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1952-11-11 第15回国会 衆議院 厚生委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十一月八日       大石 武一君    野澤 清人君       山下 春江君    堤 ツルヨ君       長谷川 保君 が理事に当選した。     ————————————— 昭和二十七年十一月十一日(火曜日)     午後一時二十二分開議  出席委員    委員長 平野 三郎君    理事 大石 武一君 理事 野澤 清人君    理事 山下 春江君 理事 堤 ツルヨ君    理事 長谷川 保君    新井 京太君       池田  清君    勝俣  稔君       加藤鐐五郎君    永山 忠則君       日高 忠男君    平澤 長吉君       吉江 勝保君    高橋 禎一君       町村 金五君    岡部 周治君       島上善五郎君    柳田 秀一君       只野直三郎君  出席国務大臣         厚 生 大 臣 山縣 勝見君  委員外出席者         厚生事務次官  越智  茂君         厚生事務次官  宮崎 太一君         厚生事務官         (大臣官房総務         課長)     小山進次郎君         厚生事務官         (大臣官房会計         課長)     太宰 博邦君         厚生事務官         (保險局長)  久下 勝次君         厚生事務官         (引揚援護庁長         官)      木村忠二郎君         厚 生 技 官         (公衆衛生局              長) 山口 正義君         專  門  員 川井 章知君         專  門  員 引地亮太郎君         專  門  員 山本 正世君     ————————————— 本日の会議に付した事件  国政調査承認要求に関する件  厚生行政に関する説明聴取     —————————————
  2. 平野三郎

    平野委員長 これより会議を開きます。  まず国政調査承認要求の件についてお諮りいたします。当委員会の活動を円滑ならしむるために、この際国政調査承認を得ておきたいと存じますが、調査する事項としましては、公衆衛生医療制度社会保障婦人児童保護に関する事項とし、調査方法につきましては、小委員会の設置、関係方面よりの説明聴取、資料の要求等ということにいたしまして、要求書を提出することとし、これに関する文書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいのでございまするが、そのように決するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 平野三郎

    平野委員長 御異議なしと認め、そのように決します。     —————————————
  4. 平野三郎

    平野委員長 前回の委員会における委員諸君の御希望もありまするので、近く提出を予定される補正予算にも関連しまして厚生行政についての説明を聴取いたしたいと存じます。  それに先だちまして、厚生大臣よりごあいさつをいたしたいとの申出があります。これを許します。厚生大臣山縣勝見君。
  5. 山縣勝見

    山縣国務大臣 ただいま御紹介を得ました厚生大臣山縣でございます。今回はからずも厚生大臣就任をいたしましたのでございまするけれども、御承知通りつたくのしろうとでございまして、はたしてこの重任に耐え得るかどうか、懸念いたしております。ただ幸いにして、公正な立場に立つて現在非常に大事な行政でありまする厚生の面に対して、皆さんの御指導によつて、また御鞭撻によつて最善を盡したいという熱意を持つておるのであります。どうか今後よろしく御恩情によつて御指導願いたいと思つております。  実はただいま昭和二十七年度の予算補正をいたしておりまして、連日閣議をいたしております。実は本日も朝来閣議続行中でありまして、私はせつかく委員会が開かれまするのでございまするから、皆さんにごあいさつをいたしたいと考え、ただいま特に了解を求めて、短時間、席をはずして参りましたような次第であります。厚生行政に関しましてはまだ勉強中でございまして、皆さん方にいろいろ御批判を願いまするだけのものはないのであります。現在問題になつておりまする点等については、予算補正に対しても、今まだ決定を見ておりません。閣議の席においても努力をいたしておるのでありますが、さらに適当の機会をもつて皆さんに御支援を仰ぎたいと思つております。ただ、緊急の問題等がございまするから、二、三の点について私の知つておりまする範囲でお答え申し上げたいと思います。なおまた、本日は政務次官その他政府委員も見えておりまするから、お答えをいたしたいと思いますが、まずもつて、きようは閣議——ことに補正予算の重要な閣議がございまして、現在大蔵大臣に申し入れをいたしておりますることもまだ続行中でありまするから、できますればきようはごあいさつだけ申し上げて、皆さんのいろんな御意見に対しましては、またあらためて拝承することにいたしたいと思いまするが、委員長によつて適当におとりはからいを願いたいと思つております。とりあえずごあいさつを申し上げます。よろしくどうぞお願いいたします。
  6. 平野三郎

    平野委員長 厚生大臣に対する御質疑、あるいは御希望がありますならばお許しいたしますけれども、ただいま大臣からもごあいさつがありましたように、目下補正予算をめぐる閣議の開催中で、本委員会としても、できるだけ大臣がこの閣議予算獲得のために御奮闘を願うことを希望すると思いまするので、ありましてもできるだけ簡単にひとつお願いいたしたいと思います。
  7. 堤ツルヨ

    ○堤(ツ)委員 それではごく簡単にお伺いいたしますが、ただいま閣議に臨んでおいでになる大臣は、大蔵省へ厚生予算として何々の補正予算を御要求になつておるか、あらましを御提示願いたいと思います。こまかいことは決して要求いたしません。ちよつと御説明願つた都合で、私の方から閣議に入つていただく前に要求をいたしますから……。
  8. 山縣勝見

    山縣国務大臣 ただいまお話がございましたが、この厚生行政の面は、予算専門家であられますから御承知だと思いますが、非常に面が広いのであります。私も就任以来事務当局からいろいろ説明を聞いておりまするが、もし財政の面が許しまするなれば、いたしたいことばかりでございまするけれども、御承知通り今回の補正予算の原則は、これはまた補正予算そのものの本質にも属することでありまするけれども、本予算を組みまして以来、緊急のこと、あるいはその後の事態の変化に伴つて補正であります。今回の補正予算の一番の重点になつておりますのは、御承知通りベース・アツプの問題と、それから鉄道の運賃の値上げ等中心にいたしておるのであります。予算閣議におきましても、その他の案件もありますが、重点的にこれらの問題を中心にいたしております。国家財政も許さぬことでありますから、各省が相当多額要求いたしておりまするが、大蔵当局としては、これに対しては非常に峻厳な態度で臨んでおるのであります。  厚生省といたしましては相当多額の、また各面にわたつて要求をいたしております。しかし各省とのバランスもあり、なかなかこれが思うように参りませんのでありますが、厚生省といたしてまずもつて要求いたしておりまするのは、たとえば国民健康保険の問題は、御承知通り治療費も上つて来るし、また受診率も上つて来る、従つて赤字も年々ふえておることは御承知通りであります。これに対してぜひとも国家が何らかめんどうを見るというふうにして行きたいと努力をいたして参つておるのであります。その他いろいろな医療施設の問題、結核対策等に対してもいろいろやつております。ことに当面緊急の問題として努力をいたして参り、また何とかして大蔵大臣に聞いてもらいたいと思つておりまする問題は、その他にもちろんたくさんありまするけれども、まずもつてこの年末を控えて、一番考慮いたして参つたのは、遺族方々に対する問題であります。先般も遺族大会があり、また各県から遺族方々がお越しになつて、その衷情を承つて、まことに御同情にたえないのであります。政府はこの際できる限りの力を盡したいということで、今一番問題になつておりますのは、御承知でありましようけれども、せつかく年金をもらつても、弔慰金を出してもらつても、手続が遅れておりまするために、遺族方々の手に入らない。実は私もきよう閣議がありまする前に、援護庁復員局の現場に参つて、逐一その処理の状況を見て参つたのでありますけれども、実際よくやつておるのであります。夜を日に次いでやつてくれておりますが、それでもなかなかはかが行かぬ。受付も日に一万件を越えております。遺族方々の数は、これはいろいろ出し方はむずかしいでしようけれども、少くとも二百万人あるいはそれ以上あるとすると、日に一万件の処理をしても、二百日かかるということであります。援護庁事務局といたしましては、精一ぱいやつておるので、事務局の報告を聞きましても、これ以上無理を言えない立場にありまするけれども、しかし遺族方々のお気持を考えますと、できないことも何とかいたそうということで、御承知でありましようけれども、処理費として三億何千万円の金をとつて、そうして緊急対策として来年の三月末までに大体片づけようということで、三億の補正をいたしたのでございます。これも多くの遺族方々に対して金額はわずか三億ばかりでありまするけれども、現在の情勢から見て、厚生省としては補正をして努力をしておるのであります。  それから御承知通り弔慰金として公債がお手元に渡りましても、お困りの方が非常に多いので、これに対して貸付をするとか、換金するとか、何らかの方法によつて努力いたそう、そういうような問題、あるいはまた、これは小さな問題でありましようけれども、年末を控えて、浮浪者の人々も住宅問題等でずいぶん困つておる。そういうふうな問題、その他従来厚生省として、委員会皆様方承知通り政策を遂行して来て、それが補正を必要とする金額などに対しては、事務的に折衝いたして参つております。しかし今回の補正予算は重点的にやるということでありまして、厚生大臣としてはなはだ苦慮いたしておりまするが、いろいろお教えがございましら承つて参りたいと思います。
  9. 堤ツルヨ

