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太宰説明員 お手元に「
昭和二十七
年度厚生省所管補正要求額調」というのがございますので、それを順を追
つて御
説明いたしたいと存じます。
三枚めくつていただきました下の方の覧に、
厚生省所管の
一般会計の
合計分があります。先ほど
大臣から申し上げましたように、
一般会計全体では
追加額が十九億四十三万九千円、
半面修正減少額七億一千九百十一万二千円、
差引補正要求額が十一億八千百三十二万七千円と
なつてございます。
次に
項目別におもなものを申し上げたいと存じます。もどりまして、まず
大臣官房の
公務災害補償費の
増加、これは
政府職員、おもに
療養所の
看護婦、医者などが病気に感染しているような場合がいい例になると存じますが、
国家公務員がさように
公務上
災害にあいました場合の
補償に関しまして、
国家公務員災害補償法に基きまして
政府が
給与することに
なつてございますが、それが二十六
年度の実績を元として推計いたしますと、当初
予算で
不足を生ずるという
見込みが立ちましたものでありますから、その
不足額だけを一千万円そこに計上いたしました。いわば
事務的なものでございます。
それから次の
公衆衛生局の
精神衛生補助金の
増加一億二百六十八万円でございますが、
摘要欄にございますように、これは
精神衛生法に基きまして、
地方の
公立病院の
経営費、あるいは
狂暴性があるとか、あるいはそういうふうな
理由で知事の命令でこういう
病院に
入院をさせます
—措置入院と称してございますが、そういう
措置入院に関しましての
経営費、それぞれ費用を払える者からはとることに
建前が
なつてございますが、やはり
徴収率がございまして、とれない人がある。そうするとこれだけの分が
赤字になるわけでございます。その
赤字につきましては、二分の一をその
年度経過後において
国庫より補填することに
なつておりまするので、
昭和二十六
年度分の
赤字の補填を、二分の一として一億二百六十八万円計上いたしたのでございます。
それから
癩予防補助金の
増加四百四十七万五千円、これは現在
私立癩療養所が全国に三箇所、二百九十ベツドございまするが、そこの
経営費は全部国が負担することに
なつております。その
入院の点数が先般二十点から二十四点に引上げに
なつたのでありまするが、二十七
年度予算においてその分の計上がございませんので、それの
不足額の
増加を計上いたした次第であります。
上下水道一般鉱害対策事業費三千万円、これは前の
国会で通過いたしました
臨時石炭鉱害復旧法に基きまして、山口県及び九州の炭鉱に起きます
石炭の採掘によ
つて、その近辺の
上下水道か
災害を受けました、それの
復旧に要する
経費及びその影響を受けて枯渇いたした、あるいは排水が不良に
なつたというような地区に
水道を新設いたします場合の
補助でございまして、
上水週四分の一、
下水道三分の一の
補助率で要求いたしております。次の二つは
修正減少額でございます。
結核予防補助金の
減少九千三百四丁七万二千円、これは
結核予防法によりまして、
特殊治療について
公費負担をする
建前に
なつておりまするが、
そり特殊薬品のうちのパスが
値下りになりまして、その
値下りになりました分だけ
予算に
不用を生ずる
見込みでありまするので、その分を
減少いたしました次第であります。
それから
保健所補助金の
減少百八十九万一千円、これは全般的に
既定経費り中で
旅費について一〇%、
物件費について五彩を節約する
申合せをいたしましたものでありますから、
保健所に対する
補助金の分につきましても、
同様旅費、
物件費の同率による節減をいたしたために生じた
減少額でございます。
それから
医務局に入りまして、国立院
特別会計繰入れの
増加四億九千二百九万八千円、これはあとで
国立病院特別会計の方で申し上げたいと存じますが、おもなるものはやはり
国家公務員の
給与の
改訂に伴う
経費、あるいは
国立病院の
地方移譲が遅延いたしために、
経常費を三箇月分さらに計しなければならなく
なつたために生じた
経費、あるいは
食糧費、
燃料費の
不足などでございます。
それから
薬務局の
特殊薬品買上げ費の
減少四百五十四万円は、
薬務局において不時の緊急の支出に備えるために、特別に数種目の
薬品を
国家買上げの
措置をと
つておりますが、そのうちの発疹チフス・ワクチンにつきまして、やはり単価の
値下りがございましたので、その
値下り分を
不用額として計上いたしたのであります。
それから
社会局におきまして、
婦人福祉施設補助金の
増加百万三千円、これは御案内の、転落しました不幸な
婦人たちの更生するための
施設の
経営費に対する
