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1952-12-22 第15回国会 衆議院 外務委員会 第12号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十七年十二月二十二日(月曜日) 午前十一時十四分
開議
出席委員
委員長
栗山長次郎
君
理事
池田正之輔君
理事
谷川
昇君
理事
松本
瀧藏
君
理事
加藤 勘十君
理事
田中
稔男
君 今村 忠助君
植原悦二郎
君 大橋
武夫
君
木村
武雄君 中山 マサ君 西川 貞一君
根本龍太郎
君 馬場 元治君
松田竹千代
君 森下 國雄君 安東 義良君 高岡 大輔君 並木 芳雄君
中村
高一君 福田 昌子君 帆足 計君
黒田
寿男
君
出席国務大臣
外 務 大 臣 岡崎 勝男君 国 務 大 臣
木村篤太郎
君
出席政府委員
保安政務次官
岡田 五郎君
保安庁長官官房
官房長
上村健太郎
君
外務政務次官
中村
幸八君
外務事務官
(條約局長) 下田 武三君
委員外
の
出席者
専 門 員 佐藤 敏人君 専 門 員 村瀬 忠夫君
—————————————
十二月二十日
委員山崎岩夫
君
辞任
につき、その
補欠
として大
橋武夫
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月二十二日
委員近藤鶴代
君
辞任
につき、その
補欠
として、
根本龍太郎
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同日
委員根本龍太郎
君
辞任
につき、その
補欠
として、
近藤鶴代
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。
—————————————
本日の会議に付した事件
日本国
と
アメリカ合衆国
との間の
船舶貸借協定
の
締結
について
承認
を求めるの件(條約第一 号)
—————————————
栗山長次郎
1
○
栗山委員長
ただいまから
外務委員会
を開会いたします。
日本国
と
アメリカ合衆国
との間の
船舶貸借協定
の
締結
について
承認
を求めるの件を議題といたします。
本件
につきましては、すでに
質疑
を終了いたしておりますので、ただちに
討論
に入ります。
討論
の通告がありますので、これを許します。
中村高
一君。
中村高一
2
○
中村
(高)
委員
私は
日本社会党
を代表いたしまして、本
協定
に対しまして
反対
の意見を申し上げます。 数次にわたる
委員会
におきまして、
総理大臣
初め
保安庁長官
の
説明
によりましても、この
船舶
が
軍艦
でありますことは明らかであります。しかも
アメリカ
の
海軍
に所属をいたしておりました
軍艦
でありまして、これが
装備
もそのままに
日本
の
海上警備隊
に
使用
せられるというのであります。
保安庁法
によりますと、
任務
を
遂行
するに必要な
限度
という明確な
規定
がありまして、この
軍艦
がいわゆる
戦力
に該当するものでありまして、
保安庁法
に
規定
されておりますところの
任務遂行
に必要な
限度
を越えるものでありますことは明らかであります。この点について
政府
の
弁明
は、いずれも
使用目的
が
海上警備
のためであるという、こういう
弁明
でありますが、
使用目的
が
海上警備
でありますならば、どんな
兵器
を
使用
してもさしつかえないという論は、とうてい今日の
憲法
並びに
保安庁
の
法規
の上からは、どうしても認めることができないと思うのであります。もとより、今日の
日本
の長い
海岸線
と、いろいろの
漁船
に起
つて
おります問題などを考えますならば、
海上警備
に万全を尽さなければならないという事情はよくわかるのであります。その
目的
が
警察
の
範囲
でありますならば、むしろわれわれは強化することに決して
やぶさか
ではないのであります。しかしながら、
憲法
に
