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1952-12-22 第15回国会 衆議院 通商産業委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十二月二十二日(月曜日)     午前十時五十二分開議  出席委員    委員長 坪川 信三君    理事 小金 義照君 理事 高木吉之助君    理事 河野 金昇君 理事 永井勝次郎君       大倉 三郎君    河合 良成君       首藤 新八君    辻  寛一君       中峠 國夫君    福井  勇君       福井 順一君    宇田 耕一君       長谷川四郎君    山手 滿男君       加藤 清二君    木下 重範君  出席政府委員         通商産業政務次         官       小平 久雄君         通商産業事務官         (通商局次長) 松尾泰一郎君         通商産業事務官         (重工業局長) 葦沢 大義君         通商産業事務         官(繊維局長) 徳永 久次君  委員外出席者         通商産業技官         (工業技術院機         械試験所長)  佐々木栄一君         専  門  員 谷崎  明君         専  門  員 越田 清七君     ————————————— 本日の会議に付した事件  武器等製造法案内閣提出第三一号)  繊維に関する件     —————————————
  2. 坪川信三

    坪川委員長 これより会議を開きます。  本日は先日に引続きまして繊維に関する件及び貿易に関する件について質疑を続行いたします。質疑の通告がありますので、これを許します。加藤清二君。
  3. 加藤清二

    加藤(清)委員 実は先般改進党の方方が御質問なさつた趣旨と、趣旨は同じでございまして、御承知通りただいま繊維業界不振のために、東海、近畿地方では倒産続出して、このままの状態で放置しておくならば、繊維業者はもちろんでございまするが、それに関連のある一般業者で、今までそれぞれのなれ合いを保つて続けて来たものも、ただちに大きな影響を受けることになりまして、大きな社会問題を来すおそれがございます。そこで、さしあたつて政府はこの問題についてどう対処されようとしているのか、まず総括的な質問をしたいと思います。
  4. 徳永久次

    徳永政府委員 非常に大きな問題でございますので、大筋だけ申し上げてみたいと思います。繊維の最近の不況原因を分析して考えてみますと、一つ輸出の不振、一つ生産過剰、一つ原料価格暴落一つ日本業者資本力経済力の、いわゆる戦後の経済基盤の弱さ、そういうことに原因しておると考えるわけであります。  以上のうち原料価格暴落に関連いたします事項は、いわば国際的な問題でもあり、また国際商品を扱つております繊維産業の特質ともいうべきものでありまして、われわれの方でこの大勢をかえることができない面もあろうかと思います。そのほかの事項につきましては、政府といたしましても、できるだけの対応策考えなければならないことになろうかと思います。従いまして繊維産業が、輸出比重が非常に高いという面から、輸出振興ということを考える、第二には需給調節に役立つ政策考える、第三には経済基盤の弱さから来る金融問題について、できるだけの措置考える、大きく申しましてさようなことになるのではなかろうかと考えて、われわれ努力いたしておるわけであります。
  5. 加藤清二

    加藤(清)委員 考え方につきましては、大体繊維局長と一致しておると存じまするが、輸出振興につきましては、先般少し触れられておりますから、今日は国内的に見て、さしあたつてこの窮状を打開するためには、どういう政策に出たならばこれを救うことができるかという点について、どんなお考えを持つておられるか、承りたいと思います。
  6. 徳永久次

    徳永政府委員 生産調節措置につきまして、現に繊維関係中心的な動きをなしておりまする綿関係につきまして操短をやつておるわけでありますが、この今の操短の方式をより合理的なものにする方法はないかということが、私ども一つ研究課題になつておるわけであります。と申しまするのは、今の制度政府が毎月需給推算をいたしまして、業者別生産量をきめて、全体の生体量をきめて行くというやり方でございますが、これを業界の自治的な形できめて参る方がより適切な運用を期し得られるのではなかろうかと考えておるわけであります。その方法といたしましては、独禁法の改正あるいは同じような趣旨のために別個の安定法といいますか、さようなものをつくつて行くということが一つ、それの補完的なものといたしまして、これはまだ省内全体としての研究課題とまで申し上げるところまで進んでおりませんけれども、一昨日も申し上げましたように、繊維に関しましては繊維設備制限というここが適当ではなかろうかというふうに考えているわけであります。さらに生産調節の補完的なものといたしましての効果もあると考えられますところの原綿割当についてのAA制の撤廃ということも操短一つ考えているわけであります。さらにまた業界から目下研究されておりまする需給調節の手段としての製品買上げ機関、あるいは融資機構というようなものにつきましても、政府側としましては、問題をいろいろと含んでおりますけれども、この成行きを好意的に見守りつつ、社会的へ是認されるような案に固まりました場合には、それに援助を与えるというようなことを考えているわけであります。
  7. 加藤清二

    加藤(清)委員 操短強化という言葉がございましたが、これはすでに行われていることでございますけれども、大紡績操短強化は、言うべくして行いやすいことでございますが、新紡、新々紡のように、本綿以外の落綿を購入してこれをつくるものについては、一向今日の状態ではさしつかえないような状況になつておりまするが、これについては一体どうお考えでございますか。
  8. 徳永久次

