運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
kokalog - 国会議事録検索
1952-12-11 第15回国会 衆議院 通商産業委員会 第8号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十七年十二月十一日(木曜日) 午前十時四十四分
開議
出席委員
委員長
坪川
信三君
理事
小金 義照君
理事
高木吉之助
君
理事
河野
金昇
君
理事
今澄
勇君
理事
永井勝次郎
君 大倉 三郎君 首藤 新八君 辻 寛一君 中峠 國夫君 福井 順一君 南 好雄君 宇田 耕一君 高橋 長治君
長谷川四郎
君 山手
滿男
君
伊藤卯四郎
君
山口シヅエ
君 加藤 清二君
出席国務大臣
通商産業大臣
小笠原
三九郎君
出席政府委員
外務事務官
(
経済局長
)
黄田多喜男
君
農林事務官
(
蚕糸局長
)
寺内
祥一君
通商産業政務次
官 小平 久雄君
通商産業事務官
(
通商局長
)
牛場
信彦君
通商産業事務官
(
繊維局長
) 徳永 久次君
通商産業事務官
(
公益事業局
長) 石原 武夫君
委員外
の
出席者
専 門 員 矢崎 明君 専 門 員 越田 清七君
—————————————
十二月十日
琵琶湖電源開発
に関する請願(
矢尾喜三郎
君外
二名紹介
)(第五四六号) の審査を本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した事件
電気
及び
ガス
に関する
臨時措置
に関する
法律案
(
内閣提出
第三号)
貿易
に関する件
—————————————
坪川信三
1
○
坪川委員長
これより
会議
を開きます。 本日はまず
貿易
に関する件について
調査
を進めたいと存じますが、まず
政府委員
より、
貿易
の最近の
事情
並びに
貿易振興対策等
先日
通産大臣
の
説明
の
補充的説明
を願います。
通商局長牛場
君。
牛場信彦
2
○
牛場政府委員
先日
大臣
から御
説明
申し上げましたことを補足いたしまして御
説明
申し上げます。 最近の
貿易
の
事情
のうち、非常に目立
つて
おりますものは
輸出
の停滞ということでございまして
大臣
の御
説明
のうちにもございましたが、昨年に比べて本年は
年間
にいたしまして約三億
ドル
近くの
輸出減退
ということになるのではないかと
考え
られる次第でございます。七月以降、毎月一億
ドル
を割
つて
おります。十月になりましてから認証の面で一億
ドル
を
ちよ
つと突破いたしましたが、十一月はまた下りまして、この調子で参りますと、おそらく
船積み統計
にいたしまして、約十二億
ドル
くらいのところにとどまるのではないかと思われる次第であります。この
原因
はいろいろございますが、これを
地域
的に見てみますと、一番目立ちますのは
スターリング地域
に対します
輸出
の
減退
でございます。
スターリング地域
に対しましては、昨年
支払い協定
を締結いたしましてから後非常な勢いで
輸出
が伸びたのでございますが、今年になりまして
英側
の
輸入制限
の
強化
によりまして、七月以降
日本
から見ましてむしろ
輸入超過
にな
つて
来ております。これは実際受払いの面におきましても、また
信用状
の面におきましても、七月以降は
輸入超過
ということにな
つて
参りました。
従つて
、
スターリング
の
バランス
もか
つて
一億三千万
ポンド
出したのでございましたが、現在では一億一千万
ポンド
を割る
程度
まで下
つて
来ておる次第であります。
ドル地域
に対しましては、最近
割合
に好調でありまして、十月は戦後
最高
と思われるような
数字
を示しております。従いまして、
各地械闘
の比較をいたしましても、最近は
ドル地域
が一番多いという
状況
にな
つて
来ております。
オープン
・
アカウント
、
清算勘定地域
に対しましては、本年の初めごろ、主として
インドネシア等
との
交渉
がうまく行きません
関係
上、非常に
減退
してお
つたの
でございますが、その後
タイ国
とか
インドネシア
との
協定
の成立によりまして、最近は回復いたして参りまして、大体月間にいたしまして二千五百万
ドル
程度
の
輸出
を続けておる次第であります。それから
輸出
不振を物資的に見てみますと、やはり一番減
つて
おりますのは
綿糸類
の
輸出
でございまして、昨年は十億
平方ヤード
を突破いたしたのでありますが、本年はおそらく七億
ちよ
つとというところにとどまるのではないか。しかしそれでも
日本
は依然として世界一の
綿布輸出国
ということにな
つて
おりますが、これは主として世界的な
綿布
の
貿易量
の
減退
ということに大きな
原因
があると思われる次第であります。そこで今後の
輸出
をどうして行くかという上におきまして一番問題になりますのは、
地域
的に見れば
ポンド地域
との
貿易
、それから物資的に見ますと、
綿糸布関係
、
繊維関係
の
輸出
の増進をはかる必要があるということになりますが、
ポンド地域
との間におきましては、例の
日英支払い協定
がございまして、これは本年の末に
期限
が切れることにな
つて
おります。ところが
英側
におきましては、ただいま御
承知
の
通り連邦
の
首相会議
を行
つて
おりまして、ここで
ポンド
問題についていろいろ論議をいたししておる様子でございます。これらが済まない限り、
先方
といたしましてもはつきりした態度を表明し得ないという
状況
でございます。従いまして、おそらくこの
支払い協定
につきまして、今年十二月末に切れるのでございますが、一応暫定的にこれをさらに延長するということは避け得られないのでははいかと
考え
られる次第であります。しかしながら現在の
支払い協定
の
運用
につきましては、私
ども
といたしましても非常に不満を持
つて
おるのでありよす。ことに昨年の
交渉
中の
話合い
と異なりまして、
英側
が一方的に
輸入制限
をして来ているということにつきましては、再三抗議をしております。この問題は、
輸入制限緩和
という問題を
中心
として今後
英側
と
交渉
して行かなければならないと
考え
ております。そのほか
オープン
・
アカウント諸国
につきまして、今年中に
インドネシア
、
タイ
、
ブラジル
というような国との
協定
ができまして、そのうち
タイ国
との
協定
は、これは主として米を確保するというところに重点を置いたのでありますが、その後の
運用
を見ておりますと、これは
輸出
の面でも非常に
効力
を発揮して参りまして、十月のごとき
綿小布
の
輸出
は、
各国別
に見まして
タイ出向け
の
輸出
が一番多か
つた
、いまだか
つて
なか
つた
ような
状況
を呈しております。これは非常に
協定締結
が成功した
一つ
の例だと
考え
られる次第であります。
インドネシア
、
ブラジル
につきましては、これは
先方
の物資が非常に割高なためになかなか
輸入
が促進できないという共通の問題がございます。それから、ことに
インドネシア
につきましては、六千万
ドル
にも上るようなこげつき債権がございまして、これをどう処理するかという問題があるわけでございます。しかしながら
協定締結
後、
インドネシア
に例をと
つて
みますと、大体毎月五百万
ドル
程度
の対
日輸入許可
をおろしておる
状況
でござまして、昨年は一年に一億一千万
ドル
以上も
輸出
したのでありますが、その後
向う側
の
輸入制限
で、ほとんど
輸出
がとま
つて
おる
状況
でありまして、
年間
六千万
ドル
程度
の
インドネシア向け
に大体安定した
輸出
ができるのではいか。但しこれと相殺しますために、どうしても
向う側
のものを
相当程度
買わなければならないので、現在のところでは、一応
年間
四千万
ドル
という目標を立てております。それにさらに
年間
一千五百万
ドル
程度
の、いわゆる
スイッチ貿易
をいたしまして、大体において
バランス
を合せて行くという
考え
方でございます。四千万
ドル
買付
にはいろいろ問題がございまして、最近二回にわたりまして
インドネシア
