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1952-12-17 第15回国会 衆議院 人事委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十二月十七日(水曜日)     午後二時十九分開議  出席委員    委員長 有田 二郎君    理事 植木庚子郎君 理事 丹羽喬四郎君    理事 竹山祐太郎君 理事 受田 新吉君    理事 森 三樹二君       阿左美廣治君    麻生太賀吉君       小澤佐重喜君    木暮武太夫君       竹尾  弌君    灘尾 弘吉君       根本龍太郎君    濱田 幸雄君       保利  茂君    吉武 惠市君      生悦住貞太郎君    小島 徹三君       松野 孝一君    池田 禎治君       三宅 正一君    加賀田 進君       小松  幹君    館  俊三君  出席政府委員         内閣官房長官 菅野 義丸君         人事院事務官         (事務総局給与         局長)     瀧本 忠男君         総理府事務官         (大臣官房審議         室長事務代理) 久田 富治君         自治庁次長   鈴木 俊一君         大蔵事務官         (主計局給与課         長)      岸本  晋君         文部事務官         (初等中等教育         局長)     田中 義男君         外務事務官         (大臣官房会計         課長)     高野 藤吉君  委員外出席者         日本国有鉄道理         事         (職員局長)  吾孫子 豊君         専  門  員 安倍 三郎君     ――――――――――――― 十二月十七日  委員青木孝義君、木村公平君及び福永健司君辞  任につき、その補欠として麻生太賀吉君、吉武  惠市君及び阿左美廣治君が議長の指名で委員に  選任された。     ――――――――――――― 十二月十六日  公務員給与引上げ等に関する請願八木一男  君紹介)(第一〇一九号)  同(久保田鶴松紹介)(第一〇二〇号)  同(上林與市郎紹介)(第一〇二一号)  同外一件(山口丈太郎紹介)(第一一〇七号)  同(山本幸一紹介)(第一一〇八号)  公務員給与引上げに関する請願加賀田進君  紹介)(第一〇二二号)  同(久保田鶴松紹介)(第一〇二三号)  同(上林與市郎君外四名紹介)(第一〇二四号)  同(吉田賢一紹介)(第一〇二五号)  同(山口丈太郎紹介)(第一一〇六号)  日高町の地域給引上げ請願小島徹三君紹  介)(第一〇二九号)  若松市の地域給引上げ請願鈴木義男君紹  介)(第一〇三〇号)  下呂町の地域給引上げ請願(楯兼次郎君紹  介)(第一〇三一号)  歌外波村の地域給指定に関する請願佐藤芳男  君紹介)(第一〇三二号)  同(塚田十一郎紹介)(第一〇六五号)  金生町の地域給指定に関する請願前田正男君  紹介)(第一〇三三号)  元狭山村の地域給指定に関する請願松山義雄  君紹介)(第一〇三四号)  上分町の地域給指定に関する請願前田正男君  紹介)(第一〇三五号)  増田町の地域給指定に関する請願飯塚定輔君  紹介)(第一〇三六号)  高田町の地域給指定に関する請願鈴木義男君  紹介)(第一〇三七号)  八王子市の地域給引上げ請願外十五件(中村  高一君紹介)(第一〇五六号)  宮崎市の地域給引上げ請願川野芳滿君紹  介)(第一〇五七号)  行田市の地域給引上げ請願青木正紹介)  (第一〇五八号)  小野町の地域給引上げ請願岡田五郎君紹  介)(第一〇五九号)  宮崎県下の地域給引上げ等請願川野芳滿君  紹介)(第一〇六〇号)  高鍋町の地域給引上げ請願川野芳滿君紹  介)(第一〇六一号)  町田町の地域給引上げ請願栗山長次郎君紹  介)(第一〇六二号)  若松市の地域給引上げ請願河原田稼吉君紹  介)(第一〇六三号)  高岡町の地域給指定に関する請願川野芳滿君  紹介)(第一〇六四号)  直江津町の地域給引上げ請願田中彰治君紹  介)(第一〇六六号)  南関町の地域給指定に関する請願松前重義君  紹介)(第一〇六七号)  泗水村の地域給指定に関する請願松前重義君  紹介)(第一〇六八号)  富岡町及び志岐村の地域給指定に関する請願(  松前重義紹介)(第一〇六九号)  生目村の地域給指定に関する請願川野芳滿君  紹介)(第一〇七〇号)  頴娃町の地域給指定に関する請願池田清君紹  介)(第一〇七一号)  大井町及び長島町の地域給引上げ請願(楯兼  次郎紹介)(第一〇八一号)  氏家町の地域給指定に関する請願森山欽司君  紹介)(第一一〇九号)  国立療養所長寿園地域給指定に関する請願(  中曽根康弘紹介)(第一一一〇号)  高峰村の地域給指定に関する請願岩本信行君  紹介)(第一一一一号)  本山町の地域給指定に関する請願濱田幸雄君  外一名紹介)(第一一一二号)  坂本村の地域給指定に関する請願(楯兼次郎君  紹介)(第一一一三号)  香住町の地域給引上げ請願有田喜一君紹  介)(第一一一四号)  祖父江町の地域給引上げ請願江崎真澄君紹  介)(第一一一五号)  下館町の地域給引上げ請願丹羽喬四郎君紹  介)(第一一一六号)  直江津町の地域給引上げ請願猪俣浩三君紹  介)(第一一一七号)  瀬田町の地域給引上げ請願矢尾喜三郎君紹  介)(第一一五六号)  喜連川町の地域給指定に関する請願森山欽司  君紹介)(第一一六三号) の審査を本委員会に付託された。 同 日  公務員給与ベース引上げ並びに年末手当に関  する陳情書  (第八〇五号)  同  (第八〇六号)  同(  第八〇七号)  同外一件  (第八〇八号)  公務員給与ベース引上げに関する陳情書  (第八  〇九号)  年末手当二箇月分支給に関する陳情書  (第八一〇  号)  越冬資金支給に関する陳情書  (第八  一一号)  八王子市の地域給引上げに関する陳情書外十九  件  (第八一二号)  新津市の地域給引上げに関する陳情書  (第八一三号)  三重県下の地域給引上げ等に関する陳情書  (第八一四号)  鳥羽町の地域給引上げに関する陳情書  外十四名)(第八一五号)  大八賀村の地域給指定に関する陳情書  (第八一六号)  佐用町周辺八箇村の地域給指定に関する陳情書  (第八一七号)  足利市の地域給引上げに関する陳情書  (第九一七号)  小諸町の地域給引上げに関する陳情書  (第九一八号) を本委員会に送付された。     ―――――――――――――  本日の会議に付した事件  一般職職員給与に関する法律の一部を改正  する法律案内閣提出第一二号)  特別職職員給与に関する法律の一部を改正  する法律案内閣提出第一六号)     ―――――――――――――
  2. 有田二郎

    有田委員長 ただいまより一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出第十二号及び特別職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出第十六号の両案を一括議題として質疑を継続いたします。生焼住貞太郎君。
  3. 生悦住貞太郎

    ○生悦住委員 先日来給与ベースの問題が検討されましたが、地域給のことについて昨日のここでの話合いの結果、さらに委員長わくをとつて来るという話でありましたが、そのわくはどの程度にとれたか、それをお聞きしたいと思います。
  4. 有田二郎

    有田委員長 お答え申し上げます。明日衆議院参議院との間で合同会議を開きますので、その際にお話申し上げたいと思います。
  5. 生悦住貞太郎

    ○生悦住委員 具体的にその問題についてここである程度話合いをする必要はないですか。
  6. 有田二郎

    有田委員長 実は本委員会の終りに各委員にお諮りして、明日参議院と午前十一時から合同協議会を開く、かようにお諮りをいたしたいと考えておりまして、まだお話してなかつたのです。
  7. 生悦住貞太郎

    ○生悦住委員 それではそういうことにしましよう。
  8. 有田二郎

    有田委員長 それでは生悦住貞太郎君の国鉄職員局長に対する質疑あとに譲ります。小松幹君。
  9. 小松幹

    小松委員 昨日の委員会で本日来でいただく関係当局者を指名したはずでありますが、お見えでありましようか、いかがでしよう。
  10. 菅野義丸

    菅野政府委員 お答えをいたします。昨日の当委員会総理大臣官房長官労働大臣文部大臣自治庁長官たる国務大臣、この五人の人に出席の御要求があつたのでございますが、このうち労働大臣は数日来ずつと熱を出しまして休んでおります。まだ登院するまでにはあと五、六日かかるのじや在か、昨日私はわざわざ行つて参つたのでありますが、とても今の病状では登院できないような状態でございます。あとの四人の大臣は本日から参議院予算総会が開かれておりまして、全部そちらの方に行つておるような次第でございまして、これはかねてから参議院の方で予算審議の予定をつくつておりまして、ずつと前から言われておりますので、どうしてもそちらの方にきようとあすは総括質問でもつて総理も出なければならぬというような状態でございまして、まことに申訳ない次第でございますが、本日この席に出席することができないような状態でございます。
  11. 小松幹

    小松委員 それでは私の所望した限りにおいて質問はできないわけなんですが、それにかわるべきお方は官房長官のみでありまして、関係省から出てないということは……。
  12. 菅野義丸

