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1952-12-24 第15回国会 衆議院 農林委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十二月二十四日(水曜日)     午前十一時三十一分開議  出席委員    委員長 坂田 英一君    理事 野原 正勝君 理事 原 健三郎君    理事 平川 篤雄君 理事 井上 良二君    理事 足鹿  覺君       秋山 利恭君    大島 秀一君      小笠原八十美君    高見 三郎君       中馬 辰猪君    寺島隆太郎君       村松 久義君    金子與重郎君       高倉 定助君    高瀬  傳君       川俣 清音君    中澤 茂一君       芳賀  貢君    山本 幸一君       中村 英男君  出席政府委員         農林政務次官  松浦 東介君         農林事務官         (農業改良局         長)      清井  正君         農林事務官         (畜産局長)  長谷川 清君         食糧庁長官   東畑 四郎君  委員外出席者         農林事務官         (畜産局飼料課         長)      花園 一郎君         専  門  員 難波 理平君         専  門  員 岩隈  博君         専  門  員 藤井  信君     ――――――――――――― 十二月二十四日  農業改良助長法の一部を改正する法律案野原  正勝君外二十四名提出衆法第二九号)  海岸砂地地帯農業振興臨時措置法案野原正勝  君外九十九名提出衆法第三一号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  小委員会設置に関する件  飼料需給調整法案井上良二君外七名提出、衆  法第四号)  飼料需給安定法案小笠原八十美君外十二名提  出、衆法第二三号)  農業改良助長法の一部を改正する法律案野原  正勝君外二十四名提出衆法第二九号)  海岸砂地地帯農業振興臨時措置法案野原正勝  君外九十九名提出衆法第三一号)  食糧に関する件  農業金融梗塞打開促進に関する件  肥料価格適正化並びに供給確保に関する件  自給飼肥料増産確保のための助成措置に関する  件   請 願  一 農林水産業施設災害復旧事業に対する国庫    補助わく引下げ等に関する請願川野芳    滿 君外五名紹介)(第四九号)  二 蚕業技術指導強化に関する請願村上勇君    紹介)(第一二七号)  三 同外一件(中馬辰猪紹介)(第一二八号)  四 林業技術普及事業費増額等に関する請願    (井上良二紹介)(第一八五号)  五 入院患者用配給米増配に関する請願(勝俣    稔君紹介)(第二〇八号)  六 昭和二十七年産米供出割当に関する請願    (福井勇君外一名紹介)(第二〇九号)  七 蚕業技術指導強化に関する請願外一件(前    尾繁三郎紹介)(第三二二号)  八 桐樹栽植費国庫補助請願松浦東介君紹    介)(第三六七号)  九 輸出用花球根振興に関する請願内藤友    明君紹介)(第四二八号) 一〇 岩国港を主食輸入港として指定請願(西    村茂生紹介)(第四二九号) 一一 東頸城郡下治山事業による地すべり対策    確立に関する請願田中彰治紹介)(第    四三〇号) 一二 林道予算増額に関する請願大石ヨシエ君    紹介)(第四三一号) 一三 治山事業予算増額に関する請願大石ヨシ    エ君紹介)(第四三二号) 一四 昭和二十八年度治山事業予算増額に関する    請願大村清一紹介)(第四三三号) 一五 昇雲橋カマノウネ間林道開設等請願(    長野長廣紹介)(第五〇四号) 一六 杉原村神通を国営採種地として指定請願    (内藤隆紹介)(第五四四号) 一七 菓子用砂糖随意契約による売却制度廃止    に関する請願辻寛一紹介)(第五八〇号) 一八 荒茶粉引撤廃に関する請願外二件(佐藤虎    次郎君紹介)(第五八一号) 一九 国有林野整備臨時措置法の一部改正に関す    る請願森田重次郎紹介)(第五八二号) 二〇 蚕業技術指導強化に関する請願生田和平    君紹介)(第五八三号) 二一 同(石田博英紹介)(第六〇八号) 二二 同(笹山茂太郎紹介)(第六〇九号) 二三 同(飯塚定輔紹介)(第六一〇号) 二四 同外一件(鈴木直人君外二名紹介)(第六    一一号) 二五 同(山崎猛紹介)(第六一二号) 二六 同(小平久雄紹介)(第六一三号) 二七 同外二件(岡部周治君外三名紹介)(第六    一四号) 二八 同(福永健司君外六名紹介)(第六一五号) 二九 同(小川豊明君紹介)(第六一六号) 三〇 同(並木芳雄紹介)(第六一七号) 三一 同(渡邊良夫君外一名紹介)(第六一八    号) 三二 同(大森玉木紹介)(第六一九号) 三三 同(吉江勝保君外一名紹介)(第六二〇号) 三四 同(小川平二君外五名紹介)(第六一二号) 三五 同(井出一太郎君外二名紹介)(第六二二号) 三六 同(小坂善太郎君外二名紹介)(第六二三号) 三七 同(植原悦二郎君外二名紹介)(第六二四号) 三八 同外一件(平野三郎紹介)(第六二五号) 三九 同(高見三郎紹介)(第六二六号) 四〇 同(久野忠治紹介)(第六二七号) 四一 同(河野金昇紹介)(第六二八号) 四二 同(江崎真澄紹介)(第六二九号) 四三 同(濱地文平君外一名紹介)(第六三〇号) 四四 同(森幸太郎紹介)(第六三一号) 四五 同(矢尾喜三郎紹介)(第六三二号) 四六 同(堤康次郎紹介)(第六三三号) 四七 同(堤ツルヨ紹介)(第六三四号) 四八 同(佐治誠吉紹介)(第六三五号) 四九 同(甲斐中文治郎君紹介)(第六三六号) 五〇 同(中田政美紹介)(第六三七号) 五一 同(中崎敏紹介)(第六三八号) 五二 同(平川篤雄紹介)(第六三九号) 五三 同(西川貞一紹介)(第六四〇号) 五四 同(高橋英吉君外二名紹介)(第六四一号) 五五 同(長野長廣君外一名紹介)(第六四二号) 五六 同(中村寅太紹介)(第六四三号) 五七 同(平井義一紹介)(第六六四号) 五八 同(山崎巖紹介)(第六四五号) 五九 同(坂田道太紹介)(第六四六号) 六〇 同外二件(松野瀬三君外三名紹介)(第六    四七号) 六一 同(中馬辰猪紹介)(第六四八号) 六二 農林漁業組合再建整備強化に関する請願    (鈴木善幸紹介)(第五八四号) 六三 砂糖行政改正に関する請願辻寛一君紹    介)(第五九九号) 六四 蚕糸業関係法令制定等に関する請願(松浦    東介君外九名紹介)(第六六六号) 六五 国有林野整備臨時措置法の一部改正に関す    る請願小笠原八十美紹介)(第六六七号) 六六 東北、北海道地方土地改良事業促進に関    する請願野原正勝紹介)(第六六八号) 六七 小川原沼開さく等に関する請願森田重次    郎君外一名紹介)(第六六九号) 六八 農業土木及び一般土木事業に対する地元負    担金免除に関する請願白石正明紹介)    (第七〇九号) 六九 国有林野開放促進等に関する請願白石正    明君紹介)(第七四二号) 七〇 農業共済保険金早期支払に関する請願(    白石正明紹介)(第七四三号) 七一 農業災害復旧費補助金交付促進等に関す    る請願白石正明紹介)(第七四四号) 七二 植林事業補助金増額等に関する請願(白石    正明君紹介)(第七四五号) 七三 国有林地内に林道開設請願白石正明君    紹介)(第七四六号) 七四 積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法に伴う国    庫補助増額等に関する請願白石正明君紹    介)(第七四七号) 七五 米価決定に関する請願白石正明紹介)    (第七四八号) 七六 治山事業予算増額に関する請願早稻田柳    右エ門紹介)(第八一六号) 七七 開墾工事費並び開拓道路費増額等に関    する請願早稲田柳右エ門紹介)(第八一七号) 七八 千歳地区漁川貯水池かんがい計画に関する    請願薄田美朝君紹介)(第八五三号) 七九 那須野ケ原国営開拓建設工事施行請願    外一件(船田中君紹介)(第九〇八号) 八〇 国有林野所在町村に対する交付金支給に関    する請願小山長規紹介)(第九一八    号) 八一 弘瀬奈路網川山上聞林道開設請願(    長野長廣紹介)(第九二二号) 八二 国有林野整備評価基準に関する請願(小山    長規紹介)(第九二三号) 八三 早場米供出実務職員に対する超過勤務手当    支給に関する請願猪俣浩三紹介)(第    九四〇号) 八四 農林省統計調査部昇格等に関する請願(    坂本泰良紹介)(第一〇四四号) 八五 同(木下郁紹介)(第一〇四五号) 八六 同(松前重義紹介)(第一〇四六号) 八七 同(赤路友藏紹介)(第一〇四七号) 八八 同(成田知巳紹介)(第一〇四八号) 八九 大井川流域干拓に関する請願戸塚九一郎    君紹介)(第一〇八五号) 九〇 治山事業予算増額に関する請願灘尾弘    吉君紹介)(第一〇八九号) 九一 西臼杵郡を急傾斜地帯に編入の請願(川野    芳滿君紹介)(第一〇九〇号) 九二 国有林野所在町村に対する交付金増額の請    願(川野芳滿紹介)(第一〇九一号) 九三 入院患者用配給米増配に関する請願(山口    丈太郎紹介)(第一一四七号) 九四 農村の電柱敷地補償に関する請願山田長    司君外三名紹介)(第一一五三号) 九五 同(中澤茂一君外五名紹介)(第一一五四    号) 九六 自作農創設維持資金制度確立と同資金の    大幅増額に関する請願田中角榮紹介)    (第一二一九号) 九七 入院患者用配給米増配に関する請願(山下    春江君紹介)(第一二五〇号) 九八 (同石野久男紹介)(第一二五一号) 九九 治山事業等予算増額に関する請願(西村    直己君紹介)(第一一五七号) 一〇〇 農林省統計調査部昇格等に関する請願    (平野力三紹介)(第一二五八号) 一〇一 木炭県営検査強化に関する請願和田博    雄君紹介)(第一二五九号) 一〇二 蓮根腐敗病防除等に関する請願江崎真    澄君紹介)(第一三五三号) 一〇三 蚕糸業振興に関する請願佐藤善一郎君    外一名紹介)(第一三五四号) 一〇四 自作農維持育成に関する請願佐藤善一    郎君紹介)(第一三五五号) 一〇五 治山及び造林事業強化拡充等に関する    請願福井順一紹介)(第二二五六号) 一〇六 都道府県農業試験場整備拡充に関する請    