にミツションを派遣いたしまして、具体的な
交渉
に入
つて
おります。だんだん
状況
が改善されて来ておるということは申し上げられると思います。 それから物資的に見まして、
日本
の
輸出
の今後の構成ということでありますが、
繊維品
の
輸出
は、
明年度
におきましてもそう急激な
進捗
はどうしても望めないのではないか。もちろんこれは主として
英連邦
との
交渉
に力を注ぎまして、安定した
輸出量
を確保したいということはわれわれも
考え
ております。ことに最近
パキスタン
との間にいよいよ積極的な
交渉
を行いたいと思
つて
おります。
先方
から十二月の二十日ごろに代表が参りまして話をすることにな
つて
おります。
パキスタン
の
綿花買付
と引合いに、こちらからも
相当程度
の
綿糸布
の
輸出数量
を確保したいということを
考え
ております。しかし何分にも世界的に
綿糸布
の
貿易量
が減
つて
来ておる
状況
でございます。この際
日本
といたしましても、
繊維類
の
輸出
のみに頼らずに、やはり
鉄鋼
でありますとか、さらに進んでは、
機械類
、
プラント輸出
というようなものに力を注いで行く必要があるのではないかと
考え
ておる次第でございます。
鉄鋼
の
輸出
は昨年に引続きまして、本年は非常に好調でございまして、
輸出品
の
割合
から見ましても、十月は
綿布
をしのいで第一位ということにな
つて
おります。ただこれは非常に安売りを余儀なくされておるという
事情
もございます。さらに将来世界の
鉄鋼
の
需給状況
を
考え
ますと、決して安心はできないのでございますが、とにかく金額的に見ますと、今のところではまず第一位を占めておる。これに反しまして、
機械類
、
プラント輸出
、
日本
の一番希望し、期待しております技術の
輸出
という面におきまして、なかなかまだ思うように
進捗
を見せておらない
状況
でございます。これにつきましては、いろいろ
政府
といたしましても
奨励策
を
考え
ておるのでありますが、ことに最近
日本
と一番
競争相手
にな
つて
おりまするドイツでありますとか、イタリアなどの
国国
、これが
相当程度
思い切つ
輸出奨励策
をや
つて
おることが判明して参りました。たとえば
輸出品
に対しまして、ある
程度
の税の払いもどしをする、また特別に安い
金利
で出す、あるいはいわゆる
優先外貨
などを非常に大幅に認めまして、しかもそれの
自由転売
を認めることによ
つて相当程度
のプレミアムを事実上
輸出業者
に与えておるというような
状況
でありますので、これは正常な
貿易
という
観点
から見ますと、やや邪道に陥
つて
おるようにも
考え
られるのであります。しかし
日本
といたしまして、今後どうしても
プラント輸出
的なものを促進して行かなければならないという
観点
からいたしまして、少くとも
西欧諸国
がや
つて
おる
程度
のことは、
日本
でもただちにやりたいという
考え
で、ただいま鋭意
調査
をいたしておるところでございます。 それから
輸入
の面でありますが、
輸入
につきましては、現在のところ
外貨面
においてあまり制約はございません。大体におきまして必要とするものはみな買
つて
おるという
状況
でございます。最近
炭鉱ストライキ
の結果として石炭が不足いたしました。これにつきましても、手当といたしまして、ただちに外国から約八十七万トン買うという計画が今できております。もうどんどん
買付
にかか
つて
おる
状況
でござすまするが、ただ依然として
ドル地域
からの
輸入
が非常に多い。そして
ポンド
、
オープン
・
アカウント
の
買付
が思うように進まないという
状況
があるのであります。これは本年初頭から
ドル
の節約、さらに非常にたまりました
ポンド
の消費、さらに
オープン
・
アカウント地域
、これは主として
日本
の
輸出超過
になる国が多いのでありますが、その
バランス
をはかるという
意味
におきまして、
輸入市場
の
転換
ということをや
つて
参つたの
でありますが、現在にな
つて
参りますと、さらにもう
一つ市場転換
に
意味
が加わ
つて
参りました。と申しますのは、
日本
の
輸出
を伸ばすために、どうしても
向う
からの
輸入
もふやさなければならないという
状況
が最近非常に出て参りました。結局
輸出
しつぱなしでも
つて
ほう
つて
おくということは、どうもできないような
状況
にな
つて
来たのであります。従いまして、
市場転換
には、もう一層
輸出
を伸ばすというまた
一つ
重要な目的が加わ
つて
来た次第でありまして、今後その
意味
におきまして、さらにこれを促進して行きたいと
考え
ております。先ほ
ども
申し上げました
パキスタン
との
交渉
におきましても、結局
日本
が
綿花
を相当量買わない限り、
向う
は
日本
からのものを買わないということをはつきりして参
つて
おる次第であります。しかしこれは
産業界
のことな
ども
考え
まして、もちろん
限度
はあるのでありますが、何とかして合理的な
限度
においてこれを促進したいというふうに
考え
ております。 それからもう
一つ
、
輸入
に関しまして、
別口外貨貸付指導
ということによりまして、これは
産業転換
を促進いたしますと同時に、主として
鉄鋼
を原材料としてそのコストの低下をはかるということを行
つて
おりまして、最近非常な
効果
を上げて来ております。それと相並んで、
輸出面
におきまして、
輸出入銀行
の
金利
の
引下げ
ということが行われておりますし、また
銀行法そのもの
の改正によ
つて
、さらに
金融
を楽にする。それから現在日銀で考究しておられます
期限付外貨手形
、あれらの
操作
によりまして、
貿易金融
というものが、
一つ
の
内地金融
とは離れたものにな
つて
、
金利
も安くな
つて
いるという
傾向
にな
つて
参りましたことは、私たち非常にけつこうなことと思
つて
おります。さらにまた
輸出入銀行
の
金利等
につきましては、もう
一息引下げ
をしていただいて、
国際競争場裡
において、
日本
の品物が不利をこうむらないようにしたいと
考え
ておる次第であります。 それから前にも御
説明
がありましたが、
貿易商社
の恐慌ということにつきましては、これは非常に重大なことと
考え
ております。さしあたり今の短期の
債務
の
長期債務
への切りかえでありますとか、ないしはいろいろな
海外支店
の開設、あるいは
キャンセル準備金
というものの
積立て制度
を認める、そのようなことを通じまして何とか
貿易商社
を
強化
して行きたい。ことに
東南アジア諸国
は、御
承知
の
通り
やや
国家貿易的色彩
の強い国が多いのでありまして、これに対しまして、わが方において
弱小業者
がたくさんお
つて競争
をするということは、どうしても不利になりがちである。かと申しまして、この際またその国家
貿易
的な
色彩
を強くするということは、私
ども
どうかと思うのであります。何とかいたしましてこの
商社自体
の
強化
ということによ
つて
この
情勢
に対応して行きたい。また
輸出組合等
につきましても、妥当の範囲内でこれの
強化
をはか
つて
行きたいというふうに
考え
ております。簡単でございますが、一応御
説明
申し上げました。
坪川信三
3
○
坪川委員長
これにて
政府側
の
説明
は終了いたしました。 この際、
大臣
が出席されましたので、船舶問題を含む
貿易
に関する件、並びに
電気
及び
ガス
に関する
臨時措置
に関する
法律案
、並びに先般保留となりました
繊維
に関する件を議題といたしまして、
質疑
を続行いたします。
質疑
の通告がありますから、順次これを許します。
長谷川
君。
長谷川四郎
4
○
長谷川
(四)
委員
ただいま
優先外貨
の
お話
がございましたので、これについて
ちよ
つと承
つて
みたいと思います。
優先外貨
、たとえば
生糸
に対して
優先外貨
は、今どのくらいを占めているか、お答えを願いたいのであります。
小笠原三九郎
5
○
小笠原国務大臣
生糸
については、現在第二類として扱
つて
おりますから、一〇%、一割であります。
長谷川四郎