規定
せられ、
保安庁法
に
規定
せられました
法規
というものは、厳としてわれわれは守らなければならぬのであります。必要であるからというて
法規
を犯し、
法律
を無視して、その必要の前に屈服をするということは、
法治国民
として断じてわれわれは許すことができない。こういうことが許されますならば、フアツシヨが生じて来るし、共産党の
暴力行為
も認めざるを得なくなるのであります。
憲法
の
規定
をそのままにし、
保安庁法
の
規定
をそのままにして、明らかに
軍艦
でありますものを持
つて
来て、その
使用目的
が
海上警備
のためであるからという論によ
つて
これを
使用
するということは、どうしても許されない。こういう
意味
におきまして、私は本
協定案
に対しましては
反対
の
意思
を表明する次第であります。
栗山長次郎
3
○
栗山委員長
谷川昇
君。
谷川昇
4
○
谷川委員
私は
自由党
を代表いたしまして、
政府提案
にかかるこの
協定案締結
に
賛成
いたすものであります。過去長きにわたりまして、本案の
審議
にあた
つて
政府
の
説明
を聞きまして、私
ども
これを是認いたすものでありまして、相こぞ
つて
これに
賛成
をいたします。
栗山長次郎
5
○
栗山委員長
田中稔男
君。
田中稔男
6
○
田中
(稔)
委員
私は
日本社会党
を代表して、本
協定
に対し
反対討論
を行わんとするものであります。 本
協定
において、
船舶
という
名称
のもとに
アメリカ
より貸与される
フリゲート艦
及び
上陸支援艇
は、明らかに
軍艦
であります。たといそのトン数は比較的小さく、その
装備
は貧弱であり、その
艦齢
は古いと申しましても、本来
アメリカ
におきまして
軍艦
として建造され、
軍艦
として
使用
されたものであります。
政府
はこれらの
艦艇
をしいて
軍艦
にあらず、
船舶
なりと申しておりますが、一旦これを借り受けた上は、
保安庁法
第六十
八條
の
規定
にいう
武器
として
警備隊
の
保有
に帰することは、当然予想されるところであります。
通常船舶
は
武器
とは考えられないのでありまして、これらの
艦艇
が
船舶
の有しない、何らかの
武力
を備えておればこそ、
武器
として
保有
されるのであります。しかも
警備隊
が
保有
を許される
武器
とは、その
任務
の
遂行
に必要な
武器
という
限度
があるのでありますが、
保安庁法
第四條に掲げてありますところの、
海上警備等
の
警備隊
の
任務
に照して考えますならば、これらの
艦艇
は明らかに右の限定を越えた程度の
武器
であり、
戦力
の
構成要素
たる
武器
として、いつでも
戦争目的
に役立ち得る
軍艦
であると私は断定するものであります。 御存じのごとく、
保安庁法
は、その第八十七條におきまして、すでに
日本
が批准した
海上人命安全條
約に基いて、制定された
国内法
たる
船舶安全法
の
適用
を除外しているのであります。先般来
外務委員会
及び
予算委員会
におきまして、改進党の
委員諸君
はその事実を指摘して、
政府
は
憲法
第九十
八條
に
規定
する條約遵守の
義務
に
違反
しているのではないかと強硬に
主張
されたのであります。
政府
は本
協定
の通過をはかるために、遂に改進党の
主張
に屈して
与党議員
の
提案
という
形式
をと
つて
、
保安庁法
の一部
改正
を
行つたの
でありますが、その
主張
の結果、これらの
艦艇
が
船舶
として
船舶安全法
の
適用
を受けるようになりましても、これらの
艦艇
が
軍艦
である事実を否定することはできません。私はかかる
法律改正
の試みは、一方において
政府
の不見識を示すものであり、他方において改進党が
政府
の
堅白異同
の弁を合理化し、その
ごまかし
再
軍備
に
協力
する口実を得るにすぎないと考えるものであります。 また
木村国務大臣
は、たといこれらの
艦艇
が本来
軍艦
であることを認めたとしても、
警備隊
は
軍隊
でなく、その
