運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1952-11-26 第15回国会 衆議院 厚生委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十一月二十六日(水曜日)     午前十時二十八分開議  出席委員    委員長 平野 三郎君    理事 大石 武一君 理事 野澤 清人君    理事 山下 春江君 理事 堤 ツルヨ君    理事 長谷川 保君       新井 京太君    新井 堯爾君       池田  清君    勝俣  稔君       加藤鐐五郎君    永山 忠則君       日高 忠男君    平澤 長吉君       吉江 勝保君    亘  四郎君       佐藤 芳男君    高橋 禎一君       町村 金五君    鈴木 義男君       島上善五郎君    柳田 秀一君       只野直三郎君  出席国務大臣         厚 生 大 臣 山縣 勝見君  出席政府委員         厚生政務次官  越智  茂君         厚生事務官         (医務局長事務         代理)     高田 浩運君  委員外出席者         厚生事務官         (大臣官房総務         課長)     小山進次郎君         厚生事務官         (大臣官房会計         課長)     太宰 博邦君         専  門  員 川井 章知君         専  門  員 引地亮太郎君         専  門  員 山本 正世君     ――――――――――――― 十一月二十二日  委員本多市郎君辞任につき、その補欠として亘  四郎君が議長の指名で委員選任された     ――――――――――――― 十一月二十四日  保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案  (内閣提出第六号)(予)  あん摩師はり師、きゆう師及び柔道整復師法  及び診療エツクス線技師法の一部を改正する法  律案内閣提出第七号)(予) 同月二十二日  しんきゆう師法制定請願荒木萬壽夫君紹  介)(第三号)  優生保護法に基く受胎調節普及実施に関する請  願(青柳一郎紹介)(第三二号)  網走保健所昇格等に関する請願高倉定助君  紹介)(第四八号)  上士幌村居辺無水地帯上水道敷設請願(高  倉定助紹介)(第七二号)  汚物掃除法の一部改正等に関する請願谷川昇  君紹介)(第七九号)  同(椎熊三郎紹介)(第一二六号)  戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部改正に関す  る請願南好雄紹介)(第八〇号)  戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部改正等に関  する請願原茂紹介)(第一二四号)  生活保護者に対する遺族年金及び障害年金の取  扱に関する請願前田正男君外三名紹介)(第  一二五号) の審査を本委員会付託された。 同月十二日  国民健康保険事業改善強化策実現に関する陳  情書  (第五四号)  母子福祉法制定に関する陳情書  (第五五号)  同  (第五六号)  遺族保補償に関する陳情書外三件  (第五八号)  同外四十五件  (第五九号)  同(第六  〇号)  同外三件  (第六一号)  同外八件  (第六二号)  同(  第六三号)  元満州開拓民及び青年義勇隊並び勤労奉仕団  員犠牲者遺族等に対する補償陳情書  (第六四号) 同月十四日  国民健康保険補助増額陳情書  (第十四二号)  国民保険保険事業に対する国庫補助増額陳情  書(第一四三号)  母子福祉法制定に関する陳情書  (第一四四号)  らい予防法改正促進陳情書  (第一四  五号)  北海道の保育所に対する冬期暖房用燃料費交付  の陳情書(第一四  七号)  戦傷病者戦没者遺族等援護法に伴う事務委託費  の増額陳情書(  第一四八号)  戦傷病者戦没者遺族等援護法改正措置に関する  陳情書(第一四九  号)  戦傷病者戦没者遺族等援護法予算拡充に関す  る陳情書(第一  五〇号)  世話業務委託費増額陳情書  (第一五一号)  遺族国債現金化予算大幅増額陳情書  (第一五二号)  遺族補償に関する陳情書外八件  (第一  五三号)  同外七件  (第一五四号) 同月十九日  准看護婦養成所設立に関する陳情書  (第二二二号)  結核医療費全額国庫負担陳情書  (第二二三号)  国民健康保険給付費に対する二割国庫補助の実  現に関する陳情書  (第二二六号)  浮浪者対策に関する陳情書  (第二二七号)  戦傷病者戦没者遺族等援護法による弔慰金国債  の換金に関する陳情書  (第二二八号)  傷病者戦没者遺族等援護法運営  並びに改正に関する陳情書  (第二二九号)  未復員療養者援護措置に関する陳情書  (第二三〇号)  戦傷病者援護対策強化に関する陳情書  (第二三一号)  遺族補償に関する陳情書外三件  (第二  三二号)  同外一件  (第二三三号)  同(第二三四号)  同外二十八件  (第二三五号)  特別鉱害下水道復旧工事促進に関する陳情書  (第二二六  号)  災害救助法等に関する陳情書  (第二三八号) 同月二十一日  結核予防に関する陳情書  (第三三三号)  国民健康保険再建整備資金貸付法による貸付条  件緩和陳情書  (第三三四号)  健康保険等医療給付費国庫負担に関する陳情  書(第三  三五号)  遺族補償に関する陳情書  (第三三六号)  同  (第三三七号)  同  (第三三八号)  同  (第三三九号)  戦傷病者戦没者遺族等援護法改正に関する陳  情書(第三四〇号)  戦病死者遺家族等援護対策に関する陳情書  (第三四一号)  満洲開拓遺族並びに留守家族援護促進に関する  陳情書(  第三四二号)  国立公園施設費増額に関する陳情書  (第三四三号)  伊勢志摩集団施設工事早期着工に関する陳情  書  (第三四四号)  南島四箇村の伊勢志摩国立公園編入に関する陳  情書  (第三四五号)  磯部村地内にゴルフ場設置に関する陳情書  (第三四六号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  小委員及び小委員長選任に関する件  保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案  (内閣提出第六号)(予)  あん摩師はり師、きゆう師及び柔道整復師法  及び診療エツクス線技師法の一部を改正する法  律案内閣提出第七号)(予)  昭和二十七年度厚生省関係予算補正に関する説  明聴取     ―――――――――――――
  2. 平野三郎

    平野委員長 これより会議を開きます。  まず小委員会設置の件についてお諮りいたします。委員諸君の御希望もありますし、委員会運営を円滑ならしむるためにも、この際当委員会に、人口問題に関する小委員会母子福祉対策に関する小委員会水道に関する小委員会戦争犠牲者補償に関する小委員会国民健康保険に関する小委員会国立公園に関する小委員会、以上六つの小委員会を設置することとし、小委員の数の決定、並びに小委員、小委員長選任に関しましては、委員長に御一任願いたいのでありまするが、このように決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 平野三郎

    平野委員長 御異議もないようでありますから、以上六つの小委員会は設置することといたし、人口問題に関する小委員会は、小委員の数を七名といたしまして、小委員には    池田  清君  加藤鐐五郎君    勝俣  稔君  山下 春江君    岡部 周治君  島上善五郎君  只野直三郎君以上の七君を、小委員長には池田清君を、それぞれ指名いたします。  次に母子福祉対策小委員会は、小委員の数を六名とし、小委員には    野澤 清人君  吉江 勝保君    亘  四郎君  高橋 禎一君    堤ツルヨ君   長谷川保君の六君を、小委員長には亘四郎君を、それぞれ指名いたします。  次に水道に関する小委員会は、小委員の数を六名とし、小委員には    勝俣  稔君  日高 忠男君    平澤 長吉君  山下 春江君    鈴木 義男君  長谷川 保君の六君を、小委員長勝俣稔君を、それぞれ指名いたします。  次に戦争犠牲者補償に関する小委員会は、小委員の数を六名とし、小委員には    永山 忠則君  野澤 清人君    吉江 勝保君  町村 金五君    堤 ツルヨ君  島上善五郎君の六君を、小委員長には吉江勝保君を、それぞれ指名いたします。  次に国民健康保険に関する小委員会は、小委員の数を七名とし、小委員には    加藤鐐五郎君  永山 忠則君    野澤 清人君  勝俣  稔君    佐藤 芳男君  岡部 周治君    柳田 秀一君の七君を、小委員長には永山忠則君を、それぞれ指名いたします。  次に国立公園に関する小委員会は、小委員の数を七名とし、小委員には    新井 京太君  新井 堯爾君    吉江 勝保君  堤 康次郎君    鈴木 義男君  柳田 秀一君    只野直三郎君の七君を、小委員長には新井京太君を、それぞれ指名いたします。     —————————————
  4. 平野三郎