6
○
長谷川
(四)
委員
一割、そういたしますと、たとえば五十二年の一月から九月まで、また昨年度の
輸出
の総額から見て、一割というのは、
アメリカ
、英国、フランス、あるいはインドとかオランダとかいうものがたくさんありますが、そういうような
地域
にも出ておるのでありますか。
アメリカ
なら
アメリカ
にのみ対しての一割でございましようか、承りたいと思います。
小笠原三九郎
7
○
小笠原国務大臣
ドル圏
だけに対して一割ということでございます。
長谷川四郎
8
○
長谷川
(四)
委員
そこで私はお願いを申し上げたいのですが、この
優先外貨
を私が何ゆえに、
生糸
に対してよけい認めてもらいたいかというと、すなわち
生糸
は御
承知
の
通り太陽
と水さえあればただで、
あと人手
、だけでつくられて行くのでありまして、
従つて日本
の従来の慣例から見ても、
生糸
というものがいかに重点的に
輸出
されてお
つた
かということは御
承知
の
通り
であります。
従つて
この
優先外貨
を少くとも、半分、
輸出価格
に対するところの五割
程度
のものを認めて、そして
国内
の、すなわち
保護政策
と申しましようか、それで
増産
をさせ、さらにこれらを
海外
に対する
宣伝費
、
市場開拓
のための
調査費
、こういうものに充てて
行つた
なら、より以上の
増産
ができ得るのではないかと
考え
るのであります。
従つて
これらに対して、
桑園対策等
と相マッチして、これらをさつそくそのような方向に向けていただけるようなお
考え
はあるか
いなか
を伺います。
小笠原三九郎
9
○
小笠原国務大臣
今
外貨
が大体
ドル
に換算して十億
ドル
以上あることは御
承知
の
通り
でありますが、そのうち純粋な
ドル
というものは六億
ドル
ばかりでございまして、それにはそれぞれ予定があるので、
従つて
全体をよく見合せまして、この
ドル
の割当をいたさなければならぬのであります。しかし
長谷川
さんが今
仰せ
に
なつ
たことは、私
ども
も今の
生糸貿易
の重要さから見て、きわめて必要だと
考え
られますが、
仰せ
の
通り
五割を向けるということは、実情許されませんので、とりあえず第一類、つまり一割の分を一割五分のところに持
つて
行くということで、過日来話を進めておりましたが、話は
大蔵当局
とつきましたから、今後さようにとりはからいたいと存じております。但し御趣意はよくわかります。
長谷川四郎
10
○
長谷川
(四)
委員
私の申し上げたのは、なるほど一割五分というお
話合い
は、ついたかつかないか、私はその方の
関係
は別にございませんが、ただ承りたいのは、つまり政治を行う上から見て、かくすべきものではないかという
考え
から申し上げておるのであります。一割五分
程度
で
話合い
もつくでしようし、強制的にやらせられる方法もあるし、多々あるでしようが、少くとも
大臣
の御体験からい
つて
も、これらはもう
ちよ
つと多く見てやらなければならぬのではないかと
考え
るのであります。それに関連をいたしましてお伺いをいたしたいのでありますが、
横浜
の
取引所
でございます。
横浜
の
取引所
というものができたのだが、この
基本
の精神というものは何からつくられているかということを、
蚕糸局長
にお伺いしたいのであります。
寺内祥一
11
○
寺内政府委員
横浜
及び神戸の
取引所
におきましては、
生糸
の
価格
の
変動
を、ある
程度
業界
の需要と供給とを
バランス
させて、
価格
を安定させるという
意味
も
一つ
含まれておるのでありますし、また
輸出商
の
輸出
によりまする
操作
によりまして、これをヘッジングいたしまして、かれらの利益を均衡させるというような
方面
の
効力
もねら
つて
、
取引所
をつく
つて
おる次第であります。
長谷川四郎
12
○
長谷川
(四)
委員
その
基本理念
に立脚したところの
価格
の安定というこの面に対しまして、あなたのお
考え
で、現在
横浜
の
取引所
がはたしてこの
理念
に基いて行われているか
いなか
をお伺いいたします。
寺内祥一
13
○
寺内政府委員
取引所
ができましてからの
価格
の
変動
と、
取引所
を開設いたしません前の
変動
では、
取引所
ができましてからは大体安定の
傾向
に向
つて
お
つた
というふうに
考え
られますし、御
承知
の
通り
ただいま
禁止価格
二十四万円を設定いたしておりますが、この方針に順応いたしまして、
取引業界
においても自粛して二十四万円以下の
取引
をや
つて
おるということで、
価格
安定に対して協力してもら
つて
おると私は
考え
ております。
長谷川四郎
14
○
長谷川
(四)
委員
局長
さんははたして現場へ行
つて
見ているかいないかわからないが、
現物
がないのに思惑的な
取引
がたくさん行われており、
価格
もまたオーバーしておる。こういう引渡しの
現物
のないものに思惑的な
取引
を認めておるか
いなか
を伺います。
寺内祥一
15
○
寺内政府委員
本年は
春繭
以来
価格
がこれほど上ると思
つて
おりませんでしたが、御
承知
の
通り
七月以来急に
生糸
の
価格
が上昇いたしましたので、
製糸家
の
方面
におきましても
生糸
の
ひき急ぎ
をやりまして、非常に
先物取引
が多くな
つたの
であります。最近の
横浜
における
取引
を調べて参りますと、たとえば十月におきまして
現物
の
取引
をいたしましたのは、十月の
取引
の総体のわずかに二七%くらいでありまして、
あと
は全部
先物取引
であります。そういう
状態
で
現物
が非常に払底いたしておりますので、
現物
の
価格
がいつも
禁止価格
二十四万円ぎりぎりの天井にくつついてしま
つて
おるというような
情勢
であります。これは
取引所
があるがためにそういうことにな
つて
おるのではなくて、現在の
製糸家
の
見込み生産
と申しましようか、
生糸
の将来の
価格
は下ると
思つたの
が案外上
つて
来た。そこで上
つて
おる間にひき急がれるというようなことで、
先物取引
が非常に多か
つた
という
情勢
が、現在
現物
の不足及びその
価格
の騰貴という現象とな
つて
現われておるとわれわれは
考え
る次第であります。
長谷川四郎
16
○
長谷川
(四)
委員
思惑の
価格
の値上りが突然出たので、そういうことにな
つて
おるのだというような
お話
でございます。しかしこれは
蚕糸局長
としても見のがすことのできない大きな問題でなければならないと私は思います。
従つて海外
の
価格
は、今の規制されたときの
価格最低
十八万円、
最高
二十三万円、さらに
禁止価格
の二十四万円という
価格
、これは
日本国内
の
状況
だが、これをおきめになる当時と、
海外
の
価格
というものは、あなたの見た目ではどうでございましようか。
寺内祥一
17
○
寺内政府委員
ただいまの
生糸
の
最高価格
、
最低価格
をきめましたのが今年の三月でございまして、その当時は
アメリカ
へ出ます
価格
が二十万円前後でございました。そういう
状態
がずつと続いて参りまして、従いまして大体二十万五千円というところを
中心値
と
考え
まして、その上値二割二十三万円、下値約二割と
考え
まして十八万円というのを、
最高価格
、
最低価格
ときめたわけでございます。それで当時ただいま申し上げましたような
状態
でずつと
輸出
が続いておりましたが、これは六月、七月ごろまでは大体
アメリカ
へ出ます
価格
が二十一万五千円からせいぜい二十二万円
程度
でございましたが、御
承知
の
通り
六月の末から急に
価格
が暴騰いたしまして、七月の末に二十三万円を突破いたしました。そこで
農林省
といたしましては、
繭糸価格安定審議会
を開きまして、二十四万円の
禁止価格
をつく
つた
わけでございます。その後ずつとそういう
状態
が続いて参りまして、
アメリカ
も
日本
の
生糸
の
価格
が
禁止価格
以上に上らないということになりましたので、最近九月あるいは十月ごろから、
アメリカ
の
買付
が二十三万円を突破いたしまして、ただいまは二十四万円で申込みがあるわけでございます。従いまして、ニューヨークの
