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1952-11-11 第15回国会 衆議院 建設委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十一月八日       高木 松吉君    田中 角榮君       中島 茂喜君    前田榮之助君       安平 鹿一君 が理事に当選した。     ————————————— 昭和二十七年十一月十一日(火曜日)     午前十時三十二分開議  出席委員    委員長 篠田 弘作君    理事 高木 松吉君 理事 中島 茂喜君    理事 安平 鹿一君       淺利 三朗君    荒舩清十郎君       宇田  恒君    内海 安吉君       佐藤虎次郎君    仲川房次郎君       西村 英一君    明禮輝三郎君       小泉 純也君    武部 英治君       甲斐 政治君    山下 榮二君       渡辺 惣蔵君    荻野 豊平君  委員外出席者          大蔵事務官         (主計官)   佐竹  浩君          建設事務次官 稻浦 鹿蔵君          建設事務官         (官房長)   石破 二朗君          建設事務官         (大臣官房文書         課長)     水野  岑君          建設事務官         (住宅企画課  前田 光嘉君       長)建 設 技 官         (河川局長)  米田 正文君         建 設 技 官        (道路局長)   富樫 凱一君         專  門  員 西畑 正倫君         專  門  員 田中 義一君     ————————————— 本日の会議に付した事件  国政調査承認要求に関する件  建設行政に関する説明聽取     —————————————
  2. 篠田弘作

    篠田委員長 これより会議を開きます。  まず国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。衆議院規則第九十四條によりますと「常任委員会は、会期中に限り議長承認を得てその所管に属する事項につき、国政に関する調査をすることができる」ということになつております。本委員会といたしましては、国土計画地方計画都市計画住宅、建築、道路河川その他建設行政に関する事項、及び調達庁の業務並びにその運営に関する事項につきまして国政調査承認を得たいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 篠田弘作

    篠田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  なお議長に提出すべき国政調査承認要求書の作成及び提出手続につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じます。     —————————————
  4. 篠田弘作

    篠田委員長 次に、建設行政、特に本年度予算補正につきまして政府より説明を聴取いたします。まず石破官房長より今日までの折衝経過説明願います。
  5. 石破二朗

    石破説明員 お手元に配付いたしてあります一枚刷りの昭和二十七年度補正予算要求書、これにつきまして概略御説明申し上げます。  御承知のごとく、今年度建設省所管事業費予算額は、一番左の欄に書いてあります通り六百八十二億であります。これに対しまして、補正予算要求いたしました額は五百二十一億であります。先般大蔵省におきまして事務当局より第一次査定として内報して参りました金額が六億六千万であります。それに対しまして復活要求いたしました額が百五十七億であります。これに対してさらに第二次査定として内報して参りました額が三百八十五万円であります。これに関しまして若干御説明申し上げます。  補正予算要求は、今年の八月末に大蔵省に提出いたしましたので、建設省といたしましては、年度早々でもありますし、当初予算不足を補うためには相当の額を要求して仕事をする予定であつたのでありますが、だんだん補正予算決定の時期が延びて年度経過して参りますし、今日に至つた次第であります。大蔵省査定方針なるものを伺つて見ますと、単に予算が足りないとか、あるいは事業が非常にはかどつたから、そのために金が足りなくなつたという理由で補正予算を認めるわけには行かない、あくまでも補正予算という以上は、予算編成後生じた新事態に対処するものに限られるべきものである、こういう趣旨査定したものと思われます。つまり、大蔵省説明によりますと、新事態に対処するものとしてこれだけのものを認めるということですが、その内訳を申し上げますと、まず第一に一般会計一般の部というところの一番上に一億九千八百八十五万四千円というのがあります。これは今年の台風期前に実は建設省におきまして各府県に、予算成立すれば若干の補助金を出しましようというようなことで、各府県に勧奨いたしまして、いろいろの水防の施設整備いたしたものに要する経費でございます。私どもといたしましては—これにつきましては大体この程度でよかろうと考えております。  次に、事業関係といたしまして四億六千二百万円承認なつております。この内訳を申し上げますと、まず一番上の河川等事業費の中に二千万円認められておりますが、これは法律が新たに制定せられまして、一般鉱害復旧費に対する補助であります。次に、砂防事業費というのに二億七千八百万円認められておりますが、これは特殊土壌地帶砂防に要します経費であります。これも新しい事態として認められたわけであります。次に都市計画事業費一億六千四百万円がありますが、これは本年度になりましてから、横浜と神戸の接収地帯が相当広範囲にわたり解除になりましたので、それの区画整理に要する経費であります。合計一般会計におきまして六億六千八十五万四千円に相なる次第であります。  なお、この第一次査定には、建設省所管といたしましてこれだけでありますが、大蔵省所管の当年災の災害予備金に従来八十億計上してありましたものに対しまして、二十億追加に相なつております。そのうち建設省所管分はどの程度になりますか、まだはつきりしたことはわかりませんけれども、二十億計上いたされておるような次第であります。これに対しまして、自分どもといたしましては、とうていこれでは困ります。大蔵省査定方針はわかりますけれども、若干事業が進捗したものにつきましては、これに経費を継ぎ足して、経済効果というものを発揮するようにしたい。また新事態に対処するものといたしましても、これでは不足だというような次第で、復活要求いたしたのであります。その額が百五十七億に相なる次第でありますが、これにつきまして、われわれが特に重要視いたしておるものにつきまして、若干御説明申し上げます。  一番右の欄を見ていただきます。河川事業費、そのうちの直轄河川改修費六億五千万というものを復活要求いたしております。これは利根川その他直轄河川合計十五河川、これの分でありますが、そのおもな中身を申し上げますと、直轄河川災害にかかつたもの、これにつきまして、災害復旧分災害復旧経費から出るわけでありますが、それと同時に合併して行います改良分に要する経費、それからまた用地取得が意外にはかどりまして、団地として一括購入すれば非常に経済的に行くというために、用地買収に要する経費、それからさらに附帯工事で、若干この際やつた方が経済的であるというような経費、こういうものを考えまして、六億五千万というものを強く要求いたしております。その中でも、特に災害にかかりまして、どうしても改良費を継ぎ足さなければいかぬ分約一億ありますが、それを特に重要視いたしておるような次第であります。  その次に、直轄河川総合開発費一億、これを要求いたしておるのであります。これは利根川上流藤原ダム、これが東京電力におきましても、明年はいよいよ相当な経費をつぎ込んで、電力開発を早急にやりたいというような希望があります。建設省におきましては本年度からいろいろ調査なり、それからまた若干の準備工事をいたしておるのでありますが、来年から本格的に工事をやるためには、どうしてもこの程度の金をつぎ込んで、準備を十分やつておかなければいかぬであろうというようなことで、要求いたしておるような次第であります。  なお、これに関連いたしまして、ダム建設に要する経費のうち、実はこのほかにも若干この際つけてもらえればつけてもらいたいというような箇所があるのでございます。たとえて申しますならば、北海道幾春別でありますとか、あるいは鬼怒川五十里ダムでありますとか、こういうようなダムにつきましては、本年度治水関係予算ももう使い切つておりますし、どうしてもこれに若干の経費を継ぎ足す必要はあるのでございますが、これは御承知のごとく、本年度から継続費なつ関係もあり、工事が進まない主たる原因は、電力開発費経費の方が、出がはつきりしないというようなところにも原因がありますので、この方は強くは要求できないのじやなかろうか、かように考えておるような次第であります。  その次の砂防事業費でありますが、このうち特に考えております分は、直轄砂防事業渡良瀬その他に要する経費であります。  その次に道路事業費を二十五億復活要求いたしております。その中で特にわれわれが重要視いたしておりますのは、直轄通路改良費四億九千万円でありますが、この中身は、来年十月に行われますお伊勢さんの行事に対応いたしまして、三重国道をこの際本年度中に若干でも工事をやつておかなければ、来年の御遷宮の盛儀の施行に支障があるであろうというために、若干の経費をどうしても今年中にいただきたい、こういうわけで要求いたしております。三重国道関係だけで約二億二千万円くらい今年補正がなければうまく行くまいと考えております。その他新京浜道路でありますとか、あるいは工事途中におきまして災害にかかりました鳥居峠でありますとか、大慶橋でありますとか、いろいろありますが、そういう緊急やむを得ない経費要求いたしておるのであります。  その次に、特に考えておりますのは北海道道路改良費六千万円、それからやはり北海道橋梁整備費三千二百万円、こういうものを特に要求いたしたい、かように考えているような次第であります。  都市計画事業費につきまして、特にわれわれが強く要求したいと思いますのは、緊急浸水対策補助費八千九百八十五万円であります。これは七月の豪雨におきまして京都、大阪、堺、名古屋、こういう諸都市が、排水施設が悪いために、相当の浸水による被害があつたのであります。これは土木施設が破壊したのでありますれば、災害復旧として何とかすぐ手が打てるわけでありますが、施設そのものはこわれておらぬのであります。都市排水施設が悪いためにこういう災害が起つたのでありましてわれわれといたしましては、これは災害復旧費に相当するように取扱つてしかるべきものではなかろうか、かように考えて強く要求いたしておるのであります。  その次には住宅であります。二十四億復活要求しておりますが、この中身公営住宅を一万戸建てたい、こういう要求であります。御承知のごとく、公営住宅三箇年十八万戸建設計画というのは、本年度の当初予算成立後御決定なつたような次第でありまして、本年度の当初予算では二万五千戸しか建てておらぬのであります。補正予算の当初におきましては、その差額の三万五千戸を要求したのでありますが、年度も大分経過いたしましたし、また自治体の財政状況等もありますので、三万五千戸全部この際補正することは、実際問題としても不可能な状況でありますので、われわれは一万戸だけせめて建設したい、かように考えている次第であります。  その次に、先ほど申し上げました鬼怒川総合開発事業費二億五千万円、幾春別総合開発事業費一億、これを要求いたしております。  最後災害でございます。災害は先ほど申しました通り、二十億大蔵省所管補正予算が計上いたされておりますが、実はこれでは足らぬのでございまして、われわれといたしましては、この二十億のほかに、さらに建設省所管分といたしまして約二十億の追加を強く要求いたしております。その二十億の災害復旧費内訳は、過年度災害が約十三億、二十七年度災害七億、これだけを要求いたしております。過年度災害の十三億をどうして要求いたしたかと申し上げますと、これは前回国会におきまして災害復旧国庫負担法の一部が改正になりまして、その関係によりまして国庫負担分がふえる経費を見込んでおるわけであります。あの法律改正になりました結果、同じ事業量をやるといたしますれば、二十七年度におきまして約十三億不足を来します。その経費であります。それから本年度七億要求いたしておるのでありますが、これはアグネス台風、そのほかに災害が生じましたので、これだけ追加要求をいたしておるような次第であります。  なお申し落しましたが、建設省所管といたしましては、以上申し上げましたほかに、住宅金融公庫の貸付金国庫負担金といたしまして三十億円が補正予算に内定いたしております。
  6. 篠田弘作

