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1952-07-29 第13回国会 両院 労働関係調整法等の一部を改正する法律案外一件両院協議会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十七年七月二十九日(火曜日) 午後二時二十四分開会
—————————————
昭和
二十七年七月二十八日
衆議院議長
において協
議委員
を左の通り指名した。
鈴木
正文
君
西村
久之
君
島田
末信
君
船越
弘君
天野
公義
君
金原
舜二君
小金
義照
君
柳澤
義男
君
福永
健司
君
倉石
忠雄
君 同日
互選
の結果、正副
議長
を左の通り選定した。 議 長
倉石
忠雄
君 副 議 長
西村
久之
君
昭和
二十七年七月二十九日
参議院議長
において協
議委員
を左の通り指名した。
白波瀬米吉
君
一松
政二
君
山田
佐一
君
小林
政夫
君
波多野林一
君
山川
良一
君
菊川
孝夫
君
中村
正雄
君
境野
清雄
君
堀木
鎌三君 同日
互選
の結果、正副
議長
を左の通り選定した。 議 長
一松
政二
君 副 議 長
波多野林一
君
—————————————
出席委員
衆議院側
議 長
倉石
忠雄
君 副 議 長
西村
久之
君
鈴木
正文
君
島田
末信
君
船越
弘君
天野
公義
君
金原
舜二君
小金
義照
君
柳澤
義男
君
福永
健司
君
参議院側
議 長
一松
政二
君 副 議 長
波多野林一
君
白波瀬米吉
君
山田
佐一
君
小林
政夫
君
山川
良一
君
菊川
孝夫
君
中村
正雄
君
境野
清雄
君
堀木
鎌三君
委員外出席者
衆議院事務局側
参事
(
委員部長
)
鈴木
隆夫君
衆議院法制局側
法制局長
入江 俊郎君 参 事 (第二
部長
) 鮫島 真男君
参議院事務局側
参事
(
委員部長
) 宮坂
完孝
君
参議院法制局側
法制局長
奧野 健一君
—————————————
本日の
会議
に付した事件 ○
労働関係調整法等
の一部を
改正
する
法律案
○
地方公営企業労働関係法案
—————————————
会 議 〔抽籤により
倉石忠雄
君
議長席
に着く〕
倉石忠雄
1
○
議長
(
倉石忠雄
君) くじによりまして、私が初回の
議長
を勤めることになりました。どうかよろしくお願いいたします。 なお、
参議院
の
協議委員議長
には一
松政二
君、副
議長
には
波多野林一
君、
衆議院
の
協議委員議長
には不肖私、副
議長
には
西村久之
君が当選いたしました。右御報告申上げます。 これより
労働関係調整法等
の一部を
改正
する
法律案
及び
地方公営企業労働関係法案
について、
両院協議会
を開きます。
両院協議会
は、
国会法
第九十七条によりまして、傍聴を許さないことにな
つて
おりますから、
協議委員
及び
協議会
の
事務
を処理する各院の
職員
以外のかたがおられましたならば、御退席を願います。先ず両案に関する各院の
議決
の
趣旨
を御
説明願つて
から、
協議
に入りたいと思います。初めに
衆議院側
から、
議決
の
趣旨
並びに
協議会
を求めた
理由
について御
説明
をお願いいたします。
島田末信
2
○
島田末信
君 先ず
衆議院
として、
両院協議会
を求めました
趣旨
につきまして簡単に申述べたいと存じます。即ち今般の
労働関係調整法案
につきまして、
参議院側
におかれては
慎重審議
せられ、その結果相当の
修正
をなされたのでありますが、勿論我々といたしましては、この
修正案
につきまして、できるだけ尊重するという
態度
を以ちまして検討いたした次第であります。その結果、我々といたしましては、独立後の
事態
に対処し、
労使関係
を合理的に平和的に処理し、
経済自立
の達成と
公共
の福祉を保持する上において、若干の重要な点についてお願いすべきであるとの
結論
に達した次第であります。
参議院側
におかれても、
慎重審議
の結果御
修正
になられたことではありますが、この際もう一度、我が国における今後の
事態
を御賢察せられ、又実際上の法の
運用
の面に御留意せられ、
衆議側
の我々の意のあるところをお聞き取り願い、この
協議会
において更に適切な
成案
を得たいと存ずる次第であります。これが本
協議会
を求めた
趣旨
であります。
倉石忠雄
3
○
議長
(
倉石忠雄
君) 次に、
参議院側
から御
説明
を願います。
中村正雄
4
○
中村正雄
君
労働関係調整法等
の一部を
改正
する
法律案
並びに
地方公営企業労働関係法案
に関しまして、
参議院
は、
衆議院送付案
に対しまして
修正
議決
いたしたわけでありますが、
修正
の要点及び
趣旨
につきまして
大要
を御
説明
申上げ、でき得れば
衆議院
の各位の御同調を得たいと考えております。 先ず
労働関係調整法等
の一部を
改正
する
法律案
に関しまして申上げますが、この
法律案
は、その
内容
は、
労働関係調整法
、
公共企業体労働関係法
、
労働組合法
の三
法案
に関しまして、それぞれ
改正
を加えようとするものでありまして、そのうち特に重要なものは
労働関係調整法
と
公共企業体労働関係法
に灯する一部
改正
であります。従いまして
参議院
で
議決
いたしました
修正案
で、重要な点もこの二つの
法律
に関するもりであります。この二
法律
の
改正案
に対する
修正点
を順次御
説明
申上げます。
労働関係調整法
に対する一部
改正法案
に関する
修正
の重要な点は、大体五点であります。即ち
特別調整委員制度
の
必置制
をと
つて
おる
政府案
を
任意制
に改めたこと、
申請却下制度
を採用した
政府案
は、これを削除することにいたしま
した点
、
緊急調整制度
の
発動要件等
を
政府案
より厳格にし、不当に
労働運動
の弾圧にならんよう公正を期して、この点から
修正
いたしましたこと、
公益事業
の
争議
に関する
冷却期間制度
を
予告期間制度
に改めたこと及び
政府案
の
個人罰
を
団体罰
の方針をと
つて
おる
現行法
のように
修正
した点
等がこれであります。 次にそれぞれの
修正
の
趣旨
について申上げますと、第一の
特別調整委員
の
任意制
は、
必置制
をとりますと、各
地方
の
実情
に沿わない不便を生じますので、
特別調整委員
を置くか置かないかは、
労働大臣
又は
都道府県知事
の
任意
といたしまして、
制度
の
運用
に
弾力性
を持たせんといた
した点
であります。第二の
申請却下
の削除の問題は、かような
制度
を設けることなく、
現行法
の
建前
で、
労働委員会
の
調整機能
を十分活用せんといたしたことにあります。
公益事業
の
争議
に関する
現行法
の三十日の
冷却期間
は、
争議権獲得
の手段として
調停申請
をするため、本来の使命を果していないという
見地
から、収府は今回のごとき
改正案
を出して参りたのでありますが、申すまでもなく、
調停
の
申請
を却下いたすことによりて
争議
は解決されるものではなく、又
労働委員会
は、その有する
調整機能
を発揮することはできないわけであります。又あとで申上げますように、本
修正案
におきましては、
緊急調整制度
と
争議
の
予告制
を採用いたしましたため、この点から本
制度
の必要がなくなりました。よ
つて
不当に
争議権
の
制限
になりますような
政府案
を削除いたしたわけであります。 第三は、
緊急調整制度
の問題でありますが、
修正案
の基本的な
考え方
は、
政府
が今回の
改正案
を提案するに当
つて
、専ら諮問したして参りました
労働関係法令審議委員会
の
公益代表委員
の
答申案
を全面的に採用し、これに基いて
原案
を
修正
したしておることであります。
緊急調整
は
労働法改正
の最も重要なポイントであり、従しまして
労働委員会
のおきましても、いろいろ問題は出たわけでありますが、結局前に述べました
公益委員
の
意見
は、今日の日本の置かれた諸情勢を考慮し、問題を公正な立場から
取上