生糸相場
も五
ドル
四十二セント、これは
ちようど日本
の
横浜
のFOBに換算いたしまして、二十四万円という
数字
で
取引
されております。
長谷川四郎
18
○
長谷川
(四)
委員
海外
の
情勢
も御
承知
の
通り
でございますし、この
最高
、つまり規制された
価格
を変更するお
考え
はございましようか。
寺内祥一
19
○
寺内政府委員
ただいま申しましたように、
アメリカ
がここまで二十四万円で買い付けて参りましたのは、
日本
におきまする
繭糸価格安定法
の
効果
が現われまして、
牛系
の
価格
が安定した、ことに二十四万円以上には上げないというので、
アメリカ
は当時七月以前は二十一万円から二十二万円
程度
でなければ買
つて
来なか
つた
。それから昨年
ちようど
二十六年度は
生糸
の
価格
が非常に暴騰、暴落いたしました時期でありまして、
最高
は三十万円に上り、
最低
は十四万円に下
つた
というような、あの当時高くなりました点でも二十三万円まではついて来ましたけれ
ども
、それ以上はもう見放されて
しまつたの
であります。従いましてわれわれは二十三万円では
アメリカ
へ
輸出
できないと
考え
ておりましたものが、今年になりまして
安定法
の
効果
が上りまして、二十四万円以上は上げないという
政策
を信頼いたしまして、
アメリカ
が二十四万円で買い付けて参りましたから、
農林省
といたしましては来
生糸年度
におきましても
禁止価格
は上げない。
最高
をこのままですえ置いておくという
考え
であります。
長谷川四郎
20
○
長谷川
(四)
委員
私は
価格
をかえなければならない、上げなければならないという問題でもないと思います。
従つて養蚕
にいたしましても、現在の
価格
で
価格
は引合わないかというと、決して引合わない問題でもないと私は思う。しかし
取引所
にあまりにも思惑的な
取引
が盛んに行われて来るという点について、非常に生産する者たちの、何ものか心の中に動揺を来しておると
考え
ておるのであります。
従つて
こういうような点についてあなたはこれをこのままで見のがして行くお
考え
なのか、それとも何らかの手を打
つて
あまり思惑的のことのないようにおやりになるお
考え
があるかないかをお伺いします。
寺内祥一
21
○
寺内政府委員
ただいま申し上げました
通り
二十四万円の
禁止価格
を堅持するということにつきましてたびたび声明もいたしておりまするし、先日安定審議会の
委員
の懇談会を開きまして、今申し上げましたような方針についてみんなの協力を得たのであります。こういう方針を各
方面
へ徹底させまして、そうして
生糸
の
価格
は当然二十四万円の
禁止価格
を堅持するという
政策
であるから、思惑によ
つて
これを無理に上げるというようなことをしないように各
方面
に了解を求めておるのであります。
長谷川四郎
22
○
長谷川
(四)
委員
そこで
優先外貨
の問題をもう一度振り返
つて
みなければならないと思うのですが、なるほど一割から一割五分、全部の、たとえば十月から九月までに幾ら出ているかというと、二千八百万
ドル
、全部の
価格
では出ておる、こういうようなことから
考え
て、全部から見ると、零点何パーセントというパーセントしかないのだけれ
ども
、これを大体
最低
二割くらいの
程度
まで引上げて、そうして
海外
の需要というものがそれほど旺盛であり、
局長
がおつしやる
通り
非常に
日本
の現在の
価格
では優待されておるというような安定を持
つて
おるということ、これに引きかえて生産が伴わなければならない。であるから私はぜひともこれを二割くらいまでどうしてもや
つて
いただいて、そうして
国内
の桑園の対策に、また政治の上から見た
保護政策
に充てて、そうして
増産
をはかることが緊急の問題ではないであろうか、かく
考え
るのでございます。ぜひともその点を御了解の上、
大臣
においては特別のお
考え
をも
つて
御審議をいただいて、そうしてこれをその
程度
まで引上げて、桑園対策の方へまわしていただきたい、こう私は念願するものであります。ぜひともその方向に進んでいただきたいと思うのであります。 そこで
ポンド
向けの
繊維
、すなわち東南アジア向けの
繊維
が非常に下
つて
行く上に
取引
が少くな
つて
、そうして各機械業地は非常に参
つて
来ているのだが、これに対して御
説明
を受けますと、そう心配することもないような
お話
でございますけれ
ども
、現実は
お話
のようなわけのものではないじやないかと思うのです。そこでこれらに対する
輸出
の対策の根本に触れてお
考え
に
なつ
たら、どうや
つた
らこの滞貨を一掃し、そうして生産意欲を向上させる、機業者にも損をさせないような方向に進んで行くことができるか、こういう根本的な指導の面に何かお
考え
がございますか承りたいのであります。
小笠原三九郎
23
○
小笠原国務大臣
こまかいことは
政府委員
より答弁さすことに願いたいと思いますが、今の
繊維
事情
につきましては私
ども
相当苦慮しておるのであります。
従つて
過日も申しましたようなぐあいに、まあ
向う
の
輸入制限
等に対する措置に対して、適当な緩和策について、いろいろな
方面
から外交的にや
つて
もら
つて
いるのであります。まあ都合によ
つて
はこちらで先からいろいろのものを買い付けることによ
つて
そういうことができるようにする、それも
一つ
の方法じやないかと
考え
まして、
外貨
のあるときでありますから、特に
ポンド
貨が余
つて
いるときでありますから、何かそういう方法はないかということを具体的にもいろいろ
考え
ておるのであります。 なお根本策としましては、これも率直に申し上げておきますが、昨日来紡績連合会の方々が見えておりますので、私
ども
よく相談をいたしまして、ああいう老練な人々がどういうふうに持
つて
行くのが一番いいか、こういう問題について御意見を聞いた上で方針をきめたいと、かように
考え
ている次第であります。
長谷川
君の
仰せ
のごとく、現状についてはこのままではいかぬということは私
ども
痛切に感じております。
宇田耕一
24
○宇田(耕)
委員
議会の初めに総理
大臣
から、ソビエトと
アメリカ
との
関係
を見て、とりあえず非常に重大な段階に速急に行くようには思われないという意見が本
会議
で発表されたのであります。それで私は共産圏国との
関係
が平和裡に推移するというのを前提として、最近ヨーロツパにおいては非常に共産圏国に対するところの
貿易
政策
を各国ともに具体的に処置をしようという
傾向
が現われて来ておると思う。
従つて
私は最近におけるそういうふうな諸外国の
状況
に照して、先ほど
局長
からも
お話
がありましたように、
輸出
マーケットの確保ということを苦慮しておられる、こう言われるのですが、たとえば中共等に対する
貿易
政策
について具体的なお
考え
があるかどうかお聞きしたい。
小笠原三九郎
25
○
小笠原国務大臣
昭和二十五年末の中共地区向け
輸出
制限
強化
以来、中共地区に対する
輸出
は激減し、同時にこれの見返りとなる
輸入
もほとんど停滞し、わずかに香港を経由して多少の物資の交流が行われるにすぎない現状とな
つて
いるのであります。わが国は戦前より中共地区に鉄鉱石、強粘結炭、大豆及び塩のごとき主要物資の
輸入
を仰ぎ、同時に
繊維
製品、雑貨類等の軽工業品を
中心
に相当量の
輸出
を行
つて
お
つた
。
従つて
朝鮮動乱後のブームが去りますとともに、中共
貿易
の再開を望む声が、特に
アメリカ
からの
輸入
品のコスト高と
輸出
不振に悩む民間
業界
に強いのでございまするが、
政府
としては国連協力の線に沿いまして、戦略物資の
輸出
制限を続行する方針であります。ただ従来の
輸出
制限品目は、御
承知
のごとくバトル法に比べまして、若干こちらの方が広いのでありますので、その点につきまして
輸出
制限緩和方をいろいろ
向う
と話合
つて
おる次第であります。さきに宇田さんも御
承知
のように、染料、紙類、紡織機とか、その他多少緩和されたものはございまするが、これも西欧に比べますると実はまだ十分緩和されておらないので、もう少し緩和してもらいたいという