    平野委員長 次に昨日当委員会予備審査のために付託となりました保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案、並びにあん摩師はり師、きゆう師及び柔道整復師法及び診療エツクス線技師法の一部を改正する法律案の両案を一括議題とし、審査に入ります。まず政府より趣旨の説明を聴取したいと存じます。山縣厚生大臣
  5. 山縣勝見

    山縣国務大臣 ただいま議題となりました保険婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由説明いたします。  旧看護婦規則により看護婦免許を受けた者で、新制度の保健婦学校養成所または助産婦学校養成所を卒業した者につきましては、現行法の規定では、保健婦国家試験または助産婦国家試験受験資格を有しないのであります。  そこで右の者にそれぞれの国家試験を受ける資格を与え、旧規則看護婦保健婦または助産婦となる道を開くため、保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する必要があるのであります。  何とぞすみやかに御審議の上可決せられるようお願いいたします。  次にあん摩師はり師、きゆう師及び柔道整復師法及び診療エツクス線技師法の一部を改正する法律案提案理由の御説明を申し上げます。  まずあん摩師はり師、きゆう師及び柔道整復師法改正要点について申し上げたいと思うのでありまするが、その要点は次の三点にあるのであります。  第一は、大学への入学資格を有する者、すなわち新制高校卒業生につきましては、はり師、きゆう師または柔道整復師学校等における修業年限を二年以上に短縮したことであります。  新制中学卒業生はり師、きゆう師または柔道整復師学校等における修業年限は四年以上でありますが、新制高校卒業生一般科目教育を履修しておりますので、特に二年以上に短縮しても十分教育効果を上げることができるからであります。  第二は、旧制国民学校高等科卒業生等につきまして、あん摩師はり師、きゆう師または柔道整復師学校等への入学資格特例を認めたことであります。  本来これらの学校等入学資格新制中学卒業生なつているのでありますが、中途失明者の救済を行う必要もあり、右の者に人学資格特例を認めたい所存であります。  第三は、旧制中等学校卒業生等につきましても、はり師、きゆう師または柔道整復師学校等における修業年限を二年以上に短縮したことであります。右の者も一般科目教育を相当履修しておりますので、修業年限を短縮しても十分教育効果を上げることを期待できるからであります。  次に診療エツクス線技師法改正の要旨は、旧制中等学校卒業生等診療エツクス線技師学校等への入学資格特例を認めたことであります。  本来診療エツクス線技師学校等入学資格は、新制高校卒業生なつているのでありますが、右の者は新制高校卒業生同様一般科目教育を相当履修しており、これらの者に入学を認めても十分診療エツクス線技師となるのに必要な知識及び技能を修得せしめることができるからであります。  何とぞすみやかに御審議の上可決せられるようお願いいたします。
  6. 平野三郎

    平野委員長 これにて保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案並びあん摩師はり師、きゆう師及び柔道整復師法及び診療エツクス線技師法の一部を改正する法律案に対する提案理由説明を終りました。引続いて審議に入るのが順序でありまするが、いまだ付託なつたばかりで、委員諸君も御検討になつておらないと存じまするので、次の機会に譲ります。     —————————————
  7. 平野三郎

    平野委員長 次に昭和二十七年度厚生省関係予算補正に関する件について、まず前回委員会で聞きました説明の、その後の状況について政府当局より説明を聴取いたしたいと存じます。厚生大臣山縣勝見君。
  8. 山縣勝見

    山縣国務大臣 前回委員会におきまして、昭和二十七年度予算補正に関して、ちようど閣議においてこれらの問題が審議中でございましたので、中間報告を申し上げておいたのであります。その後御承知通り政府におきまして昭和二十七年度補正予算の考え方をまとめ、ただいま国会補正予算に関して審議をお願いしておるのでありまするが、今国会に御審議をお願いいたしておりまする政府の原案につきまして申し上げたいと思います。  今回厚生省関係予算補正につきましては、結局補正追加が十九億四十三万円でございます。後ほど詳細に会計課長から申し上げると思いますので、私は大綱だけ申し上げたいと思います。なお修正減少いたしましたのは七億千九百十一万円であります。差引十一億八千百三十二万円の補正増加なつております。従つて予算案は、御承知通り当初予算が七百九億九千七百万円でございましたから、これに加えまして七百二十一億七千八百三十二万円ということに相なるのであります。  なおまたこれは一般会計についてでございますが、特別会計につきましては、厚生保険特別会計業務勘定において、これは歳入歳出とも六千四百五十二万円、なおまた船員保険歳入が二百十五万円、歳出が二百七十五万円、国立病院特別会計におきましては歳入歳出とも八億千九百六万円、こういうことになつておるのであります。これらの詳細につきましては、後ほど会計課長から御説明申し上げたいと思いますが、私はこれらの予算補正に関しましてのおもな点について申し上げたいと思うのであります。  第一点は、戦傷病者戦没者遺家族等援護法によりまして、御承知通り障害年金あるいは遺族年金あるいは弔慰金等遺族方々に差上げておるのでありますが、これは前回もたしか触れたと思いますけれども、御承知通り関係法令整備等も時日を要し、実際上各府県におきまして、遺族方々あるいはその他から受付をして、実際の手続を開始いたしましたのは、六月の末あるいは七月でございます。従つてわれわれの考えておりました通りには、また一般国民方々が考えておりました通りには行かないで、これらの年金証書あるいはその他が遺族その他の手に入ることが非常に遅れましたので、これは私も就任以来まことに残念と考えまして、何とかこれの促進をはかりたいと思いまして、御承知通り予算の策定以後に、法律あるいは関係法令が出たり、その後支給対象範囲が拡大いたしましたり、いろいろな関係もあり、事務促進等に関しまする事務費、そういうことに関して三億千七百四十万円をこの補正予算において計上いたしました。なお先般も申し上げましたが、その後これらの事務処理促進に関しましては、緊急措置をとつて現在やつておるのであります。それらに関しまする経費三億千七百四十万円。  それか第二は、先般御承知通り、旧軍人のうち老齢の軍人に対します特別給与の点でありますが、これは一億八千万円の予算を計上いたしまして、六十歳以上の方またはその妻の方に対して、二千円の特別給与をこの年末に際して差上げたいというのが第二。  第三は、母子家庭に対する福祉対策の一つといたしまして、国民金融金庫一般会計から今回の補正予算において三十億の出資追加をいたしておりますが、そのうちの五億をこれにさきまして、母子家庭、未亡人の方に対する生業資金としてとりあえず出すということで、三十億のうち五億をこれに追加いたしたのであります。  第四番目に、国立病院地方移譲が先般きまりまして、本年度中に九十九箇所中の六十箇所を、できれば地方移譲したいということでもつて進んで参りましたが、いろいろな関係でこれが遅れまして、所期の移譲ができておりません。なおまた当初予算におきましては、これらに対しまして九箇月分の経費を計上いたして参りましたので、従つて地方移譲が遅れておりますることに関して、本年度移譲を完了いたしませんものに対して、九箇月分の経費を改めまして、本年度末までの経費を計上いたしたのであります。  なおこのほかに、これは表面には厚生省予算補正としては出ておりませんけれども、かねて御承知遺族方々弔慰金五万円、国債を担保に遺族方々に対して政府が何らか金融の道を講じたいということでもつて、十億を大体限度といたして、十億の範囲において何か考慮するということに相なつておりましたが、今回一般会計から国民金融金庫に対する追加出資の三十億のうちの十億をこれに充てたのであります。従つてこの三十億のうちの十億が遺族方々に対する融資、五億が母子に対するもの、こういうふうに相なつておるのであります。  これが主として今回の補正予算の中で申し上げたいと考えるものでありますが、そのほかに御承知でありましようけれども、政府職員に対する給与ベース改訂になりますに従つて必要な経費、なおまた臨時石炭鉱害復旧法に基きます上下水道一般鉱害対策に必要な経費、あるいはまた国立病院国立療養所等におきます食糧費あるいは燃料費、これらに必費な経費、これは当然計上いたしまして、予算補正をいたしたのであります。しかしまた結核予防法補助金でありますとか、あるいは戦傷病者戦没者遺家族等援護法によります障害年金給与に関します給与費、あるいはまた国民健康保険事務費補助金、あるいはまた特殊未帰還者給与法によりまする給与費、あるいは一般旅費物件費等の節約、これらに関しまして多少修正減少をいたしまするものもございます。これは一方において必要なる経費を出しまするとともに修正減少をいたしたのであります。結局先ほど申しました通り、十九億四十三万円の予算追加に対して七億一千九百十一万二千円の修正減少をいたして、差引十一億八千百三十二万七千円、これだけ予算補正をいたしました次第であります。  なお昭和二十八年度予算に関しましては、今後方針を策定いたし研究をいたすことに相なつておりますので、とりあえず昭和二十七年度厚生省所管一般会計並びに特別会計予算補正に関しまして、大体の基本的な点を申し上げた次第であります。なお詳細の点は関係の係官から御説明申し上げます。
  9. 平野三郎