けたものとして、一応妥当なものであると考えて、これを採用するに至つたわけであります。
政府案
と
修正案
との主なる
相違点
は、
緊急調整
の
決定権
は
内閣総理大臣
にありといた
した点
、及びその
決定
に当
つて
は、
公益側委員
五人以上の
賛成
を含む
中央労働委員会
の
同意
を必要とするといたしま
した点
でありまして、軽々にこれを
発動
することを抑止すると共に、
国民経済
の円滑な運行と、
国民
の
日常生活
の安全を確保するため、必要な
措置
を講じ得るよう途を開こうという
趣旨
に出でたものであります。なお
緊急調整
は、その
性質
上当然緊急を要するものでありますから、
政府
より右の
同意
を求められたときは、
中央労働委員会
は遅滞なくこれを決しなければならないという一項を新設いたしました。繰返して申上げますが、この
条項
は、
各派委員
の間でも終始問題と
なつ
た難関でありましたが、慎重に
審議
いたしました結果、最も公正な
見地
から、
修正案
のように
全会一致
の
結論
を得たわけであります。 第四点は、
公益事業
の
争議
に関する
冷却期間
を廃止いたしまして、別に十日間の
予告期間制度
を採用したしま
した点
でありますが、
只今特定
の
争議
について
緊急調整制度
を
取上
けたことを申上げましたが、その
規定
と、
現行労働関係調整法
第三十七条旅行の現況と併せて検討したしました結果、最も実際的な
見地
から、たしまして、
予告制
に切換えることとし、
抜打ちスト
による弊害を予防すると共に、
労働者
の地位の
向上
を図るため、その
労働基本権
を尊重いたそうと
した点
であります。 第五点は、
改正案
中の
罰則規定
が、
労働組合
の
団体行動
を中心に、その
責任者
を対象としておる
現行規定
を
個人罰
に改めておるという点を
修正
した問題でありますが、
労働組合
の
団体行動
が
労働法
上の
制限範囲
を逸脱するようなことがあてた場合には、その
団体
の
責任者
が
刑事責任
を負うのが本来の
建前
でありまして、
政府原案
に見るような
改正
は、全く了解に苦しむところであつたわけであります。
従つて
かような
理由
に基きまして
政府案
を削除いたしたわけであります。 次に
公共企業体労働関係法
に関する
改正案
に対する
修正点
につきまして主なる点を申上げます。 第一点は、
公労法
十六条に第三項を新たに設けまして、
予算
上、
資金
上不可能な
支出
を
内容
とする
協定
の締結がなされました場合、これが
実現
に当
つて
の
政府
の
態度
に関し、
当該協定
の
実現
が
国会
によ
つて
承認
せられるように、でき得る限りの
措置
を講ずるように努めなければならない旨を明らかにいた
した点
であります。
公労法
の公正な
運用
については、従来からも長いこと
論議
されて参つたのでありますが、この
修正条項
がよりよき
慣行
の
確立
に役立つものであるということを我々は望んでおるわけであります。 第二点は、今回の
政府案
により、新たに
公労法
の
適用
を受ける郵便、営林、印刷、造幣、
アルコール専売等
の
事業
に従事する
現業
の
国家公務員
に対する
国家公務員法
の
適用除外
の問題でありますが、
政府案
ではその
範囲
が極めて狭く、
却つて無用
の紛糾を生ずると考えられましたので、これを
修正
し、今後
公労法
の実際の
運営
による
慣行
の
確立
に任せ得るよう改めたのであります。
公労法
の
適用
を受ける
現業国家公務員
が
国家公務員法
における種々重複した
規定
の
適用
を受けることを離れて、即ち
現業公務員
が
団体交渉
又は
労働協約
により、みずからその
外位
の
向上
を図るため、
改正法
の
趣旨
が十分生かされるよう考慮してこの
修正案
は作られたものであることを特に附け加えておきたいと思います。 次に
神方公営企業労働関係法案
に関しまする
修正個所
につきまして御
説明
申上げます。
修正
の第一点は、第一条の
目的規定
を本
法案
の
趣旨
に沿うよう明確にいた
した点
であります。
地方公営企業労働関係法案
は、
神方公営企業
とその
職員
の
労働関係
に関する
法律
でありますが、
原案
ではやや明確を欠きますので、その
目的
をより明確に表現しようとしたものであります。
修正
の第二点は、
原案
においては、
地方公営企業労働関係法
は、交通、電気、ガス、水道の
事業
で、
地方公共団体
の経営する
企業
の
職員
だけに
適用
するごとにな
つて
おるわけであります。この
法案
と表裏の
関係
にある
地方公営企業法案
では、一定の
要件
の下に、
条例
で
事業
の
範囲
を拡げることができるようにな
つて
おりますので、この場合は、その
事業
の
職員
にも
地方公労法
を
適用
するのが当然であると考えましたので、この
趣旨
に沿うて
修正
いたしております。
修正
の第三点は、
条例
に抵触する
内容
を有する
協定
が締結された場合における
地方公共団体
の長がとるべき
措置
が
原案
では不明確でありますので、その点を明確にいたし、これに必要な
修正
を加えたのであります。
修正
の第四点は、
予算
上、
資金
上不可能な
支出
を
内容
とする
協定
が締結される場合の
措置
に関するものでありますが、これは先に
公労法
の
改正案
に対する
修正案
の御
説明
に申上げたと同様の
関係
でありますので、それと同様必要な
修正
をいたしたわけであります。
修正
の第五点は、
争議行為
の
禁止
に関しまする
政府原案
から、
共謀
、
教唆
、
扇動
の
行為
を削り、
職員
の正当な
組合活動
が禁圧されることのないよう
修正
いた
した点
であります。
修正
の第六点は、単純な
労務
に雇用される
地方公務員
に対し、暫定的な
措置
ではありますが、この
地方公営企業労働関係法
を準用いたして行こうと考えた点であります。これら単純な
労務者
に対する
法的措置
を早急になさなければならないことにつきましては、
労働大臣
も
委員会
においてしばしば発言いたしておるところでありますけれども、
委員会
においても、この問題は、
地方公務員法
の
規定
、
単純労務
の
性質等
から考えまして、
地方公労法
を作るこの際、取りあえず右の形において
取上
げることが妥当であるとの
結論
に達したわけであります。 大体以上が
労働関係調整法等
の一部
改正
に対しまする
参議院
の
修正
、並びに
地方公営企業労
一
関係法案
の
参議院
における
修正
の
大要
であります。
倉石忠雄
5
○
議長
(
倉石忠雄
君) これにて各院の
議決
の
趣旨
の御
説明
は終りました。そこで双方の
説明
に対する
質疑
もあろうと思いますが、会期も切迫いたしておりますので、
協議
の際に併せてお願いするごとにいたしまして、これより
協議
に入りたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
倉石忠雄
6
○
議長
(
倉石忠雄
君) 御
異議
がなければ
協議
に入ります。
島田末信
7
○
島田末信
君 この際私は、
衆議院
の
考え方
をいま少しく具体的に申述べてみたいと思うのであります。
労働法改正
三
法案
につきましては、
参議院
におかれまして
慎重審議
になりましてその結果、
衆議院
の
回付案
について相当大幅の
修正
がなされたのでありますが、
衆議院
といたしましても、
参議院
の熱心なる御
審議
には、衷心より敬意を払うと同時に、
参議院
の
審議
の結果については、もとよりでき得る限り重重すべきであると考えるのでありますが、
慎重検討
の結果、
労働整
準法の一部
改正法案
についての
修正
は、
衆議院
は目下これに
同意
を表すべき方向に
意見
をまとめる努力を続けておるのであります。併しながら
労調法等
の一部
改正法案
及び
地方公労法案
の
修正
の中の若干の点については、
同意
できない点があり、
政府
としても、労働問題の処理上どうしても動きのつかないような点のあることも明らかと
なつ
