でありましたか、そういうことでわくをきめております。一そういう一般的の基準によるものは、ただいま御指摘の条件には全然関係のないことと考えておるわけであります。     〔本間委員長代理退席、委員長着席〕
  174. 川島金次

    川島(金)委員 何か一般的と言つているけれども、今日の地方警察はある限られたところにあるだけです。全国市町村全部があるというものではありません。そういう問題考えますと、私はこの九十五条の精神から行きますと、単に一片の法律だけでこの問題を片づけるということは、少くともこの九十五条の制定の精神に反するのではないかという見解を持つておるのでありまするが、この問題について法制局長官でない、他の閣僚からひとつ見解をお聞きしておきたいと思います。
  175. 佐藤達夫

    ○佐藤(達)政府委員 ちよつと小出しになりまして恐縮でありますが、重ねてお尋ねでありますから、もう一歩進めてお答え申し上げます。ちようどただいま御指摘の例にあたるものは、地方自治法に御承知の百五十五条というのがございまして、政令の指定する市はたしか支庁や何か置ける、政令で指定すれば、六大都市ですか、はつきりきまるわけです。たとえばほかの法律で自治法百五十五条の市についてはこういう特例を設けるという法律はたくさんございます。これは議員立法としてつくられたものにもありますが、政府案としてつくられたものにもあります。それはただいままでの通念としてきまつたものではないか、その点実は簡単にお答えして申訳なかつたと存じます。
  176. 川島金次

    川島(金)委員 われわれは法制局長官見解と若干意見を異にしておるものであります。しかしこれ以上お尋ねを申し上げることは省略をいたします。  そこで大分時間がかかりましたので、最後に一、二お伺いして、他にお譲りを申し上げたいと思いますが、この要綱によりますと、まだ警察庁にするという問題は仮称になつておりますが、この問題は確定的な機構の名称がきまつたのであるかどうかということと、この警察庁ができた場合には、これは政治問題になりますが、この長官には大臣があたるのかどうか、その二点はどうですか。
  177. 犬養健

    犬養国務大臣 お答えをいたします。法律案を出しますときには、今のところは警察庁どいう名前で出す予定にしております。警察庁長官は国務大臣をもつてこれに充てるように考えております。
  178. 川島金次

    川島(金)委員 重ねてお尋ねしますが、今のところはという法務相のお話ですが、警察庁というのは確定したのかどうか、法律もやはり警察庁で出すのかどうか。
  179. 犬養健

    犬養国務大臣 これはちよつとこまかいりくつになるかもしれませんが、まだ閣議決定を経ておりませんので、私担当大臣としては警察庁という名前で出すと考えております。閣議決定を経ました後に正式に決定いたしたいと思います。
  180. 川島金次

    川島(金)委員 どうも国内治安の緊迫を要するということでつくられる法律に、しかもその法案のかんじんかなめの頭である名前もいまだにきめることができないという、実に私は政府の無方針と無責任と怠慢ぶりにあきれるのですが、それはそれとして、最後に私はことに犬養さんにお尋ねをしてみたい。これは単なる法務大臣としての犬養さんでなしに、政治家としての犬養さんと、並びに官房長官もおります、から、緒方さんにも見解を承つておきたいのですが、どうも最近われわれが吉田内閣のやり口を見ておりますと、占領政策時代におけるところの一切の機構法律——その中にはなるほどわれわれの見解から見ても若干は行き過ぎであろうと思い、あるいは何らかの形で将来若干の修正を要することもあろうと思われる節もまつたくないではございません。しかるところ政府は、占領政策行き過ぎの是正に名をかりて、今や国務大臣を長官とするところの全国警察の一本化をはかる、そしてしかもその国務大臣は以前と違つて内閣総理大臣がこの長官をやめさせようと思えば、今でもやめさせることのできる絶対の権限を持つておる、その絶対の任免権を持つた下におる閣僚がこの重要な警察庁の長官という立場になる。しかも期するところは任免権は総理大臣にありますから、総理大臣の意思のまにまにこの警察庁の全機構は動くという形になることは私は見やすいことではなかろうかと思う。その上に今度はやがて出て来るのでありましようが、今審議中だそうでありますが、今度の義務教育の教職員改正法にいたしましても、これまた都道府県あるいは市町村におけるところの従来の教育委員会をまつたく骨抜きにして、そうして教育の民主化の上に打立てられました教育制度というものを根底から改めて、全額国庫負担の名にかりて、事実上これまた文部大臣が一切の権利を終局においては把握するという形になる。しかもこの文部大臣も一閣僚でございますから、総理大臣なら総理大臣が、この文部大臣ではおもしろくないとすればきようにでも首をちよん切られる。こういうことで総理大臣が全国におけるところの義務教育に関する教職員の任免権を掌握し、教育行政を一手に握るという結果になるのであります。しかもその上に、現実において存置されておりまするところの保安庁もこれまた同様である。保安庁もこれまた保安大臣はありまするけれども、最後には総理大臣、こういう形になつて地方分権を叫ばれておりまするにかかわらず、逆に政府は占領政策の行き過ぎあるいは国内治安の確保の美名のもとに隠れて、権力を中央に集中するという傾向を露骨にいたしております。ことに緒方長官や犬養法相は、緒方さんは長い間言論界におられまして、その当時には、いかに日本警察国家、軍閥国家が言論を抑在し、またその言論に携わるところのジヤーナリストをいかに蹂躪したかということは、身をもつて体験済みのことであろうと私は思う。また犬養法相の岳父犬養木堂氏は、長い間民権擁護の上に立つて血を流した政治闘争をやられた。それはみんな藩閥、官僚に闘争したのみならず、日本の政治を民主化するというこの観点に立つて、あなたのお交さんは血を流してあの悲業の最後を遂げるまで闘つて来たのであります。それやこれや思いまするときに、今日の吉田内閣が、この占領政策是正の美名のもとに隠れて強行しようとしておりますところの一切の重要な政策は、権力集中であつて、民主国家建設ではなくして、逆に専制独裁の形態をますく強めようとする逆コースのきわまつたものであると私は考えるのでございますが、こういつた事柄に対して、一体長い間民間の言論界において苦労された緒方長官、また実に輝かしい民主政治の確立の上に大いなる足跡を残された大政治家を父に持つた犬養さんは、こういつた問題にいかなる見解を持たれておるのか。この機会に私は特に承つておきたいと思うのであります。
  181. 緒方竹虎

    ○緒方国務大臣 お答えをいたします。民主自治警察にもその名にふさわしい長所があるのでありますが、今日の治安状態にかんがみまして、治安確保の責任を明確にする上には今回の法案に盛られましたような制度をとることはやむを得ない。また立憲政治におきましては、責任を明らかにすることがこれは当然の措置である。ただこの法案の要綱についてごらんになれば御了承できるかと思いますが、治安警察の妙味も、自治警察の妙味もできるだけ失わないように相当苦心を払つておるつもりでございます。
  182. 犬養健

