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1953-03-07 第15回国会 衆議院 大蔵委員会 第41号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十八年三月七日(土曜日) 午前十時四十分
開議
出席委員
委員長
奧村又十郎
君
理事
川野
芳滿
君
理事
内藤
友明
君
理事
松尾トシ子
君
理事
佐藤觀次郎
君
上塚
司君 大泉 寛三君 小山
長規
君 島村
一郎
君
塚田十一郎
君 中田 政美君 西村 直己君 小川 半次君 加藤 高藏君
笹山茂太郎
君 中崎 敏君
久保田鶴松
君 坊
秀男
君
出席政府委員
大蔵政務次官
愛知
揆一君
大蔵事務官
(
主計局法規課
長) 白石 正雄君
大蔵事務官
(
主税局長
)
渡辺喜久造
君
大蔵事務官
(
主税局税制
第 一
課長
) 泉
美之松
君
大蔵事務官
(
主税局税制
第 二
課長
) 塩崎 潤君
国税庁長官
平田敬一郎
君
大蔵事務官
(
国税庁次長
) 原 純夫君
委員外
の
出席者
専 門 員 椎木 文也君 専 門 員 黒田 久太君 ――
―――――――――――
三月六日
石油関税
の
減免措置延期
に関する
請願
(
武藤運
十郎
君
紹介
)(第三五〇二号)
物品税
中、貴石、貴金属の
製造課税
を
小売課税
に
変更反対
に関する
請願
(
内藤友明
君
紹介
)( 第三五〇三号) 同(
坊秀男
君
紹介
)(第三五〇四号)
ラケツト等
に対する
物品税撤廃
の
請願
(
福田赳
夫君紹介
)(第三五〇六号)
しよう油用塩価引下げ
に関する
請願
(
周東英雄
君外六名
紹介
)(第三五〇七号) こんにやく
原料輸入関税引上げ反対
の
請願
(有
田二郎
君
紹介
)(第三五〇八号)
共同募金
に対する
寄附金算入取扱
に関する
請願
(
足鹿覺
君
紹介
)(第三五二八号)
保険協同組合法制定反対
に関する
請願
(
足鹿覺
君
紹介
)(第三五一七号) 台湾における
外地資産
の
補償
に関する
請願
(徳
安實藏
君
紹介
)(第三五七一号)
国民金融公庫釧路支所設置
の
請願
(
伊藤郷
一君
紹介
)(第三五七二号) の審査を本
委員会
に付託された。
所得税法案
並びに
法人税法改正案
の撤回に関す る
陳情書
(第一七二九号) を本
委員会
に送付された。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した事件
日本輸出入銀行法
の一部を
改正
する
法律案
(内
閣提出
第三九号)
所得税法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第 四〇号)
法人税法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第 四一号)
富裕税法
を廃止する
法律案
(
内閣提出
第四二 号)
相続税法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第 四三号)
登録税法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第 四七号)
揮発油税法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第四八号)
米国
対
日援助物資等処理特別会計法
を廃止する
法律案
(
内閣提出
第六二号)
設備輸出為替損失補償法
の一部を
改正
する
法律
案(
内閣提出
第七八号)
外国為替資金特別会計法
の一部を
改正
する
法律
案(
内閣提出
第八一号)
造幣局特別会計法
の一部を
改正
する
法律案
(内
閣提出
第八三号)
国税徴収法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第九〇号)
納税貯蓄組合法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣
提出
第九四号)
関税定率法等
の一部を
改正
する等の
法律案
(内
閣提出
第一〇一号)
砂糖消費税法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提
出第一〇二号)
物品税法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第 一〇三号)
有価証券取引税法案
(
内閣提出
第一〇四号)
租税特別措置法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣
提出
第一〇五号)
地方公共団体
の
負担金
の
納付
の
特例
に関する法
律案
(
内閣提出
第一一六号)
昭和
二十一年度における
一般会計
、
帝国鉄道会
計及び
通信事業特別会計
の
借入金
の
償還期限
の
延期
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
(内
閣提出
第一一七号) 旧
外貨債処理法
による借
換済外貨債
の
証券
の一 部の
有効化等
に関する
法律
の一部を
改正
する法
律案
(
内閣提出
第一一八号)(
参議院送付
)
保険業法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第 一一九号)(
参議院送付
)
国家公務員等
に対する
退職手当
の
臨時措置
にす る
法律
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第一 二二号)
日本専売公社法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣
提出
第一二三号)
資産
再
評価法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提
出第一二六号)
昭和
二十八年度における
特定道路整備事業特別
会計
の
歳出
の
財源
の
特例
に関する
法律案
(
内閣
提出
第二一七号)
厚生保険特別会計法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第一二八号)
食糧管理特別会計法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第一二九号)
昭和
二十八年度における
国債整理基金
に充てる べき
資金
の繰入の
特例
に関する
法律案
(
内閣提
出第一三一号)
国有財産法
第十三条の
規定
に基き、
国会
の
議決
を求めるの件(
内閣提出
、
議決
第三号) ――
―――――――――――
奧村又十郎
1
○
奥村委員長
これより
会議
を開きます。本日は
地方公共団体
の
負担金
の
納付
の
特例
に関する
法律案
、
昭和
二十一生度における
一般会計
、
帝国鉄道会計
及び
通信事業特別会計
の
借入金
の
償還期限
の
延期
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
、旧
外貨債処理法
による借
換済外貨債
の
証券
の一部の
有効化等
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
、
保険業法
の一部を
改正
する
法律案
、
国家公務員等
に対する
退職手当
の
臨時措置
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
、
日本専売公社法
の一部を
改正
する
法律案
、
資産
再
評価法
の一部を
改正
する
法律案
、
昭和
二十八年度における
特定道路整備事業特別会計
の
歳出
の
財源
の
特例
に関する
法律案
、
厚生保険特別会計法
の一部を
改正
する
法律案
、
食糧管理特別会計法
の一部を
改正
する
法律案
及び
昭和
二十八年度における
国債整理基金
に充てるべき
資金
の繰入の
特例
に関する
法律案右
十一
法案
を
一括議題
といたしまして、
政府当局
より
提案趣旨
の説明を聴取いたします。
大蔵政務次官愛知揆一君
。 —————————————
愛知揆一
2
○
愛知
政府
委員 ただいま
議題
となりました
地方公共団体
の
負担金
の
納付
の
特例
に関する
法律案
外十