たのであります。我々といたしましては、多少の不満はあ
つて
も、
参議院
の
修正
は、できるだけ尊重いたしたいと考えているのでありますが、
参議院
よりの
回付案
について、右のような
見地
から、
労調法等
一部
改正法案
及び
地方公労法案
については、誠に遺憾ではありますが、そのままではどうも応じ難いということに相成つたわけであります。 右のような
見地
から、直ちに
同意
いたし難い点を具体的にここに申上げますならば、第一には
緊急調整
の点であります。
緊急調整
については、
労調法
第三十五条の二の
規定
を
参議院
で大幅に書き改められたのでありますが、そのうち特に
緊急調整
の
決定
について、
中労委
の
事前
の
同意
を要するとされま
した点
に関しては、これは実際問題として、
中労委
の
使用者
或いは
労働者
いずれかの側の
委員
が一人も
会議
に出ることを拒否しましたならば、他の全部の
委員
が
同意
しようとしていても、
会議
が開けず、
従つて中労委
として
同意
を表明する方法がないということになるのでありまして、これでは
緊急調整
という
制度
が置かれていながら、実際にいざ必要という場合にな
つて
みると、全くこの
制度
が動き得ないこととなる虞れが
多分
にあるのであります。
緊急調整
という
制度
を認めながら、それが実際上動き得ないというようなことでは、我々立法府として、そのような
法律
を作るわけには参らないのでありまして、その意味で、
事前
の
中労委
の
同意
という点は、我々としてどうしても
同意
いたしかねるのであります。この点は、
中労委
の
意見
を聞くという程度に改め、
決定
の
責任
は、やはり
民主政治
の
基本原則
に
則つて
、
政府
の
責任
でなすべきものとするのが至当であると考えるのであります。
緊急調整
に関する
修正
の爾余の点、例えば
決定権者
を
内閣総理大臣
にするとか、
要件
を更に厳格に表現するとかいう点につきましては、我々も別段
異議
はございません。 第二に、
公共企業体
における
協定
と
予算
との
関係
であります。
公共企業体労働関係法
第十六条に定めている、
予算
上履行不可能な
協定
が締結された場合の
措置
につきましては、
参議院
の
修正
のごとく
政府
が
国会
の
承認
を得るため、できるだけの
措置
を講ずるように努力する義務を課しますことは、
政府
を拘束せずという
建前
に反するのみならず、やはり国の
最高機関
たる
国会
の
意思
に対して、
協定
が不当に
制限
圧迫することになる虞れが
多分
にあるのでありまして、この点は、従来
慣行
上
確立
しているところに委ね、法文上は
現行通り
とすることが至当であると考えるのであります。 第三には、
国営企業職員
に関する
国家公務員法等
の
適用除外
の点であります。
公労法
の
適用
を受ける
国営企業
の
職員
たる
国家公務員
については、
団体交渉権
を認めた
趣旨
から、
国家公務員法
その他の
法律
の若干の
規定
については、その
適用
を排除する必要があるのでありますが、この点について、
参議院
の
修正
のごとく、
団体交渉
又は
労働協約
を
制限
するような
規定
は一切これを排除するというような包括的な
規定
にいたしますと、
考えよう
によ
つて
は、
公務員関係法規
の一切が
適用
されなくなるのでありまして、例えば
欠格条項
とか
服務規律
とかいうような、
公務員
たる
身分
に不可欠な
規定
も、又
身分保障
とか
災害補償
或いは
恩給法
のごとき
保護規定
まで一切
適用
がなくなることになるのでありましてこれでは
公務員
としての最小限の
規律
、秩序も保てなくなるし、又
公務員
の利益、権利をも不当に侵害することになるのでありまして、この点については、
国営企業
の
職員
といえども、
公務員
たることに違いはないのでありますから、
公務員法規
のどの
規定
が
適用
されざるかは明確にして置かなければならない。この
趣旨
から、
適用除外
の
規定
は、
原案
のごとく明確に列挙しておくことがどうしても必要であると考えるのであります。 第四に、
地方
の
条例
と
地方公営企業
の
協定
との
関係
であります。
地方公労法
第八条は、
条例
に抵触する
協定
が締結された場合の
措置
を
規定
しているのでありますが、今更ここで申上げるまでもなく、
条例
はそもそも
地方公共団体
における
法律
なのでありますから、
参議院
の
修正
のごとく、
条例
に抵触する
協定
が締結されたときは、直ちに
地方公共団体
の
議会
に
条例
の
改廃案
を付議するとしますことは、
協定
が当然に
条例
に優先した効力を認めることになるのでありまして、住民全体の
代表者
たる
議会
の
意思
を不当に拘束することになるのではないかと考えるのであります。
従つて
この点については、
原案
のごとく、このような
条例違反
の
協定
は、一応
議会
の
承認
を得て
承認
があ
つて
初めて
条例改廃
の
措置
をとることとすることが至当であると考えるのであります。 第五に、
地方公営企業
における
予算
上履行不可能な
協定
についての
措置
であります。この点に関しては、
地方公労法
第十条について、
参議院
において、
公労法
第十六条におけると同様の
修正
がなされたのでありますが、この点については、
公労法
の場合と同じく、
原案通り
とすることが至当であると考えるのであります。 第六に、
地方公営企業
における
争議行為
に関する点であります。
地方公営企業
については、一切の
争議行為
が
禁止
されているのでありますが、
参議院
の
修正
では、
原案
におけるかかる違法の
争議行為
を
共謀
、
教唆
、
扇動
することの
禁止規定
が削除されたのであります。ところが御承知のごとく、
公労法
第十七条では、
公共企業体
について、
争議行為
及びその
共謀
、
教唆
、
扇動
は
禁止
されているのでありまして、
地方公営企業
についてのみ、かかる
教唆
、
扇動
、
共謀
の
行為
を特に許す
理由
はないのであります。而も
争議行為
を現実に
指令
する
組合幹部
は、いわゆる
組合事務専従者
であ
つて
、
公務員
としての業務を行な
つて
いないのであり、
従つて
これらの者は
指令
を下すだけで、実際の
争議行為
には参加しないのであります。
参議院
の
修正
のごとくいたしまするならば、このような本当の
責任者
たる
組合幹部
は何ら処分を受けることなく、
指令
に盲従した
一般組合員
だけが処分されるという極めて不合理な結果を生ずることとなるのであります。
従つて
この点については、
是非
とも
原案通り
の
禁止規定
を置いておく必要があると考えるのであります。 第七に、
地方公務員
中の
単純労務者
の
範囲
についてであります。
参議院
の
修正
においては、それら
単純労務職員
について、
地方公務員法
を準用して、
団体交渉権
を認められたのでありますが、この点については、
政府
もしばしば
単純労務者
に対し、特別の
立法措置
を至急講ずべきことを公約しているのでありましてこの問題をこの際一挙に解決した
参議院
の
修正
の
趣旨
については、我々も大いに
賛成
なのであります。ただ
単純労務者といつて
も、その
範囲
は必ずしも明確でなく、又その
実情
も極めて複雑なものがあるようであります。
従つて単純労務者
の
範囲
については、これを政令で定めることとして、疑問の余地なきものとすることが必要ではないかと信ずるのであります。 以上七点に亙
つて
、
参議院
の
修正
中
同意
し難い重要な点を述べたのでありますが、その他の
修正点
につきましても、例えば
調停申請
の
却下制
をやめるとか、
公益事業
の
冷却期間
をやめて
予告制
にするとか等々、この際
原案
を支持する我々といたしましては、
修正点
につき十分に
協議
の上、
虚心坦懐是非
の
論議
を尽して、適正なる
成案
を得るために最善を尽したいと考える次第であります。
倉石忠雄
8
○
議長
(