    犬養国務大臣 ただいま川島さんから御注意を承りました国務大臣をもつて警察庁長官に充てるということは、たいへんどぎつくお感じになつたようでございますが、これはひとえに昨年起りましたメーデー事件や何かで責任をとる者がない。もつと責任の所在を明らかにするという趣旨であります。(「公安委員会がある」と呼ぶ者あり)そのことはあとで申し上げます。しかし実際に警察のくろうとである警察庁の次長を任命しますときには、普通は大臣の意のままに任命できる習わしでございますが、やはり従来の精神をたつとびまして国家公安委員会委員に意見を徴します。徴しつぱなしでかつてなことができるのではないかという御心配もあるようでございますが、一応ごもつともですけれども、政治問題から見ますと、意見を聞きつぱなしで、国家公安委員会の意見とまつたく違うことをやりましたならば、国家公安委員会は全部が辞表を出すという場合もあり得る。その場合には事実においてやはり国会において問題になつて、政治の上で失策があつたということになる、こう考えておるのでございます。また一方地方府県の公安委員会は常時警察庁の点数といいますか、考課表を大臣国家公安委員会に届けまして、かつ罷免の勧告権を持つのでありますから、なかなか私は警察国家というものにはなれない制約があると考えております。そのほかに個々の警官にはお気の毒なんでありますが、今度は警官が万一やり過ぎというようなことがありました場合には、そこに訴追されるという制約ができるように考えておるのであります。そういうような点で警察国家というものに一路邁進するというふうにはならないように、またできるだけしないように心がけておりますので、どうぞさように御了承を願いたいと思います。
  183. 太田正孝

    太田委員長 すでにお手元に行つたことと思いますが、恩給法の一部を改正する法律要綱、戦傷病者戦残者遺族等援護法の一部を改正する法律要綱、未帰還者留守家族等援護法案要綱、私的独占禁止法改正要綱の四つの要綱をお手元に差上げました。これにて全部要綱が出そろつたことになります。  成田知巳君。
  184. 成田知巳

    成田委員 先ほど古井委員の御質問に対しまして、従来市町村自治警察に対して負担していた経費は今後も負担して来るだろうという本多国務大臣の御答弁であります。法律ができた以上そうなるだろうと思いますが、事実はその逆だと思います。現にきよう東京で開かれております全国の市会議長会議におきまして、十月一日から法律が実施されるならば、この財源の苦しいときに何を好んで自治警経費を組む必要があるか、こういう決議が出されようとしている、現実にそうなつて来ると思います。全国の市町村予算の編成期でありますが、決議がなされまして、十月一日以降の費用予算に組まれない限り事実上制度の実行は不可能となる。そういう場合にどういう対処をお考えになつておるか、まず伺いたいと思います。
  185. 本多市郎

    ○本多国務大臣 成田さんの御質問は古井さんの御質問と同じように、法律が成立施行されても、市町村がこれに従わないことを前提としておられるようでありますが、さいぜんから申し上げました通り警察の性格に違いが生じましても、やはり地元の、自分町村の治安の維持に当るわけでございますので、財政計画に織り込まれておりまするその限度を越えない限り、財政的には圧迫を加えるわけでもございませんので、ぜひ理解を求めなければならぬと思いますし、また理解せらるべきものであると考えております。法律案の制定公布に至りますまでの間には、いろいろ意見の相違から反対運動のために、そうしたことも起ると存じますけれでも、おきめくださいましたならば、必ずや全国市町村は、今回の制度を理解して協力してくれるものと考えております。
  186. 成田知巳

    成田委員 それは本多国務大臣の希望的な観測、見通しなのです。現実はそうではないと思うのです。それでやるかやらぬかということになりますと、水かけ論になりますが、現在の情勢から言つて、そういう市町村が相当多数発生すると思います。その場合本L多国務大臣法律が出たのだと言われるのですが、やらない場合に何か法律で強要されるような、たとえば、罰則規定のようなものをお設けになる趣旨であるかどうか。
  187. 本多市郎

    ○本多国務大臣 法治国として改正案が実施された場合、これを守ることがあたりまえでございますから、守るものという立場に立つておりますので、守らないものという仮定のもとにどうこうという制度をただいま考えておりません。
  188. 成田知巳

    成田委員 ということは何らかの罰則その他の強要措置はおとりにならない、そういう規定も設けない、こういう御趣旨でございますか。
  189. 本多市郎

    ○本多国務大臣 これは何回お答えいたしましても同じことでございますが、さらにりつぱな警察になるという確信を持つて政府改正に臨んでいるのでございますから、地元においても、警察がりつぱなものになるのだということで、理解していただきまして、協力してもらうことを期待いたしております。
  190. 成田知巳

    成田委員 ただいまの御答弁によりますと、何ら強行するような措置はおとりにならない、こう了解してよろしいと思います。
  191. 八百板正

    ○八百板委員 ちよつと関連して。負担問題でございますが、あまり自治体が協力しないだろうという見通しが多いのでございますが、協力して出したという場合について考えてみますに、今度の改正は能率化、一本化ということをねらつているのでありますから、当然に配置の転換なり、そういうことがやられると思うのでありますが、それはどういうふうにお考えになつておられますか、その点を明らかにしていただきたいのであります。
  192. 齋藤昇

    ○齋藤(昇)政府委員 本年度中は費用の支弁関係経過措置に定めてある通りでございますから、その関係から本年度中は大規模の配置転換は事実上行わない運営になるだろうと思います。
  193. 八百板正

    ○八百板委員 配置転換を行わないで、一本化して能率を上げるといふ一体どこにその理由があるのでございますか。そんなことならやらぬ方がよいのではありませんか。
  194. 齋藤昇

    ○齋藤(昇)政府委員 大規模な配置転換は明年度からになると考えます。本年度中は指揮監督というものが府県の公安委から末端まで至るということに相なります。
  195. 八百板正

    ○八百板委員 大規模の配置転換はやらないが、小規模の配置転換をやつて、従来の自治体警察の定員に変化が起るということはあり得るのでございましよう。
  196. 齋藤昇

    ○齋藤(昇)政府委員 自治体警察の定員に変化は本年度は来しません。
  197. 八百板正

    ○八百板委員 それでは一本にしても何の能率の向上にもならないと思うのですが、一本にし一体化したことによつて、どこに能率の向上が現われて来るか、それを明らかにしていただきたいと思います。
  198. 齋藤昇

    ○齋藤(昇)政府委員 本年度は命令系統が一本になるということによつて、非常な効果を上げ得ると存じます。なお本年度下半期は来年度の準備期間であります。
  199. 成田知巳

    成田委員 先ほど犬養さんの御答弁によりますと、実施期日については十月一日を目途としておる。できればそれより早くしたいということでありますが、この前の委員会質疑応答で、太田委員長が念を押されております。ちよつとお静かに願います。私からとりまとめて政府に聞きただします。本予算案は現行制度のもとにおける予算案と思いますが、そうでございますか。それに対して向井国務大臣はさようでございますと、こうお答えになつておられる。現在十月一日を目途にして実施すると言いながら、現行制度を基準にした予算だと言われております。その間に食い違いがありますが、大蔵大臣はどう考えられますか。
  200. 向井忠晴

    向井国務大臣 先ほど総理が申し上げましたことで、その点は御了承を願つたことと思います。
  201. 成田知巳

    成田委員 そういたしますと現行制度を基準にしたというのは間違いで、十月一日前後において警察制度改正を実施する。こういう予定のもとにこの予算案をお組みになつた、こう解釈してよろしゆうございますか。
  202. 河野一之

    河野(一)政府委員 現行制度のもとに現在の国家警察予算を組んだのでございますが、十月一日を目途として実施いたしましても、予算総則十三条の規定により所要の措置ができますので、その点でこの予算変更はないということを申し上げたのであります。
  203. 成田知巳