考え
方で
交渉
をいたしておるのであります。しかしこれも率直に申しますと、中共
貿易
について決済方式の点だとか、あるいは
日本
の船の出入りの点とか、いろいろ問題もありまするので、これらの問題については今後外交的にいろいろやらなければなりませんが、いずれにしても一番
中心
になるのは、国連協力という線をそらしてはいけませんので、この点が
日本
外交の
中心
課題にな
つて
おりますから、
従つて
この線のもとでできるだけのことをやるというのが、中共
貿易
対策になると
考え
ておる次第でございます。
宇田耕一
26
○宇田(耕)
委員
国連協力の線で中共
貿易
を
考え
られるという
お話
は当然と思います。最近、先月の十四日にロンドンで発表され、十五日にパリのUP電で発表されておるのですが、
日本
が対共産圏国の
輸出
統制
委員会
、ココムに入
つた
ということが発表にな
つて
おります。それについて
政府
はどういう具体的な加入前後の処置をとられたか、それをお聞きしたいと思います。
黄田多喜夫
27
○黄田
政府委員
中共あるいはソ連圏への
貿易
のある種の非公式な
委員会
がございまして、それに
日本
も参加いたしまして、ほかの国連諸国と共同して、同じ歩調で足並をそろえたいということが目的でございまして、先ほど
小笠原
大臣
からおつしやいましたでこぽこがないようにしてや
つて
行きたいというのが、この加盟いたしました眼目でございます。
宇田耕一
28
○宇田(耕)
委員
そうすると加盟せられたということですが、要するに共産圏国に対する非戦略物資を各国が
輸出
をしておるわけでありますが、各国がどういう商品を
輸出
しておるということの品目はおわかりにな
つて
おるのですか。
黄田多喜夫
29
○黄田
政府委員
戦略物資は出さない。非戦略物資は出そう、そういうリステイングの区別をちやんとつけるのが議題の
一つ
でございました。品目はたくさんございまして、今どういうものがどうだということを手放しに申し上げることは私できないのであります。一定のものをどつちに振りわけるか、それから振りわけた場合にも一定量を出すことができないかどうかということに関して協議いたしておるのであります。
宇田耕一
30
○宇田(耕)
委員
要するに国民の知りたいことは、
輸出
貿易
が行き詰ま
つたの
で、何らか打開策を講じたい。それについては国連に加入する国々と同等の待遇を得たい。
繊維関係
だけ申しましても、イギリスとかイタリア、フランス等の
競争相手
国がはたしてどれくらいの商品、どれくらいの品種を共産圏国に対して非戦略物資と認めて
輸出
を許しているかということをわれわれは聞きたい。国民はそれを聞きたいと思う。それを十分にわれわれが知らないと、当然出し得る力のある品物も、出すことができない品目に入
つて
いるのじやないかと思
つて
、われわれは無知のために、
輸出
に努力を払うきずながないということにな
つて
いる。
従つて
私はココムのような国際
会議
に加入したということは、国民にすみやかに知らすべき義務が
政府
にあると
考え
る。そしてその内容を発表して—要するに
貿易
は国民をのけての
貿易
はありませんから、われわれは国民とともに一緒にその
貿易
内容を知
つて
、世界の他の国連加盟国並に推進すべきものであると
考え
ます。その点についての
政府
の所見を伺いたいと思います。
小笠原三九郎
31
○
小笠原国務大臣
宇田さんの
仰せ
はごもつともでありますが、実は
委員会
の存在すらそのものが秘密にな
つて
いるのだそうでございます。
従つて
中身のことを公表することは参りかねるということでございます。
宇田耕一
32
○宇田(耕)
委員
委員会
そのものが秘密であ
つて
、そしてそれに加盟をするというその手続が、どうも今の
説明
では納得できたいのですが、そういうものに対するところの実際の加盟の取運び方というのはどういうことですか。
牛場信彦
33
○
牛場政府委員
これは実は
委員会
というような形のものでないのでありまして、各国が集ま
つて
ただ相談しているというだけなのです。そういう相談をや
つて
いるということはもちろんみな知
つて
いるわけでありますが、
委員会
というようなかつこうにな
つて
いるかどうかということについては、一切言わないということで
話合い
ができている次第であります。ですから加盟と言うと
ちよ
つと言葉があるいははつきりし過ぎるのでございますが、そういう相談に
日本
が加わ
つて
いるということでございます。 それからただいま
お話
のありました
繊維品
につきましては、今一切
輸出
制限はしておりません。これは中共へでもソ連へでも全然自由に売れることにな
つて
おります。従いまして現実に少し出ていることもあります。ドイツとかイタリアに比べて全然不利な取扱いは受けておりません。 それからどういう品物を出せるか出せないか、みな知らないということでありますが、これは
輸出
管理の別表というのがありまして、それに載
つて
いるわけであります。その他の実際のこまかい取扱いにつきましては、通産省の通商局の
輸出
課で全部とりまとめて皆さんにお知らせいたしております。中には
政府
から特に進んで公表することをはばかるようなこともあるのでございますが、しかし業者に対しましてはできるだけ詳しく
説明
いたしておりまして、その点についてはあまり疑問はないものと私
ども
は存じております。
宇田耕一
34
○宇田(耕)
委員
私は事務当局の事務の扱い方を問うているのではないのです。ココムへ
日本
が加盟するということはだれが加盟するのか。国の責任で加盟するのか、その他の身分をも
つて
加盟するのか、その点をお聞きしたい。—一切言わないと言うが、しかし
日本
が加わ
つて
いる、それはどういうことですか、具体的にそれを聞きたい。
坪川信三
35
○
坪川委員長
ちよ
つと速記をやめて。 [速記中止〕
坪川信三
36
○
坪川委員長
速記を始めて。
宇田耕一
37
○宇田(耕)
委員
それでは今のはそういうことにいたしまして、西ドイツの経済省の中にオースタン、東方
委員会
というのができて、これは共産圏国に対する
貿易
を取扱うところの
政府
の機構にな
つて
おるということが発表されております。どうしてドイツがこういうふうに積極的に、東ヨーロツパの共産圏国に
貿易
を必要とするかというと、世界的にマーケットが狭小に
なつ
たことに対する打開であります。そうしてドイッの一番ねら
つて
おるのは、ウクライナやその他の
方面
の麦その他の食糧を安価に
輸入
したいというのがねらいである。その見返り物資として薬品その他のもの二億五千万
ドル
くらいのものを出すということを発表しておる。私は西ドイツの今度の世界戦争によるところの地位というものは、
日本
と相似たものが非常にあると思う。その西ドイッですら、
政府
の内部にこういう組織をつく
つて
、そうして重要な食糧その他をすぐ隣国のソビエトその他からとろうという
政策
を軌道に乗せて、そうしてその見返り物資を出すことによ
つて
自分らのマーケットを、自由国家群との競争外において新たに求めようという努力をいたしておる。
日本
においてはそういう努力を払
つて
おるということは聞いたことがない。今の
お話
のように、事務当局と民間とがはつきり話をするというチャンスのないようなことが多いのであります。
従つて
大臣
にお聞きしたいことは、ヨーロッパ諸国において、現在そういうような積極的な手をどんどん打
つて
いるということに対して、
大臣
としてそういうふうな
政策
をもあわせておとりになるお
考え
があるかどうかお伺いしたい。
小笠原三九郎
38
○
小笠原国務大臣
この点は私
ども
よく
調査
いたしまして、さつき申し上げた国連協力の線に沿
つて
の範囲でこれを行うことにいたしたいと存じますが、実はまだ私率直に申し上げますと、そういう点の
調査
が不十分でありますので、
調査
した上、やれますことは—私も
貿易
の盛んになることはぜひひとつやりたいと思
つて
おるものでございますから、もう少し時をかしていただきましたら、その方を進めることにいたしたいと
