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1953-02-28 第15回国会 衆議院 文部委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年二月二十八日(土曜日)     午前十時五十七分開議  出席委員    委員長 伊藤 郷一君    理事 坂田 道太君 理事 竹尾  弌君    理事 田中 久雄君 理事 松本 七郎君    理事 坂本 泰良君    北 れい吉君       永田 亮一君    長野 長廣君       水谷  昇君    井出一太郎君       笹森 順造君    細野三千雄君       辻原 弘市君    山崎 始男君  出席政府委員         文部事務官         (初等中等教育         局長)     田中 義男君         文部事務官         (大学学術局         長)      稻田 清助君         文部事務官         (社会教育局         長)      寺中 作雄君         文部事務官         (管理局長)  近藤 直人君  委員外出席者         文部事務官         (大臣官房総務         課長)     福田  繁君         文部事務官         (調査局広報課         長)      西森  馨君         専  門  員 石井  勗君        専  門  員 横田重左衞門君     ————————————— 二月二十七日  委員辻原弘市君辞任につき、その補欠として和  田博雄君が議長指名委員に選任された。 同月二十八日  委員和田博雄辞任につき、その補欠として辻  原弘市君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 二月二十六日  義務教育費全額国庫負担制度に関する請願(佐  治誠吉紹介)(第三〇二四号)  学校給食法制是等請願外六件(和田博雄君紹  介)(第三〇二六号)  奨学資金増額並びに奨学生定員増加に関する請  願(淺沼稻次郎紹介)(第三〇二七号) 同月二十七日  学校給食法制定等請願松本七郎紹介)(  第三〇九二号)  同(大村清一紹介)(第三一一三号)  高等学校定時制教育振興法制定に関する請願(  足鹿覺紹介)(第三一一一号)  青年学級振興に関する請願足鹿覺紹介)(  第三一一二号)  六・三制教育施設整備費国庫補助に関する請願  (足鹿覺紹介)(第三一一四号)  老朽校舎改築費国庫補助等に関する請願(栗田  英男君紹介)(第三一一五号)  義務教育学校職員法制定等に関する請願井出  一太郎紹介)(第三一一六号)  へき地教育振興法制定に関する請願山下春江  君紹介)(第三一一七号)  産業教育振興法による中学校への国庫補助増額  の請願足鹿覺紹介)(第三一一八号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  公聴会開会承認要求に関する件  教育委員会法及び教育公務員特例法の一部を改  正する法律案田中久雄君外二百二名提出、衆  法第三七号)  学校給食問題等に関する件     —————————————
  2. 伊藤郷一

    伊藤委員長 これより開会いたします。  一昨日理事会を開きまして、お手元に参つておると思いますが、別紙のような予定表を定めたわけであります。重要案件が山積しておりますので、できるだけこれに従いまして審議を進めて行つていただきたいと思います。もちろんその間におきまして、審議進捗状況その他につきまして若干の変更があることもあるかもしれませんが、お互いにこの線に従つて協力のほどをお願いいたします。
  3. 坂本泰良

    坂本委員 ただいま委員長からお話のありました日程は、これは基準を示したわけで、重要法案が山積しておるから、われわれ委員としましても特に慎重審議を期さなければならぬと思うのです。そこでわれわれ理事会としては日程表をつくりまして、今委員長のおつしやられたようなふうに進行するのでありますけれども義務教育学校職員法案というのは突如として出されたものであり、われわれ委員として相当研究もしなければならぬと思います。従つて今まで無準備の状態にもあるし、これの審議の過程におきましては相当の資料を単に国内だけにとどまらず、国外の資料をも収集しなければならぬ、従つて文部省においてはその提案の責任上文部次官も今度はかわられたのでありますが、この委員会において要求した資料は遺憾なくこれを整えていただかなければ、それによつてこの審議が中止になり、流れるというようなことも考えられるのでありますから、この点についてあらかじめ文部省委員長から注意をしておいていただきたい。もしも要求資料などが整わない場合には、進行ができないというような状態に陥ると思うのでありますが、その点を御要望申し上げておきます。
  4. 伊藤郷一

    伊藤委員長 坂本委員の御趣旨はよくわかりました。労働委員会等においては、スト禁止法を本会議で出しましてすぐ質疑を続けているようでありますが、文部委員会においては三日からいたしますので、十分用意せられ、また政府側におかれても今の要望にこたえるようにお願いいたします、
  5. 松本七郎

    松本(七)委員 ただいま委員長から理事会の一応の決定についての御報告があつたわけですが、誤解があるといけませんので、確認をお願いしておきたいと思います。  理事会では一応この大切な問題公聴会は二日にわたつてやるということを申し合せたわけです。しかし委員長の党内の立場がなかなかお苦しいようで、結局一日で上げるようにしたいというその後になつて申出があつたので、われわれもこれを了承しまして、そのかわり十一日は公聴会出席される方々に御迷惑をかけないように、定刻からきちつと始めて、十分に聞くという建前なつたわけです。それから理事会では、総括質問のときには原則として一日おきにやろうということになつておりましたが、私ども要望を入れていただいて、公聴会を十一日、十二日の両日やるということになりましたので、それならばひとつ九日から十日と、連日にわたるけれども、十日もひとつやろう、こういうことになつてつたわけです。そこで公聴会が二日ということのために、十日も特に審議するということになつてつたのを、公聴会は一日に限られましたので、十日はもう休んでもらいたいという声も相当今あるのですが、しかしこれも御協力申し上げる意味で、少し連日にわたり過ぎるが、ここでもひとつやろうということになつたわけです。それからこの表を見ますと、日程は十三日で終つているようになつておりますが、これは最後までの日程を全部きめることは無理だから、一応十三日までの日程原則を定めてその後のことは適当なときにあらためてまた協議しよう、こういうことになつておりますので、この点を皆さん御了承願いたいと思います。
  6. 伊藤郷一

    伊藤委員長 その通りであります。
  7. 辻原弘市

    辻原委員 ただいまの日程問題でありますが、この間の理事会の席上でも話がありましたように、特にこの職員法問題あるいは教育委員会法改正問題等についてはきわめて重要な問題でありますがために、委員会慎重審議という建前で、でき得る限りこれに出席する、そうして定足数に満たなければ本委員会原則として開会しないということを私どもは了承いたしたわけでありますが、本日の出席を見ましてもまことに残念な出席状況でありまして、今後こういうふうな状況審議を進めるということになつたならば、こういう法案審議するにあたつて、将来当時の文部委員会の怠慢ということを私は国民に責められると思う、そういう結果にも相なることを非常に心配するのであります。そういう点から特に委員方々出席ということについては、本会議あるいは予算委員会等関連もありましてなかなか困難な点もありますので、たとえば本日のごとく午後本会議の予定されているときは、これを通してやるということは、一応建前としては、非常に期間が切迫しております関係上でもつともでありますが、しかしながらその結果は出席率が悪いということになりまして、ほとんどの委員が知らない間に質疑が完了するということにもなつて参りますので、でき得るならば私はけじめをはつきりいたしまして、委員会開会日程は、大体その日に他の重要なそういう行事がないというときには必ず開会いたしまして、従つてそのときには定足数を厳重にする。その他のたとえば本会議等関連のあります場合においては、できるだけ無理に行わない、委員出席が可能になるようなそういう取扱いを、今後の進行にあたつて私は希望申し上げておきたいと思います。この点について御了承いただけるでしようか。
  8. 伊藤郷一

    伊藤委員長 次会からは委員長から十分督励いたします。
  9. 山崎始男

    山崎(始)委員 それからこの日程につきまして、一言希望を申し上げておきますが、従来ややともいたすと、文部大臣の御出席が非常に悪いのであります。特に今度の義務教育学校職員法案というようなものは、事務当局の人にわれわれの気持を申し上げても、極端な表現をいたしますと、何にもならないのであります。こういう重要法案であるだけにぜひ大臣の御出席をお願いしたいと思います。
  10. 伊藤郷一

    伊藤委員長 文部大臣も、予算委員会が近く終るようでございますから、必ず次会から出席要望いたします。
  11. 松本七郎

    松本(七)委員 辻原委員のあれに関連してでありますが、これは委員長から言つていただきたいことなのですが、これも理事会申合せですから一応申し上げておかなくちやいかぬと思います。原則として、本会議のあるときは委員会はやらないという建前になつているわけで、これは質問の重複を避けるということからも必要だと思うのです。と同時に、質問は重複する同じような質問はなるべくやらないということを、特に委員長から、理事会で発言がありました。それもわれわれは了承しているわけです。本会議をやつているときに少数の者で委員会をやるようなことになれば、今度それを聞いておらない者がまた重複した質問をやらなければならぬことになつて議事進行もうまく行きませんし、いろいろそこにも摩擦が生じますので、できるだけわれわれは委員会に臨みますけれども、本会議のあるときは、重要法案の場合にはなるべくちよつとでも休んで本会議に入つて、またその後に続けてやるようにしていただきたい。  それから定足数も守つていただくことと、もう一つは、従来のように、審議には一度も参加しないでおいて、いざ採決になると初めて出て来るというようなことが往々にしてある。これはひとつ今後やめてもらいたい。せめて二、三回は審議に参加した方ならば、かわつても了承できる。一度も出て来られない者が採決にだけ出て来るということは慎もうということが申し合せてあるわけです。この点を申し上げておきます。
  12. 伊藤郷一

    伊藤委員長 まず最初にお諮りいたしたいことがあります。義務教育学校職員法案義務教育学校職員法施行に伴う関係法律整理に関する法律案、右両案は重大な関心を有するきわめて重要な法案であります。公聴会開会の御要望がございますが、公聴会を開きますためには、衆議院規則第七十七条によりましてあらかじめ議長承認を得ることになつております。従いましてまず公聴会を開くために議長にその承認要求書提出したいと存じますが、ただいま要求書を朗読いたします。    公聴会開会承認要求書  一、公聴会を開こうとする議案義務教育学校職員法案内閣提出第七三号)    義務教育学校職員法施行に伴う関係法律整理に関する法律案内閣提出第七九号)  一、意見を聞こうとする問題    義務教育学校職員法案について    義務教育学校職員法施行に伴う関係法律整理に関する法律案について  右によつて公聴会を開きたいから、衆議院規則第七十七条により承認を求める。   昭和二十八年二月二十八日      文部委員長 伊藤 郷一  衆議院議長 大野伴睦殿  ただいま朗読いたしました要求書提出するに御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 伊藤郷一

    伊藤委員長 御異議なしと認めます。  よつて承認要求書提出することに決定いたしました。なお承認を得ましたならば、その人選等につきましては、理事と相談して決したいと存じますから、委員長に御一任願いたいと思います。     —————————————
  14. 伊藤郷一

    伊藤委員長 次に本日の日程に入ります。日程第一、第二を議題といたします。  文部行政文部予算に関する御質疑申出がありましたので、これを許します。なお午後は教育委員会法等改正案審議に入りたいと存じますので、御了承の上御質疑をお願いいたします。坂本泰良君。
  15. 坂本泰良

    坂本委員 前委員会で申しました資料の収集と、それから私は財団法人学校給食会の先般の刑事問題についての結果を詳しくやつてもらいたい。特に犯罪なしとして不起訴になつたのか、いわゆる事実はあるけれども、この際かんべんしてやるという刑事訴訟法の措置で起訴猶予になつたのか、その点についてお尋ねいたしたい。
  16. 福田繁

    福田説明員 この前その点につきましては、当委員会で申し上げたのでありますが、その後調べましたところ、そういつた犯罪についての証拠がないというようなことで、不起訴に相なつておりますので、その点誤解のないようにお願い申し上げます。
  17. 坂本泰良