    篠田委員長 ただいま前回委員会出席されませんでした稻浦事務次官出席をして、ちよつとごあいさつを申し上げたいといつておりますが、いかがでごさいましようか。—それでは稻浦君。
  7. 稻浦鹿蔵

    稻浦説明員 私次官稻浦でございます。前会ちようど次官会議に呼び出されまして失礼いたしました。まことに微力短才でございますが、よろしく御鞭撻、御指導のほどお願い申し上げます。
  8. 篠田弘作

    篠田委員長 次に、発言の通告があります。これを許します。明禮輝三郎君。
  9. 明禮輝三郎

    明禮委員 今詳細な御説明を承りまして非常に御努力なつておることは承知いたすわけであります。私は愛媛県でありますが、愛媛県の方からは、ほとんど査定が抹消されたということがわかつたのでありましようけれども、特に災害復旧事業費あるいは公共事業費についての復活を全面的にお願いしたいというて、人も来ております。また電報その他で交渉をされておるのでありますが、財政最も囲難な時分でありますから、あるいは要求額全部はどうかとも考えられます。また大蔵大臣もかわられてこんなふうになつたのではないかというふうにも見られるのでありますが、いずれにいたしましても第一次復活要求が百五十七億、今説明されたのは、これは合計がないからわかりませんが、そのくらいになるでございましよう。とにかく少くとも百五十七億くらいな予算はなければいかぬであろう、こう考えるのです。そこで私のお願いしたいことは、佐藤建設大臣は党の方の有力者でもありますから、この際党の方と連絡をとられて、この復活要求を全面的に支持されて、もしそれがならないときには大臣をやめるということでおやりを願いたいといつて、この間もお願い申し上げておいたのであります。ただいまお示しの三十八億だけのものでは、これは何もできない。できないということになると、結局建設省の将来というか、その存在を無視されることになるのであります。これは大臣には言うておいたのでありますが、次官も出ておられますし、局長もおられますので、この復活要求に全力をあげていただきたいと思う。そういう意味で、本日も実は郷里に帰ろうと思うのをやめまして、委員会継続をわれわれは申し出た次第であります。詳しいことはいずれにいたしましても、一般的な問題として、この百五十七億程度要求はぜひ御尽力を願いたいと思う次第であります。おそらく委員の方々におかせられましても、これに対して全面的の協力、努力をされることは間違いないと思う次第であります。この点をお願いする次第であります。
  10. 篠田弘作