補助金でございます。現在十七箇所ございます。定員が九百人ほどございますが、この
増加額の第一は、
事務費及び
事業費が、この春に
改訂になりました
生活保護法の各
施設の
事務費、
事業費などと歩調をそろえる意味において、これを
増加いたした分が第一であります。第二は、明年一月からの米価の
改訂に伴いまして、米価の値上り分だけの
不足を生じますので、その分を計上いたしたわけであります。それに対しまして
補助率は、
事務費の方は二分の一、それから
一般の
事業費十分の八の
補助率で計算しております。
次の
戦傷病者戦没者遺家族等援護法の
障害年金の
減少一億五千四十七万四千円、これは
戦傷病者戦没者遺家族等援護法によりまして、戦傷病者に
障害年金を支給することと相なりました。当初若干の余裕を見て計上しておつたのでありますが、その後の実績に基いて推定いたしますと、その年金の受給する員数に若干余裕が生じておりますので、その分だけを計算いたしまして、ここに
不用として立てたのであります。
それから保険局の方に入りまして、厚生保険、
船員保険特別会計繰入れ
増加六千六百六十八万円、これはいずれも
公務員の
給与改訂に伴
つて必要な
経費であります。
次の
国民健康保険者
補助金の
減少二億円、これは
国民健康保険の
事務費につきまして、全額国が
補助する
建前に
なつておりますが、その
補助の対象となります
国民健康保険の被保険者の数の推定が、当初三千万人と見込んでおりましたところが、その後の実績によりますと、こちらの期待するほど伸びておりませんために、ここに
不用として、五百万人分の
不用を生ずる
見込みでありますので、これを
修正減少いたしたのであります。
次に引揚援護庁の方に入りまして、
戦傷病者戦没者遺家族等援護法による裁定
事務関係経費の
増加、これは先ほど
大臣からも御
説明がございましたように、当初
予算の成立の方が
法律の制定に先行いたしたのでありまして、それでその後
法律の制定を見ますと、支給の
範囲が広くなり、当初は妻と子供だけを考えておつたのでありますが、
法律の制定によりますと、父母、祖父母、孫までにもこの
範囲が及んで行くというようなことで、支給の
範囲が広く
なつております。その他
弔慰金につきましても、支給件数がふえております。さようなふうに支給件数がふえて来たため、及び当然それに伴
つて、それの
事務の取扱い方法が、当初は府県及びその系統の機関で処理する予定でありましたところが、どうしても市
町村の援助を借りなければならないということになりまして、ここに市
町村に対しても
事務費を交付する必要を生じたというような
関係で、ここに
不足を生じて参りましたので、三億一千七百四十万円計上いたすことにしたのでございます。
それから老齢元
軍人等
特別給与のための
経費一億八千万円、これは
摘要欄にちよつとミス・プリントがございますので御訂正願います。「元
軍人に」とございますが、「等」という字を一つ入れていただきます。軍属、妻というものが入
つております。こういう老齢の
軍人軍属等に対しまして、さしあたり
特別給与一人二千円のわくで支給いたしたいという閣議決定がございました。これに基きまして支給いたしまする
経費及びそれの
事務費合計一億八千万円でございます。
それから特別未帰還者
給与費の
減少八千八百四十八万円、特別未帰還者と申しますのは御
承知のソ連、中共あるいは北鮮等の地域におきまして、
一般邦人でありまして、ソ連に抑留されている未復員者と同様の状態にある人たちに対しまして、未復員者に準ずる
給与を支給しておるのでございますが、その支給件数が、当初の
予算に計上いたしました分と、その後の支給の実績などに照してみますると、若干の
不用を生ずる
見込みでございまするので、その分だけを
修正減少いたしたのでございます。
それから附属機関の方に入りまして、検疫所の、行政協定に基く検疫体制に伴う
経費二百六十九万円、これは駐留軍の軍用艦船に対しまする検疫をわが方で実施いたしまする際に、軍用艦船でありまするので、夜間に入りました場合においても、それを待たせないですぐに検疫してもらいたい、そういう要望がございまして、それに相応ずることになりましたため、検疫班を二箇班ほど増強いたしたいという
経費と、増強いたしません場合においても、従来の検疫班もそれだけ労務が加重になりまするので、超過勤務手当に
不足を生ずる。その分の合計額が二百六十九万円でございます。
その次の国立
療養所でございますが、これは大体申し上げますると、第一は
食糧費の
増加でございます。これは米価の値上げに伴いまして、
食糧費を若干ふくらませたということと、それからこの春に
入院の点数が二十点から四十点に引上げになりました。その
入院料の基礎をなしまする給食の材料費が九十一円でございまするので、米価の値上りとその分と合せまして、従来の単価を九十一円まで引上げた。こういうために
