○小笠原国務大臣 お話のような点が多々あると思います。但し東南アジアの市場でも、中南米市場でも、
日本の品物が全的に負けておるわけではございません。相当出ておることは今なお続いておりまして、これらにつきましては、御承知のように、たとえば支払い条件をどうするとかいうことも非常に大きく影響しておるのでありまして、今度
日本の方におきましても、今まではできなかつたことでありますが、今御
提案申し上げておる輸出入銀行法によりまして、向うへ数箇年にわた
つて投資ができるというようなことにも法を改めておりますので、こういつた面からも、今後は輸出の面が相当活発にな
つて行くのじやないか、かように
期待しておるわけです。けれども
現状としてよくないことは、私どもも認めざるを得ませんし、認めればこそいろいろ努力を傾注しておる次第であります。なお
国内のものにつきまして、今お示しのように、中には非常な
出血受注をしなければならない情勢に追い込まれておることを何と見るか、出血という言葉がよく言われておりますが、しかし真にどの
程度の出血かということは
通産省の方で調べておりますが、まだ
はつきりした結果を得ておりません。しかしいわゆる出血という言葉で言われておるくらい相当きつい
注文に応じておることは間違いないことでございまして、それらの事柄等もやはり
日本の国としては大いに
考えさせられる点が多々あると思うのでございます。しかし右左にそれならこうやるという即効薬がないことは、実は私どもたびたび申し上げ薫る
通りでございます。
従つてやはり急がばまわれで、もう五年先に行
つておると言われますが、たとえば私どもが石炭の縦坑開発をはかり、あるいは各種の
措置をとることによりまして、炭価の引下げをはか
つておりますと、現にもうすでに相当下りつつあります。おそらく四月、五月になりましたならば、よほど下
つて行くであろうというふうに私は
期待をいたしておるのであります。昨日の新聞でしたか、もうこういうふうに下
つて来たのでは、中小の炭鉱にそろばんがとれぬものがあるからどうこうということが記事にも見えておりまするし、石炭はすでにバイヤーズ・マーケツトにかわ
つておることは、どなたも御承知の
通りであります。そういうわけで、私どもはできるだけ早いことを希望しますが、そうく右左に、ぎようこういう政策を出したから、翌日こう
なつたというものではございませんが、この政策を根気よく続けて参りますと、たとえば電源開発も、一挙にして何百万キロワツトというものを開発はできません。しかし天龍川も今年着手します。あそこでも三十五万キロワツトのものができ上る。それが二年でできますれば二年でこういう効力を生じて来ます。少し言葉は悪いかもしれませんが、時間をかしてやらないと、やはり右左にそう言
つたのにすぐそうならぬじやないかとおしかりを受けても、もう少しお待ちくださいと申すほかはない次第でありますが、方策といたしましては、ずつとそういうくあいに世界のどことも
競争ができ得るようなところに持
つて参りたい、こういう
考えのもとに、
政府としてなし得る最善の方策をとりつつある次第でございます。