    ○堤(ツ)委員 お急ぎの大臣、しかも新任早々、決して悪意でいじめたりなどしようと思つておりませんから、委員長はあまり御心配なく発言を許していただきたいと思います。  ただいま大体伺いました。具体的な数字などを承れなかつたのは残念でございますが、特に大蔵大臣に対し、また厚生大臣立場として閣議がんばつていただかなければならぬ問題は、第一番にはやはり遺族の問題でございます。三億何がしの事務費でこの事務を遂行して行くというような彌縫策ではおつつきません。御存じ通り、八百八十億の公債を、一人に対して五万円で、償還期限十年間で、年六分の利子でやつておりますが、私たちがあの法律をつくりますときに、公債換金しなければ遺族は救われないということをやかましく申しました際も、換金措置を考えるという大臣の御答弁があつた。そしてやつとのこと、今十億という金が公債換金するために出されておりますが、この間も御承知通り全国遺族大会で、せめて八百八十億の十一分の一の八十億を要求してくれということを申しております。せめて八十億の換金をしてもらわないと、生活保護並びにその線を横行するところのボーダー・ラインの方々、つまり生活保護適用者方々でないけれども、遺族に次いで食えない階級に近い人たち換金措置を講じないと、年の瀬が越せないほど、切実な要求であります。従つて補正予算はどうしてもこの十億を八十億にふやしてもらうことを大臣の面目にかけてやつていただかなければ、何のために閣議に入つておるのかわからないと申し上げたいくらいだと思う。それから特につけ加えて申し上げておきますが、第一回の年金弔慰金は、どうぞ年内にお渡しになつてください。そうでないと、この年の瀬が越せないという、遺族の実際の声であります。  それから第二に要求していただかなければならぬのは、ただいまちよつと國民健康保険の問題でお触れになりましたけれども、最低二十五億の健康保険関係事務処理費だけは国庫で持つてもらう。これは年額百億でございますが、それの四分の一の二十五億ぎりぎりの線を要求いたしますから、これもひとつがんばつてもらわなければならぬ。御存じ通り健康保険は破綻に瀕しておる状態になつてから五年ほど来ておりますから、これをひとつつてもらいたい。  それからもう一つつていただきたいのは未亡人母子問題です。これは朝日新聞社の講堂で全国社会福祉事業大会が行われておりますが、非常にやかましい輿論でございます。少くとも母と子の世帶に育英並びに融資貸付職業補導をし、そうした生きるにぎりぎりの困つた人たちに対する融資貸付方法といたしまして、母子福祉資金貸付法というものを第十三国会であらましつくつておりますが、補正予算に組むということで大体了承を得ておつたと思います。その額として少くとも二十五億くらいの金は要求してもらいたい。合せて少くとも百三十億の予算要求ははつきりしていただかなければ、大臣閣議に行つてもらうことはできないのですが、どうでしよう。山縣さん。
  10. 山縣勝見

    山縣国務大臣 非常にきついお話でございますけれども、先ほど換金の問題、さようなことは私も聞いております。御承知でありましようけれども、ただ今回の補正予算として原案事務当局から出しておりまするのは、国民金融公庫予算が全額三十億、しかもそこから各省が取合いをいたしておるのであります。その三十億が多い少いということもありますが、これは大蔵大臣あるいはその他の各省の所管であつて厚生大臣だけの問題ではありません。しかし国民金融公庫貸付金補正予算原案が三十億であります。そこから八十億出すということはできないことなので、あるいはその他の項目から出せということに相なるかもしれませんが、しかしただいまのお話のお気持は私もまつたく同感でありますから、できるだけ努力いたしたいと思つております。しかし八十億をとらぬと閣議に出てはいかぬということになりますと、いささかきついから、この点は適当にごかんべん願いたいと思います。  それから国民健康保険の三十億云々という数字は私も知つております。先ほど数字に触れなかつたというお話でありまするけれども、きようはできるだけ概括的にお話をせよということで、数字承知いたしておりますけれども、あえて触れませんでしたので、その点も承つておきます。  それから母子問題につきましては、政府の新政策閣議において決定前でございまするから、これはまだ何とも申し上げかねますけれども、厚生省は何とかして適当の方策をとりたいと思つて、できれば新政策の中にもできるだけ入れたいということでやつております。ただ先ほど来も実は閣議で、これは予算補正の問題であるか、あるいは当初予算の問題であるかということで、各省盛んにもんでおるので、これは来年になればいろいろな問題がありまするけれども、この際の予算補正方針は、大体においてベース・アツプとかその他の問題を重点的にやつて新たなる政策に関することは昭和二十八年度の予算においてできるだけ考える。もちろん私は母子政策が新たな政策とは申しません。これは従来からあつた政策でありますけれども、ここでは新たなる観点に立つて考えたい。それまでに政府の新政策決定してやつて行こう。こういうような方針予算補正方針でありますから、ただいまの母子問題はわれわれといたしましてもそういう方針でやりたい。  なおまた先ほど貸付の問題も私聞いております。できるだけ努力いたしたいと考えておりまするが、ただ、今お話通り、本日の予算閣議において、ぜひこいつを達成しろ、これは申しますことはやさしいことでございまするけれども、ここで厚生大臣がお約束いたしますことは、今回の予算補正の実情から申して、あるいは困難ではないか、かように私は考えております。
  11. 堤ツルヨ