    徳永政府委員 従来の生産勧告やり方におきましては、業者別仕事量というものをきめて指示いたしているわけであります。実績に徴しまして、正確な数字はわからないのでありますが、役所の取締りの能力、機能等から見て、現実にその通りに励行されているかどうかということに非常な疑問が持たれて来ているわけであります。さようなことから、これを逆に申しますと、業界の一部では役所生産指示量をおかまいなしに原料を手当して、余分の生産をしているというようなことも言われております。それが一つ綿花そのものといたしましてのAA制雑綿が自由に買えるからということでやつてつた。それからただいま御指摘落綿原料として生産するものをどう考えるかということでございましたが、この点も実は目下私ども研究課題になつているわけでありまして、雑綿につきましてのAA制の廃止と関連して、落綿についても同じように原料としての効果利用価値を持つているとすれば、それも同様に扱わなければ、やはり局部的でありますが、原料統制がしり抜けとなる面があるのではないかということで、目下研究中であります。
  9. 加藤清二

    加藤(清)委員 先ほどお話のありました商品金融会社とかあるいは綿糸布滞貨買取り機関というものがぼつぼつ方々でうわさされているようでございますが、これについてのお考えはいかがですか。
  10. 徳永久次

    徳永政府委員 一昨日申し上げましたけれども、その点につきましてはただいまのところの段階は、私どもとしましては好意的に見守りながらもう少し具体性を持つた案の固まることを待つているというのが、率直に申しましての私どもの今の態度でございまして、しかも業界には二案ございまして、紡協関係の買上げ機関的な機能のものをつくろうという案と、輸出組合関係融資機能的なものをつくろうという案と出て参つております。まだいずれも未熟な点が残されているわけでありまして、未熟な点を固めてもらうということが一つの問題でありますほかに、綿業界といたしまして二つはいらない、一つでたくさんではないかということが考えられますので、その間の調整を業界内部ではかつてもらうように私どもとしては要請いたしているというのが現在の状況であります。
  11. 加藤清二

    加藤(清)委員 市況の安定をはかるにあたりまして、操短強化するだけでは不十分である。従つてここに滞貨の買取り機関とかあるいは商品金融会社を設立さして、これに繊維滞貨金融をしていただきたいということは、業界の前々からの声でございますから、ぜひ政府の方におかれましても、早急にこれに対する措置を進められまして、業者を救つていただきたいと考えているわけでございます。と同時に先ほどお話のありましたように、どう考えてみても、今日の繊維国内需要終戦直後に比べて上つているのでございます。御承知通りですが、家計費の支出の状況から見ても、終戦直後は食費に五〇%以上を使われていたのが、今年の東京都のそれを見ましても、四〇%台に下つていて、逆に衣料費がふえている。需要はふえているにもかかわらず、今日この状況を見せているということは、先ほどのお話通り生産国内需要を満たしてあり余るということなんです。そこでこの見地に立てば、当然今日の不況を打開するには、輸出振興をはからなければならないのですが、輸出振興の第一に難関となる点は、為替の問題だと思いますが、これは繊維局長に聞くのはちよつとお門違いだろうと思いますので、別な面でですが、戦前紡績商社も、自己資本を非常に大きく持つていて、この自己資本おかげ貿易が盛んに行われたものでございますが、今日の商社はごらんの通り自己資本を持たないし、為替を自由に使う力を与えられておらない。そこで考えられることは、製造面及び滞貨金融にのみ重点を置かずに、生産金融から流通部門をも含めた広汎な観点に立つて金融を移行することが必要ではないか。言いかえれば外国商社側にも金融のわくを広げる必要があるではないか。このように考えるわけでございますが、繊維局長はどうお考えでございますか。
  12. 徳永久次

    徳永政府委員 商社に対する金融力を強めまして、商社機能を活発にすることについてどう考えるかというお尋ねと思います。その点は私ども同感でございまして、輸出振興観点に立つて現状考えてみますと、戦後の貿易商社は、昔に比べて日本におりながら商売しておるという感じ、昔は海外各地に出張りながら、市場を開拓しながら商売をしておつたという感じ、その間に非常な隔たりがあるように思うのであります。その原因商社経済力の弱さ、資本蓄積の乏しさ、戦争以来の海外貿易の道が閉ざされておりました関係から、熟練した経験を持つた陣容の不足、さようないろいろなことが考えられております。商社強化ほんとうに正しい貿易を伸ばす道ではないかということは私ども同様に考えておるわけであります。
  13. 加藤清二

    加藤(清)委員 それに対して、たとえば租税負担の軽減とかあるいは金融とか具体策があるかないかということを承りたい。
  14. 徳永久次

    徳永政府委員 これは私からお答えするのは少し筋が違いますが、通商局中心になりましていろいろな具体策考えておるわけであります。ただいま御指摘ございましたような税法上の扱い、たとえば海外の支店の設置のための準備金積立て制度を設けるとか、あるいは商品価格変動に対する準備金制度を設けるとか、あるいはさらに御承知のように、貿易商社は昨年の綿製品及び新三品の暴落によりましてたいへんな痛手を受けておりまして、そのために金融上非常に苦しくなつておりますので、その金融をある程度たな上げしまして、新規な仕事を元気を出してやつて行けるような金融的な援助大筋はさようなことになろうと思います。さような線を中心としまして、通商局具体案をまとめ、大蔵省その他と折衝中であるというふうに承知いたしております。
  15. 加藤清二