任務
からしても
軍事
を
目的
とするものでないから、
軍艦
本来の
用途
に
従つて
これらの
艦艇
が
使用
される心配はないと
主張
されるのであります。しかし今後
政府
の
既定方針
であるところの
自衛力漸増
が着々として行われるに伴い、
警備隊
の
任務
も拡張され、
従つて
これらの
艦艇
の
使用目的
も、おのずから変化することは容易に想像し得るのであります。すなわちこれらの
艦艇
が
軍艦
としての本来の
用途
に
従つて
使用
される
可能性
が、今後次第に大きくな
つて
行くのであります。私はかかる
自衛力漸増
こそは、
吉田首相
が何と言われようが、再
軍備
の隠れたる準備であり、むしろ再
軍備そのもの
の推進だと考えるものであります。 さらに
日米安全保障條
約の趣旨にかんがみましても、
日本
の
警備隊
は
日本区域
に
行動
する
アメリカ海軍
との緊密な
協力
のもとに、その
補助的役割
を果すにすぎないものでありまして、決して自主的に独立した
行動
をいたすものではありません。この
日米一体
の
軍事的協力関係
の角度からながめますならば、現在の
警備隊
がすでに
軍隊
であり、その
任務
がすでに
軍事
的であると断定いたしましても、決して過言ではないのであります。私はこの点に関連して、本
協定
による
船舶貸借
が
無償
で行われることの深甚な
政治的意味
をくみとることができるのであります。本来
日本
の
海上警備
は、
アメリカ
の安全のために必要不可欠な
任務
でありますが、
日本
の
警備隊
がその任に当
つて
くれるから
アメリカ
は大いに助かるのでありまして、ここに
無償貸借
ということが成立するのであります。しかしそのために
警備隊
の
傭兵的性格
が完全に露呈するに至るのであります。この
船舶貸借
は
日米両国
間の
協定
という
形式
をと
つて
、
国会
の
承認
を求められているからまだいいのでありますが、
保安隊
におきましては
戦車
、装甲車、
榴弾砲
、
迫撃砲
、バズーカ砲等多種多様の
兵器
が
国会
に何の相談もなく、
従つて
何ら
法律
上の根拠もなく、
駐留軍
から
無償貸借
の上
使用
されているのでありまして、これは明らかに
憲法違反
の
行為
であるばかりでなく、また
保安隊
の
傭兵的性格
を明瞭ならしめるものであります。 なお、これらの
艦艇
が
海上
における
警備行動
に従事する場合、すでに
漁船拿捕等
の紛争の頻発しておりますところの黄海及び
東支那海
あるいは北方の海面において、中国やソ連との間に、今後さらに深刻な不測の
事態
を惹起する危険が憂慮されるのであります。私はかかる
事態
に際して行使されるいわゆる
正当防衛
なるものの
限界
や
客観的妥当性
の判断は、過去の歴史に徴しましても、きわめて困難であると考えるものであります。それどころか、過去において
正当防衛
という美名のもとに
挑戦的行動
が繰返された事例さえ各国に少くないのであります。私は本
協定
の
締結
が中
ソ両国
との
敵対関係
をさらに刺激し、
右両国
と
わが国
との国交の回復を、永久に妨げる契機となることを恐れるものであります。 要するにこの日米
船舶貸借協定
なるものは、ただ独立の空名を得て、
アメリカ
の一方的な
安全保障
の
義務
を、
日本国民
に負わせた
日米安全保障條
約を実施するための一個の
細目協定
とみなすべきものであります。本
協定
の
締結
によ
つて
、
政府
のいわゆる
自衛力漸増
、すなわち
実質
的再
軍備
は、さらに大いなる前進を遂げることになるのであります。 さらに
アメリカ政府
の動向をうかがいますならば、アイゼンハウアーの新政権は、もはやかくのごとき
実質
的再
軍備
にあきたらず、いよいよ本格的再
軍備
を
日本
に強要する公算がきわめて大であります。 この際私は、
日本
の再
軍備
が
戦争
の危険を誘発するというわが党の従来の見解に基き、本
協定
の
締結
に絶対
反対
の
意思
を表明するものであります。
