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1953-02-24 第15回国会 衆議院 議院運営委員会 第33号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年二月二十四日(火曜日)     午後零時三十九分開議  出席委員    委員長 福永 健司君    理事 菅家 喜六君 理事 土井 直作君    理事 田中織之進君    荒舩清十郎君       飯塚 定輔君    今村 忠助君       大野 市郎君    川村善八郎君       木村 文男君    倉石 忠雄君       佐藤洋之助君    中田 政美君       濱地 文平君    石田 一松君       小泉 純也君    佐藤 芳男君       椎熊 三郎君    園田  直君       長谷川四郎君    山本 粂吉君       池田 禎治君    春日 一幸君       松井 政吉君    井手 以誠君       正木  清君    渡辺 惣蔵君       武知 勇記君  委員外出席者         議     長 大野 伴睦君         副  議  長 岩本 信行君         議     員 山崎 岩男君         議     員 館  俊三君         事 務 総 長 大池  眞君     ――――――――――――― 二月二十三日  委員木村文男君及び椎熊三郎辞任につき、そ  の補欠として山崎巌君及び北村徳太郎君が議長  の指名委員に選任された。 同月二十四日  委員有田二郎羽田武嗣郎山崎巌北村徳太  郎君小泉純也君及び森三樹二君辞任につき、そ  の補欠として倉石忠雄川村善八郎木村文男  君椎熊三郎長谷川四郎君及び井手以誠君が議  長の指名委員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  二月二十三日の予算委員会における紛糾に関す  る委員長報告について議長より説明聴取     ―――――――――――――
  2. 福永健司

    福永委員長 それでは、ただいまから本日の議院運営委員会を開会いたします。
  3. 佐藤芳男

    佐藤(芳)委員 私はこの際、議会内の秩序維持責任者でありまする大野議長に対しまして、伺いたいと思うことがあります。この点、まずもつてお許しを賜わりたいと思いますが、よろしゆうございますか。
  4. 福永健司

    福永委員長 どうぞ……。
  5. 佐藤芳男

    佐藤(芳)委員 大野議長に伺いたいことは、ただいま申し上げましたように、議会内の秩序維持責任者は、議長であられることは申し上げるまでもないところでございます。従いまして、その責任者たる議長に対して、私ははつきりとこの際お伺いをいたさなければならぬ事態を持つておるのであります。と申しますることは、昨晩予算委員会におきまして、予算委員でありまする中曽根君に対しまして、予算委員外傍聴者でありまするか、あるいは侵入者でありまするか、本間俊一議員が突如として中曽根君に暴行をあえてした。ネクタイひつぱつて首を絞めた。致死に至りませんかつたけれども、これを極端に申しますれば、殺人未遂とも言い得る場合があろうかと思うのでございます。(笑声)これは笑うべき問題ではございません。院内秩序保持に関する重大問題でありますから、御謹聴願わなければならぬと思うのであります。不謹慎な態度はひとつ御遠慮願いたいと思います。この問題につきまして太田委員長は、国会法の第百二十一条に基き、また衆議院規則の第七十五条によりまして、議長に対して事実を報告し、その処分求めなければならぬのは申し上げるまでもないところであります。まずもつて議長に伺いたいことは、太田委員長より、この事実の御報告がございましたかどうか。また第二点といたしましては、処分をお求めになつたかどうか。第三点は、その報告または要請に対しまして、議長はいかなる措置をとられんとするか。この三点についてまずもつてお伺いいたしたいのであります。
  6. 大野伴睦

    大野議長 ただいまの三点につきましては、実は、ゆうべはどの程度でございましたか、何かそういつた問題が起つたということは太田委員長から報告があつたそうですが、あいにく私は院内におりませんので、岩本議長お話を承つたそうですから、これに対して当事者である副議長から申し上げます。
  7. 岩本信行

