○田原
委員 お話を承
つておきまして、将来移民が大量に
実現する場合にまごつかないように今から警告して、この問題を打切ります。
第二点は、本省及び地方各局に付属機関として各種の審議会がありますが、この審議会の権能いかんという問題、それから審議会が国会の運輸
委員を拘束することなきやという問題について
質問したいと思います。ただいま配付された
運輸省機構の中だけを見ましても、第一は中央船員職業安定審議会、第二は
造船技術審議会、第三は
海運造船合理化審議会、第四が船員教育審議会、第五が水先審議会、第六が
航空審議会、第七が
鉄道建設審議会、このほかにたしか運輸審議会というのと、運賃審議会というのがあることを
承知しております。これらの審議会の権能と申しますか、審議会の
委員の選定
方法についても明瞭ならざるものがあります。一例をあげますと、
鉄道建設審議会であります。
鉄道建設審議会の分だけは、ここに資料が来ておりますが、衆参両院の各派から大体十人出ておるようであります。これらの人々が別に無能というわけではないのでありますが、一応どの
委員会にも顔出ししそうな顔ぶれでありまして、特に専門家とは患われない。それから
鉄道関係各省の次官とか、富士製鉄の社長、大阪商工
会議所の会頭、農林中金の
理事長、
日本開発銀行の総裁、関西電力の社長、こういうのが並んでおりますけれ
ども、一体
鉄道を建設する場合、こういういわば汽車に乗る場合も一等に乗るような連中が、どれだけ
鉄道建設の必要さを痛感する立場にあるかということは、大いに疑問である。年に二回か三回結集するようでありますが、結局どこかで原案をつく
つてそれを幾らか
質問応答して、原案のまま流れ込んで行くのが実情であります。しかも同じく配付された資料の中の前の
鉄道建設審議会の議事録を見ますと、新線を十七
線建設すべきものであるということを答申しておる。本日新聞に出たのを見ますと、十三線という答申をしておるのであります。そうしてこれを結局
運輸省はたてにと
つて、もしくはこれを背景といたしまして、われわれ運輸
委員のところに持
つて来ると思うのでありますが、そうなると国民から信頼されて当選をし、そうして運輸
委員にな
つておる者の審議権の制限になると私は思う。いわんや各政党から
——むろん私の党からも出ておるのでありますが、これは人をいつでもやめさせていいのでありますが、こういう組織をつくることは、原案をつくる場合の一種の責任のがれであるとも
考えられますし、ある
意味において審議会でこうつく
つたのだから、その範囲できめてくれということになりますと、これは運輸
委員の審議権の制限になると思います。いわんやいろいろ陳情も来ます。私は原則といたしまして、特に僻遠の地の
鉄道はいかなる財源をも
つても、建設公債その他によりましても急速に建設すべきものであるという立場からこれは言うのでありまして、権能不明なる審議会のごときが制限をして持
つて来るということは、審議権の制限になりますので、一例として
鉄道建設審議会だけを時間の都合で申し上げますが、水先審議会などというのは、一体これから水先をきめるのかどうか。水先というものは大体ところによ
つてきま
つておりまして、これをわざわざことごとしくつくる必要が
はつきりしない。また運輸審議会にいたしましてもそうであります。もし民主主義を徹底するという立場から行きますと、衆参両院に運輸
委員がありますから、運輸
委員のわれわれが無能であるというなら、これは各党でとりかえることもできるのであります。われわれは一般国民の輿論を代表して、一般的な立場から法令と
予算の審議に当る。それからごく専門の知識、技術につきましてわれわれに及ばないときは、この運輸
委員会において公聴会を開くこともできるのであります。たとえば
航空あるいは
造船技術等につきまして、定めし最新の知識を必要とする場合は、それはそれで
方法があるのであります。従
つて行政当局としての
運輸省にも
研究所もあるし、試験所もあるし、専門家もおるのであります。また一般国民の代表としては議会があるのでありますから、この中間に権能明瞭ならざるもの、従来のしきたりであると思いますけれ
ども、審議会をつくるということは、責任の点において私
どもは
はつきり納得できない。そこでいずれ新線の問題は、
予算の一塁つけ等をも
つてこの
委員会に出ることと思いますけれ
ども、その場合に
鉄道建設審議会が「か
つてみずから十七線を是なりと答申をし、昨日はまたこれを十三線とした根拠等もわかりませんが、それ以上にわれわれは主張できないのかどうか。おそらく運輸当局にも、また各
委員の手元にも陳情が来ておると思いますが、
全国各地で非常な要望があります。今までこういう地方民が陳情するにもかかわらず
実現しなか
つたということは、ある
意味においてこれは
運輸省の怠慢である、もしくは
予算獲得の上において無能であ
つたと思う。この四つの小さな島にかれこれ八千五百万からの人間がおるのでありますから、
鉄道は、電化にいたしましても、複線化にいたしましても、ところによ
つては複々線化にいたしましても、あるいは新線の建設あるいは改良等をわれわれが言う以上に、積極的に
考えてもらわなければならぬのでありまして、その場合、
鉄道建設審議会だけを便宜上申し上げましたが、ほかの審議会も同様であります。それで結論的にはそれらの審議会は一切廃止いたしまして、そうして国会において審議すべきものと、行政官庁において責任を持
つて立案すべきものと、わけて行く方が明瞭ではないかという
考えを持
つておるのでありますが、これに対して
運輸大臣はどういう見解を持
つておるか、それを
お尋ねしておきたいと思います。