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1952-12-06 第15回国会 衆議院 郵政委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十二月六日(土曜日)     午前十時五十六分開議  出席委員    委員長 大上  司君    理事 飯塚 定輔君 理事 赤城 宗徳君    理事 廣瀬 正雄君 理事 木原津與志君       岩本 信行君    大野 市郎君       永野  護君    山崎  巖君       岡田 勢一君    土井 直作君       伊藤 好道君    上林與市郎君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 高瀬荘太郎君  出席政府委員         郵政政務次官  平井 義一君         郵政事務官         (郵務局長)  松井 一郎君                  郵政事務官         (貯金局長)  小野 吉郎君  委員外出席者         郵政事務次官  大野 勝三君         専  門  員 稲田  穰君         専  門  員 山戸 利生君     ――――――――――――― 十二月四日  委員井伊誠一辞任につき、その補欠として細  野三千雄君が議長指名委員に選任された。 同月五日  委員羽田武嗣郎辞任につき、その補欠として  三木武吉君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 十二月四日  関本簡易郵便局を無集配特定局に昇格の請願(  河原田稼吉君紹介)(第四四二号)  上分村に郵便局設置請願濱田幸雄紹介)  (第五一二号) の審査を本委員会に付託された。 同月二日  上赤塚特定郵便局設置に関する陳情書  (第五六九号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  簡易郵便局法の一部を改正する法律案内閣提  出第五号)  郵政行政に関する件     ―――――――――――――
  2. 大上司

    大上委員長 これより郵政委員会を開会いたします。  簡易郵便局法の一部を改正する法律案及び郵政行政一般について質疑を許します。廣瀬君。
  3. 廣瀬正雄

    廣瀬委員 前回の委員会におきましても問題となりました簡易生命保険並びに郵便年金積立金の還元の問題でありますが、その後大蔵常任委員会あるいは自由党内におきまして、関係法律改正につきましての郵政省案について、これを阻止するいろいろの策動があるやに聞いておるのでありまして、私は非常に遺憾千万に思つておるのであります。これにつきまして委員長並びに政務次官のお聞き込み、あるいはこれに対します将来の対策につきましてのお考えを承りたいと思うのであります。
  4. 平井義一

    平井政府委員 お答え申し上げます。簡易保険並びに積立金運用に関する法律案は、御承知のごとく前々国会でその基本法は通過したのでありますが、資金運用部資金法の一部改正案は不幸にして通過しなかつたのであります。政府といたしましては本国会に、前々国会同様政府提案としてすみやかに提出する考えでございますけれども、ただいま廣瀬委員がお述べに なりました通り大蔵省の一部なり、また大蔵委員会の一部にこれを阻止する動きがないとも言えない状態であります。政府といたしましては与党とも連絡の上、すみやかに本国会でこれをきれいに処理したいと考えております。万一不幸にしてこれが出ませんでも、運用は不可能とは考えていないのであります。この仕上げの法律をどういうふうに提出するか、現在は政府提出をしたいと思いますけれども、あるいは議員提出で行くのがいいという場合が起りましたならば、これも皆さんの御要望に沿いまして、議員提出というような姿でもこの国会をぜひとも通過して、スムーズにこの法律案が解決を見、そうして実施に移したいというふうに考えておりますが、ここ二、三日の間に十分研究をいたしまして、ただいまの廣瀬委員の御趣旨に沿いたいと考えております。当国会におきましてもこの点十分研究され、政府を督励されんことをお願い申し上げる次第であります。
  5. 木原津與志

    木原委員 整理法運用部資金法あるいは特別会計法改正の点ですが、この改正は別に法案として改正をしなくても、すでに基本法積立金運用に関する法律で、整理法に属するものはもう廃止になつたと同然と見てよいのであるから、別にこの法律改正しなくても運用郵政省令による運用規則だけでできるのではないかと思いますが、その点はどういうふうな解釈になるのですか。
  6. 平井義一

    平井政府委員 ただいまお話の通りにわれわれも実は解釈をするのでありまして、その点が先ほど申し上げました運用が不可能とは考えておらない、こういうことでありますが、円満にスムーズにやりたいという点から、この整理法をすみやかに通過させたい、こう考えておる次第であります。
  7. 廣瀬正雄

