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1953-02-27 第15回国会 衆議院 大蔵委員会 第35号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年二月二十七日(金曜日)     午前十時二十九分開議  出席委員    委員長 奧村又十郎君    理事 淺香 忠雄君 理事 川野 芳滿君    理事 内藤 友明君 理事 松尾トシ子君    理事 佐藤觀次郎君       上塚  司君    大泉 寛三君       大村 清一君    島村 一郎君       西村 茂生君    西村 直己君       宮幡  靖君    三和 精一君       小川 半次君    平岡忠次郎君       坊  秀男君  出席政府委員         大蔵事務官         (大臣官房日本         専売公社監理         官)      今泉 兼寛君         大蔵事務官         (主計局法規課         長)      白石 正雄君         大蔵事務官         (銀行局長)  河野 通一君         大蔵事務官         (為替局長)  東条 猛猪君  委員外出席者         法務事務官         (民事局第五課         長)      池川 良正君         大蔵事務官         (銀行局総務課         長)      福田 久男君         大蔵事務官   市瀬 泰蔵君         日本専売公社副         総裁      勝田雄次郎君         日本専売公社塩         脳部長     西川 三次君         専  門  員 椎木 文也君         専  門  員 黒田 久太君     ————————————— 二月二十六日  委員川崎秀三君辞任につき、その補欠として小  川半次君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 二月二十六日  地方公共団体負担金の納付の特例に関する法  律案内閣提出第一一六号)  昭和二十一年度における一般会計帝国鉄道会  計及び通信事業特別会計の借入金の償還期限の  延期に関する法律の一部を改正する法律案(内  閣提出第一一七号)  旧外貨債処理法による借換済外貨債の証券の一  部の有効化等に関する法律の一部を改正する法  律案内閣提出第一一八号)(予)  保険業法の一部を改正する法律案内閣提出第  一一九号)(予) 同日  関戸元陸軍射撃場跡の処分に関する請願坊秀  男君紹介)(第三〇二一号)  小月飛行場払下げに関する請願西川貞一君紹  介)(第三〇二三号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  参考人招致の件  国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律  案(内閣提出第三六号)  開拓者資金融通特別会計において貸付金の財源  に充てるための一般会計からする繰入金に関す  る法律案内閣提出第三七号)  漁船保険特別会計における漁船保険事業に  ついて生じた損失を補てんするための一般会計  からする繰入金に関する法律案内閣提出第三  八号)  日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案(内  閣提出第三九号)  製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律  の一部を改正する法律案内閣提出第五九号)  米国対日援助物資等処理特別会計法を廃止する  法律案内閣提出第六二号)  国有財産法第十三条の規定に基き、国会の議決  を求めるの件(内閣提出議決第三号)  解散団体財産収入金特別会計法を廃止する法律  案(内閣提出第七七号)  設備輸出為替損失補償法の一部を改正する法律  案(内閣提出第七八号)  外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律  案(内閣提出第八一号)  アルコール専売事業特別会計法の一部を改正す  る法律案内閣提出第八二号)  造幣局特別会計法の一部を改正する法律案(内  閣提出第八三号)  製塩施設法の一部を改正する法律案内閣提出  第八五号)     —————————————
  2. 奧村又十郎

    奥村委員長 これより会議を開きます。  議案の審査に入ります前にちよつとお諮りいたします。本委員会におきまして目下審査中の所得税法の一部を改正する法律案及び法人税法の一部を改正する法律案の両案につきましては、先日公聴会を開いて広く一般意見を聴取した次第でありますが、公述意見にもありましたように、なお個々の問題について詳細に検討する必要があるように思われますので、右両案について参考人出席を求め、参考意見を聴取いたしたいと存じます。この点御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 奧村又十郎

    奥村委員長 御異議ないようですから、さよう決定いたします。  なお、参考意見聴取の日時、参考人選定等につきましては、委員長及び理事に御一任願いたいと存じます。     —————————————
  4. 奧村又十郎

    奥村委員長 次に、本日の日程に掲げました十三法案一括議題として質疑を行います。質疑は通告順によつてこれを許します。宮幡靖君。
  5. 宮幡靖

    宮幡委員 議題なつておる十三法案につきまして、全部を一通りお伺いいたしたいのでありますが、しかし政府委員の方の顔ぶれから見まして全法案はできないことでありまして、おもに御出席銀行局為替局理財局長も出て来てくれるだろうと思いますから、これらに関連してお伺いいたします。きようすぐ係の方が見えないで御答弁できないというのは、あとでもけつこうでありますから、一応要領だけ伺つておきたい。  まず、直接議題には関係ございませんが、国内金融制度の確立ということは昨年来やつて参りまして、長期金融分野短期金融分野というものがおおむねわかれて、準政府機関または純粋の政府機関、こういうものにいたしまして、貿易金融と申しますか、そういう事態も順次明らかにして参らなければならない。そういう際におきまして、今回輸出入銀行法の一部を改正する法律案が提案されておりますが、その内容とする業務範囲の拡張につきましては、おおむね議論のないところであります。当然にして当然の措置である、かように考えたのでありますが、ただそこにおきましてまず第一番に考えなければならぬのは、設立後五年たつたならば融資を停止する、そういうことが当初の出発点でありましたが、それは短期暫定的なものであるという仕組みであると思います。これをはずしますことは、将来にわたつて永久的に——永久的にという言葉は不適当でありますが、相当長い期間にわたりまして日本輸出入銀行を存続せしめる必要性を感ぜられたものであろうと推察するのでありますが、それらにつきましてのお考えを伺いたいと思います。
  6. 河野通一

    河野(通)政府委員 お尋ねの点は、今御指摘になりましたような考え方でおります。輸出入銀行を設立いたしました当初におきましては、国際関係、ことに貿易の将来につきましてもあまりはつきりした見通しが実はつきませんでした。本来ならばこれらの貿易金融は、普通の状態ならばこれは民間金融機関でいいわけであります。ところが日本の置かれておりまする特殊事情、特に国際関係等から見まして、プラント関係長期貿易金融につきましては、どうしてもやはり政府機関が必要であるという認識に立つて来ておるのであります。しかしながらだんだん経済全体が正常化すれば、これは民間金融機関にまかせてもよいというので、とりあえず臨時的に五箇年に限つて融資をするということにいたしたのであります。その後の情勢を見ますと、やはり五箇年間で短期打切つてあと民間金融機関に手放してしまうということはむずかしいような状況なつて来ておる。かたがた輸出入銀行の職員が臨時的なものだということになりますと、やはり志気にも影響いたすようなこともございますので、この両者から考えて、そういう融資期限を五箇年に限るということは適当でないという認識に立ちまして改正をいたした次第であります。
  7. 宮幡靖

    宮幡委員 改正の趣旨は了解いたしました。そこで改正内容につきましては、従来は協調融資ということを本来の形としておつたが、今度は単独融資を認めるというふうに拡張せられて来ておりますけれども協調融資の成果は、事実上におきましてわれわれは期待に反したものがあつたと思つている。おそらく単独融資ということが、現在の市場におきましてはより強く必要であろうと考えるのであります。これは日本輸出入銀行総裁等にお伺いする方が適当と思いますが、銀行局長の御方針として、どんな分野でやるつもりか、業種によつてこれは単独融資あるいはこれは協調融資というふうにきめるのか、あるいは輸出そのもの輸入そのもの物資についてこれを判定して行くのか、大体の方針がありましたならばお聞かせ願いたいと思います。
  8. 河野通一

    河野(通)政府委員 現在のところは、特に物資種類等について単独融資協調融資の振合いをわけて行くことは考えておりません。融資期限が長くなるので、普通の短期商業金融ではなかなかそれにパーテイシペートすることがむずかしいというようなものがどうしても出て参ります。従いまして期限が非常に長くなる。御承知通り今度の法案でも、従来の原則三年、例外五年というのをさらに延ばす、そういうことで期限がだんだん延びて参ります。国際競争立場で相手がそういう条件を出して参りますから、どうしても期限を長くしなければならぬ。それらに対応いたしまして、期限の長いもので、商業金融としてなかなかそれに乗り切れないようなものが主として単独融資のものになると思います。しかしあくまで私どもは、できるだけ市中金融機関資金をこれに乗せて行くということを原則にいたして行きたい。従つてどうしても乗らないようなものに限つて例外的に単独融資は認めて行く、こういう考えであります。
  9. 宮幡靖

