運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1952-12-15 第15回国会 衆議院 人事委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十二月十五日(月曜日)     午後三時一分開議  出席委員    委員長 有田 二郎君    理事 植木庚子郎君 理事 丹羽喬四郎君    理事 竹山祐太郎君 理事 受田 新吉君    理事 森 三樹二君       木暮武太夫君    竹尾  弌君       灘尾 弘吉君    濱田 幸雄君       福永 健司君    松野 孝一君       池田 禎治君    加賀田 進君       小松  幹君  出席政府委員         人事院総裁   淺井  清君         人事院事務官         (事務総局給与         局長)     瀧本 忠男君         大蔵事務官         (主計局給与課         長)      岸本  晋君  委員外出席者         専  門  員 安倍 三郎君     ————————————— 十二月十五日  委員白石正明君辞任につき、その補欠として竹  尾弌君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 十二月十三日  公務員給与引上げ等に関する請願阿部五郎  君紹介)(第七九六号)  同(早稻田柳右エ門紹介)(第七九七号)  公務員の年末手当支給に関する請願館俊三君  紹介)(第七九八号)  有度村の地域給引上げ請願西村直己君紹  介)(第七九九号)  龍野市外三箇町の地域給引上げ請願(大上司  君紹介)(第八〇〇号)  川西町の地域給引上げ請願山口丈太郎君紹  介)(第八〇一号)  鶴崎町の地域給引上げ請願小松幹紹介)  (第八〇二号)  長尾村の地域給引上げ請願山口丈太郎君紹  介)(第八〇三号)  白河市の地域給引上げ請願山下春江君紹  介)(第八〇四号)  落部村の地域給指定に関する請願館俊三君紹  介)(第八〇五号)  京都郡下の地域給引上げ等請願池田禎治君  紹介)(第八〇六号)  広町の地域給引上げ請願早川崇紹介)(  第八二七号)  弘前市の地域給引上げ請願笹森順造君紹  介)(第八二八号)  龍野市外三箇町の地域給引上げ請願河本敏  夫君紹介)(第八二九号)  大蔵村の地域給引上げ請願有田喜一君紹  介)(第八三〇号)  南下浦町の地域給引上げ請願山本正一君紹  介)(第八三一号)  江津町の地域給引上げ請願大橋武夫君紹  介)(第八三二号)  名細村の地域給指定に関する請願平岡忠次郎  君紹介)(第八三三号)  同(松山義雄紹介)(第八七二号)  霞ヶ関村の地域給指定に関する請願平岡忠次  郎君紹介)(第八三四号)  同(松山義雄紹介)(第八六九号)  山田村の地域給指定に関する請願平岡忠次郎  君紹介)(第八三五号)  同(松山義雄紹介)(第八七〇号)  古谷村の地域給指定に関する請願平岡忠次郎  君紹介)(第八三六号)  同(松山義雄紹介)(第八七六号)  芳野村の地域給指定に関する請願平岡忠次郎  君紹介)(第八三七号)  同(松山義雄紹介)(第八七一号)  高階村の地域給指定に関する請願平岡忠次郎  君紹介)(第八三八号)  福原村の地域給指定に関する請願平岡忠次郎  君紹介)(第八三九号)  同(松山義雄紹介)(第八七七号)  大東村の地域給指定に関する請願平岡忠次郎  君紹介)(第八四〇号)  同(松山義雄紹介)(第八七五号)  南古谷村の地域給指定に関する請願平岡忠次  郎君紹介)(第八四一号)  同(松山義雄紹介)(第八七四号)  三ヶ島村の地域給指定に関する請願平岡忠次  郎君紹介)(第八四二号)  同(松山義雄紹介)(第八七八号)  穴吹町の地域給指定に関する請願秋田大助君  紹介)(第八四三号)  毛馬内町の地域給指定に関する請願松野孝一  君紹介)(第八四四号)  阿仁合町の地域給指定に関する請願松野孝一  君紹介)(第八四五号)  石井町の地域給指定に関する請願三木武夫君  紹介)(第八四六号)  上山田町の地域給指定に関する請願倉石忠雄  君紹介)(第八四七号)  鳥山町の地域給指定に関する請願森山欽司君  紹介)(第八六四号)  八王子市の地域給引上げ請願栗山長次郎君  紹介)(第八六五号)  同(中村高一君紹介)(第八九四号)  尾鷲町の地域給引上げ請願(生悦住貞太郎君  紹介)(第八六六号)  毛呂山町の地域給指定に関する請願横川重次  君外一名紹介)(第八六七号)  越生町の地域給指定に関する請願横川重次君  外一名紹介)(第八六八号)  東金子村の地域給指定に関する請願松山義雄  君紹介)(第八七三号)  人間村の地域給指定に関する請願松山義雄君  紹介)(第八七九号)  旧緑岡村の地域給引上げ請願(加藤高藏君紹  介)(第八九五号)  相生市の地域給引上げ請願山下榮二君紹  介)(第八九六号)  日佐村の地域給指定に関する請願熊谷憲一君  紹介)(第八九七号)  八幡町の地域給指定に関する請願堤ツルヨ君  紹介)(第八九八号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  一般職職員給与に関する法律の一部を改正  する法律案内閣提出第一二号)  特別職職員給与に関する法律の一部を改正  する法律案内閣提出第一六号)     —————————————
  2. 有田二郎

    有田委員長 これより人事委員会を開会いたします。  ただいまより一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出第十二号、及び特別職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出第十六号の両案を一括議題として質疑を継続いたします。  これに関連して人事院側より発言を求められておりますので、この際これを許します。淺井人事院総裁
  3. 淺井清

    ○淺井政府委員 先般来御質疑を受けました非常動職員の年末手当につきまして、人事院の方で処置をいたしておりますので、給与局長から御報告いたさせます。
  4. 瀧本忠男

    瀧本政府委員 かねて本委員会で取上げて非常に御検討をいただいております非常勤職員の年末のもち代の問題でございますが、その後政府部内におきましていろいろ相談いたしました結論に到達いたしました。本日の次官会議におきましても、審議室の方から大体その趣旨を徹底いたされまして、その趣旨に従いましてわれわれの方から通牒を発しようということになつております。ただいまから読み上げますから、お聞き取りを願います。   非常勤職員に対する昭和二十七年末の給与の取扱いについて  一般職常勤職員については、十二月十五日に年末手当が支給され、さらに給与法改正された場合においては、勤務手当または奨励手当が支給される予定であるから、給与法第二十二条第二項の適用を受ける非常勤務職員のうち、常勤職員とほぼ同様の勤務を一年以上にわたつてしている者の本年年末における給与については、同条同項の規定に基き、これらの手当との権衡を考慮して取扱つてください。  こういう通牒をわれわれの方から発しようと思つております。  以上であります。
  5. 有田二郎