    加藤(清)委員 繊維局長さんにもう一点だけお尋ねいたします。近ごろ繊維輸出不振、輸出の悲観的な状況にかんがみて、繊維工業はもう先が薄い、そこで国内産業重工業に移行すべきであるというような声が起つておりますが、これについて繊維局長は一体どのように考えていらつしやるか。実はこの問題について先般改進党の方が御質問なされて、その答弁に不満の意を表しておられましたが、私もしごく同感でございましたので、きよう日をあらためて承るわけでございますが、いかがでございますか。
  16. 徳永久次

    徳永政府委員 先日の私の答弁少し不徹底であつた点があると思いますが、繊維産業現状ないし将来というものを考えてみますと、統計的に見てみまして、昨年は輸出において繊維の占めております比重は四三・七であつたと記憶いたします。日本貿易の約半数近いものが繊維品輸出によつて構成されていたということでございます。日本経済力の円滑な回転という面から、繊維がその力を失つてはたいへんだという事情はその数字が端的に示しておると思います。繊維にもよるけれども、極端に表現いたしますれば、繊維日本で一番国際的な競争力を持つておる産業であるというふうに考えるわけであります。その面から見まして、競争力を強めるという点ではそう国のやつかいにならなくてもまだ輸出を伸ばせるだけの力を持つていると考えるわけであります。さらに最近の貿易状況考えてみました場合、将来性があるかどうかという点でございます。よく一部で伝えられますように、農業国が工業化します際に、比較的低度の技術でできるという意味で、繊維産業あたりから入つて行くということが言われている。従いまして、その面から繊維の将来は暗いんではないかということも言われるわけであります。さような傾向があるということは確かでございます。確かでございますが、しかしながら昨年なり一昨年なり戦後の国際貿易の内容を見てみました場合に、戦前に比べまして綿製品国際貿易量は約七十億ヤールから五十億ヤール単位に減少いたしております。しかしそれを内容的に見てみますと、減少いたしましたものは、各国の綿の需給が進んだ結果としてという原因よりも、農業国購売力不足というような面の方が大きいわけでありまして、大勢としてまだ伸びる将来が残つているということが言えると思うわけであります。また先ほどもちよつと申しましたように、日本貿易が力を一ぱい出しているかどうかということを考えますと、戦後は商社の活動が十分でない。すなわち市場の開拓が十分に行われていないのが現状だと思うわけであります。昨年の地域別構成を分析して考えてみますと、インドネシヤとパキスタンが二五%というように市場的にも非常に片寄つているわけであります。この片寄つているということは、逆にまだ手が伸びていないということを意味しているのでありますから、その方面の努力次第でまだ伸びる余地が相当あるということも言えると思うのであります。もう一つの問題は、西欧諸国輸出に対しまする助成政策は相当徹底したものがあるように見受けられるのでありまして、この点は政府といたしましてもその実情を詳細に調べた上で、よそに負けないだけの援助ということを考えるべきではないかということで、その実情調査通産省から人をドイツにやつておるというような事情でございます。さような点で外国の積極的な助成政策のために、日本のすぐれておる長所が幾らか消されておるという点、これが日本外国並にやれば、消されないで済む。済めばそれだけまた伸びる余地があるという点が残されておると考えるわけであります。  以上のようなことから考えまして、すぐあすからというわけには参らないにしましても、まだまだ繊維輸出は伸びる余地が相当残されておる。しかも最初に申しましたように、国際的な競争力というものは、裸で十分の力を持つておるということを考えるわけです。ただ重工業日本輸出その他を持つて行くということは、非常に長い将来の姿と日本重化学工業現状ということを考えますと、いつの日か各国自給態勢が進みました場合に、軽工業品を買つてくれないということになるかもしれないおそれを含んでおるわけであります。しかも日本重化学工業品の国際的な競争力というものは、まだまだ弱いのだという現状にあるわけでありまして、今からそういう重化学工業品が国際的な競争力を持ち得るように、あらゆる手をやつていなければ、そういう事態が来たときに間に合わないという点は、確かにあるわけであります。さような点から、通産省政策の中に、重化学工業の国際的な競争力を伸ばすためのいろいろな政策を、今から一生懸命打つて行かなければならないという点、これまた正しい政策であるというふうに私ども考えております。
  17. 加藤清二