    成田委員 そういたしますと十月一日から警察制度改正を実施するということを当然予定しておられた。しかも十三条でやれると申されましたが、十三条というものは一応予算案を編成し、それを実施する。その後予測されないような事態で、国家行政組織の間に変更があつた場合に、この十三条でやるというのが、この十三条の趣旨なのであります。当然十月一日から警察制度改正をやるのだ。こういう予測のもとに予算を編成しておきながら、十三条でやるというのは矛盾しておる。それを答えていただきたい。
  204. 河野一之

    河野(一)政府委員 予算総則の第十三条は、そういうこともあるべきことを予想して規定してあるのであります。
  205. 成田知巳

    成田委員 十三条をそう広く解釈していらつしやいますが、それならばなぜ十四条を設けるか、十四条には、義務教育費国庫負担関連いたしまして「義務教育費国庫負担に関する制度の運営上必要あるときは、内閣は、総理府所管自治庁の地方財政平衡交付金の項の金額と、文部省所管文部本省の義務教育費国庫負担金の項の金額とを彼此移用することができる。」特に十四条を設けた理由はそこなんです。従つて当然予想された警察制度改正ならば、この十四条の義務教育費国庫負担に関する規定と同様な規定を設けるべきなんです。反対解釈からいたしまして当然そうなんです。十三条で全部ひつくるめるということは十三条の不当な拡張解釈なんですが、どうなんですか。
  206. 河野一之

    河野(一)政府委員 よく条文をお読み願いたいと思いますが、義務教育の場合におきましては、定員定額で二十八年度負担分がきまつておりますが、計算の結果によりまして、平衡交付金との間に異動を生ずることがありますので、その場合におきまして支障を生じますので、相互の間に移用ができることになつておるのであります。十三条におきましては職務権限変更により予算移しかえができることになつておるのであります。両方はそれぞれ違うのであります。
  207. 成田知巳

    成田委員 この十三条の規定によつてやれるということを固執されるのでありますが、先ほど関連質問で申し上げましたように、これはあくまでも国家行政組織法改正、それに伴つたところの職務権限の移動があつた場合に国家行政組織間の経費移しかえる、この規定なんです。それを河野さんは、等という言葉があるからよいというのです。しかしながら先ほども申しましたように、そういう場合の等でしたら、国家行政組織法等改正と言わなければならぬ。これは言葉の常識だと思うのです。たとえば向井大蔵大臣の食言等で内閣が瓦解したというのと向井大蔵大臣等の食言で内閣が瓦解したというのは全然違うのです。これは常識なんです。もう一度この言葉の解釈をはつきりさせていただきたいと思います。
  208. 河野一之

    河野(一)政府委員 ここ数年来の取扱いもございます。それからよくお読み願いたいのでありますが、国家行政組織法改正等に伴つて職務権限変更によつてとあるのでありまして、職務権限変更国家行政組織法のみではないのであります。つまり各省設置法もございます。国家公務員法改正もございます。独占禁止法の改正もございます。警察法の改正によつて国警の組織がかわつた。これらはすべて職務権限変更、これが等であります。
  209. 成田知巳

    成田委員 職務権限変更によつてと言われましたが、その前提国家行政組織法改正等に伴い職務権限変更があつた場合、そうなつておるのです。国家行政組織法改正によつて、あるいは職務権限変更によつてという規定はないのです。職務権限変更というものは、国家行政組織法改正等によつて起きた職務権限変更なんです。従つて前提として国家行政組織間の職務権限変更と解釈するのは当然なんです。
  210. 河野一之

    河野(一)政府委員 よく御了承願いたいのでありますが、従来の国家行政組織法改正域外におきまして各省設置法改正もございます。あるいは実体法改正——実体法の中に機構規定してある法律は幾らもあるのでございます。先ほど申し上げましたように北海道開発法も独占禁止法も国家公務員法もその他の法律実体法の中に機構規定してあるのであります。これらをすべて含めておるのであります。警察法の改正によりまして警察法の中に国警本部の権限が規定してあるのでございます。その警察法の改正に伴いまして警察庁が設置せられる場合におきましては、当然この規定で動くと考えております。
  211. 成田知巳

    成田委員 そういう御解釈ならば何でもかんでもやれるということになるのですね。従つて先例がそういうことをおやりになつたということになると、私はそういう先例を是認できないのです。従つてもし今度の場合この十三条を適用されるというならば、当然国家行政組織等の改正によりと、従来のあやまちを改めてこの予算総則変更をやるべきだと思うのです。ちようど法制局長官が来ておられますから、国家行政組織改正等国家行政組織等の改正ということについて御意見を伺たいいと思います。
  212. 佐藤達夫

    ○佐藤(達)政府委員 先ほどから傾聴しておつたわけであります。この等のあり場所についてお尋ねになつたわけですが、われわれも法文をつくります場合において、その点はきわめて慎重に考えております。結論は国家行政組織法等と上の方に等がつきますと、先ほど御引例のようにだれだれ大臣等の食言、こうなりまして食言ということはきまつてしまう。等のところにほかの人が入つて来る。ところが今の行政組織法改正等あとにつきますと、そこが若干広まるというふうに考えております。
  213. 成田知巳

    成田委員 御答弁わからないのですが、若干広まると言われましたが、若干広めるならば国家行政組織法等改正等によるということになります。広げるつもりならば当然そう規定するのがほんとうだと思うのです。
  214. 佐藤達夫

    ○佐藤(達)政府委員 言葉がちよつと足りませんでしたけれども、今の例で申しますと、等の食言というのと食言等というのと、食言の下に等をつけますとへ食言ばかりでなしに一般質問、演説というようなものも入ることになります。食言のほかにまだ入ることになります。上の方につけますと、人が広がつて食言という幅がどうしても広がらない。等のあり場所によつてニユアンスがはつきり違つて来るというように考えます。
  215. 成田知巳

    成田委員 政府考えておられるように、何でも流用できるようような規定にするならば、今申しましたように、国家行政組織法等改正等により、向井大蔵大臣等の食言等によつてと、こう書くべきなのです。これは当然なのです。英語あるいはドイツ語でこのの規定を書けばはつきりすると思う、日本語だからごまかせるのです。もう一度明確にお答え願いたい。
  216. 佐藤達夫

    ○佐藤(達)政府委員 私どもの苦心しておりますところを適切に御指摘になつて問題にしていただいいたことは実にうれしいと思います。しかし今申しましたことは、私どもの方で法律案をつくります場合にも考えておつたところで、今の、それでは限界があいまいじやないかというお話は、これはまた別の問題で、今の例で申しますと、職務権限関係のことだということで今度はつきり予算総則を押えてあるわけです。その方の押えがあれば決して無制限なことにはならない、このように考えます。
  217. 成田知巳

    成田委員 少しく自信がないらしいのですが、職務権限のことを言われましたけれども、これも先ほど申しましたように、「国家行政組織法改正等に伴い、職務権限変更」があつた場合、こうなつているのです、国家行政組織法改正等職務権限というのが並立しているのじやないのです。職務権限前提国家行政組織法改正なのです。その点は今の表現では満足できない。
  218. 佐藤達夫