食糧費の
不足を生じた。それの単価
改正による
増加分が第一。第二は
燃料費の
増加でございます。これは当初
予算に計上いたしました単価が、その後の実績、前
年度の実績などから推定いたしますると、
不足を生じて参りましたので、その単価
改訂による
増加でございます。この二つが大体おもな
増加の
理由でございます。
国立
療養所の
看護婦養成に必要な
経費の
増加、これは
摘要欄にございますように、生徒
食糧費の
増加分でございます。
それから結核
療養所の経営に必要な
経費の
増加、これは
食糧費と
燃料費の
増加。次が癩
療養所、それから精神頭部
療養所というふうに、
療養所の種別にこれが計上されている。脊髄
療養所までがそうでございます。
最後に特殊
薬品の買上費の
減少六千九百四十八万七千円、これは国立療養におきまして年間に使用たしまするストレプトマイシン、パスその他の特殊
薬品であります。保有量と照し合せてみますと、本
年度の買上げ
予算に
不用を生ずる見込でありますので、その分だけを減額いたしたのであります。
それから国立身体障害者保養所、これは伊東と別府にこのたび開設いたすことになりました戦傷病者の保養所でございますが、その伊東の分につきましては、国立伊東
病院の
施設を一部利用することに
なつておりますが、そのほかに五十ベツド増床いたしたい。並びに
看護婦宿舎を増設いたしたいというので、その
経費が千三百七十二万五千円でございます。
以上は各局別に申し上げたのでありますが、
厚生省全体を通じまして一括申し上げた方がいいと思いますのが、次に出ております
政府職員の
給与改善による
増加四億七千五百七十六万九千円、これは
一般職員二万八千九百四十人に対しまする
給与の改善と、それから年末の勤勉手当の〇・五箇月分などがおもな
増加の
理由でございます。
次に
地方公共団体委託職員の
給与改善による
増加千五百三十三万九千円は、現在国から
地方の公共団体に委託しておりまする職員が、防疫、統計調査、栄養調査等合せまして約九百八十人ほどございますので、その分につきましては国の職員と同様、
給与の改善、手当の
増額の
経費を計上したわけでございます。
次の行政機構改革に伴う
減少三十八万円は、石油が統制撤廃になりました結果、これに要しました人件費が
不用ということになりますので、その
減少であります。
既定の
旅費、
物件費等の
減少一億一千三十八万八千円は、これは先ほど
保健所補助のところで申し上げましたように、今回
既定経費のうち、
旅費について一〇%、
物件費について五%の節約をいたすことに相なりましたので、それの必要な修正額、それに浮きました額を立てたのであります。
以上合せまして、
厚生省の所管
一般会計合計といたしまして、追加が十九億四十三万九千円、
修正減少いたしまして、
差引十一億八千百三十二万七千円の追加
補正の要求をいたしております。
なおこのほかに先ほど
大臣からも申し上げましたが、
母子家庭対策といたしまして、
母子家庭に対する
貸付金の制度を今回創設いたすことといたしまして、これの方法として
国民金融公庫を利用することになりましたので、それに対する
政府出資が五億ほどございますが、これは大蔵省所管に計上しております。これは念のためにそこに書いただけでございます。
それからその次は
特別会計が三つございますが、まず
厚生保険特別会計におきましては、
業務勘定というところに
事務費の
関係の
経費がございますが、その中で
政府職員の
給与改善に必要な
経費七千二百三十一万八千円、これは
一般職員と同様、
給与の
改訂及び勤勉手当の支給に必要な
経費でございます。節約による
減少は
一般会計同様、
旅費物件費の節約による
減少でございます。
差引いたしまして六千四百五十二万八千円を
一般会計より繰入れることに相なるわけであります。
船員保険特別会計、お手元に差上げました資料に、ひよつとして
業務勘定と書いてありましたらお消しを願います。
船員保険特別会計におきましても同様、
政府職員の
給与改善に必要な
経費、それから
旅費、
物件費の節約分との
差引二百十五万二千円を追加計上しております。
それから
国立病院特別会計におきましては、いろいろ出ておりまするが、この分は、まず第一には
国立病院の
地方移譲の遅延に伴いまする
経営費の計上であります。先ほど
大臣から申し上げましたように、当初九十九箇所の
国立病院のうち、いろいろな事情で残置するものを除きまして六十箇所を
地方に
移譲したい。そうしてその
経営費として、本
年度中に行くものと考えて平均九箇月分の
経営費を組んでおつたのでありまするが、
法律の制定が七月の末になりまして、それから
地方との折衝が始まるというぐあいで、ただいま
地方との折衝をや