    有田委員長 次に法案について質疑に移ります。小松幹君。
  6. 小松幹

    小松委員 法案そのものでありませんが、関連して委員長に御質問します。先般委員長において、地域給の問題で各地方はがき出したからということを承りました。そら内容を公開していただきたい。ついででございますが、その意図は那辺にございましたか。善意悪意か、その辺をはつきりお伺いしたい。その善意悪意かというのは、党利党略という意味でなくして、地域給引上げ要望に対する輿論に対して善意であるか、悪意であるかという点について、ひとつ明快なる委員長の御答弁をお願いします。
  7. 有田二郎

    有田委員長 小松幹君の御質問に対してお答え申し上げます。先般委員長として出しました原文は、「先般御報告申し上げました貴地地域給引上げを含む一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律案は、過日当委員会に付託されましたが、特に地域給引上げについては、人事院勧告から漏れましたところよりの運動もあり、貴地地域給引上げが困難な状態と相なりましたので、この際諸賢におかれては御地出身衆参両院委員各位に、貴地地域給引上げ法律が成立いたしますよう御要請御協力くださいますようお願い申し上げます。現状報告かたそ御依頼まで。」右のような意味の通知を出したのでありますが、御存じ通りに、地域給の問題につきましては、各地より陳情が非常に多く、そうして参議院におきましても選挙を目前に控えております関係上、いろいろ問題があろうかと思うのであります。つきましては政府相談をしました結果、幾分修正の余地はあるのでありますが、御存じ通り、各県においてはこれがまとまるということが一番の問題でありまして、各県がまとまるまでこの法案を置いておくことはできないので、一応人事院勧告原案通過さして、そうして議員提出修正をいたしてはどうか、かように私は考えておるのであります。とにかく約千四百に上る人事院勧告地域給引上げをすみやかにやつて、そうして予算の許す範囲内おいて、でき得る限り議員提出法案修正いたしたいという趣旨のもとに、このはがき出したものであります。ひとつ御了承願いたいと思います。
  8. 竹尾弌

    竹尾委員 関連してただいま小松委員からのお尋ねでございますが、私の方もああいうはがきをいただきまして、実は非常に周章狼狽して、私の部屋に今殺倒しているのです。そこでこれはもちろん委員長善意を決して私は疑うものではございませんが、事実上非常に心配されておるので、その点についてお尋ねいたします。  第一に、この間人事院総裁お答えによりますと、人事院勧告をしたが、それは正式の政府提案法案となつておる。そこでその法案地域給に関してはそのまま通される意向であるかのごときお答えと想像されるのですが、その点につきまして、これは委員長総裁と両方にちよつとお尋ね申し上げておきたいと思います。
  9. 有田二郎

    有田委員長 質問の御趣旨がどうも少しはつきりしないのですが……。
  10. 竹尾弌

    竹尾委員 この間人事院総裁勧告をされました。その勧告を変更する意思人事院としてはない。こういうお答えでありましたが、そのお答えに基きまして政府提案、こういうことになつたと思います。そこでこれは具体的にお尋ねするのですが、今まで人事院勧告に盛られたものはそのままにされて、それ以上に修正すべきところはわれわれで修正してよかろう、こういう御趣旨でございましようか。
  11. 有田二郎

    有田委員長 委員長としてお答え申し上げます。竹尾君の御質問通りでありまして、人事院勧告原案は一応通過をお願いいたしたいのであります。そうしてまだベースがきまりませんから今までお諮りいたしませんが、もしも今政府出しておる一万二千八百二十円の点、あるいは野党諸君が近く修正案としてお出しになるようになりましたならば、これは話は別でありますが、現在政府出しておるベース通過いたしましても、幾分予算措置余裕があるのでありますからして、この点につきましては衆参両院人事委員会でよく協議をして、政府とも折衝して、そうして国会においてこの修正議院提出法案として行いたい。しかしながら今出ております人事院勧告に基く政府の案である約千四百件の地域給引上げについては、一応原案通過さしていただいて、そうして各県で話がまとまりました線から、法律として議員提出法案国会修正して行つたらどうか、こういうように委員長としては考えておるのでありまして、ただいま竹尾さんがおつしつやたと同じ趣旨のことを、委員長としては考えておる次第でございます。
  12. 竹尾弌

    竹尾委員 それではもう一度お確め申し上げたいのですが、委員長のおはがきは、すでに人事院勧告においてきまつたところにも届いておるようです。きまつた方が非常に心配されまして、あの文面で見ますと、全部御破算にして、それで新しくまた国会修正するのじやないか、こういう心配が非常に多いようでございます。私の部屋にもたくさん各地から来ております。  一度勧告できまつたところから来ておるのです。そこで勧告できまつたところはそのまま通されるという御意思なのでございますね。
  13. 有田二郎

    有田委員長 お答え申し上げます。通す通さないは各委員の権限に属することでありまして、私はぜひそれを通していただきたい。しかしながらベースが上り、あるいは現政府出しておるベース内におきましても、余裕があるのでありますからして、それによつて修正をいたしたいと考えておりますが、その修正とこの人事院勧告に基く法律案とが混同せられますと、この法案参議院通過することもなかなか困難ではないかという委員長としての見通しをいたしておるので、どうしても人事院勧告によるところの約千四百件の今の地域給引上げの分だけは、とにかく原案をそのまま通して、あと衆参両院人事委員会で、予算の許す範囲内においてでき得る限りの修正を行うことが一番妥当ではないか、かように考えましたのが委員長趣旨でありまして、この点は御了承願いたいと思うのであります。
  14. 森三樹二

    ○森(三)委員 私はあなたが個人としてああいう文書をお出しになるならば、どういう文面でもいいと思うのです。しかしながらいやしくもあなたが人事委員長という肩書きをつけてああいうものをお出しになるとすれば、少くとも委員会諸君にお諮りになつて、こういうものを出そうと思うがどうだろうと言つて、文案くらいは一応われわれに見せてお出しになることが妥当だと思うのです。だからこれを悪意にとればこういうようにとれるのですよ。われわれがこの委員会でもつて政府案を否決する、あるいはまた予算案修正案でもつて政府案がつぶれたというような場合には、人事院でこれだけの勧告をして、お前たちのところはみな地域給引上げてやつた。しかるに野党の方がこれをつぶしてしまつたから、それでお前たちのところにつかなかつたのだというような、責任野党側に押しつけて来ようというような意向があるように見られること、それからその次には、ああいう怪文書出して、そうして地方からわあわあわあわあ言つ来て、そうして今度現在勧告してある分だけをやらず、いわゆる政府案を成立せしめるところの一つの政策としてあなたがおやりになつたようにも見えるのですよ。それでなければ、私はあなたがああいう文書を突発的にお出したなるわけはないと思うのです。今後ああいうことは慎重にやつていただきたいと思う。
  15. 有田二郎