願(坂田英一君外四名紹介)(第一三五八    号) 一〇七 農業機械化普及促進に関する請願(遠    藤三郎君外五名紹介)(第一三五九号) 一〇八 農地かんがい事業国営化に関する請願    (木暮武太夫紹介)(第一三六〇号) 一〇九 米の消費者価格引上げ反対に関する請願    外一件(坂本泰良紹介)(第一三六二    号) 一一〇 輸入食糧等の室蘭港利用陸揚に関する請    願(南條徳男紹介)(第一三九四号) 一一一 農村の電柱敷地補償に関する請願(河野    金昇君外一名紹介)(第一三九九号) 一一二 林業改良普及事業費増額に関する請願    (足鹿覺紹介)(第一四四四号) 一一三 民有林林道開発予算増額に関する請願(    足鹿覺紹介)(第一四四五号) 一一四 忍野村の農地買収除外指定取消に関する    請願足鹿覺紹介)(第一四四六号) 一一五 治山事業予算増額に関する請願足鹿覺    君紹介)(第一四四七号) 一一六 菜種油政府買上げに関する請願足鹿覺    君紹介)(第一四四八号) 一一七 豊川農業水利事業工事方法改正請願(    福井勇紹介)(第一四〇四号)   陳情書  一 食糧増産計画促進に関する陳情書    (第六六号)  二 農村振興農家経済救済等に関する陳情書    (第    六七号)  三 砂丘地帯開発改良に関する法律制定陳情    書(第六八    号)  四 急傾斜地帯農業振興臨時措置法による補助    率に関する陳情書    (第六九号)  五 自作農維持のため自作農資金貸付制度の活    用と同資金のわくの増額陳情書    (第七〇号)  六 長野県下の耕地、林道等水害対策に関す    る陳情書(第    七一号)  七 細島港輸出品検査所出張所設置に関する陳    情書    (第七二号)  八 食糧増産基本法(仮称)制定に関する陳情    書(第一五    五号)  九 農業再建に関する陳情書    (第一五七    号) 一〇 農業団体再編成に関する陳情書    (第一五八号) 一一 積寒法に基く農業振興計画実施に対する補    助増額等に関する陳情書    (第一五九号) 一二 湿田単作地帯農業改良に関する陳情書    (第一六〇号) 一三 蚕糸業振興施策の実現に関する陳情書    (第一六一    号) 一四 土地改良事業費国庫予算増額陳情書    (第一六二    号) 一五 代行干拓事業促進に関する陳情書    (第一六三号) 一六 耕地災害復旧事業費予算措置に関する陳    情書(第一六    四号) 一七 耕地災害復旧につき原形復旧超過工事と    の区分廃止陳情書    (第一六五号) 一八 北海道団体営かんがい排水事業溜池工事に    対する補助率引上げ陳情書    (第一六六号) 一九 有畜農家創設事業金融に対して特別会計設    置等に関する陳情書    (第一六七号) 二〇 草地農業振興に関する陳情書    (第一六八号) 二一 林業技術普及体制強化確立に関する陳情書    外十一件    (第一六九号) 二二 林業の施設と税制改革等に関する陳情書    (第二三九号) 二三 農業災害補償法の施行に関する陳情書    (第二四〇号) 二四 国営家畜市場誘致に関する陳情書    (第二四一号) 二五 干拓堤とうの災害復旧超過工事国庫補助    高率適用に関する陳情書    (第三〇〇号) 二六 林業技術普及事業強化拡充に関する陳情書    (第三四七号) 二七 急傾斜地帯農業振興促進に関する陳情書    (第三四八号) 二八 農業教育施設拡充強化に関する陳情書    (第三四九    号) 二九 農業団体再編成に関する陳情書    (第三五〇号) 三〇 農業協同組合法改正に関する陳情書    (第三五一号) 三一 不振農業協同組合整備強化に対する国庫    助成の陳情書    (第三五二号) 三二 でん粉価格調整に関する陳情書    (第三五    三号) 三三 松山中島郷士開拓者復活に関する陳情書    (第三五    四号) 三四 農業団体再編成に関する陳情書    (第四四一    号) 三五 同    (第四四二号) 三六 農業協同組合再建整備に関する陳情書    (第四四三号) 三七 かんがい及び排水機電力料金国庫補助の    陳情書(第四    四四号) 三八 耕土培養実施指定区に対する補助増額の陳    情書(第四四    五号) 三九 土地改良事業の推進に関する陳情書    (第四四六号) 四〇 災害復旧耕地事業早期完成並びに農業施    設防災措置に関する陳情書    (第四四七号) 四一 草地農業振興に関する陳情書    (第四四八号) 四二 蚕糸業振興施策実現に関する陳情書    (第四四九号) 四三 自作農創設維持に要する金融制度確立に関    する陳情書(    第四五〇号) 四四 急傾斜地帯農業振興臨時措置法による補正    予算大幅計上高率補助陳情書    (第四五一号) 四五 有畜農業振興措置具体化促進に関する陳情    書(第四五二    号) 四六 民有林造林事業に対する国庫補助陳情    書(第四五三    号) 四七 台風災害地帯農林水産業振興法(仮称)制    定に関する陳情書    (第四五四号) 四八 農林水産業施設災害復旧費国庫補助の暫定    措置に関する法律一部改正陳情書    (第四五五号) 四九 農林漁業組合並びに連合会再建整備方策    の強化に関する陳情書    (第四五六号) 五〇 食糧自給促進法立法化実現に関する陳情    書(第五四    八号) 五一 草地農業振興に関する陳情書    (第五四九号) 五二 農協青年組織育成強化等に関する陳情書    (第五五〇号) 五三 茶業振興に関する陳情書    (第五五一号) 五四 木炭公営検査強化に関する陳情書    (第五五二号) 五五 政府買上げ米代金渡制度法制化に関す    る陳情書(第    五五三号) 五六 碧海地方産米の政府買数量決定に関する    陳情書    (第五五四号) 五七 開拓及び干拓工事早期完成に関する陳情    書    (第五五五号) 五八 森林組合に対する国庫助成に関する陳情書    (第五五六    号) 五九 造林補助費増額等に関する    陳情書    (第五五七号) 六〇 林業技術普及体制強化確立に関する陳情書    (第五五八号) 六一 小川国有林払下げに関する陳情書    (第六三四    号) 六二 自作農創設維持資金拡充等に関する陳情書    (第六五一号) 六三 食糧増産計画促進に関する陳情書    (第六五二号) 六四 農林漁業資金融通法の業務に要する調査費    に関する陳情書    (第六五三号) 六五 繭糸価格安定法に基く最高最低価格改正    に関する陳情書    (第六五四号) 六六 山林復興に関する陳情書    (第六五五号) 六七 林道予算増額に関する陳情書    (第六    五六号) 六八 同(    第六五七号) 六九 同    (第六五八号) 七〇 森林組合技術員設置費助成陳情書    (第六五九号) 七一 林業技術普及事業強化拡充に関する陳情書    外二件    (第六六〇号) 七二 同    (第六六一号) 七三 同外一件    (第六六二号) 七四 林業技術普及体制強化確立に関する陳情書    (第六六三号) 七五 治山事業予算拡充に関する陳情書    (第六    六四号) 七六 同外二件    (第六六五号) 七七 同外二件    (第六六六号) 七八 電柱敷地補償料引上げに関する陳情書    (第    六六七号) 七九 日本酪農講習所の国営に関する陳情書    (第六六八    号) 八〇 農業土木及び一般土木事業に対する地元負    担金免除陳情書    (第六九三号) 八一 奥地開発のため国有林内に林道開設陳情    書(第六九四    号) 八二 農業共済保険金早期支払に関する陳情書    (第六九五    号) 八三 積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法に伴う国    庫補助増額等に関する陳情書    (第七五五号) 八四 急傾斜地帯農業振興臨時措置法施行の該当    地区追加に関する陳情書    (第    七五六号) 八五 湿田単作地域農業改良促進対策に関する    陳情書(第七    五七号) 八六 農業災害復旧費補助金急速交付等に関す    る陳情書(第    七五八号) 八七 農業災害復旧並びに防除対策推進に関する    陳情書    (第七五九号) 八八米価決定に関する陳情書    (第七六〇号) 八九 主要農産物価格並びに輸送に関する陳情書    (第七六一号) 九〇 肥料需給調整に関する陳情書    (第七六二号) 九一 飼料需給調整に関する陳情書    (第七六三号) 九二 結核患者給食米に関する陳情書    (第七六四    号) 九三 関門穀物取引所設立に関する陳情書    (第七六五号) 九四 植林事業補助金増額並びに植林増反に関す    る陳情書(第    七六六号) 九五 国有林野開放促進並びに臨時措置法改正    に関する陳情書    (第七六七号) 九六 林業技術普及事業強化拡充に関する陳情書    (    第七六八号) 九七 森林組合に対する国庫助成に関する陳情書    (第七六九号) 九八 農林漁業組合並びに連合会再建整備方策    の強化に関する陳情書    (第七七〇号) 九九 早場米供出期限延期に関する陳情書    (第    八五八号) 一〇〇 本年度産米の消費者価格現行据置に関    する陳情書(    第八五九号) 一〇一 二十七年産米供出割当減額補正陳情    書    (第八六〇号) 一〇二 食糧自給促進法立法化実現に関する陳    情書(第八六    一号) 一〇三 農地改良等促進に関する陳情書    (第八六二号) 一〇四 西津軽土地改良事業に関する陳情書    (第八六三号) 一〇五 積雪寒冷単作地帯農業振興に関する陳情    書(    第八六四号) 一〇六 急傾斜地帯農業振興臨時措置法による補    助率に関する陳情書    (第八六五号) 一〇七 農業災害補償制度に関する陳情書    (第八六六号) 一〇八 果樹及びそ菜園芸に対する災害共済制度    設定の陳情書    (第八六七号) 一〇九 同有林野所在町村に対する交付金に関す    る陳情書    (第八六八号) 一一〇 木炭県営検査強化に関する陳情書外十    件    (第八六九号) 一一一 ドツグレース法制定に関する陳情書    (第八七〇    号) 一一二 かんきつ類に対する災害共済制度適用の    陳情書(第    八七一号)     ―――――――――――――
  2. 坂田英一