    岩本議長 ただいま御質問のありまする前に、実はそのことについて御報告しようと考えておつたのですが、一つでございますから、この際御報告させていただきます。それからただいまの三点という問題は、この報告を聞いていただきますと、大体御了解が願えると思います。  昨晩九時二十分ごろと思いますが、電話太田予算委員長から、予算委員会におきまする騒ぎがあつたことについて報告を受けたのであります。電話でありましたから、一々こまかいことは聞き漏らしたか存じませんが、大体の内容は、次のようなことに聞き及んだのであります。予算委員会において吉川兼光君が議事進行発言をして、夕食のため暫時休憩されるよう委員長に要望したので、委員長は、休憩をするとかしないとかということは、委員長権限に属することではありまするが、委員会に諮つた方が問題が起らないと、あのときの情勢から考えて、これを委員会に諮ろうとして発言しかけたら、野党側委員諸君委員長のところへ大勢出向かれまして、動議を提出したのではない、委員長権限でとりはからわれるよう要望したのだ、こういうことであつたそうでありますので、その間、そんなことでしばらくもみ合いがあつたそうであります。話がつかないので、委員長は、この際は休憩はいたしませんから、委員諸君は交代で食事をせられるようにと申したそうであります。もちろんこの間において、委員長は再三ならず静粛にするよう、また委員席をみだりに離れないよう、着席を願いますということを申したそうでありますが、それにもかかわらず、喧々諤々といたしまして、なかなか静かにならないうちに、本間俊一君が委員長席に詰め寄つていたところの中曽根君のネクタイをつかんだらしい、またそのために議場は騒ぎ出しまして、中曽根君からは、あとで読み上げますが、別紙のような申出があつたそうであります。そこで委員長は、国会法第百二十一条第二項によるところの報告ではないが、とにかく、こういうことがあつたという事情を議長報告しておきます、こういうことであつたのであります。そこで私としては、議長さんがちようどお留守でありましたし、何しろ夜おそいしいたしますから、本日ここへ出まして善処したいと、かように答えておくと同時に、とにかく委員会内で起つたのであるから、委員長さんにできるだけ善処を願いたいと電話で答えておきました。参考までに、中曽根君が出されたというのを私いただいておきましたから、朗読してみます。    暴行議員処分要求           中曽根康弘   本日八時五十分、本間議員は、委員にあらざるにかかわらず、酒を飲んで何だと事実にあらざる暴言を浴びせ、ネクタイをつかみ、小生の首を絞め、遂に窒息死せんとするやの暴行を行つた。小生は右議員に対し断乎たる処置要求し、一切に先だち、安心して審議し得るよう要求する。  こういうことであつたのであります。  そこで、けさ委員長にもお目にかかり、なおその状態をお聞きしましたが、先ほどもちよつと初めに触れましたように、委員会開会中のできごとでありまするから、できるだけ委員会において穏便なる話合いを進めていただくようにと要望いたしました。しかし、この事実がこの通りであるかどうかは、見ておりませんから別といたしまして、少くとも暴行らしいという。暴行であつたならばもちろんでありますけれども、暴行にわたるような行為は、これは議員全体として慎まなければならぬことで、とにかく君のことでこういう問題になつたようであるから、十分今後注意してもらいたいということを、本間君を呼びまして、私から注意を与えておきました。本間君も、今後十分注意いたしますということであつたのであります。  ついででありますが、先ほど一点か二点お尋ねになりました秩序保持の問題は当然のことでございまして、議長としては、警務部長を通じ、常にそういうことが起つた場合の善処方、それからまた一般議員各位に向つても、お互いに常に自重を要すということで、御承知の通り、何べんとなく自戒をお互いに願つておるような次第でございます。今後におきましても、もちろんそうならなければならない、かように考えております。  以上御報告申し上げます。
  8. 佐藤芳男

    佐藤(芳)委員 重ねて伺いたいのでありますが、私の質問の中の第二点、すなわち、太田委員長議長に対しまして、事実の報告だけでなしに、処分をお求めになつたかどうか、この点を私はさらに伺いたいと思います。なんとなれば、あの際目撃者の話によりますれば、中曽根君は、首を絞め上げられて苦しいその中から発声をいたしまして、この事実の確認委員長求めた。委員長はこれに対して、確認をいたした事実があるのであります。こうした暴力行為を完全に委員長確認いたしましたる以上は、ただ単に国会法第百二十一条、衆議院規則第七十五条の前の方の字句だけでなしに、あとの方の処分求めるという点についても、当然委員長としては議長に要請されなければならぬ重大な責任があると考えるのであります。この要求の問題がございましたか、ございませんでしたか、その点を私は伺いたいのが一つであります。  もう一つは、ただいま岩本議長の御説明によりますれば、委員長に対して善処方求めた、すなわち、穏便に話合いをするように要望されたとおつしやるのでございますが、今日の時代において議会みずからが暴力を肯定するがごときこうした事態に直面いたしまして、これを単なる穏便なる話合い等によつてけりをつくべきものなりやいなや、またこんなことでけりがつくものかどうかということにつきましては、議長が、かような重大な問題を、こんなことでけりをつくべきもの、またつくものと非常に軽くお考えになつておることを私は遺憾とするものであります。この点に対しましても、重ねてその所信を承りたいと思います。この二点であります。
  9. 岩本信行

    岩本議長 従来もそうでありますが、紛争等がありまする場合において、これは懲罰委員会に付する場合と、また話合いで解決する場合と、ずいぶんあります。もちろん委員長からは、国会法あるいは規則によつて懲罰に付してくれという要求でなかつたことは、先ほど申し上げた通りであります。でありますから、その正規の申出があれば、これは議長としては懲罰委員会にまわさないわけには参りません。しかし今のところ、委員長からもその要求ではなし、委員各位からのも懲罰動議ではございません。従いまして、今のところ懲罰委員会に付す何ものもないわけでございます。しかし昨晩のごたごたは、きわめて好ましくないことでありますから、委員長及び委員各位において、しかるべく円満な方法を願いたいと申し上げたのであります。今のところ、そのお答えを申し上げるだけであります。
  10. 石田一松

    石田(一)委員 ちよつとお伺いしますが、委員会内において昨晩ごとき問題が起つたときに、委員長議長報告する義務というのは、国会法第百二十一条の第二項の、「委員会において懲罰事犯があるときは、委員長は、これを議長報告処分求めなければならない。」これによつて報告なさるのだと思います。予算委員長は練達の士でありますから、国会法または規則の何かによつて議長報告なさつただろうと思います。しかるに議長場は、国会法の第百二十一条によらずして昨晩のような暴行報告をなすつたということですが、これはどういう根拠によるものですか、その説明求めて後に、私はちよつと聞きたいことがあるのです。事務総長に伺いたいが、これはどれによつて報告をなさつたのでしよう。
  11. 大池眞

    大池事務総長 事務総長にということでございますから、私からお答えを申し上げますが、その範囲は、委員長の方から一、懲罰事犯があると認め摂した場合には、国会法第百二十一条によつて処分をも求めて来るのでありまして、国会法第百二十一条を受けまして、衆議院規則の方で第七十五条ができ上つておるわけであります。委員長は、委員会において懲罰事犯があると認めたときは、これを議長報告処分求める。国会会法第百二十一条並びに衆議院規則第七十五条に基いて懲罰事犯ありと認めるならば、委員長としてはそれを持ち出して来ると了承しております。議会始まつて以来、委員会がその条文を持ち出して来たことは第三十九議会に一回あるだけでありまして、それ以外にその事例はございません。しかしそういう場合があります。昨晩お話は、副議長さんも先ほど御報告になりました通り国会法第百二十一条並びに衆議院規則第七十五条によつて求められたものでもない、その場合には、まず文書をもつて差出ることに相なつております。昨日は口頭で、事実を事実として報告するというお話合い委員会会でもあつたので、ただちに報告があつたと聞いておりまして、法文上、どの根拠によつてされたかということは、私どもの方ではわかりません。その委員会を主宰した委員長責任において事実を報告せよということで、委員会でも報告するということを言明されたそうでこれに基いて、ただ事実判断として報告をされたのではないかと想像しております。
  12. 石田一松