    有田委員長 お答え申し上げます。森委員からの御忠告もつともであります。ただ私としましては、委員長個人として出したのでありますが、これは与党野党の差別なく、人事院勧告の線で漏れましたところの市町村から陳情が殺倒いたしておるわけでございます。従つてこの法案をかりに通すとしますならば、人事院勧告に漏れましたところの方面から、相当各委員とも、与党野党を通して、非常につらい問題であることは御存じ通りでありまして、やはり人事院勧告に入りましたところの市町村各位も、人事院勧告に入つたからといつて、ただちにそれが法律となるのでありまして、これを立法化するのは、衆参両院議員国会においてこれをやるのでありまして、従つて国会通過させるためには、やはり人事院勧告に入りました市町村各位も、この法案通過に熱意を持つていただくことは私は当然であろうと思う。従いましてこれはもう野党与党を通じて、地域給の問題については、皆さんともに非常にこの問題では困つておらるることであつて、私は人事院勧告の線から漏れましたところといえども、国会において修正しろという要求すらありまするし、以前のように占領下でありますならば、占領軍の指示によつてとかいうことで解決がつきますが、今は本委員会並び参議院人事委員会において、すなわち衆参両院においてこれを決定いたさなければならぬだけに、非常にむずかしい問題である。ですからまず私は千四百件の人事院勧告原案通過させると同時に、とにかく予算の許す限りにおいて修正行つて十分全国の御期待に沿う線を出さなければならぬ、かように考えておりまして、私はその線で、人事委員長個人の資格において通達をいたしましたが、決して森さんの考えるような線ではないのです。
  16. 森三樹二

    ○森(三)委員 私はこの席上であなたをつるし上げようなんという考はありませんけれども、しかしあの案文を読みますと、今日の人事院勧告された地域給通過が非常に困難だという情勢判断——しかし情勢判断は、ここにおる人はあの勧告したものを否決しようという考えを持つておる人は一人もいない。勧告のあつたものは、とにかく通さなければいかぬ。勧告にならないところをできるだけ多くふやして行こうという考えを持つている人ばかりであつて、あの勧告案を握りつぶそうと思つておる人はだれもいないのです。あれはあなたの情勢分析が穏当ではないと思うのです。だから私はこういうことにいつまでもかかり合つて、あなたをどうこう言いたくないのだが、今後ひとつ御注意なさるように願いたい。
  17. 竹山祐太郎

    竹山委員 ちよつと今の問題は、私も何も委員長質問ではない、参考に伺つておきたいのは、あれをどこへお出しなつたか、出し範囲をひとつ……。
  18. 有田二郎

    有田委員長 お答え申し上げます。あれは人事院勧告を受けました千四百の市町村長あて依頼書出したのであります。
  19. 竹山祐太郎

    竹山委員 それではつきりいたしましたが、そうすると私も森君と同様、非常に率直に申すと、あなたの好意はわかが、委員全体から非常に誤解を受けておる。私はあの現物も見せられまして、きよう朝から盛んに質問を受ける。これは日ごろの有田委員長と私たちの話合いからいえば、われわれが努力をいたしておるのは、まだまだ十分でないから、野党連合ですら、新しい財源を見込んで予算修正をしてまでも、でこぼこを直そうという努力を続けておる現段階において、われわれはできるだけ落ちた不当なところを直そうということに努力をしておるのだ、従つて文面はいかにあろうとも、有田委員長真意はそういうところにあると私は理解していたということを、けさからしきりに言訳しておるわけです。従つてどうかこの問題は過去にさかのぼつてどうこう申しませんから、予算の結果がどうあろうとも、当初から委員長考えておられるように政府をどこまででもひとつ鞭撻をして、この際委員会全体の要望最大限度に実現をするという線で、私はあの書簡の問題は了解をいたしておきたいこう思うわけであります。同時にひとつ率直に申すと、非常に被害甚大でありますから、今後についてはどうか御相談をいただきたい。
  20. 有田二郎

    有田委員長 十分注意いたします。
  21. 竹山祐太郎

    竹山委員 それから今の委員長発言も将来問題になるのですが、私は了解をいたすのには、多少研究を要すると思うのは、今の原案に対して、もちろん異議はあるわけではありませんが、あれをただそのままのんで、あとの問題は後日だということは、委員長を信頼せぬわけではありませんけれども、これはそういうことになるとはたしてそれでいいのかどうか。むしろ誠心誠意政府と折衝をして、できるだけのところをきめて通したつて、別に今国会で通さぬというつもりはないのですから、その辺は委員長の今の御発言は了承した。反対という意味でなしに方法論についてはあらためてまた御相談を願いたい。
  22. 小松幹

    小松委員 いろいろ各委員から委員長に対するお申出がありました。最後に私は非常にあなたの真意善意であつたことは、御披瀝になつたからよもやうそではないと思います。しかし善意は結果が見られなければ善意にはならない。真意は、原因においては善意であつたとしても、結果としてよき実り、よき結果を得なければならないと思う。千四百の地域にばらまいたと言いながら、これは及ぼすところは現在勧告を受けておらない地まで非常に広範囲に影響していることは事実なんです。そうなれば言葉を俗的に言えば、寝た子が起きて来たということも起り得るわけです。今まで関心を持たなかつたところの、さようなところがこの際賢明な有田委員長のもとへ行つて三拝九拝して、何とか勧告の線を、あるいは修正の線をという、こういう意図があると思うのです。それならばそれに対する責任委員長としてはどのようにおとりになるか。そのおとりになる腹ができない限り、私は善意が結果として悪意になるのではないか、さように考えますから、その辺の自分のまいた種に対する責任範囲を明確にしていただきたい。
  23. 有田二郎