    宮幡委員 大体わかりますが、ただ皮相の観察であるかもしれませんが、一応の疑問が出て来るのであります。市中銀行との協調融資と申しますが、一般普通銀行といえば、短期金融をまかなつております。従つて長期にわたる設備融資金融などというものは協調すべからざる生路を持つている。これは強い言い方になるかもしれませんが、日銀政策委員会決定等により、あるいは利子規制委員会等に諮りまして、それぞれの手配をしていたしたことでありましようが、市中銀行輸出入銀行との協調融資は、本来ならば成立すべからざる国内金融分野なつている。従つて産業に対する融資であるならば、興業銀行等協調融資ということしか考えられない。小さな部門、中小企業という言葉はあてはまりませんが、比較的産業構造の中において中以下に属するものの場合においては、長期信用銀行との協調融資ということしか考えられないのでありますが、局長さんの言われますところの市中銀行との協調融資は、どういう形でどういう構想で組まれて行くものであるか、その点を伺いたい。
  10. 河野通一

    河野(通)政府委員 御案内のように、プラント輸出期限は非常に長いものもありますが、六箇月程度のものもあるわけであります。六箇月では、商業銀行融資対象にしてよいか悪いかという議論はございますが、現に御承知のように、商業銀行も造船とかいろいろな金融は、実は長い金融をやつているわけであります。従いまして、輸出入銀行対象にいたしておりますものがすべて商業銀行対象にならないとは言い切れないのであります。  それからもう一点は、非常に長い期限のものにつきましても、返済方法分割で返済して行く場合に、市中銀行の分を先に返すという手もあるわけであります。最終期限は五年なら五年という長いものでありましても、パーテイシペートいたしました市中銀行の分は、分割の場合に先へ返すというような方法もあり得るわけであります。それらの点から見ますると、必ずしも市中銀行輸出入銀行のやつております業務にパーテイシペートできないということは言えない、こういうふうに考えております。
  11. 宮幡靖

    宮幡委員 いささか俗論になる形がありますが、ただいまの局長さんの御説明から類推判断いたしますると、結局プラント輸出でも、長期にわたるものはおおむね単独融資短期の場合においては、市中銀行との協調融資もあるんだ、こういうような考えになりますが、そういうふうに考えてよろしいのですか、どうですか。
  12. 河野通一

    河野(通)政府委員 原則はそういうことでいいと思います。ただ弁済最終期限が長いものでも、分割弁済市中銀行へ先へ返すというものにつきましては、パーテイシペーシヨンしてさしつかえない、かように考えております。
  13. 宮幡靖

    宮幡委員 次には、今度の改正の中にあります重要な事項、必要な範囲において外国為替業務を行う。これは必要な範囲でありますから、輸出入銀行の行います為替業務について、何ら疑問を持つ者はない。昨年来盛んにいわれております外国為替業務を一体統一するのですか。外国為替業務自主性を強調しております折から、これらのものを育成しようという方針をとられておりますのか。この点をこの際はつきりしてもらう時期になつておると思います。昔の正金銀行、ただいまの東京銀行あたりの一行の特殊銀行為替として持つて行くのか。それとも十二、三行あります外国為替銀行に対しまして、それぞれの外貨を与える等の方法によりまして育成の手段をとつて行くのか。この点について、昨年よりももし大蔵省当局方針が進んでおりますならば、一応の御説明をいただきたい。
  14. 河野通一

    河野(通)政府委員 外国為替銀行の機構をどういうふうにして整理して行くかという問題。これは御承知のように、実は長い間問題になつておりました。少くとも私どもといたしましては、貿易金融あるいは為替金融強化育成ということをどうしてもやつて参らなければならぬ、かように考えまして、為替局長さんも見えておりますが、いろいろな観点からこれらの手を打つて参つております。しかしながら制度として、戦争前にありましたような正金銀行のような特殊銀行為替の専門の機関としてつくることがいいか悪いか。あるいは法律制度としてそういうことをやらないで、事業上重点的に為替銀行というものを育成して行くということでいいのか、この問題につきましては長い間実は研究を重ねておりますが、いまだに結論を得ておりません。今後ともこの問題についてはせつかく研究を続けたいと思つておりますが、実はまだそこまでは結論が出ておらぬのであります。少くとも為替銀行外国為替金融及び貿易金融強化育成につきましては、今後ともあらゆる方途を講じて行きたい、かように考えております。
  15. 宮幡靖

    宮幡委員 それではこれに関連しまして、為替局長さんに伺いますが、最近報道されたところでは、外貨取引全面改正といいますか、そういうような形で、いわゆるポンド預託実施ということと関連しまして、かつてのいわゆるシヤドー・アカウントを廃止しまして、為替銀行自己の名義のポンド勘定を通ずる為替取引といいますか、そういうようなものを開始して行こうという関係になります。そこで外貨取引全面改正というものと、従来の外国為替銀行との関係が、われわれの聞きますところでは、必ずしもスムーズに行かない点があるだろう。そこでその誤解を解くために、この際簡単でよろしうございますから、その運用内容についての御説明をいただきたいと思います。
  16. 東条猛猪

    東条政府委員 お答え申し上げます。ただいまお話が出ております為替銀行育成強化貿易取引為替取引正常化という問題に関連しての問題でございますが、従来御承知のように、日本外貨はほとんど全部がいわゆる外国銀行預託せられておつたわけであります。しかしながら、日本も独立をいたし、また日本側為替銀行の海外における支店の設置は逐次進みまして、いろいろの観点から見ました場合に、日本側為替銀行も一本立ちの商売をすることが可能でもありまするし、またきわめて望ましいという観点からいたしまして、その外国銀行預託せられておりましたところの日本外貨を一部日本側為替銀行に直接預託いたしまして、それによりまして貿易取引決済を行うことが、いろいろの観点から望ましいと考えましたわけであります。昨年の十二月の八日に、まずドルにつきましては従来外国銀行に預けておりました外貨を、日本側為替銀行に一部移しまして預託をいたしたわけであります。ポンドにつきましては、主としてイギリス為替管理法規運用関係、特に今宮幡委員からお話のございました司令部時代からのいわゆるシヤドー・アカウントの廃止の問題に関連しまして、ドルと同時に実施はできなかつたのでありますが、その後イギリス側との打合せも済みましたので、この三月二日から、ドル同様日本側為替銀行資金の一部を預託いたしたいと存じております。ポンドにつきましてはたいへん遅延をいたしましたが、イギリス為替管理法規との関係で、いろいろ先方との打合せに実は意外な時間を要したという結果になつておりまするが、三月二日からは実施できる見込みに相なつております。  それでこれらドルあるいはポンド預託が行われますと、ただいまお話のございました通り日本側為替銀行自分支店、あるいは自己勘定におきまして、直接貿易ないし為替決済取引ができるということになりましたので、特にポンドにつきましては、従来全面的に為替取引集中資金集中政府に行われておりましたのを、各銀行独自のそれぞれの資金として運用し、政府といたしましては銀行の必要に応じ、あるいはポンド輸入の場合以外におきましても、各銀行の自主的な判断に置きまして、あえて集中はしない、受けて立つという制度改正をいたしましたわけであります。日本側為替銀行育成強化という問題は、実は私どもといたしましては一挙にやらないで、徐々に、しかしながら堅実にその歩みを進めることが、今までのほかの銀行との関連におきまして必要であろうという観点から、この預託の問題、あるいは為替取引正常化の問題につきましても、よく外国側政府、あるいは外国側銀行話合いをつけましてから実施をいたしておりまするので、本措置のためにそれらの外国関係に対しまして特に影響がある、そういう政策方針をとつたがゆえに悪い感じを与えるというようなことはなかろうと思つておる次第であります。
  17. 宮幡靖

    宮幡委員 御説明のように、この改正によりまして悪い影響があろうとは考えておらないのでありますが、最近やや打開の兆候を見て参りました。日英通商協定などを見ますると、将来にわたつてはポンドの減少ということはあるいは心配しないでもいいかもしれませんが、現状は輸出不振のために、ポンドが漸減の傾向をたどつています。為替銀行自己勘定を設定いたしまして、預託ポンドとその他その銀行集中いたしましたポンド資金をもつて蓄積しておきましても、あるいは為替決済資金に不足をするという事態が起ることは、現状貿易状況から判断いたしますると当然のことになります。その場合には外国銀行の本店といいますか、英国と——目下イングランド銀行でありましようか、そこへ預けてあります大蔵省勘定、その勘定をもつて決済してやるか、こういうような措置をとらなかつたならば運営がうまく行かない、これらの点についてはどういうふうにせられる御所存か、そうしてそれらの場合におきます金利はおおむね二分で、業者に対して三分というような前例もあることでありますが、どういうふうな取扱いをなさるか、こういうことについて御説明をいただきたいと思います。
  18. 東条猛猪