    ○堤(ツ)委員 なかなかきついことをおつしやるとおつしやいますけれども、八百万遺家族の声というものは、大臣も御承知通り、たいへんなものです。未亡人、母子の世帯の問題にいたしましても、これは長いこと懸案になつております。政党のことを申し上げて恐縮でございますが、自由党内閣のこの三年半の間に、どれだけ母子福祉というものが叫ばれたか。私はおかわりになる大臣が初めておいでになるとき、必ずお尋ね申し上げておる。そうすると、非常に大切な問題だから必ず処置いたしますと、皆さんおつしやつた。ところが今日そのままで来ております。私は何もかも正直におつしやつてくださる山縣大臣に期待をかけています。たとえば、おつしやることはもつともだが実現は不可能だということは、今までの大臣はおつしやらなかつた。正直におつしやつていただいてけつこうです。なかなか不可能だと思いますけれども、しかしやはり八百万、大衆の十分の一の声でございますから、ぜひひとつ発言していただきたい。そしてとつていただきたいということをお願い申し上げておきたい。  なお他の遺家族援護法の実施に関しても、大臣にお伺いしておかなければならない具体的な問題がたくさんございますけれども、閣議にお入りになるということも伺つておりますし、他の先生方の御質問もございますから、私はこれで遠慮をいたします。  厚生委員会は、決して政党政党とがやりあつて大臣とつちめるという、他の委員会のような性格じやございません。超党派的にやる。私は今までずつとやつて参りまして、むしろ厚生省予算をおとりになるための大きな味方になつて来たつもりでございますから、ひとつどうぞそういうおつもりでたびたび委員会に出て来ていただきたいということを特にお願い申し上げます。ともすれば自由党委員長大臣をお逃がしになる向きがあつて残念でございますが、委員会の運営というものは、大臣が出ていなければならぬ。どうしても社会福祉制度については大臣にお願いしなければならぬのでございますから、その点をひとつお願いいたしておきたい。
  12. 永山忠則

    永山委員 国民健康保険に関する補正予算につきまして、医療単価値上りしわ寄せ大衆層が受けておるのであります。そうして各組合は赤字経営に悩んでいるので、この点に対して厚生当局補正予算をお出しになつておると聞き及んでおるのでありますが、大蔵当局考え方はどういうような考えでおられますか。なおこれがうまく行かないとすれば、その隘路はどういう点にあるのであるか、お聞きしたいのです。
  13. 山縣勝見

    山縣国務大臣 ただいまの永山さんのお話でございますが、われわれもこの国民健康保険は、先ほども申しましたが、ずいぶん保険財政上困難な情勢でありますことも承知いたしておるのです。いろいろとり方は違いましようけれども、二十六年度は二十一億、二十七年度は三十一億、そういうふうにだんだん單価が上り、受診率が上つて参りまして、なかなか困難な情勢にあることはよく知つておるのであります。そして今回の補正予算においても十二億八千万円を出しておりますことは御承知通りであります。何とかしてこれを達成したいと思つて今析衝いたしておりますけれども、従来国民健康保険に対する地固めがなかなかまだできておりませんので、新厚生大臣として、はなはだ苦慮いたしておるのです。この点につきましては、今後とも絶えず皆さんと御一緒に努力するという以外方法はないと思つております。もしもこれが簡單にできまするならば、だれでも厚生大臣ができるのであります。従来の厚生行政を担当された歴代の大臣も、その点に非常に苦心されて参りましたこともよく承知いたしております。しかしこれは何とかしなくちやいかぬ問題でありまするから、私もできるだけ努力をいたしたい、こう思つております。  今それに対して、隘路がどこにあるのかというお話でございまするが、隘路は各方面にあるのでありまして、たとえば、国庫負担を二倍にすれば解決するというような問題でありましようけれども、これらの問題に対して国庫負担を出すといたしますると、他の面におきましても同様の面がありまするから、それらを調整して、国家財政全体の見地から見なければできないということで、従来ここまで来ておるのであります。厚生大臣としての立場では、これらを何とかして突破しなくちやいかぬと考えております。しかし国務大臣として閣議の席上で国家財政全体から見ますと、厚生大臣立場だけを主張するのは筋が通らないという点もあります。今実はそれで孤軍奮闘いたしておるような次第でありますから、ひとつ側面攻撃なり、いろいろ御援助を願いたい。これをお願いする以外に、当面の私といたしましては申し上げようもないのであります。私は努力をいたしたいと思つております。
  14. 永山忠則

    永山委員 大臣の時間の関係もございまするので、多くを申し上げませんが、国民健康保険医療単価値上りによりまして、地方においては医師会との間に非常なる摩擦を来しておりますし、経営難で漸次崩壊過程へ入つておるのでありまして、一角がくづれれば、とめどなく崩壊して行くのではないかという、非常に憂慮すべき状態にあるのでありますが、私は一番大きな原因は医療単価値上りだと思う。これは昨年度予算編成後に決定をいたしました関係でございまして、この補正予算には必ず医療単価値上りによるしわ寄せをカバーしなくちやならぬということは、非常に考えねばならぬものであると信じておるのでございます。大蔵当局はおそらく、医療給付に対する補助は断じて出さぬ、いわゆる事務補助に限定するというような一つ理念のもとに—金額の問題、予算額の問題でなしに、その理念のもとに反対をいたすのではないかというように拝承いたしておるのでありますが、この大蔵当局の誤つた理念をぶち破ることはもちろんでございますが、かりにその理念の問題は第二といたしましても、絶対にこの問題は解決しなければならぬのでありまして、あるいは奨励費増加、並びに再建整備問題等基準線を引きかえる等の考え方によりまして、これの増加に向つて進むという立場においてでも、どうしてもこの問題の解決をお願いいたしたいということを申し上げまして、時間的制限がありますので私の質問を終ります。
  15. 只野直三郎

    只野委員 厚生大臣ちよつとお尋ねしたいのですが、私は厚生の方には全然知識がありません。ほんとのしろうとで、前の議会は建設の方をやつてつたのですが、今度こちらの方にまわされたようなかつこうになつたのです。ただ私は、この厚生行政一般行政違つて、涙の行政である。その点においては、堤委員がおつしやつたように、超党派でやらなければいかぬ。一番弱い人を救う省であるから、そういう意味厚生行政は親切な気持でやらなければいかぬ。そこで実は私宮城県ですが、まだ自分の選挙区の方のことしか知つておりませんが、一番困つておるのは、手続めんどうだということです。三月にくれることにきまつたのが、まだもらつていない。一体いつくれるんだ。もらう方の側は、これを首を長くして待つている。そこで私の申し上げたいのは、予算のことなどは私はわかりません。ただ早くくれる方法を考えてもらいたい。手続を簡素化して、たとえば県知事にまかして市町村長の方で調査した事項を、県知事が認めたならば、それでよろしい。まずさつとくれてしまつて、あとから始末したらどうか。役人は一ぱいおるのだから、跡始末でも同じだ。それを役人が帳面の上で一々はんこをとつて、それでよろしいと、万全を期してくれたのでは来年になる。そこが涙の行政であると私が言うゆえんなんです。私は詳しいことは知りません。厚生大臣の知らない点と、私の知らない点は違いますが、その意味において私は非常に意を強うしたのですが、どうか厚生大臣も、その意味で早くくれる方法を考えてもらいたい。これが一番親切な行政である。ただこれだけを申し上げておきます。あとは堤委員と同じです。
  16. 山縣勝見