    平野委員長 ただいまの件につきまして会計課長より詳細なる点の説明を求めたいと思います。
  10. 太宰博邦

    太宰説明員 お手元に「昭和二十七年度厚生省所管補正要求額調」というのがございますので、それを順を追つて説明いたしたいと存じます。三枚めくつていただきました下の方の覧に、厚生省所管一般会計合計分があります。先ほど大臣から申し上げましたように、一般会計全体では追加額が十九億四十三万九千円、半面修正減少額七億一千九百十一万二千円、差引補正要求額が十一億八千百三十二万七千円となつてございます。  次に項目別におもなものを申し上げたいと存じます。もどりまして、まず大臣官房公務災害補償費増加、これは政府職員、おもに療養所看護婦、医者などが病気に感染しているような場合がいい例になると存じますが、国家公務員がさように公務災害にあいました場合の補償に関しまして、国家公務員災害補償法に基きまして政府給与することになつてございますが、それが二十六年度の実績を元として推計いたしますと、当初予算不足を生ずるという見込みが立ちましたものでありますから、その不足額だけを一千万円そこに計上いたしました。いわば事務的なものでございます。  それから次の公衆衛生局精神衛生補助金増加一億二百六十八万円でございますが、摘要欄にございますように、これは精神衛生法に基きまして、地方公立病院経営費、あるいは狂暴性があるとか、あるいはそういうふうな理由で知事の命令でこういう病院入院をさせます—措置入院と称してございますが、そういう措置入院に関しましての経営費、それぞれ費用を払える者からはとることに建前なつてございますが、やはり徴収率がございまして、とれない人がある。そうするとこれだけの分が赤字になるわけでございます。その赤字につきましては、二分の一をその年度経過後において国庫より補填することになつておりまするので、昭和二十六年度分の赤字の補填を、二分の一として一億二百六十八万円計上いたしたのでございます。  それから癩予防補助金増加四百四十七万五千円、これは現在私立癩療養所が全国に三箇所、二百九十ベツドございまするが、そこの経営費は全部国が負担することになつております。その入院の点数が先般二十点から二十四点に引上げになつたのでありまするが、二十七年度予算においてその分の計上がございませんので、それの不足額増加を計上いたした次第であります。  上下水道一般鉱害対策事業費三千万円、これは前の国会で通過いたしました臨時石炭鉱害復旧法に基きまして、山口県及び九州の炭鉱に起きます石炭の採掘によつて、その近辺の上下水道災害を受けました、それの復旧に要する経費及びその影響を受けて枯渇いたした、あるいは排水が不良になつたというような地区に水道を新設いたします場合の補助でございまして、上水週四分の一、下水道三分の一の補助率で要求いたしております。次の二つは修正減少額でございます。結核予防補助金減少九千三百四丁七万二千円、これは結核予防法によりまして、特殊治療について公費負担をする建前なつておりまするが、そり特殊薬品のうちのパスが値下りになりまして、その値下りになりました分だけ予算不用を生ずる見込みでありまするので、その分を減少いたしました次第であります。  それから保健所補助金減少百八十九万一千円、これは全般的に既定経費り中で旅費について一〇%、物件費について五彩を節約する申合せをいたしましたものでありますから、保健所に対する補助金の分につきましても、同様旅費物件費の同率による節減をいたしたために生じた減少額でございます。  それから医務局に入りまして、国立院特別会計繰入れの増加四億九千二百九万八千円、これはあとで国立病院特別会計の方で申し上げたいと存じますが、おもなるものはやはり国家公務員給与改訂に伴う経費、あるいは国立病院地方移譲が遅延いたしために、経常費を三箇月分さらに計しなければならなくなつたために生じた経費、あるいは食糧費燃料費不足などでございます。  それから薬務局特殊薬品買上げ費減少四百五十四万円は、薬務局において不時の緊急の支出に備えるために、特別に数種目の薬品国家買上げ措置をとつておりますが、そのうちの発疹チフス・ワクチンにつきまして、やはり単価の値下りがございましたので、その値下り分不用額として計上いたしたのであります。  それから社会局におきまして、婦人福祉施設補助金増加百万三千円、これは御案内の、転落しました不幸な婦人たちの更生するための施設経営費に対する補助金でございます。現在十七箇所ございます。定員が九百人ほどございますが、この増加額の第一は、事務費及び事業費が、この春に改訂になりました生活保護法の各施設事務費事業費などと歩調をそろえる意味において、これを増加いたした分が第一であります。第二は、明年一月からの米価の改訂に伴いまして、米価の値上り分だけの不足を生じますので、その分を計上いたしたわけであります。それに対しまして補助率は、事務費の方は二分の一、それから一般事業費十分の八の補助率で計算しております。  次の戦傷病者戦没者遺家族等援護法障害年金減少一億五千四十七万四千円、これは戦傷病者戦没者遺家族等援護法によりまして、戦傷病者に障害年金を支給することと相なりました。当初若干の余裕を見て計上しておつたのでありますが、その後の実績に基いて推定いたしますと、その年金の受給する員数に若干余裕が生じておりますので、その分だけを計算いたしまして、ここに不用として立てたのであります。  それから保険局の方に入りまして、厚生保険、船員保険特別会計繰入れ増加六千六百六十八万円、これはいずれも公務員の給与改訂に伴つて必要な経費であります。  次の国民健康保険補助金減少二億円、これは国民健康保険事務費につきまして、全額国が補助する建前なつておりますが、その補助の対象となります国民健康保険の被保険者の数の推定が、当初三千万人と見込んでおりましたところが、その後の実績によりますと、こちらの期待するほど伸びておりませんために、ここに不用として、五百万人分の不用を生ずる見込みでありますので、これを修正減少いたしたのであります。  次に引揚援護庁の方に入りまして、戦傷病者戦没者遺家族等援護法による裁定事務関係経費増加、これは先ほど大臣からも御説明がございましたように、当初予算の成立の方が法律の制定に先行いたしたのでありまして、それでその後法律の制定を見ますと、支給の範囲が広くなり、当初は妻と子供だけを考えておつたのでありますが、法律の制定によりますと、父母、祖父母、孫までにもこの範囲が及んで行くというようなことで、支給の範囲が広くなつております。その他弔慰金につきましても、支給件数がふえております。さようなふうに支給件数がふえて来たため、及び当然それに伴つて、それの事務の取扱い方法が、当初は府県及びその系統の機関で処理する予定でありましたところが、どうしても市町村の援助を借りなければならないということになりまして、ここに市町村に対しても事務費を交付する必要を生じたというような関係で、ここに不足を生じて参りましたので、三億一千七百四十万円計上いたすことにしたのでございます。  それから老齢元軍人特別給与のための経費一億八千万円、これは摘要欄にちよつとミス・プリントがございますので御訂正願います。「元軍人に」とございますが、「等」という字を一つ入れていただきます。軍属、妻というものが入つております。こういう老齢の軍人軍属等に対しまして、さしあたり特別給与一人二千円のわくで支給いたしたいという閣議決定がございました。これに基きまして支給いたしまする経費及びそれの事務費合計一億八千万円でございます。  それから特別未帰還者給与費減少八千八百四十八万円、特別未帰還者と申しますのは御承知のソ連、中共あるいは北鮮等の地域におきまして、一般邦人でありまして、ソ連に抑留されている未復員者と同様の状態にある人たちに対しまして、未復員者に準ずる給与を支給しておるのでございますが、その支給件数が、当初の予算に計上いたしました分と、その後の支給の実績などに照してみますると、若干の不用を生ずる見込みでございまするので、その分だけを修正減少いたしたのでございます。  それから附属機関の方に入りまして、検疫所の、行政協定に基く検疫体制に伴う経費二百六十九万円、これは駐留軍の軍用艦船に対しまする検疫をわが方で実施いたしまする際に、軍用艦船でありまするので、夜間に入りました場合においても、それを待たせないですぐに検疫してもらいたい、そういう要望がございまして、それに相応ずることになりましたため、検疫班を二箇班ほど増強いたしたいという経費と、増強いたしません場合においても、従来の検疫班もそれだけ労務が加重になりまするので、超過勤務手当に不足を生ずる。その分の合計額が二百六十九万円でございます。  その次の国立療養所でございますが、これは大体申し上げますると、第一は食糧費増加でございます。これは米価の値上げに伴いまして、食糧費を若干ふくらませたということと、それからこの春に入院の点数が二十点から四十点に引上げになりました。その入院料の基礎をなしまする給食の材料費が九十一円でございまするので、米価の値上りとその分と合せまして、従来の単価を九十一円まで引上げた。こういうために食糧費不足を生じた。