○太宰
説明員 私
厚生省の会計
課長であります。二十七年度の歳出
補正予算につきましてその概要をお手元に印刷して差上げてございますので、それを追
つてその概要だけを御
説明申し上げたいと思います。
お手元に差上げてあります一番上が
昭和二十七年度
補正予算要求事項別表とな
つております。それからこの
金額は、その右の上の肩にございますように単位が千円でございます。まず
大臣官房は、一、人事
事務処理に必要な経費千百二十四万七千円、これは右の摘要欄にございますように、
国家公務員がその勤務中公務災害を受けました場合、たとえて申しますれば、結核療養所に勤務しておりまする看護婦その他の職員が感染したというような場合がいい例になると思いますが、さような場合の補償の
予算経費でございます。これが当初
予算に計上いたしましたものが、その後実績を見ておりますると不足を生じておりますので、その分だけをそこに計上いたしました。ごく
事務的なものでございます。それから次に二と三、国立公園の維持管理に必要な経費、同じく施設整備に必要な経費、これは具体的に申し上げますると、皇居前の広場の一隅にありまする、通称千代田グラウンドと申しておる場所でございます。これがこの春でございましたか、大蔵財産から
厚生省の保管に移されることに
決定いたしました。
厚生省といたしましては、これを公共福祉用財産といたしまして、あの周囲のものと相並んで整備して参りたい、それに必要な経費の一部でございます。大体維持管理に必要な経費というのは、清掃いたしましたり、あそこの要するに管理の費用でございます。三番目の費用はあそこを手直しいたしますための費用でございます。
それからページがかわりまして、
公衆衛生局に入りまして、四番目、優生保護法の施行に必要な経費、これは優生保護法に基きまして優生手術をいたしまする場合に、それの入院料、これを
政府か見るのでございますが、その入院料の点数が改正になりまして、一日二十五点でありましたものを、その後物価の状況などを見まして、これを五点ほど引上げたいという要望でこれを出してございます。それから五番目の精神衛生事業
補助に必要な経費二億六千二百二十五万三千円、これはまず第一は一公立精神病院の経営費でありますが、その入院の点数單価が、昨年の年末に一点単価の改正がありまして、一円五十銭ずつ引上
つたのであります。当初
予算にそれが間に合いませんでしたものでありまするので、それに伴う増額分でございます。それから第二の分は、
昭和二十六年度、つまり前年度におきまして、こういう公立病院の経営費につきましては、歳出と収入との差額につきまして国がその赤字分についての
補助をすることにな
つておりますが、その分をそこに
要求した次第であります。第三番目には、徴収額の控除率の変更、これは大体そういう病院におきまして、どれくらいの収入があるかということにつきまして、当初
予算におきましてこれくらいの収入があるであろう、具体的に申しますと、まず大体八五%ほどのものがとれるであろう、こういうような予想をしておりましたものが、その後実績を調べてみまして、それほどとれないというようなことによりまして、これの徴収率を変更してもらいたい、そうしますとおのずからそれだけの赤字がふえるわけであります。これに対しまする国の
補助が
増加となる、さような趣旨を含めまして、二億六千二百万円余を
要求しております。第六番目の保健所整備、これは駐留軍が基地を持
つておりますそこにおきましてはこのたびこの春から夏にかけて少し移動がございました。そういたしますると、おのずからその辺に関しまして
公衆衛生の措置をしなければならない。それには第一線機関でありまするところの保健所をふやしたいということで四箇所ほどふやした。第七番目の癩患者対策、これは私立癩療養所及び密入国の癩患者—恐縮でありますが、
補助とありますのは、これは消していただきます。こういう癩患者を癩療養所に入れますその場合の入院の点数が増点になりましたので、それに対しまして、国の方の負担額の増でございます。八番目は地方におきまして結核療養施設を新設、増設したいという要望が、実に熾烈なものがございまするので、そこにその合計千五百床のものを出した次第であります。それから九番目は伝染病隔離病舎、いわゆるいなかで言いますと避病舎であります。この古い建物が腐朽して
参つております。それでこれを漸次建てかえる経費を当初
予算にも組んでございますが、なお要望が強いので、さらに八百床余
要求いたしてございます。
十番から十一、十二、十三、十四までは、こたはいずれも水道に関する施設整備費あるいは災害の復旧に必要な経費でございす。十三を除きましていずれも、当初
予算に計上されておりまする額が不足でありまするので、それに地方の要望等を加味して