    廣瀬委員 関係法律改正につきまして、郵政省案大蔵省考えております案との違いが、根本的な大きな問題としてあると思いますから、御当局から御説明を願いたいのであります。
  8. 平井義一

    平井政府委員 大蔵省の案というものがあるわけではないのでありまして、第十三国会政府案として提出されましたそれが生きるのであります。私どもといたしましては、十三国会に出した法律をそのまま生かして行きたいと、こう考えております。
  9. 土井直作

    土井委員 この際政府当局にお伺いしておきたいと思いますことは、郵便物を収集しますために長年の間日逓会社というものがありまして、これが御存じの通り赤色をした自動車で、あたかも郵政省自動車のような—事実そうでしようが、それを借りまして郵便物を集めておるわけでありますが、われわれから考えますと非常にふかしぎに感ずるのであります。元来郵便物を集配するということについては、当然郵政省直轄でやるべきではないかと考えておるのでありますが、これに対しまして郵政省としてはどういう考えを持つておられるのか。また会社郵政省関係契約内容、しかも将来郵政省がこれを直轄でやる意思があるかどうか、またそれが可能か不可能か。さらに申し上げまするならば、現在会社に下請けせしめておることによて生ずる経費と、直轄によつてやる経費の差、言いかえればどつちが利益であるか不利益であるか、こういう点につきましては、平井政務次官にお聞きしても就任早々で十分おわかりでないと思いますので、これに精通しておりまず事務当局の方から詳細な御説明をお願いしたいと思います。
  10. 松井一郎

    松井政府委員 御承知のように郵便事業国営ということで、国の責任においてやることが建前になつております。しかし郵便物を引受けましてからこれを取集め、あるいはそれを輸送し、配達して行く過程においては、いろいろな交通機関を利用しなければなりません。これを全部初めから国がみずから持つということは、もとよりできない問題であります。そこで郵便事業経営のあり方といたしましては、その郵便事業部分々々においては、できるだけ既存交通業者というようなものを極力利用することによつて運営して参りたい、かように考えております。ただそういう適当な業者のないような場合においては、もちろん国が直接やらなければならぬという事態も起きますが、しかしそのために新しくそういう施設を設けなくても、既存業者が持つておる設備をやはり利用して行きたいというような建前でおります。われわれが郵便物運送事業法ということを法律として御制定願つておるのも、やはりそういう趣旨から出たものであろうと思います。しかもこれについては郵便物運送事業法並び会計法規定がございまして、できるだけその分についても競争入札原則として、合理的なコストでもつてつて行くべきだという点があります。ところでしからばどの程度のものを請負に出すかは、そのときの具体的な事情考えてわれわれがきめて行かなければならない問題であります。もちろん民間に適当な業者がないような場合においては、万難を排してもみずから国でやらなければならない。民間にある場合に、民間業者とつた方がいいか、別に国営でやつた方がいいかという問題については、その場所の問題、あるい はそれに使われる機材の問題といつたいろいろな条件を勘案して、ある場合には直営でやる。ある場合においては民営でやるということを考えております。そういうふうな関係で今日までのところ、大体全国における自動車による輸送は、日本の現在の状況においてはまだ既存業者を使うことを原則とした方がいいのではないか、これは大ざつぱな考えでございますが、そういうふうに私ども考えております。もちろんこれは社会の進展に応じていろいろ違つて来るだろうと思います。現に最近は自動車といい、オート三輪車といい、漸次そういうものが普及して参りまして、われわれも自営でもつてこれをやつて行く面もありますが、まだ大型の四輪車といつたものについては免許とかいろいろな条件を勘案して、できれば既存業者使つて行つた方が経済的でもあるし、やりいいのではないかというので、現在そういう方針をとつております。これはもちろん社会状態がいろいろかわつて参りますればかわります。永久不変のものではございません。
  11. 土井直作

    土井委員 現在の実情においては、民間業者委託して輸送その他のことをやつた方が利益があるというようなことを言われておりまするが、実際採算上の問題から行けば、直轄でやつた方が実益があるのではないか、こう考えておるのであります。従つてこれらの点については、現在委託されておるところの業者との契約並びにそれらに対する金額等を、他日適当な機会に書面をもつて御通知願えればけつこうだと思うのであります。ただわれわれから言わしめまするならば、御承知通り繁華街においては、たとえば都会地においては直轄でやつた方が十分採算がとれるという考え方を持つております。  それから現に郵便物等において託送をやつておるのですが、万一それらの郵便物が、たとえば重要なものを輸送しておる途中において災害が起り、あるいは不祥事が起つた場合において、これに対するところの契約面における内容というものもあるでありましようけれども、しかし委託でありますから、全面的な補償というものはできがたいのではないかと思うのであります。この点についてはどういうような 措置が講ぜられておるか、この際お聞かせ願いたいのであります。
  12. 松井一郎