    石田(一)委員 ただいまの御説明でほぼわかつたのですが、要するに、昨晩委員会において野党側がこの暴行の事実を議長報告しろと委員長要求したこと自体は、当然国会法第百二十一条の第二項によるところの報告をして、処分求めるような手続をとれということなんです。それを何ら規則にもよらない、ただ事実を電話でもつて口頭でもつて報告をしたということによつて野党側の多数の要求を糊塗しようとした。委員長議長に対して処分求めたか求めないか知りませんが、私はこんな報告は何ら権威のないものであると思う。ただ表面を糊塗しただけである。そこで、この際大きな問題となつて来ることは、衆議院規則の第二百三十四条に「会議及び委員会の外、議院内部において懲罰事犯があるときは、議長は、これを懲罰委員会に付する。」となつておることであります。ただいまの報告を聞きますと、処分求めてはおりませんで、事実だけの委員長報告なんだそうでありますから、これはどういう根拠によるのか知りませんけれども、議長においては、これを議院内部において懲罰事犯があつたとお認めになるのかならないのか。要するに、これは懲罰事犯ではないと解釈なさるのか、その点をはつきりしていただかない限りは、第二百三十五条にいうところの「議長又は委員長において懲罰事犯と認めない事件についても、議員は、国会法第百二十一条第三項によつて懲罰動議を提出することができる。」ということも、これはきよう、あすと日にちを経過されたのでは、懲罰事犯があつた日から三日以内に懲罰動議を出さなければならぬということもあるので、ぐずぐずされては困りますので、この点について、この際議長の御見解をはつきりしていただきたい。
  13. 岩本信行

    岩本議長 委員長の方が懲罰事犯なりと認めておられるならば、成規手続による要求があると思います。ところが、けさ委員長に会いましたが、懲罰事犯なりとは考えておらないようであります。従つて議長の方とすれば、この報告から判断してみますと、ネクタイへ手をつけたらしいことはわかるのですが、それをもつてただちに懲罰事犯として、そういう方へ持つて行くことは考えておりません。
  14. 椎熊三郎

    椎熊委員 ただいまは、現場におらぬ人々の想像の問答をしておる。これは非常に事実と違つております。私は昨夜八時半から予算委員になりまして、現場におつたのです。私の眼前に展開された事実でございます。しかも議長、副議長さんの説明によると、今朝になつて委員長懲罰事犯と認めないという報告をされておることは、実にけしからぬことである。事実、あの際守衛が、三、四人かきわけて手を離そうとしたにもかかわらず、なお離さない、離さないままに、中曽根君はそつくり返りながら委員長を呼んで、これを見よと言つたそばにおつた委員長がちやんと確認しておつた。それから騒ぎになつて、われわれに処分要求した。委員長は取扱いがわからなくなつて議事課の人に聞いた。そうすると、委員会内ではどうも処分ができない。すなわち衆議院規則第七十五条により、議長報告をして処分求める、その手続をとれということで、議事課注意によつて文書にしたためたものを持つて委員長席理事譲つて議長報告のため別室に出られた。議長は御不在でありましたので、副議長に通告した。委員会としてのこういう報告をしたということは、われわれの了承するとこはによれば、衆議院規則第七十五条による処分求めておるのである。ただ言いつぱなしにこういうことがありましたということでは、何にもならないことです。これは、当然そういう根拠に基いてなされたことと了承する。その後十時半、委員会は最後の了解をつけてわかれたのですが、議長報告に来たということは、すなわち処分求めに来たということなんです。しかも眼前に展開された事実を認められてである。そして議長報告するにあたつても、言葉で間違えてはいかぬというので、文書にしたためて出たのです。それが懲罰事犯に該当しないというようなことを岩本議長報告するということは、事実を曲否するもはなはだしい。そういうことはいけません。それはまずわれわれ何十人の者が目前に展開した事実を見ており、そのために休憩したのでもなければ、委員長は整理はしておつたけれども、会議はちやんと開かれたままの状態なんです。これだけの報告を、要求されたのではない。議長職権でその手続をとらぬということは、やや議長手続に手落ちがある。それを考慮しないということになると、何のための報告であるのかわからぬ。われわれは予算委員長にその処分要求したのです。     〔発言する者多し〕
  15. 福永健司

    福永委員長 田中君に発言を許しました。
  16. 田中織之進

    田中(織)委員 昨夜の予算委員長議長への報告国会法、第百二十一条第二項によるものでないと言われるが、その根拠はどこにありますか。     〔発言する者多し〕
  17. 福永健司

    福永委員長 静粛に願います。
  18. 田中織之進

    田中(織)委員 議長がいないので、と副議長報告をしたということは、委員会で正式に報告されておる。これを国会法第百二十一条第二項によるものでないと副議長並びに事務総長が言われるその根拠を、具体的に示していただきたい。
  19. 福永健司