    篠田委員長 稻浦次官説明に入る前に石破官房長から、一言申し落したことがあるそうでありますから、補足していただきます。
  11. 石破二朗

    石破説明員 先ほど御説明の中に、特別会計特定道路整備事業費の御説明を落しましたので、補足いたします。これも建設省といたしましては、この復活要求に非常に力を入れております。約十億要求しておるのでありますが、その中に特に本年度補正でやつておかなければならぬと思いますのは橋梁であります。御承知のごとく橋梁はそう短期にもできませんし、また早く準備しておかなければいかぬという関係もありますので、特に橋梁を早くやりたいという趣旨から、この復活要求を強く要求いたしておるような次第であります。
  12. 稻浦鹿蔵

    稻浦説明員 補正予算復活要求に関しましては、われわれ事務局といたしましては、大蔵省折衝しておりますが、事務当局としてはもうこれ以上進まない状態なつております。と申しますのは、大蔵当局としましては、前回予算編成後において、新しい事態が起つたものに対しては予算補正をする、こういう方針でやつておりますので、それに従つて、先ほど官房長から申し上げた特殊土壌とかあるいは接収解除の跡始末というようなものが出て来たのでありまして、事業のスピード・アツプする分に対しては、大蔵省としては政府方針がきまらないから、これ以上われわれとしてはやれない、こういう話でございます。それも話はよくわかりますので、大臣といろいろ打合せいたしております。一昨日から昨日にかけて、いろいろ閣議をやつておられますが、なかなか忙しいものですから閣議最後決定を見ないそうでありまして、今また閣議をやつておられます。それによつて政府としては、どういう方針でやるかという方針をきめていただきたい、かように佐藤大臣に対してわれわれとしてお願いしておる次第であります。大臣もそのつもりで閣議で相当発言されるだろうと思います。それを期待しておる次第であります。さよう御了承願いたい思います。われわれとしては、これくらいのものは補正予算としてぜひ獲得したい、かように思つていろいろくふうを凝らしておる次第であります。その点ひとつ御了承願いたいと思います。
  13. 内海安吉

    内海委員 明禮君質問に関連して申し上げたいと思いますが、明禮君はこの前の委員会においても、補正予算の獲得については、大臣は職を賭してかかるべしということを要求されたようであります。私はこの意見に対して全面的に賛成です。それというのは、われわれはこのたびの予算においてもその通り、また今後においても実行しなければならぬというのは、たとえば、きようは田中君が来ておらぬけれども理事である田中君も、河川の問題については、ずいぶん手ひどく質問をされておつたはずである。また私はそれに関連して、道路問題について一応大臣説明を求めたのであるけれども、ほとんど要領を得ないのであります。こういうような無責任な長官ではわれわれは信頼することができない。しかもその当日は、ちようど大蔵省における予算折衝も、きようはきまるんだというにもかかわらず、実に緩慢なる答弁であつた。そこで私は友人の明禮君の言われることは当然であると言うのであつて、本日は大臣も出られて、われわれの質問に対して親切丁寧に答弁してくださることであろうと思つたところが、どこへおいでになつたか出席もしておらぬというような有様である。そして、第一次の補正予算に対しても厖大なる要求をしておる、しかも第一次の査定においては、ほとんど二十分の一にもならぬような、まるで鼻をかんだようなひじ鉄を大蔵省から食つておる。そうして第二次の要求においても、ごらんの通り十分の一にも達しておらぬ。こういうようなテーブル・プランによるところの数字をのみ並べて、しかもこの重大なる責任のある常任委員会に対していたずらに質疑応答をのみ続けさせるということは、まことに煩にたえぬと思う。少くともこれを計上し、これをどうしても実行しなければならぬというのが建設行政のほんとうの決心であり、覚悟であり、それでなかつたならば、建設行政運営はできないということであつたならば、まずもつて大蔵当局と十分なる折衝を重ねて、しかる後やり得る決心があり、覚悟があるというような方針のもとに臨まれるのならばいいが、責任のある答弁のときには出て来ないというようなことでは、はなはだもつていかぬと思うのであります。ゆえに本日はこの明禮君質問に対しても答弁ができないでしよう。それからまた私の質問せんとするところに対しても、大臣責任のある答弁ができないということも明らかになつておるから、私の質問はこの次に譲りまして、私は本日は希望を述べまして終ることといたします。
  14. 篠田弘作

    篠田委員長 ちよつと内海君に申し上げます。ただいま建設大臣閣議出席中でありまして、今の閣議ちようど補正予算を俎上に載せておるそうであります。委員長から、閣議済み次第委員会出席するように要求してありますから、大臣出席されましたならば、ひとつ質問を続行していただきたいと思います。  その次、通告順によりまして甲斐政治君。
  15. 甲斐政治

    甲斐委員 私は二十七年度道路関係補正予算—すでに先ほども二君によつて言われておる通り、わが国の道路整備国民的要望であると思うのであります。従つて、われわれは今年度補正予算中における道路関係予算についても、特に注目し、かつ期待しておつたのであります。しかるに、仄聞いたしますところ、当初の要求の九十四億は全面的に認められない。さらに復活要求としての二十五億さえも見込み薄だといわれるような状態であるやに聞いておるのであります。もちろん国家財政上、いろいろの事情もございましようが、どうしてもわれわれは、少くとも最低額の二十五億の復活要求が通らなければならぬ。これが削減されるというようなことは、どうしてもわれわれは承認いたしがたい。政府当局としても、この点について重ねて私は申し上げるが、先ほどの二君と私はまつたく同感でありまして、あくまで職を賭してもこれを貫徹する、その努力を拂われんことを期待して質問に移りたいと思います。  第一は有料道路に関する問題であります。有料道路の基本をなしておる道路整備特別措置法は、さきの十三国会において成立したのでありますが、昭和二十七年度予算におきまして、本法成立を見越してとりあえず十五億の予算を付し、さらに本法施行により必要と認められる二十五億の残りの十億は二十七年度補正予算において組まるることを、前大臣当時からの了解事項として、すでに建設省はこれによつて工事を進められておつたはずでございます。しかるに今般の補正予算につきましては、この要求額が全面的に認められないということである。この第二次分に当る十億円の要求額がいれられない限りにおいては、本法に基く工事施行経済上とうてい不可能になることは申すまでもないのであります。かくのごときことは、われわれとしてはとうてい了解いたしがたい。これに対して当局としてはいかなる措置をとられんとするおつもりであるか。またその折衝経過、見通し、本件に関する見解について、明確な具体的な御答弁をお願いしたいと思うのであります。第二点は、特殊土壌地帶道路費に関      する問題であります。特殊土じよう地帶災害防除及び振興臨時措置法も去る十三国会において議員立法として成立した法律でございます。この本法制定に伴う予算が二十七年度予算には全然組まれていない。御承知のごとく本法は、鹿児島、宮崎ほか六県における特殊土壌のために、年々累積する災害を恒久的並びに臨時的に阻止復旧する措置を規定した公共事業に関する臨時措置法であります。私は宮崎県でございますから、この年々歳々こうむつておる災害については身をもつて痛切に感じておるのでありますが、住民といたしましては、昇天の慈雨を待つごとく本法による早急なる工事施行を待ち望んでおるのであります。しかるに現在のところ、建設省関係本法に関する予算の裏づけとしては、河川局関係だけが特殊土壌対策砂防事業費負担金として二億七千万円余りが認められたにすぎない。道路局関係において要求した特殊土壌地帶道路費当初要求額の三億五千万は認められない、復活要求の二億円さえも期待ができないような現状であると聞いております。今般特殊土壌対策砂防事業費負担金として一億七千万円は認められようとしておりますことは、まことに喜ばしく感ずるのでありますが、本法におけるもう一つの重要な趣旨であり、かつ現在日に日に特殊土壌地帶住民に累を及ぼしておりまして、その早急なる対策が熱望されておるところの応急対策にしても、特殊土壌地帯道路費が認められない。これは本法趣旨からしても、いかにも遺憾にたえないところであります。恒久、応急両対策が併行して、初めて本法制定趣旨が現われるわけでありますから、むしろ優先さるべき応急対策としての道路費がなおざりにされるということは、これまたわれわれの了解に苦しむところであります。この点に関しまして当局の御見解を承りたいと思います。
  16. 稻浦鹿蔵

