○帆足
委員 この問題につきましては、非常にむずかしい問題でありますから、私はこれ以上申し上げません。
そこでこの問題に関連いたしまして、先ほど、中ソ友好同盟の結ばれておる以上は、国交調整はむずかしいと言われましたけれ
ども、困難な
状況であればあるほど、国交調整のために
努力いたさねばならぬのであ
つて、別にソ連ときわめて友好という
状況にすぐなることをわれわれは期待し得るものではないけれ
ども、危険な
状況を少しでも緩和するための
努力を
もつと続けていただきたい。昔回教徒とキリスト教徒が対立していた時代でも、なお調整の余地はあり得たのでありまして、そのための
努力を全然しないで、中ソ友好同盟が解消しなければ、いわゆる蒋介石を相手とせずというような考え方は、私はあまりにも観念論ではないかと思うのです。中ソ友好同盟にしましても、向うの立場から見れば、
日本と
アメリカとが軍事同盟を結んでおる。そうしてマッカーサー元帥は、まさに鴨緑江を越えようとした。あのときに中ソ友好同盟がなか
つたならば、マッカーサーは鴨緑江を越えたかもしれないというようなことも、インドの論調で言
つておりますので、世の中のことはやはり国際連合の精神に
従つて、一面
日本の立場から考え、他面は国際連合と申しますか、公正合理の立場から考えて、ほどよいところで平和を保つように
努力をしなければならぬのに、
政府は二つの世界の調整のための平和への
努力の方は、一向見えない。ただとらの威をかるきつねというか、部分的な問題にのみ煩わされておるということで、われわれは北海道の
事件を見てから、非常に心配しております。武力をも
つて国を守るということも必要でありますけれ
ども、武力の問題は末の末であ
つて、根本はやはり国民の国に対する愛情と責任観、並びに平和外交、世界の輿論が納得するような公正合理な立場を常に続けてとる。そして今日の平和の確保のためには、憲法にありますように、国際連合の精神にのつと
つて、公正合理な
日本の立場というものが、世界の同情を浮けるという
観点に立たねばならぬのに、今日西ヨーロツパ、イギリスまたはインドあたりから、しばしば
日本の
政府は非難されておる。こういう点について、
政府は多少反省していただきたい。従いまして、中ソ友好同盟
条約がある以上は、もう国交調整ができないというような御
答弁は、私は納得行かないのです。そういう
条約があればあるほど、そういう
条約から来る災難を免れるために、ひ
とつ大いに話し合
つてみる、こういうような手がかりをつかむことが必要であると思いますが、いかがお考えでしようか。