    福永委員長 今、副議長お答えします。
  20. 岩本信行

    岩本議長 先ほど申し上げた通りでありまして、委員長はそうおつしやる。その条文要求しておるのではない、ただありのまま御報告するだけであつて懲罰事犯なりと考えておるのではない。議長へはそういう話でありまして、その行動がいいとか悪いとか、いうことは別であります。
  21. 土井直作

    土井委員 この際私は副議長にお伺いしたい、副議長から、先ほど太田委員長から報告のあつた事項について報告されておりましたが、それは太田委員長が直接報告された通りのものであるのか、あるいは副議長として受けた感じの上で報告されておるのか、この点を一応明確にしていただきたいと思うのです。
  22. 岩本信行

    岩本議長 先ほど申し上げた通り電話でありますから、一々こまかい点は聞き漏らしておる点があるか存じませんけれども、私が電話で受けた要領は、先ほど申し上げたようなわけであります。
  23. 土井直作

    土井委員 今朝太田委員長と御会見になつたそうでありますが、その場合に、先ほど副議長から報告になりました事項については、確認をされておりましたかどうですか。
  24. 岩本信行

    岩本議長 今一番問題になるのは、やはり今朝会つたときに、その条文によつて懲罰要求したかどうかということだろうと思うのであります、しかしそのことについては念を押しましたが、やはり今まで申し上げたようなわけで、懲罰事犯なりとして要求したのではない、こういうことであります。
  25. 土井直作

    土井委員 先ほど副議長報告によりますと、予算委員会委員である中曽根君のネクタイ本間俊一君がつかんだということを明確に報告されております。議長及び委員長報告の有無にかかわらず、委員ネクタイを絞め上げるということは、明らかに暴行行為である。従つて委員長報告するとかしないとかいうことを別にして、副議長みずからがネクタイを絞めた事実を認定する限りにおいては、院内秩序を保持するために、これに対して独自の見解の上に立つて、適当なる処置をとるのが当然でなければならないと考える。副議長はこの点についてどういう御見解を持つておられるか。明確にしていただきたいと思います。
  26. 岩本信行

    岩本議長 どうも、ネクタイを絞めたということだけは事実のように思います。今の電話報告、あるいは太田委員長にその後会つたところ、それは事実のように思います。従つて本間君を呼びまして、こんなことがあつたらしいが、こういうことはきわめて残念なことで遺憾なことである、だから既往の過ぎたことは……。     〔「まだ過ぎていない」と呼び、その他発言する者多し〕
  27. 福永健司

    福永委員長 静粛に願います。―――――静粛に願います。―――――静粛に願います。発言あとからお許しいたします。副議長発言中です。
  28. 岩本信行

    岩本議長 十分注意願いたいということを、忠告警告しておきました。
  29. 土井直作

    土井委員 副議長はただいま、そういう行為に対して忠告警告を発したということでありますが、いやしくも同僚議員ネクタイを絞め上げ、その身体に手をかけるがごと行為というものは、明らかに懲罰の対象になるべきものであつて、単なる警告とか戒告とか、そういうことだけによつてそれを不問に付するということは、院内秩序を保持する議長立場としても、少し軽卒のきらいがあるのではないか。そういう一片の警告戒告によつてこの問題を不問に付するという考え方は、秩序を維持する責任立場にある議長あるいは副議長処置として、われわれは考えられないのであります。従つてこの問題は、議長職権において適当なる処置をとるべきが当然であると私は考えております。現在でも副議長は、警告または戒告程度でよろしいとお考えになるか、また将来そういうような暴行行為をやる委員があつた場合についても、そういう処置をとられる意思を持つておられるかどうか、この点を明確にしてもらいたいと思います。
  30. 岩本信行

    岩本議長 本人に忠告しただけでなく、委員長に対しましても、委員会のできごとでもあるしいたしまするから、この問題について各派とよく話し合われて、十分善処されるようにということを申し上げまして、委員長も適当な努力をするということであります。一応現在としては、そういう経適になつておるわけであります。
  31. 土井直作

    土井委員 私の副議長は、将来そういう暴行議員があつた場合に、忠告または戒告程度のもので、これを不問に付する意思があるかどうかというお尋ねについて、明確なる御答弁がないのでありますが、その点はいかがですか。
  32. 岩本信行

    岩本議長 やはりそういうことの起らざることを念願するのであります。しかしてその事実の大きさ、軽さ、それらによつて十分判断して行かなければならぬ、かように考えております。
  33. 土井直作

    土井委員 先ほど同僚議員である佐藤君の報告によりますと、当人が窒息死に至るような、あるいは殺人未遂的の行為だということであつて、これは非常に重要な問題だと思います。その認定の上において、副議長はどうお考えになつているか。ネクタイを絞め上げるということは、場合によつて窒息死に至る場合もしばしばあると思う。運転手などの傷害なんというもの、あるいは殺人などというものは、往往そういう方法で起つておる現状でありますから、これにどう御認定をくだしますか。
  34. 岩本信行

    岩本議長 何しろ私は現場を見ておりませんので、ただいま椎熊さんのお話のような見ておられた方は相当なる行為つた、こういうように仰せの方もあり、また見ておられた方でも、ただ触れた程度だというふうに見られた方もありますし、よく実は真相がわからないのであります。
  35. 土井直作

    土井委員 この際大野議長にさらにお伺いしたい。先ほどの報告によりますると、太田委員長は、食事をするために休憩したらどうかというわが党の吉川議員の、いわゆる動議ではありませんけれども、議事に対する勧告があつたときに、かわるがわる行つたらよかろうと言つたという報告があつたのでありますが、この太田委員長発言は、議員の審議権を軽視する発言ではないかと思う。いやしくも予算委員会が開かれて、その審議の途中におきまして、委員長の職責にある人が、かわるがわる行つたらよかろうというようなことは、口にすべきことではないと私は思う。審議権の軽視ということにもなる。これについて議長は一体どう考えられるか、その点の御見解を述べていただきたい。いわゆる審議権を軽視するがごと委員長の存在は、国会運営の上において非常に障害になると思うがどうか、この点であります。
  36. 大野伴睦

