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1953-03-12 第15回国会 衆議院 厚生委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年三月十二日(木曜日)     午前九時四十五分開議  出席委員    委員長 平野 三郎君    理事 野澤 清人君 理事 堤 ツルヨ君    理事 長谷川 保君       新井 京太君    新井 堯爾君       勝俣  稔君    加藤鐐五郎君       永山 忠則君    平澤 長吉君       吉江 勝保君    亘  四郎君       山下 春江君    高橋 禎一君       鈴木 義男君  出席政府委員         厚生政務次官  菅家 喜六君         厚生事務官         (保険局長)  久下 勝次君  委員外出席者         専  門  員 川井 章知君         専  門  員 引地亮太郎君         専  門  員 山本 正世君     ――――――――――――― 三月十一日  委員大石武一君、堤康次郎君及び島上善五郎君  辞任につき、その補欠として西川貞一君、大森  玉木君及び田中稔男君が議長指名委員に選  任された。 同月十二日  委員三浦一雄辞任につきその補欠として山下  春江君が議長指名委員に選任された。 同日  長谷川保君が理事補欠当選した。     ――――――――――――― 三月十一日  麻薬取締法案内閣提出第一四八号)(参議院  送付)  大麻取締法の一部を改正する法律案内閣提出  第一四九号)(参議院送付) 同月十日  インターン制度廃止に関する請願加藤鐐五郎  君紹介)(第三八六六号)  戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部改正に関す  る請願大石ヨシエ紹介)(第三八六七号)  未復員者給与法適用患者生活扶助料支給等  に関する請願柳田秀一紹介)(第三八六八  号)  生活保護法による生活扶助料引上げに関する請  願(柳田秀一紹介)(第三八六九号)  同(三宅正一紹介)(第三八七五号) の審査を本委員会に付託された。 同月十一日  戦争受刑死者遺族に対し戦傷病者戦没者遺族援  護法を適用陳情書  (第一九六六号)  らい予防法案に関する陳情書  (  第一九六七号)  らい予防法改正に関する強制収容等条項廃止  の陳情書外一件  (第一九六八号)  らい予防法改正に関する公聴会開催陳情書外  一件  (第一九六九号)  岡山県にアフター・ケアー施設設置に関する陳  情書(第一九七  〇号)  同(第一  九七一号) を本委員会送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  理事の互選  小委員補欠選任  麻薬取締法案内閣提出第一四八号)(参議院  送付)  大麻取締法の一部を改正する法律案内閣提出  第一四九号)(参議院送付)  社会保険審査官及び社会保険審査会法案内閣  提出第一七一号)     ―――――――――――――
  2. 平野三郎

    平野委員長 これより会議を開きます。  委員の異動に伴いまして理事及び小委員に欠員が生じておりますので、その補欠選任を行いたいと存じますが、その補欠選任に関しましては、委員長より指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 平野三郎

    平野委員長 御異議なしと認め、長谷川保君を理事並びに同和事業に関する小委員、癩に関する小委員に、堤ツルヨ君を理容師美容師に関する小委員に、大森玉木君を理容師美容師に関する小委員に、それぞれ補欠選任のため指名いたします。  この際新政務次官菅家喜六君よりごあいさつをしたいとの申出があります。これを許します。菅家喜六君。
  4. 菅家喜六

    菅家政府委員 ただいま委員長から御紹介がありました通り、昨日私が厚生政務次官に就任することになりました。私は大体議会の運営を専門に今日までやつて来ましたが、役所勤めは初めてでございます。諸君の御指導と御鞭撻を切にお願いする次第であります。一言簡単でありますが、ごあいさつ申し上げます。     —————————————
  5. 平野三郎

    平野委員長 次に麻薬取締法案並びに大麻取締法の一部を改正する法律案を一括して議題とし、審査を進めます。  他に両案に対する御質疑はございませんか。——両案についての御質疑もないようでありますが、両案についての質疑はいずれも終了したものと認めるに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 平野三郎

    平野委員長 御異議もないようでありますから、両案の質疑はいずれも終了したものと認めます。  これより両案の討論に入るのでありますが、両案の討論につきましては、別に通告もありませんのでこれを省略し、ただちに採決に入ることに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 平野三郎

    平野委員長 御異議なしと認めそのように決します。よつて両案の討論は省略し、これより麻薬取締法案並びに大麻取締法の一部を改正する法律案を一括して採決に入ります。両案を原案通り可決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 平野三郎

