○堤(ツ)
委員 このあんま、はり、きゆうの
法律案を審議するにあたりまして、やはりあんま、はり、きゆう師となれば、当然これは身体障害者で、盲人の問題が皆さんの御質問を通してもいろいろと問題に
なつたのでありますが、私
たちが
考えなければならないことは、今、社会
局長がお見えに
なつておりませんし、それから残念ながら文部省の方が帰られましたけれども、盲人一人を分析してみますと、今日の日本の政治では、厚生省の中で、身体障害者というものは社会局が担当していらつしやる。それからこれが十八歳未満の子供に
なつて来ると児童局の所管に
なつて来る。そのようにこの盲人一人の生活面をいろいろと分析してみれば、たとえば
教育の問題に
なつて来ると文部省の所管に置かれているというように、身体障害者が幾つもの所管にわかれて、横の連絡を少しもお持ちにならないので、実際いろいろな欠陥が生まれて来ておるということがわかると思う。たとえば盲唖学校一つ私
たちが参観いたしましても、児童福祉の見地から厚生省が守りたいと思うところの、児童のあらゆる施設なり学校の運営などが、文部省の横やりによつてうまく運営できないとか、目的を果さないとかいうような面が非常にたくさんございます。従つて、この法律は身体障害者全般についてでございまして、盲人だけではございませんが、私ども
委員会といたしましては、身体障害者をいかなる建前において守るかということを
考えますときに、今日の行政面におけるところのあり方というものに検討を加えなければならないと思つております。厚生省自体とされましても、身体障害者
保護の
立場から、これを今後どうして行くかということは、大きな問題が残されておると思うのでございまして、厚生省内におけるところの医務
局長、
児童局長、社会
局長は、どうかもう少し省内だけでも横の連絡をおとりに
なつて身体障害者のために真剣に
考えていただきたいと私は思うのであります。ことに公衆衛生の
立場から
医務局次長は盲人に対しては責任をお持ちに
なつておるのでありますが、先先からの質疑応答を通じてはつきりいたしておりますように、身体障害者としての盲人の
立場からあなたに御質問を申し上げれば、何ら資料をお持ちにならないで、他の局と連絡をおとりに
なつていなくて、非常に
考えさせられる点が多かつた点などを
考えますときに、私
たちは、身体障害者の職業だけを切り離す、
保護の建前だけを切り離す、
教育の建前だけを切り離すということは
考えられないのであります。従つてこれは一貫した一つのものとして
考えられなければならない一つの人間の問題でございます。国会でも真剣に
考えますが、どうぞ政府当局におかれまして今穴のできておるものを真剣に
考え直して、官庁のセクシヨナリズムにとらわれることなく、真剣に
考えていただきたい。
なおあんま、はり、きゆうの問題に関しましては、私が過日申し上げました通り、政府は怠慢であります。調査も監督も不行届でございまして、今後たくさんの改めなければならないものがございますから、私
たち委員会といたしましても、政府と連絡をとりまして、こうした
人たちに対するところの今までの行政の欠陥を補つて行きたいと思いますから、どうか
委員長におかれましても、この点を本法案と切り離して、国会においても
考え、また政府においても真剣な検討をあらためて加えられて、あんま、はり、きゆう師と合せ、療術師をも含めたところのこうした業者の方々の問題を、検討し直すような建前に持つて行つていただきたいということを要望しておきたいと思います。