法律案
につきまして、その
提案
の
理由
を御説明申し上げます。 まず
地方公共団体
の
負担金
の
納付
の
特例
に関する
法律案
について申し上げます。最近の
地方財政
の
状況
に顧みまして、今回、
政府
は国の行う
直轄事業
について
地方公共団体
が
法律
に基いて
負担
する
負担金
については、これを
地方債
で
納付
する
特例措置
を設けることが適当と考えまして、この
法律案
を
提出
した次第でございます。 すなわち国の行う
直轄事業
について
地方公共団体
が
道路法
、
河川法
、
土地改良法
及び
港湾法等
の
法律
に基いて
負担
する
負担金
については、
政府
は、当分の間、
当該地方公共団体
の発行する
地方債
の
証券
をも
つて
納付
させることができることとし、利率、
償還方法
、
収納価格等
については、政令で定めることとしようとするものであります。しこうして、本
措置
は、
昭和
二十八年度以降の国の行う
事業
についての
地方公共団体
の
負担金
の
納付
から
適用
することといたしております。 なお、
昭和
二十七年度以前の
負担金
でその
納付期日
までに
納付
されなかつた
負担金
につきましては、その
納付計画
を立てさせまして、その
納付
の
促進
をはかることといたすのでございますが、しかもなお未納となるものにつきましては、
延滞利子
を付することができるごととして、その滞納の
防止
をはかろうとした次第でございます。 次に、
昭和
二十一年度における
一般会計
、
帝国鉄道会計
及び
通信事業特別会計
の
借入金
の
償還期限
の
延期
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
の
提出
の
理由
を御説明申し上げます。
政府
が
昭和
二十一年度において
昭和
二十一年
法律
第五十五号及び
昭和
二十二年
法律
第十号に基き借り入れました
借入金
の現在高は、
一般会計
において百五十一億七千八十六万円、
郵政事業特別会計
において五億六千三百七十四万円でありまして、その
償還期限
は
昭和
二十五年
法律
第六号により
昭和
二十七年度末まで
延期
せられておるのでありますが、同
期限
までに償還いたしますことは、困難でありますので、
償還期限
をさらに三箇年延長することとし、その間において必要な場合には、
公債
に借りかえることができることとしようとするものであります。 第三に、旧
外貨債処理法
による借
換済外貨債
の
証券
の一部の
有効化等
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、その
提案
の
理由
を御説明いたします。 旧
外貨債処理法
により、
邦貨債
に借りかえられ無効なものとされました
わが国
の
外貨債
の一部を
有効化
することにつきましては、一昨年末
現行法
の
制定
を見たところでありますが、
現行法
のもとにおいていまだ
有効化
されていない
外貨債
の
証券
または
証券
から切り離された
利札
の中には、海外の
証券市場
において取引され、現在においては借りかえ当時の
所有者
以外の者によ
つて善意
で所有されているものもある
状況
であります。これらの
善意取得者
に対しましてこのような
証券
または
利札
が無効であると主張いたしますことは、
一般
の
証券取引
の慣習から考えましてきわめて困難であり、また
わが国
の
対外信用保持
の見地からいたしましても好ましくないと考えられます。このような
特殊事情
を考慮いたしまして第一に、無効とされた
外貨債
で、現在
善意
の
取得者
によ
つて
所有されているものを
有効化
し得る道を開き、第二に、
利札
だけが
単独
に取引されておりまするときは、親
証券
の
有効化
をまたないで、その
利札
だけを
単独
に
有効化
し得る道を開くこととした次第でございます。 第四に、
保険業法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、その
提案
の
理由
を御説明申し上げます。
改正
の第一点は、
航空保険事業
についても、
海上保険事業
と同じく、
私的独占
の
禁止
及び
公正取引
の確保に関する
法律
及び
事業者団体法
の
適用
を除外することとしたことでございます。
航空保険事業
は、
海上保険事業
と同じく、
国際性
が強く、かつ
引受物件
の価額が巨額に上ることが多いので、
料率協定
、再
保険プール協定等
の
共同行為
が必要とされるのでございます。このような
特殊性
にかんがみまして、
海上保険事業
と同じく
私的独占禁止法等
の
適用
を除外することといたしたのであります。 次に、
保険会社
につきましては、その
決算
の完了に特に日数を要する
事情
にかんがみまして、
定時総会
の場合に限り、その
株主名簿
を閉鎖することができる
期間
を、商法の
規定
にかかわらず、九十日間といたしました。 その他、
保険会社
の
責任準備金
の
計算
に関し必要な事項を命令で定めることとするほか、若干の
規定
の
整備
をすることといたしたのであります。 第五に、
国家公務員等
に対する
退職手当
の
臨時措置
に関する
法律
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、その
提案
の
理由
を御説明申し上げます。
現行
の
国家公務員等
に対する
退職手当
の
臨時措置
に関する
法律
は、
昭和
二十七年度限りその
効力
を失いますので、
昭和
二十八年度以降におきましてもその
効力
を持たせることとし、あわせて
退職手当
の
支給額
、
勤続期間
の
計算等
について
所要
の
改正
をいたすことといたしまして、この
法律案
を
提出
いたした次第であります。 次にその
改正
の要点を申し上げます。第一に
退職手当
の
計算
にあたり、
恩給
または
共済給付相当額
を控除する従来の
方法
は、
事務
上の
手続
も煩雑でありますので、これを廃止し、また
退職手当
の
支給額
につきましては、
現行
八割増の
整理退職手当
の
支給額
を
改正法
においても維持することとし、
普通退職手当
並びに傷病、
死亡
による
退職等
の場合の
退職手当
をおのおの
整理退職手当
に対して五割、八割程度とし、さらに
整理退職手当
とその他の
退職手当
との差を特に
勤続期間
の長くなるに従い縮めるようにいたしたのでございます。 第二に休職、停職その他現実に職務をとることを要しない
期間
が一月以上ありました場合には、その
期間
の二分の一を
恩給法
の例にならい
在職期間
から除算することといたしたのであります。 第三に
官吏俸給令
による
官吏
に対する
死亡賜金
並びにこれに対応する
雇用人
に対する
共済組合法
による遺族一時金の一部を統合し、当分の間、
死亡
による
退職
の場合には、
俸給月額
の四月分に相当する額を
死亡
による
退職手当
に加算することといたしたのであります。
最後
に起訴中の
退職手当
の
取扱い
についての
規定
並びにその他必要な
経過規定
を置くとともに、
保安庁職員給与法
の
退職手当
の
特例
に関する
規定等
について、本
改正
の
趣旨
に準じて必要な
改正
をいたした次第であります。 次に第六、
日本専売公社法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、その
提案
の
理由
を御説明申し上げます。 この
法律案
は、
専売事業
の
企業的運営
をはかるため、
日本専売公社
の
会計制度
に関する
規定
に
所要
の
改正
を加えることを
内容
としたものであります。その概要を申し上げますと、まず、
現行
の
予算
の
弾力性
に関する
条項
を
改正
し、
予算
に需要り
増加
、
経済事情
の変動その他予測することができない事態に順応し得る
弾力性
を与えるとともに、
予算
の流用及び繰越しに関する制限を緩和し、
事業経営
の一層の
円滑化
をはかることといたしました。 次に、能率の向上により、
収入
が
予定
より
増加
し、または経費を
予定
より節減したことによ
つて
生じた
金額
のうちその一部を、
予算
の定めるところにより、
大蔵大臣
の承認を受けて特別の
給与
として
給与総額
にかかわらず支給することができるようにいたし、また、
専売納付金
の
計算
にあた
つて
は、たなおろし
