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山下(春)
委員 私はむろんしろうとでございますから、私の計算が間違
つていると言う方が、あるいは早いかとも思いますが、ただいまの二等兵を兵長に上げるということでございますが、何億ということにはならなくて、私の計算からいたしますれば、二等兵を兵長に上げましたその差が二千万円しか出ないのでございます。非常に大きく出れば、私もそういう乱暴なことはもちろん申し述べないのでありますが、二等兵を兵長に直しますことにおいて、わずか二千万円でまかなえるとすれば、幾らもふえませんけれ
ども、非常に気分がよろしいと思うのであります。それから上の方も、そう乱暴なことを申してもそれは通らない議論ごでざいますが、かりに将官、佐官、尉官あるいは准士官、下士官というふうにわけて見ましても、大将を少将でがまんしてもらう。大佐を少佐でがまんしてもらう。こういうふうな計算をいたしまして、大体私の計算では四億一千万円出ることにな
つております。これは計算の仕方がいろいろあろうと思いますが、大体の人数は私も調べて見たのでございます。たとえば大将四十名、中将九百五十名というような
数字も調べました。大佐五千四百人、中佐四千三百七十人、こういうものを調べてみました。そういうものの
数字によりまして計算いたしまして大体四億一千四百万円ばかり、上の方を少しがまんしていただくことにおいて出る計算をしてみたのでございます。それにいたしましても現在の予定のわくよりも一銭も出ないということは、これだけの人数をふやすのでございますからできませんけれ
ども、しかしながら先ほどからるる申し上げますように、これらの切り捨てられる人々の身にな
つて考えますと、これはちよつと解釈ができないと思います。
軍人恩給特例審議会の
委員の方に私がいつかこういう問題を——不平等な考え方によ
つてコンクリートされた今度の案というものに対してどうも納得行かないものがあるが、そういう納得の行かない
人たちにはどう言
つて答弁すれば一体みなが納得してくれましようかと申し上げましたところが、火事があ
つて隣りまで焼けておれは助か
つた、こういう
気持でひとつがまんしてくれ、これでは何としても私
どもはがまんができないのでありまして、この計算が私
どもしろうとで多少ずさんであろうと思いますけれ
ども、二千万円くらいな差でまかなえるのでございましたならば、これはまんざら架空な
数字ではございません。私も大分勉強してこれは計算を出したのでございます。二等兵を兵長に
引上げるということにおいての差は大体二千万円そこそこで間に合うと思うのでございますが、それよりも何よりも私、
局長にまずも
つて最初に申し上げた点なんでございますが、こういう問題をきめますときに
恩給法というものを頭の中に描いておいていただくと、どうしても私
ども納得の行く返事ができないし、またしたのではおかしくなるのでありますが、
吉田総理は今日でもなおかつ保安隊は軍隊ではないと言われるのです。そうすると日本には将来
軍人はできないと思います。そこで保安隊員が将来
軍人になるだろうという仮定に立
つて私は御苦労なさる必要はないと思う。
従つて恩給法の一部
改正でなしに、旧
軍人恩給の特例法案、あるいはその他の適当な名前をも
つてこれらの人々をほんとうに救済——救済という
言葉でさえ私はいやなんで、何とか国としては感謝し、補償してあげる
気持でなければいけないと思うのでございますが、重ねて
恩給局長にひとつ
恩給という
気持を離れて、非常にいい案があ
つたらそれに妥協して考え直そうというお
気持があるかどうか、ぜひひとつほんとうの腹の中を言
つていただきたいのであります。