    有田委員長 お答え申し上げます。御存じ通りに、大体この法案国会を少くとも二十五日までに通過しないと、国家公務員の手に金が渡らないということにもなりますし、こと地域給の問題は非常にむずかしい問題でありまして、これと一緒にやりますと、結局非常に憂慮すべき事態になることは考えられるのであります。私は国会において修正いたしますものは、与党野党一緒にしました議員提出法案修正をいたしたいという考えを持つておるのでありますが、しかしながらもう余すところ何日もないのであります。これを地域給のこれがいい、これが悪い、これは公平である、これは不公平であるという議論を今いたしておりますと、この千四百の人事院勧告の現法案もなかなか通過がむずかしいということは一応考えられるところであります。従いまして私は一応現法案通過させていただいて、そうして今度は与党野党を通した、一致した議員提出法案として修正を行うという線をとりたい。これについて私は身命を賭してやるつもりでおります。どうかひとつ誠意を見ていただきまして、御了承賜らんことを切望いたします。
  24. 小松幹

    小松委員 それで委員長のそこまでは善意であると思うのです。それから先の問題になるのですが、そういう委員長の線は、それを出さない前のいわゆるあなたの考えよりも、これを出した後以はより一層責任が重大になり、しかもそれに対する種をまいた責任が大きくなるという結果は、いわゆる地域給修正引上げが上まわらなければ、あなたの善意善意とならないわけでございます。それと同時にこの地域給の問題は参院がかつて非常に働いた事実があるわけであるから、この際衆議院が働くということは私は当然であると思う。ところが政治家の常として衆議院参議院のいわゆるなわ張り、ことに参議院参議院議員選挙の前であるし、そういうことを衆議院がやるならばというひとつの衆参のなわ張りの関係もある。そうなればやはり参議院の方もそれ相当なひとつの意気込みを示すであろうと、私は想定されるわけである。それならばさらに衆参両院調整なり、あるいは調整ということは結局押えるのではなくて上に引上げねばならない調整ができると思う。この点についてさらに今までより以上の引上げ考えねばならぬという決意を披瀝していただきたい。
  25. 有田二郎

    有田委員長 実は昨日も参議院人事委員長に面会を申し込んだのでありますが、ちようどお国に帰つておられて門田委員長がおられませんので、自由党の北村委員あるいは社会党の諸君にも連絡をいたしまして、とにかく現状の人事院勧告の線はひとつ通すように御協力願いたい。あと衆参両院でひとつ共同でやりたいという申入れをいたしたのであります。しかしながらまた今野党諸君からの修正案も出て参りますし、ベースもどういうふうに決定するかわかりませんから、今ただちにどうこうという線は出ませんけれども、しかしながら日にちはだんだん切迫しまして、どうしても十二月二十五日までに一応の線は出さなければ、与党野党ともに困るところでありまして、地域給の問題というのは非常にむずかしい問題でありますから、これはよく衆参両院与党野党一致してこの問題の解決努力しなければならぬと思う。かような意味合いのことを参議院申入れをいたしたのであります。また修正案が出て参りますし、ベースがどうなるか、予算委員会がどうなるかまだわからない段階でありますので、正式に参議院との合同審査もいたしていないようなわけであります。御了承願います。
  26. 小松幹

    小松委員 委員長は最後まで善意な方であると私は信じております。その手腕力量のほどもよくわかつております。この上はわれわれは期待を持つのみにしかすぎない。同時にこれは人事院のすべての期待があなたにかかつている、こういうふうに考えて、今後今まで考えたより以上に人事院修正の決意をここではつきり表明していただきたい、それがなれない限りは、私はこの委員長の言を信頼することができない。
  27. 有田二郎

    有田委員長 重ねて申します。小松幹君の御質疑通り、私は今人事院勧告のされました千四百の地域給引上げにつきましては、これは一日も早く通過させていただきます。予算ベース・アツプがどうなるかわかりませんが、予算の許す範囲内においてでき得る限り地域給引上げに最善の努力をいたしたいとかように考えておりますから、御了承願いたい。
  28. 小松幹

    小松委員 最善の努力というのはどういう努力のことでありますか、もう少しはつきりそこを追い込む、というのもおかしいのでありますが……。
  29. 有田二郎

    有田委員長 最善の努力というものはもう一定の金は出て来るわけです。全国に欠員がありますから予算のわくが出て来ます、それを各県に割らなければならないのであります。御存じ通り、各県でなかなかむずかしい問題でありまして、まとまる県もあればまとまらない県も出て来ると思うのであります。つきましては、各委員と御相談申し上げまして、まとまつた県につきましては議員提出法案として一日も早くこれに修正を加えることに御協力願いたい。全部まとまりましたならばまことにけつこうでありますが、県々の事情などの非常にむずかしいところは、人事院勧告の線で御容赦願うより以外には解決の道はないじやないか、かように考えておりますので、そういつた努力を皆さんとともにいたしたい、かように考えておりますから、御了承を願いたい。
  30. 竹山祐太郎

    竹山委員 ちよつとこれもしきりに有田委員長個人を攻撃されるので私は同情するわけです。今までは委員長個人の手腕力量を信頼してやつて参つたのですが、率直なことを申し上げると、あの有田書簡というようなものによつて非常に政治的な色彩を持つて来たのです。これは私がいくら善意に解釈しても、実際問題の動きが非常に政治的になつて来た。このことはきようは与党多数の御出席もあるが、与党及び財源を捻出すべき政府、これは一体として努力をされないといけない。ということは、受ける地方民はそういうふうにとつております。われわれはあえてこれを政治的に党利党略で言おうという意味じやありませんけれども、そういうことになつておるという事実を一つ申し上げておく。私は有田個人をあまり責めない。しかし有田書簡が出た以上は、これは与党及び政府一体となつて考えをいただかぬと、あとで食い違いが起りますからどうぞ。
  31. 竹尾弌

    竹尾委員 私は与党でございますから、特に有田委員長を擁護しなくちやならぬ立場にある者でございますから、大いにその意味では擁護をしたいと存じておりますけれども、ただいまは有田書簡と言われたが、あの書簡は今小松委員のおつしやつた通り、そのままに伏せておきましたならば、それで通る点が非常に多かつた。それをあの書簡のために周章狼狽いたしまして、これは今福永委員も木暮委員もそうおつしやつておりますが、与党も非常に困つておるらしい。事実私も困つております。それで具体的な問題になりますけれども、委員長の言葉では、県の方に何か御相談をされて、その結果を尊重してやられるというようなお考えでありますが、そうなりますと、これがなかなか紛糾錯雑いたしまして、さなきだに紛糾すべきものがますます紛糾するであろうことを私は非常におそれておりますが、この収拾の仕方はどういうことになるのでございましようか。県に頼むということになると、せつかく一応まとまりそうになつたものが、もうまとまらないというような事態が起ると思うのです。そこで修正するのはわれわれ委員の権限でございますから、その点をどうされるお見込みか、ひとつ御検討をお願いいたしたいと思います。
  32. 有田二郎