    大野議長 何と答えていいかちよつと判断に苦しむのでありますが、しかしそういうことは往々あり得ることじやないかと思う。休憩を宣告することが時間的に都合が悪いので、かわるがわる食事をしたらどうかと委員長が言つたかどうか知りませんが、まあこうしようじやないか、腹が減つた、それじやひとつ適当にというようなことは、私もしばしば委員会で言つたことを覚えておるのであります。いずれにいたしましても、委員会昨晩ああいうようなできごとがあつたことは実に民主政治を汚毒するものであることだけは、私もはなはだ遺憾だと存じております。議長が、なぜこれに対していわゆる懲罰なら懲罰の措置をとらないか、これは国会法によつて委員長報告が、さような懲罰になるということを正式に手続されておれば、むろん懲罰委員会にまわす、委員会に付託するということになりますが、まだその段階に至つておらぬのであります。今ただちに議長職権でどうするということまでは、現在においては考えておりません。
  37. 土井直作

    土井委員 ただいまの大野議長の御答弁はわかるのであります。私はやぼに事を荒立てるという意味ではございませんが、たとえば非公式の会場で、とにかく時間がないから、それぞれ適当に食事などをやつたらよかろうということは、非公式な理事会なり各派の打合せ会等でならやられることはいいし、そういうことはままあり得ることだと思います。しかし公開の席上で、しかも委員長席にすわつておる人が審議権を軽視するがごと発言をするということは、今後十分注意していただかなければならない問題じやないかと思いますので、その点は、議長から委員長の方に適当なる御忠告をお願いしたいと思います。
  38. 大野伴睦

    大野議長 承知いたしました。
  39. 田中織之進

    田中(織)委員 この問題は、この前予算委員会の審議渋滞の問題について、各党間の話合いで片づけるということで、私から議長に要望した問題である。われわれは、きわめて不完全な予算ではあるけれども、審議が順調に進むことについては、審議権を完全行使するという意味で協力することにやぶさかではない。その意味で、昨日の問題については、委員会秩序を保ちながら運営して行くために、委員長並びに委員長を補佐している委員諸君と協議した結果、成規報告をやられたものだと思う。ただ、議長がいないから副議長に連絡するということになつた。それが電話にしろ、電話でないにしろ、当然国会法の第百二十一条第二項によつて報告したことは間違いない。従つて岩本議長自身も、本間君を呼んで注意をするということは、これが懲罰事犯であるということをはつきり認められておると思う。だから、そういう委員長の正式な報告に基いて、当然議長職権に基いてこれを懲罰委員会に付する手続をとるべきである。従つてこういう報告があつたから、議長職権懲罰事犯に付さなければならない立場に置かれておるものだと思う。しかしこの問題は、新国会法において初めてのことであるから、各党間でこの問題について重ねて考えてもらえないか、そういう話が議長から議院運営委員会であるとすると、実際の取扱いとしては、われわれ十分その相談に乗つてもいいが、しかし予算委員長が正式な報告をしたことに基づいて、議長は、その事実は重大な問題であるということで、副議長がみずから本間君を呼んで注意をされただけの事態である。その事実の認定の上に立ちながら、この問題は、委員長からの報告国会法第百二十一条第二項のものでないというりくつをつけて不問に付することは、予算委員会の審議が再開されるということにかわつて来ておるだけに、議長注意してもらいたいとことを言つたわけです。その点もう一度お考えになつて、この委員長報告に基いて、成規手続をとられることを議長要求したいと思います。これについての議長のお考えを伺いたい。
  40. 椎熊三郎

    椎熊委員 関連して……。私は、きのうの事態岩本議長は非常に軽く扱つておられるように思う。(発言する者多し)諸君聞いてください。これはほんとうに参考になると思うのです。八時半から十時半までこの問題のために議事の運営ができないで、委員長も非常に苦労された。本間君の事件に対しては、当時委員会の部屋におりました衛視は、多年本院に奉職しておる練達の衛視なんです。それが委員長の目前で三人も行つて、押しわけて手をとつて離そうとしたが離さないという事実は、委員長も目撃しておるのです。野党側は全部席を立つて委員室の自分の席でないところに円陣をつくつて相談した結果、懲罰要求しておる。委員長議事課の人と相談の上で、委員会ではこれを処分ができないのだ、そこでどうすれば処分ができるか、そうすると、議長報告する以外に道がないという。それで、その道をとりなさいと私も直接言つた。そのことをわれわれは要求した。だから、処分方法として議長に通告してあるのです。その事実は事実として岩本議長が今認められたように、暴行したる事実は隠蔽することはできません。現に本間君を呼んで注意をされておるのです。委員会委員諸君も認めておるのです。     〔発言するもの多し〕
  41. 福永健司

    福永委員長 静粛に願います。発言される諸君は、発言許可を求めて下さい。
  42. 椎熊三郎

    椎熊委員 私発言中です。そこで、懲罰委員会議長職権をもつてやる程度のものであるかどうかは明確でないとおつしやるのですが、委員長並びに当時そこにおつた衛視、議事課諸君等をここに招致して、現状のありのままを聞いてみようじやありませんか。そしてその事実が明瞭になつたら、手続をとつてもらう。
  43. 春日一幸