    松井政府委員 もちろん私ども委託はいたしましても、公衆に対する全責任というものは、郵政省が持つておるわけでございます。従つて委託をしたからといつて、われわれは何らの責任を回避する法律も持つておりません。また他面、郵便物運送委託ということにおきましては、受託者というものは、単なる契約面だけではなくして、法律上やはり公務員と同じような立場をもつて責任も負わされておるということもはつきりしております。何しろ大事な郵便物のことでございますから、これに対しては、たとい委託者つて公務員身分を持とうと持つまりと、やはり刑法上はほとんど同じような責任を負わされておるというような取締り規定も、一方において法律上明定してございます。もちろん契約面においても、郵便物というものの取扱いにおいて大事にしろということは十分うたつてございます。のみならず、われわれもそれだけでは満足できませんので、やはりその取扱い業者について監督を厳にしておりまして、いやしくもそういうことについては遺憾のないようにという措置をとつております。
  13. 土井直作

    土井委員 郵便物その他に対して、万一の場合においては郵政省みずからその責任を負うということでありまするが、あの自動車は、消防自動車やあるいは救急車と同じような、それに準ずるところの取扱いを受けておるわけであります。従いましてゴー・ストツプの関係とか、あるいはまたスピードの問題等についても、これは一般自動車や何かと同じような取扱いを受けておらないと思うのであります。こういうような自動車がしばしば民間人に対して、あるいはその他の人々に対して傷害を与えるという場合があるのであります。ところがその傷害に対しても、当然これは公務員に準ずるものであつて郵政省みずからがその責任を負わなければならないということを先ほど言われておるが、そういう場合における取扱いは、やはり郵政省責任の範囲に属するのか、それは純然たる請負業者責任に属するのか、この点はいかがですか。
  14. 松井一郎

    松井政府委員 私の申し上げましたのは、郵便物を差出した方々に対する国としての責任を申し上げたのでございます。たとえばその郵便物を亡失した場合とかなんとかいつた場合を申し上げましたので、ただいま土井委員のお尋ねになられました車を運転することによつて伴う交通事故的なものは、当然請負業者責任ということになつております。
  15. 土井直作

    土井委員 将来この委託的な民間事業に対して、郵政省としては直轄にする意思があるのかどうか。先ほどこの点の答弁がございませんでしたが、今の段階においては、むしろいろいろな場合を想定して、一部は直轄、一部は請負にした方が利益だというような、利益不利益は別にして、とにかく将来郵政省として全面的に直轄経営にする意思があるのかどうか。
  16. 松井一郎

    松井政府委員 私の方の考え方としては、そういう形で当然に国営にしなければならぬというふうには考えておりません。ただそのときの社会情勢から見て、国営にした方が適当なものは国営といたします。また民営のままやつた方がよいと思われるものは民営としてやりたいと考えております。現に同じような種類のものでも、たとえばオート三輪車といつた非常に簡易なものであつて、あえて民営にしなくてもよいものは、今日といえども国営のままやつておるし、またそれでさしつかえないと考えております。また将来いろいろと社会情勢もかわつて参りまして、こういうものが国営でやつた方がよいという時期が来れば、いつでもこれは国営にするにやぶさかではないと考えております。
  17. 土井直作

    土井委員 将来社会情勢が変化してという客観情勢の認定の問題ですが、これはきわめて拙象的であつて、具体的にいうと、それは採算がとれるようになつてというような意味なんですか。経理上の面から来るのか、あるいはそうでなくて政治的な考慮の上においてそうお考えになつておるのか、この点はどうですか。
  18. 松井一郎

    松井政府委員 私の申し上げましたのは、政治的な意味ではございませんで、経理的並びに人間を使う面における能率的な問題、そういうものを勘案して、より国営でやつた方がよいという純経理的な面から申し上げておるのでございます。
  19. 土井直作