    坂田委員長 これより農林委員会を開会いたします。  井上良二君外七名提出飼料需給調整法案及び小笠原八十美君外十二名提出飼料需給安定法案一括議題といたします。右の両案は先般来、畜産に関する小委員会において審査せしめておりましたが、小委員会におきましては、昨日一応審査を終了し、両案を併合して一案とし、修正議決すべしとの報告書が、委員長手元まで提出いたされました。その報告書は、ただいま各位のお手元にお配りいたした通りであります。  この際畜産小委員会における審査の経過及び結果につきまして、小委員長報告を求めます。小笠原八十美君。
  3. 小笠原八十美

    小笠原(八)委員 畜産小委員会の御報告を申し上げます。畜産に関する小委員会といたしましては、数次にわたり会議を開き、政府委員を招致して、畜産振興計画明年度畜産関係予算飼料対策等について討議を重ねたのでありますが、本委員会より井上良二君外七名提出飼料需給調整法案が、また小笠原八十美君外十二名提出飼料需給安定法案が、それぞれ当小委員会審査に付せられ、両案の内容を検討し、これを調整することと相なつたのであります。両案の主たる相異点は、一、食管特別会計買入売渡しの対象となる飼料について、調整法案はこれを輸入にかかわるふすま及び政府売渡しにかかわる小麦から生産されるふすま、輸入にかかわるとうもろこし及び大豆かす並びに農林大臣指定する飼料といたしておるのに対しまして、安定法案におきましては、これを農林大臣飼料の用に供するものと認めた輸入にかかわる麦類、ふすま、とうもろこし及び農林大臣指定する飼料といたしておるのであります。  次に、前案においては、農林大臣売渡し飼料に対する公表、報告の徴収、罰則規定等を設けておりますが、後案においては、これらをいずれも欠いているのであります。両案の相異点はおよそ以上の通りでありまして、現下の飼料事情よりして、いずれもそれぞれその主張の根拠を持つわけでありますが、この際お互いにとるべきはとり、捨つべきは捨て、もつて畜産業の振興のため、大局的見地に立つて互譲の精神を発揮し、ここに各派の委員各位の御同意により、両案を併合した修正案を作成することと相なつたのであります。  その修正案と申しまするのは、飼料需給安定法案を骨子として、一、第六条の売渡しの附帯条件に、新たに地域の指定を加えたこと。二、第六条、第七条に対し、新たに違約条項を規定したこと。三、新たに第八条を起して、売渡しの価格等の公表の義務を政府に課したこと。四、さらに第九条を起して、報告の徴収または立入り調査権を規定したこと。五、第十条の審議会に関する規定中、委員の構成を変更し、国会議員八名、学識経験者、農業団体代表、消費者代表、その他関係者中より十七名以内、関係行政機関職員五名以内といたしたのであります。その他、若干の字句の整理をいたしております。  以上申し述べましたのが、併合修正案の大要でございます。その詳細なる内容については、お手元に配付しました報告書について御点検を煩わしたいと存じます。従いまして、小委員会といたしましては、全会一致をもちまして、両案を併合して一案とし、題名を飼料需給安定法案となし、その内容は、只今申上げましたように修正すべきものと議決した次第であります。  以上御報告を申し上げます。
  4. 坂田英一

    坂田委員長 ただいまの小委員長報告について、御意見等があれば発言を許します。—別に発言もないようでありますから、採決いたします。  ただいまの小委員長報告通り、両案を併合して一案とし、その題名を飼料需給安定法案となし、修正議決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕
  5. 坂田英一

    坂田委員長 起立総員。よつて両案を併合して一案とし、修正議決すべきものと決しました。  なおお諮りいたします。ただいまの両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 坂田英一

    坂田委員長 御異議なきものと認め、さよう決しました。     —————————————
  7. 坂田英一

    坂田委員長 次に先般来の肥料に関する小委員会の経過につきまして、小委員長より報告をいたしたいとの申出があります。これを許します。井上良二君。
  8. 井上良二

    井上委員 小委員長が事故ができまして、御報告ができませんので、私からかわつて報告してくれとのことでございますから、肥料小委員会報告を申し上げます。  肥料小委員会は青木正君を小委員長といたしまして、十二月十二日第一回の委員会を開き、当面しております春肥の需給対策に関連いたしまして、先般メーカーが行いました海外への肥料輸出の問題を取上げまして、この輸出が国内の安定価格より、十貫当り二百円から二百五十円も下まわつております現状でありますので、この出血輸出が、国内の肥料価格に非常な影響をもたらすのみならず、また今後の肥料の生産並びに輸出の上にも重大な関係を持つて参りますので、小委員会といたしましては、農林省、通産省等の関係政府委員を招致し、なお十六日、二十三日と続けて開きまして、その間硫安工業会の大仲副会長、メーカー代表の昭和電工の鈴木常務、また全購連の島田常務、さらにまた学識経験者の日本農業研究所の石井氏等を参考人として招致いたしまして、あらゆる角度から、いろいろな意見を聴取し、委員会といたしまして、いろいろ検討を加えて参つたのであります。その結果、メーカー並びに通産省側の意見は、特に今度の出血問題は、東亜地域に対する市場が、西欧側によつて荒されるということを非常に憂えまして、この際東亜市場を何とか確保したいということから、非常輸出をしたようなことの説明がございました。またこの出血輸出を、国内の春肥等に対する価格に転嫁しはしないかという農民側の非常な不安に対しましては、この出血はそれぞれ各メーカーにおいて自己負担をするの処置を何とか講じたいという御説明であり、決して国内価格には転嫁をしないという御説明がございました。なおこの輸出が国内の肥料価格に当然影響して参るのみならず、また現実に海外の市場価格が非常に下まわつております関係から、去る九月末に協定いたしました国内の肥料の安定価格を相当動揺せしめておりますので、この際これら安定帯価格に対する適正な価格決定を必要とする事態が起つておりますことをそれぞれ関係者は認めまして、何とかすみやかに安定帯価格を具体的にきめたいような意向でございました。  なおまたインド向けあるいはまた朝鮮向け、あるいはフイリピン、沖縄等に対しまして、来年三月末までに約三十万トンに近い肥料が輸出されますので、当然春肥の需要に相当の供給不足になるのではないか、またそのことが非常に春肥の需要の上に重大な影響を来すではないかという不安がここに起つておりますので、これらの点に対しましても、それぞれ電力の供給の確保、あるいはまたは増産に対する操業度の必要な対策等をもつて、計画通りの生産を推進するから、春肥の需給には心配はかけないというような説明がされておつたのであります。だがここに問題になりますのは、今後政府が海外に輸出いたします場合における価格をどうするか、その場合の赤字をどうするか、またこの肥料の輸出を重要なる輸出産業として認めます場合は、海外の価格との競争を一体どう調和して行くかという問題がここに起つておるのでありまして、国内の需要を満たして、一方輸出産業としてのあり方を示す上においても、いろいろここに問題が残されております。これらの問題は、いずれ政府、民間ともにそれぞれの対策を立てなければなりませんので、新しく肥料審議会というようなものを設置いたしまして、この審議会で、それぞれ肥料の需給にらみ合せ、価格、生産、あるいは輸出入等について全般的な検討を加えて、肥料の生産に誤まりなき対策を確立する必要があるという意見が出て参つたのであります。  以上のような審議を経ました結果、小委員会といたしましては、各党ともこの際、当面しておりますこの出血輸出の問題、春肥の供給不足に対する対策、さらに海外市場価格の値下りに伴う国内肥料価格の安定等の件を、この際政府にそれぞれ注意を喚起し、また政府の処置を要求する必要から、本委員会に対して次のような決議案を出すことにしてはということになりまして、満場一致、小委員会の結論として、一応の決議をいたし、本委員会の御決定を願つて、できれば各党の共同提案で本会議の都合がつきますれば、本会議提出したい、こういうことに話合いがまとまりました。そこでその決議案を今お手元へ配付してございますが、一応読んでみます。    肥料価格適正化並びに供給確保に関する件   最近における所謂肥料の出血輸出については、その輸出価格が実際に生産コストを割つた場合、その欠損が国内肥料価格に転嫁される虞れがある。又輸出量が大量に上る場合は、国内需給の均衡を脅かし、ために価格の高騰を齎らすことも考えられ、農民はこの肥料輸出問題に対し、多大の不安をもつて注視している。若しこの際適正な措置を欠くならば、肥料行政に対する不信を惹起し、延いては生産意慾の減退を招く虞れすらある。   仍つて政府は左記の措置を速急に講じ、不安の一掃に努むべきである。     記   一、政府は、肥料輸出価格が欠損を生じた場合、その欠損が国内肥料価格に転嫁されないよう措置すること。   二、差当り春肥について供給不足、価格の騰貴を来さざるよう万全の措置を講ずること。   三、国内肥料価格を、海外市場価格と同等水準に引下げるため、肥料工業の合理化を促進すること。   四、権威ある肥料審議会(仮称)を設置して、肥料の需給、価格、生産並びに輸出入等に対して検討を加え、肥料工業の育成発達と、農業生産の向上との一元的調整を図ること。  右決議する。  以上小委員会の御報告を申し上げます。
  9. 坂田英一

    坂田委員長 ただいま小委員長報告に関し、御意見等あれば、発言を許します。
  10. 足鹿覺

    足鹿委員 この決議案の取扱い方はどういうふうになさるのでしようか。昨日の小委員会においての希望としては、でき得る限り本会議にこの決議案を上程していただいて、すみやかに院議をもつてこの決議の趣旨が達成できるように希望を申し上げておりましたが、そのへんの御所見いかがですか。
  11. 井上良二

    井上委員 昨日の小委員会におきましては、本決議案を本農林委員会の御決定を願うとともに、農林委員会として、各党それぞれ御相談を願いまして、各党が共同提案を御賛成願いますならば、ただちに本会議に共同決議案として上程することが最も妥当であるということになつておりますので、さようなかたちに委員長の方においておとりはからいを願いたいと思います。
  12. 坂田英一

    坂田委員長 委員長から申し上げますが、本委員会の決議を、さらに本会議の決議とするようなことについての委員会としての権限がないようでありますから、その問題は委員長に御一任を願つて善処することに御了承願いたいと思います。
  13. 井上良二

    井上委員 私はこれは委員会として決議をいたしまして、当然法律案でございませんけれども、委員長報告として重大な決議でございますから、本会議報告する、そういうことにしてもいいし、もしそれが事務的にそういう前例はないということでございますならば、これはひとつ至急に後ほど各派でそれぞれ意見をまとめまして、できればひとつ共同提案に願いたい。もし与党の方で御都合が悪いようでございましたら、野党側の方ではこれは共同提案にしたいという意見がありますから、さよう御了承願いたいと思います。
  14. 坂田英一

    坂田委員長 それでは今本委員会においてこれを決議することと、その後における処理について、わけてここでやりたいと思いますが、ただいまの肥料価格適正化並びに供給確保に関する件を本委員会の決議とするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 坂田英一

    坂田委員長 それでは肥料価格適正化並びに供給確保に関する件は本委員会の決議とすることに決しました。  これを本会議でどういうふうな扱いにするかという点につきましては、今井上委員のおつしやつたことを考慮に入れまして、委員長に御一任を願いたいと思います。   (「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 坂田英一