    稻浦説明員 道路事業費が非常に少いことは、いつも問題になることでございまして、われわれとしてもほかの予算と比べて道路費をもう少し獲得したいということは大いに努力しておりますが、なかなか思うように参りません。皆さんの御支援によつてある程度ふえて参りましたが、その点今後とも御鞭撻を願いたい。  今御質問のありました有料道路の問題でございます。これも昨夜まで大蔵当局折衝しておるのですが、結局政府方針というものは、公共事業をスピード・アツプしてやるかどうかという問題がきまらないので、大蔵当局としても、事務当局としては決定しかねておる次第であります。多分今の閣議で何とかきめるんじやなかろうか。またきめてくれないとわれわれとしても非常に困りますから、この閣議でどつちかにきめるだろう、かように思つております。そして二十五億は前の大臣とも約束になつておつたそうでありまして、その点も大いに強調しております。  それから特殊土壌地帶道路の問題でございますが、これはどういうふうに考えたものですか、砂防の分だけを認めて来まして、道路は落しておるのです。何か間違いじやないかと思つております。同じ法律通りまして、建設省としましては、各担当ごとに要求したのであります。河川あるいは砂防、あるいは道路と別々に特殊土壌の費用を要求したのですが、砂防に関するものに対して二億七千八百万円が認めて、あと落しておるのです。これも大蔵当局とわれわれとは折衝してその意思を通じておりますので、またその折衝を続けて行きたい、かように思つております。これなんかは法律で一方を認めて、一方で落しておる。何だかミステークじやないかという感じもいたしますので、その点を今折衝中でございますから、どうぞよろしくお願いいたします。
  17. 篠田弘作

    篠田委員長 ただいま大蔵省佐竹主計官出席されました。御質問があれば……。
  18. 甲斐政治

    甲斐委員 佐竹主計官にこの点に関する御答弁をいただきたいと思います。
  19. 佐竹浩

    ○佐竹説明員 この問題につきましては、本来ならば主計局長からお答え申し上げねばなりませんが、閣議関係局長出席できませんので、説明員からかわつてお答え申し上げます。  特殊土壌予算関係につきましては、いろいろの項目があるわけでございますが、どの事業に最も重点を置いて予算の配分をいたすべきかという問題が、実は中心問題としていろいろ議論をされたわけでございます。土壌、特にシラス地帶でありますとか、土壌の質が悪いために、これが崩壊をいたしまして、災害を惹起いたしておる状況でございますが、この災害を防止いたしますことが最も緊急ではなかろうかということで、最も根本の問題でございますところの砂防でございますとか、あるいは山の方の治山でございますとか、あるいは農地の保全対策でございまとか、こういう点に重点を置きまして、予算の配分を考えたわけでございます。何分にも予算の総わくとの関連の問題でございますので、十分に総わくが広げられますならば、この事業の範囲はできるだけ広げて行くのが望ましいわけでございますが、限られましたるわくの中で考えますと、最も緊急度の高い一番根本でありますところの砂防事業、治山事業というところへ集中的に予算の配分をいたさざるを得なかつたというのが、事務当局としての考え方でございます。
  20. 甲斐政治

    甲斐委員 事務当局としてのお二人の説明を承りましたが、われわれはそれをもつてしても了解できないのでございます。あくまでもこの問題は大臣として責任を負うて、われわれの希望を達成されるように、また国民の要望に沿うように一層の努力希望する次第であります。
  21. 篠田弘作

    篠田委員長 山下榮一君。
  22. 山下榮二

    ○山下(榮)委員 補正予算については先ほどからいろいろ申し述べられたので、私もまつたく同感であるのであります。これ以上は当局努力並びに大臣努力によつて、所期の目的を達成されるようにしていただきたい、こう考えてやまないものであります。  一つ伺つてみたいと思うのは、先般新聞によりますと、自動車に特別にガソリン税か何かをかけて、その費用を特別に道路補修に充てる、こういう計画を立てられたように見受けたのであります。その経過がいかようになつたのか、今後どうお考えになつておるのか、その辺のところを伺いたいと思うのであります。  次に、もう一つ伺いたいと思うのは、この補正予算の中にもあると思うのでありますが、海岸の防潮堤といいますか、こういうものの特別な保護あるいは改修というか、こういう計画を将来立てられるというような話も伺つておるのでありまするが、一体どういう構想のものであるか、そういうこともお伺いいたしたいと思うのであります。ここに出ております補正予算に対する行き方はどういうものであるかということも、あわせて伺いたいと思うのであります。  そのほかに河川の将来に対するいろいろな改修その他の問題、あるいは道路の新設あるいは改善、修理等の問題等については、追つて年度予算等にも関係すると思うので、大臣の御出席のときに私は伺いたいと思うのであります。  ただここで一つだけ伺つておきたいと思うのは、幸い事務次官をお見えになつておるのでありますから、何か私の誤りかしれませんが、河川法の改正を行つて、新しい時代に対処する体制をとりたいというお考えがあるやに伺つたことがあるのであります。考えてみますと、河川の改修あるいは河川の問題は、砂防と重大な関係を持つておるようであります。ことにわが国のような細長い国できわめて奥行きの短かいところでは、年々災害が起つております河川の氾濫その他から考えまして、もつと河川改修その他に対する施工につき技術的な大きな改革が必要であるのではなかろうかということも、われわれしろうとながらに想像されるのであります。こういう地理的関係から考えて、ただ単なる従来のごとき河川の改修のみでなく、今国土総合開発問題とからんでダム計画等も相当行われているようでありますが、これらと深い関連があるようにも想像されます。この総合開発問題等との兼ね合い、あるいは河川がひとり建設省関係だけではなく、農林省とも深い関係にある面もありますし、その他の関係省ともいろいろ関連があるやに思いますが、そういうこと対するいろいろな連絡、兼ね合い等がどういう方法で行われているものであるかということを一応伺つてみたいと思うのであります。要約いたしますと、河川改修あるいはダム計画、こういうものと一連せるところの今後の計画、方針を一応伺つてみたいと思うのであります。いずれこういう根本的な国土計画と関連することにつきましては、大臣等も御出席の場合に詳しく伺つてみたいと思うのでありますけれども、本日は以上申し上げましただけを事務次官に一応伺つておきたいと思います。
  23. 稻浦鹿蔵