考え
ております。
宇田耕一
39
○宇田(耕)
委員
十一月十七日に、ニューヨークに第三十九回の
アメリカ
の外国
貿易
評議会がありまして、それの宣言の中に、特にソビエトとの
貿易
政策
についての項目がありますが、その終りの方に、
日本
と中国との
貿易
をチエツクすべきでないということがうたわれております。
従つて
私は、
アメリカ
の
貿易
業者それ自身も、
日本
のマーケツトを狭小にすることによ
つて
他を圧迫するということは避けるべきであるということを
考え
ておると思うのであります。
従つて
われわれはその線に沿
つて
新たに
貿易
政策
を
考え
るべきであろうと思います。そしてその具体的処置としてはいろいろ
考え
られると思います。それで先日の
大臣
の御答弁の中にも、新しい
考え
があ
つた
らおれたちに教えてくれ、相談しようじやないかという
お話
がありました。それで最近中国との
貿易
を
交渉
してみて一番痛感することは、個人々々でも
つて
別々に行
つて
はもうだめであ
つて
、相手はまとま
つた
計画経済のもとに
貿易
をやろうとする
考え
が強い。
従つて
西ドイツが東方
委員会
を経済省の中につく
つて
や
つて
いるように、
政府
の責任においてこれをまとめて世話をし、あつせんをするということが一番必要であろうと思う。これについて
大臣
の御意見を伺いたい
小笠原三九郎
40
○
小笠原国務大臣
今
仰せ
の点はまことにごもつとものように思います。今のように
向う
が
ドル
貨、
ポンド
貨を持
つて
おるときでなくて、どうしてもやるとすれば、一種の物々交換にな
つて
行くだろうと思います。従いましてどこかで
一つ
にまとめた、いわゆる計画的なものをやらなければ、
貿易
の進展と申しますか、
取引
増加ははかられませんから、この点から申しますと、今
仰せ
に
なつ
たようなことはしごくごもつともだと思います。至急ひとつ
考え
てみます。
宇田耕一
41
○宇田(耕)
委員
先ほど
局長
からも
お話
がありましたが、
タイ
とか
インドネシア
、
パキスタン
に対して、
政府
または民間の代表者を送
つて
貿易
の
交渉
をせられた。ところが中共のような重要なマーケットに対しては全然パス・ポートを出さない。パス・ポートを出すととろの法制上のりくつは別問題として、戦後における中国というものは計画経済でありまして、その国民の生活水準の上
つた
原因
は、従来の資本主義的な経済社会の場合とは非常に違
つて
おりますから、彼らの
国内
における生活必需品の内容あるいは彼らの獲得したいと思う原材料の品目というものは、従来と非常にかわ
つた
点があるということを、われわれはいろいろの通信で見ております。
従つて
これに対して実情を
調査
するためには、旅行の制限をかなり大幅に緩和をし、自由なものにするという
政策
をと
つて
いただかなくてはならぬと
考え
ます。そういう点について
政府
はどういうふうな対策をお立てになるか、聞かしていただきたいと思います。
小笠原三九郎
42
○
小笠原国務大臣
これは実は外務省の所管でございまして、
ちよ
つと私の口から御答弁をいたしかねます。
長谷川四郎
43
○
長谷川
(四)
委員
局長
のさきのむずかしい
委員会
等の
お話
もありますが、本年の七月十六日にアイゼンハウアーが—ヴンデンの記事が出ておりましたが、
日本
という国はアジアと経済の
取引
をさせなければならない、もしこれをさせなければ
日本
は冷い戦争に入
つて
行くであろう、さらにこれを強制的にさせないというならば、カナダ、英国、
アメリカ
は
日本
に対しての責任をとるべきであるということを唱えておる。その後、この
委員会
等の
会議
において、アイゼンハウアーの唱えたこれらの言葉に幾分か沿
つた
曙光が見出されているかいなやをお伺いいたします。
黄田多喜夫
44
○黄田
政府委員
アイゼンハウアーが、先ほどおつしやいましたようなことを言
つて
くれましたことを私
ども
も新聞で読みまして非常にありがたいと思いました。まことに喜ぶべきことだと
考え
ております。それは別にいたしましても、
日本
を自分の足で経済自立させなければならぬということは、これはもうだれが見ましてもその
通り
でありまして、そのためには何らか大きな手が打たれなければならない、これも万人が認めているところだろうと思います。ヨーロッパの方におきましても同様な
考え
が非常に大きな勢いを持
つて
おるということも、これも先ごろ来の
英連邦
会議
等においても明らかにされておるところでございます。さてしからば、それが具体的に今どういうふうに現れつつあるかと申しますと、具体的にどうだと現実に認め得るような事例はまだただいまのところはございません。
坪川信三
45
○
坪川委員長
委員
各位に申し上げますが、時間の
関係
上、
大臣
に対する
質疑
を集約いたしまして、
政府委員
に対するものは
あと
まわしにいたしたいと思いますから、その点御了承の上御発言願いたいと思います。
宇田耕一
46
○宇田(耕)
委員
さつきの結末をつけます。
大臣
にお尋ねしたいことは、
貿易
は、いずれにしても直接
向う
へ行
つて
、
向う
の責任者と商
取引
の具体的
交渉
をしなくては事が運ばない。電報ではとても話にならない。
従つて
民間のエキスパートが直接
向う
へ行くことができるように、通商産業省としても考慮を払
つて
、外務省とも折衝していただきたいのであります。
小笠原三九郎
47
○
小笠原国務大臣
東南ア地方に対しましては、できるだけそういう措置をと
つて
おりますが、中共の問題は
ちよ
つとここで私の方からはお答えいたしかねます。しかし宇田さん
仰せ
に
なつ
た
通り
、エキスパートを送
つて
やらなければとうてい
貿易
は盛んになるものではございませんから、その趣旨はよく体しまして、今後措置をいたしたいと思います。
坪川信三
48
○
坪川委員長
伊藤卯四郎
君。
伊藤卯四郎
49
○伊藤(卯)
委員
ただいま上程されております、私
ども
が審議を求められております
電気
及び
ガス
に関する
臨時措置
に関する
法律案
の審議について(
委員長
も大分その能率化を求めておられるようでありますから、これに協力をしたいと思
つて
おります。つきましては、この法案審議の基礎的条件ともいうべき公益事業のあり方について、
通産大臣
の信念、あるいは通産行政の方針を明らかに承らぬと困るのでございます。そういう点についてひとつ
大臣
にお伺いします。電力事業の公益性についてでありますが、さきに電力会社が九つに分割をされまして、分割後の公益事業としてのあり方が完全なものであると認められておるかどうかということでございます。その使命を十分果しておるかどうかということでございます。先日私がこの件について
大臣
にお伺いをいたしましたところ、もちろん本
会議
のああいう折からでございますから、十分な答弁もできなか
つた
と思いますが、あの答弁では理解することも納得することもできません。
従つて
、きようはこの
委員会
でございますから、その点について十分
大臣
のこの公益事業に対する信念を伺いたいのでございます。電力事業の全益性、その使命のあり方というものは、今後の
日本
の産業の基礎構造の上に非常に重大な
関係
がある。
従つて
今後の電力事業の平和的な維持、あるいは国民に対するサービスを十分果し得る公益事業、そういうことに対して
大臣
のお
考え
にな
つて
おる点を、おれはこれで行くのだということを、ひとつ明らかに伺いたい。
小笠原三九郎
50
○
小笠原国務大臣
電気
事業が公益事業であることについては、さきに公共事業令できま
つて
おりましたようなぐあいで、私
ども
も最も強い公益事業であるということを
考え
ておるのであります。従いまして、
電気
事業につきましては、現在伊藤さんも御
承知
のように、九分割されてはおりまするが、しかしこれらにつきまして、会社にな
つて
おるから、一部は強い公益性と、またこの会社経営上の営利性というものを認めなければなりませんけれ
ども
、しかしあらゆる角度から見て十分な監督をして、今御指摘に
なつ
たように、
日本