    ○佐藤(達)政府委員 おつしやる通りであります。その前提がそういうふうに改正等となつておるので、その結果として職務権限がかわる、その点はいいのでございますけれども、今お話の前提が等のあり場所の問題で、これは私の説明が下手かもしれませんけれども、先ほど来申し上げた通りで、等のあり場所によつて広くなりあるいは狭くもなる。何々等の食言となれば、食言の幅はどうしたつて広めようがない、食言の下に等をつけますれば、質問の演説も、食言及びりつぱな質問の趣旨というようなものもずつと入つて来る、それはよほど幅が違う、しかし締めくくりは務職権限の方でついておりますから御安心いただきたい、こういうわけでございます。
  219. 成田知巳

    成田委員 職務権限で締めくくりがついておるわけではないのですよ。あまり話が長くなりますから、この問題はまた次の機会に譲りまして、ちようど文部大臣がお見えになつておるので、はつきりさせていただきたいと思いますが、義務教育国庫負担問題になりましたときに、私たちは政治的な意図だ、教員の政治的活動を禁止するために国家公務員にしておるのだと言つたところ、そうではないと言われた。国家給与を支給する以上は、当然国家公務員になるのだ、これは速記録にもはつきりしておると思いますが、文部大臣は何度もそう御答弁になつた。文部大臣はこれを御変更する御意思はございませんか。
  220. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 お答え申し上げます。全額国庫負担をすれば、また国家公務員になるのはあたりまえであります。しかし御承知の通りに、義務教育というものはどんなものであるかと申しますれば、義務教育は国が最も大なる責任を持つて行わなければならぬということでございますから、国家公務員にして、そうして身分、地位を安定して、安心して大事な仕事に従事してもらいたいというのが私らのねらいであります。同時にそのように身分、地位を安定させるためには、全額国庫負担である方がよい、相ともに相関関係がありまして、そうはつきりと割切るわけではございませんが、両方ともうらはらにあるのでございますから、紙の表と裏というふうに御承知願います。
  221. 成田知巳

    成田委員 義務教育国庫負担を全額やつていないことは事実ですが、文部大臣の御答弁は、教員を国家公務員にしたということは、これは私の質問にもあつたのですが、給与国家が支給する以上は、当然国家公務員だ、これははつきり答弁しておる。速記録にも載つております。うらはらの関係は別として、給与国家が支給すれば当然国家公務員にするという御答弁がありましたが、この説をおかえになる考えはありませんか。
  222. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 お答えを申し上げます。先ほども申し上げました通り全額国庫負担ということをいたしますれば、当然国家公務員になります。また国家公務員にすれば全額国庫負担にしなければならぬ、でありますから、両方ともうらはらでございまして、これをお聞きになつたときの事情によりまして御返事は違うかもしれませんが、ただいまのようにはつきりおつしやれば、われわれといたしましては、義務教育は国の大事な仕事であるから、身分、地位を安定させてやることが大事だ。それには国家公務員にした方が、この前もるる申上げました通りに、人事の交流とか恩給の問題とかが片づきまして身分が安定いたします。身分が安定いたしますから国家公務員にする、それから全額国庫負担とするならば、当然国家公務員になるはずのものであります。でありますから、これを両方切り離して説明するということはむずかしいことでありまして、全部合せて御答弁申し上げます。
  223. 成田知巳

    成田委員 今の御答弁で、国家給与を支給するから国家公務員になる、また国家公務員になれば当然給与を全額国庫負担にすべきだという御答弁つたと思いますが、そうしますと、今度の警察制度改正ですが、二百二十億の国家地方警察費は国庫負担になる。今度の改正要綱によりますと、身分都道府県地方公務員になるわけでありますが、この関係はどうなりましようか。
  224. 齋藤昇

    ○齋藤(昇)政府委員 これは経過措置といたしまして、本年の下半期だけは国費で支弁するわけであります。
  225. 成田知巳

    成田委員 経過措置というのは性格というものには触れないので、文部大臣の言われるように、国家給与を支給すれば国家公務員になる、国家公務員になれば当然国家給与を支給すべきだ、これは本質の問題です。時間的な経過措置問題ではない。たとい一日でも国家給与を支給すれば国家公務員になる、一日でも国家公務員になれば国家給与を支給しなければならぬ、うらはらの問題です。従つて経過的措置ということではこの問題のごまかしはできないと思います。問題性質です。本多国務大臣の御答弁を願います。
  226. 齋藤昇

    ○齋藤(昇)政府委員 府県警察職員で警部以下は府県地方公務員として府県から払いますけれども、経過期間中は国庫で払う例外措置でございます。
  227. 成田知巳

    成田委員 何度も申しましたように、経過措置問題ではない。これは本質の問題だと思います。従つて一時国庫負担にして給与を支給すれば、経過措置であればその間だけは国家公務員にしてよいはずです。むしろ逆だと思います。筋としても経過措置としておやりになるのならば、地方公務員にしないで、その経過措置として当分の間国家公務員にしておけばよいと思うのですが、どうお考えになりますか。
  228. 本多市郎

    ○本多国務大臣 これはまつた経過措置としての例外でございますが、しかしそういう例外は今日までもございます。国庫負担地方公務員であるものというのは、御承知のように労働省から派遣している役人等には、国家公務員地方負担というようなものもございます。文部大臣の言われましたのは、普通の場合を言われたのであつて法律をもつて例外を設ける場合はあり得ると考えております。
  229. 成田知巳

    成田委員 私がこれをお尋ねしたのは、最初にもどりますが、そういう経過措置でできるとか、そういう便宜措置で例外ができるならば、なぜ教育公務員に国家給与を支給したからといつて国家公務員にする必要があるか。従来通り地方公務員であつていい。そこに政府国家公務員にするねらいというものは、教育の政治活動を禁止しようという意図が中心であるということを、私ははつきり申し上げたい。  それから次にお尋ねしたいのですが、要綱によりますと、警察職員の定数は一割ないし一割五分程度を減縮するということになつておりますが、二十八年度はどの程度減縮なさる御方針でありますか。
  230. 本多市郎

    ○本多国務大臣 二十八年度におきましては、一般に国家公務員については欠員不補充を強化してやつて行きたいと考えております。この国警の縮減目標につきましても、やはり欠員の不補充でそれをいたして行きたいという考えを持つておりますので、二十八年度の定員においては、そこに示しておりますような縮減はできないと思いますが、二十九年度からその縮減の軌道に乗つて行くことを考えております。しかし二十八年度に一割ないし一割五分を定員において縮減できるかと申しますと、大体その目標に達するまで自然減員でその縮減を行つて行きたいと考えておりますから、二十八年、二十九年またその次の年くらいまでかかるかもしれません。
  231. 成田知巳

    成田委員 それをお尋ねいたしましたのは、もし二十八年度で相当な縮減、首切りが行われました場合、当然退職手当などの問題が出て、相当な金額になるのです。多分その負担都道府県負担するのだろうと思いますが、その点もひとつ御答弁を願いたい。現在の地方財政の実情からいつても相当大きな負担になる。従つてお聞きしたのですが、それでは二十八年度は欠員不補充で積極的な首切りをやらない、こう解釈してよろしゆうございますか。
  232. 本多市郎