    菅野政府委員 昨日は総理大臣以下五人の方の出席の御要求があつたようでございますが、もしかわりでいいということになりますれば、さつそくその手配をしなければならぬと存じますが、私の伺つたところではこの五人の人本人に聞きたいというようなお話であつたように伺つたものでありますから、各大臣の都合だけを聞いて参つたような次第でございます。
  13. 小松幹

    小松委員 本人に聞きたいわけでありますが、そうでなければ私は質問打切つて、この会議を休憩していただきたい。関係当局者が出なければ質問はできないのです。そういう意図を持つております。
  14. 有田二郎

    有田委員長 ちよつと速記を待つてください。     〔速記中止
  15. 有田二郎

    有田委員長 速記を始めてください。
  16. 小松幹

    小松委員 昨日の予算委員会附帯決議について御質問をしたいのです。その附帯決議は、政府としてどのような具体的な内容を持つておられるか、これをお伺いしたい。昨晩の九時のラジオニュース等では非常に詳細なニュース放送をしておるので、全国からいろいろそのラジオニュースを聞き取れないというようなことで、質問を受けておるわけです。その点を具体的に、第二次補正等の問題はどのように考えておるかを伺いたい。
  17. 菅野義丸

    菅野政府委員 政府職員給与の改善につきましては、政府といたしましてでき得る限りの努力をいたしておりまして、今回の補正予算を提出した次第でございますが、昨日の予算委員会におきまして附帯決議がなされたことはよく了承いたしております。この点につきましては、院議を尊重いたしましてできるだけのことをいたしたいと考えておりまするが、その具体的なことは、何分にも給与の問題は広汎にわたりまするので、今ここで申し上げる段階になつておりませんが、予算通過までには何とか具体的なことをきめまして発表し実施いたしたい、かように考えておる次第でございます。
  18. 小松幹

    小松委員 新聞あるいはラジオニュース等がどの程度の真相があるかわからないが、一体どのような機関において、どのような取引において、ああいう具体的なものを盛つたような発表なり放送なりがなされたか、実際問題としてそれが起つておるかどうか聞きたい。
  19. 菅野義丸

    菅野政府委員 よく御存じの通り新聞はいろいろなニュース・ソースからとるのでございまして、政府の正式の発表は、官房長官なりあるいは各省のしかるべき報道関係職員発表をもつて正式な発表といたしております。しかしながら、その段階に至ります前に、いろいろ研究調査をいたしておりますが、そういうのがスクープされまして出ることがしばしばある次第であります。その証拠には、新聞によりまして数字等も相当かわつておるところがございます。ああいう新聞等に出ておりますようなことがいろいろな箇所で研究され、あるいは計算されておるということは、これは事実でございますが、政府の案として決定するまでには、まだ至つておらないような次第でございます。
  20. 小松幹

    小松委員 それではそういう附帯決議に対する給与問題に対しては、どういう意思を持つておられるか、その辺の意思の点をひとつ聞きたい。
  21. 菅野義丸

    菅野政府委員 予算委員会におきまして大蔵大臣からお答えを申し上げましたように、これは、政府といたしまして予算の運用上できるだけの努力をいたしたい、かように考えております。
  22. 小松幹

    小松委員 できるだけの努力というのを、私はほんとう大臣に聞きたいわけなのですけれども、大臣はおらないので、官房長官から、政府当局者代表として、できるだけという抽象的な言葉でなくして、その決意のほどを聞きたいわけです。
  23. 菅野義丸

    菅野政府委員 具体的なものはまだきまつておりませんので、きまりましたら発表いたします。
  24. 小松幹

    小松委員 その具体的なものはいつきまるのですか。
  25. 菅野義丸

    菅野政府委員 補正予算両院通過するまでにはきめたいと考えております。
  26. 小松幹

    小松委員 給与の問題は一般国家公務員なり、あいは給与関係等も非常に期待しておるわけなのです。この問題の通過いかんによつては非常な失望も感ずるし、また、今後公僕としての任務がいかにして果されるかという点においても重大な関心事である。かかるがゆえに、この一般職給与の問題について、政府がその附帯決議を最大限に尊重して、具体的なものを早急に出してもらわねばならないわけです。この点についてただ責任がれ答弁でなくして、さらにその決意のほどを承りたい。
  27. 菅野義丸

    菅野政府委員 先ほどお答え申し上げました通り、決してこれは責任がれではございません。また附帯決議と申しますれば院議でございまするから、これを尊重するということは当然のことでございまして、政府も文字通りこれを尊重いたしまして最大の努力をするつもりでおります。
  28. 受田新吉

    受田委員 きようの委員会構想はどういうふうに持つておられるのか委員長にお伺いしたいのであります。実は理事会においても、きようの委員会における審議は二つの議案の継続ということに伺つておりましたし、なお地域給についての審議もあわせてやり、採決には及ばないというように聞いておつたのであるが、自由党席を見るとものものしい顔ぶれであります。今まで顔を見せなかつた方々がこうずらりと並んでおるところを見ると——平素野党がほとんど出席して与党は一人二人という状況が、突如としてこういう現象になると、私ははなはだ理解に苦しむのでありまするが、委員長は、理事会に諮らないで、何かこの委員会の運営に特殊の意図を持つておるのかお伺いしたいのであります。
  29. 有田二郎

    有田委員長 お答え申し上げます。さつき生悦住委員からも御質疑がありまして、これはまだ諮つておりませんが、委員長としては、実は明日衆参両院合同審議会を午前十一時から開会いたしまして、本案の国会通過に対する話合い衆参両院でいたしまして、その決定後でなければ本法案は決定をいたさないつもりでおるのであります。きようどうという意図があるわけでは決してないのでありまして、与党委員の御出席が偶然にも非常にいいのであります。審議に非常に御熱意があると私は感謝をいたしておる次第でありまして、御了承賜りたいと思います。
  30. 受田新吉

    受田委員 了承しません。なぜかといえば、平素委員会において一言の発言もしない人が、きよう続々と出て来ている。こういうことに対しては、委員会に何かかけひきがひそんでいるということしか判定できないのであります。この点について、与党委員もどんどん政府質問するという用意があればいいけれども、ほとんど与党の諸君はこれに対して発言をしておりません。そうしてたまたま偶然にもきようこの顔ぶれがそろつたというような言い分には、自由党内のかけひきを物語るものとしてはなはだ不愉快であります。同時に委員長は、きのうの理事会でも、予算案衆議院通過した際に、は、地域給の問題もあわせて検討するために、その予算的措置について十分の申入れをし、それに対して具体策をこの委員会に報告するということであつたのであるが、その結果をお聞きしたいのであります。
  31. 有田二郎

    有田委員長 お答え申し上げます。受田委員お越しになるのがおそかつたのです。あなたがお越しになるまでに生悦住委員なり、小松委員と大体話合いをいたしておるのであります。明日両院合同審議会を開いて、先般お約束申し上げた線で協議をしようと、そういうお話をしたあとへあなたがお越しになつて、そうして今の御質疑ですが、与党委員が御出席になることは自由であるし、また与党委員質問なさろうがなさるまいが与党委員の自由でありまして、それらの自由を受田委員が干渉することは妥当でないと思います。どうかその点は御了承願いたい。
  32. 受田新吉

    受田委員 その点について委員長は、平素なぜ委員会委員出席要求しないのであるか。自由であるということになつてつても、員数の上において委員会が構成せられないままで進められておつたのは、野党が了承していたからである。定員に満たないままで委員会を続行したこと、これについて委員長は何と解明するか承りたい。
  33. 有田二郎

    有田委員長 お答え申し上げます。皆さんが御出席になつておられますが、そこに何も意図はないので、出席したからいけないと受田委員からおしかりをこうむることは、委員長としてまことに困ることであります。その点はどうか御了承願いたいと思います。
  34. 受田新吉

    受田委員 私は平素与野党を通じて委員会は熱心に勉強すべきであると思うのです。この点において自由党は平素非常に不熱心である。こういう点においてこれは野党だれでも認めます。今後こういう出席がいつも続くように御努力をいただきたい。もう一つは、小松君から先ほど来委員長に要望されたことであるが、政府責任者たち出席することに対して、いかに努力されたかという経過などは、十分この委員会に言うていただいて、委員長みずから総理にも会い、またそれぞれの大臣にも会つて要望したがいけなかつたとか、あるいは政府の方にどういうふうに手を打つたかという努力をよく話して、そしてわれわれを納得させないと、きようはやむを得ないのだ、あちらとの関係があるのだというようなことではちよつと納得できない。この点委員会ほんとうに真剣に審議させるために、もつと誠意を持つて政府努力したことをわれわれに報告し、また足らないところはわれわれがさらに追究するのに対しては、これを喜んで受入れるだけの雅量を示してもらいたい。これを注意しておきたい。
  35. 有田二郎

    有田委員長 委員長としては将来とも最善の努力をさせていただきます。きようはたまたま参議院との打合せ並びに政府との間に地域給の問題について、一定の人員の獲得に午前中からただいままで交渉いたしておりまして、小松委員の御希望に十分沿い得なかつたことは、まことに遺憾に存じます。どうぞあしからず御了承願いたいと思います。
  36. 受田新吉