    東条政府委員 お話通りでございまして、現在のポンド決済貿易状況がそのまま推移いたしますると、日本ポンド資金は減少して参るということはお話通りであります。私どもといたしましては、御案内通り先般来日英支払協定を一年間延長いたしますとともに、何とかスターリング地域貿易均衡方向に持つて行きたいということでせつかく話合いをいたしておるわけでありますが、これらの話合いにつきましてのイギリス政府回答も近く期待いたしておるようなわけでありまして、現在のポンド資金の減つて行きます状況は、それらの回答いかんによりましては打開せられて参るというふうに考えられるのじやなかろうかと考えております。もつともただいまのお話のように、その期間におきましてほんとうに各為替銀行自己勘定資金が枯渇した場合にどうするかということにつきましては、ただいまお話もございましたように、政府の持つておりまする資金をこれらの銀行にすべてつぎ込みまして、正常な為替決済には支障を生ぜしめないようにすることが絶対必要でございますので、さようにいたす方針でございます。金利条件の点でございますが、これもお話通り、ただいまのところは、政府勘定をこれら日本側銀行に預けます金利は二分を予定いたしております。業者信用状開設等のマージンにつきましては、三分以下ということで定めておりますので、大体そういう範囲で動いて参ると思つております。
  19. 宮幡靖

    宮幡委員 時間もなくなりましたのでもう一点だけ伺います。これはただいま議題なつております法律案から若干遠ざかるきらいがありますが、同じく為替業務に関することであります。国内為替業務について、相互銀行為替業務をやりたいという希望が熾烈であります。また私ども個人といたしまして、その必要性があることを痛感しておるものであります。ことに相互銀行の貸出しを一千万円と頭をたたくような局長通牒も出しておるやさきに——普通銀行からの抗議もあつたでありましようけれども、これをはばむ理由は私はないと思う。もし普通銀行の主張が正しいといたしますならば、相互銀行普通銀行の間の業務分野というものを大蔵省はもつと行政的にはつきりとしておく必要があると思う。従いまして私は、現段階におきましてはどうしても相互銀行国内為替業務を取扱わせしめるということが妥当であると、一応個人的に考える。これに対して有力な御議論がありますならば、私は自分考えを改むるに少しもやぶさかでありません。しかし今のところにおきましては、残念ながら普通銀行の方の強力なる力による横やりの方がどうも少々曲つておる、この点につきまして、さらに資料あるいは各省の意見等をまとめまして、他日もう一度お尋ねする機会を保留させていただきますが、さしあたつてどうお考えになりますか、時間がございませんので、これだけ簡単に伺つておきます。
  20. 河野通一

    河野(通)政府委員 筋と申しますか、方向としては宮幡さんのお話通りであろうと私も考えております。しかしこれを実施いたします時期その他につきましては、相互銀行自体のいきさつという問題とにらみ合せて考えなければならぬという点で、現在ただちにそういうことを実施するのがいいか悪いかという点につきまして、いまだに結論を実は得ておりません。ただこれだけはつきりお断り申し上げておきますが、普通銀行等からの強い反対に押されて、しり込みをいたしておるということはございません。その点は毛頭ございませんが、ただ時期その他につきまして、もうしばらく検討をしなければならぬということでまだ結論を得ておらぬ、こういう次第であります。
  21. 宮幡靖

    宮幡委員 設備輸出為替損失補償の問題につきましては、根本的にやはり日英通商航海条約進展状況についてお伺いしなければならぬが、しかしこれは理財局長の御出席はもとより、通産省からも貿易局長あたりの御出席を願わなければならぬので、これは今お尋ねしても結論に達しないであろう、それに私のただいまの立場においては、先刻申しましたように時間にも追われておりますので、もしこの法律案が審議されて、委員会での御採決あるいは本会議等の通過とは関係なく、他日の機会にお尋ねさせていただきますが、全般の問題として、特にブレトン・ウツズ協定というものを考えてみますと、現在のように為替の慢性的不均衡、これが一般にいわれておりますが、アンバランスの状態がこんなに慢性的になろうとは考えていなかつたのが、ブレトン・ウツズ協定が成立した当時の状態であります。そこで慢性的不均衡を是正するという問題から考えて参りますと、資金、資材について何かと当局のお考えを聞く必要があろうと考えておりますが、きようは保留いたします。委員長にも申し上げますが、この議案の審議というものとは別でありますが、この点は他日に保留いたしまして、約束の時間でありますから、これで終ります。
  22. 奧村又十郎

    ○奧村委員長 内藤友明君。
  23. 内藤友明

    ○内藤(友)委員 タバコのことでわからぬところを少しお聞かせ願いたいと思いますが、ただいま二十八年度の予算審議の最中でありますが、予算書を見ますと、二十八年度は千四百三十九億というのが公社からの納付金ということになつております。ざつと見て全体の予算の一五%くらいでありまして、なかなか大きな収入であります。たしか昨年は当初予算が千二百億、補正されて百億ふえて千三百億、それよりもさらに百三、四十億ほどの増加というのが二十八年度の御計画のようであります。そこでこれだけの収入をあげますのには、どうしても無理でないように上手にタバコを売らなければならぬのでありますが、先般淺香さんの方からいろいろとお尋ねがありまして、その結果専売公社でいろいろ考えております販売事務取扱手続というものの抜書きをお配りいただいたのでありますが、これを勉強してみますと、こういうことで小売人を指定するということがはたしてできるかどうか、これは感想文を並べておられるような感じがしてならぬのでありますが、実際この手続でちやんとしたものさしになりますかどうか、今泉さんどうお考えなつておりますか、それからまずお聞かせいただきたいと思います。
  24. 今泉兼寛

    ○今泉政府委員 先般もちよつと申し上げましたが、二十八年度は、二十七年度に比べまして御指摘のように相当タバコの売上増を予定しております。従つてお手元にも資料を差上げました通り、二十六年度の実績で申しますと、一万一千人ほどの指定件数の増になつておりますが、そういつた関係を二十八年度においては大体三万五千人くらいさらに増加して配置したい、こういうふうに考えておりまして、今までの指定基準はずつとこれでやつておりましても、必ずしもこれがきゆうくつなために指定せられないというほどのことではなくて、この基準であつても、全般のタバコの消費人口その他からいつてむしろ規制されるという向きで指定が今まではかどらなかつた点もあるかと思いますが、来年度におきましては、相当喫煙人口の増というようなことも予想せられますから、私どもといたしましては、別にこの基準をかえなくても三万五千人程度——あるいは希望者としてはもつと相当大勢の人が希望するのじやなかろうかと思いますが、別にこの基準を特にかえなくても、十分三万五千人程度の増は許可されると考えておる次第でございます。
  25. 内藤友明

    ○内藤(友)委員 三万五千人指定しようと思いますれば、決定権はあなたのところにあるのでありますから、だれが異議を申立ててもしかたがないところでありますから、それはできます。できますが、この前にいろいろと資料をいただきましたが、大勢の者が申請いたしまして、御許可になるのがその三分の一かいくらかになつております。そうすると、大半の者は許可にならぬという実情でございます。それでは私ひとつ今泉さんにお尋ねいたしましよう。「予定営業所の位置及び設備の適否」というのは具体的にはどういうことでありますか。第一線の販売所の責任ある職員をして行わしめるのでありますが、これだけ申しまして、責任おる職員はどういう答えを出して来ますか。それをお尋ねいたしましよう。
  26. 今泉兼寛

    ○今泉政府委員 さらにその資料の第十三条をごらんいただけば大体見当がつくかと思いますが、市街地のうちでも、繁華街とか、それからさらに住宅地帯、それから村落地帯、こういつたところの人口の密度、それに伴つてタバコの消費人口といつたようなものも違つて参りますので、大体現在どのくらいの喫煙人口を対象として、そこにどのくらいの範囲内で小売商を指定したらよろしいかという一定の基準は、この十三条で、繁華街については既存の小売業者に比べて五十メートル、市街地については百メートル、住宅地帯については二百メートル、村落地帯についてはそういう距離より三十戸という戸数を標準にしております。大体この標準でやつておりましてあまり支障のないという現状でございます。さらにこれをなお喫煙者の個人々々の便宜から申し上げますれば、もつともつと多くの小売商を指定したらいいじやないかという議論もできますが、この前もちよつと申し上げましたが、やはりタバコ小売商の生活の問題もございまして、商売上成り立つということも考えなくちやなりません。一つはあくまで消費者の便宜は考えなくちやなりませんけれども、やはり指定された小売人が営業的に成り立つて行く、こういつたような観点からこういう基準を設けて、距離的にあるいはその喫煙人口ということを勘案して、現在こういうような基準を置いている次第でございます。
  27. 内藤友明