つておる状況でございます。今日の見通しにおきまして、すでに一箇所だけはきまりまして、十二月から
地方に
移譲されるということに予定しておりまするが、その他の五十九箇所につきましては、
移譲の話がうまくきまろうときまらないとにかかわらず、今
年度一ぱいの
経営費は国において見なければならないであろうという推定が立ちましたものでありまするから、
差引三箇月分の
経営費をそこに計上したのであります。それで
国立病院でありまするので、当然
歳入もふくらみます。
歳入の方においては、料金収入の
増加一億七千五百五十四万二千円、これは五十九箇所の三箇月分の収入増、義肢販売修理収入は、
移譲する予定の
病院のうちに義肢工場が二箇所入
つておりまするので、やはりその工場の三箇月分の収入の
増加でございます。それから残りを
一般会計と積立金からとの受入れによ
つて補うことに
なつておりまするが、積立金の方は前
年度の収支の決算によりまして、一億五千万円ほど余剰が出まして、これを積立金として計上してありまする。それを繰入れたのであります。残りは全部
一般会計からの繰入れとなります。
歳出の面におきまして、まず職員の
給与改善に必要な
経費三億一千六百六十四万九千円は、職員一万七千百六人に対しますところの
給与改訂、及び勤勉手当の支給に必要な
経費の増でございます。
国立病院の統轄
運営に必要な
経費四千八百九十七万六千円は、適用欄にございますように、
地方移譲の遅延によりまして、
国家公務員の共済組合に対しまする
国庫負担金、あるいは退官、退職手当及び
公務災害の
補償費等が自然
増加いたさざるを得なくなりますので、その分の
経費の計上でございます。
三番目の
国立病院の経営に必要な
経費七億五千五百八十四万一千円は、
地方移譲の遅延によりまする職員の人件費、あるいは
物件費の三箇月分の増と、それから医療費の増とありまするのは、特殊
薬品につきまして八千万円ほど必要を生じましたので、それを追加いたしたい。それから米価
改訂による
食糧費、これは米価のみならず
燃料費の方も入りますので、米価及び
燃料費とお入れ願いたいと思います。
〔
委員長退席、大石(武)
委員長代
理着席〕
これは先ほどの
療養所におけると同様、
食糧費が米価の値上り及び
入院点数の引上げに伴いまして、その食糧の材料費の値上りが、
歳入増がありますので、それに見合いまするだけの
歳出をここに計上いたしたのであります。
燃料費は実績に基く
不足額の計上であります。
国立病院の建物その他諸設備整備に必要な
経費三千三百四十八万六千円は、
一般補修費の増と、それから特別に特に緊急に修理を要しまする九箇所分の整備費の合計額でございます。
義肢製作に必要な
経費百三十六万六千円は、やはり
地方移譲の遅延に伴う義肢製作に関連する人件費、
物件費の
増加であります。
看護婦養成所に必要な
経費、やはり
地方移譲に予定しておりまする
病院に付設いたしまする甲種
看護婦五箇所、乙種
看護婦四箇所分の人件費、
物件費の増と、及びその
看護婦に食糧を支給いたします
食糧費の米価
改訂による単価増でございます。
減額の方に入りまして、
国立病院の
地方移譲に伴う
経費の
減少一億八千四百二十三万円は、
地方移譲の遅延による退官退職手当などの
不用額でございます。
不用額の次に「の
減少」という文字が入
つておりましたら恐縮でございますが、御訂正願いたい。
それから
国債整理基金
特別会計へ繰入れの
経費の
減少二百九十二万五千円は、
国立病院は事業でございますので、収入でも
つて支出をまかなうというのが原則ではございまするが、四月
年度初めにおきまして、まだ収入が確実に上らないうちから
入院患者に対する、その他の支出
経費は当初から支出がありますので、それの一時の運転資金と申しますか、借入れの道が開かれてございます。それに対しまする利子を払いまする額も当初
予算に計上しておるのでございますが、その借入金のわくが、今
年度の実績によりますと、半分以下の借入れで済んだものでありますから、それに相応ずる利子支払い
予算が減額を生じてよろしいという
見込みが立ちましたので、ここに
減少をいたしたわけであります。
その次の節約による
減少九百五十七万二千円は、
一般と
同様旅費、
物件費の節約でございます。
予備費の
減少五千万円は、当初六千万円の予備費を計上しておりましたが、そのうち一千万円を残しましてこれを
歳出の整備費の方に
補正予算として計上するという意味合いから、ここで、形式上の問題でありますが、予備費として一応五千万円を
減少しておるわけであります。
以上によりまして、
国立病院特別会計は、
追加額十一億六千五百七十九万一千円に対して、
修正減少額三億四千六百七十二万七千円、
差引追加
補正額八億一千九百六万四千円と
なつております。
以上が二十七
年度の
補正予算要求額のあらましでございます。