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堤委員 一昨日の本
委員会におきまして、現在の
医科大学卒業生の
インターンの問題につき、
戸田正三教授外五名の
方々がお見えになりまして、
参考人としての公述を承り、各
委員はこもごも
意見を中にはさみながら、例によ
つて質問を展開したのでございます。非常に時間をとりまして、午前中から開会の
委員会は、当時正午を過ぎること一時四十分であ
つたと思いますが、
委員の中にはおなかのすかれた方もあ
つたでありましようし、御疲労も見えてお
つたことは確かでありますが、非常に時間が長くな
つてけしからぬという文句が与党の席から出まして、そのついでに、
速記録にも
はつきり残
つておりますが、女のくせになまいきなという
言葉が出たのでございます。われわれ選良が公開の
委員会の席上で
意見を述べ、
質問をすることがなまいきなというような
言葉でも
つて封ぜられるとするならば、これは確かに言論の抑圧でございます。なぜ女のくせになまいきなという
言葉が出たかということをよく検討いたしますならば、これは
少数党の
野党のくせになまいきなという
意味を含めて、男性の
女性に対する
侮蔑感である、私
はさように存ずるのでございます。
亘議員はこの
国会前の当
委員会の前任期中、
ちようど婦人議員が松谷、苅田、福田、堤と四人がおりましたが、
婦人議員に対してしばしば
かくのごとき
言葉を弄せられ、よく
婦人議員の間では、一度何とかしなければならぬということを言い合
つたものでありますけれ
ども、当時絶対多数の中においてわれわれは慎んで来たのでございますが、たまたま発せられたかのごとくに見えるこの女のくせになまいきなという
言葉は、常にお
使いになるところのこの女とか、てめえたちとか、なまいきなとかいう
言葉をお
使いになるいつもの例の
一つが突発的に出たのでございまして、これは
亘議員の性格を
はつきりと物語
つておるのでございます。いかに
資本主義政党に属する
議員であろうとも、
階級意識を
はつきりお持ちになり、
少数党の
野党なるがゆえに
侮蔑なさ
つて、憲法に認められておるところの
男女同権を無視した今日のこの
亘議員の言動につきましては、選挙のときには
候補者として
女性の一票を頼まれる方が、当選して
議員になるや、同僚の
婦人議員に対して、
かくのごとき言辞を弄せられるは、まことに不謹慎きわまると存ずるのでございます。私はこの
委員会の席上において何とか
措置をつけたいと存じまして、
委員長に閉会されることなく、
参考人の
先生方にお気の毒であるならばこれに出てもら
つて、その後に
委員会を閉会することなく、その場で何とか
措置をつけていただきたいと存じて、何とかと
思つて野党の
協力も求めようとしたのでございますが、たまたま改進党も御
出席にならず、わが党も病人の
岡部先生を除いては不
出席でございまして、はなはだ残念ながら自由党の
委員長代理をしておられましたところの
野澤清人氏が、自党の
暴言議員の立場を守るために閉会を宣せられ、そのままにな
つたのでございます。時あたかもわが党におきましては、
代議士会を開会いたしておりましたので、即刻要求をいたしましたところ、
国会法第百十九条並びに第百二十条の規則によりまして、
侮蔑を与えた
国会議員を処置されたいとの
訴状を
提出したのでございます。御承知の
通り、今
国会では周知の
吉田暴言がございまして、—————を連発をいたしましたところの
吉田総理に対しては、わが
右派社会党の
西村議員から
訴状が
提出されているのでございます。残念ながら第百二十条並びに第百十九条には、但し
議長はこれを何日以内に処置しなければならないという法文がございませんので、今日まだ解決を見ないのでございまして、わが党といたしましては
訴状が二通
議長の
手元に出ておるのでございますけれ
ども、片がつかない状態でございます。昨日
議長のところにわが党の幹部が行きまして、これが結末を要求いたしております。何とか議運並びに本
会議場においては、御処置あろうと存ずるのでございますけれ
ども、御
不在でありました
委員長にはまことに御迷惑でありますが、明晰なる
委員長が御
出席になりましたならば、その場合において
訴状の出るがごとき結果を見ずに御
始末されたであろうと存ずるのでありますが、あのときの
委員長代理の不
始末は、たれが見ておりましても不公平でありまして、私ははなはだ不満でございますので、
不在であ
つたところの
委員長は、
委員長の責任においてこの
始末を何とかしていただきたいと、私は実情をここに申し上げる次第でございます。