栗山長次郎
7
○
栗山委員長
松本瀧藏
君。
松本瀧藏
8
○
松本
(瀧)
委員
討論
に際しましてまず第一に取上げたいことは、
政府
のこれに対する提出の
方法
であります。
政府
は過去の絶対多数の上にあぐらをかいて
物事
を処理いたしました当時の惰性をも
つて
、同様の手段によ
つて
これを通過せしめんとしたことは、はなはだ遺憾であります。 第一に、本
協定
は去る四月の
吉田書簡
に基いて行われたのでありますが、
本件
の
審議
に対しまするところの
総理大臣
の
態度
、並びにたまたま行われました
質疑応答
のときのその
答弁ぶり
に対しましては、まことに遺憾千万なものが多々あ
つたの
であります。次に
政府
の
説明
はきわめてあいまいであ
つた
と同時に、
ごまかし
が多か
つた
ことは、これまたいなめない事実であります。たとえばその
名称
において、あるいは
使用目的
に関しましても、
戦力問題等
に対しましても、
政府
の
説明
はきわめて抽象的であ
つた
ばかりでなく、不必要に時間を費したのみならず、
物事
をひた隠しにしているのではないかという感を強く与えたことも、否定できない事実でありました。その間において、
国民
に
自由党
の
ごまかし軍備
ではないかという誤解を強く与えたことも、また否定できないところであります。 第二点といたしましてあげたいことは、
政府
はきわめて不用意な
態度
をも
つて
これを提出したことであります。わが党によ
つて国際條
約
違反
を指摘されて狼狽したことも事実であります。すなわち本
協定
と関連を有する
保安庁法
において、
船舶安全法
、
船舶職員法
及び
電波法
の
適用
を除外したことは、明らかに
国際條
約
違反
であることを認めまして、後に
立法措置
をと
つた
ということ、しかもわが党に迫られて行われたということも、衆目の認めるところであります。これらの事実によ
つて
も、いかに
政府
が不用意であり、安易な考えでこれを処理せんとしたかということがわかるのであります。 第三点といたしまして、
貸借
の方式に関しまして将来に問題を残すことも、軽視できない事実であります。すなわち
海上
の
老朽武装船
に対しましては、
協定
によ
つて国会
の
承認
を求め、質的にも量的にももつと度合いの大きい
陸上武器
に対しましては、
調達行為
で
国会
の
承認
を求めることなくこれを処理しておることであります。現在は
米軍
の
監督下
において法的には合法であるということが、一応考えられる節もあるということでありますが、近き将来
米軍将校
との
関係
を断ち、
従つて
後にこの大きな問題を残すことをわれわれはおもんぱかるのであります。ことに
民間関係
におきましては、
調達行為
ということも、これは合理的に行われるかもしれませんが、国と国との間の
貸借関係
におきましては、どうしても
国会
の
承認
を求める必要をわれわれは考えるのであります。
従つて
将来この問題に関しまして追究する
権利
をわれわれは留保いたします。しかしながら現在の
わが国
の
治安
、特に
沿岸線
におけるそれは、きわめて不備であることをわれわれは認めるに
やぶさか
でないのであります。世界第二の長い
海岸線
を有する
日本
を自力で警備することは、今日
海上
保安庁
の所有しておりますところのボロ船の数をも
つて
しては、不十分であることを私
ども
は認めるものであります。われわれはか
つて
の
軍艦
であ
つた
フリゲート
及び
上陸支援艇
が必ずしも適当であるとは考えません。しかし今日の
国家財政
が新たに多くの
警備艇
をつくることを許さない限りにおきまして、不適当ではありますが、これを借用するほかにないという結論に達しました。よ
つて
、前段の諸問題に対し、強い警告を
政府
に発すると同時に、将来さらにこれらの諸問題に関しまして追究する
権利
を留保いたしまして、
日本国
と
アメリカ合衆国
との間の
船舶貸借協定
に対し、改進党は
賛成
の意を表するものであります。(拍手)
栗山長次郎
9