    山縣国務大臣 ただいま只野議員から、厚生行政は涙の行政であるというお話がございましたが、私は同じ気持を持つております。涙の行政という表現がいいかどうか存じませんけれども、少くとも国民の一人々々の皆さんに直結いたした行政であるということは、私自身も感じておるのであります。私が就任以来事務当局の諸君にも申しましたことは、同じ年金を差上げるにいたしましても、弔慰金を差上げるにいたしましても、金額は同じでも、ほんとうに国全体がそういう困つた人に対して心から差上げるのだという気持で差上げるようにしてもらいたい。行政に当つては、いわゆる金とともにそういう精神が必要であろう。自分もそのつもりでおります。もちろん、国家財政が許しませんし、皆さんのお考えになつておる通りには参らぬと思いますけれども、厚生行政の大事な点は、やはりそこにもあるのであろうということを、私みずから考え、また事務当局にも申しておることであります。  また、ただいま手続が非常に複雑であるというお話であります。私も実は民間に永くおりました者でありまして、まつたく同感であります。従つて就任以来何とかしてそういう手続を簡素にして、実際の国民の皆様方に喜んでもらうようなふうにならぬかと、実は先ほど申し上げましたが、きようも朝来復員局参つて、その手続をやつておられる諸君に会つて、一々承つて、ここのところはこういうふうに行かぬかというふうに話もいたしたのでありますが、実際見てみますと、流れ作業で相当やつておるのであります。しかし、お話にございました通り、従来遺族方々から、村役場等を通じて、県の世話課に行つて、本省に行つて、それから郵政省、大蔵省へ行く。その間に、いわゆる事務のための事務というものがあるいはあつたかもしれません。従つて、従来戦死をいたしたというふうな明確な事由のありまするものに対しては、地方の審査を省略するというようなことも、最近からやつておるのであります。この点もお話にございましたが、われわれといたしまして、今後ともできるだけそれを簡素化いたして、できるだけ早く手に渡るように、今朝ほどもそういうことに対して打合せましたような次第であります。   ただ申し上げておきたいと思いますることは、御承知通り、実際に受付を開始いたしましたのが七月の上旬からでございまして、それ以来非常なカーブを描いて今上つておる最中であります。今受けますのは夏ごろの、あるいはごく最近まででございましようけれども、カーブが上りますまでの事由はいろいろ承るのであります。御趣意はよくわかつておりますから、その点は十分心得まして、関係の向きにもよく伝達いたしたいと思います。
  17. 平野三郎

  18. 島上善五郎

    ○島上委員 大臣はお急ぎのようですから、私簡単にお耳に入れておくと同時に、お考えを聞いておきたいことがある。それは先ほどの問題とも関連いたしますが、社会保険のことです。御承知のように社会保険制度は、わが国の社会保障制度の中核であつて、すでに二十五周年になる。そうして先般二十五周年の祝賀の大会もやつておりまするが、顧みまするに、今年は單価の値上げその他でもつて保険財政が非常に行き詰まつておる。このままではせつかくの保険制度もだめになつてしまうんじやないかというふうに心配されております。先だつて十一月五日ですか、全国の保険組合の代表が二千名ほど集まつて大会をやつておる。その大会のことについて、あるいはお耳に入つておるかもしれませんが、特に私ども、その代表から強い要求がございましたが、その大会の決議事項をこの際申し上げて、大臣考え方を聞いておきたい。もちろんこのことを今次の補正予算で大幅に実現することの困難であることは、私も知つておりますけれども、この次の通常予算の際には、ぜひとも全的に実現してほしいという強い要求がありますので、お耳に入れておくと同時に、その考え方を伺いたい。  その決議した事柄を御参考に申し上げます。第一は、社会保障制度の全面的実施。これは社会保障制度審議会の答申案をさしあたり全面的に実施してほしいという内容であろうと存じます。第二には、健康保険給付費の三分の一を国庫で負担してもらいたい。第三には、保険医制度の根本的改革を断行してもらいたい。この内容については、時間がありませんから、次の機会に詳しく申し上げ、かつ御意見を承りたいと存じます。第四には、結核対策は国の責任において強力に推進してもらいたい。第五には、社会保険料に対する課税を免除してほしい。第六には、健康保険組合に対する一切の課税を免除してもらいたい。第七には、厚生年金保険積立金の管理方式を改革して、還元融資のわくを拡大してもらいたい。こういう七項目が大会で決議された。今申し上げたように、いずれも金のかかることですから、そう急速に今次補正予算で全部というわけに行きませんけれども、今次補正予算においても、最大限にこの希望に沿うように努力してほしいとともに、次の通常予算においては、この要求にこたえるよう積極的にやつてもらいたいと私どもは考えておる。これに対する大臣考え方をお伺いしたいと思う。
  19. 山縣勝見

    山縣国務大臣 ただいまお話の各項目は、厚生行政の基本に触れる問題ばかりでございまして、相当重要な問題であります。従つてこれらにつきましては、きようは時間もございません上、ただいま項目だけを伝えておくというお話でございましたから、承つておきまして、よく研究いたすべきものは研究いたして行きたいと思います。
  20. 平野三郎

  21. 山下春江

    山下(春)委員 大臣がお急ぎのようですから、簡単に大臣の御意思を承つておきたいと思います。  いろいろな厚生問題中、最も気の毒なのは、戰争に伴う犠牲者のうちの戰争未亡人及びその子供、そのほか日本には、今まことに気の毒な母子問題が残されておるのでありますが、その悲惨な状態は、先ほど堤委員から非常に強く要望されたような次第でありまして、この一番気の毒な母子を何とか救済する母子福祉法というものが長い間何回か国会の議題となつたのでありますが、今もつてこれが制定されていない。私は、昨日全国から集まられました婦人のお言葉の中に、母子福祉法というものは、むしろこれは男の人が考えることであつて、女が要求すべきものではない、旦那様方が妻を持つておる、その妻をいかに不幸からのがれさしてやるかということのために、世の夫たちは生きている間にこういう法律をつくつておくべきである、こういうことを男の人が賛成しないで、今もつてそういう法律の制定が国会において進捗しないということは、まことに奇妙なことなのであるというお話を聞きまして、私もまことにごもつともだと思いましたが、大臣は、この日本の世の夫たちの義務である母子福祉法を今議会に御制定になる御意思があるかないか、明確な御回答を得ておきたいと思うのであります。
  22. 山縣勝見

    山縣国務大臣 母子福祉の問題は、先ほど堤先生のお話の際にお話申し上げましたが、政府といたしては、今何とか考慮をいたさなければいかぬということは考えております。ただ、この国会に出すかということでありまするけれども、母子福祉の対策に関しましては、国会におきましても、たとえば衆議院での従来の厚生委員会におきまする御意見、なおまた参議院におきまする御意見、必ずしも同一でございません。これらの点をさらに研究いたしまして、趣旨は、何とかいたさなくてはいかぬということはよく了承いたしておりまするから、できれば厚生省としては重点的に考えまするものの一つとして考えて行きたい。しかしどういう内容で、またどういう経過で出すかということはさらに検討いたしたいと考えております。
  23. 平野三郎