    ○春日委員 関連してちよつと伺つておきたいと思います。国会法第百二十一条は、懲罰事犯があるときは、委員長はこれを議長報告する義務をここに規定しております。しかるところ、議長に対する昨日の委員長報告は、この条文によらないで、事実を事実として報告したにとどまるものである。従つて懲罰事犯がありと認定しておらないということが明らかにされました。そこで私どもは、今後の議会活動の上において、懲罰事犯の何たるかをはつきりと規定して行かなければならないと思うのであります。今後ネクタイを絞めて窒息せしめる程度懲罰事犯に該当しないか、こういうことも今後はつきりしていただきたい。そういう必要があると思うのです。そういうことで議長としては議事の運営ができるかどうか、この点を議長に御答弁願いたい。
  44. 大野伴睦

    大野議長 どうも現場におらぬものですから、どの程度であるかということについては、まつたく認識を持つておりません。むろん議事の運営上、ネクタイを絞め上げるというような事態があれば、これは当然処分すべきものであると思いますけれども、これに対しては、まだ私自身はつきりした認識を持つておりませんので、委員長から議長に向つて文書によつて明らかにされれば、そのときにおいて、議長は初めてこれは穏やかじやないから、懲罰事犯として委員会に付すべきものであるかどうかということを判断して善処したいと思つております。今まだ委員長から何ら正式な手続が来ておりませんから、そこで私の現在の立場においては、そういう処置に付するかどうかということは明確にいたしておりません。
  45. 池田禎治

    ○池田(禎)委員 それに関連いたしまして……。実は昨日の予算委員会において、委員外本間君が相当の酒気を帯びて参つたのであります。最初、私に対しましていろいろと申しておりましたが、正面に申しまして私の急所をつかんだ。(笑声)私は多年の友でありますので、それをやわらかに制したのでありますが、私がとりあわないと見るや、私の隣におつた中曽根君に対して、もういいかげんにしたらどうだと言つた。これに対して中曽根君もとりあわなかつた。ところが、君は酒を飲んでいるだろうと言つたの中曽根君は怒つた。ぼくは何時間もおつて審議しておるのだ、酒を飲んでおるなんてけしからぬことを言ふなと言つた。そうしたら、中曽根君のネクタイ本間君が絞め上げたのであります。私の隣におつたのであります。そこでこの事態を見て、この委員外の者が委員会に出席して委員に対して暴行をしたことに対して、当然委員長職権をもつて退場を命じなければならぬ。それを何らの処置も講じないで、衛視が来て連れ去つたということは、委員長職権においても欠くるところがある。のみならず委員長は、わが党の委員から休憩申出があつたときにどう言つたかという、それはできない。さらに、自分では水を飲み、便所に行つておる。委員には、それは困る、諸君はかわるがわるやれという。こういう委員長は、委員会の職責においても欠くるところがある。(発言する者多し)騒いでおりましたから、静かにしなさいとは申していますけれども、委員長職権をもつても退場を命ずべきだと思うが、そういうことを等閑に付するということさえおかしいことである。その点を皆さんがわかれば、委員長処置に欠くるところがあつたことは明白であると思う。こういう明白な事実を処置をしなかつたことは、十分議長注意すべきだと思う。
  46. 椎熊三郎

    椎熊委員 こういうことでしよう。私は、国会法衆議院規則の精神は、文書をもつて出すのが正式であるという根拠一つもないと思う。そういう届出さえあればいいと思うのです。その届出の趣旨は、懲罰事犯かあつたかどうかということが明白になればいい。懲罰事犯に処するだけのことかどうかという問題が明白になつたからこそ、副議長は将来を戒めておると思う。そういう事案が明らかになつて、その事態がどの程度であるかということを議長職権をもつて判断されるために、参考までにお調べになることはけつこうでございましよう。われわれ現にそこにおつたし、衛視もおつたし、議事課責任ある諸君も現にそこにおつたので、聞いてみればすぐわかることです。その事実が明白になつても、文書で届出がなければ正式でないというようなことは、おかしいと思うのです。そんなことは法のどこにも根拠がありません。その事実を通知すればいいと思うのです。そういう事犯があつたということは明白になつておる。ただ、どの程度であつたかということは、ネクタイをとつたという程度ならば、われわれといえども、そんなことで懲罰委員会に付するようなことはしない。ところがあれは、まるで下の方からひつぱつて、ぎゆつと絞め上げて声が出なくなつたネクタイを三寸ほど巻き上げて、そのまま十時半まで、その状態をくずさずにおつた。現にその通りなんです。実に驚くべき、予算委員会などではかつて見たことがない暴行なんです。従つて、その返事が来るまで与党といえども開会を要求しなかつた。今になつて委員長文書によつて要求書を出すといふことは、現在の会議状態からは与党の諸君が承知しない。従つて議長は大所高所からながめて、これに解決を与えなければならぬ。予算委員会文書をこれから出すといつても、委員長としては出せない状態にあるのです。そこらも議長においては十分御認識を賜わりたい。
  47. 菅家喜六

