運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1952-12-10 第15回国会 衆議院 水産委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十二月十日(水曜日)     午前十時四十七分開議  出席委員    委員長 福永 一臣君    理事 田口長治郎君 理事 松田 鐵藏君    理事 日野 吉夫君 理事山中 日露史君      甲斐中文治郎君    川村善八郎君       薄田 美朝君    濱地 文平君       椎熊 三郎君    杉山元治郎君       赤路 友藏君    井手 以誠君  出席政府委員         農林政務次官  松浦 東介君  委員外出席者         農林事務官         (水産庁漁政部         長)      伊東 正義君         専  門  員 杉浦 保吉君         専  門  員 徳久 三種君     ————————————— 十二月八日  漁船乗組員給与保険法の一部を改正する法律案  (内閣提出第一七号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  漁船乗組員給与保険法の一部を改正する法律案  (内閣提出第一七号)  小委員長より中間報告聴取     —————————————
  2. 福永一臣

    福永委員長 これより会議を開きます。  去る八日内閣提出漁船乗組員給与保険法の一部を改正する法律案が当委員会に付託になりました。ただいまより本案議題として審議に入ります。まず政府より提案理由説明を求めます。農林政務次官松浦東介君。     —————————————
  3. 松浦東介

    松浦政府委員 ただいま議題となりました漁船乗組員給与保険法の一部を改正する法律案提案理由を御説明申し上げます。  本法律案は、漁船乗組員給与保険保険金支払い期間を限定しようとするものでありまして、現在第十七条の規定では、乗組員抑留された場合、保険金支払いは、当人の抑留が終るまで、すなわち本人が帰還した日まで行われることになつておりますが、これを抑留された日から起算して六年四箇月を経過いたしましたら、それまでで打切りその翌月からは組合は保険金支払い責任を負わない旨の規定に改めようとするものであります。  これは、漁船乗組員給与保険も、保険という建前であります関係上、保険金支払い責任抑留が終るまでとすることは、危険率の算定上若干問題がございます点と、労働者災害補償保険法等一般社会保険立法におきまして、保険給付に一定の期限を定めおりますこととの均衡上、漁船乗組員給与保険におきましても、保険金支払い責任について期限を定めようとするものであります。  ところで、六年四箇月という期限でありますが、これは前にも述べましたよりに、労働者災害補償保険法等社会保険立法におきましては、保険給付を受けます者が療養開始後三年を経過してもなお負傷または疾病がなおらない場合は、打切り補償費として平均給与額の千二百日分を支給して保険給付を打切るということになつております。そこで、漁船乗組員給与保険におきましても、これと均衡をとつたのでありますが、その性質上、打切り補償費交付という考え方はとりがたいので、千二百日分の打切り補償費交付ということにかえまして、これに相当するものとして三年に千二百日を加算いたしまして、これを年月に換算して六年四箇月という保険金支払い責任期間とつた次第であります。  以上申し述べましたところが、本法律案提出理由の大要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを御願いいたします。
  4. 福永一臣

    福永委員長 これより質疑に入ります。田口長治郎君。
  5. 田口長治郎

    田口委員 本法は第十三国会におきまして、法律だけ通過をして、裏づけになる予算が今期に提案をされておるような次第でございますが、乗組員保険もまた一種の保険であります以上、その他の社会保険がすべて六年四箇月になつておるという建前からいたしまして、それと歩調を合せることは、やむを得ないと思うのでございますが、その後拿捕事件は相かわらず各所で起つておりまして、本法律がねらつておるところの留守家族に対する給与の支給の必要は、至るところにある次第でございます。現在この法律予算関係上施行できないという関係にありますけれども、今回の補正予算通過したら、ただちに施行ができるような準備をあらかじめしておく必要があると考える次第であります。このあらかじめの準備について、政府の方ではいかにお考えなつておりますか。  いま一点は、制定当時、いろいろな資料によつて保険料率計算いたしますと、百円について一円二十四銭程度になつたのでありますが、その後大蔵省その他といろいろ研究されました結果、保険料率がやや高くなつたというような話を聞いておる次第でありますが、現在の各種漁業経営状態から考えまして、保険料率が高くなるということは、加入者に対してこの保険に加入する困難の大きな原因になるというふうに考えますから、これを六年四箇月に打切るその交換条件ではありませんが、とにかく保険料率をできるだけ安くしなければならぬというふうに私考える次第でございます。以上の二点について政府のお考えをお伺いいたしたいと思うのであります。
  6. 松浦東介

    松浦政府委員 ただいまの御質問でございますが、この法律案の見合いになりますところの予算は、ただいまお説のように今度の補正予算の中に織り込んでおるわけでございます。なお保険の料率の関係につきましては、事務当局よりお答え申し上げます。
  7. 伊東正義