倉石忠雄
君) 如何でございますか。何か御
質疑
でもございましたら……。
中村正雄
9
○
中村正雄
君
只今衆議院側
の
協議会
を求められました項目につきましての御
説明
がありましたので、一応
協議
するという前に、御
説明
につきまして、わからない点は
質疑
いたしたいと思います。
島田末信
10
○
島田末信
君 ちよつと
質疑
に入る前に、いろいろ法の
適用
とか
運営関係
もありましようし、又
十分論議
を尽す点から、
労働大臣
を必要があつたらこの際お呼びを頂きたいと思いますが……。
倉石忠雄
11
○
議長
(
倉石忠雄
君) 一応如何でしようか。
参議院側
のお話を承わ
つて
……。
中村正雄
12
○
中村正雄
君 第一の
緊急調整
の問題につきまして、
参議院
で
修正
いたしました
中労委
の
事前
の
同意
ということが、
中央労働委員会
の
成立
のためには、
労使
、
公益第三者側
の
委員
がそれぞれ最低一名出なければ
成立しな
い。
従つて
こういう状態の下において緊急を要するこの
緊急調整
の請求があつた場合に、三者のうちいずれか出ない場合にも、この
緊急調整
の
発動
はできない。
従つて事前
の
同意
は困るというのが
緊急調整
に関しまする第一の
意見
だろうと思うのであります。ところがそういう議論になりますると、これは
中央労働委員会
の
存在自体
を私は否認する結果になるのじやないかと思う。
従つて
お尋ねしたい点は、現在の
労調法
の十八条の第五号に
職権調停
という
制度
があります。
労働大臣
若しくは
都道府県知事
が
争議
につきまして職権で
調停
をする、こういう場合が現在ありますが、その場合今おつしやいましたような場合を想定するとすれば、仮にそのときに労働側の
委員
が出なかつたり、
使用者
側の
委員
が出なかつたりする場合は、十八条の五号の
規定
は空白にな
つて
来る。
従つて
そういう不可能性を想定して、
従つて
参議院
の
修正
には危険がある。危惧の念があるということは、ひいては現在の
中労委
の存在を否認するという結果になると思うのですが、現在の
労調法
の十八条に、現在の
中労委
につきまして、或いは地労委につきましてのいろいろの
調停
機能をきめておりますが、この点につきましてやはり三者構成であります
関係
上、いずれか一方が出席しなければ、十八条の
規定
は全然仕事をやれないということになるわけなんですが、今十八条のこの
規定
につきまして、そういう危惧の念がおありかどうか。根本問題でありますので、お尋ねしたいと思います。
倉石忠雄
13
○
議長
(
倉石忠雄
君)
衆議院側
で、どなたかお答えになりますか。
天野公義
14
○
天野
公義
君 只今
参議院側
さんのお話でございますが、
中央労働委員会
が緊急
事態
を判定するということ、これはそのように円滑に行けば或いはいいとも考えられますけれども、根本的には、この緊急
事態
というものは、
国民
に対して重大なる影響を及ぼすものであるから、根本的な
考え方
としては、
政府
が
責任
をも
つて
やるということがまず大切であるという点が一つ。それから
中央労働委員会
が緊急
事態
を判定するという、判定するに行くまでの過程において、又相当の紛糾を予想するということも考えられる。その場合に相当の紛糾が行われれば、時期を失するということも考えられる。又法制上から言
つて
も、
中央労働委員会
は
国会
によ
つて
選任せられたものでもなし、直接
国民
に対して
責任
を持つという機関でもない。
従つて
そういうようなことを考えた場合に、この重大な
決定
を
中央労働委員会
に委すということは少し不当ではないか。
従つて
国会
及び
国民
に一番
責任
を持つ
政府
がこの
決定
を下すということが正しい行き方である、このように考えます。
中村正雄
15
○
中村正雄
君 私の質問しましたのはそういう点じやなくて、今
島田
君からの御提案によれば、
緊急調整制度
の
発動
について、
中労委
の
事前
の
同意
ということにすれば、
中労委
が
成立しな
い場合は全然
同意
を得られない。
従つて
緊急調整
は事実上
発動
できなくなる。この懸念のために
同意
は困るので、やはり行政機関の
責任者
である
政府
が
発動
するものとして、さしずめ
中労委
の
意見
を聞きたいというお話です。勿論あなたの御
説明
のように、労働
争議
に権力機関が入るかどうか、これは見解が二つに分れると思います。私は、行政の
責任
は
政府
にあるから、労働
争議
のいわゆる
禁止
、或は
調停
も、
政府
がその
責任
においてやるべきであるという説に対しましては、ちよつと承服しがたい。私は、やはり労働
争議
については、権力機関は介入すべきでないという見解を持
つて
いる。これは見解の相違で別ですが、御質問いたしておりますのは、
中労委
の
同意
であれば、三者構成の一が参印しない場合はできない、こういう御懸念で言われているのですが、ところがそういう
考え方
は、そういう場合があり得るといたしましたならば、
中労委
の存在は全然否認されるようなことになりはしないか。かような
緊急調整制度
を、
政府原案
によりましても、
緊急調整
はこれは
労働大臣
がやります。併しながらその
争議
の解決は
中労委
がやる。そのときの
中労委
の中の
労働者
側の
委員
、経営者側の
委員
が全然出席しなかつたら、五十日の
争議
期間の、いわゆる
禁止
期間の間におきまして全然
調停
はできなくなる。そうした
政府原案
から考えても、
島田
君と同じ懸念が出て来る。又十八条の問題でも、すべて職権の
調停
がある場合は同じ結果が出る。
従つて
緊急調整
だけに、三者構成のうちの一つが欠けた場合はできなくて、それが又できるというお
考え方
、この
考え方
が私には承服できない。その点はどういうお考えか、その点を質問しておるわけです。
島田末信
16
○
島田末信
君 これはお説尤もな点もありますが、ただ我々の
考え方
といたしましては、
労調法
第十八条の
職権調停
を想定する場合の
事態
と、それから
緊急調整
で以て
事態
を処理しようとする場合の
事態
と、ここに相当我々が想像する
範囲
内においても、出来事が違うと思う。そこで
緊急調整
といつたようなものは、いわゆる伝家の宝刀として抜かざるをよしとするので、我々もなるべくそういう
事態
の発生せざることを大いに願うと同時に、それから万一発生した場合、これは恐らく非常
事態
とか、それに準ずべき
事態
ということは想定されると思う。そこで
職権調停
でなし得るようなこの対象とすべき
事態
と、この
緊急調整
が想定する
事態
との開き自体が、即ち
同意
ができるかできないかということに対する一つの危惧の念もそこから生れて来る。そこで事実に即した、我々がここに一つの想定からその処理をする場合に、
緊急調整
の場合は、
同意
という文句を、ここに字句を使
つて
おつたのでは、到底その収拾はでき難いのではないかということが想像される。そこででき得れば、
意見
を聞きたいという所へ持
つて
行
つて
、
事態
を速かに収拾するというのが我々の
考え方
です。
中村正雄
17
○
中村正雄
君 十八条の
職権調停
の場合と、今度新たに
政府
が考えておりまする
緊急調整
の場合は
事態
が違うから、そこにやはり若干の予想の
範囲
もくる
つて
来ると、こういう御答弁でありまして、その点は一応そういう場合も考えられるかも知れません。 次は現在の
政府原案
におきまして、先ほど申上げましたように、
政府原案
におきましても、
緊急調整
は
労働大臣
がやりますけれども、五十日の間
争議
を
禁止
して、その間において
中労委
が
調停
をすると、こうな
つて
おるが、五十日の
争議
禁止
期間の間におきまして、
中労委
が
成立しな
い場合も同じように想定すると思いますが、その場合はどういうふうにお考えにな
つて
おるか。
島田末信
18
○
島田末信
君 一応
緊急調整
は
発動
されて、五十日という
冷却期間
が存在いたしましたならば、そういう
事態
に対する