    受田委員 きのう予算案通過の際における附帯決議の問題ですが、官房長官よりの御答弁で、これが国会通過するまでには具体的に案を示したいということでありました。しかしそれを進めるのにあたつて政府としてどういうような方法があるか。幾つかの案があると思うのです。その中で最後にどれかが決定されるわけでありますが、附帯決議を必ず実行するという決意を持つておられる以上は、どういうような構想を持つておられるかだけはここで伺つてもさしつかえないと思うのであつて、それを秘密に付するということは、国民代表機関として、はなはだ残念であります。その段階に達しないという意見が出ておりますが、その点において政府としてどういうような構想を持つておるか、こういうところをこういうふうにする道もあるという、その具体的な問題についてお答えをいただきたいと思うのであります。
  37. 菅野義丸

    菅野政府委員 先ほど小松委員お答え申し上げました通り、今の段階におきましては、各省がいろいろ数字計算等をいたしまして、検討中でございます。これは、御承知のように、各省がいろいろな案をつくりまして、大蔵省とも相談しますし、最後には内閣まで持つて来るのでございますが、今の段階におきましては、文字通りまつたく検討中でございまして、私が全部これをそらんじておりまして、幾つかの案をここで申し上げて御了解を得るという段階ではまつたくございません。従いましてせつかくのお尋ねでございますが、先ほどお答え申した通りであります。決して責任がれでもなく、うそ偽りを言つているつもりではないのでありますから、どうぞ御了承願います。
  38. 受田新吉

    受田委員 大蔵省としてこの附帯決議に盛られたところの要求額を満たすために、第二補正予算も組まないという原則から言うならば、たとえば超勤手当によつてこれをまかなうという例が過去にあつたのですが、そういうようなことを考えられておるかどうか、ちよつと御答弁願いたい。
  39. 岸本晋

    岸本政府委員 ただいまの予算委員会における附帯決議の取扱いでございますが、これは国鉄裁定専売裁定に関する労働委員会附帯決議もございます。これらを総合的に考えて、実質的にバランスをとるにはどうしたらいいだろうかということを目下検討中でございまして、その方法なり程度なりにつきましては、ただいま菅野長官からお話のありました通りでございまして、まだ何ら結論には達しておりません。
  40. 受田新吉

    受田委員 その具体的方法について大蔵省でとり得る道が幾つかあるはずです。あるはずの道を——こういうのと、こういうのがある、それをどれに決定するかわからないが、その方法としてはこういう道があるという、そのあり方をお答えいただきたい。それが最後にどれが決定されても、私は今ここでかれこれ言うのではなくして、大蔵省としてとり得る予算的措置方法を御答弁いただきたいのであります。
  41. 岸本晋

    岸本政府委員 これはたびたび同じことを申し上げて恐縮でございますが、法律的にも予算的にも、現在までに合法的にかつ補正予算の範囲内で実行できる方法ということでございますので、非常にむずかしい問題がございますので、目下まだ研究中でございます。
  42. 受田新吉

    受田委員 過去において大蔵省がこうした場合の措置としてとられた方法お答えいただきたいのであります。
  43. 岸本晋

    岸本政府委員 今回の附帯決議のような例は、全然今まではなかつたわけでございまして、今度初めてそうするわけであります。
  44. 受田新吉

    受田委員 大蔵省としてまだ海のものとも山のものともわからぬという御答弁でございますが、すでに二十二日で国会の会期が切れるのでございまして、ここ数日の間に結論へ持つて行かなければならないのであります。これをどういうふうに結んで行くかという構想は、何か具体的なものが出ておらなければならぬ。それをまだ政府として発表段階ではないからというので、答弁を控えておることは非常に不親切である。国民はその刻々の政府のいろいろな構想を知ろうとしておるのである。われわれ国会もそれに一々検討を加える責任がある。それに対してはなはだあいまいで不親切であつて、われわれとしては審議を進めることもできない。この点において副長官は何か政府部内における箝口令でもしいて、そういうことに対して発言をすると、政府委員として総理からしかられるとかいうような懸念があつて、差控えられておるのであるかどうか、この点についても御答弁をいただきたいと思います。
  45. 菅野義丸

    菅野政府委員 私別に箝口令をしかれているわけではないのでありまして、私の知つてる限り現実の事実を申し上げまして、その当時の政府段階国民に知らせるということにつきましては、まつたく同感でございます。従いまして現在検討中でございますので、検討中ということを申し上げている次第でございまして、何ら具体的にまとまつた案はないのでございます。ほんとうにそういう意味でございますから、どうぞ御了承を願いたいと思います。
  46. 竹尾弌

    ○竹尾委員 ただいまのは国家公務員に関することだと思いますが、これはさらに検討中だということでお答えができないかもしれませんけれども、地方公務員に対してはどういう見通しを持つておりますか。
  47. 菅野義丸

    菅野政府委員 地方公務員につきましては、これは平衡交付金の問題だと思いますが、予算上あるいは法律上出します給与等につきましては、大体国家公務員に準じて地方公共団体がきめることになつておりますので、それを基準にして平衡交付金を計算するのでございます。今回の附帯決議の御趣旨を拝見して、なお大蔵大臣答弁いたしたところによれば、予算の問題でもなく、また法律の問題でもないようでございます。従いまして予算の運用上の問題でございますので、これはただちに平衡交付金の問題にはならず、各地方公共団体の予算の運用上の問題になるのではないかと考える次第であります。
  48. 生悦住貞太郎

    ○生悦住委員 職員局長にお尋ねしたいのでありますが、このたびの人事院の勧告によりまして、地域給の区分が決定されようとしております。これによつて一般公務員と国鉄職員の間にアンバランスの面が現われて来るのじやなかろうかと思うのでありますが、この地区に対して国鉄ではやはり独自の立場で対処されるものと私は考えます。そこでその方法について国鉄ではどういうふうに考えておるか、それをお尋ねしたいと思います。
  49. 吾孫子豊

    吾孫子説明員 ただいまお尋ねの通りに、国鉄は従来から地域給につきましては、大体公務員地域給の区分にならいまして、ただそれよりも一段落しというような形で労働組合の方と団体交渉をしてきめております。ただ国鉄の仕事の性質上、業務機関が一つのラインにつながつておりますので、公務員地域給の区分の通りにいたしますと、業務機関の配置とか人員の配置の上で、いろいろぐあいが悪い点も考えられますので、それらの点につきましては、大体公務員の地域区分を基準にしながら、それに若干の調整を加えて組合と相談の上きめる、こういうやり方をとつております。今回の人事院の御勧告の案によりますと、やはり国鉄の方で従来の例にならつて、一段落しということに考えましても、五%上つて来る者が十数万人おることになるのでございますが、この点は組合と相談の上決定いたしたい、さように考えております。
  50. 生悦住貞太郎

    ○生悦住委員 たいへんけつこうな御回答をいただいたように思いますが、現在においてもすでに五%のギヤツプがあつて、それは本給に繰入れられておるというようなシステムで進んでおられまして、これを静かに考えてみますと、今後の一般公務員に対する給与規定等におきましても、本給に繰入れてというような方式を採用する方があるいは理想的じやないか。そういう意味から行つたら、国鉄は一歩先へ進んだ行き方であるということが考えられますが、こうして今度の人事院勧告によつて、一般公務員地域給決定いたしますと同時に、これは並行的に国鉄におきましても当然考えてもらつて、そうして組合と至急に話合いをしていただきたいと思います。その至急というのにもおのずと限度があると思いますので、これはいつごろそうしたような地区に対する組合と交渉をなさる予定か、それを聞きたいと思います。
  51. 吾孫子豊

    吾孫子説明員 国鉄につきましては、御承知の通りこの八月に仲裁裁定が出まして、新ベースは一万三千四百円にするということがきまつておるわけでございます。それで結局私どもの方といたしましては、基本給に幾らをさくか、勤務地手当に幾らをさくかというようなことは、この一万三千四百円というベースの配分の問題になるわけでございまして、ただいまの予定では、一月からは新ベースを実施し得るようにしたいという考えで、すでに部分的には労働組合とも交渉に入つておりますが、私どもの考えといたしましては、何とかして年内に結論を出して、一月にきれいにベースの切りかえができるというようにいたしたいと考えております。
  52. 生悦住貞太郎

    ○生悦住委員 大体了承いたしましたが、一月ということになりますと、この間のずれがありますから、このずれを調整するということも考慮していただいて、一月からきめていただくことを希望いたします。
  53. 有田二郎

    有田委員長 受田新吉君。
  54. 受田新吉

    受田委員 それではこの向う側の顔ぶれは、別にわれわれ野党が急遽採決に持つて行くということに対する予防線として並んだものでないという前提のもとに、自発的に出ているということで私は話を進めて行く。ここで私は断つておくが、この委員会というものは、事情を知らぬ者がこう急にぱつと出て来て、がらがら騒ぐと、非常に質問がしにくいのです。でたらめなやじを飛ばしてわれわれの発言を押えようとする傾向が多分にある。私は先に断つておく……。     〔発言する者あり〕
  55. 有田二郎