    伊東説明員 私から保険料率のことをお答えいたします。この前この法律を第十三国会提案いたしました当時、保険料率計算をいろいろやつたのでございますが、その当時は、今田口委員がおつしやいました通り、一円二十四銭というような数字が一応出ております。その後大蔵省といろいろ交渉いたしまして、現在の補正予算には一応一円五十八銭というベースで組んでございます。しかし、これは大蔵省ともいろいろ話合いをしまして、今御審議願つておりますように、いつまでも保険料を払うという形でなくて——こういう形では保険料計算もなかなか立ちにくい点がございますので、御審議願つているようなものになりました場合は、大体一円四十二銭という保険料で行こうじやないかということに、今話合いなつております。
  8. 田口長治郎

    田口委員 私が先ほどお伺いしました第一点は、補正予算通過した瞬間から本法を施行することができるように、あらかじめの準備をされてしかるべきだ、こういう意味の質問でございますが、その点はいかがでございますか。
  9. 松浦東介

    松浦政府委員 補正予算通過の瞬間から間に合うように準備をいたしております。
  10. 福永一臣

    福永委員長 これにて質疑は終了いたしました。  引続き討論に入るのでありますが、別に討論の通告もありませんので、討論を省略し、ただちに採決いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 福永一臣

    福永委員長 御異議なしと認め、ただちに採決いたします。本案原案の通り可決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 福永一臣

    福永委員長 御異議なしと認めます。よつて本案原案の通り可決いたしました。  なお本案に対する委員会報告書の作成につきましては、先例によりまして委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 福永一臣

    福永委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。     —————————————
  14. 福永一臣

    福永委員長 次に川村委員より発言を求められておりますが、この際これを許します。川村善八郎君。
  15. 川村善八郎

    川村(善)委員 水産庁では目下ストを起しまして水産行政を遅滞せしめております。おそらく彼らの行動から見ますると、水産行政を撹乱せしめ、そして彼らの要求を貫徹しようという行為であると考えるのであります。日本水産は、あの戦争によつて徹頭徹尾たたかれ、疲弊困憊その極に達したのでありますけれども、内外ともに相協力いたしましてどうやら今日まで日本水産は立ち上りをして参つたのであります。しかし、いまだに他のものとは違いまして漁業者は相当に困つておる。この困つておる者を一日も早く救い上げなければならないという決意のもとに、国会内外を通じ、あるいは水産行政の完璧を期して、漁民のためにわれわれ水産委員会闘つて参つたのであります。しかるにその行政の根本をつかさどるところの水産庁におきまして、ストを決行いたしまして水産行政をまつたく遅滞せしめておるということに対しては、われわれは承服することができませんし、この責任はいずこにあるかをどこまでも糾明いたしまして、われわれの力によつて解決ができるならば、われわれも協力してその要求にもある程度応じて行かなければならぬのではないかとも考えるのであります。従つて委員会といたしましては、ストの内容、解決等について、水産庁長官並びに農林大臣の所信を伺いたい。しこうして本委員会においてもその解決に乗り出さなければならぬ、かように思うのでありますが、きようは農林大臣も見えておりませんし、当面の責任者でありまするところの水産庁長官もお見えになつておらないのでありますから、この次の委員会、最も早い機会において、農林大臣並びに水産庁長官、その他関係部課長出席を求めて、このストの問題について糾明をいたしたいと思いますから、委員長におかれましては格別にはかられまして、その手続を進められんことをこの際御要望申し上げます。
  16. 福永一臣

    福永委員長 ただいまの川村君からの御発言の趣旨は十分に了承いたしました。よつて次委員会においてそのようにとりはからいます。  次に漁港、漁船及び漁業災害補償に関する小委員長である薄田君から、中間報告のため発言を求められておりますので、これを許します。薄田美朝君。
  17. 薄田美朝

    薄田委員 私は今までの小委員会経過をちよつと報告いたします。皆さんから、これからどういうふうにしたらいいかというような御意見もありましたので、実はゆうべ大蔵政務次官愛知君に会いまして、例のオホーツク海のその後のいろいろな問題をお話いたしました。大蔵省としては大体あの案の方向で行こう。ただ十五億という金額の問題について多少意見がある。従つて水産庁長官の方で大蔵省事務当局と打合せいたして、その結果に基いて大蔵省でも態度を決したい。大体においてその補償の点と、それから利子の点は了承いたしておるような模様でございまして、十五億という金額の問題について多少今問題がある。従つてその問題は水産庁長官大蔵省との話合いにし、北海道北海道以外のところの関係もあるから、そういうふうな関係もよく大蔵省と相談してもらいたいというふうなことで、大体愛知政務次官としては、金額以外の点はお話がついたというふうなことになつておりますので、一応経過を御報告いたしておきます。
  18. 福永一臣

    福永委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は来る十二日午前十時より開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午前十一時三分散会      ————◇—————