国民
の世論とか、或いは冷静なる判断というものもおのずから伴
つて
参ると思う。若しそれに対して
中労委
が適当なる
措置
を怠つた場合、これに対するいわゆる
国民
的な批判も十分生れて参る余地があると思う。そこで少くともそういう
冷却期間
が存在する以上は、その間におのずから正しい所に向
つて
みずからが活動を開始するというたけの余裕が持てると私は思う。
倉石忠雄
19
○
議長
(
倉石忠雄
君) 如何でしようか。この辺で懇談会に移
つて
十分懇談して頂いたら如何でしようか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中村正雄
20
○
中村正雄
君 一応
質疑
だけをして懇談会に移つたらどうですか。
倉石忠雄
21
○
議長
(
倉石忠雄
君) まだたくさんありますか。
中村正雄
22
○
中村正雄
君 今七点につきまして御質問したいと思います。おつしやいま
した点
で、一応
参議院側
の御承知の通り
全会一致
の
修正
でございますので、この点について又再
修正
がされておるので、それについての一応
参議院側
としての
質疑
だけは行な
つて
おきたいと思います。
倉石忠雄
23
○
議長
(
倉石忠雄
君) それでは議事の進行上、大体両者の
質疑
応答を適当にや
つて
頂いて、あと懇談することにいたしましようか。どうですか……。
中村正雄
24
○
中村正雄
君 只今おつしやいました五十日間の
禁止
期間の間におきまして、いわゆる
中労委
が仕事ができないという場合は、世論その他の問題が起きて来ると、そういうお考えでは、それと同じように
緊急調整
の
発動
を総理大臣が要求したときに、
中労委
が三者のうち一考が欠けて、直ちにそれに対して態勢がとれないというときは、同じように世論が又起るわけであ
つて
、私は同じことだと思う。いわゆる机の上では考えられる状態でありますが、三者のうち一者が欠席することは、そういうことは今まで過去五カ年間の
中労委
の経過を見まして、ないわけなんですね。労働
争議
は権力や何かで解決するものでなく、やつぱり世論の背景がなくちやいかんというときに、経営者が経営者の都合が悪いと言
つて
委員
が欠席したり、
労働組合
に都合が悪いからと言
つて
労働組合
の
委員
が欠席するということはあり得ない。過去五カ年聞そういうことで問題が起きたことはない。そういう場合に、五十日間の
禁止
期間においてそういう問題が起きたら、世論の喚起があるというのであれば、
同意
を求めるときに
中労委
が
成立しな
い場合があるという、いわゆるあり得べからざることを想定して御心配なさるのは、私はどうかと思うわけなんですが。
島田末信
25
○
島田末信
君 これは、今まで従来そういう
事態
から推して、懸念はなかつたじやないかという、その
事態
に対するあなたがたの御認識と、我々が将来
緊急調整
の
発動
をしなければならんという
事態
に対するいわゆる
考え方
と、ここにその
事態
に対する、
事態
のこれは認識の相違があると思うのです。ここでその我々が想定する
緊急調整
のような
調停
を
発動
しなければならんというような
事態
に臨んでは、これはもう迅速且つ適正にこれを処理しなければならんということだろうと思うのです。そこで例えば今の三者構成にな
つて
おる
中労委
の
同意
を得なければ、世論が喚起されるじやないかというような悠長な余裕が先ず考えられないのじやないか。ここに
事態
の処理自体は迅速にやると同時に、一応与えられた五十日間の
冷却期間
に臨んでは、それは
国民
の世論が十分喚起され、冷静なる判断も求められる余裕が生まれて来るのではないかと、我々はかように判断したいと思います。
船越弘
26
○
船越
弘君
中村
委員
長の先ほどの御質問ですが、十八条は、私はこういうふうに解釈するのでございますが、「
労働委員会
は、左の各号の一に該当する場合に、
調停
を行ふ。」と、こうな
つて
おるのでございますから、
調停
を行うか行わないか、
労働委員会
に委しておくということでなくして、この五項目に亙
つて
労働委員会
が
調停
をしなければならないように、この十八条は
規定
いたしておるものだと思うのです。ところがこのたびのあなたがたの
緊急調整
の
修正
は、
同意
をするか否かは
労働委員会
に委されておるのですね、選択権が。ですからあなたがおつしやるような危惧の点は十八条には起らないけれども、この
緊急調整
のあなたがたの
修正案
によると、選択権が
中央労働委員会
に委されておるのです。或いは
使用者
側或いは
労働者
側において出席しないということは起り得ると、それはそういうふうな
修正案
にな
つて
おつたら、当然いやだと思われる人は出席しないであろうと私たちは想像するのです。十八条はそういうことを想定する必要はない。当然
調停
しなければならないように
規定
しておると、私はそういうふうに思う。
中村正雄
27
○
中村正雄
君 只今おつしやいましたことは、私もその通りに解釈いたしております。十八条の場合に、
調停
をしなければいけないときに、
調停
をいやだと言
つて
、三者のうち一着が出ない場合も同じことではないか、こういう質問なんです。
調停
するか否かは各号にきめてあるわけです。
調停
に付せられたときに
調停
がいやだとして三者のうち一者が出なければできなくなるから同じだと、こういうことを言
つて
おるのです。これ以上は恐らく懇談会のときにお話になると思うので、次に参りたいと思います。 次は第二点として示されました
公労法
十六条の問題、十六条の
修正
は、御
説明
申上げましたように、十六条に第三項を追加いたしまして、訓示的な
規定
を設けたわけなんです。あなたがたは、
規定
はあ
つて
もなくても変らない、こう一応考えたらそういう
規定
なんです。併し今まで一応いろいろ問題がありましたので、何らか今までの
慣行
を成文化しようと、
公労法
全体の精神を十六条三項に入れようといつたわけで、この点は困るといつたような狭義の御
説明
でしたら、それはちよつと当らないと思います。というのは、
地方公労法
の第十条を見てもらいますれば、第十六条三項と同じことを第十条に書いてあるわけです。それをこの場合に別に
規定
したわけで、これができたために、
政府
に新たに
法律
上の拘束を要求しまして、言い換えれば三十五条のいわゆる
制限
規定
になるというような意味ではないのでありまして、今まで国鉄にしまして三回、専売にいたしまして二回のこの裁定が出されました
慣行
を条文化したものというのが十六条の三項でありまして、これは上述の
理由
として申されましたような、その懸念は私はないと思うのですが、如何でしようか。
島田末信
28
○
島田末信
君 これは大体十六条に対する解釈は従来はつきりして而もそれが
慣行
上
確立
されておるわけです。仮に仲裁裁定が行われた場合に、一応
国会
で
決定
された
予算
内では、これが実行できないという場合に、いわゆる
予算
上、
資金
上不可能な場合に、
国会
に付議するとしても、これははつきりするのですが、そうな
つて
参ると、
国会
が更にその裁定を尊重するために、それ以上の
予算
を十分考慮して裁定をするかどうかということは、すべて
国会
の
審議
に待たなければならんという
建前
もこれははつきりしておると思います。そこで今おつしやつた条文の附加は、私は必らずしもこれがいけないのだというふうな
考え方
よりも、むしろ
公労法
解釈を紛らわしくしない、或いは国権の
最高機関
であり、
議決
機関である
国会
の権威に何か影響力があるような紛らわしさを避ける、或いは法文の体裁をすつきりさせるとか、そういつた面で、なくもがなというか、却
つて
そういうものは蛇足になりやしないか。それのみならず、或いは行政機関なり
国会
に対して何らか介入するような、或いは抑圧性を持つような、影響力を持つような一つの疑いを持たれるのではないかという少くとも懸念が残ると思うのですが、そこでできれば、まあそういうものでなくて、もうすでに法の解釈もはつきりしておるし、更に
慣行
も
確立