    有田委員長 お答え申し上げます。これは御存じ通りに、修正については衆参両院与党野党並びに各県全部が一致いたさなければ修正はできません。ですからそれがまとまらないということになれば、これは修正をいたしましたら、たいへんな事態を私は招来すると思うのであります。従つて今までの中でもすでにまとまつた県が幾つかあるのであります。これだけの修正でけつこうだという申入れを受けておる県も幾つかあるのでありまして、各県並びにその県選出の衆参両院議員並びに与党野党一致した、これでいたし方ないという線の出ない限り、私は何人といえども修正は不可能だと思う。人事院勧告の線以外に出ることはむずかしかろう、従いましてどうしてもこの修正については各委員とも一致協力していただいて、超党派的にこの問題の解決に私は御協力願いたいと思うのであります。
  33. 竹尾弌

    竹尾委員 大体修正すべきそのこと自体が非常にむずかしかつたわけなんでして、今まで各県ともまとまつたところもある、こういうことでございましたが、しかしあの書簡が出たために、まとまつたところも今度は、ああいう書簡が出たのだがら大いにまたやり直そうというけはいが起らないとも限らない。そこで見通しは、少いところをやるんですから、もうすでに困難なところがさらに困難になる、こういうぐあいに私は考えて非常に心配しているのですが、その点いかがでございますか。
  34. 有田二郎

    有田委員長 私はだから各県の良識また各県選出の衆参両院議員の良識によつて、かりにベース・アップができれば別でありますが、ベース・アップができましても、またベース・アップができず、今日の政府案による一万二千八百二十円の線におきましても、よほど各委員なり、与党野党諸君が一致して、また各県の協力を得てしない限り、修正というものは非常にむずかしい。この点については、とにかく私は最善の努力を皆様とともにいたさなければならぬと考えておるところであります。従つて、まず何としても人事院勧告の線だけはすみやかに法案として十二月二十五日までに国会通過させなければ、現実の問題として困る。それと並行して修正でき得るものはどんどん修正して、議員提出法案として出して行くようにいたしたい、かように考えておる次第であります。
  35. 竹尾弌

    竹尾委員 あなたのお言葉はよくわかりますが、現実の問題は、私は政府与党責任があると思う。というのは、原案を通すということには異議はない。そうしてあと幾ら増すかということは、抽象論じやない。それをまとめるには、具体的に幾ら金があるかということがきまらなければまとまらない。だから私どもはあくまで協力態勢はとつておるが、政府与党が無理してもこれだけは財源があるから、この範囲でまとめてくれ、こういうお話がない限りは協力のしようがない。私どもはことさら問題を紛糾させるつもりはない。そこで私は政府与党に非常に責任があると言うのです。
  36. 有田二郎

    有田委員長 実はこの書簡に基いて、明日自由党の国会対策委員会に呼び出しを受けておるわけです。同時に、実は自由党の政調会においては、すでに人事院勧告の線を一切動かしていけないという決定があつたのでありますが、先般総務会に出まして、そういうことでは与党野党とも了承しない。予算の許す範囲で、欠員が大体この程度あるから、これだけの金が出るから、この範囲において御修正願うことはけつこうでありますという線を出さぬ限り、とうていこれが国会通過することはむずかしかろう、こういう意見を私は申し上げまして、総務委員会におきましても、人事委員長の方から野党とも折衝しました結果を報告してもらつてきめようということに話がきまつたのでありまして、最初の自由党の線としては、人事院勧告の線を絶対に動かさないという方針であつたのでありますが、これは過去における占領下でありますならば別でありますが、独立国家になりました以上、野党の皆さんの御協力も得なければ、これからの審議はできないのでありますから、ようやくそういう方向にきめさせたのでありまして、これからは、予算委員会におきしても、また本委員会におきましても、修正案がどういうような議決になるかわかりませんが、議決になりましたことに基いて、私は一つでもよけいに地域給引上げ努力いたしたい、かように考えておりますので、御了承賜りたいと思うのであります。
  37. 池田禎治

    池田(禎)委員 遅れて参りましたので、どういう論議がなされたか存じませんのでダブるかもしれますんが、私は実は一昨日この有田委員長の書簡なるものを持つて地方の町村長、小学校長、郵便局長の方と会つたのであります。さらに昨日千葉県に参りましたところが、千葉県の地域給勧告を受けた町村長のほとんどが集まりまして、演説会をやつておるところへ私は参りましたし、また本日は福岡県からもたくさん電報が参つて、急遽上京いたしたいといつてつておるのであります。その書類をただいま引寄せましてもけつこうでございますが、どういう意味で出されたのか、すでにお話があつたと存じますが、重ねて私は委員長の所見のほどを承りたいと思います。
  38. 有田二郎

    有田委員長 先刻来説明申し上げたのでありますが、御存じ通りに、地域給の問題は、人事院勧告の線から漏れましたところの猛運動が全国的に非常に多いのであります。まだ予算もきまつておりませんし、また修正案の点についても決定いたしておりませんけれども、そういう運動がありますので、一応人事院勧告政府案なつたものは全部これが簡単に通過するように、人事院勧告を受けた千四百の都市ではお考えでありましようけれども、そういうような事態がありますので、とにかくこの法案通過いたすために御協力願いたい、そういう趣旨はがき出したのであります。
  39. 池田禎治

    池田(禎)委員 私は話が大分違うと思う。今まで話をしておつたことは、人事院勧告だけはひとつ通して、しかる後に、さらに追加するところは、お互いに超党派でしようではないか、さらにまた衆議院ではさように追加しても、参議院に持つてつて修正案というものが出るならばスムースに行かないから、参議院も入れて、そして実際そこで声をしようじやないか、こういうふうにこの委員会において正式な決定とは申しませんが、さように進んでおつたものである。いわばそういうことは暗黙のうちに各党の間に話ができておつた。しかし委員長みずからああいう書簡を出されたということになると、あえて平地に波瀾を求めたとしか私には思われないのです。どこそこに出されたかということは存じませんけれども、委員長みずからが好むところあるいは一部あるいは全部に出されたか存じませんが、私実はあの葉書を一見しましたときに、これは有田委員長が次の参議院選挙に立候補するにあらずやとさえ考えたのであります。(笑声)どういうわけでそういうものをお出しなつたか、その真意を私ども疑うわけであります。こういうことを委員長みずからがおやりになるとするならば、われわれもやはり野党の立場において、今までの人事院勧告のことごときに対して私どもは同意いたしがたいという意思表示をいたさなければ、私どもの職責が務まらぬと思うのであります。ところが協力を願うという実はそういう形であるが結果は平地に波瀾を巻き起したとしか私には考えられません。その点あなたは今どう思つておるのですか。
  40. 有田二郎