    有田委員長 質疑の継続をお願いいたします。
  56. 受田新吉

    受田委員 ではこれからまた質問の残りに触れて行きますが、外務省の政府委員の方に、在外公館に勤務する外務公務員給与に関するところの法律改正の要点について、お尋ねしておきたいと思うのであります。在外職員給与の中で、ここに改正事項として書かれてあることは、これは一般職公務員と関連することであるので、これは了承いたします。ところがこの法律の中にあげてあるところの在勤俸及び加俸というようなものは、どういう性格を持つておるものであるか、これをちよつとおただし申し上げ、同時に大使館や公使館においては、それぞれの国の権威を代表するものとして、特殊の名誉を保つための経費がかかると思うのであります。たとえば先般私はアメリカの大使館へ参りまして、新木大使の計画したわれわれを招く会に臨んだのでありますが、そのときの大使の説明に、日本から出される予算がきわめて少いゆえに、皆様をお招きする場合も、また諸外国の代表者を招く場合にも、非常に財政的に困つて、こういう状況でありますと言つて、まことにみじめな待遇を受けたのであります。こういう点において何かそういう場合における大使館の名誉を保持するための国の予算的措置というものが、もつと積極的にとらるべきものではないか。これは経費の節約というものとは別に、所要の経費だけはどうしても盛り込むべき性質のものだと思いますので、こういうものもあわせてお伺いをいたしたいと思います。
  57. 高野藤吉

    ○高野説明員 まず御質問の第一点にお答え申し上げます。在外に勤務する在外職員に対する俸給は一般の公務員と同じように本俸がございまして、それ以外に外に参りました場合に在勤俸、これは各国の物価を勘案いたしまして、今年の春法律通りましたのでございますが、そのほかに配偶者加俸というのがございまして、これはあちらへ参りますと、夫人連中も一応いろいろの社交的な役割を果しますので、これに対する加俸がつくのでございます。それ以外に館長が不在の場合に、その次席の参事官ないしは一等書記官が館長の代理をいたしますので、従つて出費も次席の場合よりはふえるというので、館長代理加俸というものを出しております。  それから次に経費等種々の都合によりまして、公館を開設しませんで、一人の大使が隣国の大使を兼任をするという場合がございます。そして兼任地に行つた場合に兼任地加俸というものを出しておる次第でございます。  在外職員に対するおもな俸給と申しますか、加俸は以上のような次第になつておる次第でございます。  第二点の在外におきまして、在外の公館ないしは職員が活躍をするのに十分なる経費を見てあるかどうかという御質問でございますが、外務省といたしましては、戦後種々財政上の支出もあることであり、できるだけのことはいたしたいのでございますが、いろいろの観点で現在不十分だという向きもありますが、われわれとしては、今年度におきましては、既定予算でできるだけのことはして行きたい。それに対して交際費というものがございまして、これは御承知のように、種々の会同ないしは種々の宴会等に際して重点的に使用しておる次第でございます。  以上説明を終ります。
  58. 受田新吉

    受田委員 これは現実に私たちアメリカ大使館を訪れた者がはなはだ残念だつたので、同時にタイ国の大使館に各国の代表が訪れた際には、非常に優遇されておるという、比較が明らかにされたのでありまして、別に貧乏国がそう要領をつくる必要はないのだけれども、在外公館でその体面を保持する程度予算は、これはもういかに節約をするといえども、この点だけは容認すべきものだと思うのです。何かもつと具体的に考えられる必要はないか、こう感じたのであります。  それから大使、公使に号俸の階等がございまして、一等、二等、三等というようになつておりますが、この大使、公使の差別はどういうところから出ておるのか。大国には一等大使を充てるというようになつておるのか、あるいは何かそこに、古い年功の人の行き場がないので、こういつた階等をつけるように操作をするのか、そこにいささか疑義がありますので、お尋ねしたいと思います。
  59. 高野藤吉

    ○高野説明員 第一点の在外公館の体面を保つために、経費の面におきましては、今後ともできるだけ努力いたして行きたいと存じます。  第二点の、大使、公使に格付があるが、これは年功によるのか、ないしはその国が大国であるか小国であるか、小国と申しますと語弊がございますが、重要性に応ずるものであるかという御質問でございますが、大体はその年功と格式と二つの考え方がございますが、大体には、それが現実の問題としては、一致しておると御返答申し上げます。
  60. 受田新吉

    受田委員 この在外公館に勤務する外務公務員給与に関する法律の別表に、在外公館の種類と、それから所在国または所在地と号別があげてありまして、それには明らかに国により差等がつけてあるようですが、これはどういうところから生れたものでしよう。
  61. 高野藤吉

    ○高野説明員 これは大体アメリカを一〇〇といたしまして、その国における物価水準と申しますか、一定の生活をして行くにはどれだけのパーセンーテジがいるかということで、物価を中心として算定いたしたものでございます。但し大使、公使の場合には、それ以外に、そこにおける外交上ないしは社交上重要性をそれに加味して計算しております。
  62. 受田新吉

    受田委員 その重要性の限度というようなものは、どういう比準にしてあるのでありまするか。アメリカ、イギリスその他主要国のおもなものについて、その重要性の比率を申していただきたいのであります。
  63. 高野藤吉

    ○高野説明員 これはお断りいたしておきますが、その国のわが方の日本から見まして外交上の緊密さないしは経済上の緊密さを勘案いたしたものでございまして、その国の世界における地位なり何かを日本がかつてに算定したものでございませんから、その点はお断りを申し上げて今の御質問お答えいたします。すなわち具体的にいいますと、アメリカを一〇〇といたしましてカナダが七九、メキシコが七四、ブラジルが七九、イギリスが八八、フランスも八八、主要国は大体そんなようなことになつております。
  64. 受田新吉

    受田委員 給与に関する法律は、全体として国の体系的なものとして取上げなければならぬと思いますので、今外務省の関係職員についても質問をしたのでありまして、今後この一連の給与体系がどの一角にも不均衡がないように、常に高度の職務内容を持つておるものに対しては、それに相応したような給与がされるように、各省間の連絡調整を十分はかる必要があると思うのでありますが、今この在外公館の給与法律にも、はつきりとその二十二条にこの罰則が掲げてあるのであります。この法律は占領が終結をした直前にできたものでありますが、この罰則によつて処罰された者が外務省関係にあるかどうかお伺いしたいのであります。
  65. 高野藤吉

    ○高野説明員 現在まで受けたものは、まだございません。将来もないと思つております。
  66. 受田新吉

    受田委員 この罰則は保安庁職員給与にこれが規定されていないので、きのう特に政府の考慮をお願いしておいたのでありますが、こういう罰則があることが妥当かどうかについて、外務省の政府委員として、このようなものを別につくらんでも、国家公務員の規定にもあるし、刑法にもちやんと罰則があるのです。そういうものをこれに準用すればいいとわれわれ思つておるのでありますが、わざわざこれを規定する必要はないのじやないか。法律によつてはあるのもないのもあるのであるが、外務省のいやしくも外交官となるような人が、こういうものを一々取上げなければならぬような、そういうつまらぬ人間ではないと思いますので、この点の御回答をいただきたいと思います。
  67. 高野藤吉

    ○高野説明員 外務省といたしましては、当然この条文が適用されることはないと確信いたしておりますが、念には念を入れて、一応この条文を設けておるのでございます。
  68. 小松幹

    小松委員 自治庁にお尋ねしますが、一般職職員給与に関する法律案に関連して、地方公務員給与の問題がありますが、現在の予算において、平衡交付金の中に完全に組まれているのかどうか。これをまずお伺いしたいと思います。
  69. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 地方公務員のベース・アツプの関係の経費は、今回増額をいたそうといたしております。地方財政平衡交付金の中に算入いたしておりまして、それがための単位費用の改正法律案国会に提案をして、御審議を願つておるわけであります。
  70. 小松幹

    小松委員 地方公務員の定期の昇給あるいは昇格なりが、非常に実現が困難であり、また実情として遅延しておるのが実態でありますが、これらに対する予算的措置は事実として行われているかどうか、この点について伺います。
  71. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 財政計画におきましては、今の地方公務員の昇給に関します経費も、これを当初の計画において見込んでおりまして、それに基いて平衡交付金の総額の算定をいたしておる次第でございます。
  72. 小松幹

    小松委員 地方公務員が国家公務員よりも高いという論拠に立つて、すでに平衡交付金を引いてあるということは事実ですか。
  73. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 これは実は昨年の補正予算の際におきます地方財政計画におきまして、当時国家公務員のいわゆるあるべき給与基準というものに比較いたしますと、地方公務員の現実の給与が若干高いというような観点から、当時の大蔵省が調査されましたところに基きまして、高いと思われる額だけ落して財政計画を立てたのであります。その後その調査はなお不完全である。従つて政府として関係の自治庁なり、文部省なり、大蔵省なり、政府機関の間で緊密な連絡をとりまして、地方の公務員給与の調査をいたしたわけであります。その調査の結果によりますと、昨年高いと言つておりました数字が、若干よけい高く見積つておつたものでありますから、算定をし直しまして、その不足額が、今回の修正財政計画の中に、不足額として不足財源を見込んでおりまして、さようなものの基礎のベースに対しまして、今回二〇%の増という財源措置をいたした次第でございます。
  74. 小松幹