しておる今日だから、これは非常に御丁寧なその気持はよくわかりますが、むしろはつきりとと
つて
おくほうが、もうこれは今からや
つて
行こうという
法律
じやなくて、すでに試験済みの
法律
ですから、そういう点は置かんほうが紛らわしくなくていい。
中村正雄
29
○
中村正雄
君 只今のお話でありましたが、ちよつと私と違
つて
おる点があると思うのですが、いわゆる十六条の
協定
は、御承知のように今まででありますと、専売と国鉄だけでありますから、
政府
は
関係
ありません。
従つて
専売公社の
代表者
と専売に関する
労働組合
の
代表者
との間の
団体交渉
によりまして、
協定
が
成立
するわけなんですね。これは専売公社と専売に関する
労働組合
とを拘束する、
政府
が介入するものではない。これが
予算
上可能であろうと不可能であろうと、これは当然であります。ところが専売なり国鉄に関しましては、何とい
つて
も
予算
というものがあるから、
予算
はやはり
政府
の
責任
において
国会
と交渉すると、こうな
つて
おりますから、
従つて
十六条の
政府
という文字があるのだろうと思います。ところが今度の場合は、仮に新たに
公労法
の
改正
によ
つて
、いわゆる電通大臣なり或いは郵政大臣、いわゆる
政府
の国務大臣の一人が
団体交渉
の相手方になるわけなんです。
従つて
仮に
政府
の一員である郵政大臣が、郵政のいわゆる
現業
である
公務員
の
労働組合
と交渉いたしまして、では五百円の金を渡そうという
労働協約
ができたけれども、その五百円については、
予算
がないというときは、当然
政府
は、その五百円を支給し得る
予算
を拵えまして、
国会
へ出す責務が当然あるわけです。
従つて
私たちの本当の
修正
の意図は、十六条は協約でありますから、当事者の自由の
意思
によるところの
団体交渉
の結果の
団体
協約なんです。今までは国鉄と専売だけでありますが、今度は
政府
が
代表者
の相手方になるわけで、いわゆる建設大臣、郵政大臣或いは農林大臣、そうなれば
政府
が
団体交渉
の相手方であ
つて
、
政府
の自由
意思
によ
つて
一応話をきめた。きめた話を
実現
するために
予算
がないとなれば、
政府
は当然
予算
措置
を講じて
国会
に出すと、言い換えれば
予算
の提出義務が、いわゆる
団体
協約の
内容
に当然包含されるということは一応考えられると思うのです。
従つて
私たちとすれば、
政府
の
予算
提出義務というものまで
修正
しようと、こう考えたわけでありますが、そういういろいろな
関係
があるから、一応現在の専売なり国鉄という、
政府
とは離れたものの
団体
の
労働関係
というものを、
公労法
の一条の
趣旨
を生かす意味において
修正
しようという非常に微温的な
修正
なわけです。
従つて
今言つたように、理論的に言えば、
政府
自身が
団体交渉
の相手方にな
つて
、
政府
が金を出そうということを考える以上は、
予算
提出義務は当然であります。
従つて
予算
提出の義務をきめるというところまで理論的には持
つて
行かなければならんことは当然でありますけれども、今言つたような
関係
で、一応今までの
関係
で、
運営
規程を置くということですから、これに対して呑む呑まないということが問題にな
つて
来ることはないと思うのですがね。
倉石忠雄
30
○
議長
(
倉石忠雄
君) それは
中村
さん、議論になりますから、一つ懇談で今の場合はして頂きたいと思います。
中村正雄
31
○
中村正雄
君 次に、
公労法
の四十条の、いわゆる
現業公務員
の
法律
の
適用
排除の問題について、
参議院
の
修正
は困ると言われるが、一応
衆議院側
にお尋ねしたいのは、御承知の第八条にきめております
団体交渉
の
範囲
で、いわゆる管理
運営
に関することは
団体交渉
の
範囲
外である。それ以外は
団体交渉権
の
範囲
だとい
つて
例示的に
規定
しているわけです。
従つて
言い換えれば、
政府
のお考えにな
つて
いる管理
運営
の
範囲
というものは、
公務員
法のうちのどれとどれをお考えにな
つて
いるか、一応御
説明
願いたいと思います。
島田末信
32
○
島田末信
君 これは一つ
政府
を呼んで、そこで
説明
させようじやありませんか、間違うといけないから……。
中村正雄
33
○
中村正雄
君 私は
政府
よりも、今の
衆議院
は
原案
でなくては困ると言
つて
出しているのですから、
衆議院
では、
団体交渉
の
範囲
はこれだけであ
つて
、これだけは二号の
公務員
には
適用
排除すべきで、いわゆる管理
運営
に関する
範囲
はこれだけであるということが恐らくおわかりにな
つて
協議
を求められたのだろうと思
つて
、その点についての一応御
説明
を願いたい。
島田末信
34
○
島田末信
君 今の
適用
の問題、
労働協約
については
団体交渉
のできる
範囲
内で大体限られている、それは……。
倉石忠雄
35
○
議長
(
倉石忠雄
君)
原案
の四十条です。
島田末信
36
○
島田末信
君 一応項目別にどれとどれを指定しろという仰せですか。
中村正雄
37
○
中村正雄
君 私が御質問しましたのは、いわゆる従事員と
使用者
側との
関係
は、大体
団体交渉
の対象になる事項と、管理
運営
の対象になる事項、この二つに全部が二分されるわけですね。現在の
法律
もそうな
つて
おります。
従つて
団体交渉
の
範囲
は、管理
運営
に関する以外のものが
範囲
にな
つて
いるわけです。
従つて
公務員
法の
適用
排除は、管理
運営
に関するものが排除にな
つて
、それ以外の
団体交渉
の
範囲
に属するものは一応
適用
の
範囲
内になるのが法の
建前
だろうと思
つて
おります。
従つて
現在の
参議院
の
修正
では困るということなら、一応
衆議院側
でお考えにな
つて
おる管理
運営
の
範囲
というものは、
公務員
法の条文ではどういうものが管理
運営
の
範囲
になるか、これをお伺いしたいと言
つて
いるわけであります。言い換えれば私たちの
修正案
が呑めないというのであるならば、一応
衆議院
の排除しなければいけない、言い換えれば
公務員
法の
適用
をしなくちやいけないという項目は管理
運営
の
範囲
にきま
つて
いるわけですが、それは大体どういう点をお指しにな
つて
いるのですか、それをお聞きしたい、こういうわけであります。
倉石忠雄
38
○
議長
(
倉石忠雄
君) これはちよつとあとまわしにして下さい。
中村正雄
39
○
中村正雄
君 それでは
地方公労法
に参ります。第四点のいわゆる
条例
に反する
協定
をした場合の
参議院
の
修正
に対しまして、それでは困るから、
地方
の
議会
の
承認
があつたときに初めて云々という
原案通り
にしたい、こういうまあ
協議
の対象にな
つて
いるわけです。ところが
国会
と違いまして、言い換えれば親元の
法律
でありまする
公労法
にはこういう
規定
はないわけです。
地方公労法
に初めてあるわけです。ところが
地方
団体
というものは、
協定
の当事者は、いわゆる
地方
の
公共
団体
の理事者が
団体交渉
の相手方となるわけですね。理事者と従事員の代表である
労働組合
との
団体交渉
によりまして、一つ例をとれば、例えば
服務規律
なら
服務規律
が
団体交渉
の対象になるとすれば、
服務規律
についての一定の協約が成り立つたとする。それは現在の
地方公共団体
の
法律
から言えば、
法律
に抵触することを承知して、そうして理事者は自由
意思
によ
つて
きめたわけですね。その場合におきまして、一応その
条例
の
改正
をしなければ、それは効果がないことは法の
性質
として当然なんです。そのときは、当然理事者は自分の自由
意思
によ
つて
、そういう
法律
に抵触する
団体
協約を結んだ。これは
条例
を
改正
する
意思
があるから結ぶわけなんです。併しその場合には、理事者は
改正案
を
地方
議会
に出して、通る通らないは、これは住民代表の
地方
議会
の権能でありますが、一応通すだけの努力をするのは当然