○
栗山委員長
黒田寿男
君。
黒田寿男
10
○
黒田委員
私は
労農党
を代表いたしまして、
日本国
と
アメリカ合衆国
との間の
船舶貸借協定
の
締結
について
承認
を与えることに
反対
をいたします。
反対理由
の第一は、本
協定
によ
つて
借り受ける
フリゲート艦
及び
上陸支援艇
は、
米国海軍
の
艦艇
でありまして、
武装船舶
であります。商船を一時的に武装したものも
武装船舶
の
一種
ではありましようが、しかしここでいう
意味
の
武装船舶
とは、
構造
、
造材
及び
装備
上、本来
海軍
の
艦艇
として
海上
の
戦闘
に用い得るように建造せられた
船舶
という
意味
であります。これは
米国
におきましては明らかに
戦力
と見られているものであります。われわれは、これを
わが国
において
保安庁
が
使用
するとき、
保安庁制度
に現われております事実上の
軍備
に、新たな
戦力
を加えるものである、かように考えます。私
ども
は、本来
保安庁制度
それ
自身
が
憲法違反
の
制度
である、すでに
一種
の
軍備
であるという
意味
においてこれに
反対
しておるのでありますが、その
軍備
に新たなる
増強策
を結果するこの
協定
に対しましては、もとより
賛成
することはできないのであります。 私は、以下において私
ども
の
考え方
を多少詳しく申し上げてみたいと思うのであります。私
ども
は
フリゲート
は
戦力
である、それとあわせて
保安庁制度
それ
自身
が
戦力
であるというふうに考えておるのであります。今日までの
政府
の御
答弁
を承
つて
おりますと、
政府
は第一に、
保安隊——
これは私は
警備隊
をも含めた
意味
で申し上げますが、
保安隊
は
軍隊
ではない、第二に、
軍隊
でない
保安隊
の
使用
に供せられる限り、
軍艦
あるいは
戦車
、
大砲等
の純然たる
兵器
を用いても、それは
戦力
にはならぬ、こういうように強弁されておるのであります。
武器
ないし
兵器
が
戦力
であるかどうかという問題と、これを
使用
しております
主体
である
部隊
の
性質
とを切り離して
戦力
問題を論ずることはできません。総合して論じなければなりません。私はこの
方法
によ
つて
考えてみたいと思うのであります。 私
ども
の
見方
からいたしますれば、
保安隊
及び
警備隊
はまず人の
集団
であります。そしてその
集団
は、
保安庁法
という
法律
によ
つて
定められた
組織
を持つ
集団
であります。その
集団
の
行動
は、同じ
法律
によ
つて
定められておるところの
一定
の
命令系統
のもとにおいて行われておりまして、かつその
任務
の
遂行
のために、
武器
ないし
兵器
を持
つて
おる。
従つて保安庁
がいかなる力であるかということは第二の問題といたしまして、第一に言えることは、人的、物的に
組織
せられた
一つ
の
総合力
である、こういうことだけははつきり言えると考えます。 次に
保安隊
の
性格
について言い得られる第二の事柄は、これは
保安庁長官
のお
言葉
を借り用いるのでありますけれ
ども
、
保安隊
は
戦力
にならぬ
武力
を持つ
自衛力
だ、こういうふうに御
解釈
にな
つて
おるようであります。私は、頭隠してしり隠さずという
言葉
が、ちようどこの
政府側
の御
説明
の中に現われておると思うのであります。
自衛目的
は
警察目的
とは異なると私は思います。
警察目的
は、その
目的
が
国内
すなわちいわば内に向けられておるのでありますけれ
ども
、
自衛目的
ということにな
つて
参りますと、それは
国外勢力
へ向けられるものである、すなわち外に向けられるものであると私は考えます。
保安庁法
において、
形式
上どのように定められておりましようとも、
保安隊
の
任務
が
自衛目的
にありということにな
つて
参りますと、この
組織
、
使用
する
武器
及び
訓練
が、この
目的
に即するように行われるようにな
つて