それの単価改正による増加分が第一。第二は燃料費増加でございます。これは当初予算に計上いたしました単価が、その後の実績、前年度の実績などから推定いたしますると、不足を生じて参りましたので、その単価改訂による増加でございます。この二つが大体おもな増加理由でございます。  国立療養所看護婦養成に必要な経費増加、これは摘要欄にございますように、生徒食糧費増加分でございます。  それから結核療養所の経営に必要な経費増加、これは食糧費燃料費増加。次が癩療養所、それから精神頭部療養所というふうに、療養所の種別にこれが計上されている。脊髄療養所までがそうでございます。  最後に特殊薬品の買上費の減少六千九百四十八万七千円、これは国立療養におきまして年間に使用たしまするストレプトマイシン、パスその他の特殊薬品であります。保有量と照し合せてみますと、本年度の買上げ予算不用を生ずる見込でありますので、その分だけを減額いたしたのであります。  それから国立身体障害者保養所、これは伊東と別府にこのたび開設いたすことになりました戦傷病者の保養所でございますが、その伊東の分につきましては、国立伊東病院施設を一部利用することになつておりますが、そのほかに五十ベツド増床いたしたい。並びに看護婦宿舎を増設いたしたいというので、その経費が千三百七十二万五千円でございます。  以上は各局別に申し上げたのでありますが、厚生省全体を通じまして一括申し上げた方がいいと思いますのが、次に出ております政府職員給与改善による増加四億七千五百七十六万九千円、これは一般職員二万八千九百四十人に対しまする給与の改善と、それから年末の勤勉手当の〇・五箇月分などがおもな増加理由でございます。  次に地方公共団体委託職員の給与改善による増加千五百三十三万九千円は、現在国から地方の公共団体に委託しておりまする職員が、防疫、統計調査、栄養調査等合せまして約九百八十人ほどございますので、その分につきましては国の職員と同様、給与の改善、手当の増額経費を計上したわけでございます。  次の行政機構改革に伴う減少三十八万円は、石油が統制撤廃になりました結果、これに要しました人件費が不用ということになりますので、その減少であります。  既定の旅費物件費等減少一億一千三十八万八千円は、これは先ほど保健所補助のところで申し上げましたように、今回既定経費のうち、旅費について一〇%、物件費について五%の節約をいたすことに相なりましたので、それの必要な修正額、それに浮きました額を立てたのであります。  以上合せまして、厚生省の所管一般会計合計といたしまして、追加が十九億四十三万九千円、修正減少いたしまして、差引十一億八千百三十二万七千円の追加補正の要求をいたしております。  なおこのほかに先ほど大臣からも申し上げましたが、母子家庭対策といたしまして、母子家庭に対する貸付金の制度を今回創設いたすことといたしまして、これの方法として国民金融公庫を利用することになりましたので、それに対する政府出資が五億ほどございますが、これは大蔵省所管に計上しております。これは念のためにそこに書いただけでございます。  それからその次は特別会計が三つございますが、まず厚生保険特別会計におきましては、業務勘定というところに事務費関係経費がございますが、その中で政府職員給与改善に必要な経費七千二百三十一万八千円、これは一般職員と同様、給与改訂及び勤勉手当の支給に必要な経費でございます。節約による減少一般会計同様、旅費物件費の節約による減少でございます。差引いたしまして六千四百五十二万八千円を一般会計より繰入れることに相なるわけであります。  船員保険特別会計、お手元に差上げました資料に、ひよつとして業務勘定と書いてありましたらお消しを願います。船員保険特別会計におきましても同様、政府職員給与改善に必要な経費、それから旅費物件費の節約分との差引二百十五万二千円を追加計上しております。  それから国立病院特別会計におきましては、いろいろ出ておりまするが、この分は、まず第一には国立病院地方移譲の遅延に伴いまする経営費の計上であります。先ほど大臣から申し上げましたように、当初九十九箇所の国立病院のうち、いろいろな事情で残置するものを除きまして六十箇所を地方移譲したい。そうしてその経営費として、本年度中に行くものと考えて平均九箇月分の経営費を組んでおつたのでありまするが、法律の制定が七月の末になりまして、それから地方との折衝が始まるというぐあいで、ただいま地方との折衝をやつておる状況でございます。今日の見通しにおきまして、すでに一箇所だけはきまりまして、十二月から地方移譲されるということに予定しておりまするが、その他の五十九箇所につきましては、移譲の話がうまくきまろうときまらないとにかかわらず、今年度一ぱいの経営費は国において見なければならないであろうという推定が立ちましたものでありまするから、差引三箇月分の経営費をそこに計上したのであります。それで国立病院でありまするので、当然歳入もふくらみます。歳入の方においては、料金収入の増加一億七千五百五十四万二千円、これは五十九箇所の三箇月分の収入増、義肢販売修理収入は、移譲する予定の病院のうちに義肢工場が二箇所入つておりまするので、やはりその工場の三箇月分の収入の増加でございます。それから残りを一般会計と積立金からとの受入れによつて補うことになつておりまするが、積立金の方は前年度の収支の決算によりまして、一億五千万円ほど余剰が出まして、これを積立金として計上してありまする。それを繰入れたのであります。残りは全部一般会計からの繰入れとなります。  歳出の面におきまして、まず職員の給与改善に必要な経費三億一千六百六十四万九千円は、職員一万七千百六人に対しますところの給与改訂、及び勤勉手当の支給に必要な経費の増でございます。  国立病院の統轄運営に必要な経費四千八百九十七万六千円は、適用欄にございますように、地方移譲の遅延によりまして、国家公務員の共済組合に対しまする国庫負担金、あるいは退官、退職手当及び公務災害補償費等が自然増加いたさざるを得なくなりますので、その分の経費の計上でございます。  三番目の国立病院の経営に必要な経費七億五千五百八十四万一千円は、地方移譲の遅延によりまする職員の人件費、あるいは物件費の三箇月分の増と、それから医療費の増とありまするのは、特殊薬品につきまして八千万円ほど必要を生じましたので、それを追加いたしたい。それから米価改訂による食糧費、これは米価のみならず燃料費の方も入りますので、米価及び燃料費とお入れ願いたいと思います。     〔委員長退席、大石(武)委員長代   理着席〕 これは先ほどの療養所におけると同様、食糧費が米価の値上り及び入院点数の引上げに伴いまして、その食糧の材料費の値上りが、歳入増がありますので、それに見合いまするだけの歳出をここに計上いたしたのであります。燃料費は実績に基く不足額の計上であります。  国立病院の建物その他諸設備整備に必要な経費三千三百四十八万六千円は、一般補修費の増と、それから特別に特に緊急に修理を要しまする九箇所分の整備費の合計額でございます。  義肢製作に必要な経費百三十六万六千円は、やはり地方移譲の遅延に伴う義肢製作に関連する人件費、物件費増加であります。  看護婦養成所に必要な経費、やはり地方移譲に予定しておりまする病院に付設いたしまする甲種看護婦五箇所、乙種看護婦四箇所分の人件費、物件費の増と、及びその看護婦に食糧を支給いたします食糧費の米価改訂による単価増でございます。  減額の方に入りまして、国立病院地方移譲に伴う経費減少一億八千四百二十三万円は、地方移譲の遅延による退官退職手当などの不用額でございます。不用額の次に「の減少」という文字が入つておりましたら恐縮でございますが、御訂正願いたい。  それから国債整理基金特別会計へ繰入れの経費減少二百九十二万五千円は、国立病院は事業でございますので、収入でもつて支出をまかなうというのが原則ではございまするが、四月年度初めにおきまして、まだ収入が確実に上らないうちから入院患者に対する、その他の支出経費は当初から支出がありますので、それの一時の運転資金と申しますか、借入れの道が開かれてございます。それに対しまする利子を払いまする額も当初予算に計上しておるのでございますが、その借入金のわくが、今年度の実績によりますと、半分以下の借入れで済んだものでありますから、それに相応ずる利子支払い予算が減額を生じてよろしいという見込みが立ちましたので、ここに減少をいたしたわけであります。  その次の節約による減少九百五十七万二千円は、一般同様旅費物件費の節約でございます。  予備費の減少五千万円は、当初六千万円の予備費を計上しておりましたが、そのうち一千万円を残しましてこれを歳出の整備費の方に補正予算として計上するという意味合いから、ここで、形式上の問題でありますが、予備費として一応五千万円を減少しておるわけであります。  以上によりまして、国立病院特別会計は、追加額十一億六千五百七十九万一千円に対して、修正減少額三億四千六百七十二万七千円、差引追加補正額八億一千九百六万四千円となつております。  以上が二十七年度補正予算要求額のあらましでございます。
  11. 大石武一