団体
協約の
内容
に含まれているわけですが、そういう意味で
修正
したのですが、これが困るという
趣旨
がわからない。
島田末信
40
○
島田末信
君 それは実際問題で、何でもないような
考え方
に陥り易いのですが、少くとも
議決
機関を尊重する
建前
から行けば、一応すでに
議決
機関が
議決
した
条例
と相反する一つの協約をした場合に、これを直ちに改廃するのだというような、いわゆる、まあいわば強制的に改廃の義務を持つというようなあり方よりも、一応
承認
を得て、その後に改廃をするというところに持
つて
行くほうが少くとも民主的だ、或いは
議決
機関を尊重する
建前
だというふうな点で私は本筋じやないかと思います。
中村正雄
41
○
中村正雄
君 その御
説明
がわからないわけなんですが、あなたの説をそのまま突き通せば、
条例
に抵触する
協定
を結ぶこと自体が駄目なわけでしよう。そうでしよう。いわゆる
地方公共団体
の
法律
があるわけですね。それに相反するような
協定
を執行機関である理事者が結ぶこと自体が、理事者の
責任
上許し難い存在なわけですね。そういう
協定
を結ぶことを許さないわけですね。結んだ場合、その場合は
協定
と
法律
との抵触を何とか解決しなければいけないということを私は考えているわけなんで、あなたのように、
地方
議会
を尊重する、現在の
法律
を尊重する
意思
を貫けば、
原案
にありますように、
法律
に抵触する
協定
を結ぶなんということは以てのほかです。そういう場合もあり得るというのでこの
法律
がある以上、そういう
協定
を結ぶということは、理事者が一応
協定
が抵触しないようにやはり
法案
の
改正
をやろうという
意思
を
団体
協約を結ぶときに許容しているものと考えなければならん。
従つて
無論その
条例
が
賛成
を得るか、反対になるか、それは
地方
議会
の権能の問題でありますが、少くとも理事者はその
協定
が効力を持つように努力する義務だけは
協定
の義務のうちに含まれているわけです。
従つて
その場合に、理事者は
法案
を出して、
国会
の
審議
を求めなければいかんと言
つて
いるわけであります。
従つて
これは何ら、あなたのおつしやる
趣旨
よりも、私の言
つて
いることが筋が通るのじやないかと思います。若しあなたがおつしやるようだとすれば、
条例
に違反する
協定
を結んだ場合の爾後の手続は、どういうふうにお考えにな
つて
おりますか。
島田末信
42
○
島田末信
君 これは
条例
に違反するような
協定
というものは、普通から行けば考えられないと思う。あり得ないことだと思うのです。併し実際問題としては、そこまでゆとりを持たせなければしばしば国際情勢も変る世の中だし、非常に窮屈にな
つて
来るので、いわゆる協約を結ぶ側でも、そうした事実のものに即してお組みになることも多いだろうというところで、一応事実そうした情勢の変化などを付度して、或る程度このゆとりを持たしておくということは考えられると思います。そこで本来ならば、
条例
に違反するような協約は結ばないことがこれは
建前
です。併しそういつた
事態
を付度して一応ゆとりを持たしてある。持たしてあるが、そのために
議決
機関をないがしろにするとか、軽く見るということとはこれは問題が違うと思うのです。実際を処理する上において、そういうゆとりは持たしておるが、飽くまで
議決
機関は
議決
機関としての
建前
は尊重して行くというあり方は、これは本来考えていいと思うのです。それでなければ、もう
条例
に違反するようなことを認めながら、そんなことを別に尊重する必要も何もないのじやないかという議論はいささか行き過ぎにな
つて
おるのじやないか。そこで例えば行政にたずさわるもの自体がそういう
事態
を付度して、
条例
に違反するようなこともあり得る場合を予測しての法の扱い方ですから、そこで一応立法において
議決
機関は飽くまで尊重して行く
建前
は残しで、そこに調和を図
つて
行くということのほうが僕は穏当じやないかと思うのです。
中村正雄
43
○
中村正雄
君 そうしますと、
衆議院側
のほうは、
条例
に抵触する
団体
協約を結んだ場合の爾後の手続はどういうふうにお考えにな
つて
おりますか。
島田末信
44
○
島田末信
君 これは、要はその法文の示すところでは、一応そういつた協約を結んだことを
議決
機関によ
つて
承認
しておる、
承認
したということは、その後において改廃をしなければならんということが一応是認されたことだろうと思う。そこで改廃の
原案
を当局側から出しても、これはなだらかに解決はひと先ずつくものと考えられる。
中村正雄
45
○
中村正雄
君 そうしますと、
衆議院側
のお考えは、
条例
に抵触する
協定
を結んだ場合は、その
協定
を
地方
議会
にかけまして、その
協定
の
承認
を得て、それから新たに
条例
の
改正案
を出す。或いは
改廃案
を出す。これが
地方公労法
の
趣旨
だと、こういうふうに考えておられますか。
島田末信
46
○
島田末信
君 大体そういうところに持
つて
行
つて
、頭から
労働協約
自体が
地方
条例
に優先するのだという一つの
考え方
を防ごうというところに骨子がある。
中村正雄
47
○
中村正雄
君 私の言
つて
おるのも、
労働協約
が
地方
の
条例
に優先するものとは全然考えておりませんし、
参議院
の
修正
も総体として毫も考えていないことは、
修正
を見ればわかると思います。
従つて
我々としましては、これが金の問題であれば別でありますが、
条例
というものは、これは一応
議会
の
承認
があればいいわけなんで、
従つて
条例
に違反する協約ができた場合は、違反する分については、当然理事者もやはり改廃を予想してや
つて
いるわけなんですから、直ちに
改正案
を出して
議会
の
審議
を求めるということが一つ、それから先ほど皆さんが恐らくそうなるだろうとおつしやいましたが、一旦協約を
議会
に出して
承認
を得てこれを得ましたから、これと同じ
法律案
を出しますというので、二重にやるという愚は恐らく
地方
議会
はしないだろうと思う。
従つて
そういう愚をなす
地方
議会
があつた場合は悪いから、その場合の手続をはつきりする意味においてこうしているわけで、
衆議院
でお考えのように、協約が
地方
の
条例
に優先するということは毛頭考えていないことは
修正
を見て頂けばわかると思う。併し一応懇談のときに、もう一度
協議
しましよう。
島田末信
48
○
島田末信
君 御
趣旨
はよくわかります。ただそこに紛らわしいというか、誤解されやすい点だけを一応是正しておく必要があるのじやないか、これは精神において同じだと思います。
中村正雄
49
○
中村正雄
君 一応誤解されやすい点はないと思う。懇談のときに誤解されやすい点を指摘願いたい。
島田末信
50
○
島田末信
君 懇談のときにいたしましよう。 〔
議長
退席、副
議長
着席〕
中村正雄
51
○
中村正雄
君 次に、十条の問題は、先ほど申上げました十六条と同じ
趣旨
でありまして、ただこれは国家の場合と違
つて
、
地方
の場合は、すべて理事者が
団体交渉
の相手方になるわけであります。従いまして
公労法
の十六条二項の場合は、
予算
の提出義務を認めるまでに書かなくては実際は筋が通らないと私は考えているわけで、これも一応懇談のときに……。次は、十一条の
争議行為
の
教唆
、
扇動
の問題、最後のいわゆる
単純労務者
の
範囲
の問題ですが、
争議行為
の
禁止
につきましては、これはこの前にいわゆる正常なる
運営
をみだすことは全部
禁止
されております。即ち重複いたしておるという考えで一応削つたわけであります。その点誤解のないように……。最後に御質問したいのは、
単純労務者
の
範囲
を
参議院
の
修正
でははつきりしていないとおつしやいますが、そうしますとどういうふうに直そうとお考えになりますか。
島田末信
52
○
島田末信
君 これは
単純労務者
の対象となるべき
範囲
