○石原(登)
委員 ただいまの御答弁、ちよつと私の申し上げた
質問と食い違
つておるのですが、そういうような心構えは、もちろんさようでなければならぬと思います。もちろん私
どもは、一般的に
予算が少いということについて、当局の皆さん方が非常に苦慮されておることについては、心から御同情を申し上げ、この面の打開については、今後も一層御協力申し上げて行かなければならぬ、かように
考えております。ただ要は、その限られた範囲の
予算、與えられた
予算におきまして、これをどういうふうにかみ合せるか、それはいわゆる
事業の採算を追求して行く、あるいはその中に公共性を十分織り込んでもらう。これをもつと具体的に申し上げますならば、同じ通信という面から行きましても、郵便による通信業務も、電気通信による通信業務も、その
性格は毛頭違わないはずだ、私はかように
考えておる。ところが一方郵便の方の通信は、御
承知の
通りに東京でありましても僻遠の地でありましても、それこそ山の中の一軒家でも、五円ではがきが参りますし、十円で封書は参
つております。この中で一応郵便の独立採算の
建前がとられておる。ところがひとり電気通信の方になりますと、どうしてもその
施設が都会
中心主義にな
つておる。これはあるいは需要も多いでありましよう。しかしながらこういうような
関係は、その需要の多い面にどんどんや
つて参りますと、都会と
地方との電気通信
事業によ
つて受けるところの公共的
利益というものは、たいへんな差ができて参ります。これは経済的にももちろんそうでありますが、文化的にもあるいは治安その他の取締りの面においても、たいへんな差ができて行く。私はもちろん郵便と同じようにや
つてもらいたいと申すわけではありませんが、少くともこれと同じような
精神で
地方にも普及させてもらわないと困る。ただいま申し上げました
通り有線電気通信法案には、遠いところの
電話はもうからないから、そつちは
施設しない、お前の方で
施設してそれを運用してやるのだということをはつきり言
つている。こういうようなべらぼうな
考え方は、少くとも公共性を持
つために
相当の国家的
権限を與えられているところの
公社として、とらるべき道ではないと私は
考えるわけであります。とにかく経済的にも文化の恩恵にも浴していないそういう僻遠のところにこそ、皆さん方の方で十分に
施設をして行かなければならぬ。そうして都市あたりにおきましては、
電話の経済効果と申しますか、その面から負担し得る能力は
相当あるわけであります。こういう点を十分加味されて
運営されるならば、この経営、いわゆる企業性と公共性というものはもつと接近してスムースに行けるのではないか、実は私はこのことをお尋ね申し上げておるわけであります。
きようはこの程度で終りますが、私は特に今回
地方をまわ
つて参りまして、
地方の
施設をずつと見て来たのですが、その結果特に痛感いたしましたことは、私がかねがね
考えておりました
通り、一段とこれではいけないというように
考えて参りました。具体的な事例につきましては、あらためて次の
委員会でいろいろ申し上げまして、御相談申し上げたいと思いますが、どうか
梶井総裁、あなたの心構えいかんによ
つて、
地方が非常に発展して参ります。都市ばかりを発展させましてもびつこの
日本ができるのであ
つて、
ほんとうの
地方のすみずみにまで
日本の文化が浸透し、経済が擴充することが、国家の根本的な発展の基礎だと
考えておりますから、次会におきましては、私がきよう申し上げました事柄について、何か
総裁のお心構えをさらに具体的に聞けますように、どうかひ
とつよろしくお願いいたしたいと思います。これをも
つて本日の私の
質問を終ります。