    有田委員長 私の出しましたのは、人事院勧告を受けました千四百の市町村長に対して依頼状を出したわけです。従つて、私は平地に波瀾を起したとは考えていないのでありまして、とにかく御協力を得て人事院勧告の線は通過させて、そしてそれ以上予算の許す範囲内においてでき得る限り議員提出法案修正をいたしたい、かような考えを持つておるのでありますが、とにかく人事院勧告を受けまして政府原案となりました千四百の都市については、私はこれを通過させることにその都市の市町村長の方に協力をしていただきたいということを私の考えとしてお願いしたような次第であります。同時に、今も小松委員の御質疑お答えしました通り予算の許す範囲内においてこの人事院勧告に漏れましたところの地域給引上げについても、与党野党一致してこれに最善の努力をいたしたい、またいたすべきである、かように考えておる次第であります。
  41. 池田禎治

    池田(禎)委員 委員長がそういうことをおつしやることは、正直に言うと、どうしても私には納得行きません。行きませんが、あなたの趣旨通過させるためにあつたというならば、私はその言葉じりやそういうことにおいて論争いたそうと思つておりません。しかしただあなたとしてお考えにならなければならぬのは、全国から相当の電報が来ておる。これはあなたがそうさしたことであつて、迷惑千万な話です。全国からどんどん地域給の改訂で毎年たくさんの人が費用を使つて出て来ることに対して、われわれがこういうことをどういう形において少しでも少くして、その経費のかからぬようにするかということを苦心しているときにあたつてこういうことは、委員長善意でやつたと解釈しても、相当波瀾を与えたことはみずからお考えにならなければならぬと思う。さらにまた私ども思いますことは、人事院勧告を完全に実行させ、さらに進んで修正というか、追加する点は努力いたしたいというあなたのお気持に対しては、もちちん私どもも同感です。ただどうも何がゆえにああいう委員長の書簡を出されたか、これだけはいまだに納得が行きません。協力を求めるというならば、むしろこの委員会を通じて各党間の協力を求めればよい。そうして政党を通じて各町村にさらに協力を求めしめるのが私は妥当だろうと思う。ところがいきなり町村長さんにああいうものをお出しなつた。これはどう考えてもあなたが池の中に大きな石を投じたとしか考えられない。これはまつたく与党諸君といえどもそうお考えになるだろうと思う。でありますから、この委員会においてこれをせんさくしてあなたをとつちめようとは思つてはおりませんが、あなたは委員長として将来十分お考え直しを願いたい。さらに結論といたしましては、人事院勧告を安全に通さしめて、さらにもつと追加いたすことに対して超党派で努力するということには私どももとより異論ありません。そのことで委員長に進んで協力することはやぶさかでありませんので、こういうことを将来再び繰返さないよう委員長の御反省を促すものであります。
  42. 有田二郎

    有田委員長 お答え申し上げます。ただいま竹山委員から同じお話がありまして爾後十合注意いたしますという御答弁を申し上げたわけであります。御了承いただきたいと思います。
  43. 竹山祐太郎

    竹山委員 そこで問題は、私たちきようの予算委員会を山として、それまでは言うべきことも言わずに来たのですから、日のたつのを非常にいろいろしておつたのです。もうこれは山を越しますと現実に早く処置しなければならぬ。従つて私の希望は、自由党政府は早く態度をおきめ願いたい。それによつてわれわれも相談の態度をきめなければならぬ。与党及び政府がそれをおきめにならぬと問題が延びるだけですからどうか一日も早くその態度をおきめ願つて相談を願いたい。この問題はいろいろ言い分があろうが、どうですかここらで……。
  44. 有田二郎

    有田委員長 実はその問題については、大蔵省の岸本給与局長がおりますが、幾度も折衝し、また主計局次長、主計局長大蔵次官とも話をいたしておるのであります。予算委員会の見通しがまだつかないので、金額の点については申し上げておりませんが、できる限りよけいにとりまして、本委員会として参議院人事委員会とも合同で会議を開きまして、大体これだけの予算があるがこれをどういうふうに各県にわけるかということの原則をきめて、それに基いて各県の衆参両院議員にお話合いを願つて、まとまりました県からまず議員提出法案として修正して行くというような方法についても各委員とおはからいしてやりたい、こう考えておりますので御了承願いたいと思います。
  45. 受田新吉

    ○受田委員 きようは例の年末手当支給に関する従来の法律によつて、一般公務員手当を受けたわけですが、いつまでも給与に関する法律ができないことによつて打撃を受けるのは一般公務員です。従つて今各委員仰せられたような線で、一刻も早くこの給与法を通さなければならぬ。この点あなたの党としてぜひおまとめくださることをお願いいたしたいと思います。法律で先に給与の内容をきめて、あとから予算にこれを組むべきもので、筋書としては予算のわく内で給与法律をつくるというのは、これは政治的な策動であつて、ほんとうは給与法律ができて、それによつて予算が組まれるはずなんです。その点人事委員会としてももつと強くなつて予算委員会の顔色を見て、そうしてこちらの方でこれを採決するというよりも、こちらで基本線を打出して、それを押し通すというぐらいの努力が必要であると思う。従つて今回の地域給の問題でも、できればこれを早くもう一緒に片づけた方がよいと思うのですけれども、うちの委員会としてあちらの予算委員会などの進行状況とにらみ合せて、この給与法はきよう中に片づけるのか、あすまで延ばすのか、そうい段取りをちやんときめて、地域給の問題も大体線を引いておいて、全国のうちまとまつた県から法律をつくるということはこれはおかしな話なんです。やはり全国をきちつと一体として国会の権威も保たなければならぬと思うのです。この点あまり深く考え過ぎると片づかんと思うのです。そこで軽く直感で行つて人事院勧告の中で削られたのは、これはだれが見てもぜひ入れなければならぬ。お互いにちよと話してもわかるのですから、それをあまりこまそでやるとまた対抗的なものができ上りますから、ここをひとつ率直に是正をして行く、修正して行くというふうにしてはいかがですか。
  46. 有田二郎