要求いたしたのであります。ただ特に十四番目は少し訂正いたしますが、これはこの春国会を通過いたしましたいわゆる臨時石炭鉱害復旧法、それに基きまして一部の経費を計上した次第であります。十五番目はズルチンの毒性
調査、終戦後私どもの日常生活に割に密接な関連を持
つていた甘味剤、ズルチン、これにつきまして最近いささか疑義の念が出て参りましたので、これを
調査いたしたいということで、ここに
調査を委託する費用その他が出ております。十六番目はこれは
先ほどの駐留軍との
関係で、日米
行政協定に伴いまして駐留軍の管理地域につきまして、やはり建前上わが国の検疫法が適用に相なります。そこは軍の管理区域でありまするので、相談をいたしまして向うの職員も手伝わせる、そのためにその職員に対しまして検疫法の技術その他の指導をいたしますとか、その他連絡のための費用でございます。
次に薬務局
関係でありますが、企業合理化促進法の施行に必要な経費、これも先般
通りました法律に基くものであります。薬事工業、これには中小企業が多いのでありまして、これの企業の合理化を促進するために、そうして援助いたしますために、そこに摘要欄に書いてございますように、医薬品の原材料動力の原單位改善のために
政府の手で目標原單位というものを作成して示してやります。その
調査のための費用、二番目が、指定機関の合理化に役立つような機械設備を輸入いたします際に、税を免税してやるという特典がございます。それには主務
大臣の指定が必要であります。その指定をやります場合の費用、三番目は企業の経営の状況を把握するための費用その他の
事務費、四番目は企業の技術の向上をはかるために、工業化試験をやる場合にこれに対して
補助したい、かような費用でございます。
社会局に入りまして、身体障害者保護更生に必要な経費、これは身体障害者に対しまして、義手、義足等の補装具を支給いたしますが、当初
予算に見込みました人員よりも、その後の実績がふえておりますので、その差額を一応
要求した次第であります。十九番目、婦人保護に必要な経費、この婦人保護と申しますのは、御
承知の転落いたしました婦人、これの更生の事業をや
つておりますが、そこの収容施設におきまして、職員の
事務費を少しふやしてやりたい。まかない費をやはりその後の物価状況あるいは米価等の
値上りの
関係から見たいというようなことで
要求してございます。二十番目の
浮浪者対策に必要な経費、これは大都市におきましては相かわらず
浮浪者がおるのでありまして、この対策に苦慮しておるのでありますが、これを大体収容いたしまして、そこでまともな生業につけさせる、あるいはその収容いたします前に、その
浮浪者を鑑定いたしまして、そうしてそれを養老院に送る方がよい、あるいは病院に入れた方がよいとか、こういうようなことを調べます。そのために一時的にそれをとめておきます一時保護所、かような施設を大都市に設けたいということで、そこに
要求してございます。二十一番目のララ救援物資
処理に必要な経費、これは御案内のララ物資が大体二十七年の三月までにララの方から日本へ送
つて参りますものを国内において
処理するための費用、あるいはララに対しまして感謝の意を表する締めくくりの費用という若干の費用が入
つてお
つたのみでありますが、向うからの渡航の
手続がずれまして、二十七年においてもなお若干の物資が入
つて来ることになりましたので、それの
処理に必要な経費をここに
要求してございます。
次に児童局に入ります。児童局の
一般行政に必要な経費、これは人件費の不足あるいはあとにあります
母子家庭対策を実施します際の本省の職員の不足を
要求してあります。次に二十三番、不良児、孤児、浮浪児の保護に必要な経費、これは摘要欄にございますように、
一つは人身売買の実態
調査、つまり身売りせられました若い子供
たちに対する対策の一環といたしまして、それが大都市あたりで働いておるということでありますれば、そういう特殊な地域、あるいは地方によりまして、そういうふうに出しておるというような地域につきまして実態
調査を進めたい。次は混血児の実態
調査—混血児問題につきましても、いよいよ放任しておくことを許されなくなりましたので、これに対しまして、地方の機関を通じて、混血児の正確なる数、混血児を持つ家庭の生活
状態、あるいは親からの仕送りの
状態あるいはさらに進みまして、そういう子供
たちの心理、どういう心理を持
つているかというようなことをいろいろ調べまして、今後の対策の資料にしたいというようなことで実態
調査、それから収容施設もできましたならば設けたいということで、そこに計上しておる次第であります。それから二十四番、身体障害児対策に必要な経費、これはやはり