来るのは当然でありまして、そして事実上の問題といたしましても、われわれ
日本
人全体が、実際においてはそのように行われておるというふうに見ております。
保安庁
は
国家地方警察
などと同じように、
警察組織
であるというように
政府
は
説明
して
おいで
になりますけれ
ども
、それにかかわらず、
保安庁
は別個の独自の
編成
を持ち、
装備
も
訓練
も普通の
警察
とは非常に異な
つて
おります。そしてこのことは、
保安庁
の
任務
が
保安庁法
の第四條にありますごとく、特別の必要があるとき
行動
する
部隊
を管理し、運営することにあるということに現われております。特別の必要あるとき
行動
するというのはどういうことであるかといいますと、
日米安全保障條
約第一條で「一又は二以上の外部の国による教唆又は干渉によ
つて
引き起された
日本国
における大規模の内乱及び騒じようを鎮圧するため
日本国政府
の明示の要請に応じて」
駐留軍
が出動する場合に、
わが国
も
共同措置
をとるという、そういうことが予想されておりまして、こういう場合に
保安隊
を
行動
させようというのが、私は
一つ
のねらいにな
つて
おると考えます。また特別の必要あるときということの中には、
行政協定
第二十四條の、
日本区域
において
敵対行動
が発生した場合に、
日米両国政府
が必要な
共同措置
をとるという場合、こういう場合に
保安隊
が出動するということも当然に予想せられておると私は思うのであります。結局、この
保安隊
は
米国軍隊
と
共同動作
をとるということが予定せられておる
制度
であります。この場合の
共同行動
というのは、すなわち
軍隊的行動
であるといわなければなりません。
軍隊
と
同一行動
をとることが予定されておるので、
保安隊
は
武器
、
装備
、
編成方法
及び
訓練
において、普通
警察
的であるよりもむしろ
軍隊
的である、こういうようにな
つて
おると私は思うのであります。このように
軍隊
と同じような
実質
を持
つた
ものとして実現されておるこの
制度
は、
制度
上の
形式
では、あくまで
治安目的
とうた
つて
おりますけれ
ども
、知らず知らずの間に、
保安庁長官
の御言明の中で、それが
自衛力
だという
言葉
が出て来ることからもわかるように、このことが実は
ほんとう
のねらいであろうと考えるのでありまして、
長官
は
国士的性格
を持
つて
おいで
になるので、いわゆる官僚的な
ごまかし
はできない人だと思う。そこで、どうしても
ほんとう
のことが言いたいので、閣議においても、ごまかさないで早く再
軍備
をやれというような御
提案
をなされたということを承
つて
おります。私はさもありなんと考えます。
保安隊
は
自衛目的
を持
つて
おるのでありまして、しかもそれが
一定
の
命令系統
のもとにおいてその
部隊員
が
行動
する
組織的集団
でありますし、それが
武器
及び
兵器
を持
つて
おりますし、その
訓練
は
軍事
的である。これだけの
條件
がそろえば、法制上
軍隊
という
名称
を用いようと用いまいと、
実質
的には
軍隊
であるといわなければならぬ。百歩譲りまして、
軍隊
というまでに至らぬといたしましても、少くとも、いつでも
軍事組織
に転化できる
可能性
を持
つて
おるような
制度
として、現在この
保安庁制度
が存在しておるのだ、こういうことが言えると私は思う。私
ども
はこのような存在を
戦力
というのであります。そしてこの
解釈
は、
憲法
上の
解釈
として間違いないと思います。そこで私は
保安隊
というものはやはり
戦力
であるというように
解釈
しないわけに行かない。そしてその
保安隊
という
制度
の中に、新たに
使用
する
兵器
として加えられようとするのが
フリゲート
でありまして、こういう
組織
の中において用いられる
兵器
であると見る
見方
から、この
フリゲート
は明らかに
戦力
であるという
見方
ができると思うのであります。先般私は非常に奇怪なお
言葉
を承