    土井委員 そうなつて参りますと、実質的には、採算について国営でやつた方がよろしいという考え方がケースの上で出て来れば国営にすべきである、こういうことと承知してよいと思いますが、それでよいですか。
  20. 松井一郎

    松井政府委員 国営でやつた方が採算上もよいし、いろいろな個々の運営の面からいつて能率的であるということを込めて、これが結論が出た場合においては国営に返る、かような考え方であります。
  21. 土井直作

    土井委員 多少事務的な問題がありましたから、松井政府委員答弁を求めたのでありますが、ただいまの問題につきましては、責任の衝にある大臣は一体どうお考えになるか、端的にひとつお答えを願いたいと思います。
  22. 高瀬荘太郎

    高瀬国務大臣 私、途中から入りましたので十分お聞きいたしませんでしたが、今やつている民間請負である部分について国営にする方がよいかどうかという御質問ではないかと思います。ただいま問題になつている場所についての問題かと思いますが、現在は国営よりも請負にして民営でやつた方がよいという趣旨のもとに実行されているわけであります。ですからそれによつて運営の面あるいは能率経理面等において非常にさしつかえがある、そうでない方がよいという事情が起れば、これは返るべきであろうと思います。全面的に民間委託してあります請負自動車輸送というものを国営でやる考えがあるかどうか、こういう一般的な問題になりますと、現在私はそういうことを考えておりません。
  23. 土井直作

    土井委員 松井政府委員大臣との間に、多少食い違いがあるように考えられるのであります。なぜかといえば、要するにまず能率が上るということと、人を使用する方法、あるいはまた経費の面において、国営でやつた方が民間請負でさせるよりも利益があるということが具体的にわかれば、それは国営でやるべきである、こういう松井政府委員の大体の答弁である。大臣答弁から見ますと、これに対してはそういう事態があつても必ずしも国営でやらなければならないということは考えていないような御答弁のようであります。私は郵政事業としての一貫作業を十分やつて行かなければならぬという考えと、民間請負をせしめることによつて、やはりそれだけコストが上つて来るわけでありまして、従つて郵便物等のいろいろな価格の上においても、もしこれが民間経営から国営に移すことによつて低減なし得るということになれば、国民経済に非常な影響を持つわけでありますから、こういう面からいたしましても、経理的にも能率的にも、民間業者よりも国営でやつた方がよろしいという場合においては、これを国営にすべきではないかと考えるわけであります。またこのことについては松井政府委員も大体肯定されておるのであります。大臣のただいまの答弁には、ちよつとそこに違いがあるように思われるのでありますが、経済的であつて能率的であつて、しかも国営にする方がそういう前提が十分完備されるならば、国営にした方がよろしいと私は考えるが、大臣はそういう場合でも従来の慣例があるから、民営けつこうだという御見解であるかどうか、この点を伺います。
  24. 高瀬荘太郎

    高瀬国務大臣 私は松井局長とそう考えは違つておらないつもりで御答弁を申したのであります。現在はとにかく民営でやつておるわけであります。それで今土井委員のおつしやつたような点が非常にはつきりして来て、そうして国営に移した方がいいのだという非常にはつきりした資料や事実があれば、これは検討すべきであると考えております。
  25. 廣瀬正雄

    廣瀬委員 積立金運用権関係の問題につきまして、ただいま平井政務次官からまことにはつきりした御答弁を承りまして、力強く考えた次第でありますが、なおわれわれのこの常任委員会には、自由党最高幹部であります岩本委員もおられることでありますので、どうかひとつ強大なる政治力を発揮されまして、すみやかに目的の達成にこぎつけるように御奮闘願いたいと思います。  次に、簡易郵物局法の一部改正法律案についてお尋ねいたしたいと思うのでありますが、簡易郵便局制度につきましては、私はあまり詳しい内容は知らないのでありますけれども、非常に変則的な制度ではないかと思うのであります。私はこうした制度は一日もすみやかに、普通の特定局に昇格させることが建前であるべきだと思います。また全国においてそうした希望が各所に出ておると思うのでありますが、これにつきまして今度の法律案は、郵便振替貯金事務を追加するということでありますが、郵政省のお考えといたしまして、将来簡易郵便局特定局に昇格させる御方針であるかどうか伺いたい。そして私は通信事業は文化のバロメーターであると考えておりますので、通信事業は将来ますく整備拡充しなければならないものだと考えておるのであります。こういう制度をすみやかに普通の特定局に昇格させることにつきまして、郵政省で強力な御推進を願いたいと考えておるのであります。これにつきまして大臣並びに当局のお考えを承つておきます。
  26. 松井一郎