先ほどの身体障害者対策と同様に、子供の方の身体障害者に対して、それの義手、義足その他の介護用具、これがやはり当初
予算に見込みました額では不足を来すように思われますので、これを
要求したわけであります。二十五番目、児童福祉施設整備に必要な経費、これは保育所と
母子寮につきまして当初
予算に計上してございますが、なお地方の要望が強いものでありますので、さらにこれを
要求した次第であります。二十六番目、
母子家庭対策に必要な経費、これは
先ほど大臣に対してもいろいろ御
質問、御意見がありました
母子福祉資金の
貸付、これは法律はまだできておりませんが、近く何とかいたしたいというようなことで、
予算として出したわけであります。一は生業資金の
貸付。二番目は、そういう
母子が技能を修得するために必要ないろいろな道具を買
つたり、通
つたりする費用。それから三番目は、技能修得者の
貸付金、これは技能を修得いたしますその間、生活費に困りますので、その間の生活費の
貸付。四番目は、店を開くような場合に、いろいろな運転資金の不足を来すというので、それに対する
貸付。それから五番目は、養育資金の
貸付、これは大体子供が高校以上にな
つておりますような者に対して、現在では大日本育英会、あそこで一部の
貸付をや
つておりますが、どうしても
母子の家庭の子供に対しましては、別個の保護法を考えてやるべきじやないかというようなことで、それが入
つております。
それから保険局に入りまして、
国民健康保険の診療報酬一点單価引上に伴う保険者財源補給
補助に必要な経費、これは摘要欄をごらん願いますと、昨年末の点数單価改正前までは、そこにあります九円七十五銭が大体平均の單価でございました。それが新しい単価は、大体地方でございますので、十一円五十銭ほどになります。そうしますと、その差額が従来の赤字にさらに追加されることになります。いよいよ経営が苦しくなる。従いまして、それに伴
つたところの所要経費の増に対して国で一部を
補助してもらいたい、こういう要望に基いて提出いたしました十四億八千万円でございます。
引揚
援護庁関係に入りまして二十八番、更生資金
貸付事務指導に必要な経費、これは引揚
援護庁において実務をや
つております事の発端は、引揚者をおもな対象といたしまして、引揚者に対して生業資金を貸す、こういう制度から出発したものでございます。現在約四十四億ほどの金が流れておりますが、これが回収をさらに促進をいたして、そして償還されたものをも
つて、その次の
貸付に新たにまわしたい。昨年度までは若干一般
予算において計上されてお
つたのでありますが、二十七年度においては、それが計上されてございませんので、この回収にはさらに力を入れざるを得なく
なつた。そういう
意味で、それに必要な経費でございます。二十九番、援護思想昂揚に必要な経費、これは通称愛護運動と申しまして、未引揚者の留守家族の慰安激励、あるいは引揚げ促進に関しまする運動が、国民運動として展開されておりまするが、それを二十七年度におきましても、引続いて実施したいという地方の要望に基きまして、その都道府県に対して若干の経費を流しまして、国もこれに協力の意を表したいという
意味で計上をしてございます。それから三十番、比島ルバング島残留帰還工作に必要な経費、これは大分前でございましたが、新聞にも出たようでありますが、フィリピンのルバング島に旧日本軍人三名が残留しております。これに対しまして、早く出て来るようにという工作を実施しておりますが、なかなか現地だけでやりまし参ではうまく成功いたしておりませんので、内地から三人を派遣いたしまして、直接に呼びかけたいというような経費でございます。それから三十一番、米国管理地域中の遺骨収容等に必要な経費、これは太平洋の米軍管理地域において玉砕された元の軍人、軍属の遺骨、遺品などにつきましては、まだ十二分にそれを
調査し、これを集めて持
つて帰るという取運びにな
つておりませんので、この機会に人員を新たに派遣いたしまして、それらの遺骨、遺品等を調べて、現地において簡單な慰霊の工事をいたしたい。かような
意味で計上をしておるわけであります。三十二番、遺骨交付に必要な経費、これはかような工作、あるいはその他沖繩、硫黄島、フィリピン等から送還されました遺骨につきまして、これを
遺族に交付するのでございますが、その
遺族の出頭旅費、あるいは陸揚げの地におきまして、読経をするというような経費でございます。それから三十三番、庁舎借上に必要な経費、これは
復員局の方で広島と福岡の一部の建物を借りております。これは当初
予算に落ちましたので、それを計上したわけであります。それから三十四番、引揚者住宅災害復旧に必要な経費、これは去る七月の豪雨で和歌山、大阪、香川、愛媛、四県の引揚者住宅が災害を受けました。これに対して復旧のための経費の