    稻浦説明員 河川の問題について私からお答えいたします。私は日本の河川については、河水の統制と申しますか、河川の一元性というものを主張したいと思います。それは御承知通り年々歳々莫大な災害を食らつておりまして、まず何と申しましても災害を防止あるいは軽減することが一番大きな問題であると思います。そこで、今まで河川の改修は堤防方式でやつておりました。大体大河川については下流の方は終つておりまして、改修のできているところは割合に災害が少いのです。しかし過去のいろいろな例から行きますと、同時に上流の状態が変化いたしましたので、再検討いたしてみますと、計画洪水量が相当ふえて参つて来まして、現在の状態で置いておけば相当危険な状態にあると思つているので、これに対して別の方式を考えなければならない。といつて、堤防のかさ上げをしたり、あるいは川幅を広げるということは、経済上も、また現地の状態からもできませんので、どうしても上流にダムをつくつて、河水の統制をやらなければならない。つまり洪水調節をやる。それによつて下の河川に対する荷重を軽減して、災害の防止をやつて行くという方式が残されております。そこでダムをつくり、できるだけ大きな貯水池をつくつてそこへ水をためておきまして、洪水のときにこれによつて調節をやる。しかしそこにせつかく貯水いたしました以上、日本といたしましては、資源のないこの日本に、水だけが資源として残されておりますので、これをひとつできるだけ有効に使わなければならない。水力発電として動力に転換するとか、あるいは農業用水として使う、あるいは水道用水として使う、一つの水資源の最高度の利用を考えなければならない。そこで洪水調節と利水との関係をどういうふうに考えるかということが、われわれ建設省としては相当重大な問題になつておるのでありまして、何といつてもまず洪水防禦ということを主体に考えて行く。そうしてその洪水防禦を十分にでき得る範囲内において利水を考えて行かなければならぬじやないか、かように思つているのです。もちろん利水を軽視しているわけではないのですが、ウエートを考えれば治水、利水という方式で行きたい。この思想はアメリカでも行われているのでありまして、二十六個のダムをつくつてテネシー・ヴアレーの開発をやつた、ああいう大きな成功もまずフラツド・コントロールをする、洪水調節を主体に考え、そして二十六個のダムをつくつて、二十四個まではこうした原則で貯水池を使つているのであります。ただ二個の貯水池だけは電力プロパーに利用している、かような説明を聞いて帰りましたが、われわれとしても、大体そうした原則で日本の川をやつて参りたいと考えております。そこで農林省なり通産省との電力の関係が起つて来ますが、これはまずフラッド・コントロールを考えさせていただきましてその範囲内で十分に水を使つていただくようにしたい。ただ洪水がそう大きなウエートをなしていない所がある。たとえば只見川のごときは洪水よりも電力の方が大きなウエートを持つている。そういうところはこの原則外で、電力発電プロパーにこれを有効に利用して行く、かように考えております。大体そうした考えで日本の河川を全部統一して行きたいと思つております。  それから自動車税のことにつきましては、官房長からお答えいたさせます。
  24. 石破二朗

    石破説明員 主として自動車用の道路をよくするために新税を考えているかという御質問つたと思いますが、実は新税ではありませんので、考え方は大体かような状況であります。日本の道路特に舗装の状況が非常に悪いのでございまして、舗装の箇所の少いのはもちろん、せつかく舖装いたしましたのもこわれてしまつておりまして、これではとうていいけませんので、この財源を何とか確保したいということのために、現在年々約百五十億程度に上りますが、ガソリン税を主として舗装道路の新設あるいは舗装の補修に充当したいと考えている次第であります。これは目下建設省において考えているという程度でありまして、大蔵省に対しましてもまだ正式に交渉を開始しているという段階には達しておりません。さよう御了承願いたいと思います。  なお防潮堤のお話が出ましたが、これは海岸保全法の問題等といたしまして、かねてから国会においても論議されている問題でありますが、この海岸保全法制定の問題は別といたしまして、われわれが予算の面において考えておりますのは、主として東京の海岸あるいは阪神間の海岸が先年の災害によりまして従来の防潮堤がこわれた、あるいは地盤沈下をいたしておりますので、これに要する経費要求しております。もちろんこの防潮堤の問題は二十七年度当初予算成立後に起つた問題ではないのでありますが、何分にも防潮堤は、一部囲んで一部あけてありますと何の意味もありません。国家の財政が許しますならば、この二十七年度においても工事を継ぎ足して行きたい、かような趣旨要求いたしておるのであります。
  25. 篠田弘作