    ○本多国務大臣 私が行政管理庁の立場から、今御指摘の通り考えております。
  233. 太田正孝

    太田委員長 稻村君から関連の簡単なる御質問があるということでありますから、お許しをいたします。
  234. 稻村順三

    ○稻村委員 今成田委員質問に対して、都道府県なら給与を支給される形になつているから、警察官地方公務員だというふうに言つております。しかし単に給与だけで、実は地方公務員であるとかあるいは国家公務員であるとかいうことをきめるのは常識上許さないと思います。やはり任免権というものが非常に大きな事由になる。たとえば任免権というものがあり、そこに給与がくつついているところに初めて自治体職員か国の職員かが決定すると思うのであります。しかるにこの警察法によりますと、警視総監あるいは警察長は国が任免するものだから、国家公務員であることは明らかであります。ところが今度はその系統である警察長というのが一般警察官を任免するのであります。この間に地方自治体の任免権というものは少しもないのでありますが、これは犬養法務大臣が、緊迫している事情にかんがみて急いでつくつた、しかしながら慎重に考えなければならないので、それで十月一日まで実施要綱が長くかかつているのだ、こう言つているようでありますけれども、しかしこういう点につきまして、先ほどから問題になつてつた予算関係、あるいは身分関係を決定するところの任免の問題について、非常にあいまいなところがあると私は思うのでありますが、この点どうお考えになりますか。
  235. 齋藤昇

    ○齋藤(昇)政府委員 府県の警部以下は府県費支弁に相なりますが、しかし国家公務員である府県警察長が任命する、こういうような考え方をいたしております。
  236. 稻村順三

    ○稻村委員 そうならば国家が間接的に任免することであつて地方自治体はただ意見を具申するだけで、諮問はされるけれども、任免権は全然ないということになつているのですが、その点ここで御答弁願いたい。
  237. 齋藤昇

    ○齋藤(昇)政府委員 御指摘の通り府県の公安委員会の意見を聞いて任免するということになつておりますから、直接任免権は地方自治体にはございません。
  238. 稻村順三

    ○稻村委員 任免権がないのに、国家の機関である警察長なるものが任命したものをもつてどうして地方公務員という身分ができて行くのか。その点法律根拠を明白にしてもらいたいと思う。
  239. 齋藤昇

    ○齋藤(昇)政府委員 地方公務員か国家公務員かという定義は、あるいは法制局長官の方が適切であろうと思いますが、私どもといたしましては警部以下はできるだけ地方公務員法の規定を適用する。しかし例外的に任免の点とかあるいは政治活動の点とかいう点は、これは例外を設けなければなりませんが、例外のない点は原則として地方公務員法を適用する。それから警部以上の国費で支弁いたしますものは国家公務員法規定を受ける、かように考えております。
  240. 稻村順三

    ○稻村委員 そうすると齋藤長官の意見によれば、経費だけ支弁しておれば任免権がなくとも経費支弁したものによつてその身分は決定する、こういう解釈だというのでありますか。
  241. 齋藤昇

    ○齋藤(昇)政府委員 経費負担だけではございませんが、原則として地方公務員法の適用を受けるか、国家公務員法の適用を受けるかということで考えているのであります。任免権について地方公務員法の適用の除外例を設けた場合に、これを地方公務員と呼ぶのはいけないという説があれば、それもそうかもしれません。原則として地方公務員法を適用すれば、まず地方公務員と称してもいいのではないかと考えております。
  242. 稻村順三

    ○稻村委員 今の説明は説明になりません。一体地方自治体が雇つているか、国家が雇つているかを明白にしないで、地方公務員とか国家公務員とかいうことをきめるようならば、国の都合によつて何でもある場合には地方公務員にできたり、あるいは国家公務員にできたりする悪例を残すことになると思うのであります。やはりはつきりと地方自治体が雇つているから地方公務員である、国家が雇つているから国家公務員であるというこの立場の上に立つて法律ができなければならぬと思うのであります。そういうような融通というか、かつてなことは私は建前としてとるべきじやないと思うのであります。その点、もう一度明白なる御答弁を願いたい。
  243. 佐藤達夫

    ○佐藤(達)政府委員 お答え申し上げます。今お言葉にありました国が雇つているか、自治体が雇つているか、これは非常に適切なお言葉だと私思います。まさにそういう点に重点を置いて私は考えていいと思います。ところが先ほどお話にも出ましたように、それでは給与負担はどうだ。これは本質的な問題になりはしない、これも私はその通りだと思う。それからまた次いで任免権の問題——任免権の問題給与問題も、私は同様なんで、この間たしか山崎委員の御質問にもお答えいたしましたけれども、国が雇つているものならば国が任免権を持ち、国が自分のふところから給与をやる、これはあたりまえの原則だということは申し上げられますが、これが本質とは実は言えないのであります。極端な例を申し上げて恐縮でございますけれども、たとえば日銀というものがございます。これは国でも何でもございません。しかし総裁は国が任免権を持つ。あるいは特殊会社とかそういうような場合に、社長とか役員等の任免権を国が持つということになつておるわけであります。これはその場合々々に応じて、最も適切にその事柄の目的を達する方法は何であるかということからきめらべき問題だと私は思います。
  244. 稻村順三

    ○稻村委員 どうも法制局長官にも似合わない意見でありまして、公務員と一般公務員でない者とをごつちやにしてちよつとごまかしになると思うのであります。少くとも公務員という以上は、行政その他いろいろな国の仕事に携わるところの職員を私たちは国家公務員といい、地方自治体の政治に携わつている職員を名づけてわれわれは地方公務員と常識的に解釈しておるのであります。それをどうかというと、特殊会社の総裁だのなんかというものと一緒にしてしまうことになれば、私はこれはたいへんな解釈の間違いになるのではないか、こういうふうに考えるのであります。その点もう一度御明確な答弁を願います。
  245. 佐藤達夫

    ○佐藤(達)政府委員 公務員、少くとも公務に従事する者についての問題よりも、もつと極端にいえば、国の仕事の性質あるいは地方公共団体というものの性質と飛び離れた、一種の会社と申しますか、そういうものの役職員についてさえそういう制度がございますということでおわかり願えると思つて、極端な例を申し上げたわけであります。
  246. 稻村順三

    ○稻村委員 それでは引例にならぬのでありまして、私たちが今問題にしておるのは、公務員の身分というものを、地方公務員となすべきか、国家公務員となすべきかというその基準について、少くとも法律上の規定を問うておるのであります。私たちはなぜそんなことを問題にするかといえば、これは警察官ですからそういうことは問題になりませんが、一般の公務員の場合ならば、政治活動の制限その他の問題とも関係して来る。だからそういうところを明白にしないような法律というものはきわめてずさんなものじやないか、こういうふうに思うので、その点をもう一度御返答願いたいと思います。
  247. 佐藤達夫

    ○佐藤(達)政府委員 任免権をどこに持たすかという問題は、委任という問題考えればまた切りのない話であります。抽象的に国がかりに任免権を持つておるということにすれば、地方のは地方団体に委任するということも考えられます。なおその場合は地方団体が任免権を持つておるような形になることもあります。そういうことも法律的には可能であります。この間申しました通りに、旧憲法時代にはこれは官制大権あるいは任官大権という大権事項になつておりましたから、法律でそういうことは許されませんでした。あるいは厳重に議論されておりましたけれども、新憲法時代におきましては、法律が定める基準に従つて公務員の関係のことは掌理されるわけであります。その点は立法にあたつて、何が今日の事態に対処するのに一番いい制度であるかという一点から、論じていただければおわかりのことと思います。
  248. 稻村順三