    有田委員長 実は予算委員会の見通しをつけて、本委員会ベースの問題修正案がいよいよ上程されて来る段階になつておりますが、このままで行くならば、私たちはやはり政府提出法案の一万二千八百二十円、十一月一日の線を本委員会で可決をやるというわけであります。これは御承知のように、自由党の内紛のためにどういうふうになるか、予算委員会情勢がわからない状態にありますので、本委員会質疑をきようも打切らずにずつと続行してやつて行きたいという趣旨は、やはり予算委員会のあり方を見ながらやつて行きたいというわけであります。また地域給の問題については、受田委員の意見もまた一つの意見でありますが、非常にむずかしい問題でありまして、どこに線を引いたらその線が絶対いいかということはなかなかむずかしい問題で、やはり各県で納得の行つていただく線で予算が出て、その予算に基いて各委員会衆参人事委員会において話合いをして、その国家公務員の数を各県にわけまして、そうしてその県県でまとめて行く方法を考える以外には道はないのではないか。それについて人事院につきましても、もしもそういうものがありましたときに、人事院の意見も聞かしてもらいたいというので、給与局長のところまでお願いに参つておるような次第でありまして、どうかひとつ御了承願いたいと思うのであります。
  47. 受田新吉

    ○受田委員 この問題に関連して一言だけ委員長に御努力願いたい点は、天下の公務員たちは、年末手当も、ベース・アップも心から期待しているのですから、一刻も早くその方々にお報いしなければならぬ。同時に自由党の内紛のためにこれが早急に——きのう、きようの空気などではいつ解散されるかもしれない、これらをこのままほうり放しで解散されてくれたらたいへんだというような空気さえあつたくらいであります。こうこうときに自由党の人事委員長として、職員給与に関する基本法だけばはつきり打立つて、それをちやんと体系づけてから、ひとつ内紛をやつてもらいたい、こういうふうに実はお願いをする次第であります。  きのうからの質問の残りがありますからちよつと一つ、二つ触れておきます。常勤的性格を持つ非常勤勤務者に対する人事院政府に対する勧告というようなものは、今まではどういうふうにされたのか、また今回のこの常勤的非常勤の人たちに対する措置に対して、人事院はいかなる態度を政府にとつておるのか。政府だけに努力せい努力せいといつたつてしようがないから、この際人事院政府に対する態度としてどういう手を打つておられるか、これは人事院側の方からの立場を説明していただきたいと思います。
  48. 有田二郎

    有田委員長 それは人事院側から、あなた御出席になる前に発表があつたのですが、もう一回発表させます。
  49. 瀧本忠男

    瀧本政府委員 これは、人事院といたしましては、非常勤職員もやはり給与法に規定してございまして、非常勤の中で委員顧問及び参与というような職にあります者につきましては、その金額を各省各庁できめることになつておるのでございますが、人事院で一々協議いたしませんでも、その線まではきめていいという金額につきまして、勧告のときに毎度申しておるわけでございます。またかねて問題になつておりますいわゆる非常勤職員の問題でございます。われわれの条文で申しますと、給与法の第二十二条の二項に該当いたすものでございます。これはかねてこの委員会で問題にして御検討に相なつておつたのでございますが、われわれもその意を受けまして、この問題を今年の年末にどうするかということにつきまして、政府部内に相談をいたしました。その結果、非常勤職員でございましても、その勤務形態が常勤職員とほぼ同様のものでございまして、事実上引続いで一年以上勤務しているというような者につきましては、年末手当あるいは勤勉手当等につきまして——これは勤勉手当あるいは年末手当という形では出すことはむずかしいだろうと思うのでございますけれども、給与上均衡のとれるような措置をしてもらいたい、こういう通牒人事院から出すということにきめておる次第でございます。その問題につきましては、本日の次官会議で、審議室の方から次官に報告もされまた要望もされまして、この人事院通牒趣旨にのつとつて各省各庁でやつていただく、こういうことに相なつております。
  50. 受田新吉

    ○受田委員 それに対して漏れない措置がされなければならぬのですが、各省間のバランスが十分とれるような手が打たれる用意がしてあるか、どの省かどの庁かが一つ抜けるというようなそそうはないか、そこに十分手が尽されるようにしてありますか。
  51. 瀧本忠男

    瀧本政府委員 ただいま申し上げました人事院から発しまする通牒によりまして、各省各庁はバランスをとつてやるというふうに考えております。
  52. 受田新吉

    ○受田委員 未復員公務員の期末手当に対して、人事院はどういう態度をとつておられますか。未復員公務員公務員としてもうちやんとした存在なんですが、これに対して人事院はどんな考えを持つておられるのですか。
  53. 瀧本忠男

    瀧本政府委員 いわゆる未帰還職員の問題であるというふうに考えます。これは昨日の委員会におきましても、大蔵省側からしばしば御答案ありましたように、未帰還職員給与そのものをまず一般職給与の増額に伴つて上げて行くという措置の方が、むしろ先決問題であろうというふうに考えておるわけであります。この問題につきましては、大蔵省側も、予算上十分努力するということを言つておられますが、われわれといたしましても、給与法の附則に、未帰還職員給与につきましては従前の例によるということでございまして、従前の例によりますと、これはベース・アップのたびに、やはりその程度の率によりまして給与引上げをして行くという措置を従前とつて来たわけでありますから、こういうことができますことが一日も早いことを希望いたしておる次第でございます。
  54. 受田新吉

    ○受田委員 人事院というものは、政府予算の操作などを顧慮することなく、正しい立場から勧告をすると、総裁局長さんもおつしやつておられる。つまり政府予算の措置ができない——軍人恩給の復活などと関連してやるというのは、これは政府がやるのであつて勧告する立場の人事院としては、そういう政治的ないろいろな関係を顧慮して勧告なさるわけはないので、これが正しい公務員給与だという観点からなさるはずですから、その意味政府のような答弁でなくて、人事院としての立場からの答弁をいただきたいのであります。
  55. 瀧本忠男

    瀧本政府委員 未帰還職員につきましては、これは一般職の方もあるでございましようし、また特別職の方もあるでありましようし、むしろその取扱いは、両者を総合調整してやるという意味におきまして、たとえば年末手当と同様に、これはやはり大蔵省側に御質問いただく方が適当かというふうに存ずる次第であります。
  56. 岸本晋

    ○岸本政府委員 未帰還職員に年末手当を支給したらどうかというお話でございますが、これは同じ政府職員の一員といたしまして、まことにごもつともであり、またありがたいお言葉だと思いますが、御承知の通り、未帰還職員は未復員者の中の九十分の一、百分の一にすぎないのでございます。つまり未帰還職員の九十倍にも上るような未復員者が別にいる。その方々に対しても、もし今公務員に対して年末手当を出すならば、それに似たようなことも考える必要があるのではないかというようなことも考えられます。そうなりますと、現在の補正予算といたしましても、その程度のものはまだ考えておりません。一般未復員者をおいて、未復員政府職員だけを特に優遇するということは、ちよつと無理があろうかと存じております。
  57. 受田新吉