    坂本委員 ないようにということですが、もう事実はつきりしたことはわかるわけですから、その点検察庁に確かめられた今の報告であるかどうか承りたい。
  18. 福田繁

    福田説明員 これは当時の人事課長から地検検事正に照会をいたしまして、その結果証拠不十分というようなことになつておるのであります。
  19. 坂本泰良

    坂本委員 証拠不十分というのがあいまいなんです。刑事訴訟法において処分をする場合においては、犯罪事実なしとして不起訴にする場合と、事実はあるけれども、諸般の事情によつて起訴猶予にする場合と二つある。しこうして現在の刑事訴訟法においては、その処置については検察庁証明書を出すことができるということになつております。その点について、この委員会においてさように単なるだろうという答弁ではなくて、はつきりしたところの答弁を私はこの前要求しておいたのであります。従つてその点もはつきり確かめての御答弁であるか、もう一回あらためて承ります。
  20. 福田繁

    福田説明員 人事課長から申し上げた方がはつきりしていいと思いますが、そういう正式の回答に接しておりますので、その正式の回答を私は読んでおりますので、そう申し上げたのであります。
  21. 坂本泰良

    坂本委員 正式の回答を読んでおられるというが、どういう書類を読んでおられるか承りたい。
  22. 福田繁

    福田説明員 ただいま申し上げましたように、地検検事正からの回答でございます。
  23. 坂本泰良

    坂本委員 いや、回答はわかつておるのだ、どういう回答かと聞いておる のだ。どういう回答か示してもらいたい。
  24. 福田繁

    福田説明員 その回答書を今手元に持合しておりませんが、今申し上げましたように、証拠不十分だという回答でございます。
  25. 坂本泰良

    坂本委員 その点は刑事訴訟法の知識のない課長だとわからぬと思いますから、次会にはつきりしてもらいたい。検察庁刑事訴訟法に基いての処分をする場合には、証拠不十分という文句はないのじやないか。ですからもう少し確かめて、次会にはつきりしたことを御答弁願いたいと思います。
  26. 辻原弘市

    辻原委員 ただいまの給食問題関連してでありますが、前回文部委員会の席上において、前給食課長が現在なお文部省のどこかに籍を持つておるという平川委員からの質問がありまして、確かに籍を持つておるという答弁があつたのでありますが、その後の出勤状況については、まだつまびらかにされておりません。籍を置いてあるが、それは籍を置いているだけか、あるいは確実に勤務しているものであるかどうか、あるいは給与の支払いについてはどうなつておるのか、その点についてお知らせを願いたいと思います。
  27. 福田繁

    福田説明員 その点につきましては、この前の委員会でも申し上げたのでありますが、健康上の理由出勤はいたしておりません。
  28. 辻原弘市

    辻原委員 健康上の理由ということなんですが、病気は一体何病であるのか、またそこに籍を置いたとたんに病気になつて、一日も出勤していないのであるか、その点についてお伺いしたい。もう相当長期にわたつておると思うが、病気のいかんによつては、これは単に病気だけで欠勤を認めておるということにも行きかねる点も出て来るのじやないかと思います。その間の事情をいま少しつまびらかにしてもらいたい。
  29. 福田繁

    福田説明員 病気の名前は私ちよつと忘れましたが、前から持病を持つておりまして、その持病関係だと考えております。
  30. 辻原弘市

    辻原委員 俸給の点はどうなんですか。
  31. 福田繁

    福田説明員 発令いたしますと、俸給は支給をいたします。
  32. 辻原弘市

    辻原委員 発令をした後において全然出勤してないものと私は考えますが、その期間はどのくらいですか。
  33. 福田繁

    福田説明員 一月以来でございます。
  34. 辻原弘市

    辻原委員 全然出勤してないですね。
  35. 福田繁

    福田説明員 一月以来出勤しておりません。
  36. 山崎始男

    山崎(始)委員 ちよつと関連しましてお伺いします。最近給食会の方から全国学校へ向つてミルク代の前払いをしてくれということがあるやに聞くのでありますが、ありますか、ありませんか。
  37. 近藤直人

    近藤政府委員 ただいま学校給食会で保管いたしておりますミルクは六千トンでございます。これは実は二十七年度の需要見込みに基きまして、全国小学校から報告をとりまして、県の教育委員会を通じまして私どもでまとめました数字でございます。それを基礎にいたしまして、外国よりミルクを買いつけまして、その数量が九千トンございます。そのうち二十七年度に現実に消費いたし、かつ消費する見込みのものが約三千トンでございます。従いまして、六千トンが四月以降に繰越されるわけでございます。ところがすでに買いつけましたものでございますので、その九千トン分に対しまして支払いをいたさねばなりません。現に支払いをいたしております。ところがそれが非常な金額に上ります。約十億であります。これを私ども奔走いたしまして、金融機関より借入れまして支払いをいたしました。ところでその金融機関より借入れました際に、この六千トン繰越分につきましては、これはぜひ府県の方でこれを負担してもらいたいという要求がございまして、またこれはもつともな話でございますので、私どもといたしましては、府県教育委員会を通じまして、この六千トンを昭和二十八年度の需要見込みに応じまして、割振りまして、府県へ引取つていただきました。かつ全部とは申しませんが、それに相当する金額をこの際三月までにこちらへ送金していただくということで、お話をつけております。その際は現実府県の方で小学校ミルクが渡りませんものでございますから、父兄からこれを徴収するわけには参りません。従いまして、県の教育委員会の方で金融機関から借入れまして、これを給食会本部の方へ送金していただく、そういう手順をいたしております。ですから、御質問父兄先払いをさしたとおつしやいましたのは、事実はそうではないのでございまして、県の教育委員会が地元の金融機関から借りまして、その金を本部の方へ送金していただく、かようにお願いしてあるわけでございます。
  38. 山崎始男

    山崎(始)委員 府県教育委員会金融機関から金を借りる、このようにおつしやつたのでありますが、事実各府県金融機関から金を借りて、この問題を処理いたしておりますでしようか。そのような報告がありますかありませんか。私が知つています現実では、狭い範囲ではありますが、みなこれは父兄の方へしわ寄せが来ております。この事実につきましていま少し伺いたい。府県教育委員会金融をするにいたしましても、何がゆえにそういうふうな先払いをせなければならないような事実が起つたのでございましようか。
  39. 近藤直人

    近藤政府委員 お答えいたします。お話の、支払いを県を通じて父兄に強制しておるという事実は、もしありますれば、それは私どもの考えとまつたく背馳しております。私どもといたしましては、県の教育委員会から送金していただくというふうにお願いをいたし、また私の個人的な手紙をもちましても御依頼をいたしておるのでございまして、決して父兄からこの際先払いしろということは一切申しておりません。また現に府県の方で金融機関から借入れまして、話合いがついておるということも承知いたしております。おそらくそういうことで全部進行するものと期待いたしておりますが、万一さようなことがございますれば、私どもからさらに当該府県の方に御忠告申し上げたい、かように考えております。  それから何がゆえに先払いをするようになつたかという御質問でございますが、これは当初県の方からの報告に基きまして、二十七年度の需要をとつたわけでございます。これは昨年の四月ごろでございます。県の方といたしましては、管内の小学校から需要報告をとりまして、それをまとめたものを私の方へ送つて参つたのでございます。ところがその後需要減つたのでございます。なぜ減つたかと申しますと、それは、前回ガリオアでいただいておりました無償ミルクが相当ストツクされておつたのでございます。無償ミルクが相当各小学校ストツクされておつた、この事実を承知しておりましたかおりませんでしたか、その点ははつきりいたしませんが、ストツクがあるにもかかわらず、二十七年度の需要はこうだという報告が県の方におそらく来たのではないかと考えます。従いまして、県といたしましては、小学校報告に基いて本省の方へ報告する、本省の方はその報告に基きまして海外の商社から学校給食会を通じて買付をする。そういうようなことをいたしたのでございますが、先ほど申し上げましたように、ストツクがあつたのが一点、それからもう一つは、農村の不況によりまして、だんだん学校給食を受ける児童数が減つて来ておるという事実、それからもう一つは、今度有償になりましたために父兄がその負担にたえないで漸次脱落して行くという事実、これらの原因によりまして、実際に当初とりました需要数が減少いたしまして、先ほど申し上げましたように、約六千トンという数字が二十八年度に繰越さざるを得なくなつておるのであります。ところが、すでに買いつけておりますので、この代金は商社に支払わねばなりません。この金融につきましては私どもは苦労いたしまして、前劔木次官などを煩わしまして、金融機関より約十億という金を融通していただきましたが、これはなかなかたいへんなことであります。財団法人学校給食会、これは出資金はわずかに三十万円の法人でございますが、これが十億の額の金融を受けまして、とにかくこの危機を切り抜けたというのでございます。ところがその際に、金融機関側申出といたしまして、この金額が将来長く寝るようでは困る、事実は滞貨融資でございますので、そういうことがないように、できるだけこの金額を減らしていただきたいという申出がありました。これはまことにごもつともな申出でございますので、私といたしましては、極力この金額を減らして、これを府県負担に肩がわりいたしまして、本部府県と両方相まつてこの処置をしたい、こう考えまして、府県教育委員会主管課長さんの御協力を得まして、数回全国協議会あるいは学校給食会理事会を開きまして、あるいは地方にブロツク会議を持ちまして、事情をよくお話申し上げまして皆様の御了解、御賛成を得まして、先ほど申し上げましたように、各府県にそれぞれ金額を分担していただきまして、三月までにこちらへ送金していただく、その金額は十億とは申しません。その約半ばの四億ないし五億の金額全国負担していただく、本部といたしましては将来とも四億程度の金額負担する、かような話合いをいたしまして、この点につきましては皆様の非常な御協力を得まして、目下その方向に進んでおる最中でございます。かつまた繰越しました脱脂ミルクの六千トンにつきましても、そのうち約四千トンにつきましては府県の方に保管する、残りの二千トンは本部の方で保管するという話合いがつきまして、目下そういう事務進行中でございます。
  40. 山崎始男

    山崎(始)委員 今の御説明を聞きますると、ちよつと私まだ納得できないのであります。わずか三十万円の学校給食の財団法人が、十億からも金融をしなければならない。それは文部省のごあつせんによつてなさつたのでありましようが、そういう事態が起るということが、今の御説明によりますると、いわゆる有償になつたために給食を受ける学童の減つたこと、その他の理由によつて見込み違いをした、その結果がそういうふうになつたのだ、こうおつしやるのでありまするが、少くとも六千トンからのミルク見込み違いをされるということは、私たちはちよつと納得できないのであります。それからまた事実そんな莫大な金が、有償になつたために、いわゆる生活の関係から学校給食をだんだんやめて来たという事実があるのならば、これはまた別の観点から重大な問題だと私は思うのであります。どうしても給食法案その他の問題に発展して行くわけであります。これは本日申し上げませんが、いずれにいたしましても、そんな大きな数字の誤差ができたということには、何か大きな原因がなければならぬであろうと私は思う。単なる学校給食を受ける生徒が減つたというようなことばかりではないのじやないかと思うのでありますが、どんなものでございましようか。
  41. 近藤直人