    加藤(清)委員 繊維局長きようはたいへん力強いお答えをいただきまして、頼もしく思いました。この間は実にこういう繊維局長では困つたものだと思つておりましたのですが、きようは幸い力強いお答えをいただいてありがたいと思つておりまするが、とにかく将来の繊維輸出状況というものは、私端的に言つて、悲観的に見る人もありまするが、私は遺憾ながらそれには反対せざるを得ないのでございます。実は私インドにも、パキスタンにも、ビルマにも、最近行つて参り、その土地の業者にも、あるいは日本海外事務所というか、あのできました領事館の方々にも会つて、いろいろ状況を聞いて参りましたのですが、農業国工業国自給自足に移行するので、将来日本繊維産業輸出不振に陥るのではないかというこの考え方は、杞憂にすぎないと思います。なぜなれば、今インドパキスタンもそうでございまするが、あちらの国は自給自足をしようという気持で、ちようど日本の明治維新のそれのように、政府側も、国民側も、業者側も、一生懸命になつていることは事実なんです。ところでここへかりに紡機を入れましても、あるいは織機を売り出しましても、あの厖大な二億八千万という東亜の民族の繊維需要を満たすには、ただいまの機械設備進展状況から見て、なお二十年の余地はある、このように専門家はそろばんをはじいておるのでございまして、ちよつと機械が出て行つたから、ちよつと紡機が出て行つたから、もう日本綿加工のような品物が売れなくなるじやないか、このように考えるのは早計にすぎる、こう思うわけであります。従つて繊維局長としては、悲観的な立場に立たずに、ほんとう戦前においては、日本業界が中国にも、インドにも工場を出張させて、向うの需要を満たしておつたときのことを考えていただけば、まだまだ今くらいの国内商品過剰で、もうこれで参つたというような考え方ばなさらずに、とにかく業者指導育成もさることながら、ますます強化するような方途に出ていただきたい、こういう考え方を持つているわけでございます。  そこで輸出振興の上に特に一つ考えなければならないことは、日本繊維工業界も、戦争中の空白によつてやや技術が遅れている面がある。紡績とか機とかいう方面には、さほどの進展は見ていないのでございまするが、仕上げ加工の面において、外国ではもう長足の進歩を遂げている。そのおかげで、せつかく日本方々が汗水流してつくられた繊維というものが、アメリカイギリスバイヤーに買われて、ほんのお化粧をするだけのことによつて外国バイヤーの方が二倍も三倍もの多くの利益を上げているというのが、現状でございます。実例を申し上げましよう。私の着ているこの服は、だれだつてメイド・イン・イングランドだと考えるでございましようが、これはオキュパイド・ジャパンでございます。日本にはこれだけの技術がある。ただ綿の仕上げにおきましてやや劣る点がある。けれどもこれを早急に改革しようとしても、御承知通り、毛においても綿においても、仕上げ加工技術という点、これの工場設備には厖大な費用がいる。そこでこれだけはどうしても将来の輸出振興立場から、技術研究の面と、工場経営の面に政府援助がなければ、外国では手をあげて待つておるお客があるにかかわらず、日本商品は、日本人の手から外国人に直接ほしい人に売ることができない。イギリスアメリカの手を経て、化粧されて、向うべ売らなければならない。こういう状況にますます追い込まれて、いよいよ輸出不振をかこたなければならないのじやないか、こう考えますが、この点について最後繊維局長の意向を承りたいと存じます。
  18. 徳永久次

    徳永政府委員 繊維産業染色整理等加工段階におきまして、技術的にやや遅れがあるということは、戦後注目されておりまして、従いまして通産省といたしまして、これまで染色整理設備近代化につきましては、たとえば開発銀行融資の対象にするとか、あるいはその関係機械の輸入とか、技術の習得とかいうことについては、常に好意的な態度で促進して行くような施策を従来とつてつておるわけでございます。私どもお話のように、その欠点を頭に置きながら、一日も早くとりもどそうということについて努力いたしておるような次第でございます。
  19. 加藤清二

    加藤(清)委員 最後に、池田通産大臣さんが首になられた折に、繊維株が立ちどころにストツプ高上つたということをどう考えていらつしやるか。……(「いらぬことを言わぬでもいい」と呼ぶ者あり)いや、これは大いに関係がある。これを実は新しい通産大臣に承りたいのでございまするが、いらつしやらないから、いずれかのときに譲りますが、とにもかくにも過去において金融面にのみ力を入れて、繊維に力の注ぎ方が足りなかつたではないかということを大いに反省していただいて、今日の聞くも涙、語るも涙という繊維業界の大不況を打開するにはどう手を打つたらいいかということを政策の面によく御研究をいただきまして、今繊維局長の言われましたこと、これは一部分にすぎないでしようけれども指導育成強化立場に立つてぜひ今おつしやられたことを強行さるべく次の新しい予算に盛られまするよう希望いたしまして、私の質問を終ります。
  20. 山手滿男