    平野委員長 御異議なしと認めます。よつて麻薬取締法案並びに大麻取締法の一部を改正する法律案はいずれも原案通り可決いたしました。なお両案に対しまする委員会報告書の作成に関しましては、委員長に御一任を願いたいと存じますから御了承願います。     —————————————
  9. 平野三郎

    平野委員長 次に社会保険審査官及び社会保険審査会法案議題とし、審査に入ります。まず政府より説明を聴取することにいたします。厚生政務次官菅家喜六君。
  10. 菅家喜六

    菅家政府委員 ただいま議題となりました社会保険審査官及び社会保険審査会法案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。  わが国の社会保険は、昭和二年に健康保険法が施行されましたのを初めといたしまして、逐次進歩改善逐げて来たのでありますが、今日健康保険の被保険者は、被扶養者を含めますと約二千万人、船員保険の被保険者は同じく約四十万人、厚生年金の被保険者は約六百九十万人を算するに至つたのでありまして、国民生活の安定に寄与することはなはだ大でありますが、それに伴いまして、これら保険の被保険考及び事業主権利保護の問題も、著しく重要性を帯びて来たのであります。  現行制度におきましては、健康保険法船員保険法及び厚生年金保険法に基く保険給付処分不服のある被保険者は、各都道府県に置かれておりますところの、独任制社会保険審査官審査請求ができ、その社会保険審査官決定不服のある者は、厚生省に置かれておりますところの、社会保険審査会審査請求ができることとなつているのであります。また保険料賦課徴収滞納処分不服のある事業主は、社会保険審査会審査請求ができることとなつておるのでありますが、いずれの場合におきましても、社会保険審査会決定にも承服できない場合におきましては、裁判所に出訴できることとなつておるのであります。  この制度は、健康保険法の施行とともに創設せられたのでありますが、最近におきまする社会保険審査会に対する審査請求件数は逐年増加し、現行制度の下においては各委員の努力にもかかわらず、現在すでに百四十件の審査請求が未処理となつておるのみならず、別途提案申し上げております健康保険及び厚生年金保険適用範囲の拡大並びに日雇労働者健康保険の創設、またこの法案による審査事項の拡張によりまして審査請求件数は、ますます増加するものと予想せられるのでありまして、本制度本来の目的である簡易迅速に被保険者及び事業主権利を保護救済するという実をあげることが困難となつたのであります。これが今回本法案提出するに至つた理由でありまして、これによつて審査の能率をあげるとともに、その公正を期したいと考えておる次第であります。  次に法案の要点について申し上げますと、第一に、社会保険審査会構成でありますが、現行審査会は、公益、被保険者利益及び事業主利益代表する非常勤委員によつて構成されておりますが、これを内閣総理大臣国会承認を得て任命いたしますところの、特別職たる常勤委員長及び委員二名をもつて組織することとしたのでありますが、他面現行制度におきまして、被保険者利益及び事業主利益代表する委員が果して参りました弁護的機能は、利益代表者に引継ぐことといたしたのであります。  第二に、審査事項でありますが、これは従来保険給付及び保険料賦課徴収滞納処分に限られておつたのでありますが、健康保険法船員保険法及び厚生年金保険法の一部改正に伴いまして、標準報酬に関する処分につきましても、審査請求を認めることといたしたのであります。  第三に、審査手続きでありますが、被保険者及び事業主権利救済に万全を期するため、この機会に若干の整備を行つたのであります。  以上をもちまして、提案理由を御説明申し上げましたが、何とぞ御審議の上、すみやかに御決定あらんことを切望いたす次第であります。
  11. 平野三郎

    平野委員長 これにて提案理由説明を終りました。  本案についての御質疑はありませんか。
  12. 鈴木義男

    鈴木(義)委員 この審査会及び審査官制度は非常に重大な意味を持つていると思うのでありますが、従来の実績に徴しましても、とかく中立委員が実際は雇い主の方の意見といつも同調して、そうして被保険者の不利益審査をするということがありましたために、絶えず問題が起り、訴訟が起つておるのであります。私自身たくさんそういう事件を扱つております。ところが今度は常勤審査委員というものを設ける。これは人格高潔にしてというようなことが書いてあるが、人格がいかに高潔でも、社会保障に関する識見が必ずしも高いとは言えないので、審査委員として適当な人が民間におる場合に、そういう人を採用するということが明らかにされるならまだ了とする余地がありますが、おそらくは官吏の古手の失業救済にこれは使われるおそれが十分あるので、われわれはこういう新しい制度に非常に疑問を持つのであります。もつとこれをほんとうに民主的に、社会保障精神に沿うように運営するということについて、政府にはどういう御用意があるか、その点を承つておきたいと思います。
  13. 久下勝次