    ○菅家委員 ただいま椎熊委員からいろいろお話になりました。大所高所から当委員会でやるということはごもつともです。私ども、静かに野党諸君お話を承つてつたのでありますが、まずお話の第一点は、議長のとられた処置は少しも間違いがなかつたということは、皆さん御同感だろうと思う。(「そこが問題だ」と呼び、その他発言する者多し)まあ聞きたまえ。君たちの話は聞いたんだから、聞きたまえ。そこで、文書で出すかどうかということのお話椎熊君からありました。これは文書で出さなくても、口頭でやつてもよかろう。しかし従来の慣例では、大体文書で出しておる。といつて文書出ていないから、これは正当の要求でないとは私は主張いたしません。ところが、御本人の委員長みずから昨晩電話で副議長に言われたのは、これは国会法条文衆議院規則条文に基いて懲罰事犯として要求するものではないと委員長が言うておるこれは委員長認定だ。その委員長認定が正しいか正しくないかは別個の問題である。議長としては、当該委員会責任ある委員口頭をもつて、しかも国会法にも議事規則にも基いて懲罰事犯として御報告するのではないという言葉があつた以上はただちにそれをもつて懲罰事犯とすることは、私は軽卒だと思う。かかる意味において、議長のとられた処置には何らの間違いがないと思うのであります。  その次に、これは歴然たるものだというお話であろ。ところが、こういうことはまことに微妙なものでありまして、椎熊委員は、急に正式な委員になられてそれを目撃されたとおつしやつて、今手まねをもつてネクタイの曲つたお話もあつたけれども、私も見ておらないのでわかりませんが、ただ単にネクタイをつかんだということだけなら、これが重大なる暴行とは私どもは考えない。暴行でないとも言わない。要するに程度の問題になる。(発言する者多し)暴行でないとも言いません。この前委員会において共産党の林百郎君は、洋服のそでを半分もがれたけれども、それはもがれたのか、つかんだところを自分でとつたためにもげたのか、非常にむずかしいことになりました。昨晩の問題も、ネクタイをつかんだというのはどの程度のことか、どの目撃者もつかまないとは、だれも言つていないから、ネクタイをつかんだことは事実でしよう。ただその程度の問題である。ただ、これでもつて殺人未遂だとか、窒息死に至らしめるというよなことには、公平に見て考えられない。要するに程度の問題である。これはいくら議論しても、われわれ第三者として公平に見て、ネクタイをつかんだことは事実であるが、それが浅いか深いかによつて暴行になるかならないかが決定することである。それでありますから、私は現在の段階においては、副議長が本人を呼んで、将来について大いに警告を与えたと言われることは、今の段階においては本人に警告を発せられ、当該委員会委員長に向つて議長として、かかることのないように委員長警告を与え、委員会が円満に進むことを要望されたという事柄で十分ではないかと思う。先ほど来議長、副議長が答弁されておる通り、今予算委員会でこの問題を取扱つております。そうすると、諸君の言う通りであつて、真にこれが暴行だということになれば、委員会から即刻要求して来る問題で、それは文書で参らなくても、口頭で参つても、当該委員会からこちらに要求になつて来ると思う。そのとき初めて議長がその報告に基いて発動しても、決しておそくない問題である。三日以内にきめればいいのでありまして、順序を追うて行きますから、今の段階においては私はこのままでよいものであると思う。  さらに第三点として、当時の衛視並びに委員長を呼んで当委員会質問するということは、当委員会としては私は行き過ぎだと思う。まだ懲罰事犯にも何にもなつてない事実の報告だけという程度のものである。こういうことが今後しばしば現れるとすれば、本委員会でやらなくちやなりませんが、それは懲罰要求があつて、初めて議院運営委員会に参考人として呼ぶことが当然なことと思います。まだ懲罰事犯にならない、そういう段階に至つていないときに、委員長及び衛視を呼んでこの委員会でやることは、この委員会のとるべきことではないと思う。そういう意味において、(発言する者多し)皆さんの御意見を全部聞いたのでありますから、自由党は自由党としての発言を全部今言つておるのであります。しばらく私どもの意見を聞いてもらわなくてはならぬ。諸君発言求められても、私が発言中だから委員長は許すはずがありません。そうあせらずゆつくりやりたまえ。私はただいまの、委員長と各衛視を呼んで当委員会質問するということには、絶対反対であります。そういうことは、当委員会のとるべきことでないと思います。そこにおいて、今の段階では、この問題は予算委員会で取扱つておる最中であるから、当該委員会でその問題を取上げてやつておるときに、それらの方を証人として呼ぶということはもつてのほかであると思うので、絶対反対をいたします。
  48. 椎熊三郎

    椎熊委員 ここで何も大きな声を出す必要はないのです。冷静にやろうじやありませんか。私は事実に基いてあなた方の認識を得てもらいたいと思つてつておるのです。これは産業経済新聞ですが、当時の乱闘の状況、本間君の手が明らかに伸びて、それが衛視から引きもどされておる状態がこの通り出ておるのです。それで、何もここへ呼んで聞くということは、懲罰委員会でないのだが、院内において懲罰事犯に値するような事件が起つたかどうかということを確かめて、それを立証するならば、議長は、それに対して行動しなければならぬのです。今は議長を責めておるのでも何でもない。議長において、どの程度かわからぬというのです。だから懲罰事犯に値する事実があるならば、議長は当然報告に基いて処置しなければならぬ。それを明らかにするために呼べというのです。懲罰事犯の内容に立ち至つて論議しようというのではない。こういう事実があつたということになれば、それに基いて議長が相当の処理をとればいいのであつて、その事実を議長に認識してもろうために、事務局の方々、衛視の方々を呼んで、そういう事案があつたかどうかを聞いてもらいたいというのです。それが明らかになれば、当然処置できるのです。それを文書で出すとか、委員会がどうとか言われるが、予算委員会のやつておることを、われわれがとつて来たのでも何でもない。議長のところへ通知があつて、ここで議題になつておる。議長報告になつて、議題になつておることであつて、何も私どもは懲罰委員会を開いておるのではない。議長かどういう処置をするかという手続の問題を論議しておる。その点どうか菅家さん、誤解のないようにしてもらいたい。
  49. 佐藤芳男