    山手委員 今社会党の左派の加藤君は繊維局長非常に頼もしいというような御発言をされましたが、私は逆であります。さつきからのお話を聞いておりまして、私は非常に心細くなつたのです。と申しますのは、今日の繊維業界実情は、国際的に非常に競争力がある、ただわずかながら外国の政治的な手によつてその輸出力というものが消されている、それを消しもどすことが必要だという程度に消極的で、それ自体が非常に競争力を持つておるようなお話でありましたが、私はそれは逆である、今日コストがわずか一円や二円安いからとか高いからということで、品物がわずかばかり安ければ輸出がどんどんきくという状態なら問題はないのです。ところが価格が少々安くても、品物が少々よくてもそれだけでは出ないというところに今日繊維業界の非常に大きな悩みがあるのであつて繊維局長さつきから言うことは、私は今日の業界実情、実態とは全然逆であろうと思うのです。今日、日英支払い協定の問題にいたしましても、あるいは為替の問題にしても、あるいは英連邦首相会議の結果を見ましても、日本繊維製品というものが少々競争力を持つておるから、それで簡単に外へ出て行く、競争力が十分あるのだから、政府はちよつとそれに助言を与えればいいという程度で、それで済んで行くというような考え方繊維業界保護者であるところのあなたがお持ちであるならば、これはたいへんな認識不足である。これは大いに考え方を改めてもらわなければいかぬ、心細いと私は思います。そこでさつきの話もありましたが、輸出組合の方からはこういう案が出ている、紡績協会の方からはこういう案が出ている、それであなたの方で何か話をしたらという程度に、この商品金融会社の問題にしても、言つておる程度だというふうな消極的な話でありましたが、繊維局長としてはこれを一本にまとめ上げて、国内の糸価の安定を早急にはかつてやるという熱意で、積極的に推進することが必要であろうと思う。国内の手としては、こういう問題を処理して早急に片付けて行くことこそ、繊維局長の一番やらなければならぬ責任なのです。国内では今日ではほかに手はありはしない、輸出を振興さす手としては最も焦眉の手であるのでありますが、他人事であるようなさつきからの御答弁であつて、私は不満足であります。今の話の商品金融会社の問題にしても、通産省は賛成なのか反対なのか、賛成であればこういうふうにやつてやれという方策があるのかないのか、この際ひとつ言明を願います。さつきの説明では不十分であります。
  21. 徳永久次

    徳永政府委員 おとといも申し上げたのでありますが、商品買上げ会社的なもの、あるいは商品担保金融的なもの、いずれにいたしましても需給調節の手段といたしまして現にやつております操短、これが安定法なり独禁法が改正されまして、輸出統制の形になるということになつたといたしましても、それだけでは糸価安定、需給調節に十分ではない、今問題にされておりますようなものができれば、より有効になるということにつきましては、私ども同じに考えておるわけでありまして、従いましてこの案のできることを大いに期待いたしておるというのが私ども立場でございます。今山手委員からは、それに対して役所側で案をまとめ上げたらいいではないかという御意見でございますが、最後はさような段階になろうかと考えまするが、目下のところ同じ綿業界で二案が出まして、その機能なりテクニツクなりというものがいろいろと検討されておるわけであります。これはそれだけに問題の実務的に見たむずかしさの点があることを意味しておるというふうに考えるわけでございまして、実際に商売に知識経験の深い業界で、一番いい実際に即したものをつくつてもらいたいというのが私どもの希望でございます。デスク・ワークで私どもが作文してまとめ上げるということは、荒筋としてはいともやすいことだと思いますが、それでは、手順として近道であるか遠道であるか、必ずしもそう言いがたい点があるのじやないかというふうに私ども考えまして業界でうまくまとめてもらうことを希望いたしておるわけであります。もちろん業界だけに、適当におやりなさいということではございませんで、私ども逐次両業界の人とも御相談の上、意見も言つてみますし、またその調整については、業界の主体が関西でございますので、大阪の通産局長に両業界の案をうまくディスカツションしてもらつて、いい案のでき上るようなあつせん役をお願いをいたしておるというような次第でございます。私どもが先頭に立つて案をつくるのが結論に持つて行く近道であるか、業界同士で案が一本化されて、それをバツクして行くということの方が近道であるか、その考え方の違いだけだというように思います。最初に申しましたように、私ども案のでき上ることにつきましては、好意的にものを考えておるということだけははつきり申し上げ得ますので、そこらへんで御了解を得たいと思います。
  22. 山手滿男

    山手委員 好意的に考えておるという話でありましたが、今の御答弁の全体の雰囲気からいうと、きわめてのんびりしたお話で、積極性に乏しいと私は考える。これだけができたからすぐ糸価が安定するとか何とかいうことはもろちんできませんが、しかしそういう努力が重要な一つの支柱になり得ることは事実なのであつて、こういう点を一つ一つ積重ねて行くことが、この際きわめて重要なのです。特に今ちよつと糸価が高騰しておるからというふうなことで、気楽なお考えになつておるかもわからぬが、私はこの次にもう一ぺん反動が来ると思う。今度来るときは私は深刻な事態が来ると思う。その場合になつて局長がまたうろうろするようなことで、あなたはそれで済んで行くかもわからぬが、実際に業界は済んで行かないと思うのでありまして、今の金融会社の問題、買上会社の問題にいたしましても、私は積極的にあつせんをして、早くまとめて行くことに乗出されることを特に要望をいたします。  それからさつき話が出ておりましたことと関連をするのでありますが、最近羊毛工業の方でもいろいろな問題が起きている。大した問題じやないと思われるかもしれぬが、英国そのほかの各国の輸入生地が相当入つております。今日毛織業界が非常な不振になつておる際に、すでにでき上つた生地を野放しで相当量を輸入さすということは、私は羊毛工業界のために非常に憂えなければならぬことであろうと思うのでありますが、最近どの程度の生地の輸入を認めておるか。あるいはそれに対して繊維局長はどういうふうに考えておるか、これを御説明願います。
  23. 徳永久次