    久下政府委員 お答えを申し上げます。本法案によりまして任命せられます社会保険審査委員につきましては、ただいま御指摘のように、この法律の定むるところによりまして、社会保険に関する識見もあり、もちろん人格高潔でありますることは当然でありますが、そのほかにまた法律あるいは社会保険に関する学識経験を持つておりますることも要件としておるのでございます。一方に片寄るような懸念のありまする方を委員に任命することは、万あるまいと考えておる次第であります。なお具体的には、この法案によりまして、国会の両院の御承認も得ることになつておりますので、さような点につきましては、また十分に御審議機会もあることと思つておるのでございます。私どもが現在かような御提案を申し上げるようになりましたのは、先ほど提案理由の御説明で申し上げておりますように、現在の三者構成審査会が、実際問題としてそれぞれ本務を持つておる方でありまする関係上、と同時に、また一面におきましては、各件の事項審査する場合には、それぞれ労、使、中立の三者の代表の方の顔がそろわないと、実際問題として三者構成の実をあげ得ないような関係もあり、さような法律規定にもなつており、運営もいたしておりまする関係上、審査会を具体的に開催するということが非常に困難ということはございませんけれども、回数が少くならざるを得ないのでございます。そのことがまた結局先ほど提案理由の御説明で申し上げましたように、現在百四十件にわたる未処理件数を数えるような状況でございまして、被保険者並びに事業主権利保護のために、はなはだ遺憾な状況であるのでございます。そこで公正に、しかもかつ簡易迅速に被保険者並びに事業主権利を保護救済する制度といたしましては、他に先例もございまするし、かような公正な方々にお願いをすることにいたしますれば、制度本来の目的にも沿うゆえんであると考えておる次第でございます。  具体的な委員人選につきましては、まだ私どもも実は全然だれの御承認もいただいておりませんので、きめてはございませんけれども、この法律の成文の定むる精神をそのままに人選をし、また人選をいたしました方につきまして、国会の御承認をいただくような手配をすべきであると考えておる次第であります。
  14. 鈴木義男

    鈴木(義)委員 抽象的にはそういうお答えにしかならないと思いますが、実際は今までの委員について見ますると、私が一つの例をあげますと、船員保険法審査についてですが、海の上で魚をとつている最中に心臓麻痺によつて死んだ。そうすると、それはいわゆる業務上の死亡でないということで、規定保険金をちようだいできないということで、私が依頼を受けて訴えを起しておる。裁判所は、どうしてこんな審査が行われたのだろうとふしぎに思つておるのでありますが、一体魚をとる者が船の上で漁撈中に病気になつて死んだ、しかも心臓麻痺で死んだ、それが過労なために心臓麻痺を起した。死ぬときは人間みな心臓麻痺を起す。心臓麻痺なるがゆえに、これは業務上の死亡でないということが理由になつておるのであります。医者に聞くと、とんでもない話だということだ。しかし、実際こんなことに一々保険金をやつてつて船会社がやつて行けない、漁業資本家がやり切れないということが理由なのでありまして、そしてその公正なるべき委員長がまず委員として一票を行使し、委員長としてまたいま一票を行使して、一票の差で保険金を給付すべからざるものと決定した、とんでもない話であります。裁判ではむろん勝つことになつておりますが、そういう審査をするような審査会を設けられるということであれば、われわれは許しがたいことであると思うのでありまして、問題はつまり委員になる人の人生観世界観の問題になつて来る。そういうものの考え方をしている人は、それがあたりまえだと思つている。でありまするから私は、そういう人間を選ぶについての基準のようなものがほんとうはほしいのでありますが、それをただ、社会保障に関する学識経験、こう言つて学識経験以上に、社会保険に対する正当な理解と熱意を持つた人でなければならない。そういう人を得ることは容易ではありませんが、少くも広く民間を探せばあるはずであります。そういう点について政府が十分の用意を持つて臨まれることを希望するとともに、この点についてはわれわれも賛否を決するについて慎重に考慮して行きたいと思うのであります。
  15. 平野三郎