    小松委員 先般の知事会議でもこれが問題になりまして、知事としては給与の問題について切り下げはできない。いわゆるこの問題は、公務員給与の問題をめぐつての平衡交付金の配分増加の問題になつておると思うのですが、この点について知事の要望をどれだけ自治庁は勘案して、政府与党に工作したか、それを伺いたいと思います。
  75. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 政府といたしましては、地方公務員給与の調査の結果出て参りました、実際国家公務員のあるべき基準に比較して高いという面については、これはそこまで国家公務員給与基準以上に財源措置をすることは、国家財政等の関連において困難であるという結論なつたわけでありまして、さような見地から今回の財源措置をいたしたわけであります。
  76. 小松幹

    小松委員 財源措置はしたというけれども、現実において地方はこの給与問題をめぐつて、種々の財政的な運用に非常に至難な段階に入つておるわけであります。この問題について、自治庁としてはこれをどのように解決し、知事の要望にこたえるか、その辺のところをもう少し具体的に承りたいと思います。
  77. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 この地方財政平衡交付金というのは、御承知のように一つの財政計画、地方財政の全体の計画上の問題でございまして、実際の運営をどういうようにするかということは、これは各都道府県、市町村の自治体においてきめるわけであります。従つてなるほど全国知事会あるいは市長会、町村会等の申しております通り、地方財政がきゆうくつである。非常に窮乏しているということは、私どももこれを認めるのでございます。しかし、その窮乏である原因が那辺にあるかということになりますと、これはやはり中央のみの責任ということではなく、地方自体の財政運営の適切を欠くという点にも、原因があるように思われるのであります。そういうことで政府といたしましては、今回、今御指摘の給与でございますとか、教育委員会経費でありますとかいうようなものにつきまして、最小限度ではありますが、財源措置を必要不可欠と認められるものについていたしたわけでございまして、それ以外のことについては、ひとつ地方の各当局に、さらにあらゆる経費について節減できますものは節減をしていただき、また歳入につきましては、増収をはかり得るものは極力増収をはかつていただいて、両者の均衡を得るようにしていただきたい。赤字を消すように努力してもらいたい。こういうことを要望いたしておるわけでございまして、今後の推移を見なければわかりませんけれども、政府といたしましては、できるだけひとつ地方にさような心がけで、財政運営に当つていただきたいということを強く要望しておる次第であります。
  78. 小松幹

    小松委員 今日の平衡交付金制度以後になつて、地方の財政は極度に困難になつておることは、自治庁も認められるところと思う。これがそのまま地方の知事等の全面的な責任であると私は今承つたのですが、はたしてこれが地方の知事そのものの誤りであつたのかどうか。もう少し抜本的に、地方財政の健全という言葉を使うならば、健全地方財政でもかまわないが、地方の財政をもう少し高度に高めるための用意は、どのような抜本的な用意をしておるか。ただ姑息的に平衡交付金を雀の涙ほど出して、すべてが地方の責任だ、こういつておる状態であるか。この点について、地方財政を健全にし堅実にするために、自治庁としては、今後どのような方策を立てつつあるかということをお伺いしたい。
  79. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 御指摘のように地方財政の今日の状態は、確かに健全な状態であるとは私どもも考えていないのでございまして、政府といたしましては、地方制度調査会を設けまして、そこで地方財政の窮境打開につきまして、根本的な対策を答申をしてもらいたいというふうに考えておるのであります。地方に対してさらに自立的な財源を与える、そうして中央からのいわゆる干渉といいますか、さようなものはできるだけ排除することが必要と思いますけれども、反面自主財源を与えますというと、現在の地方団体の規模あるいは構成におきましては、どうしてもいわゆるでこぼこ、財源上のアンバランスが非常に多くなつて来るわけでございます。そこに財源の調整ということが不可欠になつて参るわけでありまして、その意味で地方財政平衡交付金制度があるのでございますが、政府といたしましては、一方において自主的な財源をさらに与える反面、財源の調整をはかつて、できるだけ地方の財政を保障して参りたい、必要な経費を満たして行けるように保障して参りたいというふうに考えておるのでございますが、その具体的な案につきましては、今申しました地方制度調査会の答申にまちたいという考えでございます。
  80. 小松幹

    小松委員 地方財政を堅実ならしめるためには、平衡交付金制度を根本的に改める意思があるのかないのか。それからもう一つは、国家の法律できめられるいわゆる付帯的な業務が地方に移管されるために、当然流れ込んで来る既定支出というものがあるわけです。この制度を抜本的に改めるのが適切か、それとも大蔵省等で地方に税源を渡すのが適当か、この点についていろいろな方策があると思う。自治庁では今後地方財政の健全化をはかるために、いかなる御用意があるか。
  81. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 地方財政平衡交付金制度につきまして、現在私どもの一番研究を要すると思つておりまする点は、やはり従来の配付税制度時代におきますような国税の一定のものにリンクいたしまして、その一定のパーセンテージのものが一つの地方財源としてプールされておるといつたような、総額を保証するような方法が何らかありますれば、いま少し年々のこの補正予算等に際しましての騒ぎも解消できるのじやないかと思うのであります。これらの点はしかしながら国税、国の財政等にも非常に深い関係を持ちますと同時に、地方財政の構成の問題として、非常に重要な問題でありますので、政府はさらに調査会の意見にまちたいというふうに考えておるのであります。なお現在の地方自治と申しましても、その仕事の七、八割というものは、いずれも国の法律なり政令あるいは命令等によりましてやることを要求されておるものであります。いろいろな委員会とか審議会というような組織、あるいは社会福祉主事でございますとか、建築主事とか、さような職員の構成に至るまで、国の法律等によりまして置くことを要求されておる次第でございます。従いまして自治と申しましても、実際のその仕事の内容は、ほとんど国の法令によつて定まつておるということであります。そこで問題は、さような国が地方に対して一定の事務なり、組織なり、職員なりを要求いたします場合に、それに必要な財源というものをやはりその際特に考えてもらいたい。これは国会におきまして、いろいろ法律案等が成立いたします際に、やはりそれに要する地方財源というものがどれだけあるかということを反面考慮していただきまして、新しい仕事、新しい職員を増す場合には、それに対応する地方財源というものへの配慮を相当慎重にしていただきたいと思います。これら両方の問題を考慮して、措置していただきまするならば、年々累積されて行きます地方の仕事、それに対応する財政の増高というものは、ある程度調整できるのではないかと思うのでございまして、今までの分につきまして、さような見地から若干財源措置と、実際の事務の負担との間に開きがあるのではないかということも考えられます。さような点から地方財政の赤字というような問題もあろうと思いまして、さような意味では地方財政の赤字というものは、やはり政府もこれには何らかの責任を持たなければならぬと思つておりますが、しかしやはりこれは全体といたしまして考えて、解決策を出して行かなければならぬというふうに考えておるような次第であります。
  82. 小松幹

    小松委員 昨日の予算審議通過の際に、付帯決議として、将来そうした問題について考えねばならぬという、尊重する付帯決議があつたと思いますが、これについて自治庁としては、平衡交付金のどういう観点に立つてそれを尊重するというのか、具体的なものを考えておるか。
  83. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 昨日の衆議院の御要望の決議の点につきましては、政府としては目下いかようにこれに対処いたしますか、慎重考慮中でございまして、ただいまこういたしますという具体的の案を、ここで申し上げる段階には立至つていないのでございます。
  84. 小松幹

    小松委員 それでは自治庁関係はまだ質問がありますけれども、進んでくれという意見がありますので、終りにいたします。  次に文部関係の方にお尋ねいたしますが、この国家公務員法律案では、管理、監督の地位にあるような者は、超過勤務の捕促が非常に困難であるから、特別調整額というものを用意しておるが、学校教職員は超過勤務手当というものが一切ないわけであります。その理由は、あれは超過勤務の捕捉が非常に困難だ、かように言われておるわけでありますが、現在の給与体系から考えたならば、国家公務員あるいは企業体関係等の実際の給与の面から見た場合には、教職員給与というものはベースでは押えられるけれども、超過勤務、特殊勤務のそれらについてはない、かような考え方で行けば陥没地帯になつておるということは事実であります。同時に先ほど自治庁から言われたように、高いという観点で平衡交付金を引かれておるならば、さなきだにそういう実質的の収入がないわけですから、それに伴う予算がなければ昇給、昇格等一切できない。かような観点に立ちまして、一体給与のバランスをどのような形でとろうとお考えになつておられるか、御質問いたします。
  85. 田中義男

    田中政府委員 お話のように一般教員には超過勤務手当の支給がございません。その理由もただいまお話なつたような事柄でございまして、従つて管理職についての特別な措置等については、ただいま成案は得ておりませんけれども、教員の待遇改善につきましてはいろいろ研究をいたしおりますので、できるだけの措置は講じたいと思つておるのでございます。なお三百四十九円のあの問題かと思うのでございますけれども、教員が少し高いことについての措置いかんという御質問と伺いましたが、実は先ほども自治庁から答弁がございましたように、文部省といたしましても、御承知のように昨年の給与改訂の場合に三百七十五円問題がございました。私どもとしてもそれが妥当であるかについては非常に疑問を持ちまして、いろいろその後実態調査をいたしたのでございます。その結果、およそ三百七十五円は少し高過ぎるのでございまして、それよりも低い、こういう結論が出まして、三百四十九円という一応の数字をとらえましたわけで、従つてそれに基いて、国家の財政措置としてはそれによらざるを得ない実情であつたことを申し上げておきたいと思います。
  86. 小松幹