    ○大石(武)委員長代理 本件につきまして御発言はありませんか。
  12. 永山忠則

    永山委員 政務次官にお尋ねいたしますが、本委員会は、非公式ではございましたが、補正予算に対してぜひ実現方をしてもらいたいと申し入れた項目があるのでございます。このわれわれが申し入れました項目に対して、受入れられていないのがあるのでありますが、その受入れられなかつた理由について御説明願いたいと思います。
  13. 越智茂

    ○越智政府委員 永山委員にお答えします。ただいまの要求額につきましては、大臣といたしましても皆さんの御意思を尊重しまして、大蔵当局ともいろいろ折衝いたしたのでありますが、こういう問題は非常に大きい問題でございまして、昭和二十八年度予算に相当額の要求をする考えでございまするので、この際そういう問題でいろいろ問題を起すより、二十八年度予算で大いに皆さんの協力を得まして、大幅な予算獲得を下る方が有利じやないかというようなことで、ただいまのところ御期待に沿えなかつたのであります。
  14. 永山忠則

    永山委員 政務次官としては、われわれ委員会の申入れに対して実現方をどういうような御努力をされましたか。
  15. 越智茂

    ○越智政府委員 まことに遺憾ではございますが、私委員会が終りまして、私の先輩である河上先生が危篤になりましたので帰つておりまして、大臣など大いにがんばつていただいたのでありますけれども、先ほど申しましたような結果で、実現ができておりませんので、まことに申訳ないと考えております。
  16. 永山忠則

    永山委員 大臣がいくら閣議でがんばりましても、事務当局の努力が足らない場合におきましては、非常に至難なものであることは言うまでもないのであります。私はわが委員会が非公式に申し入れました中の、国民健康保険補正予算に関する件についてのみ申し上げてみたいと思うのでありますが、補正予算額は必ずしも厖大ではないのであります。問題は理念の問題でありまして、事務当局、すなわち大蔵当局と厚生当局が理念的な一致を見ていない要素があるのでございます。従つて財政の面からとかいうもので受入れられなかつたのではないと了承いたしておるのでございます。政務次官の方で、大蔵当局と厚生当局が、国民健康保険の今度の補正予算に対する理念的な一致を見ないという点に対しての御感想、お考えはどういうようにお思いになりますか。
  17. 太宰博邦

    太宰説明員 私から便宜ただいまの御質問に対して……。
  18. 永山忠則

    永山委員 議事進行に関して……。理念の問題でございますから、計数上の問題でないので、私は政務次官の答弁を要求いたします。
  19. 越智茂

    ○越智政府委員 お答えします。理念の問題につきましては、大蔵当局とはいささかかけ離れておるように思います。そこで厚生当局といたしましては、この問題はここ半年や一年の問題でなくして、ずつと以前からの問題のように考えます。そこで国庫補助などの問題につきましては、私といたしましては、皆さんの考えておられるように、一応何かの形で大きく予算をとるように考えたいと思いますが、先ほど申しましたように、まずそういう問題は、今度の補正予算は一応やむを得ざる予算を計上いたしておりまするので、次の当初予算には皆さんの御援助を得まして、できるだけ御期待に沿うように予算獲得に努めたいと存じております。
  20. 永山忠則

    永山委員 大蔵当局と厚生当局が必ずしも理念的な一致を見ていない、すなわち国民健康保険の助成といいますか、補助の問題に関しまして。あるいは今回出しました補正予算の問題に対して、理念的の一致を必ずしも見ていないということでありますが、どういうように理念の一致を見ないのでありますか、大蔵当局と厚生当局とはどの点の理念的なかけ離れがあるのかお聞きいたします。
  21. 越智茂

    ○越智政府委員 これは以前からの問題でございまして、私個人といたしまして、ただちにどこが違うかというようなことも申し上げかねますので、次の機会にまで御猶予を願いたいと思います。
  22. 永山忠則

    永山委員 十分御研究の上で御答弁をいただくことを了承いたしますから、一応政務次官に対する質問を留保いたします。  それでは会計課長補正予算説明の中で、特別未帰還者の給与の減額がございまするが、この点に関して、今年八月の末にジユネーブで開催されました国際連合の捕虜に関する特別委員会において、西村主席代表から発表されました数字から見ましても、シベリア及び他のソ連領、南樺太及び千島、北鮮、中共等の生存者、死亡者、生死不明者の総計が三十四万六千三百九十七名となつておるのでありますが、それほど未帰還者が多いのに予算給与減額が行われておる理由を聞きたいのであります。
  23. 太宰博邦

    太宰説明員 この特別未帰還者給与法は御承知のソ連、中共、北鮮—千島、樺太も入りますが、そういう地域に抑留と申しますか、まだ帰つて来ていない一般邦人、ソ連地域に抑留されている未復員者でありまして、軍人軍属同様の状況にあるもの、あるいは文句の言い方は法律と若干違うと思いますが、たしかそういう趣旨の法律でございます。そういう人たちに対しまして、その留守家庭に対して俸給、扶養手当等を支給する。それからその人たちが帰つて参りました際に、病気しておれば治療を与えてあげる。あるいはなくなられて帰れば、埋葬というような給与をいたしまするのが、この法律の趣旨でございます。ただいまお話のソ連、中共地区に三十数万人の未帰還者がおるということは、正確なことは別といたしまして、私も伺つておりまするが、ただこの特別未帰還者給与法給与を受けまするには、本人の留守家庭から申請をいたします。あるいは留守家族がございません場合で、こちらにわかつておりますれば、こちらでその分の未支給給与を計上いたしますが、まず原則として内地に残つております留守家族などから申請をいたします。単にソ連、中共地域にとどまつておるというだけでは支給の対象にならないのでございます。未復員者と同様の状況にあるという条件が一つ加わつてございます。端的に申しますれば、帰りたいけれども抑留されて、向うの軍とかあるいは工場というところで働かせられているというような条件が一つ加わつておりまして、その辺の立証と申しますか、推定いたしまするに足るだけの資料が提出になりません場合においては、単に向うにおつたというだけでは、現在のところでは、給与の対象にならないのでございます。先ほどもお話の三十四万何がしの中には、当然元の軍人軍属もございましようし、それからこういう一般の邦人もございましようし、またその中には生きているということがはつきりわかつた者もございましようし、あるいはもうなくなつておるのではないかと推定せられる数字もたしかあるだろうと存じます。このような点からいたしまして、あるいはここに特別未帰還者給与法の対象になりまする件数は、その一部に制約されて来るのでございます。ただここで減額いたしておりまするのは、当初予算において計上いたしました見込額が、その後の実績などによりまして推定いたしました場合に、員数が減る見込みでございまするので、予算といたしましては、本年度中に不用を生ずる見込である場合においては、これを修正減少いたすのもやむを得ないのではないか、かような点からいたしまして、この修正減少の要求をいたしたわけでございます。
  24. 永山忠則

    永山委員 現行法で特別未帰還者として扱われておる範囲でありますが、中共地区におる者につきましても、希望駐留ではないということは当然考えられるわけでありますから、今の御説明で、軍人軍属と同じように強制留置をされておるという関係と了承しなければならぬのですが、しかるときにおいては、あまりにもその数が少いのでありますが、特別未帰還者の認定はどういうような資料でおやりになつておりまするか。
  25. 太宰博邦

    太宰説明員 これは責任ある御返事を私から申し上げるのは妥当でないと存じまするので、引揚援護庁の方でこれを所管しておりまするので、そちらから間違いのないところを申し上げた方がいいと思いますので、ただいまは留保さしていただきます。
  26. 永山忠則