の基幹産業としての大きな役目をさすとともに、また国民のために十分な奉仕をする機関であるべきであると
考え
ておる次第でございます。
伊藤卯四郎
51
○伊藤(卯)
委員
今度の電産ストが長期化して、非常に
日本
の工場、事業場、国民が迷惑と損害を受けておることは、
大臣
御
承知
の
通り
であります。新聞などでは、
日本
国家全体から行けば五十億くらいの損害を一日にこうむりつつあると言
つて
おります。これについてはいろいろ言
つて
おりますけれ
ども
、少くとも一日に三、四十億円の損害をこうむ
つて
おることは、事実であると言われておるのでございます。このような厖大な損害を毎日々々受けて行きつつあるこの電産争議は、今なお解決をいたしません。そのために国家としても大きな損失を受けておることは御
承知
の
通り
であるが、これらに対して一体
大臣
はどういうような手を打
つて
これを処置しようとしておられるかを伺いたい。
小笠原三九郎
52
○
小笠原国務大臣
今
お話
になりました
通り
、この電産ストが非常な大きな損害を与え、また各企業が非常にこれがために困
つて
おる、また国民も困
つて
おるということについては、ま
つた
く私
ども
も憂いをともにいたしておるのであります。しかしながら争議の問題につきましては、伊藤さんも御
承知
の
通り
、私
ども
がこれに立ち入る権限を、通産省としては持
つて
おりません。従いまして、私
ども
は労働
大臣
の所管のもとに、一日も早く労使双方がお互いに互譲の精神で円満妥結を希望する、こういうことを過日申し上げましたが、このことはなお今も強く、一日も早く解決せんことを私は熱望いたしておる次第でございます。
伊藤卯四郎
53
○伊藤(卯)
委員
需用家は、特に定額需用家というものは、電熱が薄くなろうとも、弱くなろうとも、あるいは停電させられようとも、その料金というものは会社からきちきちとられておる。しかるに需用家の方が何か
ちよ
つとした過失というか、あるいは小さな盗電というか、そういうようなことがあると、ただちにそれは六箇月前にさかのぼ
つて
追徴金なり罰金をとられる。今度のように、この電産争議のために、あるいは工場など、あるいは事業場など、あるいは国民が、非常な損害を刻々にこうして大きく受けつつあるのであるが、これらの損害というものを一体だれが弁償するのか。もしこれが民間同士の間の私契約の
関係
にあるならば、当然損害を与えた方に賠償を請求し、これがとれるのであります。たまたまこれが公益事業なるがゆえにこれらがとれないということが、非常に問題にな
つて
おるようであるが、
政府
は何人がこの損害の賠償をすべきものであると
考え
ておられるか。あるいは
政府
が何とかするのか。あるいは
政府
が電力会社に命じて何とかさすのか。この迷惑、損害に対してどのように一体行政措置をしようとしておられるかを明確にしてもらいたい。
小笠原三九郎
54
○
小笠原国務大臣
これは現在行われておる法律のもとで処理される以外にないと存じます。
伊藤卯四郎
55
○伊藤(卯)
委員
あなたの今の御答弁であるならば、一体それは行政官庁として、しかも公益事業というものはあなたのもとにおいて監督指導をされておるのでございます。公益事業なるがゆえに、国民はこれに非常な犠牲を払い、国家も多大の協力をしております。しかるに公益事業などというその名のもとに、消費者だけがその損害、迷惑を受けるのに、行政官庁であるところの
通産大臣
がそれらに対して、このきわめて重大な今日の現段階において、明らかにされないということは、はなはだ私は遺憾であると思うが、この点に対してもう一度明らかにしてもらいたい。
小笠原三九郎
56
○
小笠原国務大臣
通産大臣
は、現在行われておる法規のもとにすべて処理される以外に、いたし方がないと存じております。
伊藤卯四郎
57
○伊藤(卯)
委員
それでは需用家を保護するということは、公益事業としては全然認めないでよろしいのかどうかを明らかにしていただきたい。
小笠原三九郎
58
○
小笠原国務大臣
現在の法規のもとにおいて許すだけの保護はいたします。
伊藤卯四郎
59
○伊藤(卯)
委員
今のような公益事業に対するお
考え
であるならば、私
ども
は今上程されてありますところの法案の審議に対しても、重大な
考え
を持たなければなりません。いま少しこの公益事業に対して、
政府
はこのような
考え
方を持
つて
、国民の受ける損害、迷惑に対しては、今後臨むつもりであるというような点を明らかにされなければ、公益事業として国民はこれを
承知
することができません。そういう点に対して今
大臣
の御答弁されるところを見ますと、公益事業に対して一体監督指導というものをしておられるのかどうか。少くとも公益事業であるならば、あるいは監督をする、あるいは命令をする、あるいは取締りをする、そして国民に対するところの公益事業の奉仕の精神を十分尽させて行くということが、公益事業の使命でなければならぬと思うのであるが、こういう点に対しても、民間私企業と同じように、放任的な態度で臨んでおられるかどうかを明らかにしてもらいたい。
小笠原三九郎
60
○
小笠原国務大臣
現在の
電気
事業は、伊藤さんも御
承知
のように、各種の多数にわたる監督規定や聴聞制度等があるのでございまして、私
ども
もこの今出しておる立法につきましても、その公益性と、それから会社の営利性といいますか、それの調整を
基本
原則として、この案をお願いしておる次第でございます。
伊藤卯四郎
61
○伊藤(卯)
委員
どうも
大臣
とはイデオロギーの違いか、
考え
方の違いか知りませんが、私はこの問題をイデオロギー的に今あなたと論争しておるのではありません。ほんとうに国家国民の公益事業に対する
考え
方を明らかにせなければならぬ。今いろいろ、そういう機関の協力を得てというとようなことを言われておりますが、従来からの公益事業
委員会
というものは、一般国民はこれを
電気
委員会
と言い、電力会社
委員会
というほど極論をしております。それほどこの公益事業
委員会
というものは、従来ほんとうに消費者の立場に立
つて
考え
てや
つて
おらぬことを国民はよく知
つて
おります。そういう点から、むしろそういう
一つ
の事業のやり方は、私企業団体のやり方と同じである。そういうように
考え
ております。公益事業
委員会
とかなんとかい
つて
、名こそ公益でありますが、それはほとんど
電気
委員会
であるというように極論をされておるのでございます。そういう点に対して、従来のやり方にそのまま
政府
としては、あるいは
通産大臣
としては、それに期待されて、そのままや
つて
行かれるつもりであるかどうか。それであるならば、私
ども
はこの
電気
事業のあり方に対して、私
ども
自身から非常な重大な
考え
方を持ち出さなければならぬと思うのであります。従来のそうした機関というものが、百パーセント公益事業
委員会
として、機関として使命を果しておると思
つて
おられるかどうか、こういう点をひとつ伺いたい。
小笠原三九郎
62
○
小笠原国務大臣
過去の
委員会
には若干遺憾の点があ
つた
かわかりません。けれ
ども
今度私
ども
がこの
電気
事業
委員会
と申しますこの
委員会
をつくります場合には、消費者代表な
ども
入れまして、そうして今の公益的な意義というところを強く打ち出して参りたい、かように実は
考え
ておる次第でございます。米穀側でもやはり審議会には消費者代表などが入
つて
おりますので、そうい
つた
ことによ
つて
、今伊藤さんが
仰せ
に
なつ
たような、電力会社の
委員会
であるというふうなことはないように措置いたしたい
考え
を持
つて
おるのであります。
伊藤卯四郎
63
○伊藤(卯)
委員
電力会社が今のストライキの問題を解決することを非常にしぶ
つて
おります。というのは、私先般も本
会議
で
大臣
に質問をいたしましたように、会社は今後一割五分の配当をするだけの事業の内容ができて来ておると言
つて
おります。一割五分の配当をする。株は三倍に高くな
つて
来ております。こういう
状態
に電力会社が恵まれて来ておるということは、これは国民の犠牲と国家の協力の力によるものでございます。たとえば
電気