補助でございます。三十五番は戦没者追悼式参列に必要な経費、これは五月に中央で追悼式をいたしますと同時に、その後各都道府県で開催せらるる向きがございます。そういう場合に参列するため、中央の職員に
大臣代理として出てもらいたいというような
お話がございました。そういうときのための経費でございます。
次に附属機関の方に入りまして、人口問題研究所というものが
厚生省にございます。三十六番はそこの
事務的なものでございまして、職員の給与が不足し、あるいは庁舎を現在日産館に借りておりますが、それの借料の
値上りというようなものであります。三十七番は、現在日産館の方から返還してもらいたいという
要求が来ておりますので、これを諸般の
情勢から早晩返さなければならないであろう。そのために引越し移転先を物色しておりまして、幸いかつこうな建物が見つかりました。それを購入するための経費でございます。
それから国立予防衛生研究所、これはQ熱という私どもまだよく存じませんが、日本に従来入
つてなか
つたいわゆる一種の熱病、これに対しまする研究施設、これが従来の場所では狭隘であると同時に、特殊な施設をする必要がございまするので、その経費を出したわけであります。それから建物の雨漏りその他の補修費が不足しております。それを計上したわけであります。
それから次の検疫所、これは日米
行政協定に伴いまして、軍用船につきましてやはり日本側において検疫を実施する場合がございます。その場合に、向うの作戰その他の
関係もありまして、軍の行動でありますので、検疫をただちにやるようにひ
とつ手配をしてもらいたい。それに協力することになりましたので、それに伴う必要な検疫の係員の増、その他の費用であります。それから支所七箇所と申しますのは、検疫所を現在新潟、その他の港に支所七箇所、新たにつく
つてもらいたいという運輸省等の要望からであります。三番目は羽田、岩国、この国際室港につきまして、やはり衛生的な検疫施設を設けたいというような要望でございます。
国立療養所に入りまして、三十九番、国立療養所の看護婦養成、次は結核療養所、四十一番は癩療養所、四十二番、精神頭部療養所、四十三番、脊髄療養所、これだけのものを一括して申し上げますと、要するにそこにおきまして生徒あるいは患者に支給いたしまする食糧費が、その内容を少しよくしたいということと、それから燃料費がその後の実績で不足を来す見込みでございますので、その燃料費をひ
とつふやす、こういう費用がそれぞれわかれておる。これがおもなものでございます。それから四十四番の療養所の災害復舊費、これはダイナ台風と九月の豪雨によ
つて被害を受けましたものの復旧のための経費であります。四十五番、国立身体障害者更生指導所、これは二十七年度当初
予算におきまして、現在神奈川県の相模原にありますものを東京の元の癌研の跡を買
つてそこに移るという
予算を出してお
つたのでありますが、癌研との交渉が不調になりましたために、これを東京第一病院の横に移すことになりました。そのために経費に不足を来しましたもので、それの不足額を
要求したものであります。
四十七番目は、国立教護院、これの職員の号俸調整及び勤務地手当の額の変更、あるいはそこの教護院生が間々逃亡したりいたします際に、これを連れもどすための旅費、その他燃料費等の不足分でございます。四十八番は、麻薬取締官
事務所職員のやはり調整号俸による給与の不足額でございます。
ついで次は追第一号、結局これは予防衛生研究所、これは目黒の方に藤山図書館というのがございます。現在の予防衛生研究所ではどうも手狭で、検定その他の能率が上りませんので、一部をそこに移したいというための経費でございます。それから二番目の国立身体障害者保養所と三番目は同じでございます。これは伊東と別府の方に設けることに内定しておりまするが、これが当初七月以降の経営費が入
つてお
つたのであります。それでそちらの方で経費が余りましたものを活用いたしまして、伊東の方に五十べツドほどのものを増床したい。こういう経費でございます。以上大体一般会計につきましては申し上げたような次第であります。
特別会計はそこにございまするが、これは病院の移讓問題で、当初
予算では六十箇所ほど移譲になる見込みであるから、九箇月分、本年の十二月までの経営費しか組んでありません。しかしその後の経過を見ますと、どうも年度末まで国の方で経営して行かなければならないように思われますので、その不足の三箇月分の経営費を大体予定いたしました。あとはそれそぞれ療養所にございましたように、食糧費あるいは燃料費の不足等の補充、内容改善に件う経費だけを若干計上した次第であります。以上概略申し上げました。