    ○内藤(友)委員 その点はわかりました。しかしそれならばもう少し具体的にはつきりしたものさしにしておきませんと「位置及び設備の適否」これではいかに堪能な責任ある職員でありましても、なかなかものさしにならぬのじやないかと思うのであります。なるほど第二番目には「近接小売人営業所との距離」というのがありますが、これは今お話の繁華街の五十メートルとか、市街地の百メートルとか、こういうふうになると思うのでありますが、そこで「指定後これに及ぼす影響の程度」ということになりますと、これは一体具体的にどういうことでありますか。
  28. 今泉兼寛

    ○今泉政府委員 これはやはり既設の小売人がある場合に、さらに新しく小売人を指定した場合、従来の既設小売人がやはり立つて行かなくては商売が成り立ちませんので、そういつた距離的な関係と、それから喫煙人口とを加味して、既設の小売人が成り立ち得る限度内で新たにまた小売人を指定する、こういう趣旨でございます。
  29. 内藤友明

    ○内藤(友)委員 それでは成り立ち得る限度とはどういうことでありますか。
  30. 今泉兼寛

    ○今泉政府委員 大体小売商人もいろいろ兼業でやつておるのもありますが、大体の標準といたしましては、やはり小売商は小売商として生活が成り立つて行く、こういうことを考えますと、今手数料は七分と八分になつておりますが、今度四月からは一率に八分ということに改定する予定でございます。その手数料で従業しておる家族が生活して行けるかどうか、そのあたりを勘案して、こういつた基準が設けられたのであります。
  31. 内藤友明

    ○内藤(友)委員 どうも感じの部分が非常に入るような基準のように見受けるのであります。私は何もこういうことであなたと御議論したくもないのですけれども、実は一から九までいろいろ書いてありますが、これはどれを読んでみましてもぴちつとものさしが来ないのであります。およそ官庁の推定事項は、よほどぴちつとしてないといろいろな弊害が起きて来る。現に私どももこういう問題をめぐりましていろいろな話を承るのであります。必ずしもそれは選に漏れたからどうのこうのというふうなことでもないことが実はあるのであります。従つて私は率直に申しますと、こういう一から九までの感想文みたいな項目を並べ立てておきますれば、第一線の皆さんは、これは何と申しますか、お前たち適当にやれなんというようなことになるんじやないかと思つて、むしろこんなものを書かぬ方がいいんじやないかと思うのであります。なぜ私がこういうことを申し上げるかと申しますと、私ども酒の問題につきましてずいぶんここで議論いたしたのでありますが、タバコは酒と同様の国家財政に対して重みがある。ところがこれはあなたのところの専売だ、だれもくちばしを入れることはできない。しかしながら千四百三十九億という予定しておる収益があるかどうかということは、やはり売り方というものをいろいろと考えて行かなければ、これだけの収入が上るかどうかということも懸念される。そういうところから、今日ことに三万五千の小売人をよけいおこしらえなさるというのでありますから、こういう問題を少しはつきりしておかなければならぬのではないかと考えまして、あえてお尋ね申し上げたのでありますが、どうもあなた方の内部規定でありますから、私どもがこれを取上げてどうのこうのと申し上げることはできないことかも存じませんけれども、こういうふうなやり方では、第一線の職員に対していろいろな悪い評判が出て来るのは必然であろうと私は思うのでありまして、もう少し具体的な一つの仮定を置いてもいいと思うのでありますが、すつきりした指示をなさつてはいかがかと思うのであります。と申しますのは、私ども実は地方におりまして、今日は交通の関係でありますとか、経済界のいろいろな変動によりまして、きのうの状態がもう今日の状態でない。経済界の変化によりまして、いろいろなことが非常にかわつて来ておるのであります。ところが、あなたの方では既存の小売人を擁護せられるのに——これはある意味から申しますとせなければならぬのでありますが、それにあまり汲々とせられておりますために、その新しい事態に即応したようなあり方ができないというようなうらみが実はあるのであります。でありますから、私は売れないところは売れないところで、これはあなたの方に許可権があるからやめさせてしまつて、そうして売れるところでまた新しい店を出させて、千四百三十九億というものをできるだけ無理のないようにして収益を上げるということをしなければならぬのでありますが、そういうようなお考えでなさつておられない。こういうふうなことが実は心配になるのであります。そこで今泉さんの前の監理官の方でありましたが、村の農業協同組合で売らしていただいた方がいいということで、いろいろと皆さんの方にも抵抗があつたのでありますが、結局お認めいただきまして、あなたの方の通牒が出たのであります。ところが現実にこれをながめてみますと、ほとんどみな既存の小売業者の反対にあいまして、御許可になつておりません。現に金沢局管内を見ますと、福井県に二箇所、石川県に一箇所、富山県では、組合病院という大きな病院がある、そこともう一つということで、今ここにある一から九までのものさしでいろいろと販売所の皆さんと相談してよかろうといわれて、申請いたしますと、それが全部却下になつておる。こういうように現実に却下になつておるということは、陰で既存の販売業者がいわゆる昔の反産運動のように、あれらが進出して来ると非常に困るというようなことかららしいのでありますが、それに専売公社の職員の皆様方も片棒をかついでいらつしやるような傾きが実はあるのであります。そういうことになりますと、千四百三十九億の益金を上げなければならぬというのにどうもふさわしくないような気がいたすのでありますが、公社としてはどういうお考えでおられるのか、あるいはあのときやかましかつたものだから、口ふさぎにああいう通牒を出しただけであつて、実はやらぬのだということであるのかどうか、もしそういうのならば、あの通牒をお取消し願いたいと思います。
  32. 今泉兼寛

    ○今泉政府委員 農協の問題につきましては、御指摘の地区につきましても、まだ詳細な調査まではいたしておりませんが、一応公社内部であたりまして、指定の条件について、従来の個人で申請した場合と、農協で申請した場合に何か差別的な取扱いをしておるかということにつきまして、私の調べた結果によりますと、全然差別待遇はいたしておりません。御指摘の点については、なお詳細取調べの必要がありますので、今日まだ具体的に申し上げる域に達しておりませんが、原則として農協を特別扱いをして、この条件にあてはまつておつても、農協たるがために指定しないという事実はないように承知いたしております。
  33. 内藤友明

    ○内藤(友)委員 お答えとすれば、そういうお答えをしなければならないと思うのです。そんな気持があるということは申されないはずです。けれども現実の事実は、たとえて申しますと、六箇所なら六箇所の組合が申請した。その六箇所がみなあらかじめ相談して、よかろうということで大体話をまとめて持つて行つた。ところがその後一部の反対があつて、六箇所とも全部だめだ、こういうことになつてしまつたということがありますと、今泉さんおつしやつたけれども、それは今泉さんだけのお心持でありまして、現実がそうじやないということを立証しておるのであります。それでもあなたは、おれのことは正しいのだ、みなおれの正しいこと通りしているのだ、こうおつしやる自信があるかどうか。
  34. 今泉兼寛

    ○今泉政府委員 重ねてのお尋ねでございますから、あるいはもつと詳細に御答弁申した方がいいかと思いますが、石川県についての農協六団体の申請について、ちようど販売部長が上京しておりましたので、大体の状況を聞きましたところによりますると、やはり適格要件を欠いている。農協であるがために指定しないという実情はない。それから現地の販売出張所においても適当なりとして答申した事実はない。やはり適当でないという答申に基いて、なお当局の方でもこれを精査した結果、やはり距離的な条件、あるいは周囲の喫煙人口の関係から、現存のこの基準では適当でないという結論に達して却下したのであります。全部が全部石川県を断つておるわけではありませんが、ほかの地区では、農協であるからといつて断つた事実はなく、ほかの若干のものについて、適格要件を備えているものについては指定をしている、こういう事実であります。
  35. 内藤友明

    ○内藤(友)委員 そういうお話でありますならば、時間はいくらかかつても具体的に一から九までお尋ねいたしましよう。たとえてみますと三の「申請地附近の交通の繁閑」というのは、具体的にはどういうことなのか、具体的におつしやつていただきたい。どの程度の繁閑ならば許す、どの程度の繁閑ならば許さない、はつきりその点をおつしやつていただきたい。時間がいくらかかつても私は聞いて行きます。
  36. 今泉兼寛

    ○今泉政府委員 今の具体的の問題は、きのう会議中で非常に急いでおりましたので、あまり突き進んでまでは突き詰めておりません。従つて申請になつておる具体的な店が、既存の店と一体何メートル離れておるかということまで突き詰めておりませんので、その点なお具体的に責任を持つてお答えするには、もう少し詳細に本社としても調査する必要があると思つております。その点よく調査の結果お答えいたします。
  37. 内藤友明