    近藤政府委員 ただいまの御疑問は、まことに私はごもつともなことだと思います。六千トンというような大量のミルクが年度を繰越したということは、ただいま見込み違いとおつしやられましたが、まことにこれは見込み違いであつたわけでございます。しからばどういう原因でもつてそういう事態が起つたかと申しますると、それは先ほど申し上げましたように、私どもといたしましては、どこまでも県の教育委員会報告を基礎にいたしまして、海外にミルクを注文するということをいたしておりますので、文部省側からいたしますれば、県の報告を基礎にしたのだから、県の方の報告があまり過大だつたではないかということになりますが、県の教育委員会からいたしますると、いや小学校報告を基礎にしておつたので、小学校からの報告が大体おかしいのだ、こういうようなことになりましてこれはどつちがどつちということもございません。県も、私どもの方もみんなこれは責任があるのだ、だから現実にこういう事態が起つたのだから、どこが責任があるということでなしに、お互いに協力してこの問題を解決しようじやないかというふうに話合いまして、県の方も現実に非常に協力していただきまして、先ほど申し上げましたような四千トンという数字を割振つた際に、全部心よく了解されまして、これを引取る、またその送金につきましても十分理解されまして、三月末までにはその半ばの金額を送金するというふうに話合つておりますので、なぜこういう事態が起つたかということにつきましては、実は私もあまり深くこの問題については言えません。お互いに責任を感じまして、この事態を円満に収拾して、将来学校給食のために悪い影響のないようにしようじやないかということで努力いたしております。かつまた学校給食が、これによりまして何らかの悪影響があるとは私は決して考えておりません。現実に申し上げますと、大体月千トン程度のものは消化されるわけでございます。八月を休むと考えますと、一万一千トンというものは当然私は消化されるものと思つております。従いまして、この二十七年度に九千トンという数字を注文いたしましたのも、県の報告に対して内輪に注文したものでございます。われわれといたしましては、十分慎重な考慮を払つて注文したつもりでございますが、遺憾ながら現実に六千トンを繰越すという事態になつております。しかしながらこの六千トンは、二十八年度に毎月消化されるものでございますので、これらにつきましては何ら懸念するところがございません。この二十八年度の七月ないし八月ごろまでには、この六千トンがおそらく消化されるかと思つております。従いまして二十八年度分といたしましては、さらに約四、五千トンを発注しなければならないものと考えております。その際はもちろん県の方から需要量をとりまして、二十八年度分といたしまして、約四、五千トン発注する必要がある、かように考えております。
  42. 山崎始男

    山崎(始)委員 これは消化されるのは当然でありまして、私がお聞きいたしております真意は、いわゆる計画経済でお買付になつておられるはずのものが、いかに県からの報告が違つておるにしても、あまりにも誤差が大き過ぎる、この点なのでありますが、昨年度援助資金が打切られましたあとにおきまして、文部省の方としては、どうせ今まであつたのだから、大蔵省において、この問題は買いつけておいても認めてもらえるのじやないかというようなお気持のもとで、商売人からの買付が先走つたとでもいうか、先行した、そういう点がこういうことの原因になつてはいないでしようか。
  43. 近藤直人

    近藤政府委員 そういう御懸念の点は一切ございません。商社に対して文部省が引きずられたとか、そういつたことは一切ございません。これは海外の買付になりますので、学校給食会が中心になりまして、まず経済審議庁に申請いたしまして、外貨の割当をしていただきまして、さらに通産省の方で輸入商社を決定していただき、輸入商がきまつて初めて買付をそれに依頼するという手続をとつておりますから、その間文部省は、そういう商社個々の面についてはタツチしておりません。これは通産省の方でやつていただいておりますので、決して文部省商社に引きずられるとかいうようなことは一切ございません。
  44. 山崎始男

    山崎(始)委員 最後に一言だけ申し上げておきますが、今文部省の方では、正当な手続によつて府県にこの問題の責任を分担をした、そうして各都道府県教育委員会ではそれを金融機関によつて府県に迷惑をかけずに、金融操作をしておるのだというような御見解のようでございますが、この点は見方によりますと、非常に大切な問題でありまして、文部省が言いますと、まだ末端の都道府県教育委員会も御無理ごもつともで聞くところがあるのであります。金融の目鼻もなく、銀行へ行つても、ほんとういうと決して貸せません。しかしこういうふうにきまつているのだからどうかしてくれということを言われますと、どうしても御無理ごもつとも式に気持が左右しまして、引受けて帰つて来るのが現実なのであります。そしてその結果はどこへ行くかと言いますと、結論的には父兄に行く。現在私たちが知つておりまする範囲におきましても、すでにPTAでこの問題で頭を悩ましているところがたくさんあるのであります。これが現実なのであります。こういう点は非常に考えなければならぬ問題だ。さもなくてもこの給食問題は、最近におきまして議会にもたくさん請願も出、陳情も出、特に給食法案ができますそれまでの暫定的な措置としても、生活保護を受けておる家庭の者であるとか、貧困児童に対しては、ぜひ無償にしてくれなければ給食自体が破壊をするおそれがあるというような声は、これはもう全国的な声なのであります。その際に、しかもそのしわよせが、食つたものを払うというならよろしいが、前金までもこれを払えというような結果になつておるということは、最初の金の割当といいますか、その分担の仕方がいかに合法であろうとも、最後の、いわゆる国民が困つておるという現実を私は十分お考えになつていただきたいと思います。一言だけお願いをいたしておきます。
  45. 近藤直人

    近藤政府委員 先ほど申し上げましたように、この代金が直接父兄において先払いするような結果にもし相なつておりますれば、これは私どもの考えておりますることと非常に違いますので、さような点のないように、さらに慎重にいたしたいと思つております。それから学校給食でございますが、まことにお説のように、将来学校給食をますます推進するためには、単にパンの代金の半額を政府が補助するだけにとどまらず、ミルクに対しましても、政府が何がしかの補助をすることがきわめて望ましいのでございます。今回二十八年度の予算におきましても大いに努力をいたしましたが、遺憾ながらまだ大蔵当局の了解を得ませんので、二十七年度と同じような形式をもちまして、農林省所管の予算の食生活改善費の中に、十七億一千万というものが計上されたのでございます。しかしながらこの十七億一千万は、二十七年度に比較いたしますると、約二億六千万程度ふえております。さらに詳しく申し上げますと、小麦の代金が二十七年度は実際には十四億でございました。これは昨年の補正予算のときに、一般会計から農林省の食管特別会計へ繰入れましたのが十四億でございますので、予算編成の当初におきましては、約二十四億を目途として、そこから特別会計へ繰入れるという話合いがついておりましたが、現実に繰入れましたのは十四億であります。従いましてパンにつきましては十四億、それに対しまして昭和二十八年度は十六億五千万というものを、これははつきりと農林省の予算に計上しておりますので、その間約二億五千万というものが増額になつております。  それからもう一つ、利子補給金でございます。これはやはり二十七年度と同じようにミルクに対しましては、政府はまだ補助するに至らないけれども、そのモルクの代金を金融機関から借り入れるということは認める。借り入れた際に利子を補給してやろうということで、昭和二十七年に九千六百万円、約一億足らずの利子補給が計上されております。それに対しまして本年度は一億二百万——やはりほほ同額の利子補給金というものが計上されておりますので、この点につきましても、昨年度と大差ございませんが、先ほど申し上げましたように、二十七年度の消化量が相当減つておりますので、現実金融機関に対して利払いいたしまして、政府から利子補給を受けた金額は約五千四百万でございますので、相当額を二十八年度に繰越しました。従つてその繰越分を二十八年度の利子補給金に充当いたしますので、二十八年度といたしまして農林省予算に計上された額は、五千六百万であります。ですから予算だけについて申し上げますと、二十七年度より若干予算がふえておるということは、これは申し上げてさしつかえないと思います。しかしながらわれわれといたしましては、学校給食を推進するためには、将来もつと大幅に予算をとりましてできるだけ父兄負担を軽減するという方向に持つて行きたい、かつまた給食法をつくりまして、基礎を与えるということがきわめて大切と考えまして、それらにつきましても、目下検討を進めております。
  46. 松本七郎

    松本(七)委員 問題は結局給食に対する政府の熱意にあると思います。給食に対する政府の基本的な方針というものをこの機会に伺つておきたいのであります。元来日本で学校給食が始つたのは、例の非常な食糧不足から始つたわけですが、それが教育の一環として必要であるということで、教育の一環としての給食という考え方でやつて来ておつたわけです。ところが今度は食生活の改善という面に切りかえられて、そのために文部省所管の予算が農林省の食生活改善費の方に移つた。しかしながら私どもは、学校給食というものは教育の一環としての面と食生活と両々相まつて行くべきものだと考えるわけであります。今日のように農林省に予算が移されて、食生活改善という面だけから行くということになりますると、だんだんこれが軽視される傾向が強くなるのじやないか。どうしてもこれは教育の一環としてという面と、食生活の改善というものと歩調を合せてやるためには、今御説明があつたように、今後これを維持向上させて行こうという方針である限りは、この両方の面を確保して行かなければならぬ。そのためにはやはり文部省が予算面も所管省になるというのが当然じやないかと思うのですが、その基本的な方針、並びに再び文部省の方に所管を移す考えがおありかどうか、またそういう努力をされておるのかどうか、その点を伺つておきたい。
  47. 近藤直人

    近藤政府委員 昭和二十七年度から食生活の改善ということが大きな旗じるしになりまして農林省の予算に計上されたことはその通りでございますが、私自身はこの食生活の改善ということにつきましては、これはまさにその通りでありますので、今日外米を二千石程度輸入するという際に、これを小麦で輸入するということが国費の節約にもなりますし、また給食を奨励するという意味におきましても、国民の食生活の改善になる。しかもそれを将来日本の国を背負つて立つ義務教育の児童に対して、まず粉食を奨励するという意味合いにおきましても、これは食生活の改善という意味が非常に大きいと思います。従つて私自身といたしましては、この食生活の改善という面が今までももちろん考えられておりましたでしようが、二十七年度からきわめて明白に、しかも大きな旗じるしとして出て参りましたことは、これは当然なことではないかと考えております。従つて食生活の改善となりました以上、予算が農林省の予算に計上されるということも、また自然の理ではないかと思うのであります。しかしながら学校給食は決して食生活の改善のみが唯一の目標ではございません。ただいまお話がございましたように、教育的効果というものもまたきわめて重大なものがございます。あるいはまた児童の将来の保健、栄養という面におきましても、学校給食はきわめて大きな効果を持つております。私は、食生活の改善と教育的効果並びに栄養という意味におきまして、この学校給食というものは、ただ単に文部省の所管にのみ扱われるなどということは、必ずしも当を得ていないのじやないか。やはりこれは農林省と文部省が一緒になつてやる方が適当じやないかというふうに私自身としては考えております。将来はこの脱脂ミルクにつきましても、これを政府が補助するという場合におきましても、これは食管特別会計におきまして、小麦とミルクと一緒に操作するということは、きわめて円滑に経理され、かつまたその輸入の事柄につきましても、農林省が政府輸入として扱うということにいたしますれば、ただいま財団法人学校給食会が非常に輸入に苦労しておるというような労も省けますし、国が外米、外麦を輸入すると同様にこのミルクを買いつけることもやつていただきますれば、きわめて円滑にかつ確実に行くのではないかと考えておりますので、将来やはり農林省と文部省と一緒になつて、このことを進めて行くのが適当ではないかというふうに実は考えております。  それからこれは例の生活保護法による児童の問題でございますが、この面につきましては、現在厚生省が生活保護法の面で予算を計上いたしまして、措置いたしておりますが、準要保護児童につきましても、厚生省の予算でもつてこれを見るということが必要じやないか。従つて私個人といたしましては、農林、厚生、文部の三省が共同でやる仕事ではないか。しかも厚生省では保育所というものがありまして、そこでミルクあるいはパンを支給いたしております。そういうふうに三省が共同でこの学校給食を推進することが適当ではないかというふうに私自身としては考えております。
  48. 松本七郎