    ○受田委員 罰則の二十五条に、「この法律の規定に違反して給与を支払い、若しくはその支払を拒み、」云々と書いてあるのですが、この法律の規定に違反して給与を支払つたという場合には、これは故意でなくて、事務的な処理で、知らずしてこれを支払うという場合もあろうし、事務的な手続の誤謬からそういうことをされる、手違いなども起ると思うのですが、そういう場合の支払者に対しても、一年以下の懲役または三万円以下の罰金に処するのでありますか。この法律の規定に違反しておるということは、犯意なき者の行為を罰するということになるのであるか、この責任者はだれに該当するのであるか、処罰の対象はだれに当るのであるか、ここを明らかにしていただきたいのであります。
  58. 瀧本忠男

    瀧本政府委員 この二十五条の罰則の問題でございますが、これはわれわれとしまして、故意にやつたというような場合に、この二十五条が適用されることになろうかと思います。
  59. 受田新吉

    ○受田委員 それは後段の、「又はこれらの行為を故意に容認した者は、」というところに、故意とあげてあるのですが、前の方には故意と規定してない。これは前段と後段とでは、その法の内容の根拠点が相違しておるのではありませんか。上の方も、この法律の規定に故意に違反して給与を支払い、という場合だつたら、今の説明でいいのですが、それが規定されてなくて、これらの法律の規定に違反して給与を支払うという場合には、これはその担当者に対する公務員としての責任を加重した業務上の過失必罰の規定を、ここでもまた適用しておるのではないか、これを伺いたいのであります。
  60. 淺井清

    ○淺井政府委員 お答えいたしますが、すべて刑罰を科します規定につきましては、刑法総則の規定が適用されるだろうと思つております。従いまして、これは故意といいますか、それを意識してやつた者だけの罰則だろうと思います。後段に故意とありますのは、むしろ容認にかかつておる。故意に容認する、つまり容認の範囲を明確にするために、故意という文字を使つておると思つております。
  61. 受田新吉

    ○受田委員 この法律の立法責任者は、これは政府である。人事院はこの罰則を勧告したのではないのですね。このような罰則を勧告をして、政府にこの案を出さしたことになつておりますか。
  62. 淺井清

    ○淺井政府委員 そうではございません。
  63. 受田新吉

    ○受田委員 そうすると人事院としては、この罰則に対する解釈は、この政府案に対しては越権行為ということになりやしませんか。
  64. 淺井清

    ○淺井政府委員 ただいま政府委員としてこの席上におりますものですから、お答えをしたのでありますが、しかし同時にこの法律の実施官庁に人事院がなつておる関係上、人事院としてその大体の実施の取扱いについて所見を申し述べることは、さしつかえないように思います。
  65. 受田新吉

    ○受田委員 総裁の所見としてお聞きしたことになるわけですが、政府のこの提出責任者の立場からの解釈をお尋ねしたのですけれども、これが刑法総則の規定を適用し、犯意なき者は罰しないということで、犯す意思なかつた者は処分することができないということに解釈するとすれば、それで済むわけですが、しかし公務員に対する責任加重の原則がここにとられたとしたならば、公務員は平素から常に注意して給与の支払いを行わなければならぬということになる、ということは、特にそういう責任罰というようなものも、これは十分含めた意味の規定ではないでしようか。私どうも、ここで故意が容認にかかる故意ということになると、この容認をした場合だけ故意に当る、初めの方は故意でないという、この文章からいうとそういう解釈にしかならないのですが、もしこれがなんでしたら、文章全体にかかるように、故意を一番最初に持つて行つてあとのそれぞれの規定にこれが該当するようにすべきではないか。「又はこれらの行為を故意に容認した」こうなると、ここは非常に微妙なのですが、これはどうであろうか。  それともう一つは、今までのこの法律ができて以後、この二十五条の罰則によつて処分された者がどのくらいあるのか、皆無であるのか、あるいはまたこれに対して何人該当者がおるのか、それは対して最も重い罪はどのくらいになつておるのか、こういうことは重大な問題でありますから、ちよつとお伺いしたいのであります。
  66. 淺井清

    ○淺井政府委員 こういう罰則の、政府としての代表的な意見は、やはり法務省からいたすべきでありますが、ただいま御質疑がございますから申し上げますが、それは刑法の総則の中に、この総則の規定は、すべて本法以外において刑罰を定めた法律にも適用するんだという規定があるように記憶しております。従いまして、刑法総則において、犯罪は故意を罰するということが原則であつて、過失を罰するときにはまたこれを明らかにしなければならぬというならば、それは別問題でございます。そういうふうになつておりますから、そこでまず故意を前提としてこの規定が成立しているように思います。  それから後段の容認の場合におきましては、この容認ということをどういうふうにするか、故意という言葉をかぶせませんと、あまりに広くなり過ぎるおそれがあるので、かぶせたように思つております。  なお今日までこの規定において罰せられた実例は、ないのじやないかと思つております。
  67. 竹山祐太郎

    竹山委員 また地域給の問題にもどるのですが、きようの与党野党を通じての発言を、最後に要約をして、私は委員会の正式決定ということの必要は——まだその段階じやないが、いろいろそれぞれ立場で問題がありますから、きようの段階としての委員会の空気というものの最後的なおとりまとめを、委員長でしておいていただいたらどうか。野党側はそういう考えを持つておる。ということは、地域給については、補正予算修正を加えてまで、政府原案のでこぼこを直そうという態度で進んで参つて来ておりますから、まして政府人事院原案というものについては、もちろん詮索をすればいろいろ問題はあるが、よりベターなものにという意味において、今日の段階で、政府原案の極端な修正をしようなどという考えは持つておらないのです。しかしそれをどういう方法で決定するかは、今後の審議の順序方法はありますが、いろいろ各委員の御発言もありましたし、きようの委員会の機会において、政府原案はかえないで、それに可能なだけのでこぼこの修正をするという、委員会の大体きようの空気であつたならば、またそれを与党側も御承認いただくならば、大体きようの結論をひとつまとめておいていただく方が、それぞれの委員の立場上もよくはないか。また今後の進行上にもその方がよくはないか。新しい提案ではありませんが、今までの発言の要約をしたものとして、ひとつ一応お諮りを願つたらどうかと思います。
  68. 有田二郎

    有田委員長 竹山委員からの御意見について、本委員会として了承することに、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり)
  69. 有田二郎

    有田委員長 御異議なきものと認めます。さように決定をいたします。本日はこの程度にとどめ、次会は十六日午後一時より開会することといたします。本日はこれにて散会いたします。     午後四時九分散会