    平野委員長 次に、新任の政務次官からごあいさつをいたしたいとの申出があります。これを許します。
  24. 越智茂

    ○越智説明員 私今回はからずも厚生政務次官に任命せられました越智茂でございます。私は御承知のように浅学非才であります。なお厚生行政につきましてはほんとうのしろうとでありまするので、この重責を果し得まするのには、ただいまここから皆さん方の御意見を拜聽いたしておりますると、御造詣の深い、特に厚生行政についての御熱心なお方で構成された委員会でありまするので、こういう皆さん方の非常な御協力を得ますると同時に、熱を持ち誠意をもつて仕事に当ろうとする大臣の驥尾に付しまして、懸命の努力を払いたいと存じますので、今後一層御鞭撻、御指導あらんことをさらにお願いをいたしましてごあいさつを終る次第であります。
  25. 平野三郎

    平野委員長 それでは厚生行政に関する補正予算につきまして、政府説明を求めたいと思います。太宰会計課長より御説明を願います。
  26. 太宰博邦

    ○太宰説明員 私厚生省の会計課長であります。二十七年度の歳出補正予算につきましてその概要をお手元に印刷して差上げてございますので、それを追つてその概要だけを御説明申し上げたいと思います。  お手元に差上げてあります一番上が昭和二十七年度補正予算要求事項別表となつております。それからこの金額は、その右の上の肩にございますように単位が千円でございます。まず大臣官房は、一、人事事務処理に必要な経費千百二十四万七千円、これは右の摘要欄にございますように、国家公務員がその勤務中公務災害を受けました場合、たとえて申しますれば、結核療養所に勤務しておりまする看護婦その他の職員が感染したというような場合がいい例になると思いますが、さような場合の補償の予算経費でございます。これが当初予算に計上いたしましたものが、その後実績を見ておりますると不足を生じておりますので、その分だけをそこに計上いたしました。ごく事務的なものでございます。それから次に二と三、国立公園の維持管理に必要な経費、同じく施設整備に必要な経費、これは具体的に申し上げますると、皇居前の広場の一隅にありまする、通称千代田グラウンドと申しておる場所でございます。これがこの春でございましたか、大蔵財産から厚生省の保管に移されることに決定いたしました。厚生省といたしましては、これを公共福祉用財産といたしまして、あの周囲のものと相並んで整備して参りたい、それに必要な経費の一部でございます。大体維持管理に必要な経費というのは、清掃いたしましたり、あそこの要するに管理の費用でございます。三番目の費用はあそこを手直しいたしますための費用でございます。  それからページがかわりまして、公衆衛生局に入りまして、四番目、優生保護法の施行に必要な経費、これは優生保護法に基きまして優生手術をいたしまする場合に、それの入院料、これを政府か見るのでございますが、その入院料の点数が改正になりまして、一日二十五点でありましたものを、その後物価の状況などを見まして、これを五点ほど引上げたいという要望でこれを出してございます。それから五番目の精神衛生事業補助に必要な経費二億六千二百二十五万三千円、これはまず第一は一公立精神病院の経営費でありますが、その入院の点数單価が、昨年の年末に一点単価の改正がありまして、一円五十銭ずつ引上つたのであります。当初予算にそれが間に合いませんでしたものでありまするので、それに伴う増額分でございます。それから第二の分は、昭和二十六年度、つまり前年度におきまして、こういう公立病院の経営費につきましては、歳出と収入との差額につきまして国がその赤字分についての補助をすることになつておりますが、その分をそこに要求した次第であります。第三番目には、徴収額の控除率の変更、これは大体そういう病院におきまして、どれくらいの収入があるかということにつきまして、当初予算におきましてこれくらいの収入があるであろう、具体的に申しますと、まず大体八五%ほどのものがとれるであろう、こういうような予想をしておりましたものが、その後実績を調べてみまして、それほどとれないというようなことによりまして、これの徴収率を変更してもらいたい、そうしますとおのずからそれだけの赤字がふえるわけであります。これに対しまする国の補助増加となる、さような趣旨を含めまして、二億六千二百万円余を要求しております。第六番目の保健所整備、これは駐留軍が基地を持つておりますそこにおきましてはこのたびこの春から夏にかけて少し移動がございました。そういたしますると、おのずからその辺に関しまして公衆衛生の措置をしなければならない。それには第一線機関でありまするところの保健所をふやしたいということで四箇所ほどふやした。第七番目の癩患者対策、これは私立癩療養所及び密入国の癩患者—恐縮でありますが、補助とありますのは、これは消していただきます。こういう癩患者を癩療養所に入れますその場合の入院の点数が増点になりましたので、それに対しまして、国の方の負担額の増でございます。八番目は地方におきまして結核療養施設を新設、増設したいという要望が、実に熾烈なものがございまするので、そこにその合計千五百床のものを出した次第であります。それから九番目は伝染病隔離病舎、いわゆるいなかで言いますと避病舎であります。この古い建物が腐朽して参つております。それでこれを漸次建てかえる経費を当初予算にも組んでございますが、なお要望が強いので、さらに八百床余要求いたしてございます。  十番から十一、十二、十三、十四までは、こたはいずれも水道に関する施設整備費あるいは災害の復旧に必要な経費でございす。十三を除きましていずれも、当初予算に計上されておりまする額が不足でありまするので、それに地方の要望等を加味して要求いたしたのであります。ただ特に十四番目は少し訂正いたしますが、これはこの春国会を通過いたしましたいわゆる臨時石炭鉱害復旧法、それに基きまして一部の経費を計上した次第であります。十五番目はズルチンの毒性調査、終戦後私どもの日常生活に割に密接な関連を持つていた甘味剤、ズルチン、これにつきまして最近いささか疑義の念が出て参りましたので、これを調査いたしたいということで、ここに調査を委託する費用その他が出ております。十六番目はこれは先ほどの駐留軍との関係で、日米行政協定に伴いまして駐留軍の管理地域につきまして、やはり建前上わが国の検疫法が適用に相なります。そこは軍の管理区域でありまするので、相談をいたしまして向うの職員も手伝わせる、そのためにその職員に対しまして検疫法の技術その他の指導をいたしますとか、その他連絡のための費用でございます。  次に薬務局関係でありますが、企業合理化促進法の施行に必要な経費、これも先般通りました法律に基くものであります。薬事工業、これには中小企業が多いのでありまして、これの企業の合理化を促進するために、そうして援助いたしますために、そこに摘要欄に書いてございますように、医薬品の原材料動力の原單位改善のために政府の手で目標原單位というものを作成して示してやります。その調査のための費用、二番目が、指定機関の合理化に役立つような機械設備を輸入いたします際に、税を免税してやるという特典がございます。それには主務大臣の指定が必要であります。その指定をやります場合の費用、三番目は企業の経営の状況を把握するための費用その他の事務費、四番目は企業の技術の向上をはかるために、工業化試験をやる場合にこれに対して補助したい、かような費用でございます。  社会局に入りまして、身体障害者保護更生に必要な経費、これは身体障害者に対しまして、義手、義足等の補装具を支給いたしますが、当初予算に見込みました人員よりも、その後の実績がふえておりますので、その差額を一応要求した次第であります。十九番目、婦人保護に必要な経費、この婦人保護と申しますのは、御承知の転落いたしました婦人、これの更生の事業をやつておりますが、そこの収容施設におきまして、職員の事務費を少しふやしてやりたい。まかない費をやはりその後の物価状況あるいは米価等の値上り関係から見たいというようなことで要求してございます。二十番目の浮浪者対策に必要な経費、これは大都市におきましては相かわらず浮浪者がおるのでありまして、この対策に苦慮しておるのでありますが、これを大体収容いたしまして、そこでまともな生業につけさせる、あるいはその収容いたします前に、その浮浪者を鑑定いたしまして、そうしてそれを養老院に送る方がよい、あるいは病院に入れた方がよいとか、こういうようなことを調べます。そのために一時的にそれをとめておきます一時保護所、かような施設を大都市に設けたいということで、そこに要求してございます。二十一番目のララ救援物資処理に必要な経費、これは御案内のララ物資が大体二十七年の三月までにララの方から日本へ送つて参りますものを国内において処理するための費用、あるいはララに対しまして感謝の意を表する締めくくりの費用という若干の費用が入つてつたのみでありますが、向うからの渡航の手続がずれまして、二十七年においてもなお若干の物資が入つて来ることになりましたので、それの処理に必要な経費をここに要求してございます。  次に児童局に入ります。児童局の一般行政に必要な経費、これは人件費の不足あるいはあとにあります母子家庭対策を実施します際の本省の職員の不足を要求してあります。次に二十三番、不良児、孤児、浮浪児の保護に必要な経費、これは摘要欄にございますように、一つは人身売買の実態調査、つまり身売りせられました若い子供たちに対する対策の一環といたしまして、それが大都市あたりで働いておるということでありますれば、そういう特殊な地域、あるいは地方によりまして、そういうふうに出しておるというような地域につきまして実態調査を進めたい。