    松本(七)委員 理想の形としては、三省が共同でやつてくれればこれはたいへんけつこうなことなんですが、現在の状態で食生活ということが重要な事柄であるというので、農林省関係のものでやるというような建前をとつて、はたして三者が歩調を合せてこれを向上させて行く、完成して行くことができるかどうかということをわれわれは心配しておる。全体の国の総合的な政策の面から言うと、教育面というものが軽んぜられる危険を今日の一般情勢では含んでおるので、そういう場合にはむしろ文部省が中心になつて、そして他省の協力を得ながらやつて行くという行き方が妥当ではないか、こういうふうに考えるのですが、いかがですか。
  49. 近藤直人

    近藤政府委員 私の考えておりますことも、ただいま松本委員のお考えになつておることと同じでございます。私が三省共同と申し上げましたのは、やはり文部省が中心になつて他省の協力を得てやる。さような意味におきまして三省共同ということを申し上げたのでありまして、どこまでもこれは児童を扱う文部省がやはり中心にならなければならぬ。かように考えております。
  50. 坂本泰良

    坂本委員 文部広報のことについてお伺いしたいのですが、大臣が来られてから最後の根本的のことをお伺いして、事務的なことを総務課長が来ておりますからお伺いしたいのです。この文部広報はいつごろから発行されましたか、そのことが第一。これは週刊とか四十二号とか四十三号とかありますが、どういうような形式で出されておられるか、これが第二点。第三点は発行部数はどれだけであるか。第四点はこれに対する経費はどうなつておるか、これは予算の問題関係します。それから第五点は、文部広報はどういう方面に配付しておられるか。これは発行部数との関係もあると思うのですが、まずこの五つの事務的なことについてお伺いいたします。
  51. 福田繁

    福田説明員 文部広報につきましては、調査局の広報課でやつておりますので、私の所管ではございませんが、私の知つている範囲を申し上げてみたいと思います。  二十六年ごろだつたと思いますが、そのころから文部広報というものを始めまして、文部省のいろいろな対外的な政策につきまして、広報活動をやるということでいたしておるわけであります。この部数につきましては、時によつて違うのでありますが、大体今までは約一万ぐらいだつたと思います。経費につきましては調査局の予算に若干載つていると思いますが、年間計画として大体予算を組んでおりますので、それのわく内でやるというのが建前でございます。これは教育委員会やあるいは学校等に配付する建前でございます。
  52. 坂本泰良

    坂本委員 一万部くらいで教育委員会学校全部に配付されておるかどうか。それから経費は一万部出せば、大体どれだけかということがわかりますが、会計課長が来ておられると思いますが承りたい。
  53. 福田繁

    福田説明員 その経費の詳細につきまして、私よく知つておりませんので、これは広報課長から申し上げた方がいいと思います。必要ならば呼びたいと思います。
  54. 坂本泰良

    坂本委員 編集はどういうふうになつておりますか。
  55. 福田繁

    福田説明員 広報課で編集をやつております。
  56. 坂本泰良

    坂本委員 そういたしますと、結局文部大臣の責任において広報課が編集する。こういうふうに承知しておいてよろしうございますか。
  57. 福田繁

    福田説明員 これは広報課が編集の責任を持つておるものだと御了承願つてけつこうであります。
  58. 坂本泰良

    坂本委員 そういたしますと、広報課で責任を持つということになれば、大臣、次官はこれには全然関係しないかどうか。一般文部行政については当然責任があると思いますが、直接この広報発行については、大臣、次官は全然関係はないのかどうか、その点をお伺いいたします。
  59. 福田繁

    福田説明員 これは文部省の仕事としてやつておりますので、当然大臣、次官に関係のあることは責任があると思います。
  60. 坂本泰良

    坂本委員 二月十三日付の四十二号は八万部出されたということを承つておりますが、その点についてお伺いいたします。
  61. 福田繁

    福田説明員 大体八万部程度増刷したように聞いております。
  62. 坂本泰良

    坂本委員 そういたしますと、従来一万部であつたのを、八万部学校教育委員会等に配付した。いわゆる八倍の部数を発行された。それをどういう方面に配付されたか、その点をお伺いいたします。
  63. 福田繁

    福田説明員 これは都道府県教育委員会並びに地方の教育委員会学校等に配付されたと聞いております。
  64. 坂本泰良

    坂本委員 抽象的でなく、一万部というのが、大体学校といつてもどういう方面に発行されておるか。それは広報課長でなければわからぬかどうか、もう一度念を押しておきたい。
  65. 福田繁

    福田説明員 配付のこまかいことにつきましては広報課長が存じておりますが、私はこまかい点については存じておりません。
  66. 坂本泰良

    坂本委員 広報課長は来ますか。
  67. 伊藤郷一

    伊藤委員長 間もなく参ります。
  68. 坂本泰良

    坂本委員 それでは広報課長が来てから、また質問いたします。
  69. 辻原弘市

    辻原委員 先ほどの給食問題に引続きまして、若干御質問いたしたいのでありますが、先ほど松本委員から給食問題について質疑がありましたように、明年度の予算編成の過程において、食生活改善の中で、問題は二つあるわけであります。一つは小麦に対する国の補助、もう一つミルクに対する国の補助でありますが、小麦に対する半額の補助については、一応確保できた模様でありますけれどもミルクに対しては全然打切られてしまつて、これに対して利子補給の一億だけが認められておる。こういう趣旨をもちまして二十八年度の給食制度を、二十七年度から食生活改善という名目においてやられておりますのを、引続き運用することになつておるわけでありますが、ここで私は食生活の改善という面から考えました場合には、もちろんパンを子供に給食するということもきわめて重要でありますが、それよりも特に農村地帯においてはパン給食ということはあまり魅力がない。それよりもむしろ農村地帯の非常に蛋白質に乏しい食生活をやつている子供たちのからだなり、あるいはまた農村の非常に過食な食生活から考えた場合には、その地方で得やすいこうしたミルク給食を奨励して行くことの方が、はるかに食生活の改善になると考えるが、そうした点において予算編成あるいは文部省と大蔵省との予算折衝の過程において、この点を強く要求したかどうか、これをお伺いしたいと思います。
  70. 近藤直人

    近藤政府委員 実は私自身もミルクだけの給食を大いに積極的に推進した方がいいという見解を持つておるものでございますが、昭和二十七年度の学校給食の指導方針と申しますか、保健体育審議会の給食分科会で決定されました指導方針によりますると、学校給食は完全給食を理想とする。完全給食と申しますのは、パンとミルクとおかずというやり方でございます。これが理想の形である。しかしながらもしミルクだけ一方を希望するものがあれば、それもまたやつてもよろしいという方針になつております。従いまして二十七年度の学校給食の指導方針としましては、完全給食が中心になつておるわけであります。それで全国教育委員会に対してこの方針を指示いたしまして、こういうことで学校給食を推進していただきたいということをお願いして参つたのであります。ところが大体都会地におきましては、完全給食というものが比較的推進され、また普及されておるのでございますが、一方農村に入りますと、パンというものになじみのないせいですか、あるいはことに東北地方などは米がたくさんあるせいですか、どうもパンが喜ばれない。むしろミルクだけならばという声をしばしば聞きます。しかしながらそれは困る。栄養の見地から申しまして、パンを百グラム、ミルクを二十二グラムというこのコンビネーシヨンでどうしても考えなければならぬのだ。ことに東北地方では、米がたくさんとれるから、弁当を持つて来て、それにミルクだけ飲むということは、結局栄養のコンビネーシヨンにおいて十分でないから、それは困る。やはり完全給食ということで行かなければならぬという方針であるわけでございます。しかしながらどうもパンは喜ばれない。ミルクだけならというのが現実でございますので、その点をどういうふうに調和して行くか、これはちよつと問題でございます。ただいまも昭和二十八年度の学校給食の指導方針を審議会にかけまして審議いたしておりますが、この点はいつも問題になります。しかしながら現実にはミルクだけの給食の希望があるわけでありますので、現実には完全給食のみならず、ミルクだけの給食も実施しておりますので、両方やり得る形になつております。しからばミルク給食のみに重点を置いて、極力推進したらいいじやないかということになりますと、先ほど申し上げましたような栄養の組合せと申しますか、そういう意味から申しまして必ずしも専門家はこれを推さないということにもなつております。ある説によりますと、完全給食でなければ学校給食は意味はないのだ、こういう意見すらもあるのでございまして、必ずしもミルクだけというわけにも参りません。そこに現実と理想面との相剋があるわけであります。これについてどうしたらいいか、いろいろ検討しておりますが、しかしながら今やつておりますことは、完全給食もやりますし、ミルクの方もやつておるというのが事実でございます。
  71. 辻原弘市

    辻原委員 もちろんお説のように学校給食建前は完全給食であると私も考えます。しかしながら完全給食建前であるけれども、予算上そういう措置が行われないために、事実は不完全給食になつておる。ことにただいまもお話がありましたが、地域的に給食の内容が非常に異なつておる。これは単なる食生活改善といつたような意味であるならば、私はそれでいいと思うのでありますが、しかしながら給食によつて少くとも機会均等を与えるという本来の考え方からするならば、そういう状態をそのままにほおつておくことは、今後給食の意味合いが単にあるものを食わせる、また安く手に入るものを食わせるという程度にとどまつてしまうのではないか。だからここらでこの不完全給食を完全給食にするために、地域的なでこぼこを調整する、その意味においては今お話になりましたように、都市においては、子供たちは小さい時分からその環境で、家庭においても比較的にパンを食べるので、子供たちはいやがらないで食べることができる。一方ミルクについてはこれは高いけれども、他の都市において普通の食事をするよりも安上りだということになつて、これも都市の場合には使つて行くことがそう無理ではない。ところが一たび農村に参りますとそうは行かない。今までの食生活から見た場合に、なかなか食べられない。そこでミルクはその地方に酪農もあつて、これは案外に町なんかで買うよりも安く手に入る。ところが子供たちはこのミルクはあまり好まない。こういうような状態であつて、実際そこにたくさんの蛋白質のいい食料がありながら活用されておらない。もしここにミルクに対する国庫補助が行われて、現地においてそういうものが調弁できるようなことになれば、このきらつているミルクを子供たちにまず安く食べさせる、そのことは家庭がそれを奨励するようになるだろうと思います。ミルクを飲用している間には、パンというものに対しておのずから近づいて行くということも考えられるだろう。そういう点を考えるならば、ただいま都市においては比較的パンというものは完全に給食は行われているけれども、農村においては行われていないというへんぱなやり方をそこらあたりから是正して行くことができるのではないかという点が一つ。  いま一つは、小麦は輸入に仰がなければならぬ。ところがミルクは少くともわが国において今相当過剰な状態になつておる。酪農は最近農村では非常に小さな企業はほとんどだめになつている。しぼつて製品にして売つても、引合わないという状態である。そういう状態をマツチさせるならば、農村の一つの農村工業と、それに連らなつておる学校給食が、完全にマツチするということが考慮できる。そうすれば、農村においてこの給食があまりありがたがられないという現実の難点を打開して行くことができる。従つてこれはいくら述べてもだめでありまして、やはりはつきりそういう教育的な意義を持たすためには、この二つは完全に同じ立場において国が補償して行くという考え方に立つ。この際何かそういう根拠を、給食制度に与える必要があるのではないか。少くともただいままでの給食は、御承知のように、二十七年度においては危うく打ち切られかけた。補正予算でようやく間に合わした。二十八年度はパンについては今後の見通しが多少できて、平常化されたような観がありますけれども、平常化されたということから考えますと、ミルクが平常化されないのではないかということは、ゆゆしい問題になりますので、ここでこの二つをどうしてもやらなければ、給食とは言えない。そういう点を明確にする一つの根拠といいまするか、法律、規定というものをこの際に考えてみる必要があると思う。こういう点について文部省はどう考えておるか、承りたい。
  72. 近藤直人