資産
の
増加額
を控除しないことに改め、
企業体
にふさわしい
合理的制度
といたすよう
規定
の
整備
をいたしました。
最後
に、
業務内容
に投資の
条項
を加え、また、
業務
にかかる現金の
取扱い
に関する
規定
及びその他
予算
の形式、
内容
、
手続
の
規定等
について
所要
の
改正
を加えることといたしました。 次は第七でございますが、
資産
再
評価法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、その
提案
の
理由
を説明いたします。
政府
は、
昭和
二十五年に
資産
再
評価法
を
制定
して、第一次
資産
再
評価
を実施し、さらに
昭和
二十六年に
資産
再
評価法
の一部を
改正
して、第二次
資産
再
評価
を実施したのでありますが、その実施の
状況
を見ますと、当時の
経済情勢
の影響もあ
つて
、再
評価
は全体としては十分には行われなかつた実情にあり、かつまた、その後
物価
もある程度の
上昇
を示している
状況
であります。従いまして、
現下
の急務である
資本蓄積
の
促進
、
資本
食いつぶしの
防止等
をはかるために、今回さらに
資産
再
評価
の機会を与え、
現下
の
物価水準
に応じた再
評価基準
によ
つて
再
評価
を行い得るようにすることが必要であると認められますので、ここにこの
改正案
を
提案
することとしたのであります。 以下本
法律案
について、その大要を申し上げます。 まず、今回の再
評価
は、
法人
につきましては、
昭和
二十八年中に
開始
する
事業年度
の
開始
の日のうちいずれか一の日及び
昭和
二十九年中に
開始
する
事業年度
の
開始
の日のうちいずれか一の目において、合せて二回行い得ることとし、また、
個人
の
事業用資産
につきましては、
昭和
二十八年一月一日及び
昭和
二十九年一月一日において、合せて二回行い得るごととしております。なお
譲渡所得
に対する課程の調整をはかるため、
個人
の有する家屋、
土地
、非
事業用資産等
の
譲渡
があつた場合には、これらの
資産
については、
昭和
二十八年一月一日現在で再
評価
が行われたものとみなすことといたしております。 次に、再
評価
の対象となる
資産
は、第二次再
評価
を行うことができた
資産
と同種の
資産
で、
昭和
二十八年一月一日に有している
資産
としております。しかして、再
評価
の
基準
は、第一次及び第二次再
評価
の
基準設定
の基礎とされた
昭和
二十四年六月以後の
物価
の
上昇
を勘案し、新たにこれを設定しているのであります。すなわち、
土地
については約十三割、
減価償却資産等
については約五割、非
事業用資産等
については約二割を、それぞれさきの再
評価
の
基準
から
引上げ
たものを再
評価
の
基準
としているのであります。 次に、再
評価税
につきましては、先般の再
評価
の場合と同様に、再
評価差額
に対して百分の六の税率により課することといたしております。なお、
個人
の有する
資産
について再
評価
が行われたものとみなされる場合に再
評価差額
から控除する
金額
を従来の十万円から十五万円に
引上げ
ることといたしました。また、再
評価税
の延納につきましては、前回の再
評価税額
と合せた総額によ
つて
これを認めることとし、
法人
の
土地等
に対する再
評価税
は、再
評価日
から五年を経過するまでの間に
譲渡等
が行われない場合には、さらに、三年間にわた
つて
分納を認めることとするとともに、新たに、再
評価税
の繰上げ
納付
の道を開くごととしているのであります。なお、
公益法人
がその
収益事業
に属する
資産
について再
評価
を
行つた
場合には、
収益事業
からの
所得
に対して
法人税
を課している点に顧み、今回の再
評価
の
限度引上分
については再
評価税
を課することといたしております。 次に、再
評価
の
申告
は、
法人
については、再
評価日
を含む
事業年度終了
の日から二箇月以内に、また
個人
については、再
評価日
を含む年の九月一日から十月三十一日までにしなければならないことといたしておりますが、再
評価
を行わなかつた
法人
は、
申告書
の
提出
を要しないこととし、また、再
評価
を行わなかつた
資産
についての
市町村別明細書
の
提出
も要しないこととしております。 次に、再
評価積立金
の
資本組入れ
につきましては、再
評価積立金
の
金額
から
納付
すべき再
評価税額
を控除した
金額
の十分の九に相当する
金額
までをただちに
資本
に組み入れることができるようにし、また、再
評価税
を完納した
法人
は、
昭和
三十二年一月一日以後においては、再
評価積立金
の全額を
資本
に組み入れることができることとしているのであります。なお、社債の
発行限度
につきましては、再
評価積立金
の十分の九に相当する
金額
をただちにその
発行限度
に算入することとしているのであります。 次は第八でございますが、
昭和
二十八年度における
特定道路整備事業特別会計
の
歳出
の
財源
の
特例
に関する
法律案
につきまして、その
提案
の
理由
を御説明申し上げます。
特定道路整備事業特別会計
におきましては、
道路整備特別措置法
に基き実施せられる国の
道路整備事業
及び
地方公共団体
に対する
資金
の
貸付等
に関する
政府
の
経理
を取扱
つて
おるのでありますが、
昭和
二十八年度におきましてはその
財源
に充てるため
一般会計
より二十五億円を繰入れることができることとしようとするものであります。 第九に、
厚生保険特別会計法
の一部を
改正
する
法律案
の
提出
の
理由
を御説明申し上げます。 今回、
政府
は、
日雇い労働者
の
業務外
の事由による
疾病
または
負傷
及びその被
扶養者
の
疾病
または
負傷
に対して
保険給付
を行うことによ
つて
、その生活の安定に寄与することを目的として、別途、今
国会
に
日雇労働者健康保険法案
を
提出
いたしまして御
審議
を願
つて
いるのでありますが、この
日雇い労働者健康保険事業
の
経理
を明確にするため、
厚生保険特別会計
に新たに
日雇い健康勘定
を設けることとするため、この
法律案
を
提出
した次第であります。 この
法律案
の
内容
につき概略御説明いたしますと、
日雇い健康勘定
にお奇ましては、
保険料
、
一般会計
及び
郵政事業特別会計
からの
受入金
、
借入金
、
附属収入等
をも
つて
歳入
とし、
保険給付費
、
借入金
の
償還金
及びその他の諸費をも
つて
歳出
としております。なお、
経理
上必要のあるときは、この
勘定
の
負担
において、
借入金
または一時
借入金等
をなすことができることとし、さらに、
業務勘定
におきましては、本
勘定
の
設置
に伴い
所要
の
規定
の
整備
をはか
つて
おります。 第十に、
食糧管理特別会計法
の一部を
改正
する
法律案
につきましてその
提案
の
理由
を御説明申し上げます。 小学校の給食の用途に供する麦は、
食糧管理法
の一部を
改正
する
法律附則
の
規定
に基いて、
食生活改善
のため
農林大臣
の定める
価格
をも
つて
売り渡すこととな
つて
おります。このため、
食糧管理特別会計
に生ずる
損失
を補填するため、当分の間、
一般会計
から同
特別会計
に
繰入金
をすることができることとしようとするものであります。
昭和
二十八年度におきましては、前述の
繰入金
として十六億五千二百余万円を
予定
いたしております。
最後
に第十一といたしまして、
昭和
二十八年度における
国債整理基金
に充てるべき
資金
の繰入の
特例
に関する
法律案
の
提出
の
理由
を御説明申し上げます。
国債
の
元金償還
につきましては、従来
国債整理基金特別会計法等
の
規定
によりまして、前年度初めの
国債総額
の万分の百十六の三分の一を
一般会計
または
特別会計
から
国債整理基金特別会計
に繰入れるほか、
財政法
第六条の
規定
によりまして、
歳入歳出
の
決算
上の
剰余金
の二分の一以上を繰入れることとな
つて
おりますが、最近の国の
財政状況
並びに
国債
の
償還状況
からいたしまして、
昭和
二十八年度におきましては、
一般会計
からの繰入れは、
財政法
の
規定
による繰入れのみにとどめることとしようとするものであります。 また、