    永山委員 それではこの質問を留保さしていただきます。
  27. 大石武一

    ○大石(武)委員長代理 他に御発言はありませんか。山下春江君。
  28. 山下春江

    山下(春)委員 この予算書を見たのでは、もうこれを御質問申し上げてもむだなことでありますが、実は全国の国立療養所病院等に勤務しております看護婦大約二万人が、四十八時間勤務をしております。この四時間の超過勤務というものは、非常に看護婦たちが過重労働になり、極度の疲労をいたしまして、ひいては病人に非常な悪影響を及ぼすということになるのでありますが、今回これを是正してもらいましようにも、この予算書のどこからも、どうもここからひねり出してもらいたいというようなところがないのでありますが、従来の情勢を私はよく存じませんのですが、厚生当局あるいは政務次官からでもよろしいのでありますが、こういう問題を今後どういうふうにしていただけましようか。もし予算の過剰がどこにかでもあれば、この超過勤務に対してすみやかなる処置を講じてもらいたいと思いますが、この問題に対しての御所見をちよつと承つておきたいのであります。
  29. 太宰博邦

    太宰説明員 ただいまの御質問、実は私不敏にして今初めて伺うようなことであります。現在四十八時間勤務体制になつているかどうか、それから賃金の計算と申しますか、給料の計算が、それに相応ずるようになつているかどうか、その辺のことをちよつと今申し上げかねると思います。ただ合理的な給与をいたすことは、今日の給与制度の基本でございますので、その辺は当然考えて検討して見なければならぬと思います。それからもし御質問の趣旨のように、超過勤務をしておるという事態でございますれば、この超過勤務に関しまする予算というものは、すでに当初予算で相当額入つてございます。それの中でやり繰りがつくかどうかという問題でございまするから、この補正予算に入つておらないからといつて、ただちに持ち越すという筋でもございません。その辺はことの実態を調査いたしまして、極力合理的な給与のできますようにいたしたいと思います。ただいまのところはその気持を申し上げる程度で御了承を願います。
  30. 山下春江

    山下(春)委員 その点はひとつ厳重な御調査を願います。ただいま全国から実はその問題で厚生当局へお願いに上つておるはずでございますが、私も実は厳格な数字は存じませんでございますから、この点はひとつぜひとも御調査を願いまして、御善処をお願いいたしたいと思います。
  31. 堤ツルヨ

    ○堤(ツ)委員 会計課長にちよつとお尋ねをいたします。最後のところに書いあります母子福祉貸付政府出資の問題でございますが、これの国民金融公庫を通じての実際の貸出しの方法だとか、いろいろな御計画は、大蔵省と厚生省との間においてどういうふうに進められておるか、少し御説明を願いたいと思います。
  32. 太宰博邦

    太宰説明員 これは所管の児童局で今国民金融公庫と折衝中でございます。ただこの五億円は政府から国民金融公庫へ追加出資いたしまする三十億のうちでひもつきと申しますか、これを母子家庭対策以外には絶対使わないというようなひもをつけて流しました。それから公庫の方で厚生省と相談いたしまして、支給要綱ということになりますか、基準と申しますか、そういうものをつくつて貸し出すことになると思います。せつかく努力中であります。
  33. 堤ツルヨ

    ○堤(ツ)委員 これは、私は特に政務次官もおいでになりますからお願いをしたいのでございますが、国民金融公庫に生業資金貸付のわくなり、額がございましても、非常に事務的な手続がまずい未亡人であるとか、それからむずかしい窓口でいろいろな問答をしなければならないような場合には、どうしても母子世帯は窓口にあつてなきにひとしい。前へ行けば借りられない。従つて全国百八十万の未亡人の要求は、こうした金融公庫の窓口でなしに、別に母子世帯を保護してもらいたいという要求が、過去何箇年間か続けられておるのであります。従つてまた国民金融公庫の方に五億を入れて、ただいまひもつきではつきりしておるということをおつしやいましたけれども、しかしまだこれが非常に厚生省なり大蔵省なりの不行届の都合上、簡単に借りられないとか、またほんとうに近寄れないというようなものになりましては、せつかくつくつていただいた五億の出資金も、私は今まで通りのような悲しい結果になり終るのではないかと思いますので、どうぞこれはひとつ委員会からも、かくかくしかじかの方法で使つてもらいたい、使うべきであるという要求書を、委員会の趣旨として委員長などにお諮りして、私は厚生省や大蔵省に申入れをしていただくように、この委員会にもとりはからつてもらおうと思つております。どうぞひとつ事務当局並びに政務次官、大臣におかれましても、この点を十分御了承になりまして、ほんとうに救われておらなかつた母子世帯の救済、保護、援助にあてていただきたいということを要求しておきます。  それから次にもう一つお尋ねいたしたいのは、国立病院移譲の問題でございます。これは新しい大臣が御就任になりましたから、私は大臣の御出席になりましたときにあらためて国立病院地方移譲の問題につきましてはお尋ねをいたしたいし、またいろいろと御答弁をいただきたいと思つておりますが、政務次官も御列席でございますから、ちよつと聞いていただきたいのでございます。当時国立病院地方移譲の問題につきましては、全国から非常な陳情がございまして、地方の反対はほとんどでございましたし、国会におきましては、良識ある議員の方々は、地方移譲ということは現状においては不可能であるということを、十分申し上げたはずであります。ところが絶対多数の力でもつて、強引にも国会終幕のまぎわに衆議院の方で押し通された。今、会計課長の御説明通り、わずか六十箇所のうち一箇所がこの十二月末までにどうにかこうにか移管ができるようになつたというような御答弁でございます。決して強引に移譲しないということを御弁明になつておりますけれども、今日地方への厚生省の交渉を私たちが裏から見せてもらつておりますと、相当形引な手をもつて地方移譲を強行しようとなさつておる。私はこういう点は政府にも御反省願いたいし、またこの委員会としても、国立病院地方移譲の問題については、議席が新たになつたのでございますから、皆様とともに再検討したいと思つております。三箇月の補正予算をお組みになつて、国で経営して行くという建前をとられたことはけつこうでありますけれども、二十八年度地方移譲については、どういう見通しをお持ちになつておるか。また六億四千四百万円の、地方移譲についてかつて予算に組まれました金は、どういう建前において今考えておられるか、その点について御答弁を願つておきたい。
  34. 太宰博邦

    太宰説明員 行政当局といたしましては、国会で成立いたしました法律はそれを遵守いたしまして、忠実に実行して行きたい。ただその際に御要望がございましたように、強引にやるということは、あるいは強制的に押しつけるということはなるべく避けるというような御趣旨が審議の過程でございましたそうで、その御趣旨も尊重いたしまして、穏やかに納得の行くように話をして行きたい。  それから六億四千四百万円の地方移譲病院の整備費でございますが、これは先ほど申し上げましたように、本年度内に移譲が完了いたしません場合におきましても、すでに当初予算におきまして繰越し明許の手続をとつて予算総則で認めていただいております。と申しますのは、本年度内に移譲が行かなくて、明年度内に移譲が行つた場合に、明年度に繰越してその費用を使つていい、こういうことでございますので、六億四千四百万円の経費はそのまま残してございます。
  35. 堤ツルヨ