    近藤政府委員 ただいまの御説まことにごもつともでございますので、ただ単にパンの原料であります小麦に対する政府の補助のみならず。ミルクに対しましてもぜひとも補助をお願いいたしまして、両々相まつて学校給食を促進されるということでなければならぬと思います。過去におきましてもしばしばそういう見地から財政当局と交渉して参りましたが、遺憾ながらまだ完全に了解を得るに至りませんでした。二十八年度も二十七年度と同じような形式でミルクのみ補助がございません。わずかに利子補給金が一億足らずあつたというだけでありまして、この点につきましてはまことに遺憾に存じますので、将来ミルクにつきましても政府の補助がぜひありまするよう、私どもは努力いたすつもりでございます。  なおこれらにつきまして根拠を与える立法化がぜひなければならぬと考えまして、ただいませつかく検討を続けております。  それから先ほどお話がございましたミルクでございますが、何も外国からミルクを輸入するのが能ではないのでございまして、これは外貨払いになるのでもございますし、将来極力減らして、これを内地産のものに代替して行くということが理想であると思います。このことにつきましては農林省の畜産局の方ともお話いたしまして、たとえば福島県とか愛知県とかの酪農県では漸次これが普及されているそうでございますが、簡単に農村でもつて牛から乳をしぼつて脱脂をつくり、それをすぐ学校に持つて行くということにつきましても、連繋いたしまして将来そういう方向に発展するようにしたい。ミルク代のために外貨を使つておりますものを、国内産の業者にむしろこれを向けた方がいいのではないかという説もあるくらいでありまして、その点につきまして、ただいまのところは内地産の脱脂ミルクもあわせて使用し得るということになつておりまして、現に全国で約トン足らずでございますが、内地産の脱脂ミルクを併用しております。遺憾ながら量が非常に少うございまして、これを将来拡充して参りますれば、外国産のものに代替し得ると考えております。外国産のものに使う金を内地の酪農の奨励に使つたらどうかというお話もあるくらいであります。それが私は理想であろうと思います。しかしながらただいまは量の見地からいたしましてどうしても輸入いたさなければなりませんので、非常にめんどうな手続のもとに高い経費を払いまして外国から輸入しているという状況でございます。学校給食は小麦のみならず、ミルクの方にもぜひとも国の補助を受けまして、ますますこれを推進して行きたいと考えております。  それから給食費の負担について申し上げますと、従来ガリオアでもつて輸入されておりましたときは無償でございますので、そのときの父兄負担はわずかに輸送費とかパンの加工賃とかいう程度で、きわめて金額の少いものでございましたが、それがパンの半額を府県負担するということになりますので、パンについて申し上げますると、一食につきましてパンの父兄負担が約五円と見ております。それに対して府県負担が二円十四銭。それからミルク父兄負担が三円八十五銭、これは全部父兄負担になります。それからいわゆるおかずでございますが、これは七円五十銭。それに対して政府の補助はございません。従いまして父兄負担を通計いたしますと、一食当り十六円三十五銭、政府の負担が二円十四銭ということになりまして、合せまして十八円四十九銭が一食当りの値段に相なるのであります。これを給食日数が毎月平均二十日といたしますと、約三百六十円ちよつとオーバーいたしますが、そういう程度の負担になつております。そのうち父兄負担が三百二十円、政府の負担が約四十円というのがただいまの現状でございます。給食費は父兄負担が非常に多いということは事実でございますので、今後は機会あるごとに父兄負担の軽減、特にミルク代の政府補助をぜひ実現いたしまするよう、今後とも努力いたしたいと考えております。
  73. 辻原弘市

    辻原委員 給食問題は、ただいまお話のありましたように、文部省の方でもその立法化について非常に努力されているようでありますが、われわれもこれに非常に関心を持つておりますので、なおただいまのような詳細な点については資料を出していただきたい。われわれもこれを立法化する場合に、どういう点が特に教育的に留意しなければならないか、これらの点について検討しなければなりませんから、資料提出していただきたいと思います。
  74. 田中久雄

    田中(久)委員 完全給食ということは非常に好ましいことで、ただいままでいろいろお話がありまして、たいへんけつこうでありますが、おかずなどを調整する上において、やはり一つの栄養学的なものを持つて来ることが非常に大切だと思います。地方へ参りますと、そういうことは割合にうとんぜられておつて、作業婦の人たちが適当にやつているということのようでありますが、できれば栄養士を置いて、専門的に栄養的に同じ金を考えて使つてもらうことが非常に大事なことだと思いますが、これについて栄養士の扱いというものが現在は一般作業婦と同じように扱われておるようですが、将来何とか栄養士を別に扱い、かつ市町村におきましては一つ学校にそれぞれ置くということは事実上できませんから、地方事務所単位かあるいは数箇村にわたつて巡回の栄養士でも置くようなことに御指導を考えられておるかどうか、その点をお伺いしたい。
  75. 近藤直人

    近藤政府委員 ただいまの学校におきましては大体栄養士を置くことが理想でございますが、学校の家庭科の先生などが主になりまして、栄養的見地から献立てに参加するということでやつております。それでその下に給食婦と申しますか、必ずしも栄養士の資格のある方ではありませんが、それが助手を勤めるというような姿になつております。御説のように将来栄養士は必ず各校に配置しなければいかぬ、またその栄養士は一定の資格を持つた者で、これが常時学校において献立てをつくるというふうにいたしたいと考えております。もしその点まで行きませんければ栄養士を巡回させるということも一つの御提案だと思いますので、それらにつきまして将来漸次そういう方向に持つて行くように努力いたしたいと思つております。
  76. 伊藤郷一

    伊藤委員長 広報課長が参りましたから、坂本委員質疑を願います。
  77. 坂本泰良

    坂本委員 発行部数、ことに二月十三日付の四十二号が八万部出たという点と、配付先について、ことに一万部の配付先と四十二号の八万部出されたときの配付先をまず伺いたい。
  78. 西森馨

    ○西森説明員 お答え申し上げます。文部広報がいつから発行されましたか申し上げますと、これは昭和二十六年十一月三日の文化の日を創刊号にいたしまして、今日までに及んでおります。この目的は御承知のように文部省設置法によりまして、文教政策の普及のために文部広報を発行するということで、二十六年十一月三日以来発行して参つたのであります。従来の例を申し上げますと、大体月三回でございまして、一回が一万でございますから月三万部、年間通じまして大体月三回ずつ出すこととしておりますけれども、しかしながら年間計画でございますので、あるいは新年の特集号とか、こういうふうなときとか、あるいは地方教育委員会が発足するというふうなときには、前後つづめまして増刊号を出す場合があるわけであります。今回出しました部数は八万部でございます。従来の一万部のほかに七万部を増刷して出したわけでございます。なぜ増刷したかと申しますと、御承知のように地方教育委員会が発足いたしましたので、こういうふうな地方教育委員会委員の方、それから公民館、小学校、中学校というようなところ、それから国会方面、こういうような各方面に、今回の法案のほんとうのねらつておるところを知つていただきたいという意味におきまして増刷したわけでございます。従いまして配付先は従来とかわつておりません。ただ発行部数が多くなつたという点に相違がありまして、最初の趣旨あるいは配付先ということにつきましては従来とかわりはないのであります。
  79. 坂本泰良

    坂本委員 そこであらためて広報課長にお聞きしたいのは、この広報の目的はただいま承つてわかりましたが、この編集は課長の責任においてやられるか、あるいは大臣その他の決裁を経てやられるか、その点を承りたい。
  80. 西森馨

    ○西森説明員 お答え申し上げます。「文部広報」の編集につきましては大体責任者は広報課長ということになつております。そうして各原稿は関係の局課が出しまして、それを私の責任において編集して出すということになつております。
  81. 坂本泰良

    坂本委員 そうしますと、今度の四十二号は「義務教育費国庫負担の全容」というので、七万部増刷されて八万部出されたわけですが、今までのうちで初めてだと思うのですが、これは大臣の決裁を得てやられたか、課長の責任においてやられたか、この点を承りたい。
  82. 西森馨

    ○西森説明員 お答え申し上げます。内容についてはさきに申しましたように各局課が出しました内容を私の方において責任をもつて編集したということですから、これは大臣の決裁を仰がないで、課長の責任において出したわけであります。しかし発行部数あるいは配付先ということになりますと、主管局の局長あるいは次官というところにはお伺いしまして、一応の了解を得たわけであります。
  83. 坂本泰良

    坂本委員 この内容について一、二伺つておきたいのですが、二ページに「実施の請願山積」とあつて、これに対しては国庫負担法に賛成の例を二、三あげて、さらにこのほか一千十四名ある、こうあるのです。われわれのところにもこれに反対の陳情なりその他が山のように来ているのですが、文部省にも賛成の陳情と反対の陳情が行つていると思うのですが、編集に当つて賛成の陳情だけを出して反対の陳情を出していないのはどういうわけですか。
  84. 西森馨

    ○西森説明員 お答え申し上げます。これは御承知のように実施の請願書が山積しておるというふうに書いておりまして、これは義務教育費国庫負担制度に関するいろいろな請願を国会係を通じて集めてもらつたのであります。そうして義務教育の国庫負担の制度に関する請願はこういうふうな状況で来ているということをお知らせしたのにすぎないのであります。
  85. 坂本泰良

    坂本委員 そうじやなくて、これには賛成の請願だけをあげてあるわけですが、反対の請願、陳情もたくさんあるはずです。その点をどうしてこの編集に入れずにこの負担法に対する賛成の方だけを編集したか。その点を聞いておるのです。
  86. 西森馨

    ○西森説明員 もちろんこの編集につきましては、国会の方から材料をもらいまして、私の方で責任をもつて編集したわけでありますが、こういうふうな義務教育の実施に関する賛成の声がある、来ているということをそのままにお伝えしただけであつて別にその反対の声があるということをここで表わすという意味でやつたのではありません。
  87. 坂本泰良

    坂本委員 そうすると賛成の請願だけを国会に問い合して書いたのかどうか。少くとも文教政策に対する公平なる文部省の広報であれば、やはり反対も賛成も両方同じに取扱つて出さなければならぬ。それを賛成だけを出したのはどうした編集か。そこを聞いておるのです。
  88. 西森馨

    ○西森説明員 これは先ほど申し上げましたように、私の、広報課長の責任において編集したということでございまして、義務教育の実施についての一般の声がこういうところにあるということを、この広報を通じて載せたに過ぎないということであります。
  89. 坂本泰良

    坂本委員 これはまだほかにもお聞きしたいことが二、三あるので、大臣を呼んでいるのですが、大臣は見えておらないようですから、午後ひとつ続行して……。
  90. 伊藤郷一

    伊藤委員長 その問題事務的な問題のときに……。
  91. 坂本泰良

    坂本委員 それからこの執筆の経過のことですが、第二ページに「首切り問題起らず、好ましくない政治活動」と大きい見出しをつけていろいろ書いて、最後に、「なお現在教員の一部において行われているような政治活動は、教育者として、はなはだ好ましくないものがある。」というような文章があるのだが、これは課長がその責任においてこの文章を書いたか。だれかほかの、局長なり次官なりからこの原稿が来たのか、その点を伺いたい。
  92. 西森馨

    ○西森説明員 制度、財源、身分、給与、こういう点につきまして一問一答の形式でここに出しておりますが、これはさつき申したように、編集したのは広報課長の責任でございます。材料を御提出願いましたのは担当の課でございますが、あるいは地方課か財務課、この両方の課において出していただきましたのを、私の方で責任をもつて編集いたしたのでございます。
  93. 坂本泰良