    ○稻村委員 それでは抽象的な問題ではなく、具体的に警察官問題にもどります。そうすると警察官の任免権は地方自治体に委任するという形式をとるわけですか。
  249. 佐藤達夫

    ○佐藤(達)政府委員 抽象論で恐れ入りますけれども、法律ではつきりお書きになつた場合に、これは委任されたというふうに言うことも可能でありましよう。委任したくないというお考えであれば、また別の方法をとることもこれは可能であります。先ほど申し上げました通り、何が一番適切であるかということであります。
  250. 稻村順三

    ○稻村委員 そうすると委任するということになると、これは任免を委任するというのですから、それの任免権を持つておる警察長の任免も一応地方自治体に委任することになりますか。
  251. 佐藤達夫

    ○佐藤(達)政府委員 先ほど申しましたように、旧憲法時代では非常にうるさい問題になつてつたのです。われわれは旧憲法では非常に苦労して参りました。しかし新しい憲法のもとにおきましては、先ほどのように、法律をもつて適切なる方法をおきめ願うようになつておるわけですから、その点からあるいは任免権を下から上に取上げることもありましようし、上から下へおろすこともある。それを法律でくぎづけすることもありましようけれども、また裁量によつてそういう権限を与えることも、いずれも可能であるということであります。
  252. 稻村順三

    ○稻村委員 佐藤法制局長官の話を聞いておりますと、この要綱意味しておるような、いろいろわれわれが想像できるようなことも、これはもし法案作成のときにこれを明確にする必要があるとすれば、多少内容がかわるようなことがあつても、こういうことが一応想像されますか。
  253. 齋藤昇

    ○齋藤(昇)政府委員 ただいまの警察法の方でございますならば、任免権は国が持つことになります。府県警察長を任免いたしますのは、中央の警察長官、それから府県警察職員の任免は国家公務員である府県警察長が任免をする、こういうことであります。
  254. 稻村順三

    ○稻村委員 しかも私がもつとふに落ちない点は、おそらくここで考えられることですけれども、警察長が任免する警察官の中に、警視と警部以下のものがある。そうすると警察長に任命されたものが一つはどうかというと地方公務員であり、その一つ国家公務員である、そのけじめは。実をいうと予算問題がこういう非常に不確定なものでわれわれに審議を要求しておるから、私はそう言うのである。けれども同じ警察長が任命するものであつても、一部分は地方公務員であり、一部分は国家公務員であるということになれば、先ほど文部大臣が言つたように、国の教師は国が給与を支給するから当然に国家公務員になるのだというそのりくつは、根拠がないものだと解釈してさしつかえないのですか。
  255. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 お答えを申し上げます。話も概括して申し上げますれば、義務教育に従事する人は、いろいろの地位、身分を安定させるために、国家公務員にした方がよろしい。そこで国家公務員になれば、やはり全額負担しなければならない。また、全額負担すればやはり国家公務員になるのが当然だ、こういうことでございます。
  256. 稻村順三

    ○稻村委員 そうすれば察警官の場合と一体どう違うのですか。警察官の場合になりますと、私が聞いておると、国の都合によつて国家公務員になつた地方公務員になつたりしておる。そうする、この二つの違いは一体どこにあるのですか。それから教員の仕事が非常に重大だというのならば、それでは警察官は重大じやないというのですか。そういう点が実に不明確なのです。
  257. 齋藤昇

    ○齋藤(昇)政府委員 警察の方は命令系統が中央からあまり徹底し過ぎて、まるで全部国家警察のような色彩になるということは望ましくない。やはり自治体的色彩を持たせる方が望ましいという点がありますので、府県警察官の警部以下は、地方公務員として、地方自治体的色彩をにじませた方がよろしい、こういう要請からいたしたわけであります。
  258. 稻村順三

    ○稻村委員 どうも答弁を聞いておれば聞いておるほどわからなくなります。私はこういうようなことをいつまで繰返しておつたつて、これは結局答弁は御都合によつて答弁する。文部大臣とそれから国警長官とはまるで違う。また法制局長官と文部大臣とはこれまた違うというような、そういうふうに義務教育の国庫負担として、教員を国家公務員にしようというときには、都合のいいようにちやんとりくつをくつつける。それから今度の警察官地方公務員にするのに都合がいいというときになると、齋藤長官みたいに都合のいい答弁をする。それならば今度の警察は一体これは地方警察なのか、国家警察なのか、その性格さえ明確でない。私はその点もつと政府の方で慎重に再検討して、法案を出されんことを希望して私の質問を終ります。
  259. 太田正孝

  260. 春日一幸

    春日委員 今回の警察法の改正は、警察行政の責任の所在を明確にするという必要の上に立つて改正が行われたと説明されておるのであります。そこでお伺いをいたしたいことは、府県自治体における警察長、これは国の機関であるか、あるいはまた地方自治団体の機関であるか、その点を御答弁願いたい。
  261. 齋藤昇

    ○齋藤(昇)政府委員 府県警察長は、国家的性格と地方的性格と両方持つているのでございます。
  262. 春日一幸

    春日委員 責任の所在を明確にするために、警察行政がまさにここに改正を必要として来ておる。そこで国の機関であるのやら、あるいは地方の機関であるのやらてんでわからない。そのいずれとも言い、さらにまたその両方とも言い得る。こういういうなばかげた性格を持つて打ち出されようとしておる警察長、これがしかも警察行政の執行権者になるわけないのだが、これでもつて責任の所在が明確にされたとお考えになるかどうか、犬養大臣の御答弁を願いたい。
  263. 犬養健

    犬養国務大臣 かみくだいて申しますと、結局今の自治警国家地方警察という二本建では、管轄権の違いによりましてその間に盲点がある。ですから中央からの命令を背骨を入れて一本筋にしたい、こういう考れでございます。しかしながら地方生活の、たとえば小さいどろぼうだとか、交通整理というようなことまで、何も国家が命令しないでもよいのであつて、それは地方の生活を守る警察にまかせればよい。最小限度国家的な事件に処する官吏というものを国家公務員としますが、それはできるだけ少くしておきたい。あと地方の公務員たる警官にまかせたい、こういう大筋で考えたのが、私どもの構想なんでございます。あとのいろいろの法制上のことは、法制局長官からお答えを申し上げます。
  264. 春日一幸

    春日委員 これは結局明確にされておりませんが、国の機関と同時にまた地方自治団体の機関と、両方の性格と機能を持つておる、こういう御答弁でございますが、さすれば地方警察長の任免は中央の警察大臣が行う。月給は中央から給付される。地方との関連は何もない。それが一体いかなる関連において、地方自治団体としての機関の性格を持つに至るのであるか、この点の御説明を願いたい。  なおこの機会に私が強調いたしたいことは、民主政治の基本的なものは、すなわち責任の所在が明確であるということであろうと思います。すなわち中央と地方とがその責任の限界が明確に規正されて、そして地方は中央の権限を侵してはならないし、また侵されてはならない。このことが私は政治の民主化の基本的な要諦であると思われます。まるきり中央、地方の責任の所在が明確でない、そういうような化けもののような性格の機関というものは、おそらく国民大衆にとつて、しかもそれ自体が生命、財産をも守るというところの大きな行政権を持つ警察長である意味において、問題は大きいと思うのであります。従いまして、地方の機関であると言われるが、われわれの通念あるいは現在の行政機構において、何ら地方団体関係のないものが地方の機関であると言われたところで、地方自治団体は、これを受取ろうと思つても受取りようがないと思います。これはどういうふうに解釈すべきであるか、明確に法律に基いての御答弁を願いたい。
  265. 齋藤昇