日本国有鉄道
及び
日本電信電話公社
が旧
特別会計
当時
負担
していた
公債
及び
借入金
は、
公社発足
の際、
一般会計
の
負担
に帰属し、
公社
は同額の
債務
を
政府
に対し
負担
することに
なつ
たのでありますが、
公社
がその
債務
の
元金
及び
利子
を
政府
に支払う場合においては、これを
国債整理基金特別会計
に直接
納付
することとしようとするものであります。 以上十一の
法律案
につきまして
提案
の
理由
を御説明申し上げました。何とぞ御
審議
の上、すみやかに御
賛成
あらんことをお願い申し上げます。 —————————————
奧村又十郎
3
○
奥村委員長
次に、
日本輸出入銀行法
の一部を
改正
する
法律案
、
米国
対
日援助物資等処理特別会計法
を廃止する
法律案
、
国有財産法
第十三条の
規定
に基き、
国会
の
議決
を求めるの件、
設備輸出為替損失補償法
の一部を
改正
する
法律案
、
外国為替資金特別会計法
の一部を
改正
する
法律案
及び
造幣局特別会計法
の一部を
改正
する
法律案
の六
法案
を
一括議題
として
質疑
を続行いたします。
川野芳滿
君。
川野芳滿
4
○
川野委員
ただいま
議題
となりました六
法案
につきましては、
質疑
も大体尽されたと思いますので、この際
質疑
を打切り、
討論
を省略して、ただちに
採決
に入られんことを望みます。
奧村又十郎
5
○
奥村委員長
ただいまの
川野芳滿
君の動議のごとく決定するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
奧村又十郎
6
○
奥村委員長
御
異議
がないようでありますから、右六
法案
につきましては、この際
質疑
を打切り、
討論
を省略して、ただちに
採決
に入ることにいたします。 これより
日本輸出入銀行法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
として
採決
いたします。
本案
を
原案
の通り可決するに
賛成
の
諸君
の御
起立
を願います。 〔
総員起立
〕
奧村又十郎
7
○
奥村委員長
起立総員
。よ
つて本案
は
原案
の通り可決いたしました。 次に、
米国
対
日援助物資等処理特別会計法
を廃止する
法律案
を
議題
として
採決
いたします。
本案
を
原案
の通り可決するに
賛成
の
諸君
の御
起立
を願います。 〔
総員起立
〕
奧村又十郎
8
○
奥村委員長
起立総員
。よ
つて本案
は
原案
の通り可決いたしました。 次に、
国有財産法
第十三条の
規定
に基き、
国会
の
議決
を求めるの件を
議題
として
採決
いたします。
右件
を
原案
の通り可決するに
賛成
の
諸君
の御
起立
を願います。 〔
総員起立
〕
奧村又十郎
9
○
奥村委員長
起立総員
。よ
つて右
件は
原案
の通り可決いたしました。 次に、
設備輸出為替損失補償法
の一部を
改正
する
法律案
、
造幣局特別会計法
の一部を
改正
する
法律案
、
外国為替資金特別会計法
の一部を
改正
する
法律案
の三案を
一括議題
として
採決
いたします。
本案
を
原案
の通り可決するに
賛成
の
諸君
の御
起立
を願います。 〔
総員起立
〕
奧村又十郎
10
○
奥村委員長
起立総員
。よ
つて右
各案はいずれも
原案
の通り可決いたしました。 なおただいま可決いたしました六案に関する
報告書
の作成並びに
提出手続等
につきましては、
委員長
に御一任願いたいと存じます。 —————————————
奧村又十郎
11
○
奥村委員長
次に
所得税法
の一部を
改正
する
法律案
外十二税関係
法案
を
一括議題
として、
質疑
を続行いたします。
内藤友明
君。
内藤友明
12
○
内藤
(友)委員 お尋ねする前に
委員長
にひとつ御希望を申し上げたいと思うのですが、実はただいまも
提案
理由
の説明を聞きました
法律
が十一ありますので、ずいぶんたくさんの
法律
が出て参りました。これをどう処理するかということがこの
委員会
としても非常に重大な問題だと思うのでありますが、願わくはきようのこの
委員会
におきまして
委員長
から大体皆様の御了解を得ていただきまして何か懇談会でもお聞きいただきまして、その処理
方法
をひとつじつくりと相談して、
促進
できるように御配慮いただきたいと思うのであります。 〔
委員長
退席、
川野委員
長代理着席〕 そこでこれは
愛知
さんじやなしに、お隣におられる渡辺さんにお尋ねしたいと思いますが、
登録税法
の一部
改正
の
法律案
ですが、まことに今度の
改正案
はけつこうなことだと思うのであります。と申しますのは、正しからざる印紙を張りまして登録したというのが先般刑事問題にまでなりましたことは、私ども聞き及んでおるのでありますが、実はこれは、登記いたしまするわれわれ民間側としてはあずかり知らぬのでありまして、たいていこれは、中間に仕事をいたしておりまする代書人と申しますか、世話人と申しますか、そういう人たちが登記所の職員と結託してやることではないかと思うのであります。ごく小額のものは、古い印紙をちよいと張
つて
ごまかすものもあるかもしれませんけれども、多額のものにつきましては、およそそういうことはなかろうかと思うのでありますが、そこで、それらを
防止
するという意味から、今度の
改正
法律案
をお出しに
なつ
たのだろうと思うのでございますが、もし不正な印紙を張りまして登記いたしまして、あとでわかつた、そしてこの
法律
によ
つて
もう一度その印紙を正しいものに張りかえさせるということはわかりますが、そういう欠陥のある
手続
をいたしたその登記は有効か無効か、私はこれは無効じやないかと思うのであります。そういうでたらめな仕事をやりまして、そして一度受付けたからといいましても、これは錯誤でありまして、それを有効にするということはいけないのでございますが、これは
主税局長
の御見解をお聞きするのがいいのか、あるいは登記の責任を持つ人の御意見を承るのがいいのかわかりませんが、とにかく
政府
委員ということは
政府
委員なのでありますから、お答えできないとは考えられないのでありますが、そこをひとつ教えていただきたいと思います。
渡辺喜久造
13
○渡辺(喜)
政府
委員 私その方の専門でございませんから、もし私がここでお答えすることがあるいは間違
つて
いたらすぐ取消して、専門の人から詳しく御説明をいたしたいと思いますが、われわれ法務省と話合いました場合の一応の結論といたしましては、
善意
においてなされた登記の場合においては、登記そのものは有効だ、こういうふうに解すべきではないかと考えておりますが、悪意の場合におきましては、登記そのものについての
効力
は一応有効と考えるが、疑問が持たれると考えております。
内藤友明
14
○
内藤
(友)委員 使うべからざる印紙をそこに使つたということは、これは
善意
じやないのです。悪意なのです。あやま
つて
やつたというのじやないのであ
つて
、ほとんど悪意だろう、脱税だろうと思いますが、そういうことでやつた仕事が有効だとは考えられないのであります。そうすると、今の渡辺さんの御答弁からしますると、こういうものは全部だめだ、登記は有効ならず、こう解釈していいのでありますか。
渡辺喜久造
15
○渡辺(喜)
政府
委員 どうも専門家でございませんから、間違つた御答弁を申し上げて、もしまたあとで誤解を招いてもいけませんから、法務省の
政府
委員に至急出席してもらうようにお願いしたいと思います。
内藤友明
16
○
内藤
(友)委員 お答えはあとでもけつこうであります。ただ私はただいまのお答えの、
善意
のものならば有効、悪意のものではだめ、こうおつしやるのですが、脱税という気持は決して
善意
のものじやないのです。ただいま渡辺さんの御答弁でありますると、これにひつかかつたものは全部登記はだめだ、こう考えられますので、十分法務省のその責任の方にそこをおただしいただきたいと思います。私はだめだということにしていただきたい。そうしませんと、これはあとを断たないのでありますから、少し私の先入的な気持が強くあるかも存じませんが、その点をひとつ法務省の皆様によくお話をいただきたいと思います。私のお尋ねすることはただこの一点であります。
渡辺喜久造
17
○渡辺(喜)
政府
委員 かしこまりました。至急連絡いたします。
川野芳滿
18
○
川野委員
長代理
佐藤觀次郎