  26. 中島茂喜

    中島委員 大臣出席がないようでありますので、事務次官並びに佐竹主計官から答弁を願いたいと思います。  私は公営住宅建設の三箇年計画の実施に伴う予算措置についてお尋ねしたいのであります。第十国会におきまして制定されました公営住宅法の第六條の第三項に基きまして、第一期の建設計画として昭和二十七年度から二十九年度に至る三箇年間に総計十八万戸の公営住宅建設されることになりまして、公営住宅法に基きまして内閣総理大臣から国会承認を求められまして、本年の四月にこの計画は国会承認を得ておるのであります。しかるに当時昭和二十七年度予算としては、ただいま補正予算要求説明の際に官房長が触れておられましたように、わずかに五十億の予算がつけられまして二万五千戸分の計画が立てられておつたのであります。そこで本委員会におきましては、当時西村委員を初め、ほかの委員諸君からも、この金額では計画の二十七年度の六万戸に対して、その半分にも達しないのではないか、これは補正予算の機会があるならばその際に三万五千戸分を計上するようにという建設大臣に対する強い要求がなされたのでございますが、その際に野田建設大臣は、極力その線に沿うように努力するということを言明されておるのであります。ところが、ただいま官房長予算説明を聞いておりますと、建設省要求いたしております一万戸分の予算すらどうもあぶない、かように承つたのでございます。こういうことになりますと、国会におきまして内閣自身がその計画の承認を求め、しかも建設大臣がその線に沿うべく努力するということを言明しておりましたその事実から見まして、まさに国会を軽視するものである。また佐藤建設大臣は、前野田建設大臣から事務引継ぎを受けていないと言われるかもしれないけれども、これは建設省責任者といたしまして、この点に対して極力努力をしなければならない責任があると私は考えておるのであります。従つて、これに対します事務次官並びに主計官の考え方をひとつ承りたい。前回委員会並びに本日の委員会におきまして官房長の話を聞いておりますと、また次官の話の中にもありましたように、スピード・アップされました工事に対しましての補正予算は考えない、しかしながら当初予算が編成されましたそのあとに起りました新事態に対しては追加予算を考える、かような方針のようであります。そうなりますと、この三箇年計画が国会承認を得ましたのは二十七年度当初予算の編成後でありまして、本年の四月四日にこの承認を與えているのであります。従つて当然補正予算として残りの三万五千戸に対します予算措置を講じて、いささかの不都合は起きないと私は考えておるのであります。この点につきましての次官並びに主計官の見解を承りたいと思います。
  27. 稻浦鹿蔵

    稻浦説明員 建設省としましては、国会の御意思を十分尊重しまして当初計画を実行して行きたい、かように努力しておる次第でございます。いろいろ財政関係もありますし、また国の方針関係で、まだ決定しないのであります。その点ひとつ御了承を願いたいと思います。
  28. 佐竹浩

    ○佐竹説明員 住宅問題の今日の重要性は、私ども主計局も深く認識いたしておる次第でございまして、財源の許します限り、できるだけ住宅建設戸数を増加して参りたいのはもちろんのことでございます。しかしながら、二十七年度補正の問題といたしましては、一万戸の建設は何分にも巨額の財源を必要といたします。また三箇年間十八万戸の建設計画は、国会の御承認を得たところでありまして、できるだけ財政の許す限り、この御承認を得ました計画を実現すべく予算措置を講ずる必要があるのでございますが、これは三箇年間におきまする目標の数字でございますので、二十七年度補正といたしましては、財源の関係から追加は困難でございますが、二十八年度以降の問題といたしまして、できる限り戸数の増加について努力をいたしたいと考えておる次第であります。
  29. 中島茂喜

    中島委員 ただいま佐竹主計官の御答弁を聞いておりますと、三箇年間に十八万個、従つて本年は補正予算が困難であるので、あとに残されました二箇年におきまして十八万戸の目標を達成したい、かような答弁のようでありますが、本件が前国会で審議されました際の野田建設大臣答弁は、三箇年平均をいたしまして六万戸ずつやつて行きたい、かように答弁をされておるのであります。従つて政府部内におきまして、ただいまの主計官説明と当時の野田建設大臣説明とに食い違いが来ておる。こうした問題は、一年一年に解決しておかないで次々にこれを繰りやつておきますと、最後にはどうにもこうにもならぬことになつてしまう。この承認を求めるのは、内閣総理大臣国会承認を求めるのでありまして、内閣の計画を実行するのでございますから、内閣自体が、自分たちが国会承認を求めたその計画を放棄する、こういうことは政府の国民に対する信頼を失う最も重大事であると私は考えておるのであります。従つて、今回の補正予算の編成にあたりましては、特にその点を御考慮になりまして、二十七年度分六万戸は、六万戸できなければ、一万戸でも三万戸でもその目標の線に近づけて行く、かように一段の努力をされなければならないと考えるのであります。この点に対しまして、さらに事務次官なり、佐竹主計官の御見解を承つておきたいと思います。
  30. 稻浦鹿蔵

    稻浦説明員 建設省としましては、御意見の通り努力する決心でおります。
  31. 佐竹浩

    ○佐竹説明員 ただいまの御趣旨まことにごもつともであると存ずるのでございますが、二十七年度の問題といたしましては、何分にも財源の制限の関係がございますので、当初予算に対して戸数を追加いたすことは、今日の段階におきましてはきわめて困難であります。二十八年度以降の問題として、できる限り努力をいたしたいと考えております。
  32. 篠田弘作

    篠田委員長 西村英一君。
  33. 西村英一

    ○西村(英)委員 私の質問したいと思うのも、ただいま中島君からいろいろ質問がありましたことが第一点でございます。確かに住宅建設については、新事態が起つているかと思う。当時十八万戸三箇年ということは、財政上からいつて、非常に苦しいのではないか。従つてそういうことを掲げることは、羊頭狗肉になる。ことにまた本計画は、決定すれば地方庁に通達して、また建設希望する各町村にもこれを通達する計画になつておるのであります。従いまして、ただ単に政府のペーパー・プランでは済まされないのであるから、そういうことを公表してやることは、羊頭狗肉になるから、もう少し財政と見合つた計画をしなければならぬのではないか。しかしわれわれは住宅の多からんことを希望するから、承認にはやぶさかでないという條件をつけてやつたと思うのであります。ところがただいま中島君のおつしやいましたようなことでありまするが、そういたしますと、一方において住宅公庫に対して三十億の金を出しておるのでありますが、住宅公庫に対して三十億の金を出すのと、公営住宅に対して二十四億の金を出すのとは、一体どちらが住宅として戸数がふえるわけでありますか、その点をまず一点お伺いしたいのであります。
  34. 石破二朗

    石破説明員 お答えいたします。実は住宅金融公庫の方の三十億—これはしつかりした数字をきよう持つて来てないそうでありますから、後刻お届けいたしたいと思いますが、大体一万戸で、大体同じ数ではなかろうか。つまり公営住宅でありますと、二十四億で一万戸、金融公庫でありますと、三十億で約一万戸見当じやなかろうか、かような状況であります。正確な数字は後ほどお届けいたします。
  35. 西村英一