    小松委員 私は、このままで給与法がぐんぐん進められて行くならば、ひとり学校教職員手当、実質の実入りにおいて取残されるということを危惧しておるわけです。それゆえに何らかの形で、超過勤等を補足するために研修手当等の新たなる給与手当制度でも設けなければ、私は陥没地帯になることを心配しているわけなんです。この辺について、そういう一つの構想がおありかどうかということを伺つておきたい。
  87. 田中義男

    田中政府委員 実はお示しの研修手当の問題でございますが、これも従来はいろいろいきさつがございまして、われわれとしては考えたいということで、いろいろ検討も加えておつたのでございますが、特に最近非常にこれが教職員の方々からの強い要望もございますし、なお文部省としても積極的にひとつ検討しよう、こういうことにいたしておりますので、その方向に向つて努力をいたしてみたいと思つております。
  88. 小松幹

    小松委員 人事院はおおむね国家公務員を対象にして考えておるがゆえに、この点、地方公務員に対する手当給与の面について割合に親切が足らないような気がするわけであります。その一例は今の学校教職員給与の実質面において陥没地帯になりつつある。他のものは超過勤あるいは奨励手当あるいは実物給与あるいはパスをもらうというような実質面において上つておるけれども、学校教職員はベースはきまつたが、ほとんどそれきりで、他の給与面は一つもない。皆無にひとしい状態でありますが、この点人事院は今後どのような構想——、この問題について、責任範囲ではないとつつぱねられては困るわけであります。この点について人事院としてのお考えなり所存なりを承りたいと思います。
  89. 瀧本忠男

    瀧本政府委員 教員の給与の問題でございまするが、ただいまは、超過勤務手当の問題と関連いたしまして、その問題を御提起になつたのであります。ところがこの超過勤務手当というものは、どう申しまするか、やはり一般職の国家公務員、しかも行政事務を執行しておるもの、というようなものにつきましては、必ずしも勤務の形態というものが時間で計測するのが不適当であるという場合があり得るわけでございます。そのために今回管理職に対しましては超過勤務手当の支給をやめようというようなことに相なつておる次第でございます。勤務の種類によりましては、時間でこれを計測して行くのが適当であるというものもございます。そのような形態の業務に従事いたしまするものに対しましては、超過勤務手当を廃止するという考えはないのであります。ただ教員の場合はどういうふうであるかと申しますならば、これはもう申し上げるまでもないことでございまするが、この教員の勤務形態というものは、やはり時間でこの勤務を計測して行つて、それに対して給与を支払うということが、必ずしも適当でないのではなかろうかというように考える次第でございます。現にそういうわけでございまするから、従いまして教員の場合、今回超過勤務手当制度を廃止するとか、あるいは新しくそれの代替措置といたしまして、従来の実績を補償するというような問題が起つて参らなかつたわけでございます。教員の給与の問題でございまするが、今いろいろお示しがあつたのでありまするけれども、この一般職の場合と比較いたしまして、どうこうということが必ずしも一概には言えない面があるのではなかろうかというふうに考えております。たとえば教職員につきましては、初任給は、一般の行政事務職につきまする場合よりも高くなつておるという実情が現にあります。そういうわけでございまして、教員の問題が必ずしも今お示しのように陥没であるかどうかという問題につきましては、よほどこれは将来に向つて研究してみなければならない問題ではなかろうかというふうに考えておる次第であります。  今お示しの研修手当という手当を教員に設けるかどうかという問題につきまして、これは人事院といたしましても、将来にわたつて十分研究いたしたいと思います。ただいま結論を持つておるわけではございませんが、しかし給与体系の上から申しまするならば、この教員の給与水準そのものが適正であるかどうか、またこの昇給制度が適正であるかどうか、むしろそういう面から問題を考えて行つた方がいいのではなかろうかというように考えておる次第であります。ただ、そういうふうに思つておりますけれども、この研修手当ということが相当問題になつておるわけでございまするから、この面からも十分検討を今後重ねて参りたいというふうに思つております。
  90. 有田二郎

    有田委員長 ちよつと委員長として、菅野官房長官にお尋ね申し上げたいのでございますが、ただいまの小松幹君の質問に対して、内閣としてどういうようなお考えを持つておられるか。
  91. 菅野義丸

    菅野政府委員 給与の問題は、これはただ公務員という範疇でもつてくくつておりまするけれども、その仕事の様相が非常に多種多様にわたつておりまして、これは研究すればするほど複雑多岐になるわけでございます。御承知の通り、この現在の給与体系と申しますのは、戦後できたものでございまして、まだ今後の研究の余地が相当残されております。幸いにして人事院のようなりつぱな組織と人手を持つておりまするところがありまして、常時この研究を続けておるのでございまして、政府といたしましては一日も早くこの人事院の研究が逐次成果を発揮いたしまして、法律案として御審議を願う段階になることを望んでおります。ただいまの小松委員の御意見につきましては、その節十分尊重いたして行きたい、かように考えておる次第でございます。
  92. 小松幹

    小松委員 そういう御見解ならば、私は文部省に最後に御質問——あるいはお願いになるかもわかりませんが、研修手当——名前はどんなものでもけつこうでございます。こういう新しい制度を考えてやらねば、実際の勤務とバランスが合わないのではないか。非常に冷遇されつつある、実際じり貧の状態である。かるがゆえに日本の教育を考えると、教職員の心理的な状態にも非常に影響して、今後の日本の教育の再建にも支障を来すのではないか、かように考えまして、何とかここに新しい観点に立つて給与体系なりあるいは補足できないものならば、それだけの研修の意味の給与を与えなければならない、かように強く考えております。この点私は文部大臣に特にお願いしたいわけなんでありますが、文部当局においては、今後この問題について真剣にとつ組んで、じつくりひとつ御検討を願いたい。これはお願いになりますから、御答弁はいらないのでありますが、ひとつよろしくお願いいたしたい。
  93. 有田二郎

    有田委員長 この際、委員長として、文部省にお尋ねしたいのは、文部省としての決意をひとつこの際、今の小松委員お話に対して、御答弁として承りたい。
  94. 田中義男

    田中政府委員 先ほどもお答え申しましたようなことでございまして、文部省としても、ひとつ誠意をもつて検討を続け努力いたしたいと思つております。
  95. 小松幹

    小松委員 それでは次に、この法案の直接担当者が見えていないと思いますので、時間もないので、日宿直勤務というのが今度新しく出ましたが、この問題で一番心配になつているのは、国立療養所、国立病院等に勤務するいわゆる医療関係の勤務者について、現実として超過勤でこれを補足するか、あるいは日宿直でこれを補足するかという問題が出て来るわけであります。この意に沿つて実情を申すならば、ある夜に二時ころか、あるいは三時ころどのような形で病人に起されるかわからない。ところがその超過勤の補足というものは実情として徹夜作業のような形に拘束時間はなるわけです。これをどのような形で今後日宿直というものをきめたのと、いわゆる医療関係の勤務者の超過勤を補足して行くかという点について御見解を承りたい。
  96. 瀧本忠男

    瀧本政府委員 ただいまお示しのお医者さんというようなものにつきましては、たとい通常の言葉で宿直あるいは日直と呼ばれておりましても、今回人事院が意見の申出をいたしまして、また政府から同趣旨のこの法案が提出されておるわけでございますが、この日宿直の範囲には考えないということにはいたしたいと思つておるわけでございます。その理由はわれわれが今回考えておりまするこの日宿直というものは、これはたとえば庁舎の保守でありますとか、あるいは書類の保守でありますとか、あるいは外部との連絡でございまするとか、およそ職員が通常の自己の職務と異なりました、そういつた一定の職務に従事いたしまする際に、そういうものを日宿直として考えたい。ところがお医者さんの場合におきましては夜中にたたき起されてやらなければならぬという仕事は、これはお医者本来の仕事でございます。従いましてこのような場合におきましては従来通り超過勤務手当ということで考えて参りたい、こういうふうに思つております。
  97. 小松幹

    小松委員 そこで心配されるのは、いわゆる拘束時間というものが考えられるわけであります。実際は外に出るわけでもない、あるいは検温をする時間ではないけれども、これによつて夜分の十二時にこういう問題があるために七時なり、あるいは六時なりから拘束五時間があるわけです。この時間について超過勤として補足してもらわなければ、実際としては困るわけです。この点についてもさような見解でよろしいのですか。
  98. 瀧本忠男

    瀧本政府委員 医師あるいは看護婦というような方々のただいまの問題に関連いたしまして、なるほど拘束的な時間がございます。しかしながらこの拘束時間というものを、そのまま勤務の延長であるというふうに見るのが適当であろうかどうかということは、これはやはり問題があろうかと思うのであります。これは何もお医者さんばかりではございまん。いろいろな、たとえば郵政あるいは電通関係職員につきましても、同様の場合があるわけでございますから、これはそういう人人の勤務はやはり拘束ということになりますると、なるほど拘束されておるという事実はあるのでありまするけれども、その時間内における勤務の濃度と申しますか、そういうものにはやはり濃淡があるのであります。そういう点も考えましてこの問題は処理して参りたいというふうに考えております。
  99. 小松幹