つたの
でありますが、本来は
戦争用
の
武器
、すなわち
兵器
であ
つて
も、これを
使用
する
主体
が、
治安目的
の
制度
であれば、その
武器
は
戦力
という
性質
を失うことになるのだ、こういう
説明
を
保安長官
は先日私に対してなさ
つたの
であります。これは非常に乱暴な、かつ
間違つた議論
だと私は考えます。何らの
一定
の
限度
もそこには置かれておりません。だから、こういう
考え方
からすれば、巡洋艦でも、
戦闘艦
でも、
保安隊
が
使用
すれば
戦力
ではなくなるという
主張
が成立することになるのでありまして、こういう
限界
のない乱暴な
主張
というものは許さるべきものではない。私はその
反対
に、むしろ本来
戦争用
の
兵器
を用いることによりまして、これを用いる
部隊
の
性格
が
戦力
的にな
つて
来る、こういうふうに考えるべきであると思いますので、これは
政府
の
考え方
とまさに逆な
考え方
であります。今私が申しましたような
実質
を兼ね備えている
部隊
が、ここで新たに、本来
軍艦
であるものを持
つて
来て、さらにその
使用
する
武器
の上にこれをつけ加えるということにな
つて
参りますれば、ますます
使用
する
武器
の面から申しまして、これを
使用
する
部隊
が
戦力
的になるのだ、こういうふうに私
ども
は考えます。以上のような
理由
で
フリゲート
は
保安庁
という
戦力
の
要素
であり、そしてこの
戦力要素
を
戦力
たるわが
保安隊
に新たに加えるということは、
憲法
上の
立場
からも、また私
ども
の本来の
平和論
の
立場
からも、これに
反対
せざるを得ないのであります。 それから、簡単に申し上げますが、第二の
理由
は、かりに
保安隊
が
戦力
であるかどうかということを別といたしましても、私は先般も論じましたように、
フリゲート
という、
構造
上、
造材
上及び
装備
上
武装船舶
であるところのものを
保安庁
が用いるということは、
保安庁法
第六十
八條
に
違反
することになる。同時にそれは
憲法
の
違反
にもなる、こう考えるのであります。
保安隊
及び
警備隊
は、その
任務
の
遂行
に必要な
武器
を
保有
することができるというように、第六十
八條
において定められておりますが、そのことは、反面から申しますれば、その
任務
の
遂行
に必要であるという
範囲
を越えた
兵器
の
保有
は禁じられている、こう
解釈
しなければならぬと私は思います。そう
解釈
しなければ、
任務
の
遂行
に必要なという
限度
を
法律
の上で特に設けました
意味
がないと思うのでありまして、本来
戦争用
の
目的
を持
つて
おるような
武器
を用いるということは、
保安庁法
第六十
八條
の
規定
から申しましても、これはその逸脱となるのでありまして、このような
兵器
を用いるということは、
保安庁法
第六十
八條
から申しましても許されない。それは同時に
憲法
から申しましても、許されないことになると思うのであります。 いろいろと他の
理由
が他の諸君からお話がございましたので、私はとりあえずこの二つの
理由
をつけ加えまして、
反対
の意を表したいと思います。
栗山長次郎
11
○
栗山委員長
これにて
討論
は終局いたしました。 採決をいたします。
日本国
と
アメリカ合衆国
との間の
船舶貸借協定
の
締結
について
承認
を求めるの件を、
承認
すべきものと議決するに
賛成
の諸君の起立を求めます。 〔
賛成
者起立〕
栗山長次郎
12
○
栗山委員長
起立多数。よ
つて
本件
は
承認
するに決しました。 なお
本件
に関する報告書につきましては、
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
栗山長次郎
13
○
栗山委員長
御異議がなければ、さように決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時四十七分散会