    松井政府委員 簡易郵便局考えられたのは、特定局終戦後ずつと形をかえて参りまして、全部これを国の直轄という形で経営するようになつたのであります。そういたしますと、結局国の公務員身分を持つた人間を、最低限度何人か抱えて局を設けるわけでありますが、ずつといなかの地帯に参りますと、それだけの人を抱えても、必ずしもそれだけの事務量がない。しかし一つの局を開く以上、もとより人間を一人配置するわけには参りません。そこでいろいろ考えました結果、地方のこうした公共団体とタイアツプすることによつて最小限度郵便必要性が充足せられる機関として考えられたわけであります。そこで非常に事務量がふえて、国の直轄の人を置くに適したところは、もとより特定局でもつてつて行くべきでございましよう。しかしそれだけの事務量がないところにそれだけの人を配置するのが、はたして適当であるかどうかということになりますと、やはり問題があろうと思われます。そこで現在のところ簡易郵便局は、そうした場所における郵便事務窓口機関としては、やはり存在意義を持つておるのではないかと私ども考えております。
  27. 飯塚定輔

    飯塚委員 今の簡易郵便局制度についてでありますが、大体今契約しておるのは町村役場というか、町村等契約が多いのでありますか。
  28. 松井一郎

    松井政府委員 法律に掲げてございますごとく、これは市町村なりあるいは公益団体になつております。もとより市町村が数は多いのでございますが、そのほか農村における協同組合といつたものが主体になつておるところもあります。
  29. 飯塚定輔

    飯塚委員 そうすると、新しく役場を建てるとか、組合事務所を建てるところは、村落が辺鄙なところであればあるほど、部落の中心に建てることが多いのであります。そうしますと、実際のその村の一番利用度の高い部落からは、中学にしても役場にしても大体離れておるのでありまして、一番利用度の多いところに郵便制度の恩典を均霑せしめるには、そういうところにも置いた方がよいという声が地方には大分あります。制度の上からいいまして、公益法人のみならず、りつぱな資産といいますか、資格といいますか、それを調査の上で、個人にもそういう制度を払張して行こうというお考えがありますならば、承りたいと思いつております。
  30. 松井一郎

    松井政府委員 簡易郵便局法を制定する際にも、いろいろと論議された問題でございますが、もとより簡易郵便局はそういう国の公務員としての制約によつて行われないもので、実務的なものという意味で置かれたのでありますから、必ずしも市町村とかあるいはその他の公益団体でなくてもよいのではないかという議論も、確かにうなずかれるのでございます。ただ特定郵便局というものは、昔やはりそういう一種の請負形態をとつて参りましたのが、終戦後の社会情勢の変移に伴つて、いろいろとそこ弊害も見られたので、これを直轄にして来たという一つの経緯がございまして、今またそれを元へもどすという形は、制度運営上も変更を生ずるであろうというようなわけで、これを公益的な団体にのみ限定したわけであります。その点は、この簡易郵便局法ができた一つの歴史的な背景という意味で御理解願いたいと思います。
  31. 飯塚定輔

    飯塚委員 その点よくわかりましたが、地方の利便、国民郵便に対する関心の度が非常に高くなつておりますし、特に自由党としてもその政策の中に郵便局のない村をなくそうという考えを持つておりますから、この際特に大臣から、閣議等においてもその趣旨を十分に徹底していただきたいと思います。この点、特にお願いしておきます。  それからもう一つ取扱高に関する状況であります。今度の改正法の要点の取扱い手数量の問題ですが、最高額二万円を廃止しよう。取扱高によつて手数料をきめるということになりますと、現況から見てどういうかつこうになるか。地方町村役場等において、最高額でやつていた方がいいか、あるいは最高額を廃止することにより、その町村取扱量の多い少いによつて、かえつて手数料が少くなるようなことになりはしないかと思いますので、これは私もその取扱い手数料改正の点をまだはつきりのみ込んでおりませんから、御説明を願います。
  32. 松井一郎