    小松委員 日宿直の決定と超過勤との関係、この拘束の技術面については、相当運営上困難な場合も実際の職場ではあり得ることだと思うのです。私の最後に人事院当局の見解に対してお願いしたいことは、この拘束の時間というものも過勤の上に加味されなければ実際としては運営が困るのではないか。その監督の地位にあるものはどのようにしてその勤務につかせるかということ、実際問題として遠方より汽車で通つているものが一時、二時に用件があるのに、その拘束時間というものを見なければ、国立病院等医療関係には、非常に実際面として患者にとつて、不遇な問題が起るじやないか、かように考えますので、この点については慎重なる御配慮を賜わりたいとかように考えます。
  100. 受田新吉

    受田委員 ちよつと関連して今の小松さんのお尋ねの厚生省の関係の病院職員の勤務の問題ですが、これと同趣旨のことをこの間お尋ねした際に、給与局長の方から単にこれに規定してあるにとどめず、人事院規則によつてこれを明らかにしたいという御答弁であつたと思いましたが、あの際にこの病院職員の日宿直勤務と超勤の関係をはつきりさせるために、日宿直勤務として取扱われないようにするために、特別に人事規則を出すと、この間私の質問に御答弁いただいたと思うのですが、それは間違いないですか。
  101. 瀧本忠男

    瀧本政府委員 今度日宿直勤務をいたして、その手当を出します支給範囲の職員を明確にするという意味におきまして、このお医者さんが抜けるということをこの前申し上げたのであります。この範囲から抜ける、そういう人事院規則を出すことになる、こういうことを申し上げたのであります。
  102. 受田新吉

    受田委員 その人事院規則をあわせてすみやかにお出しにならないと、ずつとあとから出させることになると、もうその際に病院の職員などが、これと一括して取扱われるおそれもありますので、この措置は非常にすみやかに同時に出さるべきものじやないかと思うのでありますが、この人事院規則を出される時期について、法律の実施とともに出されるようになるかどうかお伺いしたいのであります。
  103. 瀧本忠男

    瀧本政府委員 ただいまの日宿直の問題でございますが、こういう問題につきましては法律通りましたら、ただちにこれを出す必要があろうかというふうに考えております。なおこの細部のとりきめにつきましては人事院だけの独断でやりませんで、人事院では人事主任官会議というのがありまして、各省庁のおおむねの人事課長がこの構成メンバーになつております。こういう会議にもよくお諮りいたしまして、こういう方々は自分のところへ持つてつて研究もされるでありましよう。そういうことをよく聞きました上で、万遺漏のないようなこの成案を得まして、それを人事院規則にいたしたいということで、ただいま考えております。
  104. 竹尾弌

    ○竹尾委員 ちよつと関連して伺います。今度官署指定はいつ出るのでしようか。
  105. 瀧本忠男

    瀧本政府委員 この法律両院通過いたしまして、いわゆるどういう形で通過いたしまするか、このいわゆる新しい形の勤務地の支給区分が明確になりました上におきまして、それと付随いたしまして必要があろうという官署を指定いたしたい、どういう形で通過するかということがいろいろございましようが、いろいろの場合を想定いたしまして、われわれの方で現在準備を進めておりまして、この措置もできるだけ早くやりたいと考えております。
  106. 竹尾弌

    ○竹尾委員 できるだけ早くというのは大体いつごろになりますか。
  107. 瀧本忠男

    瀧本政府委員 それは来年の一月初めころになるだろうと思います。
  108. 小松幹

    小松委員 これは総理大臣に私要望したいわけなのでありますが、お見えになりませんのでひとつ御答弁願いたいのですが、国家公務員が自分の給与引上げ等勤務条件の改善のために組織を構成してあらゆる運動を継続しているが、その問題について労働省関係が一体労働政策としてこれを取上げて、その面の運用をはからんとするのか、あるいは人事院がこの面についてその罷業権を取上げた代償として、この組織団体に対する一つのセクションとしての役割を果すのか、それとも官房長官みずからがこれらの組織に対してその運用の面、あるいは組織問題についての労働行政一般の采配を振わんとしているのか、この点についてきわめてあいまいなる点があるわけです。この点をはつきりしていただきたい。
  109. 菅野義丸

    菅野政府委員 総理大臣出席できないことを私はまことに申訳なくおわび申し上げます。かわりまして私からお答え申し上げますが、公務員に対する労働行政というお言葉がございましたが、御承知の通り国家公務員につきましては国家公務員法がございまして、この法律の施行について責任を負つておるのは人事院でございます。従いまして人事院が給与、任用その他昇給等について責任をもつて実施をいたしておる次第でございます。それから公社等につきましては公共企業体労働関係法というのがございまして、それによつて労働省及び関係者が責任を持つておる次第でございます。ただいまの御質問は組織的な意思表示に対して、一体どこがどういう相手になるかというようにもうかがわれたのでございますが、これは第一次的にはもちろん主管の大臣であると存じます。しかしながら公務員全般の問題になると、これは内閣の問題になりますので、官房長官あるいは総理が直接これに対して決定をするということになるのじやないかと存ずる次第でございまして、従来もそういうふうな方針に従いまして、各省限りのことは各省大臣、全般のものにつきましては官房長官等が代表者と会つて、いろいろ折衝をいたしておる次第でございます。御質問の核心に触れておらなかつたならば、再びお聞き願いたいと思いますが、以上私は今小松委員の御質問をそんたくいたしましてお答えいたした次第でございます。
  110. 小松幹

    小松委員 公共企業体関係あるいは純粋の労働組合等については、それぞれの団体交渉の相手があり、相当の相手方があつての賃金要求、あるいは勤務条件の改善の要求をやり得るわけなんでありますが、国家公務員なりあるいは地方公務員に関しては、あらゆる制約が加わつておる。しかもそれが人事院がそれについてはつきりした見解をとり、あるいは受け答えをするものやら、官房長官あるいは大臣がこれを主管するものやらわからないだけに非常に混迷しながら、この国会のまわりを取巻いて赤旗を振つて、事実はデモンストレーシヨンと化しておるわけです。この点についてはたして人事院にその責任があるならば、政府は人事院勧告案をそのままのんでしかるべきだと私は考えるわけです。この点についてほこ先をあいまいにして、その要求をけ飛ばすということについては、まことに遺憾千万である。今後のこれらのものを含めた大きな意味の労働行政というものについて、どのようなお考えを持つておられるか、私は労働組合のみをもつて労働行政と考えないで、これら一般国家公務員、地方公務員を含めての民生安定ともいわれるところの労働行政一般についての御見解を承りたい。
  111. 菅野義丸

    菅野政府委員 国家公務員がその意思を伝え、なお政府代表者の意向を聞きたいという相手方でございますが、これは物事によつてつて来ると思うのでございます。先ほど申し上げましたように、国家公務員法の実施の点あるいは勧告の点でございましたならば、これは人事院が当然お相手をすべきものであろうと考えますが、今度は給与の点で申しますと、その勧告を受取つて法律案を出すということについての、その出の方についての希望なり、自分らの意思表示ということになりますと、これは政府の問題になつて来ると思います。それから事柄が国会段階にまでなつてしまいまして、勧告も出ている、それから政府から法律案も出ているということになりますと、国会審議が終らないうちに、自分たちの考え方を国会議員の方々に徹底してもらいたいというような気持から、国会に陳情あるいは請願等が来るのではないかと考えております。私どもの考えは大体そうでございますが、政府といたしましては決して小松委員のおつしやる責任を回避するというような気持はまつたくございません。あくまで国会公務員のことにつきましては、第一次の責任を負つておりますので、今後もその利益の保護あるいは給与の改善等につきましては、格段の努力をいたしたいと考えております。なおこれはほんとうに私だけの考えでございますが、先般もお話がありましたように、給与の問題は先ほど受田委員からもお話がございましたが、国家公費ばかりでなく、いろいろな党について国家に雇われております者の給与というものは、それぞれ関係があり、連絡がある次第でございまして、今日それを全般的にごらんになるところは国会以外にはないのでございます。従つてせめて行政機関、つまり政府の部内だけでも何とか統一的に見るところを考えたい、こういう気持を持つております。行政機構は逐次縮小整理しなければならないところでありますから、新しい組織をつくるということはいかがかと存じますが、あるいは何らかの方法で横の連絡をとつて、先ほど来しばしば御指摘がありますような連絡の不統一とか、あるいは均衡がとれないことのないように、今後給与の問題につきまして進めて行きたい、かように考えておる次第でございます。
  112. 小松幹