次は混血児の実態調査—混血児問題につきましても、いよいよ放任しておくことを許されなくなりましたので、これに対しまして、地方の機関を通じて、混血児の正確なる数、混血児を持つ家庭の生活状態、あるいは親からの仕送りの状態あるいはさらに進みまして、そういう子供たちの心理、どういう心理を持つているかというようなことをいろいろ調べまして、今後の対策の資料にしたいというようなことで実態調査、それから収容施設もできましたならば設けたいということで、そこに計上しておる次第であります。それから二十四番、身体障害児対策に必要な経費、これはやはり先ほどの身体障害者対策と同様に、子供の方の身体障害者に対して、それの義手、義足その他の介護用具、これがやはり当初予算に見込みました額では不足を来すように思われますので、これを要求したわけであります。二十五番目、児童福祉施設整備に必要な経費、これは保育所と母子寮につきまして当初予算に計上してございますが、なお地方の要望が強いものでありますので、さらにこれを要求した次第であります。二十六番目、母子家庭対策に必要な経費、これは先ほど大臣に対してもいろいろ御質問、御意見がありました母子福祉資金の貸付、これは法律はまだできておりませんが、近く何とかいたしたいというようなことで、予算として出したわけであります。一は生業資金の貸付。二番目は、そういう母子が技能を修得するために必要ないろいろな道具を買つたり、通つたりする費用。それから三番目は、技能修得者の貸付金、これは技能を修得いたしますその間、生活費に困りますので、その間の生活費の貸付。四番目は、店を開くような場合に、いろいろな運転資金の不足を来すというので、それに対する貸付。それから五番目は、養育資金の貸付、これは大体子供が高校以上になつておりますような者に対して、現在では大日本育英会、あそこで一部の貸付をやつておりますが、どうしても母子の家庭の子供に対しましては、別個の保護法を考えてやるべきじやないかというようなことで、それが入つております。  それから保険局に入りまして、国民健康保険の診療報酬一点單価引上に伴う保険者財源補給補助に必要な経費、これは摘要欄をごらん願いますと、昨年末の点数單価改正前までは、そこにあります九円七十五銭が大体平均の單価でございました。それが新しい単価は、大体地方でございますので、十一円五十銭ほどになります。そうしますと、その差額が従来の赤字にさらに追加されることになります。いよいよ経営が苦しくなる。従いまして、それに伴つたところの所要経費の増に対して国で一部を補助してもらいたい、こういう要望に基いて提出いたしました十四億八千万円でございます。  引揚援護庁関係に入りまして二十八番、更生資金貸付事務指導に必要な経費、これは引揚援護庁において実務をやつております事の発端は、引揚者をおもな対象といたしまして、引揚者に対して生業資金を貸す、こういう制度から出発したものでございます。現在約四十四億ほどの金が流れておりますが、これが回収をさらに促進をいたして、そして償還されたものをもつて、その次の貸付に新たにまわしたい。昨年度までは若干一般予算において計上されておつたのでありますが、二十七年度においては、それが計上されてございませんので、この回収にはさらに力を入れざるを得なくなつた。そういう意味で、それに必要な経費でございます。二十九番、援護思想昂揚に必要な経費、これは通称愛護運動と申しまして、未引揚者の留守家族の慰安激励、あるいは引揚げ促進に関しまする運動が、国民運動として展開されておりまするが、それを二十七年度におきましても、引続いて実施したいという地方の要望に基きまして、その都道府県に対して若干の経費を流しまして、国もこれに協力の意を表したいという意味で計上をしてございます。それから三十番、比島ルバング島残留帰還工作に必要な経費、これは大分前でございましたが、新聞にも出たようでありますが、フィリピンのルバング島に旧日本軍人三名が残留しております。これに対しまして、早く出て来るようにという工作を実施しておりますが、なかなか現地だけでやりまし参ではうまく成功いたしておりませんので、内地から三人を派遣いたしまして、直接に呼びかけたいというような経費でございます。それから三十一番、米国管理地域中の遺骨収容等に必要な経費、これは太平洋の米軍管理地域において玉砕された元の軍人、軍属の遺骨、遺品などにつきましては、まだ十二分にそれを調査し、これを集めて持つて帰るという取運びになつておりませんので、この機会に人員を新たに派遣いたしまして、それらの遺骨、遺品等を調べて、現地において簡單な慰霊の工事をいたしたい。かような意味で計上をしておるわけであります。三十二番、遺骨交付に必要な経費、これはかような工作、あるいはその他沖繩、硫黄島、フィリピン等から送還されました遺骨につきまして、これを遺族に交付するのでございますが、その遺族の出頭旅費、あるいは陸揚げの地におきまして、読経をするというような経費でございます。それから三十三番、庁舎借上に必要な経費、これは復員局の方で広島と福岡の一部の建物を借りております。これは当初予算に落ちましたので、それを計上したわけであります。それから三十四番、引揚者住宅災害復旧に必要な経費、これは去る七月の豪雨で和歌山、大阪、香川、愛媛、四県の引揚者住宅が災害を受けました。これに対して復旧のための経費の補助でございます。三十五番は戦没者追悼式参列に必要な経費、これは五月に中央で追悼式をいたしますと同時に、その後各都道府県で開催せらるる向きがございます。そういう場合に参列するため、中央の職員に大臣代理として出てもらいたいというようなお話がございました。そういうときのための経費でございます。  次に附属機関の方に入りまして、人口問題研究所というものが厚生省にございます。三十六番はそこの事務的なものでございまして、職員の給与が不足し、あるいは庁舎を現在日産館に借りておりますが、それの借料の値上りというようなものであります。三十七番は、現在日産館の方から返還してもらいたいという要求が来ておりますので、これを諸般の情勢から早晩返さなければならないであろう。そのために引越し移転先を物色しておりまして、幸いかつこうな建物が見つかりました。それを購入するための経費でございます。  それから国立予防衛生研究所、これはQ熱という私どもまだよく存じませんが、日本に従来入つてなかつたいわゆる一種の熱病、これに対しまする研究施設、これが従来の場所では狭隘であると同時に、特殊な施設をする必要がございまするので、その経費を出したわけであります。それから建物の雨漏りその他の補修費が不足しております。それを計上したわけであります。  それから次の検疫所、これは日米行政協定に伴いまして、軍用船につきましてやはり日本側において検疫を実施する場合がございます。その場合に、向うの作戰その他の関係もありまして、軍の行動でありますので、検疫をただちにやるようにひとつ手配をしてもらいたい。それに協力することになりましたので、それに伴う必要な検疫の係員の増、その他の費用であります。それから支所七箇所と申しますのは、検疫所を現在新潟、その他の港に支所七箇所、新たにつくつてもらいたいという運輸省等の要望からであります。三番目は羽田、岩国、この国際室港につきまして、やはり衛生的な検疫施設を設けたいというような要望でございます。  国立療養所に入りまして、三十九番、国立療養所の看護婦養成、次は結核療養所、四十一番は癩療養所、四十二番、精神頭部療養所、四十三番、脊髄療養所、これだけのものを一括して申し上げますと、要するにそこにおきまして生徒あるいは患者に支給いたしまする食糧費が、その内容を少しよくしたいということと、それから燃料費がその後の実績で不足を来す見込みでございますので、その燃料費をひとつふやす、こういう費用がそれぞれわかれておる。これがおもなものでございます。それから四十四番の療養所の災害復舊費、これはダイナ台風と九月の豪雨によつて被害を受けましたものの復旧のための経費であります。四十五番、国立身体障害者更生指導所、これは二十七年度当初予算におきまして、現在神奈川県の相模原にありますものを東京の元の癌研の跡を買つてそこに移るという予算を出しておつたのでありますが、癌研との交渉が不調になりましたために、これを東京第一病院の横に移すことになりました。そのために経費に不足を来しましたもので、それの不足額を要求したものであります。  四十七番目は、国立教護院、これの職員の号俸調整及び勤務地手当の額の変更、あるいはそこの教護院生が間々逃亡したりいたします際に、これを連れもどすための旅費、その他燃料費等の不足分でございます。四十八番は、麻薬取締官事務所職員のやはり調整号俸による給与の不足額でございます。  ついで次は追第一号、結局これは予防衛生研究所、これは目黒の方に藤山図書館というのがございます。現在の予防衛生研究所ではどうも手狭で、検定その他の能率が上りませんので、一部をそこに移したいというための経費でございます。それから二番目の国立身体障害者保養所と三番目は同じでございます。これは伊東と別府の方に設けることに内定しておりまするが、これが当初七月以降の経営費が入つてつたのであります。それでそちらの方で経費が余りましたものを活用いたしまして、伊東の方に五十べツドほどのものを増床したい。こういう経費でございます。以上大体一般会計につきましては申し上げたような次第であります。  特別会計はそこにございまするが、これは病院の移讓問題で、当初予算では六十箇所ほど移譲になる見込みであるから、九箇月分、本年の十二月までの経営費しか組んでありません。しかしその後の経過を見ますと、どうも年度末まで国の方で経営して行かなければならないように思われますので、その不足の三箇月分の経営費を大体予定いたしました。あとはそれそぞれ療養所にございましたように、食糧費あるいは燃料費の不足等の補充、内容改善に件う経費だけを若干計上した次第であります。以上概略申し上げました。
  27. 大石武一