君。
佐藤觀次郎
19
○佐藤(觀)委員
主税局長
にお尋ねしたいのですが、先日公聴会で舟橋聖一君が文士のいろいろな立場を訴えたのでありますが、今税金がいろいろな方面に多くな
つて
来たということは事実であります。文学賞とか文化勲章、こういうものに税金がかか
つて
おるわけですが、学術的なものには文化賞でもかからぬ。しかも文士などが書くものには、文化賞に税金がかかるのは少しおかしいと思うのですが、これを軽減する意思があるかどうかお尋ねします。
渡辺喜久造
20
○渡辺(喜)
政府
委員 その関係の法文といたしましては、
現行法
の第六条の第六項でございますが、「国、
地方公共団体
、外国、国際機関、国際団体又は
大蔵大臣
の指定する団体、基金若しくはこれらに準ずるものが学術に対する顕著な貢献を表彰するものとして又は顕著な価値がある学術の研究を奨励するものとして交付する金品(
給与
又は対価の性質を有するものを除く。)で
大蔵大臣
の定めるもの」これが
現行法
の根拠
規定
でございますが、ここに一応書いてあります「学術に対する顕著な貢献を表彰するもの」とかあるいは「顕著な価値がある学術の研究を奨励するもの」と「学術」という字にな
つて
おるものですから、小説、創作、そういうものに対します分につきましては、一応現在は課税をする建前といいますか、少くともこの指定の分としては入
つて
おらないわけでございます。ただその性格からいたしまして、一時
所得
になるべきものだと思
つて
おりますし、今度はその一時
所得
が十五万円以下の場合には課税しないことにな
つて
おりますので、具体的な場合におきまして、あるいはその
金額
を越える場合もあるかと思いますが、その場合におきましても、十五万円は一応控除になりますので、まあ大体の場合はそう無理なことにならないで済むのじやないだろうか、かように考えております。
佐藤觀次郎
21
○佐藤(觀)委員 できる限り小説でも創作でも、映画、演劇につきましても、これは学術と同じような意味の民衆的ないろいろなものがございますので、ぜひこういうものについては課税をしないように努力していただきたいと思います。
所得
のあるところ税ありというのが原則でありますけれども、賞与に税金がつくということは、ちよつとりくつが合わないように思いますので、ぜひ考慮していただきたいと思います。 もう一つ
愛知
政務次官にお尋ねしたいのですが、著作権について、今著作権法が五十年になるということで運動がなされております。相続をする場合に著作権が相続の対象になるわけでございますが、これは御承知のように本が出れば一割五分の税を納めておるわけでございますから、死後の著作権に対しては税金をとらぬような
方法
をや
つて
ほしいという要望があるし、また必ずしも著作権を持
つて
おるから、本が売れるというわけでもないのでありまして、いわゆる著作権についての相続税は、将来廃止してもらいたいという要望がございますが、どういう御意向を持
つて
おられるかお尋ねしておきたいと思います。
愛知揆一
22
○
愛知
政府
委員 将来の問題としては研究問題だと思いまするが、なお現在の
取扱い
及び
事務
当局の所見につきましては、
主税局長
からお答えいたします。
渡辺喜久造
23
○渡辺(喜)
政府
委員 著作権の課税問題はいろいろむずかしい問題がありまして、税務当局におきましてもずいぶん苦労して実はや
つて
おります。私が知
つて
おります二、三の具体的な事例を見て参りましても、お父さんがある学校の教科書のようなものをお書きにな
つて
いて、その著作権が子供さんに相続されまして、毎年数十万円の
所得
がそこから生れて来る。割合に定期的姿で生れて来るというような具体的なな事例を私一つ知
つて
おりますが、こういうような場合におきましては、いかにも一つの財産を相続なすつたという姿が非常にはつきりしておりますので、こういう場合には、やはり著作権が相続財産として取入れられるのも決して無理じやないということをはつきり感ずるわけでございますが、ただ文学書の問題になりますと、その作家の方が生きていられる間は非常に売れたような本も、その方がなくなられて後に相当命があるものとないもの、これはずいぶんいろいろあるように思
つて
おります。必ずしも出版された当時にベスト・セラーに
なつ
たものだからといいまして、それの命が長いとも言えませんし、案外当時は目につかなかつた短編物などが、その人の短編集として岩波文庫とか、あるいはいろいろな文庫に入
つて
相当長く命を続けている。従いまして具体的な相続税の課税におきましては、その辺の点につきましているく専門家の御意見なども伺いまして、どの程度の
評価
をして行くべきか。
評価
の問題といたしましてかなり問題を片づけているわけですが、しかし場合によりましては、税務当局におきましても相当慎重を期しまして、そう無理がないという線においての
評価
を実は行
つて
いる、かような実情にございます。
佐藤觀次郎
24
○佐藤(觀)委員 講演料あるいは原稿料の源泉課税におきまして、この前には多少下りましたが、これは結局
最後
に
所得
としてとられますので、もう少し下げる意思があるかどうか、この点について
主税局長
にお尋ねしたいと思います。 〔
川野委員
長代理退席、
委員長
着席〕
渡辺喜久造
25
○渡辺(喜)
政府
委員 現在は十五の税率で源泉課税をしております。この場合おきましていろいろ見て参りますと、あとで確定
申告
の場合におきまして追加
納付
される方の場合と、それから逆にむしろ返してもらうといつたような方の場合とございますが、現状におきましては、大体私は十五ぐらいの税率でも
つて
いいのではないか。ただ今度の税法の
改正
の場合におきまして、この点を一点だけ税法の
改正
に入れておきました。と申しますのは、今までの税法でございますと、文士の例をと
つて
申し上げますと、文士の方が出版業者から原稿料をもらう場合におきましては、一応十五の税率でも
つて
税金をとられている。従いまして確定
申告
の場合におきましては
計算
上税金を返してもらうという
計算
になる。こういう場合に、その出版業者の方から税務署の方へそうした源泉徴収をした税金が納ま
つて
いない場合がときにあります。その場合に、今までの
規定
でございますと、
政府
の方ではそれだけの税金が納ま
つて
いないのだから、伴
つて
その場合には返せないのだといつたような議論がありまして、税務署の方でなかなか返しておりませんでした。しかしこれは文士の方々からも非常な御不満がございまして、文士の方としては、税法上税金を差引かれることについては何とも文句が言えないでも
つて
差引かれる。同時に出版業者が税金を納めることについて、文士の士としてはこれを強制する力はないのだ。ところが税務署の方としては、税金を納めない場合においては強制処分をするだけの権能を持
つて
いる。従
つて
納まらなかつた場合、その
損失
を文士の人にかぶせるのはおかしいのではないかという議論がずいぶんございます。これは私も確かにごもつともな議論だと思いまして、今度の税法
改正
におきまして、その点は、もし税金が出版業者から税務署の方に納まらず、滞納にな
つて
おりましても、文士の方としては十五の源泉税率で徴収がされているということがはつきりしておれば、確定
申告
において税額がとられ過ぎにな
つて
いる、従
つて
返してくれという場合には、現金でも還付するという
措置
は一応考えてございまして、文士の方が一番お困りになり御不満にな
つて
いた点は、今度の税制
改正
におきまして一応
改正
し得るように
提案
してございます。
佐藤觀次郎
26
○佐藤(觀)委員 平田
国税庁長官
に一点お尋ねしたいと思います。過納源泉課税の分について、税務署の方では金をとるときは早いのですが、返すときには非常に遅いということで問題にな
つて
おりますが、過納源泉課税については早く処置して返してもらえるかどうか、その点について平田
国税庁長官
にお尋ねいたします。
平田敬一郎
27
○平田
政府
委員 実はこの問題は、機会がありますれば私の考えを申し上げたいと思
つて
いたところでございますが、私は率直に申し上げまして、最近いろいろ考えておりますが、税金をなるべく早く返すということが、逆に納税を
促進
する最良の
方法
ではないかというふうに実は考えております。その話は、少し長くな
つて
恐縮でありますけれども、昨年納税表彰を行いましたところが、いなかの村長さんの話されたことですが、あるときに、税金を返すことについて税務署が非常に親切に早くや