    ○齋藤(昇)政府委員 府県警察長の性格の問題でございますが、任免は、先ほど申しましたように中央からいたしますが、しかしこれらの考課、罷免あるいは勧告とういようなものは、府県の機関である府県の公安委員会が長官に具申するということになる。いわゆる監督あるいは管理は府県の機関である府県の公安委員がしておるのであります。さような意味から、国家的性格と地方的性格と両方持つている、かように申しておるのであります。権限の配分におきましては、府県警察府県の公安委員会が、全部について責任を持つて真理をするという建前になつております。中央の警察長官は、法律に定められた範囲内におきまして指揮監督をする、こういうふうに考えております。
  266. 春日一幸

    春日委員 地方の公安委員会には行政管理、運営管理が付与されておるとは言つておりますが、大体この要綱そのものが間違つているので、少くともこの行政管理の中には、人事権あるいは任免権が含まれておつて、初めて行政管理と言えるのでありますが、しかしながら府県の公安委員会は任免権がない。これはただ意見を具申することができるだけでございます。吉田内閣は今までいろいろの行政を執行して参つておりますが、たとえば人事院の賃金ベースに関する勧告、あるいは公共企業体等に関する仲裁委員会の裁定、こういうようないろいろな機関の勧告、裁定、決定というようなものは、何一つ吉田内閣は実施しようとしてはいないし、今まで実施したこともなかつたのでございます。従いまして今後府県の公安委員会がいろいろな勧告をするでありましよう。たとえば非常に官僚独善的な警察長であるので、かくのごときは罷免すべきであるという勧告をいたしましても、政党出身の大臣は、それが自分の子分であるとかあるいは特殊の系統の上に立つ者であるならば、今までいろいろな国の機関の勧告を踏みにじつて来たと同じように、今後もほおかむりでそういう勧告に対して何ら敬意を払わず執行して行くおそれが多分にあり、すでに従来そういう方式がとられて来ている。従いまして、ただいま府県会官委員会行政管理がゆだねられているので云々という言葉がございましたが、府県会安委員会が任免権を持てば、なるほどそういう権威を持つに至るでありましようが、ただ単に勧告をする、しかもその勧告たるや警察大臣なり警察長になりがそれをそのまま執行しなければならないという、何らの規定も条文もない立場におきましては、これは全然権威を持つていないものであります。従いまして、ただいまの御答弁は、私の質問を明快にしてはいただいておりませんので、犬養大臣から重ねて御答弁を願います。
  267. 犬養健

    犬養国務大臣 その点御説明申し上げます。大分そこは考えたわけであります。まず第一に吉田内閣に故障があつて、各種の審議会の答申を執行しない、そういうようなことがかりにあつたとします。ところが府県警察長というものは、総理大臣とか国務大臣とかいうような強い地位にあるものではないのでありまして、事実罷免の勧告を受けて、そうしてその職にいたたまれるものではない、こういうように考えます。なぜ任命のときに、同意権を、あるいは任免権を進んで持たせないかといいますと、府県の公安委員の方は、なかなかりつばな方です。しかし日本全国を見渡して、そうして、どこに知られない偉材があるかというような問題は、やはり中央が選びまして府県に相談する。府県だけの立場で選びますと、ついそこに——はなはだ失礼な言葉かもしれませんが、土地の人情に堕し過ぎるという場合もあるのでありまして、その点を私どもは非常に考慮いたしたわけでございます。なお足りないことがありましたら重ねて御答弁をいたします。
  268. 春日一幸

    春日委員 この問題は、地方自治団体の機関であるという認定をしようと思つても、これは法律の上においても、任免系統の上においても、あるいは給与系統の上においても、地方自治団体と何も関係がない。こういうことで、地方団体は、おそらく地方自治団体の機関としてこれをすなおに受取ることはできないと思います。この問題は、後日府県におきまして警察長が仕事をしようと思います場合に、国の機関でありますならば、国が適当な庁舎をつくつて、そこで仕事をやるべきでありましようし、地方自治団体の機関でありますれば、従来通り県庁の建物の中で、その仕事を行うことができるでありましようが、こういうようないろいろな警察行政の執行の過程において重大な関連を持つて来る問題でございますので、これは他の機会においてさらに検討の上質問することにいたします。  次いで大蔵大臣にお伺いいたしますが、この警察法改正に伴つて、将来これは二十九年度以降でありましようが、どの程度の大増税を必要とするであろうか、この問題について御答弁を伺いたい。
  269. 向井忠晴

    向井国務大臣 国の負担を増加することは考えておりませんので、増税はしないつもりでございます。
  270. 春日一幸

    春日委員 そういたしますと、どういうぐあいで増税なしにこの警察の移管が行われて行くのであるか、たとえて申しますと、今まで平衡交付金が交付されておつたものが、今後警察府県への移管によつて、その都市に対して平衡交付金が交付されない。それが財源となつて府県自治体にその財源が振りかえられて行く、こういうお考えに基くものでありましようが、問題となつて参りますのは、現在二百六十何都市の中で、六十何都市は平衡交付金を受けないで自治体警察を持つております。これの基準額が大体において二十数億、六十何都市の警察予算が四十数億、五十億になつておるかと思うのでございます。これらの都市は、今まで自治体警察を持つことのために、中央から平衡交付金を一厘も受けておりません。従つてこれらの都市から機構改変に伴うところの財源を引上げることができない。従つて今まで通り機構府県警察に移行しようと思いますれば、五十数億に上る新財源を必要として来る。これは明らかに新増税によつて新財源が調達されることなくしては、こういうことはできないと思いますが、これはいかに処理されるお考えであるか、これをお答え願いたい。
  271. 本多市郎

    ○本多国務大臣 財政調整を必要とする理由については、ただいま大体お話になりました通りだと思います。その根本的な財政調整につきましては、地方団体と国との税制改革等による財源の調整が必要となつて参ります。具体的な二十九年度の措置といたしましては、府県に新たに警察費の負担が生じますから、この府県の基準財政需要額の算定において、警察費をここに見積ります。そうして自治体警察を持つていたところが、二十九年度からは警察費の負担を免れることになりますから、そこの基準財政需要額の算定の中から、この警察費の需要額を削減するのでございます。これで調整がぴたりとできるとは思つておりません。御指摘のような、根本的な地方財源の調整も必要かと存じます。これにつきましては、教育費の全額国庫負担を拡充するためにも必要なことでございますので、二十九年度においては、そうした調整を行いまして、しかも国民負担を増加しないようにいたしたいと考えております。警察費に関する限りは、さいぜんの御質問にありました通り、今回の警察制度の改善によりまして能率が上るのでございますから、一割ないし一割五分くらいの縮減ができると考えておりますので、将来は総体的には国民負担を軽減する方向へ行くものと考えております。
  272. 春日一幸