    徳永政府委員 羊毛製品の輸入につきましては、役所のやつておりますやり方は、羊毛の製品を輸入したい人があつたら無制限に許すという制度ではございません。ただ御承知のように、繊維輸出につきまして優先外貨という制度がございまして、これによりましてドル地域向けの輸出をふやそうというような含みを設けておるわけです。その優先外貨で入れられます場合に認めるというような措置をとつておるわけです。さらにまたそれにもこまかい芸当と申しますか、毛糸が入ります場合、それから毛織物が入ります場合につきまして、取扱いを異にしながら、不当に国内産業を脅かさないような点に気を配りながらその制度を運用しておるわけです。もちろんこれを全然入れないということができれば国内産業だけの立場からはなおけつこうかと思いますけれども、しかし羊毛工業を大局的に見ましていま少しく技術的な向上、あるいは価格の引下げに努力を要する点も残されておるように見受けられるのであります。そのためには政府側としても必要な援助を行わなければならないという点もあるわけでございますが、そういう状況におきましてある程度の刺激ということも考え、しかしそれが度を越さないようにということも考え、その間の調節をとりながら運用いたしておるというつもりでございます。
  24. 山手滿男

    山手委員 今の局長の御答弁は、これは聞きのがすことができないのです。今日本に入つている毛織物製品の大部分は英国から入つているのです。英国はどういうことをやつているかというと、輸出関係商品、特に毛製品のようなものについては、全面的な減税免税をやつて輸出振興策をとつているのです。そのために日本国内の毛織物製品のような比較的もうかるというふうににらまれて税金や何かをごつそりかけられている会社の製品が太刀打ちできないことは事実なんです。日本つてああいうものの税を全面的に減免して輸出を振興さすという手に出るなら、まだまだ道はいろいろあるのでありますが、英国は日本政府、あなた方の考えとは違つて、非常に積極的な手を使つておるから、もし日本からの旅行者が英国に行つて生地を買う。飛行場に行けば何割かを割もとしてくれるという状態の英国なんです。ですから日本に入つて来る。それがあなたは優先外貨だとか何とか言うが、向うから洋服生地を持つて来て、日本国内でさばけばどんどんもうかる。もうかるのはあたりまえです。税金が全然違うですから……。それを向うから優秀な品物を入れさせれば、日本国内製品が合理化されて、コストが引下げられて行くというような刺激になるという御説明では、私は了承することができない。あなたはよく御存じのはずです。こういうものに対して繊維局長がこまかく気を配つて一つ一つ国内の内部でできることからでもひとつおやり願わなければならないと思うのですが、繊維局長さつきからいろいろな御答弁の様子から聞くと、われわれは決して信頼することができない。これはもう一ぺん御答弁を願います。
  25. 徳永久次

    徳永政府委員 毛工業の国際的の競争力が最初に申し上げましたように、繊維一般から見ましてやや例外となつていて、十分に外国並競争力を持たないうらみがあるということを最初に申し上げましたが、その内容を分析いたして考えますると、山手委員も御指摘になりましたように、競争相手の主力であるイギリスの諸政策効果で、日本の方がそれに追つついて行けないのだという点があることは確かであろうと思います。しかしまた業者だけの力では不十分の点もございますが羊毛の買付けなり、運賃の割高という面もあるようでございますから、これを逐次下げるように業界でも努力し、国際的な海運の相手方にかけ合いもしておるわけであります。また内地の金利が高いというようなことも御承知通りであります。さらに設備技術の点におきまして、日本側に全然遜色がないかということを考えますと、これは若干の疑問があるのでありまして、たとえば綿紡がよその外国の競争各国の経営技術のすぐれておるというのと比べてみますならば、むしろ伝統が浅いという点もございますが、日本側の方がやや劣つておるという点も言い得るわけであります。さようないろいろな点の累積の結果といたしまして、輸入品の方が安く、国産品の方が割高であるという状況に相なつておろうかと思うわけであります。従いまして、この割高になつておるものを直す点につきまして、政府援助を与える点はできるだけの援助を与える。さりとて競争品の輸入を完全にストツプするという形におきまして保護して行くということも、やや行き過ぎになるのではないか。一応入れさせながら、ほどほどにその入れるのが過剰で、こちらの基礎を脅かすことにならないような程度に輸入を認めて行き、片方競争力強化の点に必要な援助を与えて行くという立場に立つた政策を行うのが、現段階として妥当じやなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
  26. 坪川信三

    坪川委員長 次に、武器等製造法案を議題として質疑に入ります。質疑の通告がありますから、これを許します。長谷川君。
  27. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 武器等製造法案の審議に入る前に私は政府の見解を明らかにしておいてもらわなければならぬと思うのであります。それはすなわち先日来今国会において議題の中心となつて現われて来た憲法の問題であります。この憲法から見て、武器等製造法案なるものが抵触するかしないか、私たちは自信と確信を持つてこの審議に入らなければならないと思うのであります。従いまして、政府は憲法第九条に対してどういうような御見解を持つておるかをはつきりお示し願いたいと思います。
  28. 小平久雄