つて
くれたので、その次からは村民の方々が、税金ならいつでも納めましよう。こういう気構えに
なつ
たということを実例をあげて非常にはつきりお話にな
つて
おられましたが、これは私は確かに非常に大きな真理を含んでおると思う。ところが今佐藤さんのお話のように、今までは逆に、一ぺん税務署に税金を納めると、なかなか返してくれない。私ども
個人
の経験でも、実は街頭録音に出ましたときも、税務署というのは死んでからあとでないと税金を返してくれないというふうな質問を受けまして、まつたく恐縮いたしたのでございますが、そういういろいろなことからいたしまして、何とかして返すべき税金は早く返す、このようにするのが納税を逆に
促進
するゆえんではないかということを考えまして、この点は、特に私どもの重大な方針の一つに入れております。今度法制的にも、それに関連して徴収法の一部
改正案
を出しているかと思
つて
おりますが、返す
方法
等につきましてもいろいろくふうしてみたい。私の今の方針は、非常に大きな
金額
に上りますとやはりあやまちがある、あやまちがあるとよくございませんから、慎重を期さなければならぬと思いますが、比較的少い額のものを返す場合におきましては、一定の証拠書類さえ集ま
つて
いる場合は先に返してしまう、そうしてあとでむしろ監査するという行き方にしたらどうかと思う。それから今は税金を返すのに税務署に金をとりに来いということにな
つて
おりますが、これも郵便局の振替払いで返すことにしたらどうか、そうしますとよほど納税者の手数も少くて、しかも迅速に返すという
措置
ができはしないか、それを来年度からぜひ実行に移して行きたいということで目下準備中でございます。ただときによりますと、払いもどし金の
予算
が足らなくて返せないというような場合もあるのでございますが、この問題につきましても、今年は間に合いませんでしたが、来年度からは
予算
が足らないために返すやつが返せないというような場合につきましても、なるべくくふうを凝らしまして、そういうことがなくて済むように処置をしてみたいと思
つて
おります。これは
措置
がもう一年くらい遅れるかもしれませんが、とにかく返すにつきましては、一応これは厳重に、具体的な実際もまた示しまして、早く返すようにいたしたいと考えておる次第であります。
渡辺喜久造
28
○渡辺(喜)
政府
委員 今のお話に関連いたしまして、私先日まで東京国税局長をや
つて
おりましたので、ちよつと補足的に申し上げさせていただきたいと思います。東京国税局におきましては、昨年の暮れ、二十七日に一応仕事が全部終りましたのですが、払いもどしの関係だけにつきましては、三十一日まで税務署、国税局その関係の人たちだけに出勤してもらいまして、とにかく暮れのうちに、できるだけ返す仕事は
促進
するようにということでやつたような事例も、ございまして、税務署の一線におきましても、徴収の方の仕事とか、そういう方の仕事は二十七日に打切
つて
しまつたのですが、還付の仕事だけは三十一日までずつと日曜、休みをつぶしまして、出勤してもら
つて
やつたというようにや
つて
おりますので、かなり税務署としましても努力はしている、かように思います。私はこの間まで国税局長をや
つて
おつたせいもありますが、一言だけ附加させていただきたいと思います。
中崎敏
29
○中崎委員 広汎な税金問題につきましていろいろ質問したい思うのでありますが、時間の関係もありますので、とりあえず
物品税
のことについてお尋ねしたいのであります。わが党は、
物品税
については原則としてとらないという方向に考えておるのであります。一部高級奢侈品のごときものは別として、原則的には、これをとらないような考え方を持
つて
おるのであります。これなかなか国家財政の都合上一ぺんにそういうわけにも行かないのでありまして、漸次そういう方向に進むべくわれわれも努力してみたいと思うのであります。その中で、貴金属に対する
物品税
の問題でありますが、ただこの
物品税
の体系から見ますと、現在においてはいわゆる源泉課税という建前に貫かれておるのであります。それを今回貴金属に関してだけ、これが店頭課税ということにな
つて
おるようであります。その中で金側時計につきましては、これは例外のようであります。そのほかの貴金属につきましてお尋ねしたいのでありますが、まず第一に
政府
の方でそうした原則をくつがえす一つの例を今回設けられたのでありますが、そうされなければならない切実な根拠をひとつお尋ねしたいと思います。
渡辺喜久造
30
○渡辺(喜)
政府
委員
政府
といたしましては、
物品税
につきましては、むしろできるだけ消費の段階に近いところでも
つて
こういう糖類の税金は課税すべきものである、これをむしろ一応の理論としては考えております。ただ消費の段階に近いところ、すなわち小売の段階でも
つて
課税するということにつきましては、いろいろ課税技術的に困難もございます。従
つて
そうした技術的な困難の観点からいたしまして、むしろ
製造課税
でも
つて
やつた方がいいという
物品税
につきましては、
製造課税
をも
つて
や
つて
行く、こういう考え方でずつとや
つて
参りまして、従いまして
物品税
が創設されました当初におきましても、相当の種類の物品が
小売課税
にな
つて
おつたことは中崎先年御承知の通りであります。最近この全部にわたりまして
製造課税
に持
つて
行つた
ということにつきましては、戦後の経済的ないろいろな困難の事態でございまして、やみがかなり横行していたというような事態もありましたものでございますから、それでいつそ全部
製造課税
に持
つて
行つた
方がいいのじやないかというので、実は
製造課税
に持
つて
行
つて
みたのでありますが、特に今度
小売課税
に移そうという種類の物品につきましては、
製造課税
で数年や
つて
見ました結論としましてどうもこの種類の品物は
製造課税
に持
つて
行くことが手数を省くゆえんでなくして、かえ
つて
いろいろな意味においての弊害を多くずるゆえんである、かような結論が出ましたので、この種の税金はむしろ消費の段階にできるだけ近いところで課税するのが本来の性格であり、しかも
製造課税
に持
つて
行くことが課税の上からいいまして、手数を省き技術的に簡易になるということよりも、逆に
小売課税
に持
つて
行くよりも、むしろ弊害が出るという事例であるならば、これはやはり
小売課税
に持
つて
行くべきじやないか、かような観点からしまして、特にその品物の性格から見まして
製造課税
に持
つて
行くことが適当でないもの、これを選びまして
小売課税
の方に持
つて
行こう、こういう
改正案
を
提案
しておる次第でございます。
中崎敏
31
○中崎委員 貴金属加工の場合につきましては、局長の方ですでに実態はよく御調査と思うのであります。私の調査したところによりますと、大体こうした貴金属の加工業者というのは東京が中心である。そのほか大阪に相当ある。さうして東京においては約五十社、いわゆる問屋筋といつたようなものでありますが、これが受注者になると思うのであります。それが三百名程度の職人、それはしかもほとんど専属のような形にな
つて
おるようでありますが、それに持
つて
行
つて
、加工を発注する。そうして今度はまた注文者に製品が返
つて
、これが全国にばらまかれるというふうな実態のようであります。これはきわめて単純な形と私は思うのであります。ところが今
政府
で考えておられるように、これが今度小売店頭課税ということになりますと、全国で約三万五千軒程度のものがあるといわれておるのでありますが、わずか五十社、しかも職人が三百人でありますから、この間の関係を調べれば今まではこれで簡単に課税ができる。ところが今度はかえて、消費者に近い店頭課税ということになると、全国三万五千、しかもこれがあらゆる税務署、あらゆる管下にばらまかれておる店を相手に税金をとる調査をするということになりますから、徴税費からい
つて
もたいへんだし、手数からい
つて
もたいへんだ。そういうことにな
つて
、結局において煩瑣な結果だけを生んで——
政府
の考えておられるのは、一面においては、実情に即してできるだけよけい税金をとろうという考え方と思うのでありますが、かえ
つて
私は逆の効果を生むのではないかというふうに考えておるのであります。ことに四月からいよいよ金を自由放出されて、ニトン程度のものを出されるということにな
つて