    ○内藤(友)委員 そういうことではないのであります。「交通の繁閑」という言葉を使つてありますが、あなたのおつしやる交通の繁閑は、私の調べる交通の繁閑ではない。それはどこが限度であるのか、また「便否」とありますが、便と否というのは、具体的にどの程度が便であつて、どの程度が否であるのか、それを具体的にひとつお聞かせ願いたい。
  38. 今泉兼寛

    ○今泉政府委員 これは常識上——やはり具体的に申せば横町は便宜ではなくて、広い通りが便宜だ、こういうようなことが申し上げられると思います。あまり具体的なことになりますと、やはり出張所長の自由裁量、それを審査する際の地方局長の裁断、こういうような自由裁量の道が残されておるということは申し上げられると思います。
  39. 内藤友明

    ○内藤(友)委員 私はそれをお尋ねしたかつたのです。自由裁量の余地があるから、それがいけないのである。だからこういう感想文で許可権を持つということは、非常に大きな間違いである。私は所得税法を今見ておりますが、この第三条の二は、これは中小企業協同組合に対しての処置でありますが、こういう推定事項というものは、法律にはきちきちに書いおかないといろいろな問題が起きて来る。だからわれわれはこれを見て、主税局の皆さんは非常にいろいろと勉強しておられるということを感心しておるのでありますが、あなたの方の千四百三十九億の収入を上げなければならぬという大きな問題、しかも三万五千軒ふやそうというときに、こういう一片の感想文で、その局に当る者の自由裁量が縦横無尽に振えるようなところがありますならば、これはいろいろな問題が出て来ることは想像にかたくない。私は非常に品のよい言葉を使つておりますけれども、もつと今泉さんに具体的なことを申し上げてもよいと思うのであります。しかしそんなことをこの大蔵委員会で申して記録にとどめておくことは、専売公社の名誉のためにしたくない。だからそれは、あなたが調べたら絶対にこの条件に合わないのだ、だから不許可にしたのだとおつしやるならば、私はしからば「供給区域の戸数及び人口」というのはどの程度、こういう具体的なことをお示し願わぬと承服できない、かように思うのでありますが、それでもなおかつあなたは前におつしやつた言葉を固執せられるのでありますか。
  40. 今泉兼寛

    ○今泉政府委員 具体的な問題につきましては、先ほど一応の御答弁を申し上げましたが、なお詳細調査の必要がございまするので、その点は十分調査した上で、その適否の問題等につきましても、将来の問題として考究したいと思います。
  41. 内藤友明

    ○内藤(友)委員 私は申請したやつの具体的なことを申し上げるのじやないのであります。この一から九まで書いてあることの具体的なところはどこだ、それを持つて行つてどこでもはかつてみたらいい。それが自由裁量の分が非常に多いということになると、弊害が起きて来る。そういうことがいいのか悪いのか、こういうことを申し上げておるのであつて、それがどこのだれが申請したが、不許可になつたのはどういうためかというのじやないのであります。
  42. 今泉兼寛

    ○今泉政府委員 御指摘のように、第一線の指定に当る者がなるべく公正に取扱うという趣旨から、できるだけこの基準は詳細に書いた方がいいことは御指摘の通りだと思うのでありますが、なかなかこれは都市によつて、あるいは農村によつて、場所々々によつて画一にできない点がございますので、一応の通牒としては、一応この程度の基準を設けておる次第でございます。なおこれは公社においては、販売部長会議を年に何回開くとか、それから局においては、また第一線のそういつた実際の指定の基準の調査に当る人について時々打合せをいたしまして、そういつた画一的に基準の設けられない点については、十分中央においても地方においても会議その他打合せを開いて、甲の地区によつて、あるいは乙の地区によつて差別のないような公正な取扱いをいたしておる次第でございます。
  43. 内藤友明

    ○内藤(友)委員 納得できませんが、どうものれんと相撲をとつておりますようなことでありますから、これはやめておきます。  そこで一つ、これはそういうことじやないのでありますが、あなたからいただきました資料でありますが、これは間違いじやないかと思うのであります。改正されたというのは、二五%の黄色種を使う。今度はピースは品質を落されるのでありますか。こういう間違いの資料を出されるような専売公社だからだめなんです。いやしくも大蔵委員会に出される資料は、権威ある間違いのないものをお出しなさるのが必要なんです。
  44. 今泉兼寛

    ○今泉政府委員 今御指摘になつたのは、多分ピースの項の「黄色種葉たばこ二五%」とあるのだろうと思いますが、これはこちらの資料ではちやんと五〇%になつているのですが、「こ」の字と「二」とを間違つて二五%ということにお手元に差上げたのにはなつているかと思いますが、それは「こ」の字を「二」と印刷の方で間違えたのでございまして、五〇%が正しくて二五%は間違いでございます。
  45. 内藤友明

    ○内藤(友)委員 これは今泉さん、間違つたら間違つた、悪いなら悪いで、やはり改めておやりなさる方がいいのです。私どもは何としても千四百三十九億というものの確保に真剣に取組まなければならぬのでありますが、はたして二十八年度に千四百三十九億の益金があるかどうか、だんだん経済界は下向きになつておりますので、容易ならぬことであると思います。その容易ならぬときにお出しになつたものでありますから、これはまじめに真剣に取組んでおるのでありますが、どうも今泉さんは答弁がいつの間にかお上手になられまして、遂にこちらから願い下げてやめなければならぬことになるのでありますが、そういうことのないように、お互い本気でこの問題をやりたいと思うのであります。酒につきましては、ずいぶん私は苦労いたしました。専売公社のは専売なんですから、苦労はないのでありますが、ひとつ何とかこれはしなければならぬと思うのであります。そういう心配から申し上げましたので、どうかひとつ私どもの真意をおくみとりくださいまして、将来そういう御答弁じやなしに、事実の上に立つていいぐあいにやつていただきたい、こうお願い申し上げる次第であります。
  46. 佐藤觀次郎

    ○佐藤(觀)委員 タバコの法案を早く上げなければならぬという要求がございますので、二、三の点について今泉監理官に質問をいたします。  先ほど内藤委員が言われましたように、大蔵委員会では、酒とタバコは非常に重要な財源関係の一つでございまして、今泉監理官は、来年は相当の売上げがあるという自信を持つておられるようだが、経済界の事情その他をいろいろ勘案して、はたしてこれだけの売上げが十分できるかどうか、この点について的確なるところの判断をお願いしたいと思います。
  47. 今泉兼寛

    ○今泉政府委員 これは将来のことでございまして、ちよつと的確にと申されますと何でございますが、二、三年この方のタバコの売上げ上昇傾向は、いろいろ原因があると思いますけれども、大体国民生活がだんだん安定に向いつつある、これが一番大きな原因であろうと思います。昨年度においては、一人当りの消費本数が大体戦前の千本近くになつて参りました。また二十七年度の実績について考えてみまするのに、初旬より中旬、中旬より下旬というようにだんだん上昇カーブをとつております。さらにその傾向が、下級タバコより上級タバコにだんだんやはり消費の比率が向つて来ている、こういう状況でございまして、その的確な現われはピースでございますが、ピースが当初予定したよりも売れ行きがだんだん増加いたしまして、それがために本年度の予算も、主としてこのピースの売れ行き増が見込まれまして、百億以上の増収をあげておる、こういう次第でございます。そのほかにもやはり光あるいはゴールデンバツト、これも一律に当初予定いたしました予算額に比べてふえております。この上昇率の傾向が一体どこまで行くかということにつきましては、公社といたしましてはいろいろな観点から検討したのでございまするけれども、大体この二十六年度から二十七年度に伸びている傾向というものは、まだ二十八年度においても増加する傾向にあるのじやないか。さらに女子の喫煙人口がだんだん増しつつある、こういう傾向等も勘案いたしまして、今後の伸び方は二十八年度において七%くらいの増が見込まれるのじやないか。それが基礎となりまして二十八年度の見込みを立てておる次第であります。
  48. 佐藤觀次郎

    ○佐藤(觀)委員 今度は、副総裁出席されておるようでありますから……。現在アメリカのタバコがたくさん内地に入つて来ております。そのタバコに対抗して、四月から富士が出ると発表になつておりますが、そういうもので、はたして外国のタバコを庄倒することができるかどうかという点、第二点は、前々からタバコの小売商の指定について同僚淺香委員等から質問がありましたが、この指定について末端のいろいろのうわさがあるのであります。私どもの愛知県におきましても、今まで四千四百十一申請しておる中で、たつた八百三十二というようなわずかな指定しかない。こういう問題について、一体当局は公正な立場でこの指定をやつておるかどうか、そういう点のはつきりした御答弁をお願いしたいと思う。
  49. 勝田雄次郎