    ○堤(ツ)委員 これは重ねて政務次官によく御了承願いたいのでございますが、特に課長の名前や局長の名前を申し上げるのはどうかと思いますけれども、一つ移譲すれば、それだけ課長や局長あたりの手柄のような考えで、強引に地方移譲を押しつけようとなさつておることは、私たちが厚生省へ行けばよくわかります。そういうことをしてもらつて、将来貧弱な地方財政の中で、さらに病院をもらつたがためにやり繰りしなければならないというところに追い込まれるということは、県当局としましても、また地元の市町村としましても、決してこれは芳ばしくない。従つてどうしてもこれは地元民の反対があつて移譲してもらいたくないと思つておるところの絶対的な数の多い国立病院の跡始末というものは、非常に私はお困りものだと思う。これは大臣の頭をひとつお切りかえ願つて、強引な地方移譲が今日できない現実に照し合せて、私は二十八年度地方移譲一本の道でな上に、さらにもう一度これは考え直してもらいたいという考えを持つておりますが、どうぞひとつ新しい政務次官は、この国立病院につきまして、十分御検討を願いたいということをお願いしておきたい。     〔大石(武)委員長代理退席、委員   長着席〕 ことに国立病院などは、全国的にごらんになりましたらよくわかりますけれども、学校の付属病院であるとか、またあらゆる研究のために立つた病院地方病院—それは私立、公立を問いませんが、そうした病院のあらゆるものと比べて、一番劣るのが国立病院である。私は茶わんの中までどろ臭い国立病院という言葉を使つたのでありますが、これではまるで患者は寄りつきません。医者の足はおちつきません。これではたして国民の医療保健に耐えるかどうか、こういうことを考えましたときに、まつたく私は国の責任は重いと思います。しかもゆとりのない厚生省予算の中で、六億四千四百万円の移譲費を来年度にまでお持越しになつて、国立病院の、雨が漏り、床が落ち、看護婦さんは先ほど山下議員から御要求がありました通り、超過勤務をいたしましても、その勤務手当さえももらつていない、便所は落ちそうになつておるというような始末の病院をお抱えになつておることに対しましては、非常にプラス、マイナス、問題は大きいのでありますから、どうぞ強引な政府の一手だけをお考えなさらずに良識の上に立つて、ほんとうに国民の貧しい生活の中で、一たび病気になればという不安に追い込まれておりますところの貧しい世帯ということを中心にひとつお考えになつていただきたい。六億四千万円の金を来年まで寝かされるということは、私はたいへんむだだと思つておりますから、特にお聞きしたわけです。またこれは大臣の御出席を願つて、他の委員の御良識ある質問などと相まつて委員会の結論をあらためて出していただきたいと思つております。
  36. 永山忠則

    永山委員 この国立病院の来年度予算関係では、どういうような御方針で今進められておりますか、ちよつとお聞かせ願いたい。
  37. 太宰博邦

    太宰説明員 明年度予算要求は、厚生省からは大蔵省に対しましてすでに九月に提出いたしてございます。まだ両者の間、すなわち政府部内において相談がまとまるまでに至つておりません。ただせつかくの御質問でございますので、私どもが大蔵省に要求いたしました筋を申し上げますると、明年度につきまして、ただいま地方と折衝をやつておる最中でございますので、これが一月、二月と期間がかわりますうちに、相当情勢も固まつて来るんではないか。さような見地で、大蔵当局との間には、明年度概算要求を決定いたしまする直前において、もう一度両方で見通しについて話し合おうじやないか、こういうことになつております。それでさように一月、二月でも相当事情がかわつて来ると存じております。私ども九月に出しました際には、そのとき現在でもつて相当辛くと申しますか、あるいは慎重な態度で要求書を一応つくつたわけでございます。それで申し上げますると、明年度は九十九箇所のうちで二十箇所ないし二十数箇所というところのものは地方移譲されることができやしないか、その一部は今年度のうちに話がつきまして、明年度当初から移るということもございます。一部は明年度当初からは間に合わないので、明年度年度半ばにおいて移管する、そういう種別はあろうかと存じますが、まあ大体二十箇所ないし二十数箇所というところの線くらいまではどうにか移譲の話がまとまるのではないか。それから国立病院の中にも、ベツドの中で結核ベツドが多いとかいうようなところもございまして、そういうところのベツドの関係、あるいは立地条件その他からいたしまして、結核療養のための国立療養所に転換した方がいいではないかと思われておるものがございますので、これを十数箇所ほど考えたらどうかというふうな気持でおります。やはり今度は残ります分につきましては、国立としてこれを運営して行くほかはないのではないか。大体大ざつぱでございますが、そんな見通しで一応予算の要求書だけは出しました。先ほど申し上げましたように、予算を締めます直前の現在においてあらためて両省寄り合つて情勢を検討し見通しを立てよう、こういうことになつております。
  38. 永山忠則

    永山委員 そうしますれば任意的に話合いのつかないものは、国立病院として来年度は経営されるという基本方針でおやりになるわけでございますか。
  39. 太宰博邦

    太宰説明員 極力地方と話合いをつけて納得づくで移譲を実現したい、こういう努力をいたしております。
  40. 永山忠則

    永山委員 私の質問は、任意的に自主性をもつて、強制せずにやるというように行きたい、それが議会を通過したときの趣旨でもあるというように拝承いたしておるのであります。従つて任意的の話のきまらない分は国立病院として経営する、来年度予算はその方針でございますかということをはつきりお聞きいたしたいのであります。
  41. 太宰博邦

    太宰説明員 それは予算を締めます際の政府の方針として現われることと存じます。
  42. 永山忠則

    永山委員 それではただいまのところ会計課長では御言明ができないので、予算を締めるときにおいて方針をきめるとおつしやるのでありますか。
  43. 太宰博邦

    太宰説明員 私ども事務当局はそういう気持でおります。
  44. 日高忠男

    日高委員 保健所補助金減少のところでありますが、あそこで旅費において一〇%減少するとおつしやいまして、その他すべて旅費は減額されるように言つておりますが、旅客運賃が上りますのに旅費を減額するのは逆のようになりますが、そこはどういうふうに考えたらいいのでありますか。
  45. 太宰博邦

    太宰説明員 まことにごもつともな御質問でございまして、運賃が上るという場合におきましても、そのために旅費予算をふやしたという例は今までにございません。結局どうするかと申しますと、既定の予算の中でさらに緊急度を考えてこれを使用する、やりくりする、こういう態度を従来とらざるを得なくなつた。なお当初予算の際におきましては、これはまたいろいろ別個の考え方は出ると存じますが、年度半ばでさような改正がありました際におきましても、とつぴようしもない不足ということになれば別でありますが、そうでない限りは一応既定経費の中で利用していただくということにならざるを得ない。
  46. 日高忠男

    日高委員 保健所に勤めておりまする医者を初めとして、すべて事務員の待遇は非常に悪いのでございます。あの状態ではよい医者は保健所などに勤務する者がおらぬようになりまして、予防防衛の第一線が非常に貧弱になつて来るように思います。この保健所に勤務をする医師を初め事務員の待遇というものは今後大いに考えてやらなければならぬ。こういう旅費などを減額せずに、旅費で幾分でも待遇がカバーされるような方向に進んでもらわなければならぬ、そういう旅費を減額するようなことはどうもおもしろくないように思いますが、どうか保健所など一般の職員の待遇を大いに考えていただきたいと思います。これは希望でございます。
  47. 永山忠則

    永山委員 先刻国立病院の問題に対しまして、政府当局は十分相談の上で、任意的な話合いで移譲のならぬ分は考えるというお言葉でありました。私はこの場合要望いたしますが、この国立病院地方移譲の問題は、必ずしも当時の情勢から申しますと民意に即応したものでなかつたのであります。ある筋からの示唆もあるという関係において進められたのではないかというように巷間伝えられているのでございますけれども、できるだけ療養関係は、経済力の弱い地方よりは国家の手において庶民大衆を医療していただくことを国民は希望いたしておりますので、任意的の話のつかない分に対しましては、どこまでも国立病院として予算を計上されまして、運営されんことを期待いたします。  もう一つ母子福祉の貸付の問題に関しまして、児童局がせつかく立案中だということを拝承いたしましたので、これも希望をいたしておきますことは、未帰還者の母子でございます。この未帰還者の母子に対しましては、未亡人と同時に優先的に貸付をしていただくように御考慮を頂いたいということが一つ。第二点は、先刻も堤委員より発言がございましたが、非常に窓口が事務煩瑣に加うるに官僚的な独善的な横暴さを持つておりますので、未亡人というような人ではまつたく窓口へ行くことさえも困難だ、話すこともできないというような情勢でございます。ひもつきであるがゆえにということを言われましても、希望するところの者は非常に多数でありまして、申込みもまた殺到すると思います。従つて窓口事務は輻湊いたして、悪意ではなくして自然的に取扱いが不都合である場合もあります。これらの借入れに対しましては、母子福祉の関係者のよつている諸団体を通じてやるとか、何らかの事務的な簡捷をはかつて、すみやかに希望の処置ができるような方途を取入れられることを期待いたして、お願いをする次第であります。
  48. 越智茂

    ○越智政府委員 永山委員の御要求がございましたので、答弁をいたしておきます。第一の母子福祉の貸付の問題につきましては、御希望がありましたので、一般遺家族と同じように、未帰還者の未亡人に対しましても、同様な扱いをするような計画であります。それから堤委員永山委員から同様な御要望がございました貸付の簡素化につきましては、皆さんの御注意を拝承しまして、御期待に沿うように努力いたしたいと思います。
  49. 山下春江