    大石(武)委員 二十七番の国民健康保険の診療報酬云々の件の内容についてもう一ぺん説明してくれませんか。
  28. 太宰博邦

    ○太宰説明員 摘要欄にございますように、新単価十一円五十銭、旧單価が引上げ前は平均單価九円七十五銭、これの差額分に一件あたりの点数、年間受診率、被保険者数をかけますと、要するに單価引上げに伴いましてどのくらい給付費が増になるかという給付費の増が出ます。従来とも国民健康保険は経費に苦しんでおります。そこにさらに不足分が追加になるのでございますので、せめてその追加になりました分についての一部を国の方で補助してもらいたい、こういうのでございます。(「一部ですか、半分ですか。」と呼ぶ者あり)二分の一でございます。
  29. 平野三郎

    平野委員長 これにて説明は終りました。ただいま政府からは宮崎事務次官、木村引揚援護庁長官、久下保険局長、山口公衆衛生局長、小山総務課長、それだけ出席しております。御発言があればお許しいたします。
  30. 長谷川保

    長谷川(保)委員 大体きようあたり補正予算閣議で最後案が本ぎまりになるように伺つておりますが、この補正予算の中で通ると見通しのつきますもの、あるいは通らないと決定したもの、そういうものはどれとどれでしようか、おわかりになりましたら……。
  31. 太宰博邦

    ○太宰説明員 これはまことにつらい御質問でございまして、私どもといたしましては、出しましたからにはなるべくみんな通してもらいたいとせつかく努力中でございます。なおしばらくお待ちを願いたいと思います。
  32. 長谷川保

    長谷川(保)委員 大体見通しがよくついているのじやないですか。新聞報道等と比べましてどうでしようか。
  33. 太宰博邦

    ○太宰説明員 むしろ見通しがついておる方は、先ほど大臣から率直に申し上げましたように、ことしはなかなかなかきつい。それに補正の筋というものがございまして、正しい政策というようなものは当初予算で行くべきである。補正予算としては、その後の情勢の変化というようなものだけを考えるべきであるというような線で、国家財政に余裕がない場合においては、それに乗らないものは一顧も与えられないというような、非常につらい状況であります。せつかく努力しておるというところで御了承願いたいと思います。
  34. 長谷川保

    長谷川(保)委員 私は大臣がいるうちに聞くつもりでありましたが、先ほど都合でできませんでしたが、事務次官、政務次官がいらつしやいますから、一言ここで最初の会合ですから申入れておきたいと思うのです。大体これからの厚生行政が非常に困難になつて来るであろうということは、どなたも見通しを持つておるわけです。そこで私は、先ほど大臣のごあいさつを伺つているうちに、実に心細く思つたのであります。今日国民の生活状態を見まして、憲法の保障が行われてなど決しておりません。憲法第二十五條などは決して行われておりません。しかるに先ほど大臣お話を聞いており、今補正予算の話を伺うと、むしろ最初から敗北主義であります。私はこんなことでは、議員といたしましても、また政府当局といたしましても、国民に相済まぬと思う。ことにアメリカの大統領選挙の結果を見ましても、こんな情勢がもつと押しつめられて来ると思う。この際われわれは、先ほど堤委員からお話がありましたが、与党、野党というようなけちなことを言わないで、断固として国民の基本権を守らなければならぬ。そういう意味先ほど大臣のごあいさつのような、最初から敗北主義的な考え方は根本的にやめてもらいたい。あくまで大蔵省に向つて鬪いとるという態度をとつて厚生行政の本来のあり方を守つていただきたいと思う。われわれ野党といたしまして決してけちなことは言わぬから、あくまで厚生省のお考えを守り、われわれ議員といたしましても、それぞれ国民の権利を守るための考えをどんどん持ち出しますから、もつと元気を出してぶつかつてもらいたいと思う。このことを、根本問題ですから、この委員会の初めにあたりまして申し入れておきたいと思います。
  35. 平野三郎

