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中野(四)
委員 枝葉にわた
つて悪いのですけれ
ども、その後日本銀行にこの
品物が返
つたという説と返らぬという説がありまして、ある
鑑定人はその
品物は日本銀行にある。たとえて言えば、当時横浜の第一号法廷へ行
つて、マレー大佐
事件の
ダイヤモンドとして、
ダイヤモンドの買入れの覚えがあるか。
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当時は最高八
カラツトばかりのものが一番大きか
つたと言われておりまするが、まあいろいろ総合いたしますると、中に四
カラツト七二というのがきめ手にな
つて、重労働十年、その後五年に負か
つて、二年実役をして、今保釈で出ているという話ですが、その問題はとにかくとして、初め持
つて行
つた量目がどのくらいであ
つたかよくわからないのです。それで、あれは全・部出さなか
つたのだそうです。
鑑定するのに、お前大きいのを扱
つたか、小さいのを扱
つたかと聞いて、大きいのを扱
つたのは大きい
部屋に連れて行
つて、この中に覚えがあるか。
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つまり今度の
大蔵省の
接収解除貴金属の国会に向けての報告を見ますと、金、銀、白金、
ダイヤモンドは書いてありますか、貴石というのがあるのです。たとえば螢石というのですか、何というのですか、私は知りませんが、猫晴石とかサフアイヤとかいうものがあるのです。私は貧乏人ですから持
つたことはないのですが、とにかく相当の種類がある。こういうものが当時非常に買われているのです。たとえて言えば、こういうのは
装身具量とかいろいろなものにつられて買われたものならんと思うのですが、これらは、政府が何も電波探知機をつく
つたり飛行機をつくるのに必要じやないのだけれ
ども、買い入れているのです。しかもそれが接収されておるのですが、解除されておらないのです。
大蔵省から国会に向けて提案して参りました接収
貴金属等の
数量等の報告に関する
法律案の内容を見ますと、貴石というものが一つもないのです。どこへ行
つてしま
つたかわからない。当時デパートなどでも、買い場所にな
つたから相当の
数量があ
つたわけです。あなたのさつきの
証言で見ても、首飾りとか指輪とかいろいろなものがあるが、その中の大事なものがない。しかもマレー大佐
事件というものをハリク大佐が発見をし、マレー大佐の
事件が起りますにあた
つて、横浜の第一号法廷においては、貴石というものが相当
鑑定の中に出ております。でありますから、私らはふしぎでしようがないのです。国民が
戦争に勝ち抜きたいという一心で、愛国の至情より献納同様に
供出したものが、当時の行政の不円滑から、あるいは軍の怠慢から、こういうように国民にひどい目にあわしたあげくに、さらにこういう大きな損害を与え、その結末が明らかにならぬということは、われわれは何としても納得がならない。国会で
ダイヤモンドの
事件を取上げるというのは、探偵小説のように見えますけれ
ども、私はそうは思わない。これほど重要なことはない。どこの国だ
つて、敗戦国なら、道義の確立と申しますか、道義の武装と申しますか、はつきりした徳義の上に立
つて、こういうものの
処理が行われなければならないと思います。そういう観点から私はごまかしをなおざりにしておくことはいけないと思いますから、お聞きするのですが、大体専門家として一目ごらんになれば、どのくらいの
カラツト数か、これはお聞き及びにならなか
つたのでしようか。
鑑定人の方から御報告はなか
つたのでしようか。