    坂本委員 そうするとこれは他の局長課長というような連中が出て来て、そうして広報課長の責任において一問一答の形式で編集されたかどうか、そこを承ります。
  94. 西森馨

    ○西森説明員 先ほど申しましたように、編集責任は広報課長にございますから、他の局長の御意見は入つておりません。たとえば調査局長とか管理局長とか初等中等教育局長とか、こういうような局長がああしろこうしろと言つて出したのではありません。広報課長の責任において編集した。材料は主管の課の方から出してもらうということになります。
  95. 坂本泰良

    坂本委員 それではこの点は留保しておきます。
  96. 伊藤郷一

    伊藤委員長 午前はこれにて休憩いたしまして午後は二時から再開いたします。     午後零時三十五分休憩      ————◇—————     午後三時五十一分開議
  97. 伊藤郷一

    伊藤委員長 休憩前に、引続き会議を開きます。  本日午前の委員会において決しました公聴会開会承認要求書議長提出いたしましたところ承認を得ましたので、この際衆議院規則第七十九条により公聴会開会報告書を議長提出いたしたいと存じます。  まず報告書を朗読いたします。     公聴会開会報告書  一、公聴会を開く議案    義務教育学校職員法案義務教育学校職員法施行に伴う関係法律整理に関する法律案  一、意見を聞く問題    義務教育学校職員法案及び同法の施行に伴う関係法律整理に関する問題  一、公聴会の日時    三月十一日午前十時  右によつて公聴会を開くに決したから、衆議院規則第七十九条により報告する。    昭和二十八年二月二十八日       文部委員長 伊藤郷一  衆議院議長 大野伴睦殿  ただいま朗読いたしました開会報告書を議長提出するに御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  98. 伊藤郷一

    伊藤委員長 御異議なしと認め、さように決します。     —————————————
  99. 伊藤郷一

    伊藤委員長 午前に引続き文部行政に関する質疑を続行します。田中久雄君。
  100. 田中久雄

    田中(久)委員 当局に、青少年の教育について少しお尋ねをしたいのであります。終戦後の日本の青少年の社会教育は、占領下という事情もありましたが、まつたく放任せられておりました。そのために、ことに民主主義とか自由主義という言葉の内容も知らないで、かつてほうだいなふるまいをすることが民主主義であるとか自由主義であるというように考える者が出て来ました。そうしていたずらにこれに対して父兄や、あるいは近隣の者が訓戒を与えようとしますると、それは古い、こう片づけて、その結果各所に非常な悲劇を生んでおります。子にして親を殺す者あり、店員にして主人を殺す者あり、しかもそれはことごとくふしだらな生活から金銭の浪費をいたしまして、その結果前後の考えもなしにそういう罪を犯しておる、これはひとりその青少年の罪としてほうつておくわけには参らぬのでありましで、昔のように青年団の運動であるとか、あるいは義務的な青年学校であるとか、またいろいろ批評はありました。戦争で負けたからなおあつたわけでありましようが、軍隊生活とか、こういう少くとも人間が自制をある程度外部からしいられて、そのためにいろいろな忍耐力を養うて行くという点は、必ずしもこれは一概に悪いと言つて葬るべきものではないと私は考えるのであります。むろん悪いところは、再びこれはそういう教育をしてはいけませんが、十五、六歳の、自分の判断さえも十分につかない青少年が、学校を卒業したそのままに社会にほうり出されて、その結果非常なあやまちを起す、本人の一生はむろんのこと、その身近な者たちの悲痛なる生活は、これは一般社会の罪として大いに考慮すべき必要があると思うのであります。そこで今後の青年団の育成、あるいは青少年の社会教育、こういうことについて当局は何かの案を準備しておられるかどうか、この点をひとつあれば具体的に承りたいと思うのであります。  その次には、不良児の指導という問題について、特にお考えがあるかどうか。現在各府県に児童相談所というも のが設けられて、ここで不良児を一般社会と隔離して、いろいろ熱心に訓育の任に当つておられる人があることは、まことに敬服に値いします。これらの人々は、一般の義務教育職員とは異なりまして、特に変質的な、あるいはひがんだまことに親、兄弟ももてあます子供を預つて、これを保育いたしておるのであります。こういうことにつきましては、国として特別のはからいを考えるべきではないか。施設の面におきましても、あるいは教職にあるものがいろいろやりやすいように、よく国がめんどうを見まして、特別な、すでに不良化した青少年の補導の問題について、十分な注意をし、少くとも二十歳までくらいの間に真人間に立ち返るような方向へ向けなければ、生涯この人間を社会の恐るべき一つ犯罪者としてながめて行かなければならぬ悲劇に陥ると思うのであります。この点におきまして、特に不良児の児童相談所及びその保育の学校について何か案を持つておられるか。  もう一つは、青少年ではありませんが、いよいよ本年の四月一日から、占領下に置かれております結果できました混血児童の入学が始まるのであります。実際表面に現われた数よりも、相当多数の児童が学校へ入つて来るようであります。混血児の問題は、アメリカのように初めからたくさんの人種が混合して訓練をし、生活して来た国家においては大した問題ではなかろうと思いますが、われわれ大和民族のように、事のよしあしはとにかくとしまして、一つの血でつながつた民族の中に混血児が現われて来たということは、アメリカのような社会環境でないのだから、そこに非常な人間としての悲劇を見る危険があるのではないかと考えます。これは生れて来た子供には何ら罪のないことでありまして、国家が負うべき当然の運命と考えるのでありますが、これに対しましては、将来にこういう子供たちを悪質な人間に陥らせないために、今から十分な注意と指導が必要と考えるのでありますが、この点につきましていかなるお考えを持つておられるか。もし対策を立てておられるなら伺いたいと思うのであります。きわめて簡単でありますが、その数点につきましてお伺いいたします。
  101. 寺中作雄

    ○寺中政府委員 今日義務教育を終えまして、勤労に従事をいたしております青年は相当数あるわけでございますが、これらに対しまして教養の施設というようなものが非常に乏しいということは、私どももはなはだ遺憾に存じておりまして、これらに対して国家として手厚い教養施設を行う必要があるということは、強く痛感をいたしておるところでございます。現在十五歳から二十五歳までの青年のうち、学徒にあらざる、いわゆる勤労青少年というものの数は、千三百四十万を数える次第でございまして、その他に学徒のうちに含まれた者として、五十三万の定時制高等学校生徒を持つている次第でございます。これらに対しましては、社会教育の面からいたしましては、青年学級が各地方を中心に自主的な教導学習組織として生れておりますから、これを国家においてできるだけ育成助成をいたしまして、青年の自主的な熱意による教養施設を奨励いたしたいというような意味におきまして、来年度約八千八百万円の青年学級補助金を組んでおるのでございますが、これによりまして大体百万人くらいの青年学級生徒に対する教養施設を提供することができるのでございます。仰せのように現在青年が、あるいは目途を失つたり、あるいは社会の風潮に毒せられたりいたしまして、まことに嘆かわしい事情もあるのでありまして、こういう青年に対しましては、できるだけ正しい青年団の組織あるいはりつぱな青年学級のやり方というようなものを指導奨励いたして、あるいは青年団組織により、あるいは青年学級に就学するという形によりまして、自主的にその産業生活に即する学習をみずから修めるような風潮に持つて行きたい、千三百四十万の勤労青少年に対しまして、青年学級の組織は現在まだわずかでございますが、漸次そういう正しい風潮が流布することによりまして、青年学級に就学する気風が生れまして、そういう悪風に染むことがないようになつて行くことを期待をいたしておるのでございます。  なお不良児指導の問題に関しましても、私らといたしまして非常に関心を持つておるのでございますが、これにつきましては、内閣を中心に、中央の青少年問題協議会と、地方における青少年問題協議会とができておるのでありまして、これに対しまして、相当額の予算をもつて、地方は地方でいろいろ青少年の問題をつかまえて協議をし、その結論に従つて、それに対する救済策を講ずるというようなことをいたしております。青少年の問題につきましては、単に教育の問題だけでなくして、あるいは厚生の方面から、ある注その他物質的な面から、いろいろ各省の各事業にわたり、あらゆる面から総合的にその施策を講ずる必要がございますので、各地方におきましては、各面の代表者がこの協議会に加わりまして、総合的に不良児に対する救済施設を講ずるということについて、熱心な協議をいたしまして、その対策を講じておるのでございます。文部省といたしましても、あるいは児童愛護班というようなものを結成させましてこれによりまして、学校に行つておる間は学校の先生の世話になるわけでありますが、学校から帰りまして一般社会の生活に溶け込みます間に、いろいろ悪風にしむのでありますから、児童愛護の建前から、これに対してあるいは紙芝居、あるいは音楽、あるいは技術の指導、あるいはその他学習指導というようなものをやらせるような組織も、考えておる次第でございます。  なお、混血児入学に対する対策の問題がございましたが、これは初等中等教育関係におきまして考えておりますが、われわれといたしましても、この運命的な悲運を背負つた混血児に対しまして、普通の日本の児童と同じ取扱いをいたしましてその混血児であるというひがみに立たないで、みんな他の者と一緒に、平等無差別の形で入学をせしめるということをやつて行く必要があると思つておるのでありまして、そういう意味の指示をしておるはずでございます。
  102. 田中久雄

    田中(久)委員 青年教育に対することと、不良児の問題についての御答弁は、独立後わずかな現段階ではやむを得ぬことと思いますが、できればどうぞ本年度中にでも、ある程度具体的に進んだ施策が行われますように、一層の御努力を願いたいと思います。混血児の問題については何か問題が起らないように、四月を控えて特に御注意を願つておきたいと思います。  次に管理局長にお伺いいたします。老朽校舎のことにつきまして、あるいはお伺いをして、ちよつと聞き落したのかもしれませんが、念のために重ねてお伺いします。今度老朽校舎に対する補助金をお出しになるについて、老朽校舎の査定といいますか、これを設立五十年以前のものというふうに、大蔵省との間に話合いがあつたような話を承りました。その点五十年未満のものでも、実際において老朽のものに対しては、補助金をお出しになるのか、その点をはつきり伺つておきたいと思います。
  103. 近藤直人

    近藤政府委員 当初老朽校舎の改築坪数といたしまして計算いたしましたものは、全国二十六都道府県の坪数でございまして、それは県の当局が建築基準法によつて禁止命令を出しておるものが四十八万坪、それから同程度の危険な状態にある校舎百六十四万坪、合せまして二百十三万坪という数字問題にいたしまして、とりあえず県が禁止命令を出しておりまする四十八万坪に対して、すみやかに政府が改築の補助資金を出すということを考えまして、予算要求をしたわけでございましたが、大蔵省と折衝の過程におきまして、この四十八万坪は全国二十六都道府県の坪数であつて、かりにその坪数が決定いたしました場合に、やはり爾余の府県問題が起るのではないか。と申しますのは、県が禁止命令を出しますのは二十六都道府県だけかと申しのが設けられて、ここで不良児を一般社会と隔離して、いろいろ熱心に訓育の任に当つておられる人があることは、まことに敬服に値いします。これらの人々は、一般の義務教育職員とは異なりまして、特に変質的な、あるいはひがんだまことに親、兄弟ももてあます子供を預つて、これを保育いたしておるのであります。こういうことにつきましては、国として特別のはからいを考えるべきではないか。施設の面におきましても、あるいは教職にあるものがいろいろやりやすいように、よく国がめんどうを見まして、特別な、すでに不良化した青少年の補導の問題について、十分な注意をし、少くとも二十歳までくらいの間に真人間に立ち返るような方向へ向けなければ、生涯この人間を社会の恐るべき一つ犯罪者としてながめて行かなければならぬ悲劇に陥ると思うのであります。この点におきまして、特に不良児の児童相談所及びその保育の学校について、何か案を持つておられるか。  もう一つは、青少年ではありませんが、いよいよ本年の四月一日から、占領下に置かれております結果できました混血児童の入学が始まるのであります。実際表面に現われた数よりも、相当多数の児童が学校へ入つて来るようであります。混血児の問題は、アメリカのように初めからたくさんの人種が混合して訓練をし、生活して来た国家においては大した問題ではなかろうと思いますが、われわれ大和民族のように、事のよしあしはとにかくとしまして、一つの血でつながつた民族の中に混血児が現われて来たということは、アメリカのような社会環境でないのだから、そごに非常な人間としての悲劇を見る危険があるのではないかと考えます。これは生れて来た子供には何ら罪のないことでありまして、国家が負うべき当然の運命と考えるのでありますが、これに対しましては、将来にこういう子供たちを悪質な人間に陥らせないために、今から十分な注意と指導が必要と考えるのでありますが、この点につきましていかなるお考えを持つておられるか。もし対策を立てておられるなら伺いたいと思うのであります。きわめて簡単でありますが、その数点につきましてお伺いいたします。
  104. 寺中作雄