    ○小平政府委員 長谷川委員の御質問お答え申し上げます。憲法第九条の第二項は、その目的が侵略にあろうともあるいはまた自衛にあろうとも、戦力の保持ということを禁じておることは間違いないと思うのでありますが、ここに申しますところの戦力というのは、近代戦争を遂行できます程度の装備あるいは編成を備えました、人的、物的に組織化された総合力である。もちろん戦力の要素には違いありませんが、単なる武器そのものは戦力ではない、かように解しておるのであります。従つて武器の製造を認めるということは、この憲法の規定に違反するものではないというようにわれわれは考えておるわけであります。
  29. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 そうなつて来ると、私は疑わなければならない点が出て来ると思うのであります。なぜならば、近代的というお言葉がございましたが、これからまさに日本がこの種のものを製造しようというのに、近代的でないものをおつくりになるつもりでございましようか、お伺い申し上げます。
  30. 小平久雄

    ○小平政府委員 つくるものが近代的であるかないかということは、これは今後の問題になるのですが、しかしわれわれは武器そのものをつくることはこの憲法の規定には違反いたさないというふうに解しておるのであります。
  31. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 政府がこの種の法案を提案する以上は、近代的というようなものについては今後の問題であろうなどという御返事であつてはならない。少くとも政府が責任を持つて出す以上は、他国にも負けない最も優秀なる伝統ある技術をもつて製造するんだという確信がなければならないと私は思う。世をあげて近代的なものに一歩一歩先んじて行つておる今日、日本という国は戦争に破れて再びこれをやるんだから、昔のあり方でよいなどという考え方がもしありとすれば、またこれは疑わなければならないのであります。いずれにいたしましても、今後の問題に譲るなどというお考えであるのかどうか、次官と局長にはつきりとした御答弁をお願いをいたします。
  32. 小平久雄

    ○小平政府委員 本法におきましては、御承知のように武器というものの範囲を限定いたしております。先ほど来申しております通り、憲法にいうところの戦力というものはもちろん保持しないという建前でやつておりますので、実際つくるものがはたして近代的なものであるかどうかということは、今後の問題になるのでありまして、ごく新しいものをつくるのだ、近代的なものをつくるんだ、かように今はつきり申し上げることはできないと思います。
  33. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 御答弁にもあります通り、憲法をめぐる問題は種々見解の相違の点もあると思いますので、私は審議に入る前に一応政府の見解だけをただしておいたわけであります。  以上をもつて私の質問を終ります。
  34. 坪川信三

    坪川委員長 福井勇君。
  35. 福井勇

    福井(勇)委員 自由党の武器等製造法案の担当者といたしまして、本法案に対する質問をする予定でございますが、冒頭に委員長ちよつとお尋ね申し上げておきたいのは、この問題はきわめて重大でありまして、日本繊維産業が非常に沈滞しておる状況から、日本貿易が非常に困難な事情に逢着したのは、繊維産業の萎靡沈滞のためであるということを先ほど来各委員からも言われておるのでありますが、今の日本段階では繊維産業に次ぐ機械工業に大きな期待を私たちは持つておるのでありますし、またそうでなければならない。そういう際に武器等製造法案をここに提案する以上、この問題は日本国内産業に影響するところが相当大でありますために、たくさんの質問を私はここに申し上げなければならない。そこで委員長にお尋ね申し上げると申しますのは、今国会もあと二日くらいしかありませんが、その間にこれをあげられるとなりますと、私はここに二、三十時間にわたつて質問を申し上げなければなりません。それではどうかと思いますので、最初に継続審議になりますか、あるいは二、三日のうちにこれをあげなければならないか、その点に対するお考えちよつと御表明願います。
  36. 坪川信三

    坪川委員長 お答えいたします。ただいま福井委員から御質問になりました点につきましては、委員長がこの席において即刻御返答申し上げますことは不穏当とも考えますし、これは相当重要な問題であろうとも考えておりますので、慎重審議いたすという点においては同感であるとともに、この問題の取扱いにつきましては、後刻理事会をもつて決定いたしたいと思います。福井委員の御指摘になりました線に沿う結論を得る場合もありましようし、またいかなる場合があろうとも、私といたしましては慎重審議いたしたいと考えておる次第であります。
  37. 福井勇

    福井(勇)委員 よくわかりました。この議案については私どもは相当前から関心を持つてつたのでありますが、本委員会あるいはわが党の政務調査会に対してこの案を大体でもよかつたから初めから少し協議していただきたかつた。というのは、本委員会に最初に提案されたのが十七日だつたと思いますが、それ以前の十二日の日本経済新聞にもう詳細に載つてしまつている。私たちは政務調査会へこの法案の内容について業者からわんさと質問に来られて当惑したわけでありますが、こういう点についてはもう少し連絡を十分にしていただきたい。国会に提案する一週間も前に新聞社に発表してしまうというようなことがないように、これは答弁を求めませんが希望いたしておきます。  第一に本武器等製造法案を今国会に提出した根本的の理由をお伺いいたします。
  38. 小平久雄