    ○勝田説明員 第一点の外国タバコに対して日本のタバコで対抗できるか、駆逐ができるかという問題についてまずお答えいたしますが、昨年の四月にピースの意匠をかえました。その前の年の十一月にはアメリカのヴアージニア葉を入れまして、内容をかえた。その二つのことにつきましては、私どもはかなりアメリカのタバコを圧倒し得たと考えるのであります。しかしまだちまたにはかなり外国のタバコが横行しておる。これをよくよく考えてみますと、これは一つは日本人のモラルの問題もあろうかと思います。そのほかに流れ得べき一つの要素もあるように考えられるのであります。ですが、だんだんそれも押え得る見込みがありまして、このたび富士を発売いたします。これはもうすでに御承知のように、ヴアージニア葉を四〇%、内米を六〇%、この品質は戦前のまずチエリー級でありますが、葉の品質の内容から行きますと、それ以上の、戦前のホープにも匹敵するものとわれわれは確信しておりまして、これでかなり圧倒し得るであろうと考えます。なおタバコの耕作法も逐次かえておりまして、やわらかい味に移しておりますから、だんだん全般的に品質は向上して参るのでありますが、まだ途中でありまして、逐次品質は上つて参りますから、私どもはアメリカのタバコには必ず対抗し得る自信は持つております。  それから小売人の指定についていろいろ先ほどからお話がございましたが、私どもとしてはまつたく公正な立場で、公正に指定していると信じております。名古屋の実情を見ますと、名古屋では小売人一人当りの人口は六百六十九人でありまして、全国の平均は小売人一人当り六百三十七人、こういうようなことになつておりまして、東京は六百六十一人と、大体似たり寄つたりの標準でやつておるように私は見ております。
  50. 佐藤觀次郎

    ○佐藤(觀)委員 いま一点副総裁にお伺いいたしたいと思いますが、御承知のようにタバコは専売でございますので、他に競争者がないという立場から、非常に安易なやり方をやつているのではないか。従つて先ほどばかに日本のタバコがよくて、外国のタバコを圧倒しているというようなことを言われましたが、それは自分よがりではないか。少くともわれわれがいろいろな宴席に行きましても、外国のタバコの方が非常によいというような意見が多い。私はタバコのことはよく知らないけれども、そういう意見が多い。酒なんかは御承知のように国民生活と密接な関係がありますから、相当いろいろの苦心もしておられるようですが、タバコは専売だということで、実際はそういうような親切が足りなくはないかということがわれわれには感ぜられるわけであります。  もう一点それと関連して……。酒は今度下げたわけですが、現在のタバコは実際高い。こういうものを一体専売公社として下げられる自信があるかどうか。これはいろいろ予算と関係がありますが、専売公社の立場から、タバコの値下げをする考えがあるかどうかということについて、副総裁にもう一点お伺いしたい。
  51. 勝田雄次郎

    ○勝田説明員 タバコの値下げの問題につきましては、私どもといたしましては常々高いタバコを売つているというようなちまたのおしかりもありまするから、できるだけ安いタバコを売りたいと思いますが、一方国家財政の要請から、来年度は千四百三十九億の専売益金を課せられる、そういうことから考えまして、なかなかそう簡単には参りません。それで、この上は消費量をふやすということよりほかないのでありまして、そのためにタバコの品質も軽く、たくさん吸えるようにというようなことを考えておりまして、タバコの値下げということは従来ピース六十円のものを五十円にし、四十円にして参りました。光は五十円を四十円、三十円にして参りましたが、一般の下の方のものを下げるということにはなかなかまだ参らないのでありまして、益金に常に響くものでありますから、私どもとしましては下げたいのでありまするが、国家の要請から今下げられない現状であります。
  52. 佐藤觀次郎

    ○佐藤(觀)委員 タバコの指定の問題についてはあとで監理官に質問しますが、現在タバコの小売商の中には、上の方から相当強制的に売れというような命令を受けておるということも末端の売店あたりで聞くのですが、こういう点について専売公社の方ではどういうような考え方を持つておられるのか。たとえばバツトが売れると新生と抱合せをさせるような方法がある。これは末端のタバコ業者からわれわれにそういう訴えがあるのでございまして、御承知のように専売公社は独占的な仕事でございまして、しかも大蔵委員会あたりでこれを監督しない限りは、なかなか監督する目がないので、常にやすきになれてそういうような横着などをやつておりはせぬかということをわれわれは耳にするのでありますが、そういう点について、一体勝田副総裁はどういうふうにお考えなつておるのか。
  53. 勝田雄次郎

    ○勝田説明員 タバコの強制売渡しということは、われわれの方では指導しておりません。あるいは末端でそういうことがあるならば、事実をお教え願えれば矯正をいたします。
  54. 佐藤觀次郎

    ○佐藤(觀)委員 そういう点についてわれわれは耳にするから言うのですが、実際あなた方は、雲の上の人間のように東京にばかりおつて地方の末端を知らないから、そういう意見が出るわけです。だからあなた方総裁とか副総裁は水戸黄門のような気持になつて、たまには末端のタバコ屋の現実を見てもらいたい。さらに一番問題になつておるタバコの小売商の指定の問題についても、相当不在があることをわれわれ知つておる。けれども先ほど内藤委員が言われましたように、そういうことを具体的にあげて言うのはこういう席だから申しませんが、少くともわれわれは地方におつてそういう非難をたびたび受ける。けれどもこれは警察に訴えるわけにも行かないから、たまたまわれわれにそのような話が出るので、こういうことがないとはわれわれ決して言わせません。こういう点について、将来もつと監督を厳重にする意思があるかどうか、この一点をお伺いします。
  55. 勝田雄次郎

    ○勝田説明員 その点につきましては、監督を十分に厳重にいたします。
  56. 奧村又十郎

    ○奧村委員長 淺香忠雄君。
  57. 淺香忠雄

    ○淺香委員 先に今泉監理官にお伺いいたします。昨日及び一昨日にわたつて私があなたに質問をいたしましたその要点について、帰られましてその対策をお立てになつたかどうか、計画をお持ちになつておられるかどうか、まずそれをお伺いしておきたい。
  58. 今泉兼寛

    ○今泉政府委員 ちようど一昨日から地方局の販売部長を招集して、販売部長会議を本社で主催しておりますので、私昨日の午後臨席いたしまして、国会でこういう御指摘があつたということも、私の口から現地の職員に十分伝えまして、この改善方策についてきのうの午後からきようにかけて審議中でございますが、たとえば指定が非常に遅れるということも強く御非難を受けた点であろうと思います。それから断る仕方があまりにも千篇一律で、はがき一本でただ断るというような状況も納得できない、それで指定を急ぐのにはどうしたらよろしいか、それから断り方等につきましても納得の行くような断り方をしたらどうかということで、昨日の午後も討議いたしましたが、今日も続行いたしまして、その問題ばかりではありませんけれども、そういつた議題を中心として、目下公社において御指摘の点について改善方策を審議中でございます。まだ結論までは私聞いておりませんが、明日会議でもありますれば、一応の結論が出るかと思います。今日はまだそれまでお答えできないことを遺憾といたします。
  59. 淺香忠雄

    ○淺香委員 ただいまの御答弁はきわめて枝葉末節にわたる問題であつて、私が昨日なり一昨日なりあなたに質問をいたしましたのは、第十五国会において母子福祉資金の貸付等に関する法律案に関して、その十七条に、「製造たばこの小売人の指定を申請したときは、」「その者を製造たばこの小売人に指定するように努めなければならない。」というこの条文に対して、どう対策をお持ちになるのかというのが私の質問の要点であります。この法律は議員提出でありましたが、これが立法化される前後にあなたの方に御相談があつたかと聞けば、あつたとおつしやる。そのときの専売公社の態度は、非常にけつこうだという話であつたかのように聞いておりますが、けつこうと言つた限りは、これに対する対策をお持ちかどうかということなのであります。この法律ができると、未亡人は非常に手軽な商売をやりたいというので、申込みが殺到するであろう、その殺到した申込みに対してどういう処理方針を持つのか、こういうわけであります。ところがあなたのその後の答弁を聞きますと、大した申込みもなかろうという。これは見解の相違でありますが、しかし殺到した場合にはどういう対策を持つておられるかということについて、いま一度その概要について承りたいと思います。
  60. 今泉兼寛