    坂田委員長 それでは委員長に御一任を願うことに決しました。     —————————————
  17. 坂田英一

    坂田委員長 次に自給飼肥料増産確保促進に関する件につきまして、金子君より発言を求められております。これを許します。金子君。
  18. 金子與重郎

    ○金子委員 たまたま今回の農林委員会におきましても、大きな農林関係の問題といたしまして、肥料の問題それから長年懸案になつております家畜増殖に伴う飼料供給不足の問題、この二つの問題が大きく取上げられておるのでありますが、これらの問題につきましては、おのおの当面の問題といたしまして、非常に重要な問題であることはもちろんでありますが、そこで一面こうした購入飼料あるいは購入肥料というようなことが内地のような集約農業においては大きな問題であると同時に、一面からは農業経営の合理化をはかり、そうして畜産生産物のコストを安くするという二面から行きましても、農家自体が自給いたしますところの飼料、肥料の増産対策をはかるということが抜本的な一つの方策と考えます。それに引きかえて一面政府の施策を見ますと、これらのものがわれわれの要望するような大きな重点を置かれていないといううらみがありますので、この際この問題を農林委員会としまして、皆様の御同意を得て決議として政府に申し入れたい、こういうふうな希望を持つておるものであります。そこで案文といたしましてお手元に差上げましたものを朗読いたします。    自給飼肥料増産確保促進のための助成措置に関する件   今後の国民食糧は、米麦等の主食に多量の畜産食品をとり入れた所謂綜合食糧であるべきことは多言を要せざるところであり、食糧の増産と共に畜産食品の低廉大衆化は今や全国民の熱烈な要請である。   而して又、農業生産の面においても、家畜の積極的導入により耕畜一体の有畜農業経営確立が強く期待されている。   然るに、現状においては、畜産食品の高価なるため大衆の需要が伴わず一面低廉な畜産物の輸入と相俟つて、有畜農家の経済は必ずしも楽観を許さざるのみならず、無機質肥料の濫用により地方の減耗が甚しく、食糧の増産を阻害している。   かかる現状の打開には、畜産経営の全面的な合理化を必要とするが就中自給飼肥料の増産確保を基軸とする生産費の合理的低減と地方の増進を図ることは刻下の緊急事である。   よつて、政府はこの際草資源の開発及び飼料作物の増産に関する施設の拡充並にサイロ堆肥舎及び畜舎の普及改善に対してすみやかに補助助成措置を講じ、もつて有畜農業の健全なる発展を図るべきである。  右決議する。  以上のような案文でありますが、どうぞ皆様御賛成のほどをお願いいたします。
  19. 坂田英一

    坂田委員長 金子君の御発言に対し御意見等ございませんか。
  20. 高倉定助

    ○高倉委員 ただいまの決議案の趣旨はたいへんけつこうで賛成ですが、この案文はもう少し何とか書き方はないですか。
  21. 坂田英一

    坂田委員長 ただいまの金子君の御発言に対してほかに御意見ありませんか。—なければただいまの自給飼肥料増産確保促進のための助成措置に関する件を委員会の決議とすることに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 坂田英一

    坂田委員長 異議なしと認め、さように決します。  なお字句の修正を委員長におまかせを願いたいと思います。
  23. 井上良二

    井上委員 この両案を決議したことに対して、政府の所信をお聞きいたします。
  24. 松浦東介

    松浦政府委員 先ほどの肥料価格適正化並びに供給確保に関する件の決議案でございますが、決議案の御趣旨はまことにごもつともでございまして、実は硫安の輸出の価格につきましては、さきに御承知のように国内価格水準を下まわらぬよう指導する方針であつたのでありますが、その後生産の方は順調に参りましたが、他方国際価格が非常に低くなりましたために、先ほどお述べになりましたように東南アジアにおける市場確保の御意味と、あるいはまたそれをあまりに抑制することによつての操短などによる国内の価格の奔騰等から考慮いたしまして、実は輸出を許可するようなことになつて参つたのでありますけれども、何分量があるのでありますから、これが国内の農家に転嫁されないだけの余裕があると考えておるようなわけであります。しかしながら今後の国内市場価格と海外市場価格と同等の水準というような問題もありますし、またいろいろ肥料の需給、価格、あるいは生産、今後の輸出というような点につきましても、いろいろむずかしい問題もありますので、皆様方の御意見をもとといたしまして、近く肥料審議会をつくりまして、権威ある方々に委員をお願いしまして、その間の調節をはかつて参りたい。しかもなるべく取急いでやりたいと考えております。  なおただいまの自給飼肥料増産確保促進のため助成措置に関する件でございますが、申し上げるまでもなく、これは一党一派の政策というよりも、むしろ国策ともいうべき食糧増産対策の重要なる一役を担うもので、畜産振興は、えさなくしてできないことは何人もお認めのところでございます。そこで先ほどのいろいろな法律についての御趣旨もあるのでございますけれども、根本は何といつても自給飼料、自給肥料をつくることにあらねばならないことも、これまた当然でございますので、現在としましては、あるいは牧野の改良あるいは自給作物の助成、あるいはまたサイロ、堆肥舎というような面の助成もしくは金融というようなことにつきまして、目下予算の折衝を続けておるような次第でございまして、できるだけ御趣旨に沿うようにいたしたいと思います。     —————————————
  25. 芳賀貢

    ○芳賀委員 私はこの機会に、年末を控えて農民が一番成行きに注目しているところの本年度の供米代金に対する所得税減免の問題について、農林大臣が御出席になつておればなお幸いでありますが、病気と称して出席になつておらないので、幸い農林政務次官が見えておりますから、この問題についてお伺いしたいと思うわけであります。供米代金の減免の問題につきましては、経緯的に見て、十一月二十五日の参議院農林委員会において決議が行われておるわけであります。一応読んでみますと、「供米の免税に関する件、供米に関する免税につき、義務供出米の代金及び特別集荷制度の超過供出奨励金等加算額に対する所得税の免除についてはさらに検討を加えることとなし、さしあたり、超過供出奨励金及び早期供出奨励金に対する所得税を全免することとなし、今国会中にこれが実現を期してすみやかに衆議院側にも打合せて必要な法律改正に努力すること。衆議側との交渉には委員長及び理事がこれに当ること。」こういうような参議院農林委員会における決議が行われておるわけでおります。これに関して当農林委員会に対してどのような申出ないし連絡があつたかという点について、まず坂田委員長にお伺いしたいのであります。
  26. 坂田英一

    坂田委員長 芳賀委員委員長としてお答えします。今芳賀委員からお話の通り参議院の農林委員長から書面が参りました。その後いろいろと御相談もいたしております。しかしこれは、両院の農林委員長がいろいろそういうことについて話合いをするという公的な何らの根拠がないのでありまして、いわば私的な話合いであります。しかしごもつもなことでありますので、参議院の農林委員のおきめになつたことを委員長から申出になつた件については、私どもといたしましても、十分了承いたしましてそういうつもりで、われわれもその申出の点をよく体しまして、それぞれ話合いを進めておつたような次第であります。大体さような経緯に相なつております。
  27. 芳賀貢

    ○芳賀委員 次に政府にお伺いしますが、この問題に関連しまして、二十五日のすぐあとの十一月二十八日に坂田英一君外二十五名が、昭和二十七年産米穀についての超過供出奨励金等に対する所得税の臨時特別例に関する法律案を議員立法として提案しておるわけであります。越えて十二月十二日に、これは野党三派連合で内藤友明君外二十一名が、米穀の売渡代金に対する所得税の特例に関する法律案提出しておるわけであります。これらの二つの臨時特例の内容は、一方は超過供出奨励金だけに対して所得税を免除するという自由党の行き方、それから野党三派の考え方は、二十七年度の米の買上代金が不当に低廉であるということに基礎を置いて、この供出代金全額に対して所得税の対象から除外すること、こういう二つの行き方でありますが、現在この法律案は大蔵委員会において審議中だと考えられるわけであります。この問題の処理について、農林大臣は現在どういうようなお考えを持つておられるか、お聞かせ願いたいと思います。
  28. 松浦東介

    松浦政府委員 廣川農林大臣は病気と称して……ではなく、ほんとうに病気で休んでおるのであります。また農林大臣の意向はどうだと言われましたが、私は今あなたが仰せられた具体的なことについては、まだ打合せをしておりませんが、私の考えを申しておきます。  先ほど申し上げましたように、食糧増産は一党一派の問題ではなくして、現在は国策ともいうべき重要問題であると存じます。そこでどうして増産をはかるかといいますならば、政府が声を大にすることもけつこうでありましようが、政府がいかに声を大にしましても、生産農民がこれに協力の態勢を示すようでなければ、私はできないと思うのであります。そこで根本は、いろいろ国のためであるとかいうことも大事でありましようけれども、米麦をつくり主食をつくると、経済的に得をするものである、そういうことを具体的に農民が納得して、初めて生産意欲というものが出るのではないか、こういうふうに考えております。そこでこの国会の中ごろには、御承知のいうに食糧自給促進法というような法律を準備いたしておるのでありまして、皆様の御審議を願い、御協力を願うことを御期待申し上げておるようなわけでございます。そういう観点から参りまして、農業政策といたしましては、この際どうしても税の軽減をなるべくその範囲を拡大して、そうして実質の手間金をよけいにしてやるということが、非常に生産農民を保護するゆえんである。そういう農業政策の観点からは、なるべく範囲が拡大されることを希望しておるのでありますが、一方義務供出その他につきましては、税の体系云云というような非常にむずかしい問題もございますので、その調節をはかつて参りたいと考えておるような次第であります。二十六年度産米につきましては、昨年御承知のような臨時立法をいたしたのでありまするが、二十七年度産米につきましては、皆様方の御熱意によりまして、現在大蔵委員会において審議が進行いたしておると思いますが、私どもは国会の意思を尊重して善処いたしたい、かように考えておる次第であります。
  29. 坂田英一

    坂田委員長 これにて暫時休憩いたし、午後一時から再開いたします。     午後零時十分休憩      ————◇—————     午後二時二十二分開議
  30. 坂田英一

    坂田委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  この際小委員会の設置に関してお諮りいたします。本委員会といたしましては、今期の初めにおいて国政調査事項の一つとして農業団体に関する事項について議長の承認を得ておりますが、最近諸種の農業団体の再編成問題について相当論議されております。つきましては本委員会農業団体の再編成に関する小委員会を設置いたしまして慎重なる調査をいたしたいと思いますが、この小委員会の設置に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 坂田英一

    坂田委員長 御異議なしと認めます。なおただいまの小委員会の員数、小委員及び小委員長の選任につきましては委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 坂田英一

    坂田委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。     —————————————
  33. 坂田英一