    平野委員長 他に何か御発言はございませんか。
  36. 堤ツルヨ

    ○堤(ツ)委員 事務次官も政務次官もおいでになりますが、ただいま長谷川委員からお話がございましたが、今日の政治の要諦は生きる権利を持つた国民の最低生活の保障、それから働く義務を持つた国民の最低生活の擁護、これ二つよりないのであります。しかもその生きる権利を守るのがどこかといえば、これは厚生省以外に私はないと思う。従つて厚生省役人方々などは、いくら言つてみても通らないので、少しマンネリズムになつていらつしやるのではないかしら、不感症というような気が私はいたしております。これは非常に大切なことでございますし、ことにまた来年度の予算などは、今申し上げました通り、どういう方向に向くかわからないというようなことを考えましたときに、はたしてほんとうに私たちが考えているぎりぎりの社会保障制度というものは、こういう虚脱状態になつてしまつては来年手がつけられないのじやないか、何のための占領ぞやということにわれわれとしてもなつて来る。言葉を重ねますけれども、閣議に出られる大臣があの通りですから、補正予算はどれくらいとる——今これを拝見いたしましても、今夜勉強してでないとえらそうなことは言えませんけれども、私が先ほど大臣に申し上げました母子家庭に必要な経費、母子福祉貸付資金にいたしましても、私はけたが一つ違つておりはせぬかと思つておる。五十億というのが五億になつておる。私は何べんも見たけれども、確かにこれは五億です。こういう予算さえも今の会計課長の話ではほとんどおぼつかないという。国会に厚生委員会があつても何にもならぬのじやないかというような感を持ちますが、一体ここをどうして切り抜けるかということは、実際私たち国民の代表として大切な問題だと思いますが、もちろん今までの委員会においては、時間通りに開けたこともございませんし、与党の方二、三人ぐらいお出ましになつての低調なことでございました。これは無理もないと思いますが、今は今日御出席の方々がみな勢ぞろいなさつて、そうして時間もあまり違わずに開会して、非常に調子よく出ておるのですが、調子よく出た初めに、こういう希望のない御報告なりなんなりをお聞きしますと—実際ここで考えなければ、きまつてからではどうにもならないということを考えさせられるのですが、もし委員会の席上ではあまりいろいろな話ができないのならば、ひとつ委員長の御采配によつて秘密会でも開いて、どうすればもう少し国民の最低生活を守るための予算がとれるかということを、議会と政府委員とが協力して大蔵省の方に当るくらいのところまで行かなければどうにもならぬと私は思いますので、ひとつ皆さんにお考えを願いたい。委員長よろしくお願いいたします。
  37. 平野三郎

    平野委員長 動議ですか。
  38. 堤ツルヨ

    ○堤(ツ)委員 委員会で話合いのできないような話があるのでしたら、特に懇談の形式にでもして、もう少し国会が積極的に動くような方法でないと、とれままんよ、これでは……。
  39. 永山忠則

    永山委員 議事進行に関して、ただいまの御発言は当局の説明に対する何か質疑なりお考えであるように拝承いたしておつたのであります。最後に何か動議のようなことにもなつて来たのでありますが、私はやはり順序的に、この場合質疑なり考えなりを推し進められるように希望いたしまして、その後においてこの取扱いについて協議したらと、こう考えておるのです。
  40. 平野三郎

    平野委員長 他に御質疑あるいは御発言があれば……。
  41. 山下春江

    山下(春)委員 特別会計の方に書いてあります国立病院の移譲に必要な費用—私議会におりませんでしたのでよくわからないのですが、国立病院は移譲したのですか、移譲予定でございましようか。移譲いたしましたらどういう形でどことどこが移譲したかということがおわかりならば、ちよつとお聞かせ願いたい。
  42. 宮崎太一

    ○宮崎説明員 ただいまの御質問でございますが、国立病院は九十九ございまして、この九十九の国立病院を再検討いたしまして、大体一地方のブロツ、クの中心になるところに総合病院を残す。それから整形外科等の特別の病院につきましても残すということにいたしまして、約六十箇所くらいの病院を地方に移譲したい、こういう計画を本年の当初に立てたわけでございます。これは行政整理とも関連した問題でございますが、それで予算ができておるわけでございます。  それからもう一つ、その移譲につきまして時価の七割引、すなわち時価の三割で土地、建物を地方に移譲したいということに伴う法律案が去る国会に提出されたのであります。そういたしましたところ、国会の審議の過程におきましては、国立病院を地方に移譲することはいけないではないかという御意見もあり、無理をしてはいけないではないかという御意見もありいたしまして、政府といたしましては、国立病院は地方と相談して納得の行きましたものについて移譲するのである。無理に地方庁に強制して国立病院を渡すのではないという御説明を申し上げまして、衆議院はその法律が通つたのでありますが、参議院におきましていろいろ論議をされておりまするうちに、だんだん時間切れになつて来たのであります。そのときにおきまして、衆議院の方でこれを再議に付しまして、三分の二の多数をもつて衆議院の議決でこの法案が成立したのであります。そういう関係を見ておりまして。国立病院の移譲はいまだ一箇所もいたしておまりせん。目下地方庁と相談中でありまして、時価の七割引きをもつて土地建物を移譲し、かつ機械器具等は半額で渡すというようなことや、あるいはその建物を軍の方で非常に急いで建てましたために、不完全なる、あるいは腐朽を来しておる建物がございますから、それを整備するという経費六億何千万円がございまして、それを移譲いたします病院につけてやる、こういう形で予算ができておるのでございますけれども、いまだ移譲はできておりません。その関係上、当初の予算は十二月までの予算を組んだわけでありますから、あとの三箇月分の予算が足りません。それで予算補正いたしまして、六十箇所の移譲はできないから、何箇所になるか、これからの問題でございますけれども、病院が継続して経営できますような補正をいたした、こういうわけでございます。
  43. 山下春江

    山下(春)委員 今のお話を伺いまして、参議院で非常に異論があつたものが、衆議院へ回付されてそれが議決されたということは、前国会の多数の暴力がここにも非常に現われておると思うのでありますが、私も実は自分の県で、そういう問題が今国会で取上げられておるそうだということを聞いて、たいへんな大問題だと思いましたが、地方民も、中にいて療養を受けている人たちも、大反対をいたしておりました。地方には財源がございませんから、あの貧乏なおのおのの地方自治体がこれを引受けまして、どこへしわ寄せするかというと、もうこの程度なら全快だから出てくれというようなことで、中にいる病人へのしわ寄せによつてこれが経営が持続されるという非常に悲惨なことが起ると思います。しかし決定されたことはいたし方がありませんが、この問題については、この中にいる病人へのしわ寄せでこれが経営が維持されるというような状態にならないように、厚生省としては御考慮願いたい。法律がきまつてしまつたものはいたし方がないが、たいへん私もわからなくておりましたけれども、これは地方で今大問題になつておりましに、こういうものを引受けるということをうつかり返事をした地方自治体もあつたそうでありますが、大部分は反対であるということだけは政府でもよくお考えおき願いまして、これの運営は万全を期していただきたい。これは希望でございますけれども、申し上げておきます。
  44. 平野三郎

    平野委員長 他に御発言もないようでありますから、次会は公報をもつてお知らせいたすこととし、本日はこれをもつて散会いたします。     午後二時五十五分散会