    平野委員長 他に本案についての御質疑はありませんか。
  16. 長谷川保

    長谷川(保)委員 私もまた、今鈴木委員の危惧なさいますことを非常に危惧するものであります。この審査会の従来の実績から見て、ただいま局長の御答弁ですと、審査会を開くことが実際上非常に困難であるというお話でありますが、この審査会運営について、いま一段のくふうをすれば、その困難を克服できるのではないかと思うのであります。政府の御意向はいかがでありますか。
  17. 久下勝次

    久下政府委員 お話の問題につきまして、私どもの方におきましては、現行審査会事務を担当させていただいております関係もありますので、相当長い期間にわたりましていろいろ検討いたしておるのであります。ただ問題として申し上げたいと思いますことは、特に健康保険年金保険関係におきましては、御案内のように、制度としてうらはらの関係もありまするし、あるいはまた船員保険はその双方との関係におきまして、同じような考え方運営されている面が多いのでございます。従いまして、たとえば一つ健康保険に関する不服の問題が出て参りましても、この問題の処理をいたしますためには、船員保険制度の上ではどういうふうに考えているか、また将来同じような問題が起きた場合にどう考えるべきかということは、常に頭に置いて委員方々に御審査をいただかなければならないと考えております。その意味におきまして私どもの方の所管の三つ保険制度につきまして、それぞれ関連のある事項でございまするので、ここに分離して審査を行いますことは、いろいろその間に調整のとれない点もございます。なおまた逆に申し上げますると、決定をされました事項は、行政庁を拘束いたしまする関係上、その点からも相関連をする三つ法律の解釈、運用の問題については、常に関連をさして考えて行かなければならないわけでございます。審査会運営につきましても私どもはそういうことを御考慮願つておるつもりでありますし、また委員方々もそういう意味で御審議をいただいておるものと信じておるのであります。そういう点を考え合せますると、今日審査会運営というものを内容的に分離するということはまた不適当と思うのであります。そうかといつて全体を一本で現在のような運営をいたしておりますと、それぞれ、先ほども申し上げましたように、本務を持つた方が、非常に忙しい仕事を持たれる方が委員になつておられる関係上、実際問題として所定の定足数を満たすようにして会議開催できるようになりますのは、これははなはだむずかしいのでございます。実際審査会を開きますために、私どもの方の係官は数日あるいは旬日にわたりまして、各委員のところに電話、口頭等で御連絡を申し上げ、それぞれの委員方々の御都合が合いましたときに、やつと開催の運びになる。しかも開催してみても、現にごく最近に実例がございますが、御通知を申し上げ、お集りを願うと、急に都合が悪くなつて散会をするというような事情でございまして、問題は結局現行制度運営をもちましては、私どもとしては、百数十件に及ぶ未処理事件を迅速に、しかも公正に慎重に処理するということにおいて、いろいろくふう考慮してみたのでありますけれども結論が出ません。そこで御提案を申し上げておるような制度でやりましたならば、少くとも三人の方は常勤で常にそのことに頭をつつ込んでいただけるでありましようし、同時にまた利益代表者として労使双方委員の方が審理に御参画を願うということで、現行の三者構成の民主的な運営精神も入つて来るでありましようし、ということで能率的にもまた制度的にもこのような制度でやることが、結局一番いいであろうという結論に到達いたしましたので、御提案を申し上げた次第でございます。
  18. 平野三郎