    佐藤(芳)委員 ただいま権能君から申し上げましたように、要するにこれは程度の問題であつて議長は認識がまつたくないのであります。従いまして椎熊委員から、予算委員長並びに衛視、議事課責任者の招致をここに要求しておる。私は、大野議長は今日までのところ名議長としてたたえておる。但し、この問題の処置いかんによりましては、われわれは名議長とたたえないことになるかもしれぬ。議院運営委員会は、議長を補佐する責任もあるのであります。従つて、われわれは党派の問題でなしに、厳粛な気持で発言をしておる。従つて議長は、協力者である私どもの言を完全に信頼されてしかるべきだと思いますが、さらに万全を期するお考えがありまするならば、われわれはこれ即応いたしたいために、椎熊君がかような動議を出しておるのであります。委員長におかれましては、ただちに椎熊君のただいまの意見を動議として採択して、慶求をおいれくださることを望みます。
  50. 福永健司

    福永委員長 ちよつと申し上げます。大分お話もあつたので、一応休憩して、少し、御協議を続けたいと思いますが、その前に、池田君御発言があるそうでありますから……。
  51. 池田禎治

    ○池田(禎)委員 私、先ほどからの菅家委員お話を聞いておると、これが懲罰事犯の疑いがあるということで、予算委員会でやつておるからということを言われましたが、昨日の予算委員会におきましては、発言者の古井君から、こういう暴行の行われておる委員会では発言ができませんということで、委員長も散会したのです。そういう暴行の事実によつて委員会を散会したのであつて、そういう事実が公々然として行われておるときに、審議をすることはできない。そこで私は、議院運営委員会議長の諮問に答えるために、ここで十分論議して、委員会の続行が可能かいなかということを御検討願いたいと思う。
  52. 田中織之進

    田中(織)委員 この委員会の議事の進行の関係もあると思うのです。そういう意味で、この問題は先ほど菅家君も了解されたと思うのですが、たまたま佐藤君の発言に対する答弁の形で、岩本議長予算委員長から報告のあつた事項報告されて、ここで議題になつておる。そこで、この委員会でやることは越権でも何でもない。しかも当該委員会で起つた問題について、委員長電話にしろ、議長報告するということは最近にないことなんです。しかもこの問題は、けさ予算委員会理事会で、この点予算委員長に対して、ゆうべ議長報告したのは、処分求めたのかどうかということで、予算委員会理事が進行しない関係から、先ほど予算委員長議長のところへゆうべ報告したことについて、議長の方でどう処置されたかということを確かめに来られたはずなんです。それにもかかわらず、これは国会法第百二十一条によるものでないという見解のもとに議論を進めておる。それでは議輪が果てない。予算委員会理事会で問題になつておることも事実なんです。理事会で、ゆうべ予算委員長議長報告したことがどうなつているかということを知らなければ、理事会は進めないじやないかということで、それなら議長のところへ行つて来ようというのが事実なんです。この委員会の議事も進めなければならないし、あと暴行について議長処置があるだけの問題でありますから、もう少し事実関係を明らかにするために、予算委員長なり、あるいはそのときの補佐の委員部の諸君もおるわけでありますから、もし与党側で明確でないというならば、その点を明確にするために呼んで聞くべきである、あと議長手続が残るだけの問題である。この問題が国会法第百二十一条に基くとかなんとかいうことは歴然としておる問題ですから、委員長に確かめられるなり何なりして、確かめられた上で議長処置してもらいたい。われわれは、議事の引延ばしでも何でもない、ゆつくりと言われるならば、何時間でもやりますが…。
  53. 井手以誠

    井手委員 委員長休憩をしそうな空気ですが、私これには反対です。先刻議長は、ネクタイを絞め上げることは暴行だということをはつきりおつしやつた懲罰事犯に値するということをはつきりおつしやつた。ところが、その程度についていろいろ論議されておるわけです。それは、呼んで聞けばはつきりすることだと思うのです。そこで先刻椎熊委員から言われたように、その程度をはつきりするために、すみやかに呼ばれるように願いたい。
  54. 菅家喜六

    ○菅家委員 今田中君その他の諸君お話があつたが、私が言つておることは、当該委員会でやつておることを取上げたことがいけないと言つておるのではない。もしそういう意味でお聞きとりになつたら間違いでありますから、訂正をしておきます。私の反対したのは、ここへ衛視並びに委員長を呼んで来て取調べをすることには反対だというのです。なお予算委員会においては、理事会を開いてこの問題の取扱い方について協議中であつて、そのうちに議長の方に要求がありそうな形勢であるから、それに先だつてこちらの方へ衛視を呼んだり、委員長を呼んだりしなくてもいいじやないか、こういう意見です。取扱い方、議事の進行についてよく諸君と相談したいので、それは委員長に一任をしてもらいたいと思うのです。これは暴行でも何でもないというのではないのです。     〔発言する者多し〕
  55. 福永健司

    福永委員長 静粛に願います。
  56. 石田一松

    石田(一)委員 私は、椎熊君からの要求ではございますが、あの昨晩本間君の行為が、明らかな暴行であるか、どういう程度であるかということを、この委員会に証人を喚問して確めるということはないと思う。そんなことは懲罰委員会でやる問題です。しかも先ほど議長発言で、他の議員ネクタイに手をかけた、ちよつとでも手をかけるということは、これは議場内において絶対にやつてはいけない、懲罰事犯であるということだけは明らかになつたので、議長職権をもつて懲罰委員会に付せらるべきものと思う。その程度がどうであるかということは、ここでやる必要がない。     〔発言する者多し〕
  57. 福永健司

    福永委員長 静粛に願います。
  58. 田中織之進

    田中(織)委員 議長に通告されて来たものが、その手続がどうなるかということをきめなければ、予算の審議が進まないので、その点を早く明確にしなさいというのです。
  59. 福永健司

    福永委員長 それでは暫時休憩いたします。     午後一時四十九分休憩     〔休憩後は開会に至らなかつた