    坂田委員長 この際農業金融の問題につきまして野原正勝君より発言を求められております。これを許します。
  34. 野原正勝

    野原委員 私は農業金融の梗塞打開に関しまして、本委員会として決議をいたしたいと思うのであります。決議案文を朗読いたします。   農業金融梗塞打開促進に関する件   農業協同組合及び同連合会再建整備については農林漁業組合再建整備法による国の援助により、或る程度の効果を収めたが、今尚欠損金及び不稼動資産に見合う借入金の金利負担の重圧により、その経営は著しく圧迫せられ、再建整備の急速な達成が阻害せられているのみならず、組合系統金融機関のこの種貸付金の長期固定化に基いて、農業生産の拡充強化に寄与すべき系統金融機関としての機能の発揮が、著しく阻害せられている現状である。よつて政府は、かかる事態を率直に認識して、農業協同組合法及び農林漁業組合再建整備法を再検討し、組合経営の健全化を図るための総合的施策を強化すると共に焦眉の急たる農業協同組合及び同連合会の借入金の金利負担を軽減し、信用農業協同組合連合会における固定化債権の流動化を図るため、長期低利の財政資金を導入し、その利子を補給する等の方策を講じ、現下農業金融の異常なる梗塞状態を速に打開すべきである。  右決議する  以上決議案文を読み上げましたが、この決議案文に書きましたごとく、今日の協同組合の現状は、すでにここに本委員会におきましていまさら喋々を要せぬところでありまして、日ごろ委員各位よりきわめて熱心になるこの問題に対する意見が開陳せられておるところでありまして、われわれはさきに協同組合の育成強化のために農林漁業の協同組合の再建整備法案というものを審議いたしました際におきましても、その再建整備は徹底せる施策をもつて臨まなければならぬという強い要望をもつて、当時あの再建整備法を成立せしめました経緯があるのであります。その後再建整備法によりまして、固定化資産に対する利子の補給及び増資に対する奨励金等が出るようになつたのでありまするが、それをもつてしましてもなおかつ旧農業会当時から引継がれました赤字の債権なるものは解消せざるのみか、その他農業協同組合の持つておりますさまざまの稼動し得ないマイナスの資産というものは、そのままそつくりいまだに大きな荷物になつておるのであります。もとより再建整備法によりまして救われました面も相当大きいものがあると、私どもは率直に認めるものでありますが、当時再建整備法を審議いたしました当時におきましても、あのような微温湯的な対策をもつてしてはとうてい十分な再建整備は不可能ではないかというような、一抹の不安を持つておつたのでありますが、今日に至つては、これをよく見るならばまさにその通であります。はなはだ徹底を欠いたことはわれわれは率直に認めざるを得ないのであります。ここにおきまして、過去のことをとやかく言つたところで始まらない、われわれは今後の協同組合を育成強化し、そうして、わが国の当面しておりまする農政の画期的な躍進、食糧自給問題の根本的な解決に大きなその力を結集いたしまして、協同組合が奮然として立ち上つて、その経済活動が活発になり、そのことによつて初めてわれわれが意図している国内における食糧自給問題の真の解決が望み得るのであります。その意味におきまして私どもは、過去の政府のやり来つたことがいささか微温であつたという点をこれ以上追究はいたしませんが、今後は大いにその固定化債権の流動化、不稼動資産に対する流動化について適切な措置を講ずべきである。  しからばいかなる措置を講ずべきかという問題になりまするが、今日われわれの一応の調査によりますると、不稼動資産と目せられているものは約百三十億になんなんとしているがごときことでありまして、もとよりその内容につきましては十分検討の要もあり、また同時に協同組合の今後の運営につきましても、いろいろとその改善をはかるべき問題はたくさんあると思うのでありまするが、とりあえずわれわれは、この百三十億の赤字に対しまして、不稼動資産に対しまして何らかの方法をもつてこれに活を入れる、すなわち政府の低利の金融措置を講じ、そうしてそのためには利子の補給というような対策をもちまして、長期年賦償還というような形をもつて漸次その健全化をはかる、穴を埋めて行くということにいたしたいと思うのであります。その意味におきましてここに農業金融梗塞打開促進に関する決議案を本委員会で決定をいたし、強く政府にこの問題の解決を要請せんとするものであります。  簡単でありまするが、以上をもちまして決議案の趣旨を申し上げた次第であります。
  35. 坂田英一

    坂田委員長 御意見等があれば…。別に御意見もないようでありますから、野原正勝君発言による農業金融梗塞打開促進に関する件に関し、委員会の決議とするに御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 坂田英一

    坂田委員長 御異議なしと認めさように決しました。     —————————————
  37. 坂田英一

    坂田委員長 これより請願の審議に入ります。本委員会に付託になりました請願は、現在まで全部で百十七件であります。本日の請願日程に掲げておりまする百十七件の請願を、一括議題といたし審査を進めます。各請願の内容につきましては、すでに文書表によつて御承知のことと存じますが、先ほど理事会におきまして慎重に内容を検討いたしましたところによりまして、日程第六八以外の全部の請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 坂田英一

    坂田委員長 御異議なしと認めさよう決しました。なお報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 坂田英一

    坂田委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。     —————————————
  40. 坂田英一

    坂田委員長 引続きこれより陳情書審査に入ります。本委員会に付託された陳情書は、現在まで全部で百十二件であります。各陳情書の内容につきましては、すでに文書表によつて御承知のことと存じますが、現下の農業における諸種の重要問題を如実に反映いたしております。当委員会といたしましても、これらの陳情書の趣旨を十分承つておきまして、今後とも農業の振興に万全の努力を続けて参りたいと思つております。こういう意味におきまして、陳情書は了承という取扱いにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 坂田英一

    坂田委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。     —————————————
  42. 坂田英一

    坂田委員長 この際御報告いたします。野原正勝君外二十四名提出農業改良助長法を一部改正する法律案が本委員会に付託になりました。これより本案を議題といたし、審査を進めます。まず本案の趣旨について提出者の説明を求めます。野原正勝君。
  43. 野原正勝

    野原委員 ただいま議題となりました、農業改良助長法を一部改正する法律案の提案理由を御説明いたします。そもそも農業技術の改良が、食糧増産と農家経済の安定向上の基盤をなすものであることは、申すまでもないところでありまして、これがためには試験研究事業を拡充するとともに、その成果を農家に普及浸透させることがきわめて重要な事柄であります。  農業技術の普及につきましては、昭和二十三年農業改良助長法の成立以来、国と都道府県との共同事業として、国から補助金を交付し、着々とその成果をあげている次第でありますが、その効果をますます高めて行くためには、一層試験研究を充実して行かなければならないことはもちろんでありまして、特に普及に直接関係のある都道府県農業試験場の実地応用的な試験研究を拡充することがきわめて緊要なことであります。  さきに政府において実施いたしました試験研究機関の整備総合により、都道府県農業試験場は普及の中枢としての性格をきわめて強くいたして参つたのでありまして、普及事業の推進のためには試験研究と普及とは一体とならなければならないと考えるのであります。にもかかわらず、都道府県農業試験場における、普及事業を推進するための試験研究に対する助長措置は、ほとんど講じられていなかつたうらみがあると思うのであります。食糧増産の要請がきわめて緊急な現下の実情にかんがみ、急速にこれが態勢を確立する必要を痛感いたしまして、ここに農業改良助長法の一部を改正する法律案提出する次第であります。  この法案の主要な内容を申し上げますれば、その第一は協同農業普及事業に必要な試験研究を推進するために、都道府県農業試験場に農業改良研究員を設置しようとすることであり、その第二は、都道府県農業試験場の研究能率を向上するため、主要な研究施設を拡充しようとすることでありまして、これがため必要な経費の一部を国で補助せんとするものであります。  以上が本改正案の提案理由でありますが、何とぞ御審議の上すみやかに御賛成あらんことをお願いする次第であります。
  44. 坂田英一

    坂田委員長 本案に対し質疑を行います。
  45. 足鹿覺

    足鹿委員 一、二点簡単にお尋ねを申し上げておきたいと思います。清井改良局長にお伺い申し上げたいのですが、ただいまの提案理由にも触れてありますが、このようなことが今日まで放置されておつたということは、はなはだ遺憾に思います。もつともつとこれは早くこういう趣旨のことが実現されなければならなかつたと思うのでありますが、しかしようやく議員提案でこの運びになつたことは非常にけつこうなことだと思います。しかしこの問題につきましては、農業試験場なりまた地方の大学等々と農業普及員制度とのつながりは、一応できておりますが、まだ十分だとは私は考えておりません。なお農業試験場というものを運営して行くためには、これをある一つの組織の上に、個々の農業者あるいは農業者をもつて組織する研究機関、あるいは農業団体、あるいはその他これに関連する団体とのつながりを、私はもつと合理的に、そうして緊密になるような方向へ持つて行かなければならぬと思つております。たとえばなるほど大学の研究なり農業試験場の研究というものが、普及員を通じて流れて行く形にはなつておりますが、しからば個々の農業者や他の農業に関連のある農業団体やあるいは研究団体との有機的な、また組織的なつながりというものが、現在の農業試験場あるいはその他にはないことが非常に欠陥だと私は思う。たとえば、これは一つの仮称でありますけれども、農業試験場の運営委員会とでもいいますか、そういつたようなものを設けることによつて、農業者のいろいろな意見が組織的にまた合理的にその大学なり農業試験場の研究につながつて行く、またそのものがその組織を通じて流れて行く、こういうことが私は、現在の日本の農業試験場その他との運営を見ておりますと、必ずしも十分でないと思う。従来もそういう構想になつておるようでありますけれども、その点が非常に抜かつておると思います。地方の農民は、米を集めたりあるいは農産物を集めて、そうして自分たちの農業試験場をりつぱにしよう、こういう運動が最近各地で起きております。そういう農業者の燃え上る熱意というものが、農業試験場の運営にも建設的に響いて行くという関係が、何らかの形で打ち出されて行くことを私は希望しておるのでありますが、そういう点についての改良局長の御所見はどうでありましようか、これをひとつお伺い申し上げたいと思います。
  46. 清井正