    平野委員長 本案に対する質疑次会に続行いたします。     —————————————
  19. 平野三郎

    平野委員長 この際堤委員から発言を求められております。これを許します。堤委員
  20. 堤ツルヨ

    堤委員 一昨日の本委員会におきまして、現在の医科大学卒業生インターンの問題につき、戸田正三教授外五名の方々がお見えになりまして、参考人としての公述を承り、各委員はこもごも意見を中にはさみながら、例によつて質問を展開したのでございます。非常に時間をとりまして、午前中から開会の委員会は、当時正午を過ぎること一時四十分であつたと思いますが、委員の中にはおなかのすかれた方もあつたでありましようし、御疲労も見えておつたことは確かでありますが、非常に時間が長くなつてけしからぬという文句が与党の席から出まして、そのついでに、速記録にもはつきりつておりますが、女のくせになまいきなという言葉が出たのでございます。われわれ選良が公開の委員会の席上で意見を述べ、質問をすることがなまいきなというような言葉でもつて封ぜられるとするならば、これは確かに言論の抑圧でございます。なぜ女のくせになまいきなという言葉が出たかということをよく検討いたしますならば、これは少数党野党のくせになまいきなという意味を含めて、男性の女性に対する侮蔑感である、私はさように存ずるのでございます。亘議員はこの国会前の当委員会の前任期中、ちようど婦人議員が松谷、苅田、福田、堤と四人がおりましたが、婦人議員に対してしばしばかくのごとき言葉を弄せられ、よく婦人議員の間では、一度何とかしなければならぬということを言い合つたものでありますけれども、当時絶対多数の中においてわれわれは慎んで来たのでございますが、たまたま発せられたかのごとくに見えるこの女のくせになまいきなという言葉は、常にお使いになるところのこの女とか、てめえたちとか、なまいきなとかいう言葉をお使いになるいつもの例の一つが突発的に出たのでございまして、これは亘議員の性格をはつきりと物語つておるのでございます。いかに資本主義政党に属する議員であろうとも、階級意識はつきりお持ちになり、少数党野党なるがゆえに侮蔑なさつて、憲法に認められておるところの男女同権を無視した今日のこの亘議員の言動につきましては、選挙のときには候補者として女性の一票を頼まれる方が、当選して議員になるや、同僚の婦人議員に対して、かくのごとき言辞を弄せられるは、まことに不謹慎きわまると存ずるのでございます。私はこの委員会の席上において何とか措置をつけたいと存じまして、委員長に閉会されることなく、参考人先生方にお気の毒であるならばこれに出てもらつて、その後に委員会を閉会することなく、その場で何とか措置をつけていただきたいと存じて、何とかと思つて野党協力も求めようとしたのでございますが、たまたま改進党も御出席にならず、わが党も病人の岡部先生を除いては不出席でございまして、はなはだ残念ながら自由党の委員長代理をしておられましたところの野澤清人氏が、自党の暴言議員の立場を守るために閉会を宣せられ、そのままになつたのでございます。時あたかもわが党におきましては、代議士会を開会いたしておりましたので、即刻要求をいたしましたところ、国会法第百十九条並びに第百二十条の規則によりまして、侮蔑を与えた国会議員を処置されたいとの訴状提出したのでございます。御承知の通り、今国会では周知の吉田暴言がございまして、—————を連発をいたしましたところの吉田総理に対しては、わが右派社会党西村議員から訴状提出されているのでございます。残念ながら第百二十条並びに第百十九条には、但し議長はこれを何日以内に処置しなければならないという法文がございませんので、今日まだ解決を見ないのでございまして、わが党といたしましては訴状が二通議長手元に出ておるのでございますけれども、片がつかない状態でございます。昨日議長のところにわが党の幹部が行きまして、これが結末を要求いたしております。何とか議運並びに本会議場においては、御処置あろうと存ずるのでございますけれども、御不在でありました委員長にはまことに御迷惑でありますが、明晰なる委員長が御出席になりましたならば、その場合において訴状の出るがごとき結果を見ずに御始末されたであろうと存ずるのでありますが、あのときの委員長代理の不始末は、たれが見ておりましても不公平でありまして、私ははなはだ不満でございますので、不在であつたところの委員長は、委員長の責任においてこの始末を何とかしていただきたいと、私は実情をここに申し上げる次第でございます。
  21. 平野三郎

    平野委員長 ただいまの堤委員発言につきまして、この際委員長から申し上げます。ただいま堤委員から御発言がありました一昨日の本委員会における問題に関しましては、委員長は席をはずしておりましたのでありますが、すでに堤委員からは国会法第百十九条及び第百二十条により、議長手元訴状提出せられておりますることでもあり、この際本委員会としましては議長にこの問題の善処を願うこととし、委員会は議案の審査を進めたいと存ずる次第でございます。  なお委員長といたしましては、委員会における秩序の保持等につきましては、今後とも各委員の御協力を願いまして、静穏かつ円満に議事を進めて行くように一段と努力いたしたいと存ずる次第でございます。御了承願います。  本日はこれにて散会いたします。     午前十時十五分散会      ————◇—————