    春日委員 現在の税機構はシヤウプさんの勧告によるものでありまして、その勧告が行われた当時の行政機構を対象として、このシヤウプ税制が勧告されております。従いまして、この税体系をいじることなくしてここに義務教育費の国庫負担、特にまた警察費の国庫負担、こういうような問題が移動されるというところに、非常に地方行財政の大混乱を生じつつあるのでございます。ただいま本多国務大臣の御答弁によりまして、義務教育費、さらにまた警察費のこういう法律改正に伴うところの中央地方を通じての税制改革が、並行的に行われるであろうということを示唆されましたが、これは当然のことであろうと考えるのでございます。ただ申し上げておきたいことは、六十何都市においては、少くとも総計五十億にわたるところの財政がゆたかに相なる。これは六十都市においては、今まで警察費に出しておつたところのそれぞれの都市の財源を何ら支出する必要がなくなる。一方他の都市は、その都市が負担しておつたところのものを、かわつて負担しなければならない、こういう不公平な事態をここに惹起して来るということも十分お考え合せいただきまして、負担の公平、均衡ということについて最善の努力を払われたいと思うのでございます。なお私が質問いたしました、国の機関であるか、地方の機関であるかという問題、さらに稻村君から問われた、国の機関が地方の機関の任免を行うというでたらめで、かつて前例のないやり方、こういうものは私どもは何ら了解するに至つておりませんので、いずれ他の機会を得て質問を申し上げることにいたします。
  273. 太田正孝

    太田委員長 中曽根君からごく簡単な御質問があるということでありますから、お許しいたします。中曽根君。
  274. 中曽根康弘

    中曽根委員 ただいまの法案に関する犬養国務大臣その他の関係大臣の御答弁を承りまして、最後に簡単に御質問いたしますから、簡潔にお答え願えればけつこうです。まずこの法案は、閣僚の中でどなたが国会に対して責任を持つて措置なさつておるか、これが第一点であります。まずお答え願いたいと思います。
  275. 犬養健

    犬養国務大臣 お答え申し上げます。法律全般については、国警担当の所管大臣でございます。
  276. 中曽根康弘

    中曽根委員 国警担当の所管大臣といいますとどなたでいらつしやいますか。犬養法務大臣でございますか。それとも総理大臣ですか。
  277. 犬養健

    犬養国務大臣 国務大臣たる私でございます。
  278. 中曽根康弘

    中曽根委員 第二番目に、政府は現在の状況では、この法案を最善の法案と信じて提出しているかどうか。
  279. 犬養健

    犬養国務大臣 ただいまのところ最善の法案をつくろうと努力しておりまして、現在これが考え得る最善の法案と考えております。
  280. 中曽根康弘

    中曽根委員 第三にお尋ねいたしますが、しからば、現在政府は修正する余地は全然ないと信じますか。
  281. 犬養健

    犬養国務大臣 まだ法案ができておりませんので、どういう御質問か存じませんが、法案をごらん願いたいと思いますが、そのお見せする法案を最善のものと考えまして、その法案は修正する考えはただいま持つておりません。
  282. 中曽根康弘

    中曽根委員 お見せいたす法案というのは、先般来委員長のお話のように、現在まで提示された要綱、その線を絶対逸脱しないものであるか。委員長はこの要綱すなわち法案と思つてくれというお話でありましたが、その通り信じてよろしゆうございますか。
  283. 犬養健

    犬養国務大臣 お答えいたします。逸脱をいたしません。ただ要綱の文字に十分に現われていないところは、もつとかゆいところに手の届くように、御了解を得るようにいたします。
  284. 中曽根康弘

    中曽根委員 そうすると、脱落を補正するという意味であつて要綱の今までの体系や制度やその他は全然そのまま法案に盛つて来られる、そう考えてよろしゆうございますか。
  285. 犬養健

    犬養国務大臣 お答えいたします。さように心得ます。
  286. 中曽根康弘

    中曽根委員 最後にお尋ねいたしますが、この法案は非常に重大な法案であります。もしこの法案が成立しなかつた場合、あるいは国会において修正された場合に、責任大臣たる犬養法務大臣はいかなる責任をおとりになるか。
  287. 犬養健

    犬養国務大臣 せつかくのお言葉でございますが、どうも仮定のことはお答え申し上げかねます。
  288. 中曽根康弘

    中曽根委員 仮定のことではありません。この法案は内閣の生命を賭するような重大な法案です。総理大臣の施政方針の演説にも、冒頭に載つている法案であります。従つて当然政治責任を伴うものであります。これがわれわれから考えれば当然修正されると思いますが、もしそういう事態が起きた場合に、あなたはどういう責任をおとりになるか。これを明らかにしておいていただきたい。少くとも政府は、法案を出すからには、責任を持つて出さなければならぬ。そういう重大なものです。これは民主主義のルールであります。どうぞ法務大臣の明確なる答弁を承りたい。
  289. 犬養健

    犬養国務大臣 法律案をごらんくださるならば、中曽根委員といえども御賛成願えると信じております。
  290. 中曽根康弘

    中曽根委員 それは答弁になりません。犬養法務大臣はどういう措置をとられるかということであります。そのときの措置を御答弁願いたいと思います。
  291. 犬養健

    犬養国務大臣 何度も繰返しますが、仮定のことは答えられません。
  292. 中曽根康弘

    中曽根委員 仮定の問題ではない。民主主義のルールを聞いておる。(「議事進行」と呼び、その他発言する者多し)委員長発言中であります。民主主義のルールであります。犬養法務大臣法律の権威者であつて、一番その上に立つているローマ法王とも言うべき人です。その人がまさか民主主義のルールをくずすようなことはないと思う。私は民主主義のルールとして法務大臣の御心境を承りたいのであります。
  293. 犬養健

    犬養国務大臣 通過できないという中曽根さんの仮定に私は同意できません。従つて仮定には答えられないのでございます。まことに遺憾でございます。
  294. 中曽根康弘

    中曽根委員 通過するかしないかはわからない。しかしそういう事態が当然論理的にある。その論理的なケースにおけるあなたの措置をお尋ねしておる。(「さつき答弁した通りだ」と呼ぶ者あり)答弁を要求します。  それでは最後に発言いたします。法務大臣は御答弁をなさらないようですが、御答弁なさらぬところを見ると、どうもこれは責任をとられるのがこわくて恐る恐るやつていると考えざるを得ない。(「ばかなことを言うな」と呼ぶ者あり)しかしそういう確信のない法案を出すなら、やめた方がいい。今のような不見識な態度はやめていただきたい。     —————————————
  295. 太田正孝

    太田委員長 この際御報告いたします。先般委員長に御一任願いました分科会区分及び主査の選定につきましては、次の通り定めましたから御了承願います。  第一分科会、大蔵省所管並びに他の分科会所管以外の事項、主査塚田十一郎君。第二分科会、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、総理府(経済審議庁を除く)及び法務省所管、主査橋本龍伍君。  第三分科会、外務省、文部省、厚生省及び労働省所管、主査本間俊一君。  第四分科会、経済審議庁、農林省、通商産業省、運輸省、郵政省及び建設省所管、主査尾崎末吉君。  以上であります。  なお同じく委員長に一任されました分科員の配置は公報をもつてお知らせいたします。  本日はこの程度にいたしまして、次会はこれから理事会を開きまして、明日になるかあるいは明後日になるか、公報をもつて決定の結果をお知らせいたします。  これにて散会いたします。     午後六時二十四分散会