    小松委員 現在私たちが国会にこうやつてつて、静かに日本の政治を考えてみたときに、今日ほど陳情政治が行われておることはないと思う。あらゆるものが陳情々々という形において、合理的なものに従つてこれを配分するとか、あるいはそれに従つて基準を定めて行くということは政治の分野からははずれておる、そうしてあらゆる者が雀の涙ほどの金をとり合つて陳情に陳情を重ねて、地域給と同じように陳情を受けて立つておるような実態である。これは日本の貧弱なる国家財政からやむを得ないと思うけれども、今日のようなこの陳情政治形態が続くならば、日本の民主化は進まない、そうして権力者なりあるいは予算を持つておる者なり、あるいはそのセクションにおるところの行政官なりが優位と権力を持つことははつきりしておる。こういう点において人事院が正当なる一つの理論的結論を抱いて勧告したものに対しては、有無を言わずこれに従うべきが、私は日本の政治形態の最も正しい形態でなくてはならないと思う。政府はあらゆるものについて陳情政治を続けて行こうと考えておられるかどうかこの点について私はお答えを願いたい。
  113. 菅野義丸

    菅野政府委員 政府は別に陳情を奨励しておるわけでも決してないのでございますが、新憲法下におきましては何と言いましても、最後決定は国権の最高機関である国会の御審議にまつことが多いものでありますから、従つて陳情が旧憲法の時代よりも数十倍というふうにふえておるように拝見いたしておる次第であります。しかしながら政府の方にも決して陳情が少くなつたのではないのでありまして、最近の陳情のふえ方は非常なすばらしい数字になつておるわけであります。これはひつきよう民主主義の原則によりまして、国民の考えておることが為政者なりあるいは国会なりに、十分伝わるようにというやむにやまれない気持から起つて来るのではないかと私どもは考えております。しかしながら政治がうまく行つているときには、陳情というものはそんなに多くないのでございますが、とかく政治上のいろいろの不平不満がありますると陳情がふえることは、まことに仰せの通りでございます。政府はこの現象に反省いたしまして、今後の政治につきまして国会の御協力も得て、ますます努力いたしたいと考えている次第でございます。
  114. 小松幹

    小松委員 私はそういう現実の陳情政治そのものを、ここでとやかく言うのでありませんけれども、政府あるいはそのセクシヨンである人事院等を含めてでありますが、陳情政治というものは必ずしも当を得ていない。そのためにますます陳情をあおつている。現に有田委員長が出した有田書簡なるものが、いかに全国の地域給支給地一千四百地にわたつて動揺を来し、また再び陳情を過分にあおつているかを思うたときに、この陳情政治は日本の民主化あるいは日本の政治形態として誤りであると考えます。今後こういうことをやめて、すべからく合理的に出されたものに合理的に従つて、国政を運用しようとする御意思があるかどうか。この点について、はつきり御見解を賜わりたい。
  115. 菅野義丸

    菅野政府委員 具体に申し上げますが、人事院の勧告との関係だと思います。現在一番多い陳情は地域給の陳情でございますが、地域給につきましては勧告をそのままのんでいるのでございます。従いまして陳情の多いということと、勧告をそのままのむかのまないかということとは、必ずしも直接的なあるいは正比例するような問題ではないと考えております。しかしながら人事院の勧告と政府のそれに対する実施案ということにつきましては、先般来しばしばお答え申し上げおりまするように、これは当然そのまま実施するのが理想の形でございますけれども、国家財政等によつて制約されている現在におきましては、必ずしもそれをのめない場合があるのでございまして、こののまないことがいいか悪いかというような最後の御判断は、国会の御審議にまつほかいたし方ないと考えている次第でございます。しかしながら先ほども申し上げました通り、およそ不平不満のないところには陳情はないのでございまして、政府はこの上とも一層努力いたしまして、国民の全般の満足の行くような政治に努力いたしたい、かような気持で今後臨みたいと考えている次第であります。
  116. 小松幹

    小松委員 地域給の勧告はのんだけれども、公務員要求する人事院勧告案はのまなかつたということは、裏を返せば、陳情には従うけれども正規の交渉なり、正当なる一つの組織をもつて要望し要求していることについては、これを顧みられないというような傾向があるわけです。一体陳情の主体に、優先に考えているのか。それとも組織が要求し交渉する正当なる賃金要求なり、あるいは勤務条件、待遇条件の改善について、どちらを優先的に考えようとなさつているか。その点を承りたい。
  117. 菅野義丸

    菅野政府委員 ちよつと御質問の意味がわからないのでございますが、組織を主体とした陳情あるいは要求、こういうことは、あるいは全官公とかそういう組織体が官房長官なり、大臣に会つて言うことだろうと思いますが、これを決して軽視しているような気持はございません。また陳情といえども決して個人ばかりではないのでございまして、これは団体が正当な手続を経て、たとえば村の議会が決議をして陳情をするものもございます。従いまして政府といたしましてはその間に決して軽重、緩急の区別をしているわけではないのでございます。しかも一般国民あるいは公務員の声は、できるだけこれを聞くというのが民主主義の立場でございまするので、財政その他の事情が許せば、当然これはその通りやるべきでございまして、なるべく多くの人の声を聞いて、多くの人に満足が行くような政治をやつて行きたいと考えている次第でございます。御質問の、組織の力で正当に要求することと陳情との間に区別をつけているのかという点につきましては、全然区別をつけておりません。
  118. 小松幹

    小松委員 私の見解はあるいは誤解かもしれません。感じの問題でありますから絶対的のものでないとは私も存じておりますが、さような観点において国政全般が考えられる。あるものについてはある有力者をたよつて陳情をすれば、それに対して裏からでも炭鉱に二十億を出したとかいうような問題が、簡単に閣議決定で行われているが、正当なる組織によつて要求されたものに対しては、二十億はおろか十億の支出も出ておらない。かような点を考えるときに、やはり現在のあなたたち政府当局が陳情形態か、あるいは特殊な権力形態によつてなされたものに対して優位を与えていると言い得るわけです。かような観点で、今後は今あなたがおつしやられた陳情優先ではないという観点において、御努力を煩わしたいわけでございます。これはあえて答弁を求めません。  最後に一つだけ。現在の賃金では四千七百円が最低の賃金となつております。この四千七百円では絶対に現在の一人の生活はむずかしいわけです。これに対して現在国家公務員等は、健康で文化的生活の線に沿つて憲法を尊重する意味において、最低八千円の要求を掲げておりますが、これらを含めて最低賃金の構想がおありであるかないか。この見解を承りたい。
  119. 菅野義丸

    菅野政府委員 御承知の通り、国家公務員給与は、人事院が両院及び内閣総理大臣に勧告をいたしまして、それによつて法律案をつくるのが、現在の法律の建前でございます。今回人事院の勧告では二級三号で四千七百円となつておりまするのを尊重いたしまして、その後の物価の値上り等を考えまして、四千八百円にして法律案を提案した次第でございます。なおこの給与の体系は、ひとり金額ばかりではなく、すべての制度の上において、人事院は絶えず研究を進めているのでございまして、それによつて勧告等がいずれ次々に出て来ると思いまするが、そのときになるべくこれを尊重いたしまして実施して行きたい、かように考えている次第でございます。
  120. 小島徹三

    小島委員 関連して瀧本局長に聞きたいのですが、その四千七百円というのは私たちから見ても非常に安過ぎて、それでは一人で下宿しても食えないと思うが、これは一体どこに住んでいる人間を標準とされてきめられたのでしようか。
  121. 瀧本忠男

    瀧本政府委員 人事院が俸給表を勧告いたします際には、やはり大量としての公務員を対象といたしまして考えなければならぬ。個々の公務員を一人ずつとらえてみますると、これはいろいろ特殊事情があると思うのであります。従いましてわれわれは平均で物を言うよりいたし方ないのではないかというふうに考えられるのであります。その際に、繰返し申し上げておりまするように、人事院が標準生計費を計算いたしまする場合に、国民一般の——国民一般と申しましても、特に公務員を比較して考えまするのが適当なような一つの階層をとらえまして、具体的に申しまするならば、これは東京都の非農家というものを対象に考えるのでございますが、そういう公務員の生活と比較して考えるのに、最も適当であろうというような階層をとらえまして、そういう一つの消費階層というものが、現実にどういうふうな消費の形態をとつておるかということを、統計上調べておるのであります。従いまして個々の具体的な個人の消費を問題にいたしまするならば、いろいろ問題があろうかと思いまするけれども、人事院の勧告におきましては、そういうふうにしてとらえました消費階層というものが示しております現実の数字——それよりも高くあつていいという要求があるかもしれませんが、現在の場合におきましては、やはり納税者大衆のことも考えまするならば、その線まででがまんすべきではなかろうか、またそれよりも低いということはこれはあり得ぬことであります。そういう点を標準にいたしまして、二級三号のところで成年単身者の標準生計費というものを定めておるわけでございます。
  122. 有田二郎

    有田委員長 この際お諮りいたします。先刻生悦住君の御発言について委員長より、明十八日午前十一時より両院人事委員会合同審査会を開会する予定であると申し上げましたが、参議院の人事委員長より、正式の合同審査会でなく、非公式の合同打合会としていただきたいとの申出がありましたので、当委員会といたしましても、合同打合会を明十八日午前十一時より開くことに決定いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  123. 有田二郎

    有田委員長 御異議なしと認めます。よつてさように決定いたしました。  この際暫時休憩いたします。     午後四時十三分休憩      ————◇—————     〔休憩後は開会に至らなかつた〕