    ○西村(英)委員 私の見解からすれば、同じ金で同じ戸数が建つたのだとすれば、むしろこの際住宅金融公庫よりも公営住宅の方に重点を置かなければならぬのではないか、こういう考えを私は持つたのでありますが、そういう点から行きましても、この公営住宅の三箇年計画は羊頭狗肉であつてはいけない、絶対に守つてもらわなければならぬということで、重ねてこれを皆様方に御要望申し上げておきます。  それからもう一つの点は、これも確かに新事態の発生であると思うのでありますが、公共事業費につきましての国庫負担の法律改正になりました。この点につきまして、さいぜんも、さらに建設省関係としては過年度分十三億、本年度分七億円という要求をしたけれども、これが新事態と認められない、あるいは大きい予算のわくの関係もあつてはずれるということでありますが、災害につきましては、本年こそ災害が起らなかつたけれども、毎年災害のために国民が非常に困つてつたのでありまして、災害が起らないからといつて災害のことを軽視するのはどうかと思う。この点については、佐竹さんはどうお考えになつておるか。絶対にこの法律改正に伴う予算以外はこれを認めて—そうでなくても災害は累積しがちであります。本年災害が非常に少いからということで、大蔵当局災害をまた軽視するという傾向があるのじやないかと思われるのですが、これは佐竹さんから御答弁を願いたいと思います。
  36. 佐竹浩

    ○佐竹説明員 お答えいたします。災害関係法律改正によりまして、国庫負担の増額を来すことは御指摘の通りでございますが、この点の予算措置につきましては、従来過去におきまして実は前例があるのでございまして、かつて公共土木施設の全額国庫負担の法律決定されましたときと、またその次に全額負担制度から新しい制度に切りかえられました場合、すなわち現行の約七割五分程度の負担率になりました新しい法律が制定されました場合と、この二回にわたりまして、当初予算で予定いたしました国庫負担の額が、法律改正の結果、増加を来すという事態が過去においてもあつたわけでございます。その場合におきましては、前例によりますと、災害復旧事業費の額を補正予算で増加いたしますことなく、既定のわくの中で操作をいたしておるのであります。もちろん翌年度以降におきましては、その分の調整は当然いたさなければならぬわけでございますが、当年度におきましては、従来の前例によりますと、当初予算の中で処理をいたしておつた。かような状態でございますので、本年度の問題も、従来の例にならいまして処理をいたさざるを得ないという点が一つでございます。  また第二点の、当年災について七億円の不足があるというお話でございますが、この点は建設当局査定額が未確定の分もございまして推定によりますと、大体七億円程度不足するのではなかろうかということでございます。ただこの七億円を追加いたすかいたさぬかという問題でございますが、このたびの当年災の補正予算を組みましたねらいといたしましては、その年に起りました災害を大体三割程度片づける。できれば災害を三箇年間に処理いたしますために、初年度におきまして大体三割程度を片づけるというねらいで、実は計算をいたしておるわけでございます。もしこの場合七億円を含めません場合にどういう姿になるかと申しますと、直轄災害の分は三割以上進んでいるものもございますし、まあ全体といたしまして大体三割程度というところで一応目標を達成できるのではないかということで、この分は追加をいたしておりませんが、いずれ災害査定が確定をいたしました場合には、明年度以降において過年度災害として明確に処理されるべきものと考えます。
  37. 西村英一

    ○西村(英)委員 結局のところ二十億追加の内定があつたというお話で、これは過年度と本年度についての追加であります。そうすると三割程度はこなせるということが目安でありまして、その他のものは認めぬ、こういうことになると思います。そういたしますと、当然過年度災害につきましては、超過工事も原形復旧と同様に取扱われるということの法律改正がありましたために、仕事量の非常な減になるのではないか。仕事量の減になつても、従来はそれでやつたんだからというようなおつしやり方でありますが、それはあなた方が、本年災害が起らなかつたから、災害を軽視するということになるのではないか。かりに例年のように本年も九月、十月に災害が起つたならば、これはまた当然補正予算に計上しなければならぬ。ところが、災害は忘れたころにということで、起らないと軽視するのでありますが、そういうことではどうも私はいけないと思うのでありまして、その考え方を是正していただきたい、かように私は希望する次第であります。  それからもう一つ公共事業のスピード・アツプのことであります。これは私北海道ダムでは見ませんが、五十里のダム等を見た場合に感じたのでありますが、もし、かりに予算の増加がないとすれば、建設次官はどう思いますか、五十里のダム等はもうほとんど予算を使い果してしまつたわけであります。それで仕事場は半年は休むということになるのでございますが、どういうふうな処置をするつもりでございますか。
  38. 稻浦鹿蔵

    稻浦説明員 結局予算がつかなければ休まなければならぬので、電気予算を期待しております。ところがそれもどうも期待はずれらしく非常に困つております。まあ五十里がおもなもので猿ヶ石とか胆沢の方は、開発会社の方で電気予算がつきますので、これは何とか切り抜けて行くことができるだろうと思いますが、五十里だけはそういう状態で、まことに申訳ないと思つております。
  39. 西村英一

    ○西村(英)委員 それでよろしゆうございます。
  40. 篠田弘作

    篠田委員長 渡辺惣蔵君。
  41. 渡辺惣蔵

    ○渡辺(惣)委員 私は建設大臣が見えてから質問いたしたいと思つてつたのですが、閣議関係で見えられないようですから、あなたにここで一言お聞きしておきたいと思います。それは実は建設大臣北海道開発庁の長官を兼ねておりますので、従つて建設大臣質問いたしたいという意味であります。  私がお尋ねをいたしたいのは、これは北海道だけが、北海道開発庁というものが設置され、さらに昨年いろいろな混乱の中に北海道開発局というものができていることは、次官御存じの通りだと思います。そこで従来、昭和二十四年にできた北海道開発庁法案によると、北海道総合開発に関する企画推進の面を持つてつたのであつて、開発庁というものは実施機関ではないわけであります。しかるに昨年の六月以降、新たに北海道開発局というものができて、北海道開発事業に関する実施機関が出現いたしておるわけであります。そこで一体この北海道が、自治体としての道と、開発局という二元的な実施機関が出現しておりますので、この間の限界がしばしば混乱をいたしております。特に開発局の実施機関としての限界と、自治体たる道との限界をまず明らかにしていただきたいという趣旨から質問するわけであります。
  42. 稻浦鹿蔵

    稻浦説明員 本州、九州、四国におきましても、地方建設局というのがありまして、直轄事業に対しては実施機関として運営をやつておるのです。北海道もやはり北海道開発局といいますか、これが地方建設局と同じ立場においてやつておるのでありますので、別に全国的に考えてかわつたところはないんじやないかと思います。ただ開発局は農林省あるいは運輸省、こういう三つの省を一つの局で扱つてつておりますので、何がか少し形がかわつたような気がしますが、それを分解しますと地方建設局と同じものであります。その点ひとつ御了承願いたいと思います。本州におきましても、県と、それから地方建設局とがありまして、両方仕事をやつてつているのです。ただ仕事の量において、あるいは他の府県とある程度率が違うかもわかりませんが、形はそうかわつていないと思います。その点ひとつ御了承願いたいと思います。
  43. 渡辺惣蔵