    ○清井政府委員 ただいま御質問の点まことにごもつともな御意見と拝聴いたしたのであります。なるほど、普及制度が実施されて以来数年を経過しておるのでありまして、昨今ようやく軌道に乗つて参りまして、農業改良事業につきましては、専門技術員及び農業改良普及員が末端におりまして、それぞれ試験研究機関と連絡をとり、そして最も新しい試験研究の結果をすみやかに正確に農家に伝える役目を果しつつあるのであります。その農業改良普及事業の裏打ちとなる試験研究につきましては、ただいま提案者の方からお話がございましたが、国家の積極的な助成—私どもの研究の結果がまだ十分に発揮されないのは遺憾でありますけれども、思うように行つていないことはお話の通りであります。ただいまの地方の試験場に対します助成は、主として特定の事業にのみ限つていたしておるのであります。たとえば病虫害の試験であるとか、あるいは発生予察関係の試験であるとか、あるいは牧野関係の試験であるとか、事業々々を特定いたしましての普及事業の裏打ちとなる試験についての助成は、まだ法制度が樹立されておらないという実情であります。そういう意味におきまして、ただいま改正案が御提案になつたものと拝承いたすのでありますが、御趣旨まことにけつこうでございまして、私どもといたしまして、今まで努力は一応して来ておりますが足らなかつたのであります。さらにさらに試験場に対します一般的な助成、すなわち普及事業の背景となる技術の助成ということに努めて参りたい、こういうふうに考えております。  なおその際に、個々の地方の生産者とのつながりをどうするかという御質問でございまして、あるいは運営委員会のようなものに地方の農業生産者の声が積極的に直接反映するような機構を設けてはどうかという御意見でありますが、まことにその点もごもつともだと思つております。実は私どもも、常々試験場というものは一般生産者から遊離することなくして、実地に即した試験研究をなすことを念願といたしておるのでありまして、地域試験場はもちろん、各県の試験場におきましてもそれを旨といたしておるのであります。最近各試験場に対します一般生産関係の参観の方が非常に多うございまして、まことにけつこうなことであると私どもも考えておりますが、さらにこの傾向を助長いたしまして、生産者の直接の技術と試験場の技術が遊離することのないように進めて参りたい。試験研究の方も、もつぱら実地に即したものをさらに助長して参らなければならぬと考えております。そういう意味合いにおきまして、直接何か生産者の意向を聞くような機構を設けることも確かに一案であります。私ども実は来年の予算におきまして、地方の試験場にはまだ及んでおらないのでありますが、地域の試験場に一種の委員会のような、と言つては語弊がありますが、一種の生産者の声を聞くような会議を持ちまして、そこに地方の篤農家あるいは適当なる団体の代表の方等に入つていただきまして、直接そういうお方からいろいろな技術改良あるいは技術普及についての御意見を伺い、その伺つた意見を取入れまして試験場の運営に資する、こういう意味合いのものを設けたいと思いまして、来年の予算を要求いたしておる最中であります。ただいまのお話もその一端になるわけであります。地域試験場につきましては、御趣旨ごもつともでありますが、地方の試験場については、まだそこまで手が伸びていないのが現状であります。お話はごもつとでありますので、さらにこれを助長して参る、一部何かそういつた県があるようでありますが、できればこれをさらに助長いたしまして、各県の試験場につきましてもそういつた組織をつくつて行きたいと考えております。
  47. 足鹿覺

    足鹿委員 この予算は一億五千円余りのように聞いておりますが、これを全国にばらまくということになると、この程度では僅少なことになると思います。理想的にこの考え方を徹底しました場合には、大体どの程度のものが予定されるのでありますか。またこの法案の来年度における予算の裏づけというようなことにつきまして御意見を伺つておきたい。  それからこの機会に伺つておきますが、応用研究費というのが昭和二十七年からですか八千万円程度あるように私ども聞いております。これを各局なり各部課がもうほとんどぶんどりといいますか、ちやんとわくをきめておつて、新しいものも対象になるような運営がなされておらないように見受けております。しかも実情において、当然その応用研究費の対象になつて助長して行かなければならないような民間のすぐれた研究等もありますが、それが放置されております。八千万円と申しますと、金額にしてこれを数々のものに振りわければ少いようでありますけれども、それでも二十万から四、五十万円というものは、かわききつた地方民間の技術を研究し、いろいろ地方の産業なり農業の振興に貢献しているものにとつては、旱天の慈雨として非常に有意義な仕事だと思います。こういうような面はやはりもう少し門戸を開いて、各部課や林野庁その他のなわ張りできめてしまつて、その他に優秀なものがあつてもなかなかそのわくに入れないような運用では、実情に即しておらないと思いますので、この運営についてはこの問題等とも関連をして御考慮にならなければならないのではないかと思いますが、その点今後のお考えはどうでありますかお伺い申し上げて、私の質問を終ります。
  48. 清井正

    ○清井政府委員 ただいま予算の問題についての御質問がございましたが、私どもの今要求いたしておりますのは一億五千万円程度の金額でございます。これは主としてこのたびの法律によつて設置されました農業改良研究員の補助並びに試験研究その他を能率的ならしめるための研究の機械等がいりますので、そういうものに補助したいというので要求いたしておるのであります。もつともこれは二年度計画にいたしておりますので、当然来年度も少くとも同額のものは要求いたさなければならぬと思つております。全体から考えてどの程度の予想かというお話でありますが、これは実ははなはだむずかしい問題でありまして、やはり試験場でありますからには、県自体必要な試験研究もあるわけでありまして、そこまではなかなか補助の手は伸ばしにくい。しかし補助いたします以上は、普及事業と関連ある試験に対して補助する建前はやはり堅持せざるを得ない、こういうように考えております。ただいま各県の試験場を大体当つてみますと、一試験場当り平均経費は二千六百万円くらいになつております。そのうち人件費が千百万円、あとは国の補助というようなことになつておりますが、この程度のものではむろんいけません。今回の一億五千万円も県別にいたしますとごくわずかな金額になりますので、この額を将来さらに増額いたしまして、研究が円滑にできるように努力いたさなければならぬ、こういうふうに考えております。  それから第二の点の応用研究費の御質問でございますが、応用研究費は実は本年度農林省全体で八千万円ございます。昨年度は二千八百万円でございましたが、ことしは八千万円、大分増額になつたのであります。そのうち改良関係費として四千百万円ばかり支出いたしておるのであります。いろいろ御批判もありますが、四千万円の応用研究費についても、民間の試験研究機関あるいは大学等の試験研究機関から非常な御要望がありまして、その御要望のうちから、特に国家的な見地から見て適切であるというものに対して、最小限の研究を委託する、こういうことに努めて参つて来ておるのであります。ことに本年度は、こまかな問題はもちろん必要でありまするが、それよりもさらにいろいろな観点から総合的に研究を要する試験あるいは土壌の分析の問題とか、あるいは牧草の問題か、単に農業改良だけでなしに、畜産の面も開拓の面も総合的に研究する必要があろうと相当力を入れておりまして、その方面に研究を委託したものもあるのであります。その他物件等につきましてもあまた研究がある中に、いろいろ選択して出しますので、その選に漏れた人々から、いろいろ御要求が起つて来ておる。われわれとしても困つておるのですが、いずれも熾烈な御要求でございまして、こちらの方の出す金額は少い研究者の方に対しては、はなはだ遺憾に考えておるのでありますが、われわれ研究費の運用というものは、とにかく単に門戸をとざすというような批判がかなりにあるとしますれば、そういうことではいけないのでありまして、できるだけ御希望の方から、国家的に有用な研究題目を取上げて、それに対して補助をして参る、このようにして将来進めて参らなけれげならぬと思つております。明年度も相当な金額を要求しておりますので、本年度以上に予算が成立いたしますれば、その面に対する御要求も相当かなえるかとも思うのでありますけれども、われわれといたしましては何ら門戸をとざすということでなしに、それぞれの非常に必要なものについて取上げて研究していただく、こういう考え方でもつて委託をしておる、こういうような状況でございますので御了承を願いたいと思います。     —————————————
  49. 坂田英一

    坂田委員長 本案に対する質疑はなお続行中でありますが、しばらく本案に対する質疑は差控え、この際食糧問題について調査を進めたいと存じます。特に労務加配米等の問題につきまして質疑の要求がありますので、これを許します。足鹿覺君。
  50. 足鹿覺

    足鹿委員 食糧庁長官に加配米の問題でお伺いしたいと思います。現在の加配米はいろいろなものがあるでしようが、特に私の伺いたいのは、炭鉱労働者等に対する労務加配米の問題であります。全国二十数万に余る地下産業と申しますか、非常に重い、しかも日本産業の基幹を背負つて立つ労働者諸君に対して加配米の制度が行われておるということは、まことにけつこうでありますが、現在では少いうらみがあります。これは御存じのように、いわゆる労務に対する加配だと言つてしまえばそれまででありますが、炭労の長期ストのために、この先渡しが最近とだえました。それで現地の労働者は、非常な困難を訴えて来ておるのであります。働いた者に対する加配米の制度であるからと言つてしまえばそれまででありますが、しかしかりに労働者が坑内作業に従事してもしなくても、非常に少い加配米でありますから、これは急に腹の調整をとることはできません。従つてやはり加配米をもらつた程度の食習慣というものは、そう急激に改まるものじやありません。現在長期のストの関係からその適用がストツプされておりますが、これはりくつの方からいつて、なるほど加配米ということにこだわれば、そういうことになりますけれども、しかし労働組合がストライキをやるということは、別に不法行為ではなくして、あくまでも日本の法律によつて保障されたいわゆる争議行為である。しかも先般のストライキの長期の間におきましても、何ら秩序を乱すようなこともなく、整然として労働者の権利の主張をとなえるという形においてやつております。これらに対しましては、もちろんストライキ期間中の加配米を配給すると同時に、現在先渡し制度がストツプになつておりますために、非常に困窮をいたしておりますから、この点については当然政府としてもあたたかい気持でもつて、これらの労働者諸君の食生活の問題を解決していただきたいと思うのでありますが、食糧庁長官のこの問題に対する御所見、また具体的な取扱い方について、いかように考えておいでになりますか、お伺いいたしたいと存じます。
  51. 東畑四郎

    ○東畑政府委員 労務加配米制度が行われましてから、実はこういう長期のストライキが行われましたのは初めての経験でございます。加配米は稼働日数によつて渡すというのが一つの建前になつておりますので、ストライキが行れますと、現実として加配ができないという建前になつております。実はこういう長いストライキが行われまして、加配米制度をやつておりますと、多少ずれができまして、現実にストライキが決して働き出す時分には加配米が切れるという問題になつて参ります。それは過去に渡したものをためておけばいいのだと言つてしまえばそれつきりでありますが、私どもとしましても炭労の方から相当強い要望がありまして、せつかくストライキが解決したときに、こういう問題でまたごたごたするのも不本意でありますから、何かりくつと実際を解決する方法はないかというので通産省とも寄り寄り協議中であります。そしてこれは私見でございますが、ストライキ解決後は相当稼働も急激に上るであろう。従来二十日間が大体月の稼動日数であります。二十日間平均で加配米を渡しておるのでありますが、これをかりに今後労働者も稼動を上げるという建前で、二十五日くらいは月に働くということにいたしますと、五日分くらいは従来よりも多くなります。こういうことを相当継続して行きまして、結果として米はずつと平均して流れているのでありますから、過去の二十日分くらいを継続して参りまして、稼働日数によつてやるという従来の建前をくずさずに、現実に米を出して行くという解決の方法があるではないかというので、通産省とただいま事務的な話合いをいたしております。だから従来二十日間であつたものをストライキ後は二十五日程度の稼働があるであろう、こういう推定をいたしまして前渡しをして行つて、現実問題として米を減らさないで行けば、従来の二十日の稼働ぐらいはできるじやないか、こういうふうに実は思つております。なお炭労その他の要請等も若干ありますので、今政府部内において検討しておるような次第であります。
  52. 井上良二