おるのでありますが、従前は金も禁制品であつたために、公然とは取引ができなかつた。いわばやみからやみへのものであるから、従
つて
このメーカーをとつつかまえるのはなかなか簡単に行かなかつた。今度は大ぴらにできるのでありますから、ニトンならニトンだけ割当てて販売される。それが今度はメーカーの側においてどういうふうに分布されて使われるかということは、はつきり捕捉ができるものだと私は思う。そういうふうに、言いかえれば情勢がむしろ自由にな
つて
、今度は容易に源泉をつかみ得るような段階に
なつ
たときに、かえ
つて
これを逆行して、煩雑な店頭課税に持
つて
行かれるということは、私はどうもその間の
事情
がわかりにくいのでありますが、そこらのいわゆる徴税手数、そうしてさらに今度は源泉として五十社程度の問屋、三百名程度の職人、これらの関連性を容易につかみ得るものだというふうに考えるものでありますが、これについての実態の認識をお聞きしたいと思います。
渡辺喜久造
32
○渡辺(喜)
政府
委員 ただいまお話のような点につきましては、われわれの方でも十分検討いたしてみたわけでございます。それで現在の形態としましては、一応東京を中心とし、あるいは大阪にある幾つかの問屋が主たる仕事をするであろうということはわかりますが、その場合におきましても、問屋が委託加工の形態をとるか、あるいはこれは
法律
的な関係とも結びつき、税法のきめ方とも結びつくと思いますが、むしろ職人である方を製造者として、一応金なら金についての原料はそこで買い仕切
つて
しまいまして、そして製造者はむしろ職人の方である、こういう形態をとつたという問題につきましては、従来の経験、あるいは同種の物品から見ましても、むしろあとの方の形態にな
つて
行く可能性が非常に強いのではないか、こういうふうに思
つて
おります。もしそういう形態が一部でも出て参りますと、職人の方に課税が行くわけでございまして、しかも職人の方は問屋筋に対しましては非常に弱い立場にあるということも当然考えられるわけであまりす。しかもその性格からしまして、税率が非常に高いということもまた一つ考えなくてはならぬじやないか、そういうような点から考えて参りますと、なかなか製造の過程におきまして弊害なしに課税が順調に進んで行くということについては、相当疑問がある。もしもそういうことに
なつ
たならば非常に弊害が起るのじやないかとわれわれは心配しております。それから今度新しく金の放出になることお話の通りでありますが、しかし同時にこの種の製品、たとえば貴石、半貴石なども一応今度入りますが、この種の製品につきましては、製造という過程自身が一体どういう過程だろうというのがまたいろいろ議論があるわけでございまして、結局大体個別的なものが動いている。製造として課税を受けておりますのは、どちらかといいますと輸入された宝石などが保税地域から引取られますときに、いわば一種のみなす製造の形で課税されるという程度のものしか、製造という過程ではないわけであります。それからさらに金の関係からいたしましても、新しい放出金のほかに古い、いわゆる古金を使いましての製造というのがやはり相当あるわけであります。過去においてはほとんどそれが大部分であつたのが、この時分になりますと、なかなか放出された金だけの関係から押えられるからいいのだというようなわけとはちよつと事柄が違うように思
つて
おります。またその辺の課税がうまく参りませんと、放出金に対する分だけが課税されて困るじやないか、おかしいじやないか、こういつたようなことも考えてみなくてはならぬじやないか。確かにおつしやいますように、小売の店頭ということになりますと、小売業者の数はふえますが、しかし大体小売りでございますと、店があ
つて
店の表へ出ているといつたような関係から見まして、いわゆる飾り職人さんがアパートの一室でや
つて
みたり、あるいはごく裏の方の家でや
つて
いたという場合などに比べますと、はるかに表へ出ているといつたような関係からいたしまして、数は確かにふえますが、まあ小売屋さんの方が表へ出ている関係がはつきりしていますし、現在の税務署の分布と、あるいはそれに勤めている税務
官吏
の点から考えますと、この程度の仕事でございますればそう無理なしに行い得るのじやないだろうか、こういうような観点からいたしまして、一応
小売課税
をこの範囲についてや
つて
みたらどうか。
小売課税
にしならいいんじやないかという議論は、他の品物についても相当ありますし、またそれを広げることについてもずいぶん検討してみたのでありますが、それを広げることについてはさらに今後の検討にまつごとにいたしまして、この程度に範囲を狭めましたものにつきましては、やはり
小売課税
が一番適当ではないか。同時にまた
小売課税
にいたしますれば、現在の製造
価格
に対する税率等の関係から見まして、小売
価格
に対する課税になりますから、税率自体も相当
引上げ
ることもできる。これは感覚だけの問題かもしれませんが、この
提案
におきましても税率は二割にな
つて
おります。そういう小売
価格
に対しての二割程度の税率であれば、この種の品物としましてはそれほどの税率とも思えない。このような関係を彼此勘案しまして、この種のものにつきましてはやはり
小売課税
が一番適当であろう。かような結論を出したわけであります。
中崎敏
33
○中崎委員 店頭の場合においては、一応店を持
つて
おると考えられるのでありますが、必ずしも全部が店を持
つて
いないで、こうしたものが、新らしいこういう制度に
なつ
たためにかえ
つて
持ちまわりが相当できて来るということはもちろん考えなければならぬ。それでなくても相当あり得る。それから一つには十個あ
つて
も店頭に出しておるのは一個、二個、三個程度かもしれぬ。そういうおそれもある。それに対してどういうふうに税金をかけるのか。全国に三万五千もある店頭を調べて行くことはなかなか容易なことじやないと思う。また一つには旧地金というものが民間に相当流れておる。これはいつの時代においても相当多い。ただ一番多い密輸入というものはなくなるのじやないか。言いかえますと、金が今までは禁製品として取引ができないために、よそから密輸入しても高く売れる、もうかる。ところが今度二トン放出されることによ
つて
、実際に加工すれば余るくらい。そうするとあとは加工もしないで将来の値上り、あるいは財産の保全のために金を隠しておくというものもあり得ると思うのですが、少くともこの対象となるところの加工という面から見ると、二トンじやあり余る。従
つて
これは外国から輸入して来ても、それ以上に高く売れないのだから、密輸入というものは一応なくなりはしないかというふうにも考えられてお
つて
、今日まで一番その対象と
なつ
た密輸入の金の問題というものは一応解消すると私は見ておるのです。そして今度店頭課税になるというと、職人のところに金を持
つて
行
つて
加工してもらう。そうするとこれは何ら税金はかけられない。そういう面も相当今度起つたりして、私は
政府
の方で考えておられるように円滑に、しかもよけい税金がとれるとは見ていないのであります。そしてまたこのほかに、たとえばこの前も言
つて
おられましたが、メーカーの方でかけるということになると、なかなか税金を立てかえるのはたいへんだというのであります。現在の取引の実態というものは現金取引のようであります。現在の貴金属に対する加工品については、たとえば六十日先で税金を払えばいいということになると、六十日間はメーカーが税金を自分のところで使
つて
ちようど映画館で税金を六十日か使
つて
おつたそうですが、それと同じように、あべこべに
政府
の金を使うという形にな
つて
おる。むしろその方で金融は助か
つて
おるのだということもあるようでありますが、いずれにしてもいわゆる最終の消費者に近いところで
物品税
をかけるというその方針はいいのでありますが、一応メーカーの方でかけるという税体系を、ことさらそれがためにこのものに限
つて
だけそういう方針でやらなければならぬという根拠がわれわれよくわからないのであります。
政府
の方においても、この点をもう一度御検討願いたいということを申し上げて、この問題については質問を打切
つて
おきたいと思います。
渡辺喜久造
34
○渡辺(喜)
政府
委員 簡単にお答えさせていただきます。店頭に並べられているものだけでなくて、裏に相当持
つて
おるというようなことは確かにおつしやる通りであります。しかしおのずからそのことにつきましては調査の
方法