    松井政府委員 この二万円の制限をどうしてやつたかということについて、私はいろいろとその当時の立法、立案に関係した方々伺つたのでありますが、その当時司令部の方からも非常に強いサゼスチョンがあつて簡易郵便局のようなものを通じて、非常に手数料が流れることは好ましくないから、少くとも最高限をつけたということだと思つております。しかし簡易郵便局建前は、どこまでもその取扱つていただいたものに対する手数料を差上げようということでありますから、これを二万円で頭を切るということにそれほど強い合理性はないだろうというので、今回の改正案においてはこれをやめて、そのかわりにその事務量に応じて差上げたいということでございます。ただいま飯塚委員がお尋ねになられたように、かえつてこの改正によつて、そういう収入が少くなるだろうという御懸念は全然起りません。どこまでも事務量に応じたものを算定いたしまして、それが二万円を越えても払つて行こうという考えでございます。
  33. 赤城宗徳

    ○赤城委員 この簡易郵便局のことで、これを設置する際に政府当局が約束したことではないと思いますが、大体実情を聞いてみると、村当局とか農協が請負的に簡易郵便局をやつておる。しかし事実は、その下にまた下請がおるというか、個人に委託して、その人に簡易郵便局事務をやらせておる、こういう実情のようであります。それで政府も約束したわけではないでしようが、そのうちには、簡易郵便局も昇格して特定局になるのだというような希望を持つて町村あるいは農協から下請的というか、事務の方を扱つている人々が相当あるのではないかと思う。そういうことで、先ほど廣瀬委員からも質問がありましたが、この簡易郵便局のうちで成績の非常に上つているものに対しましては昇格といいますか、特定局にして行こうという方針がおありなのかどうか。大臣のこの前の説明でも、千二百以上の郵政窓口のないものに対して、定員の許す範囲において極力郵便局を設置したいという御意向のようでありますが、それと同時に、簡易郵便局の成績のよいものに対して、昇格して行こうというお気持があるのかどうか。これをひとつお尋ねしておきたいと思います。
  34. 松井一郎

    松井政府委員 先ほど私がお答え申しましたように、簡易郵便局の本来のあり方は、特定局経営よりも経営が著しく不経済になるというような地帯における郵政窓口の事務のあり方というものを規定しておるのであります。従いまして現在の簡易郵便局がだんだんと発達して参りまして、非常に事務量もふえるというような状態になり、かつまた受託しておる町村その他の方方も、ぜひこれを特定の局にてしもらいたいというような御要望がある場合においては、これは将来特定局というような形に持つて行くように考慮しなければならぬだろうと思つております。
  35. 廣瀬正雄

    廣瀬委員 簡易郵便局の問題につきましては、ただいま政府委員からの御説明でわかつたのでありますが、こういう変則的な制度を将来いつまでも存続させる御意思があるかどうかという点も承つておきたいと思うのであります。いろいろ定員の関係もあると思うのでありますけれども、私はこんな変則的な、郵便局とも何ともつかないような制度は一日も早く捨てて、新しい特定局を置くべきだと思つておるのでありますが、これについての当局の御見解を承つておきたいと思います。
  36. 高瀬荘太郎

    高瀬国務大臣 ただいまの御説まことにごもつともでありまして、郵政当局といたしましては、むろんできるだけちやんと完備した特定局でやるのが本則なのでありますから、そのように促進して行きたいと思つております。ただ定員とか予算の関係がありますので、その方を努力してできるだけ早く特定局でやれるようにしたいという考えを持つております。
  37. 大上司

    大上委員長 これにて質疑は終了いたしました。  これより簡易郵便局法の一部を改正する法律案の討論に入ります。
  38. 赤城宗徳

    ○赤城委員 この際動議を提出いたしたいと思います。討論を省略し、ただちに採決せられんことを希望いたします。
  39. 大上司

    大上委員長 ただいまの赤城君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  40. 大上司

    大上委員長 御異議なしと認めます。よつて討論は省略されました。  これより本案について採決をいたします。本案に賛成の方の御起立を願います。     〔総員起立〕
  41. 大上司

    大上委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決いたしました。  なおこの際お諮りいたします。衆議院規則第八十六条による報告書の作成に関しましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 大上司

    大上委員長 御異議なしと認めます。よつてさよう決定いたします。  本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもつてお知らせいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午前十一時四十五分散会