    山下(春)委員 御答弁があつたあとでございますが、ちよつと厚生当局に伺つておきたいと思うのです。ただいまの問題でございますが、この間、中小企業議員連盟に参りましたところが、国民金融公庫の側からこの問題が出まして、まことに煩瑣なめんどうな手続で、実は迷惑千万だというお話があつたのでございます。そこで厚生省はひもつきで送つただけでなしに、それに対しては事務負担その他についてどういう御連絡がありましようか、たいへん迷惑がつておられましたのですが。そういうことで、あつちへ送り込んだだけで安心しておられますと、なかなかこれはスムーズに出ないと思うのですが、その点に対する何か詳細なことを御承知でございましたら承つておきたいと思います。
  50. 平野三郎

    平野委員長 ちよつと山下君に申し上げますが、この問題はきよう母子対策小委員会ができまして、明日にも小委員会を開いて、この五億円の使い方ならびに今後の恒久対策についてやることになつております。そこに厚生省の責任当局を全部呼ぶことになつておりますから、そのときに詳細ひとつお願いしたいと思います。
  51. 山下春江

    山下(春)委員 それではけつこうです。
  52. 堤ツルヨ

    ○堤(ツ)委員 ちよりとくどいようでございますが、政務次官にひとつ。それから会計課長にもこれはよく認識していただきたいのですが、六億四千四百万円の金を、売れ残りの娘につけるように国立病院につけてやるというので、厚生省はちらめかしていらつしやる。ところがこれは、私たちがほんとうに見ておりますと、雨が漏つても、床が落ちても、経営がやつて行けなくても、地方移譲にならなければ一文も出してやらぬという、まるで樺太や北海道の何かちらつかせながらにしんをつつて行くような形で、国立病院だとか地元に対している。ですから地元は痛しかゆし、どうしても地方移譲ということにならなければ、地元がもらわなければ、あの国立病院をかばわないというなら、もらうよりしかたがないというところに追い込んで行こうという厚生省の腹がはつきりと見えている。従つて一棟外来の病棟だけ建てて、病舎などの建つておらない国立病院に対して、お前たちもらわないのだからという交渉をしていらつしやる。実にこれは私はけしからぬと思つている。これは今度の大臣、政務次官はどういうふうにお考えになるか知りませんけれども、困つたことには内容のい市町村の地元の組合立の病院よりも国立病院の方が上等だという観念が、いなかの人の頭には抜けないのです。ですから国立として持つておつたならば患者は来るかもしれないけれども、県立や市町村立になつたら患者が寄りつかない。従つて今閑古鳥のないている病院がさらに経営不能に陥るということを責任者たちは特に考えているわけです。この頭を啓蒙してどういうふうに指導して行くか、ほんとうに内容をよくして行くためにはどういう合理的な経営がいいかということを地元の人たちとひざを合せて話し合つて地方移譲にうまく運んで行くということは大きな問題で、なかなか簡単には行かない。ということは、病院に対する通念というか先入感といいますか、そういうものを検討しておやりにならないと、強引に地方移譲地方移譲、そうして地方移譲ができなければこの七億四千万円の金は一文もやらない、移譲すれば一千万円の金を使つて修繕してやるけれども、もらわなければこの通りだといつてほのめかす厚生省のやり方は、実に悪辣だ。私の県でも現にその手に乗つているんです。金のかからない病院に仕上げて、内容を充実してくれて、かくかくしかじかの経営をして成り立つて行くということを厚生省が示してくれなければ地元はもらえない。国では逆に、金をもらつて建てたら三割の金を出して買わなくてもいいんだ、それで建ててしまえ、そしたら経営は腕次第だというようなことをおつしやつて、もらえば金はやる、もらわなければ金はやらないと見せびらかしたままで、六億四千万円が寝ているかんにかかわらず、県立の病院だとかという形、この厚生省のやり方に対して私は憤慨しております。ですから先ほど永山委員から御発言がありましたか、これは強引な地方移譲というだけではどうにも片がつかぬ問題でありますから、どうぞ政務次官は大臣と御相談になりまして、私はこの次の委員会国立病院の問題だけで大臣に御出席を願い、問答したいと思つておりますから、くどいようですが、どうぞよろしく……。
  53. 太宰博邦

    太宰説明員 別に私から申し上げることはございませんが、六億四千万円は補助金なつておりますので、地方移譲になりました場合に地方補助する、こういう経費でございます。そこで、こちらで直してから地方に渡した方がいいか、あるいは地方に渡す際にそれを補助金としてつけてやつた方がいいかということを研究したのでございますけれども、こちらで直してから渡すというのも、これは形はなるほどよろしゆうございますが、間もなく地方へ行くということを予定して直します際に、万一そこにゆだんと申しますか、間違いが起きるというようなことがあつてはならぬ、むしろ地方移譲なつた場合において、受入れる地方側が、自分の方のひとつの方針をもつて経営する際に適当にそれを使つてもらつた方がいいじやないかというような点などを考慮いたしまして、実はこれを補助金にしたわけです。従いまして、この補助金を今こちらの経費に使うことは、予算を修正いたしません限りはできないわけです。それで補正予算の際に、先ほど申し上げました整備費の九箇所分というのがございまして、あれは移譲する移譲しないにかかわらず、現在持つております中で—いずれも直す箇所はございまするが、補正予算の性質上特に緊急捨て置きがたいものだけを選んで、それはこちらの経費で直す、こういうことにいたした次第であります。御存じと存じますがちよつと一言申し上げます。
  54. 高橋禎一

    高橋(禎)委員 厚生次官は厚生行政に関する理念をこれから研究して、後日委員会に明らかにするというお話でございますので、そういう根本的の問題、特に厚生大臣の厚生行政に関する抱負経綸は後日お伺いすることにいたし、なおまた数字上こまかい問題については、私その点についても後日質問いたしたいと思いますが、ただいままで政府の御説明のあつた点に関連して起りました疑問一、二をお尋ねいたしたいと思うのであります。  これは政務次官のお答えをお願いいたしたいと思いますが、一体厚生行政というものはもつと明朗闊達に行われなければならないということを私は痛感いたしております。細々としためいり込んだような厚生行政であつたのでは、とうてい日本の現下の国民の要求を満たすことはできない、日本の現状を打開することはできないと私は信じております。ところがこの補正予算を見ますと、厚生省の当初要求されたものと比較して、私どもはいかにも減少予算とでもいうような感じがいたしてならないのです。これも減少、あれも減少、非常に減少の数が多い。わけても戦傷病者戦没者遺家族等援護法障害年金減少とか、あるいは先ほど永山委員からも御質問のありました特別未帰還者給与費減少、これらの御説明を聞きまして、一体戦傷病者とかあるいは戦没者の遺家族の方々とか、あるいはまた在外邦人の未帰還者の家族の方々が今何を要求しておられるか、生きておる者はすみやかに国内に帰還をさせろ、そうしてまたそれの望めない者等については、家族等に対してでき得る限りの援護保障を与えよという熱烈な要求があるのです。国民もこの点については異存のないところであります。それにもかかわらず、この補正予算においてそれらに関連したものを減少するという、私はこういう行き方の外国に対する影響、あるいはまたこれら救援保障を受けられるべき立場にある方々に対する影響というようなことを考えて、一体日本の厚生行政のあり方として正しいのかどうか、私にはそうは思えないのでありまして、ここでお伺いいたしたいのは、こういう減少予算をもつてして、自信を持つてこの厚生行政を行い得ると確信をしておられるかどうか、率直な御答弁をいただきたいと思うのであります。
  55. 越智茂

    ○越智政府委員 高橋委員にお答えいたします。高橋委員はそういう方面の権威者でありまして、まことに御意見ごもつともと考えます。そこで予算減少につきましては、実質の各個に渡る数は減つていないのであります。調査いたしました結果、予算額は減つておりまするけれども、各個に渡るのは減つていないのであります。しかしながら、御説のように、こういう方面についての予算獲得について、私ども厚生当局の力の足りないことはまことに申訳なく考えておりまするが、二十八年度予算におきましては、委員各位の御協力を得ますし、いろいろ力を傾倒いたしまして、でき得る限りこういう方面の予算獲得に努力をいたしたいと思います。
  56. 高橋禎一

    高橋(禎)委員 これに関連しましては後日質問いたすことにいたしまして、本日は時間の関係もございますからこれで打切つておきます。
  57. 平野三郎

    平野委員長 他に御発言はありませんか。—別に御発言もないようでありますから本日はこれをもつて散会いたします。  次会は公報をもつて御通知いたします。     午後零時十八分散会