もございますし、また納税者とされましても、もちろん税金を免れることばかり考えている方がそう多いわけでもございませんので、われわれはその点、大部分の納税者につきましては信頼できるというふうに考えております。 それから一番この場合に問題になりますのは、いわゆるカバン屋とかいいまして、店を表に持たないで売買して歩く人についての問題はどういうふうに捕捉されるかという点が、いつでも御議論になるのでございますが、いろいろ調査して参りますと、やはりその人たちの相当部分といいますか、東京辺では大部分とい
つて
いいようですが、その場合におきましては、ちようど呉服屋さんが片方でも
つて
店を持ちながら片方でお得意先へ荷物をかついでいろいろまわ
つて
歩かれると同じような関係で、やはり店を持
つて
いらつしやる方がお得意先をおまわりになる、こういう範疇に属する人がかなり多いようでございます。東京辺ですと、ほとんど大部分がそうだということを、東京の係の者は申しております。しかしそれだけでなしに、あまり店をお持ちにならないで、まわ
つて
歩かれる方がやはり相当数あるということは、これはあろうと思
つて
おります。ただわれわれの方といたしましては、
所得
税の課税などの面が別にございまして、そういう店を持たなくて商売をしていらつしやる方は、
所得
税に課税におきましても、なかなか調査のむずかしい点はあるのでございますが、しかし
所得
税の課税におきましても、やはりそういう方々についての調査は一応行われておるわけでございますから、従
つて
そういう方について、商売がそういう御商売であ
つて
、店がなくてもやはりおのずから税務署の方にはある程度わか
つて
おりますし、またわか
つて
参りますから、その方だけについて特に手が行き届かないということはないんじやないか。調査の点については難易の問題は私はあると思
つて
おります。しかしそういう方については、全部課税が逃げてしまうというような心配はないんじやないか、かように考えておりますし、また同時にそういう点についての心配があるだけに、執行の上におきましても特に注意して参るべきものである、かように考えております。
中崎敏
35
○中崎委員 今そういうお話があつたのでまた続けたいのですが、実は脱税——これはだれも脱税したくはないんだが、なかなか
負担
に耐えかねて、そういうことが非常に多いということは当然なことなんであります。そこで私の一番心配しておるのは、それだからとい
つて
たくさんの小売業者に対してのこういう制度は困るというわけです。どうしても無理がかか
つて
来る。言いかえますと、二トンなら二トンというものをメーカーにちやんと申請さして払い下げてやるのだから、これはどこどこへ
行つた
ということはちやんとはつきりわかる。それが何軒の下請加工業者に持
つて
行かれるということは、これは計画生産として必然的にきわめて容易にわかるのです。また税金の面においても、これだけとれるということは、初めからはつきり数が出て来る。ところがこういうふうに三万五千名、中にはもぐりの人間が相当いる。そういうことになると、これは計画生産ではない、税金はとれにくい。そこでどうしても無理をして、
所得
税は
所得
税で調査され、また
物品税
は
物品税
で二重に調査をなされなければならない。現在の税務機構の実態はあまりよく知りませんが、いずれにしても間接税と直接税とは別個の機関において別個に運営されている。これは関連性があ
つて
十分行き届いているとは思いますが、必ずしも全体がそういうふうに行
つて
いるとは思わない。そのために小売人の側から言えば、二重、三重に調査を受けてきわめて煩雑である。いわゆる代官というか、地頭というか、そういうふうな観念が依然としてこれらの業者には相当持たれておるということは否定できない。でありますから、やはり最もとりいいように、しかも最も摩擦がないようにというふうな形にしていただきたい、こういうことが私の希望なんです。
渡辺喜久造
36
○渡辺(喜)
政府
委員 この種の品物につきましては、
製造課税
に置くことが非常に困難であり、同時に決してうまく行かない。放出される金の問題につきましても問題があると思いますが、同時にそれ以外の問題もあるわけでございますので、非常に困難があ
つて
、うまく行かないだろうという心配が非常に強いということは、先ほど申し上げましたから繰返しませんが、
小売課税
の問題におきましては、間接税の関係と直接税の関係とは係も違いますし、また調査する観点も違いますので、二重に調査を受けなければならないような一応の印象になります。ただおそらく東京のまん中の商売の人は、この種のものを相当多く扱
つて
いると思いますが、そうでない地域の人は、貴金属製品といいますと、御承知のように金、白金を使つた製品とか、それから銀でございますと、いわゆる純銀と称して銀の棒、あるいは銀の湯沸かしとか銀のさじ、これも普通に言われるのは大体銀メツキか銀張りでございまして、ほんとうに純銀のホークというのは子供のホークとか特別のものがありますが、あまり
一般
的なものではないと思います。従
つて
普通の中都市辺の小売屋さんのお扱いになるこの種の量は、それほど多くの量でもございませんし、従いまして同時に調査の対象になりますのはその部分だけでございまして、その品物以外については、
物品税
の調査は全然関係ないのでございますから、それほど小売屋さん万に大きな御迷惑をかけることはないんじやないだろうか。それからいろいろなお話もございましたが、金時計あるいは時計の側、これらのものはやはり時計会社でつくりまして、決して飾り屋などでも
つて
普通につくれるものではございませんし、つく
つて
も意味がないものでございますから、こういうものにつきましては製造会社でも
つて
押えるのが一番いいというふうなことは、われわれも同じように思いますので、この種のものにつきましては、今回の場合におきましても
製造課税
の方に残しておりますが、指輪でありますとか、あるいはブローチ的なもの、そういう種類のものにおきましては、製造の過程においてはそれがどうしてもこまかくわかれて参りますので、本来の性格である消費に一番近いところでと
つて
行く
小売課税
の方がよいのじやないだろうか、過去におきましてもやはり
小売課税
においてや
つて
来た。それは相当の
理由
があ
つて
のことではないか。
製造課税
の方も数年や
つて
見ましたが、どうもうまく行かないというので、こういう一応の結論を出した次第でざいます。
中崎敏
37
○中崎委員 うまく行かないのは、今のような点もあるいは多少あるかもしれないが、今度の場合ならうまく行くかということも問題である。要は税収を確保することにあるのだが、はたしてそれだけのものが確保されるかどうかということは残された問題だと思う。今まで税収を十分あげ得なかつた
理由
は、一つにはこれは禁制品であ
つて
、表向き大ぴらに加工できない、隠れ隠れでやみからやみへとやられて行くために、勢い税金の対象として大ぴらにできないというような実情にあるのだから、この点も一つ考慮されなければならない問題だと思うのです。今いろいろ御説明がありましたが、これだけを店頭課税にしなければならぬという重大な根拠が私にはまだ十分納得が行かないのです。この問題を残しまして、一応時間の関係もありますから、私の質問を打切
つて
おきたいのでありますが、全般について私として相当まだ意見を申し述べたい点もあるし、お聞きしたい点もありますので、引続いて今後の質問に残しておきたいと思うのです。
渡辺喜久造
38
○渡辺(喜)
政府
委員 あまりくどくなりますので、私ももう前言を繰返すことはいたしませんが、確かに今までは金が使用制限をされていたということが、今までのうまく行かなかつた点についての一つの原因であつたと申し上げることはできようと思います。しかし何と申しましても、
製造課税
にしておきますとやはり五割という高い税率になりますので、金の使用の制限が解かれたといたしましても、今度は税金のゆえにやはり同じような事態が続いて起
つて
来るのじやないだろうかということを実はわれわれは心配しているわけで、ございまして、せつかく中崎さんがほかの問題に移られようとしているときに私がくどくど申し上げますと、なかなかこの問題と離れられないようでございますから、私もあまりくどくどと御答弁申すことはいたしません。どうも私の説明が悪いのか、御納得いただけないことを非常に遺憾といたしますが、われわれや
つて
みまして今言つたような
事情
にあるということだけを申し上げておきます。
奧村又十郎
39
○
奥村委員長
本日はこれをも
つて
散会いたします。 午後零時二分散会