    ○渡辺(惣)委員 次官の地方建設局と同じ性格だということの、もつとはつきりした自信を持つた答えを必要としているわけでありますが、もし各ブロツクにおける建設局と同じ性質でありますれば、私も了承するのでありますが、現実にできております北海道開発局は、そういう形からさらに進んで地方自治体の中にまで深入りをして来ているのであります。私の知る限りでは、地方建設事務所というものは、たとえば通路補修等についても、国が必要とする直轄しているものを修理、あるいは新築、改築等を担当しているはずだと思うのでありますが、北海道開発局は、最近の傾向を見ますと、そうではなくて、当然道が実施をすべき領域にまで入り込んで来て、完全なる道の二元行政が行われつつあるという具体的な事実があるわけであります。ことにその点は、次官北海道開発庁のお役人でも何でもないので、大臣だけが兼務しているわけであります。従つて次官質問をすることは、非常に御迷惑な話だと思いますが、しかし道路行政その他につきましては、完全に重なり合つておりますので、もう少し責任ある答弁を承りたいと思います。ことに道路法の改正法が十二月一日から実施されるというように承つておるのであります。その場合特にここにお配りをいただいた建設関係法律改正という項の中には省略をされておりますが、道路法の第八十八條の道等に関する特例という問題につきまして、特に北海道における道路の維持管理に至るまで、通の当然担当すべきものを開発局で実施することができるという規定を引用して、近く政令をもつてそれを道からはつきり取上げて、開発局長にその責任を担当させるというような動きがあるように承るわけであります。そのために当然道が実施いたしております土木現業所十一箇所に対して、末端まで開発局が同じように建設事務所を設置して、人間をかかえ、機械をかかえて、小さなところまでささり込んで来ている。そういうことが道路行政に二元的ないろいろの障害を生み出しつつあるのであります。私の理解する限りにおきましては、道開発局等は、地方の行政官庁でできない予算の厖大なものとか、国が特に必要と認めるような重要な工事、あるいは予算関係のものについて、特定のものを実施するのが開発局の任務であり、使命であると理解しているわけであります。そういう意味におきましては、北海道において開発局が設置されているということは、北海道の総合開発をする上においては任務があると理解しておりますし、開発局自身を否定しているのではありません。大いに歓迎しているのでありますけれども、土木現業所のまねごとをやつて、末端まで入つて来る。しかも道路の維持、管理に至るまで開発局の名において一般行政とかわらないことをやるということになりますと、末端行政の混乱を来し、地方自治を破壊する結果になるというふうに私は理解いたしますので、特に前段で次官はそうした道路行政の基本的な建前として、どういうふうに限界を置かれておるかということを承つたわけであります。従つて特に私が御質問いたしますのは、改正道路法の実施に伴う政令等が出されるにあたりまして、この限界について混乱のないようにはつきりした態度をこの際示されることが、道路行政の一元化及び北海道の総合開発を推進し、地方自治確立のために特に必要である、こう考えますので、その点をひとつ明確にしていただきたいことを要望する次第です。
  44. 富樫凱一

    ○富樫説明員 ただいまのお尋ねに対してお答えいたします。現在北海道北海道道路令というもので道路の仕事をやつておるわけでございます。北海道道路令によりますと、国道は全額国で持つことになつておりまして、維持まで全額国費ということになつておるわけであります。従いましてその維持の仕事まで現在開発局でやつておりますが、今度道路法の改正によつてできます政令がどういうふうになさるべきか、それに管理まで入れるかどうかについては、ただいま研究中でございます。現在の通路令では管理まで入つておりません。
  45. 佐藤虎次郎

    ○佐藤(虎)委員 私は大臣のおいでになつたときに御質問いたしたいと思つておりますが、ただいま佐竹主計官より中島君の質問に対して答弁があつた言葉に意を強うしておりますが、大体二十七年度補正予算建設省としての要求額は、あまりにも大蔵当局に御遠慮しつつ要求してはおらぬか、かように感ずるものであります。私どもはこの要求額に承服できるものではなく、もつと国民の要望するところの要求額がまだあるのであろうと思うのでありますが、これに対しまして、佐竹主計官より二十七年度補正予算は財源上やむを得ないが、二十八年度よりはお考えくださると言つたことは、間違いないかどうか、それによつてどもは二十八年度は、佐竹主計官建設行政に関するところの信頼の意を強うするものでありますが、二十八年度の当初予算編成に際しては、十分考えるという心魂をいま一ぺんはつきり承りたい。  それからいま一つは、事務次官さんでも通路局長さんでもけつこうですが、大体今日の日本の道路というものは封建制度時代にできたものや、あるいは封建制度時代の道路をそのままにとつた、いわゆるおかごの時代の道路をそのままで置いてあるところが多々あります。あるいは明治二十年、明治三十年のがた馬車時代の道路がずいぶん多い。それを今日のごとき文化の急激なる進展につれるところの機械文化というものの進歩に伴う自動車の横行に対して、その沿道におる住民の苦しんでいることは、建設当局は知つておられるだろうが、大蔵当局も知らないはずはないと信じているのです。過日私は厚生省に参りましてトラホーム、あるいは結核患者の統計を調べてみました。ところが終戰の二十年当時と、二十六年あるいは二十七年の今日のトラホーム、結核患者の増加というものは、以前の何十倍かに増加している。それはどこからよつて来たものかというならば、今日、あのトラツクあるいは自動車が、非常なスピードを出して走る。このほこりによつて眼をいため、あるいは呼吸気管をいためているという、人道上ゆゆしき問題が惹起されておるのであると私は信ずるのです。そこで私は道路局長さんなり、あるいは事務次官さんでけつこうでございますからお伺いいたしたいのは、日本の幹線国道を改修する工事には、現在の物価指数から見て一体どのくらいの予算があつたらできるか。これによつて二十七年度補正予算を審議しながら、二十八年度の当初予算に織り込み得る、われわれの委員会としての要求もやがて生れて来るであろうと思いますから、その辺を一応伺つておきたいと思います。
  46. 富樫凱一

    ○富樫説明員 国道の改良工事費がどのくらいかかるかというお尋ねでございましたが、現在の国道及びその道路法の改正によりまして、今度国道が一級、二級となります。今予想されております一級、二級国道、これが道路の幹線になるのでございますが、これを企画通り改修するといたしますと舗装を除いて二千三百億、これをもつと縮めまして一応通れるまでに直すのに一千七百億かかります。
  47. 佐竹浩

    ○佐竹説明員 財政の許します範囲におきまして、極力建設に努めたいと考えております。
  48. 篠田弘作

    篠田委員長 次会は公報をもつてお知らせいたします。本日はこれにて散会いたします。     午後零時八分散会