    ○小平政府委員 武器等の製造に関しましては、御承知のように、ポツ勅によりまして兵器、航空機等の製造につきましての政令があつたわけでありますが、これが去る十月二十四日をもちまして失効と相なつております。ただいまではこれに関しまする法の規制が何らないという状況下にあるわけでございます。しかるところ御承知通り最近駐留軍関係の発注等も相当ございまして、これに伴いまして一部には相当企業熱をあおりまして、事業の濫立というような傾向すら若干見えますので、武器の持つ特殊な性格からいたしましても、これを野放しにいたしておくということは適当ではないという考えのもとに、ここに一定のわくをはめてこの種企業をやつて参ろう、その必要があるというところから今国会に御提案申し上げた次第であります。
  39. 福井勇

    福井(勇)委員 本法案には武器製造事業に関する助成措置が文案に織り込まれておらないが、助成は一体どうするのか、その点を質問いたします。
  40. 小平久雄

    ○小平政府委員 御指摘のごとく、本案におきましてはこの種企業に対しまして積極的に助成をいたして行くという規定はございませんが、先ほども申しました通り、企業全体につきまして  一定のといいますか、そのときどきの事情に応じましたわくをはめて行く、つまり許可制度でやつて行こうというのでありますので、適当と思われるものにつきましては、資金のあつせんとかそのような行政的な援助はいたして参りたいと考えておるわけでございます。
  41. 福井勇

    福井(勇)委員 それでは盛られてはおらないが、そのときどきのわくによつて助成して行くつもりだ、そういうふうに了解してよろしゆうございますか。
  42. 小平久雄

    ○小平政府委員 その通りであります。
  43. 福井勇

    福井(勇)委員 武器等の製造をする際に、今ここで盛られておるところの銃砲だとか、銃砲弾だとか、爆発物だとか、こういうもの、あるいは爆発物に関連した機械器具、こういうものを製造する際に、すでに世間で承知しております通り、ポツダム宣言に伴い、日本の兵器産業に寄与するところの専用工作機械等は命令をもつて破壊されてしまつております。こういうものを今法案をすぐ示してつくろうとしたところで、基礎機械が現在ない、こういうものについては一体根本的にはどういうふうに考えておられるか、この点、こういう専用工作機械の問題について政務次官に即時にお願いするということは少しどうかと思うが、担当官でもおりますか。
  44. 葦沢大義

    葦沢政府委員 武器の製造に特殊な専用機械が必要なことは御説の通りであります。また占領下においてその大分が破壊されてしまつておりますことも御指摘通りでありますので、これが工作機械の整備ということは非常に必要な問題でございます。国内における工作機械メーカーが要請に応じてこれをつくるという態勢も着々準備をしておると思いますが、何と申しましても技術上の進歩も相当ありますので、さしあたりましては海外から必要なものをある程度輸入いたしまして、それを基本といたしまして国内でこれをつくつて参るという措置も必要なわけでありまして、すでに海外から工作機械の輸入をしておるような次第でございます。
  45. 福井勇

    福井(勇)委員 海外から輸入しておる工作機械の内容をお示し願いたい。
  46. 佐々木栄一

    ○佐々木説明員 ただいまの御質問海外からどういう機械を入れておるか、日本の工作機械をよくするために政府がどういうようなことをしておるかという御質問と思いますが、申し上げます。先ほどからお話のありましたように、武器をつくるにしても、何をつくるにしても、工作機械をよくすることが国の機械工業の一番先決問題であります。これは必ずしも武器に限らずすべての機械工業の基礎になるのでありますが、御承知のように終戦後これがすつかりだめになつて来たわけであります。最近工作機械工業がかなり振興して来ました結果、外国から工作機械が一九五〇年、これは十月から十二月でありますが、二十四台、一九五一年に百六十六台、一九五二年の一月から六月に百二十一台入つております。そのうちただいま福井委員から御質問のありました日本の工作機械をよくするためにはどういう手を打つておるかというお話でありますが、一九五二年の機械には、日本の工作機械メーカーにマザー・マシンとして入れる機械が相当含まれております。たとえば平削り盤であるとかあるいは横ボール盤であるとか、あるいは歯切盤であるというような、工作機械をつくる上に必要な機械を入れる手を打つております。それらの機械を入れて日本の工作機械がよくなつて、自然にあらゆる産業に対して国産工作機械の威力が発揮される、こういうふうに考えている次第でございます。
  47. 福井勇

    福井(勇)委員 本工作機械日本の武器製造の基礎となるべきことは御指摘通りでありますが、今後技術的の問題で非常に長くなりますし、もうすでに十二時を過ぎておりますので一応終り、あとに質問を保留して継続していただきたいと思います。
  48. 坪川信三

    坪川委員長 本日はこの程度といたしまして、次会は公報をもつてお知らせいたします。  本日はこれをもつて散会いたします。     午後零時十分散会