料金の値上げにいたしましても、一応そういう
委員会
にはかけておりますけれ
ども
、その大部分は、電力会社が意図しておる点が、順次これらが実行されて来ております。そういう点から、さきに申し上げるように、この公益事業
委員会
を
電気
委員会
というふうに、新聞や国民な
ども
そう
考え
ておるのであります。そういう点から電力会社は名を公益事業にか
つて
、実は自分の資産、自分の事業の基礎、自分の株の三倍の値上り、一割五分の配当をする。そうして消費者には迷惑をかけつぱなし。消費者はその損害を訴えるところもない。しかるに今度のストライキにおいても、会社はこれらを解決するところの経営内容を十分持
つて
おることを、ここに明らかに知ることができております。こういう点に対して一体
大臣
は、この争議解決になぜもつと積極的に乗り出されないのか。労働問題であるから労働
大臣
の所管であるとお
考え
になるかしらないが、一日に五十億円の損害を受けてお
つて
、これはあなたの行政監督下にあるところの事業の損害でございます。こういう点に対して私はもつと真剣にな
つて
もらいたいと思うのでございます。今申し上げるようなことで、会社のそういう内容というものは非常に充実をして来ておるのであるが、これらに対して
大臣
として、これだけの実力を備えた会社は、これはだれのおかげでこれだけの実力が備わ
つて
おるとお
考え
にな
つて
おるか。もし私が今申しますように、国民の犠牲と国家の力によ
つて
これらが充実して来ておるとするならば、このストライキ解決についても、私はおのずから解決の結論の出しどころというものが明確になると思う。さらにまた公益事業に名をか
つて
、私企業以上の殿様のお
通り
というようなことを一面や
つて
おる。これらに対してこのままでいいとお
考え
にな
つて
おるか、こういう点を私はもつとつつ込んで明確にしていただきたい。
小笠原三九郎
64
○
小笠原国務大臣
電力会社は過去長らく配当しなか
つたの
を、ようやく昨年の成績で一割五分の配当をするのでありますが、あれは御
承知
のごとくそれぞれの資本を集めてできておるのでございまして、それもございますから、
従つて
将来の資本蓄積とか、あるいは自己資金を調達するとか、こういう面から見て、現在の経済
状況
から見れば、一割五分
程度
の配当は私は妥当であると
考え
ておるものであります。 それから今非常な損害を日々受けつつあるということについては、ま
つた
く伊藤さんと同様に私も憂いをともにしておるものでございます。しかし
日本
の法制の上におきまして、私
ども
はいろいろ懇談はいたします。絶えず私
ども
労働
大臣
と懇談をいたしますが、私は争議に立入る権限を持
つて
おりませんので、私としてはたびたび懇談をして、一日も早くこの争議の円満妥結を見ることを希望しております。特に、すでにもう経営者側では中労委の案をのんでおるのでありますから、さような点も私
ども
考え
まして、できるだけ早く円満妥結を見まするよう、衷心からこいねが
つて
おる次第でございます。
伊藤卯四郎
65
○伊藤(卯)
委員
大臣
は分割当時にさかのぼ
つて
の
政府
の責任を御
承知
でないから、私は答弁が責任の上に立
つて
の答弁でないように思うのでありますが、この分割が行われますときに、吉田内閣において、たとえば今外務
大臣
をいたしております当時の岡崎官房長官、その当時の
通産大臣
等は、国会に対しまして、また国民に対しまして、こういうことを当時強く、分断の条件ともいうべきこととして約束しておりますことは、値上げをしない。それから
地域
差をつけない。あるいは電力はお互いに交流し合
つて
迷惑をかけない。サービスは監督指導のもとに百パーセントやらすことができます。こういうことを当時約束にな
つて
おるのでございます。ところが
政府
が当時約束をいたしましたこれらの約束というものは、
一つ
も実行されておりません。こういうことを私はもつと
通産大臣
は、当時の責任者でありませんけれ
ども
、お調べを願いたいと思うのであります。こういうことを約束して分断したのであるが、約束は実行されておらないからして、公益事業の性格論について論じなければならぬということも起
つて
来るのでございます。こういう点に対して、私はさらに
大臣
は、一体おれの時代じやないからおれは知らぬと言われるかもしれないが、しかし自由党吉田内閣の継続でございますから、あなたの時代じやありませんけれ
ども
、行政の引継ぎはそのままでございますから、こういう点に対しましていろいろ疑惑を持たれている点もございますから、そういう時代の約束について、今後も忠実に果そうと
考え
ておられるかどうか。おれの時代じやないから知らぬというようにあつさりされるつもりであるかどうか。その辺をもう少し明確にしてもらいたい。
小笠原三九郎
66
○
小笠原国務大臣
よく
調査
いたしまして、実情に即して、できるだけのことをいたしたいと
考え
ております。
伊藤卯四郎
67
○伊藤(卯)
委員
どうも
大臣
のその答弁はまるつきりのれんに腕押しのようなかつこうであります。
従つて
のれんに腕押しのようなことでありますと、この出ております法案につきまして、私
ども
は
考え
なければならぬ点がございますから、この点はひとつお含みを願いたい。私
ども
は公益事業としてこれを理解し、納得できる上に立
つて
、これらの法案が審議され、扱われるということでなければならぬと思うのであります。
従つて
基礎的なものは、
一つ
もわれわれが審議の過程において了解することができないということでありますならば、これらの枝葉ともいうべき問題についても、私
ども
は今この法案を審議してつくる必要があるのかどうか、つく
つて
またどれだけの意義があるのかどうかという点も、あわせて
考え
なければなりません。私は
大臣
が時間の点を言
つて
おられるようでありますから、もう一、二点だけできようはやめます。しかしなお質問は残します。 私が次にお伺いしたいと思いますことは、
大臣
は、公益事業はあくまで自由放任主義の立場に立
つて
の公益事業の
考え
方であるか。公益事業である以上は、国家の統制と管理と指導のもとに置こうとされるのであるかどうか。この点は私は公益事業のあり方の上において一番大事な点であると思いますから、この点をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
小笠原三九郎
68
○
小笠原国務大臣
今法案を出しておりますが、この法案は皆様の御了解によりまして、通過せんことを熱望いたしておる次第でございます。私
ども
といたしましては、
電気
事業は公益事業でありますから、これは今後も十分な監督をいたしたい所存でございまして、大体今
仰せ
に
なつ
たような、自由放任にするという
考え
方は持
つて
おりません。
坪川信三
69
○
坪川委員長
伊藤君に申し上げますが、
大臣
は、たいへん恐縮ですが、万やむを得ない用がありますので、なるべく簡潔にひとつお願いいたしたいと思います。
伊藤卯四郎
70
○伊藤(卯)
委員
それでは
委員長
にお伺いいたしますが、もう二、三点重要な問題を持
つて
おります。この点はどうも
大臣
がそわそわくしてお
つて
、逃げ腰で答弁をしておられるのではちつとも急所に触れることができません。
従つて
私は、そのような態度で重要な法案審議に答弁をされてお
つたの
では、はなはだ迷惑至極でございますから、ひとつ次会に
大臣
に対する質問は留保いたすことにいたしますが、そのように
委員長
おとりはからいくださいますか。
坪川信三
71
○
坪川委員長
承知
いたしました。
伊藤卯四郎
72
○伊藤(卯)
委員
それでは
大臣
に対する質問は、次会に留保いたします。
坪川信三
73
○
坪川委員長
通産大臣
は所用のために退席いたしますが、他に
政府委員
に対し御質問はありませんか。—速記をやめて……。 〔速記中止〕
坪川信三
74
○
坪川委員長
速記を始めて……。本日はこの
程度
といたし、次会は明後十三日土曜日午前十時より
大臣
に対する
質疑
を続行いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時十分散会