    ○今泉政府委員 未亡人の問題は、すでに各現地においても承知はいたしておりましたが、昨日の会議におきましても、こういつた法律が議員立法で通つて、この四月一日から施行になるという趣旨は重ねて伝えたのでありまして、どのくらい申請があるかということについては、非常に大きくも考えられますし、一定の条件があるからさほど多いとも考えられませんし、この点は見込みの問題でありまして、かりに相当件数が多く殺到いたしましても、やはり現在不具廃疾者関係について優先的に取扱つておりますが、さらに未亡人の生活問題は切実の問題でありますから、申請があつた際はほかの一般の申請に優先して早く調査し、早く適否をきめる、こういうように指導して参りたいという趣旨で、昨日の会議の方にも伝えておる次第であります。
  61. 淺香忠雄

    ○淺香委員 昨日の会議でこの問題も議題なつたようでありますが、さきに不具廃疾者に対しては優先的に取扱わなければならぬということになつておるのにかかわらず、その不具廃疾者に対してどれだけ今日まで実績を上げられたかという私の質問に対しては、その資料としては、残念ながら一般申込人の中に織り込んだ報告があるのであります。不具廃疾者を優先的に取扱つておらないという過去の実績に基いて、今度の未亡人に対するこの法案が出ましても、おそらくは先の不具廃疾者と同様に取扱われるような結果になつた場合に、なぜここへ法律にうたつたのか、うたう前にあなた方が相談なさつたはずである。それに対してあなた方はけつこうであると言うておつて、何ら今日に至るも対策を立てておらぬということは、これは考えますというと、非常にあなた方に誠意がない、不熱心だ。そういう状態ならば、私は与党の委員でありますけれども、この法案を急がれましても、これは上げるわけに行かぬ。もう少し誠意のあるお考えをひとつ副総裁あたりから聞かせていただきたいと思います。
  62. 今泉兼寛

    ○今泉政府委員 身体障害者について従来そういう規定があつて、優先的に取扱つていないのじやないかという御指摘であると思いまするが、なるほど今までの報告の統計資料は、身体障害者とそれから一般関係ということにわけてどつておりませんので、その資料を御提出するのには間に合わなかつた次第でございますが、実際の取扱いとしては、身体障害者はもう各地において優先的に取扱つておる、これは事実でございます。ただ区別した統計の資料が今日まで間に合うようにととのつてなかつたということはまことに遺憾でありますが、事実は従来身体障害者が他に優先して、おそらくパーセンテージでも、これを実際に調査してみれば相当多いパーセンテージが統計上出て来ると思います。ただその統計が間に合わなかつたことはまことに遺憾であると思います。
  63. 淺香忠雄

    ○淺香委員 どうも私は今の答弁に納得できぬのです。不具廃疾者に対しては優先的にこれを取扱つておられるというところの、その具体的の事実を示していただきたいと思います。これを私質問いたしましたのは、きのう、おとといのことであります。ところがそれに対する資料を何らお示しにならぬ。なぜ私はここを突くかといえば、くどいようでありますけれども、さきに不具廃疾者を優先的に扱わなければならぬということに対して、どんなに扱つておられるか、しかも今度は未亡人に対してこれまた優先的に取扱わなければならぬが、どういう取扱いをされるか、それは今日まで出されましたところのこの取扱い標準に基いてやられるものか、優先とはいかなることか、どういうところに優先するのか、こういうことをひとつ聞きたいのでありまして、これは副総裁からでも御答弁をいただきたいと思います。
  64. 勝田雄次郎

    ○勝田説明員 私もこの法律を今読んでみましたのですが「同法第三十一条第一項各号の一に該当する場合を除き、」とありまして、この前にお示し申し上げた参考書類の各号に適合する限りはということでありまして、その際には優先的にやる、こういうようなことでありまして、その具体的の事例は、実は私もまだ統計を見ておりませんからはつきりしたことは申し上げられませんが、末端においてもこの趣旨は十分に体しておるはずであります。
  65. 川野芳滿

    ○川野委員 議事進行について。このタバコ小売の免許の問題は、当委員会におきましては数日前から問題になつておるわけであります。さらにこの小売免許の問題の質疑が続くということにつきましては、私は専売公社側の答弁に誠意がないのではなかろうか、こういうふうに実は考えて聞いておるわけであります。と申しますことは、先ほど来タバコの抱合せ問題が出ましたが、この問題についても、全国抱合せで売つておりますことは公然の事実であります。これを全然ないような御答弁をされたり、あるいは今日小売免許の問題で、相当の運動費を出さなければ免許を与えていないということも、これは事実であります。こういうことで、免許の問題が不明朗であるから当委員会において問題になるのだと私は思つております。私などはあえて過去の問題をかれこれ申すのではございませんが、今日酒の面、タバコの面、ともに大蔵省管轄でございますが、えてして大蔵省管轄の免許問題についてはいろいろな点において横暴の点がある。この横暴の点を是正するために問題に相なつておると考えます。そこで私などは、過去をあえて追究するために質問をしておるのではありません。将来に向つての希望を求むるために質問をいたすのでございますので、誠意ある御答弁を願つたならば、この問題に対するところの質問も終るのではなかろうか、こういうふうに考えます。ただ単に自己弁護にならないような答弁をしていただきたいと考えておるわけであります。
  66. 淺香忠雄

    ○淺香委員 同僚議員の川野さんからのお話もありましたように、事実そうでありまして、ここへ出られて、その質問に対してお座なりに逃げ切つたらいいというような考え方であるのではないかというように私ども考えるのであります。ことに私が質問をいたしておりますのは、昨日も一昨日も二日間にわたつて、しかも要点を質問をしておりますのに、今日になつての答弁は枝葉末節にわたつての問題であつて、かんじんのことをお忘れになつておるのは一体どうしたわけです。しかも今も副総裁の御答弁を聞いてみますと一向知らなかつた。これは第十五回国会で法律として出ておるのであります。しかもその第十七条にはつきりうたつておるものである。それを今副総裁がこれを知らなかつたというのはうかつきわまりない話であります。少くともこういう法律が出た場合には、総裁を中心に皆さん方がお集まりになつて、公社としてどういう対策を立てなければならぬかということの最高方針をきめられて、各地へ流されなければならぬ。私はこれは重要問題だと思います。私どもこの法律をつくつた趣旨は、言うまでもなく今日子供をかかえて困つておられる未亡人をどういう面から救つたらいいであろうか、資金を貸し出そう、あるいは諸官庁における売店も優先的に許してやろう、タバコの方も何とか要件にかなうものならば許してやろうという、このあたたかい思いやりがこの法律内容にうたわれているものだと思うのであります。そういう観点から審議いたしました法律なるがゆえに、皆さん方がこれをまだごらんになつていないというようなことを聞きまして、私ども、あなた方から提案になりました法律を通せるかどうか、これは十分にお考えの上、きようはそういう不誠意な御答弁なら聞きたくありませんので、あらためて明日、皆さん方が会議を開かれて、そうして生業資金に伴うところのタバコの許可に対する公社の方針を明らかにしていただきたいと思います。
  67. 勝田雄次郎

    ○勝田説明員 ただいま淺香議員のおしかりを受けましたが、私の言葉の足りないところで誤解を拓きまして、はなはだ申訳ありません。ただ私は、この法律に優先的に許可をするということがないのでありまして、そういうことが私にはわからなかつたものですから、そういう点を申し上げたわけでありまして、この母子法にありまする未亡人の小売の許可の指定につきましては、十分考究いたしまして、できるだけの対策を講じたいと思うのであります。
  68. 佐藤觀次郎

    ○佐藤(觀)委員 もう一点関連して副総裁に質問しますが、最近やみタバコの問題は大分少くなりましたが、一体やみタバコの取締りに対してどういう対策を持つておられるか。これが一点。  それからもう一つ、最近三年間のタバコの売上げ状況を資料として御提出願いたい。
  69. 勝田雄次郎

    ○勝田説明員 現在やみタバコの取締りにつきましては、各局総計千三百人の監視を置きまして、それが逐次内偵、検挙、これもわれわれの手だけでは参りませんから、検察当局等と連絡をとりまして検挙いたしております。大きい問題がかなり多いものでありますから、検察当局の手を借りないとできないようなものがかなりございまして、御承知のように上野のあめ屋横丁あたりも検挙いたしたような次第であります。
  70. 淺香忠雄

    ○淺香委員 副総裁から、これに対する十分考究しようという再度の答弁でありまして、これも誠意のこもつたお話のように私は受取るのでありますけれども、えてしてこういう問題は、それで事が終つてしまうようなこともあるわけであります。ことに今度私が質問している問題は、私どもにとりまして非常に重要問題であります。従いましてその最後の御答弁に誠意はうかがわれますけれども、きようはこれ以上の質問は保留いたしまして、この問題に関して明日でもいま一度皆さん方が御相談なさつたその結果を私どもの方に御報告をいただきまして、その内容いかんによりまして質問いたしますが、皆さん方の御誠意におまかせしたいという考えでおります。どうかその点よろしくお願いいたします。
  71. 大泉寛三