    井上委員 この際加配米問題に関連いたしまして、先般もお伺いいたしたのでありますが、病院入院患者に対する配給米の問題であります。加配米につきましては、いろいろ従前通りの率を下げないようにお手配を願つておるのでありますが、基本配給の面で、その質が非常に低下しておるという陳情が、非常に各国立病院その他結核療養所等の入院患者からやかましく来るのです。それで今までやつておりました基本配給を、各入院患者にはほとんど米でもつて全量を配給しておる、これは当然の処置でありまして、おかゆを給食しなければならぬ者としましては、その質をパンにかえてみたり、あるいは一部麦にかえてみたりしましたのでは、これは耐き得ないのであります。それから基本配給を従前通り、入院している者には米で保障してやるということが必要でないかと思いますが、その点についてあなたの方によく報告がないじやないかと思いますが、一応御検討願いまして、基本配給を米でなしに、内地米でなしに、外米をまぜてみたり、あまいはまたパンを渡したり、そうして実際その病臥中の病人に給食上非常に支障を来しておるという実情であります。全体から考えればこれはほんのわずかな量だろうと思います。そういう点について、十分御検討の上ひとつ善処願いたいと思いますが、いかがでしようか。
  53. 東畑四郎

    ○東畑政府委員 病院の加配米につきましては、この前申し上げましたように、精神病等が四十グラム、その他が八十グラムと四十グラム、これを米百パーセントで渡すということであつたのでありますが、端境期を控えましてそれを若干食糧庁で切りましたのが問題になつたのであります。これは復活いたしたのでありますが、基本配給を全部米で渡す、こういうお話は実はきよう初めてお聞きするのであります。加配米は百パーセント米で渡しておりますが、基本の方は一般市民並に—全部米で渡すというのは、実はきよう初めてお聞きしたような次第であります。はたしてそれでいいかどうかは、もう一ぺん慎重に検討さしていただきたいと思います。
  54. 井上良二

    井上委員 私は元気な人に対して基本配給を考えろというのではなしに、実際熱を出して入院しております人の病食としては、お互いにおかゆ食がほとんど毎日のように必要であり、特に栄養を必要とする面からも、若い人はともかくとしまして、四十、五十というような人になつて来ますと、やはり米食になれておりますから、非常にその点は難儀をしておるようでございます。これがそんなに需給の上に大きな支障を来さない量でありますならば、これは親心をもつてめんどう見てやるということに—特に入院しておる人は、どちらかといえば働く者が多いのでありまして、やみの米を買つてはなかなか長い間続きませんから、この点は特にひとつ人情を持つて御指導をお願いしたいと思うのであります。  それからいま一つこの際伺つておきたいのは、例の配給小売店の登録の問題であります。多分来年の一月の中ごろから小売店の登録を新たにし、三月ごろには卸店の登録がえが予定されておるはずであります。従来やりました登録は、いろいろ関係から非常に競争が多くて、必要以上の混乱を至るところに見せ、またその登録店に当選をいたしますために、ものすごい運動資金を使つております。しかしいかにせん、消費者というものは一定不動のものでありまして、単に商人の利己的な立場からいろいろな面で行われる結果が、逆に中間経費を生み出さなければならぬことからして、不当な経費の支出をやりましたために、たとえば不徳な商行為が行われるというようなこともわれわれいろいろな面で訊いております。そこで政府としましては、依然として従来行いましたような競争による登録を認めて登録がえをやる予定ですか。それとも大体ここ二、三年やつた経験から、一応商権は安定した、あまり不正でなく、かつまた消費者からも非難のない登録店は、このまま認めて行く方が中間経費及び中間的ないろいろな副作用を防止する上からも必要でないかという意見もあります。これらの点についてどうお考えになつておりますか。この点大事な問題で、大事な時期でありますから、この際ひとつ明確にしていただきたいと思います。
  55. 東畑四郎

    ○東畑政府委員 小売店、卸店の登録の問題でございますが、過去二箇年間毎年一回ずつ登録をやりました結果、井上さんのおつしやいましたような、若干競争に伴う資金が多くいるという問題がマージン等の問題を起したり、いい点に弊害もあつた点は事実でございます。大体二箇年やりました結果、今日小売店が一店当り大体百俵程度の米を平均扱つておる。これは戦前の取扱量と大体同じような状態であります。これが少くなりますとマージンが非常に上る、政府としましては、まず平均百俵程度扱うことが、今の実情からいえば合理的ではないかと実は考えております。そこで登録問題等につきまして、登録をすべしという意見もちろんあります。登録をこの際延ばしてくれという要求もありまして、いろいろ検討しておつたのでありますが、全体の組織である全糧連、全米商連というのがございますが、ほとんど大部分、九割以上の意見が、この際延期してもらいたい、延期はするが、その間小売、卸の間に若干一斉登録ではなしに、ある必要が起つた場合には卸店をかえる、小売店をかえるという制度を何と考えてもらいたい、こういう要望が最後の結論として出たのであります。政府といたしましても、そう毎年毎年一斎登録をする必要もございませんので、この際は一応延期をいたしますが、その間小売、卸の間において、特に必要のある場合においては卸店をかえるということも、政府として必要な場合はやめてもいいじやないかという制度を新しくつくりまして、免許をしてみてはどうか、こういうことで実は内定いたしておるのでありますが、これは省令の改正でできるのであります。農林大臣の権限でございますので、私の庁で今案をねりまして、大体そういう方向で農林省としての意見を決定していただきたい、こういうように考えておるのでございます。
  56. 井上良二

    井上委員 これは非常は大事な問題ですから、この際お聞きしたいのですが、あしたからこの農林委員会はしばらく休みでありますから伺つておきたい。  それは、一つは、お聞きいたしますと、明後日あたりから米価審議会を開くらしい。この審議会は、小売価格を中心にした問題である。そうすると、米価審議会でいかなる緒論が出ますか、政府の考えております案と万が一異なつた場合、政府としてはいかなる措置をされる予定ですか。単に形式的に米価審議会の承認を得ようという態度でございますか、それとも米価審議会の意見はあくまで尊重して、もし米価審議会が公正なる答申をしました場合は、それを次年度予算なら次年度予算で更正するなり何なりするという方針をお持ちですか。これは食管長官としても、きわめて大事な問題でありますので、多少政治的な立場も入つておりますけれども、一応その点は明確にこの際お答えを願いたいと思います。
  57. 東畑四郎

    ○東畑政府委員 二十六日にやります米価審議会は、消費者価格を御諮問するわけでありまして、その諮問案等につきましては、たびたびこの委員会で申し上げました、政府の考えております消費者価格の御説明をいたしまして、それに関係する資料を詳細御説明いたしたい、そういうつもりでおります。その結果どういうことになりますかは、これは私として、誠意を尽して御説明をいたす以外のことは今考えておりません。結果につきましては、また別個に相談をしてみなければならぬ、こういうふうに考えております。
  58. 井上良二

    井上委員 もう一点確かめておきますが、もちろんその程度しか、今日のところは答弁はできぬと思いますが、米価の小売り価格及び生産者価格は米価審議会できめますが、先般食糧庁は食糧庁の扱つておる澱粉について、省令を改正して、澱粉の買上げをやることにあたつて澱粉価格を決定しております。この澱粉価格は、澱粉はもちろん食糧の中に今日では入つておりませんけれども、しかしそれをつくつておりますような畑作農家の方々には、非常に大きな影響を持つております。そういうものも一応米価審議会等の議に売して、公正な価格であるかどうかということを決定を願うともに、なおあの買上げ価格から逆算しまして、原料いもの価格がかりに二百円なら二百円と十貫当り押えまして、はたしてそういう割出しになつておるかどうかということが明確にされる必要があるのではないか。と申しますのは、政府が買い上げました澱粉の価格というものは、承るところによると—いろいろ調査してみなければわかりませんが、私の聞いたところによると、あの買上げ価格から逆算したもの原料価格をはるかに下まわつた価格で買うたいもで生産された澱粉が、ああいう価格で買い上げられておる。そうすると、あの価格で買上げてもらつた澱粉会社は、あの価格から逆算したいもの価格によつて生産農家にバツク・ペイをする必要があると思う。もしあの買上げ価格で逆算して、かりに十貫二百円なら二百円と押えて、二百円以下で買うたものによつて生産されたものが、二百円の価格で澱粉価格が買い上げられておる場合には、その差益金は当然農家に還元する必要があると思う。そういう措置がとられないと、いも作農家は何らの利益をもたらされないということになつて来る。そういうことができますか、どうですか。これは大事な問題です。
  59. 東畑四郎

    ○東畑政府委員 澱粉の買い上げを通しまして、いもの価格を安定いたします趣旨であることは、もちろんのことでございます。この価格決定につきまして井上さんの御意見がございましたが、私といたしましても、制度としてはつきりとこのいもの価格安定なり買上げ価格を安定いたします場合においては、米価審議会になるかどうかはわかりませんが、そういう民主的な御意見も聞いてやることが望ましいことである、こういうふうに考えます。ただいまのところは臨時的措置として、昨年も実はいたしたものでありますが、やつておりますので、これは閣議決定という政府だけの決定で実は決定をいたしたような次第でございます。将来の、制度として恒久化する場合はまた別個に考えなければならぬ、こういうふうに思います。  それから澱粉の価格といもの価格とは必ずしもつり合いがとれておらないというお話は、私も若干認めざるを得ないのでございます。これはまことに遺憾なことでございます。相なるべくは、政府の澱粉の買上げということは、同時にそれがいもの価格安定であるということが望ましいことだと思います。目下のところ、政府の買い上げる澱粉と農家との間の制度がございませんので、政府としてはそういうことをいたすわけには参りません。今後ともこれは立法事項として検討を進めてみたいと考えております。
  60. 川俣清音

    ○川俣委員 時間がありませんし、あとに緊急採決を願わなければならぬ問題もありますので、簡単にお尋ねいたしますから、御答弁願いたいと思います。  米の供出買上げは俵建になつておつて、しかも六十キロ建で供出させておる。従つて六十キロ建ということは検査日に六十キロあればいいということに了解してよろしいのでありますか。その点お尋ねいたします。
  61. 東畑四郎