    ○寺中政府委員 今日義務教育を終えまして、勤労に従事をいたしております青年は相当数あるわけでございますが、これらに対しまして教養の施設というようなものが非常に乏しいということは、私どももはなはだ遺憾に存じておりまして、これらに対して国家として手厚い教養施設を行う必要があるということは、強く痛感をいたしておるところでございます。現在十五歳から二十五歳までの青年のうち、学徒にあらざる、いわゆる勤労青少年というものの数は、千三百四十万を数える次第でございまして、その他に学徒のうちに含まれた者として、五十三万の定時制高等学校生徒を持つている次第でございます。これらに対しましては、社会教育の面からいだしましては、青年学級が各地方を中心に自主的な教導学習組織として生れておりますから、これを国家においてできるだけ育成助成をいたしまして、青年の自主的な熱意による教養施設を奨励いたしたいというような意味におきまして、来年度約八千八百万円の青年学級補助金を組んでおるのでございますが、これによりまして大体百万人くらいの青年学級生徒に対する教養施設を提供することができるのでございます。仰せのように現在青年が、あるいは目途を失つたり、あるいは社会の風潮に毒せられたりいたしまして、まことに嘆かわしい事情もあるのでありまして、こういう青年に対しましては、できるだけ正しい青年団の組織あるいはりつぱな青年学級のやり方というようなものを指導奨励いたして、あるいは青年団組織により、あるいは青年学級に就学するという形によりまして、自主的にその産業生活に即する学習をみずから修めるような風潮に持つて行きたい、千三百四十万の勤労青少年に対しまして、青年学級の組織は現在まだわずかでございますが、漸次そういう正しい風潮が流布することによりまして、青年学級に就学する気風が生れまして、そういう悪風に染むことがないようになつて行くことを期待をいたしておるのでございます。  なお不良児指導の問題に関しましても、私らといたしまして非常に関心を持つておるのでございますが、これにつきましては、内閣を中心に、中央の青少年問題協議会と、地方における青少年問題協議会とができておるのでありまして、これに対しまして、相当額の予算をもつて、地方は地方でいろいろ青少年の問題をつかまえて協議をし、その結論に従つて、それに対する救済策を講ずるというようなことをいたしております。青少年の問題につきましては、単に教育の問題だけでなくして、あるいは厚生の方面から、あるいはその他物質的な面から、いろいろ各省の各事業にわたり、あらゆる面から総合的にその施策を講ずる必要がございますので、各地方におきましては、各面の代表者がこの協議会に加わりまして、総合的に不良児に対する救済施設を講ずるということについて、熱心な協議をいたしまして、その対策を講じておるのでございます。文部省といたしましても、あるいは児童愛護班というようなものを結成させまして、これによりまして、学校に行つておる間は学校の先生の世話になるわけでありますが、学校から帰りまして一般社会の生活に溶け込みます間に、いろいろ悪風にしむのでありますから、児童愛護の建前から、これに対してあるいは紙芝居、あるいは音楽、あるいは技術の指導、あるいはその他学習指導というようなものをやらせるような組織も、考えておる次第でございます。  なお、混血児入学に対する対策の問題がございましたが、これは初等中等教育関係におきまして考えておりますが、われわれといたしましても、この運命的な悲運を背負つた混血児に対しまして、普通の日本の児童と同じ取扱いをいたしまして、その混血児であるというひがみに立たないで、みんな他の者と一緒に、平等無差別の形で入学をせしめるということをやつて行く必要があると思つておるのでありまして、そういう意味の指示をしておるはずでございます。
  105. 田中久雄

    田中(久)委員 青年教育に対することと、不良児の問題についての御答弁は、独立後わずかな現段階ではやむを得ぬことと思いますが、できればどうぞ本年度中にでも、ある程度具体的に進んだ施策が行われますように、一層の御努力を願いたいと思います。混血児の問題については何か問題が起らないように、四月を控えて特に御注意を願つておきたいと思います。  次に管理局長にお伺いいたします。老朽校舎のことにつきまして、あるいはお伺いをして、ちよつと聞き落したのかもしれませんが、念のために重ねてお伺いします。今度老朽校舎に対する補助金をお出しになるについて、老朽校舎の査定といいますか、これを設立五十年以前のものというふうに、大蔵省との間に話合いがあつたような話を承りました。その点五十年未満のものでも、実際において老朽のものに対しては、補助金をお出しになるのか、その点をはつきり伺つておきたいと思います。
  106. 近藤直人

    近藤政府委員 当初老朽校舎の改築坪数といたしまして計算いたしましたものは、全国二十六都道府県の坪数でございまして、それは県の当局が建築基準法によつて禁止命令を出しておるものが四十八万坪、それから同程度の危険な状態にある校舎百六十四万坪、合せまして二百十三万坪という数字問題にいたしまして、とりあえず県が禁止命令を出しておりまする四十八万坪に対して、すみやかに政府が改築の補助資金を出すということを考えまして、予算要求をしたわけでございましたが、大蔵省と折衝の過程におきまして、この四十八万坪は全国二十六都道府県の坪数であつて、かりにその坪数が決定いたしました場合に、やはり爾余の府県問題が起るのではないか。と申しますのは、県が禁止命令を出やますのは二十六都道府県だけかと申し承つておきたいのであります。
  107. 近藤直人

    近藤政府委員 起債でございますが、御説の通り従来六・三建築の分につきましては一〇〇%とは申し上げられませんが、およそ八五%程度起債の裏づけがございます。ことに屋体の予算につきましては、二十七年度分につきましては一〇〇%の起債の裏づけをもらつて来ております。これは補助事業でございますが、大体補助事業につきましては八〇%ないし八五%の裏づけが可能であろうと考えております。過去におきましても昭和二十五年度は一〇〇%の起債が認められております。昭和二十六年度は八〇%、二十七年度は八五%というような状況でございますので、補助事業につきましては八〇%以上は可能であろうと考えております。補助事業関係におきまして、総額で六十三億の起債を目下自治庁の方に要求いたしております。  それから単独の事業でございますが、これにつきましては、たとえて申しますと危険校舎につきましては昭和二十七年度におきまして四十二億、そのほか非義務教育施設につきましても若干認められております。この額につきましては何パーセントということははつきり申し上げられませんが、これも相当程度認められております。単独起債につきましては、私どもといたしまして、本年度は約百八十七億程度の要求をいたしたいと考えております。昭和二十八年度の起債のわくが、一般の分が七百二十億、公庫の分が百二十億、合せまして八百五十億でございます。文部関係といたしまして百八十七億プラス六十三億、約二百五十億の要求は必ずしも過大ではないと考えておりますが、今後事務的に折衝いたしまして、極力起債の裏づけが十分行きますよう努力いたすつもりでございます。
  108. 辻原弘市

    辻原委員 大体わかりましたが、見通しとして、老朽校舎に対する起債の従来のあれから行きますと、ほぼ同額、一〇〇%程度まで行き得る、この点についての見通しはどうお持ちになつているか。
  109. 近藤直人

    近藤政府委員 老朽校舎につきましては三分の一の補助でございますので、従いまして三分の二の起債のわくが要求されるものでございます。十二億でございますから約二十四億というものをこの裏づけとしてただいま要求をいたしております。そのほか単独起債といたしまして、たとえて申しますれば、今回の老朽校舎の中には公立高等学校が含まれませんが、この高等学校についてはどうしても単独起債でやらなければなりませんので、本年と同額の四十二億ということは困難だろうと思いますが、相当額の単独起債もあわせて老朽校舎につきまして要求いたすつもりであります。
  110. 伊藤郷一

    伊藤委員長 広報課長が見えました。
  111. 坂本泰良

    坂本委員 午前に引続きまして、文部広報のことについて二、三お尋ねしておきます。四二号の二ページの「円滑になる人事交流」というところに、利、現としていろいろ出ているが、これはだれが編集されてやられたのか、また材料はどこからとつてやられたか、その点承りたい。
  112. 西森馨

    ○西森説明員 午前中にお答え申し上げましたように、文部広報の編集の責任者は広報課長でございます。この材料は関係の各局課にまたがつておりまして、課長一人で五十有余のものに全部タツチできませんので、その内容につきましては責任ある関係の局課から出していただきまして、それをこういうふうな形式において編集することは広報課長の責任になつております。従いまして、こういうふうな今回の義務教育学校職員法に関する記事は、初等中等教育局というところから提出されました材料が信頼すべき材料であるということでございます。
  113. 坂本泰良

    坂本委員 そこで、「円滑になる人事交流」というところで、利点として「政治活動については、全国的に禁止される。」現として「現在は勤務地の市町村以外では政治活動が自由である。」というように、人事交流には少しも関係のないことがあるのです。これは人事交流の欄には関係のないことと思うのですが、こういうことも課長の責任でやられたかどうか。
  114. 西森馨

    ○西森説明員 お答え申し上げます。こういうふうな広報紙を編集するにつきましては、御承知のように見出しということが関係して参りまして、こういう一連の文章の中で、利点の中で最もいいのは円滑なる交流人事であるという、その内容を最も端的に言い現わし得る見出しがつけられるのが、普通の商業新聞にしましても、広報にしても常道になつておるのであります。従つて利点の中で最もいい利点というのがこの見出しでありまして、人事が非常に円滑に行われる、給与も全国一律に行われるという見出しをつけたので、この見出しにつきましては編集責任者のやつたことであります。
  115. 坂本泰良

    坂本委員 そうすると、この欄は、普通の新聞と同じように大きな利点だけを坂上げればいいので、政治活動については何ら関係のないことと思うのだが、それをここに書いてあるのはどうかということなんです。
  116. 西森馨

    ○西森説明員 これは問題点というものをいろいろ給与関係、人事関係、職員団体関係、政治活動関係というふうに分析して書いておるような次第でありまして、特別にこれをもつてアジ的に書こうというような点はございません。これをお読みになる場合には、各項目について冷静にお読みにならなければならない。これは新聞を読む場合の一般的な原則であつて、題目がその主ま内容にあては生ると思いますが、個々の問題点で最も利点のあるところは円滑なる交流人事であるという点をつかんだという編集の形式でございます。
  117. 坂本泰良

    坂本委員 私は、読者の感想とか、編集の素養を聞いておるのじやない。この編集について、人事交流という見出しを書いておるのに、人事交流に全然関係のない政治活動のことをどうして書いておるのか、この点を聞いておる。何もあなたから新聞の読み方を習つたり、編集の方法を習つたりする必要はない。私が言う点に答えてくれればいい。
  118. 西森馨