    ○大泉委員 解散団体のことについてちよつとお伺いいたしたい。解散団体の現況について大体御説明を願いたいのです。たとえば解散団体の総数とか、あるいは総資産とか、あるいは完全に解散したもの、あるいは完了したもの、あるいは本年度中に解散するようなもの、その他の状況について承りたい。
  72. 池川良正

    ○池川説明員 ただいまの点について御説明申し上げます。解散団体の財産につきましては、これは御存じのように団体等規正令によりまして解散せられた団体の財産を、解散団体の財産として処理して参つたのでございます。処理するその法令の根拠といたしましては、解散団体の財産の管理及び処分等に関する政令というものに基いて処理して参りました。ところで御承知のように、団体等規正令というものが、昨年の七月破壊活動防止法によりまして廃止をせられまして、その後は破壊活動防止法によりまして団体を解散して、その団体の財産が国庫に帰属するという制度はなくなつております。従いまして現在私どもが処理いたしておりますのは、かつて団体等規正令により解散いたしました団体の財産の処理でございまして、俗に言う残務整理という段階にあるのでございます。それでこの現状として、お手元に配付の資料で大体明らかにいたしているのでありますが、特別会計の収納金が、財産の売却代金あるいは地代、家賃、それから接収解除の現金預貯金等を合せまして、昨年の十二月末までに七億六千万円ございます。しかしながらこれらの中で、不動産につきましては四年賦でもつて売却している例がございまして、これらの未収納金というものが昨年の十二月で一億五千万円ございます。おおむね財産の処理は終つたのでございまして、ただいま申しましたように一億五千万円の金の取立てというものが非常に大きい仕事として残つているのでございますが、しかしながらなお財産のうち処理が現在までできてない財産がございます。これらにつきましては、この法律案の末尾の方に詳細の目録を添付いたしておりますが、現在残つている大きいものといたしましては、横須賀の水交社、東京では軍人会館、それから呉の海仁会の建物、それから江田島あるいは北海道の札幌などに小さい財産があるのでございますが、いずれもこれは現在駐留軍が使用いたしておりまして、その使用がいつ解除になるかということの実は見通しが現在立つていないのがおおむねでございまして、さような関係から、駐留軍使用のままで売却することはできぬのでございます。これらはもつとも駐留軍が使用の解除をするまで買受人において使用することができないという形でもつて処分することができるのでございますが、買受人の側におきましてもいつこれが明渡してもらえるかわからないという財産では、なかなかこれが売却できないというような関係で、現在未処理財産として残つておりますのは、駐留軍が使用いたしております財産がおおむねでございます。これらの財産の推算といたしましては、私どもといたしまして約八、九億の財産が残つているというように考えております。さような現況でございます。
  73. 大泉寛三

    ○大泉委員 私はあまりわからなかつたものですから質問したのですが、この財産の処分ですが、不動産その他の財産の処分方法などはどういうぐあいにやつておられますか。たとえば競売にするとか、あるいは任意譲渡するとかいうような、いわゆる財産そのものを生かす行き方で行つているか、ただ処分さえすればいいというような方法、ただ競売に付されているかどうか。
  74. 池川良正

    ○池川説明員 解散団体の財産の処分につきましては、先ほど申し上げました解散団体の財産の管理及び処分等に関する政令というものがございまして、これに二つの処分方法がきめてあるのでございます。原則といたしましてこれは公売に付する。公売の場合には、一応国有財産の処分と同様に予定価格をつくりまして、予定価格を越える買受人、しかも最高価の買受人にこれを落札するという方法をとつております。次に処分方法の例外的なものといたしまして、これは政令にきめてあるのでございますが、医療、宗教あるいは救護、教育というような事業を営む団体には、これを財産評価委員の評価によつて売却するという方法がきめてございます。財産評価委員は、これは現在大蔵省の国有財産の第二課長あるいは勧業銀行の鑑定役というようなその道の専門家を選びまして、その評価額によつてこれを処分するという方法がとられております。次にこれの売却代金でございますが、これが今日御審議を願つておる、解散団体財産収入金特別会計というものに代金が収納になつております。それでさきにも申しましたように、この売却代金については、動産類につきましては一時払いということを必ずとつておりますが、不動産につきましては、買受人の事情その他によりまして、四年賦払いで売却する例がございます。その際には売却の物件に抵当権を設定いたしまして、これの履行を確保するということでやつて来ております。
  75. 大泉寛三

    ○大泉委員 解散団体に関することはそれで終ります。それから専売公社のことについて一言お尋ねしたいと思います。専売公社はとにかく独立採算制をとつて今日に至つておるのであります。私はこの独立採算制の経営のあり方については、相当意見もあるのでありますけれども、ここではそれを申し上げるわけでありませんが、いわゆる国民の利益を第一に考えておられることと思いますが、それよりも、とかくするとどうも行過ぎた一つの考え方がある。たとえば政府事業機関であるから、いわわる政府のあり方をそのまま反映せしめたりしている。どうも私どもは、ほんとうの経営という立場から行つたならば、やはり今申し上げたように、国民の利益を主眼といたさなければならぬと思うのでありますが、製造、販売に対しては、あくまでも販売に有利な一つの道を選ばなければならない。一つ具体的な話を申し上げると、たとえば小さなタバコを数多くこしらえておるが、それを大きくして、割合に安く売るというような方法も、これは販売政策としては必要ではないか。ところがあくまでも同じ一つの大きさで、ただむだに包装などを多くするよりも、むしろ二十本入れとか、百本入れとか、あるいは千本入れとかいうのをこしらえて、サービス的な販売方法をとる、こういうようなことがやはり一つの販売政策としては必要ではないか。また経営に対しては、民間と同じように経営の合理化は十分やつておりましようが、何といつても独占企業でありますから、とかくすると政府の権力に隠れて、いわゆる経営のほんとうの能率化、あるいは合理化を忘れているようなことがあるのではないか、かように思うのであります。先ほど淺香委員から大体お話がありましたが、こういう面は、やはり一つの独占企業でありますから、特別な取扱いということはなかなか困難でありましよう。そこで私は、こういう一つの政府事業機関である以上、多分に社会政策的なことを織り込むことが困難であるならば、それを政治的な方面で解決して行くべき道があるのではないか、かように思うのであります。公社は、建前はあくまでも独立採算制で、民間の営利機関とは違いますけれども、あくまでも国民の利益を主眼として、そして能率を高め、あるいは販売政策において消費者、広くいえば国民の期待と合致して行かなければならない。かように思いますので、経営方針に対して、あくまでも全体的な立場考える必要があると思つておりますので、一言この際副総裁から、その点に対する御意見を承りたいのです。
  76. 勝田雄次郎

    ○勝田説明員 お説のように、十分考究いたしまして善処いたすつもりでございます。
  77. 大泉寛三

    ○大泉委員 善処するのはあたりまえのことで、それは答弁になつていないと思います。その善処の内容をひとつ聞きたい。それから現在給与方法はどういうふうになつておりますか。やはり官庁と同じようなあり方で行つておられるのでありますか。それとも能率給のようなものを採用しておりますか。あるいは昇給についても、能率的な点を取入れておりますか。あくまでも民間経営と同じような立場をとつてもらいたいというのが私の期待でありますが、どういう行き方をとつておられるか伺いたい。
  78. 今泉兼寛

    ○今泉政府委員 公社の職員の給与の問題についてのお尋ねのようでありますが、大体の基本給は、やはり国家公務員に準じて定められておりますが、内容は若干建つて、ちようど民間との中間ぐらいに基本給がきめられておるのではなかろうかと思います。公務員と違いますところは、報償金という制度が現在設けられておりまして、相当オーバータイムをやつたり、あるいは業績をあげた場合等につきまして、報償金という制度を活用して、特別な手当が支給できるという仕組みに現在なつておりますが、現在まだ賞与制度というものは、一般国家公務員もさようでございますが、とられておりません。この点につきまして、将来能率を上げ、あるいは合理化を促進して業績等をあげた際に、やはり民間のように、そういつた賞与制度で将来の勤労意欲を高揚するということが大事かと思いまして、これはまた別個の法案で、専売公社法の改正法律案をまた御審議願うことになると思いますが、その法律案におきましては、明年度から業績賞与、能率をあげた場合は、その能率をあげた分に応じて、専売益金の一部を業績賞与として支給できるという制度を、二十八年度から新たに設ける、こういう建前になつております。
  79. 奧村又十郎

    奥村委員長 本日はこれをもつて散会いたします。     午後零時二十分散会