    ○東畑政府委員 六十キロは検査当日六十キロあればいいのであります。従いまして検査前には、若干減ることをおそれまして六十キロより少しよけい入れる場合もあるようですが、検査当日六十キロあればけつこうだと思います。
  62. 川俣清音

    ○川俣委員 ところが東北、特に山形、秋田、新潟のような秋の天候の悪い所は、軟質米に加えるに十分な乾燥が行つていないことは認めなければならぬ。しかしながら六十キロ建で検査しておるのでありますから、当日六十キロあればいいはずでありますが、所によりますと、百匁ないし百五十匁、六十キロより以上に入れさせておりますが、これらの点については、将来返される意向であるかどうか。これは重大だと思うのです。かつて小作争議が起りましたのは余ますを返せというのが小作争議の発端になつておりますので、将来こういう問題が起ると思いますが、もしも当日明らかに百匁あるいは百五十匁入れておつたことが立証されますならば、返還されることが必要だと思いますが、これに対する御答弁を伺いたい。
  63. 東畑四郎

    ○東畑政府委員 具体的なことは私存じないのでありますが、検査米は水分検査もいたしておるのでありまして、水分が非常に多いと、目方がありましてもこれは等外になります。だから六十キロあればもちろんいいのでありますが、今、歩増し制度のお話がございましたけれども、将来は私の方でそういうことのないように厳重に申し渡しをいたします。過去のことについては、私は具体的な例をよく聞いておりませんので、何とも申し上げにくいのであります。
  64. 川俣清音

    ○川俣委員 検査の規則によりまして、等級には水分が影響することは当然であります。水分の含有量が多ければ等級が下るのは当然のことであります。また乾燥をよくしなければならないということも当然のことでありますが、六十キロ建で買われるのならやはり当日六十キロあればそれを認めなければならないと思う。そのためにあとに残される保有米にも非常な影響をして来ます。また供出量にも非常に影響して来るわけです。作報調査はキロでとつておらないはずである。石でとつておりますから、こうした天候地帯における石数あるいは生産量というものは、石でとつておりますので、生産量としてはあるけれども、俵に詰めでしまうと、それだけの生産量がなかつたという結果になるわけであります。これは結局補正にも影響して来るし、また保有米にも影響して来る。従つてこうした問題が将来起るのでありますから、これは返還される必要があると思うのですが、もしあれば—将来はそういうことのないようにするといいますが、あつた場合にはこれは返還されますか、どうですか。
  65. 東畑四郎

    ○東畑政府委員 これは供出でありましても、売買契約で買つておるのであります。一応買いましたものは、違法にやつておれば別でありますが、検査しましたものは返すというわけには参らないと思います。将来は六十キロということを厳重に申し渡すつもりであります。
  66. 川俣清音

    ○川俣委員 将来厳重はやられるということは、不当にとつたということをお認めになつたことです。従つてもしもそういう事実があれば、これは弁償されるなり—米で返済ということは非常に困難だと思いますから、弁償される必要があると思うのです。あるいは米に換算して追加支払いをされる必要があると思うのですが、この点はいかがでありますか。
  67. 東畑四郎

    ○東畑政府委員 一応買いましたものにつきましては、従来とも弁償したこともございません。私たちとして、具体的に秋田県の事情をお聞きした上で結論を出したいと考えております。
  68. 平川篤雄

    平川委員 先ほど足鹿委員から炭鉱労働者の加配米の問題をお聞きになつたので、私それに関連をして、ただ一点だけお聞きしたいと思う。何か将来二十五日分を確保するというようなお話でございますが、いわゆる消費県の労務加配米が、今度の麦の統制撤廃に関連して減量せられて来ておるということでありますが、これもまた炭労関係と同じように御考慮になるものでありますか。その一点だけちよつとお聞きしておきたいと思います。
  69. 東畑四郎

    ○東畑政府委員 労務加配全体の問題の御質問だと思うのですが、労務加配のうちの米食率につきましては、一般の基本配給につきましては米食率が非常に違うのであります。労務配給の米食率等につきましては、中央で流しますものと、地方で流しますものとあるのであります。なるだけ均一にした方がいいであろうというので、順次ずらしております。たとえば、現在六六%の米食率、六四%の米食率とがございます。炭労だけはもう少し多くなつております。そういうようにして順次米食率は均一化をはかつて行きたいと思います。
  70. 山本幸一

    ○山本(幸)委員 東畑さんにお聞きしたいのですが、実は先ほど足鹿委員から質問しました労務加配の問題ですが、炭労の諸君が非常に賃金が安いことは、あなたも御承知だと思うのです。そこで私ども考えるのに、今食糧庁で管理困難な悪い麦を相当お持ちだということを聞いているのです。この間その一部分が、飼料不足を補うために、飼料の方にまわされたということを私ども聞いておるのですが、この際炭労の諸君の賃金が非常に安いという点を補い、しかも量を要求しておるという点をにらみ合せて、そういう管理困難な政府手持ちの麦を炭労の方へ、いわゆる特別な価格をつくつて売却されるような方針があるかどうか、それをお聞きしたいと思います。
  71. 東畑四郎

    ○東畑政府委員 政府の持つております大麦のことだと思いますが、カナダ、アメリカ等から参りましたものの中に若干品質の悪いものがございます。こういうものは歩どまり等をよくいたしまして、なるだけ日本人の嗜好に適するような形で放出いたしますと、そう消費は困難でないと思います。炭労におきましても、必要な場合には随意契約で売つているのでありまして、今後とも労働者、農民等の要求があれば、これは私の方でも随意契約で売ることにやぶさかでありません。ただ価格につきまして特にこれを安くするということは、なかなか困難でございまして、農民に対しての配給等につきましても、卸売価格で末端までは渡すというのが精一ぱいであります。それ以上安くいたしますことは、会計法上の建前もありまして不可能でございます。小売をのけました卸売価格をもつて末端にお届けするということによつて相当安くなる、こう思つております。     —————————————
  72. 坂田英一

    坂田委員長 それでは引続き、先ほどの農業改良助長法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案に関して他に御発言はありませんか。—なければ、これより討論に入ります。     〔「討論省略」と呼ぶ者あり〕
  73. 坂田英一

    坂田委員長 討論を省略いたしまして、これより採決に入ることにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  74. 坂田英一

    坂田委員長 それではこれより採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕
  75. 坂田英一

    坂田委員長 起立総員。よつて本案は原案通り決すべきものと決しました。  なおお諮りいたします。本案に関する衆議院規則第八十六条の規定による報告書の作成に関しては、委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  76. 坂田英一

    坂田委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。     —————————————
  77. 坂田英一

    坂田委員長 ただいま野原正勝君外九十九名提出海岸砂地地帯農業振興臨時措置法案が本委員会に付託になりました。  本法案を議題といたし、審査に入ります。まず本法案の趣旨について提出者の説明を求めます。野原正勝君。
  78. 野原正勝

    野原委員 ただいま議題となりました野原正勝外九十九名提出海岸砂地地帯農業振興臨時措置法案につきまして提案の理由を御説明申し上げます。  四面海に囲まれたわが国の海岸線約四百万キロの随所に海岸砂地地帯が発達しておりまして、その面積は実に十五万余町歩に達するのであります。海岸砂地地帯は海岸に特有な潮を含んだ強風が四季を通じて常時吹き荒び、日本海岸の冬季においては風速十メートル以上の日が一箇月のうち二十日以上に及ぶという実情であります。この潮風が沿岸一帯の農作物に常習的な被害を与え、また河川から放出される土砂を海岸に堆積し、飛散して、家屋、農作物を埋没する等この地帯の農業並びに住民の生活に多大の害悪を及ぼしておりますことはすでに周知の通りであります。  これが対策として古くから海岸防災林の整備が先覚者の努力によつて行われ、現在海岸防災林の面積は約四万町歩に上つておりますが、いまだ不備のところが多く、ために五万六千町歩に及ぶ広大な不毛地がまつたく放任されているという状態にあります。特に戦時中、軍用施設としてあるいは軍需関係用材として伐採し、また戦後に率いては無計画な開墾等のために荒廃に帰した海岸防災林の面積は実に七千余町歩に上り、各地においてその被害はゆゆしき問題を提起いたしております。従つてこれらの不備ないしは荒廃した海岸防災林を急速に整備することが焦眉の急務として要請されているのであります。  次に海岸砂地地帯の農業経営の実情を見ますと、相当面積に上る砂耕地が不完全な開発状態のままに放任されているということができるのであります。このことは、一面において生産力がきわめて弱小な砂地であるということと、潮害、旱害等の災害が常時発生することに起因しているのであります。従つてこのような原因を一掃して、砂耕地の完全開発をはかることは食糧増産の上からも、またこの地帯の農業経営を確立する上からも寸刻もゆるがせにできないことであります。特に旱害防止のため一部地方にありましては、酷暑灼熱の候において、二箇月有半の間ほとんど欠くことなく水くみ灌水をして辛うじて収穫をあげているという実情にあります。この苛酷な水くみ労働の合理化は、農民生活の改善上速急に解決を要する事項であります。  以上海岸砂地地帯の防災林と農業経営の実情の一端を述べたのでありますが、戦後における諸情勢の推移に伴いまして、海岸砂地地帯開発の要請は急激に高まつて来たのであります。すなわち近時沿岸漁業の不振により多数の漁民の農業への移行を迫られており、また内陸農村においては、戦後特に人口問題が重大化しつつありまして、海岸砂地地帯は増反開墾ないしは、二、三男の入植の対象として着目せられ、開発の促進が漁村と内陸農村の双方から具体的な日程に上つて来たのであります。これを要するに海岸防災林を整備して、沿岸一帯にわたる農作物の常習災害を未然に防止するとともに、新たに農地を造成し、あるいは畑地灌漑等の施設を講じて農業生産を安定する等、海岸砂地地帯を速急に開発し、日本農業が当面する最大の課題とも申すべき食糧問題並びに、農村人口問題の解決の一端に資するとともに、低水準に置かれているこの地帯の農家経済の確立、並びに農民生活の改善向上をはからんとすることを主眼といたしまして、ここに本法案を提案いたした次第であります。  次に法案の内容、条文につきましては、積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法その他既往の特殊法とほぼ同様でありますので、詳細は説明は省略いたしますが、その骨子とするところは国の財政、金融の両面から援助を与えて、災害防止のための海岸防災林の造成並びに畑地灌漑等の土地改良事業と営農改善の基幹施設を総合的かつ重点的に実施することを規定いたしておるのであります。  以上が本法案の概要でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げる次第であります。
  79. 坂田英一

    坂田委員長 本法案に対する質疑は次会に行います。  暫時休憩いたします。     午後三時三十一分休憩      ————◇—————   休憩後は開会に至らなかつた。