    ○西森説明員 大きな見出しとして「問題点に真意を表明」という前置きを置き、その中で特別に問題のある点を取上げたのでありまして、この円滑なる交流人事ということが全部の内容を意味しておるというわけではありません。「問題点に真意を表明」というところが全体の大見出しであります。従つて問題点となるのはそこにあげております四つの問題であるわけであります。
  119. 坂本泰良

    坂本委員 あとは大臣に聞かなければしようがないから、別の機会に譲りますが、さらに確認をすることにもなりますけれども、これは広報課長の責任においてこの記事の編集をした、こういうことになつておるのですが、資料は四十幾つかの課から集めてやる。従つて資料を集めて、課長の責任でこの文章その他を作成して編集した、こう承つておいていいかどうか。
  120. 西森馨

    ○西森説明員 先ほども申し上げましたように、編集につきましては、最終の責任者は広報課長でございます。しかしこれは方々に各局課に担当官がありまして、各局課をそれぞれ連絡をとりまして、的確な材料を出していただく。そういたしまして、それを編集会議にかけまして、最終責任は広報課長というふうにお考えになつてけつこうと考えます。従いまして、内容につきましては、関係の各局課が一応責任を持つてやるということになります。
  121. 坂本泰良

    坂本委員 広報課の人員その他の機構、それから編集会議がどうなつておるか、また各局課からどういうふうに、この資料を集めるかという点について、簡単でいいから承つておきたいと思います。
  122. 西森馨

    ○西森説明員 現在広報課の課員は課長外十名、合計十一名でございます。広報課の仕事には、それぞれ分担がありまして、あるいは文部広報というような形式をもつて発表する方法もあれば、あるいは放送を利用して広報宣伝をやるという仕事もございます。あるいは記者クラブとの折衝というようなこともございますし、いろいろございますが、直接文部広報の編集を担当しておるものは四名でございます。従いまして、四十幾つかの課をまわるということは、時間的にいいましても、労力的にいいましても十分でございませんので、関係の各課に広報連絡官というものを一名ずつお願いいたしまして、その広報連絡官からいろいろの資料を集めていただく、また私たちの得ました総合的な情報は、この広報連絡官を通してやるというような形になつて、今文部省全体の総合的な広報活動を情報収集、啓発宣伝というふうにやつておるわけであります。編集会議は、午前中申し上げましたように、この発行が三日、十三日、二十三日と旬刊でございますので、一応広報連絡官から出ました材料、そのほか毎日新聞発表しております、この新聞発表から出ました材料、こういうようなものを持ち寄りまして、印刷にかける約五日くらい前でございますが、それを編集会議にかけまして、一応そこで整理してやるということになつております。
  123. 坂本泰良

    坂本委員 編集会議というのは、四名でやるわけでありますか。
  124. 西森馨

    ○西森説明員 さようでございます。事務的には四名であります。
  125. 坂本泰良

    坂本委員 そうすると会議のメンバーは……。
  126. 西森馨

    ○西森説明員 名前を申し上げましようか。——課長補佐の兒玉、それから岡部、林、藤野、この四人が直接の編集事務をやつております。
  127. 坂本泰良

    坂本委員 この四十二号を編集されるときは、これは重要な記事なんですが、大臣、次官に相談されたかどうか。
  128. 西森馨

    ○西森説明員 この具体的な内容につきましては、一々大臣や次官に相談することはやつておりません。しかし文部省全体の、今回問題になつております職員法の広報活動でございますので、こうこういうような計画でやりたいということを、主管局長を通しまして一応の了解を得ることが建前になつております。しかし一々具体的な内容につきまして、こういうふうな内容を載せていいかということは、相談するまでもなく、これは責任ある関係の局課から出しているものでありますから、その編集を広報課長に一任してもらつているということになつております。
  129. 坂本泰良

    坂本委員 最後に、これは無料で配付することになつているのですが、この四十二号は八万部も出ているのですが、これの経費その他幾らになつておりますか。
  130. 西森馨

    ○西森説明員 予算の措置でございますが、文部広報は年間の大体の計画を立てまして発行いたしておりますので、午前中申し上げましたように、ときには特集号を出してやるような場合もございますが、大体毎回一万部でございますので、今回八万部ということになりますと、分量が多くなつております。しかし一部の単価が非常に少くなつておりますから、一万部刷るよりか安くなるという点もありますし、そうしてまた年度末三月までに相当な印刷費の余裕が残つておりますので、その範囲内におきまして、とりあえず最も当面の大事な文教政策の普及というような本号を特集号として出しておるのであります。
  131. 坂本泰良

    坂本委員 抽象的なことでなくて、私が聞いておるのは、一万部のときの予算と八万部のときの予算は幾らであつたか、それを聞いておるのです。
  132. 西森馨

    ○西森説明員 分析して申し上げますと、一万部を刷ります場合は、一部が一円五十銭でございます。総体の広報課の予算は約百万円くらいでございます。そうして現在までに使いました予算が八十万ばかりでございますので、それをもつてとりあえず印刷したということになります。さつき申し上げましたように、非常に部数を多くしますれば単価が安くなりますから、そういう点で非常に有利であるということであります。
  133. 坂本泰良

    坂本委員 私はこの広報については、事務的な面をお聞きしただけでありまして、この問題については相当政治的な含みもあるし、この文部広報それ自体については大臣にお聞きすることを留保いたしまして、本日はこれで打切ります。
  134. 山崎始男

    山崎(始)委員 ただいまの御説明を聞きますと、課長は編集者である、これに載つておりまする材料は各関係局から出た、こうおつしやるのでありますが、このまん中にある「首切り問題起らず、好ましくない政治活動」というこの見出しのところの資料を提供されたのはどの課でございましようか。この点お伺いしたい。
  135. 西森馨

    ○西森説明員 第二面の内容でございますが、先ほど申し上げましたように、初等中等教育局から出してもらつております。
  136. 山崎始男

    山崎(始)委員 それは全部でございますか。
  137. 西森馨

    ○西森説明員 さようでございます。但し最後の方の「実施の請願山積」、「文部広報」というところはもちろん関係ありませんが、それ以外は初等中等教育局から材料が出たものであります。
  138. 山崎始男

    山崎(始)委員 そういたしますと、この資料を出すときには、局長は御存じなんですね。
  139. 西森馨

    ○西森説明員 初等中等教育局長は御存じだろうと思いますが、われわれが交渉いたしておりますのは、各局の各課と交渉いたしますから、そこまでつつ込んだところは聞いておりません。     —————————————
  140. 伊藤郷一

    伊藤委員長 次に教育委員会法及び教育公務員特例法の一部を改正する法律案を議題といたします。提出者から本案についての補足説明を聴取いたします。田中君。
  141. 田中久雄

    田中(久)委員 教育委員会法及び教育公務員特例法の一部を改正する法律案について、補足説明を加えたいと思います。  ただいま議題となりました教育委員会法及び教育公務員特例法の一部を改正する法律案の改正の要点について簡単に御説明をいたします。教育委員会法は御承知の通り昨年第十四国会におきまして、地方委員会の設置等を一年延期するという政府の改正提案が、参議院におきましては全会一致可決されながら、衆議院におきましては抜打ち解散のために審議未了と相なつたものであります。従つて現行法のごとくただちに全市町村に教育委員会を設置することについては、政府並びに自由党も十分に検討の必要を認めておられ、また輿論もほとんどそれを望んでおるのであります。私どももこの改正案に対しては全面的にこういう意味から政府与党ともに御賛同をいただけるものと確信をいたしておる次第であります。  まず第一点の改正点は、地方教育委員会を任意設置にいたしました。すなわち現行法におきましては教育委員会はその第三条第一項において、都道府県及び市町村にこれを設置するとあります。すなわち地方住民の意思のいかんにかかわらず、これを義務的に設置しなければならないということに相なつておりました。これを今回は、五大都市以外の市または町村の教育委員会は当該市町村の条例によつてこれを置かないことができるというようにいたしたのであります。この場合あらかじめ当該教育委員会の意見を聞かなければならないこととし、また条例の制定には、出席議員の三分の二以上の同意がいることといたしました。このことは現に就任をしておる教育委員が地方住民の直接選挙によつて選ばれていることと、教育基本法及び教育委員会法の精神にのつとる教育行政の重要性を考え、特にその存廃にあたつて慎重を期する必要があると考えたからであります。さらに教育委員会を置かない市町村の教育事務については特例を設けまして、当該市町村長がこれを管理し、執行することにいたしました。  改正の第二点は教科内容及びその取扱い、教科用図書の採択、教職員の研修、給与負担職員の人事、保健、福利、衛生等の事務を、都道府県委員会の権限に移しました。これは昨二十七年十一月一日に全市町村に教育委員会が設置せられて以来の実情にかんがみまして、また昭和二十三年教育委員会発足以来都道府県委員会がいろいろ処理いたして参りました事柄について考えました場合に、どうしても都道府県委員会の所管事務にしないと、教育行政の円滑な運営ができないと考えたからであります。と申しますのは、たとえば現在設置されておる地方委員会のうち、町村に設置されておるもの九十何パーセントまで教育長は助役兼任であり、委員会事務職員は役場吏員の兼任であり、たまたま専任職員が置かれておりましても、それはほとんどの町村がただの一名であります。このような事態をこのまま放置いたしますならば、教育を破壊するばかりであると考えまして、都道府県委員会に機関委任をすることにいたしたわけであります。ただこの場合職員の人事につきましては特に慎重を要しますので、当該市町村の教育委員会教育委員会が置かれていない場合は市町村長の意見を求めなければならないことにいたしております。  第三点は五大市を除く市及び町村の教育委員会には教育長を置かないことができるようにいたしました。これは特に財政的な理由によるのでありますが、現行法によりますと、本年三月三十一日までは当該市町村の教育関係の部課の長が兼ねてもいいことになつておりますが、四月一日からはどうしても専任の教育長を置かなければならない。御承知のごとく教育職員免許法によりまして教育長になるためには相当な資格要件がいるわけであります。従つてこれらの資格要件を備えた教育長を迎えるためには、相当高額の俸給を支給しなければなりません。このことは財政の貧弱な町村においてはとうてい耐えられないことであり、第二点の改正と相まつてこれを置かなくても仕事ができると考えまして、条例で置かないことができるとしたわけであります。  次に教育公務員特例法の改正でありますが、第一点は、給与負担職員の勤務条件に関する措置の要求及び不利益処分に関する審査機関についてであります。これは勤務条件に関する措置の要求については、地方公務員法に明記されているものを現行特例法には抜けておりますので、入れたまでであります。なおこの要求及び不利益処分に対する審査機関は、人事権の移動とともに都道府県の人事委員会に当然移るものとしてそのように措置いたしました。  第二点は職員団体でありますが、現行法では給与については都道府県に、人事は市町村に交渉しなければならないことになつておるのを、人事給与ともに都道府県に移しましたために、職員団体も都道府県の当局と交渉するための団体を結成できるようにいたしました。  なお委員会法第二条、第四条、第五条、第二十九条、第三十一条、第四十五条、第四十七条、第五十二条、第六十一条、第六十五条、第六十五条の三、第六十五条の五、第六十六条、第六十八条、第八十一条、第八十五条、第八十六条、特例法第二条、第十三条、第十六条、第十九条、第二十五条の二、第二十五条の四、第三十三条、は、これらの改正に伴う当然の整理条項として処理いたしました。  何とぞ文部委員会全員の御賛同を仰ぎたいと思います。
  142. 伊藤郷一

    伊藤委員長 本日はこれにて散会いたします。     午後四時五十九分散会