を一応政令で定めようというのが我々の側の骨子です。それでないと、このままでは、例えばどつかの市町村の役場に小使をしておる。これを
単純労務者
として一応きめる。而もそういう扱いの中にいる場合に、これは非常な実際に即した面で、いわゆる団交権の権利の恩典にも浴しがたい。さりとて今度は一般
公務員
としての待遇も受けられないというふうな実際土の職務の上に非常な不利を与えるような場合が予測されるのじやないか。そこで一応こういう複雑多岐な
単純労務者
の
範囲
に入れるべき対象を政令で以て指示することが、そういういわゆるおこぼれというか、そのために非常な不利を来たすようなことをなくするゆえんじやないかというような
考え方
なんです。
中村正雄
53
○
中村正雄
君 その点につきまして、現在
地方公務員法
の五十七条に
規定
する
単純労務者
と、はつきりしているわけなんですね。あなたのおつしやるように政令によ
つて
もつとはつきりしたら、こうおつしやいますが、ここで一応
国会
として考えなくてはいかん点は、言い換えれば特定の勤労者に憲法の保障する
団体交渉権
を与えるかどうかということを行
政府
に委任していいか悪いかという問題です。細目をきめるのであれば、これは私は政令に任していいと思います。少くとも一つの人格者に対しまして、憲法に保障するところの基本的人権を与えるか否かを単に行
政府
に任すということは、私は新らしい憲法のあり方としてどうかと思う。
従つて
はつきりと
地方公務員法
の五十七条に
規定
しているわけですから、これに
規定
してある連中に対して準用する。
従つて
二人や三人で、この恩典に浴したくないという人があれば、その八は
労働組合
を結成するか否かの自由があるわけですから、権利の前に眠れる人格者なんですから、放置したらいいわけで、憲法に保障する生殺与奪の権を政令に与えるようなことをしたくないと思
つて
、実は政令ということは最初考えなかつたわけでありますけれども、そういうわけで、一応結成不可能な
労働者
というような場合があれば、これは権利の前に眠れるものでありますから、これはその人までも保護する必要はない。これは
労働組合
は結成するの自由と結成しない自由があるわけですから、それはその人格者に任せたほうがいい。ただ基本的人権を行
政府
によ
つて
左右することは、
国会
としては防がなければいかんというので、ここに政令ということが問題に
なつ
たけれども、
とつ
たわけなんです。御了解願いたいと思います。 大体以上いろいろありますが、懇談のときに私は御質問することにして、私の大体の質問を終りたいと思います。
西村久之
54
○副
議長
(
西村久之
君) 直ちに懇談会に移りたいと思います。御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
西村久之
55
○副
議長
(
西村久之
君) 御
異議
ないようですから、懇談会に移ります。 午後三時二十九分懇談会に移る ————◇————— 午後三時五十九分懇談会を終る
倉石忠雄
56
○
議長
(
倉石忠雄
君) 懇談会を閉じます。 それでは六時まで休憩をいたします。 午後四時休憩 ————◇————— 午後八時十二分開会
西村久之
57
○副
議長
(
西村久之
君) それでは休憩前に引続き
協議会
を開きます。この際懇談会に移して、一応各院の御
協議
の結果について話合いをいたしたいと存じます。 午後八時十三分懇談会に移る ————◇————— 午後十時七分懇談会を終る
西村久之
58
○副
議長
(
西村久之
君) 速記を起して下さい。 これから三十五分休憩いたします。そうして時間は御励行願
つて
、御出席願いたいと、かように思います。
中村正雄
59
○
中村正雄
君 今の副
議長
の発言は不可能なことをおつしやられると思います。一応最初懇談会で言いま
した点
は、
衆議院側
から提案というものが出まして、これを絞つた最後案というものが出されたわけですが、これを
参議院
に持ち帰
つて
一応
協議
するわけです。それで
参議院側
といたしまして、
衆議院側
の最後の案に対しまして一応
意見
をまとめるわけです。
衆議院
は自由党一本だからいいと思いますが、
参議院側
は、各派から全部来ておりますから、議員総会をやらなければならん。或いは
協議
しなければならん。併し私は不可能な時間を
制限
されるよりも、それはやはり十時四十分を守れないような無理な休憩にしなくても、その点はお互い大体話ができておるわけですから、そういう無理なことをしなくて、或る程度の暫時休憩だということで話を進めてもらいたい。今三十五分というような時間は、恐らく私は不可能だと思う。
衆議院
は自由党一本だから、ここでも話はまとまりますが……。
西村久之
60
○副
議長
(
西村久之
君) そうすると、どのくらいの時間を要せられるのですか。
中村正雄
61
○
中村正雄
君
従つて
これをはつきり申上げますと、これはどうしても今日中にしなければならん
理由
がどこにあるか。一番最初に言つたように、お互いに廃案にはしたくないと思う。肚はわか
つて
おるのですから、明日一日あるのですから、
参議院
の話がまとまれば、明日採決すれば採決できるわけです。
参議院
の本
会議
はもう散会に
なつ
たのですから、今日中に
両院協議会
で上げなければならん
理由
はどこにあるか。そんなことは不可能だと思うので、休憩時間はおかしい。
参議院側
の意向を一応尊重してもらいたい。
堀木鎌三
62
○
堀木
鎌三君 まああなたがたというか、
衆議院
でお急ぎになる
理由
もよくわかるのです。併し又あなたがたのほうも、我々のほうの置かれている、又踏まなければならない手続というものだけは、あなたがたも十分御了承願わなければならん。いずれの結果を得るにいたしましても、私はそれのほうが円満な解決に資するゆえんだと、こういうように考えますから、強いてそういうような無理な条件をお付けにならないで、我々のほうの立場も、そうして我々をもう少し御信頼を願いたい。その上に立
つて
御相談ができるようにしたい。こう私は思うのですが、特にその点についてお願い申上げておきます。
西村久之
63
○副
議長
(
西村久之
君) 時間の
制限
なしに休憩いたしますと、結局
会議
自体がおかしなことになることを心配するわけです。
堀木鎌三
64
○
堀木
鎌三君 我々実際党に諮らなければならないわけです。党の人を待たしてありますから。どうせ一度は
参議院
の
全会一致
の一つの
修正案
を作つたのに対する何ですから、
参議院
自体として各派との間に
協議
をする。その点お考えになると、常識的に時間は出て来ると思うのです。その点は十分御尊重願いたい。我々特にこの問題の結末について、どうせ明日一杯の会期、明日会期末だということはわか
つて
おりますから、そういう点は十分尊重するから、そういう点についてお考えになるならば、皆さんの御
意思
も十分我々は尊重する。それは俎板にのりてじたばたするというような、けちなことはしませんよ。我々の、
参議院
のルールもやつぱり御承知願
つて
、その上に立
つて
善処されたいと思います。
船越弘
65
○
船越
弘君 さつきもこの問題が始まる当初に、
衆議院
の労働
委員
長からも、できるだけ本日
結論
を得たいという要求もお願いいたしておるわけです。ところが時間を切らずに休憩いたしますということは、今日は全然
結論
が出ないという結果になること必定であります。そうして明日は最終日でありまして、而も最終日ですから、相当
法案
も
衆議院
のほうにたくさんかか
つて
おりますから、到底明日は又できないという結果が生まれると思う。ですから今
議長
が言われましたように、三十五分と時間を切
つて
、直ちに休憩を宜してもらいたい、こう思うのであります。
中村正雄
66
○
中村正雄
君
衆議院側
の一方的な
意見
で、それでやられて、僕は円満に議事が行くかどうかということを言
つて
いるのです。御承知の通り、これは
両院協議会
の
成案
は、討論も何もできないわけですね。本
会議
でもイエスかノーかだけなんです。恐らく本
会議
で幾らもかからないと思う。
従つて
大体今
意見
の交換ができているのだから、踏むだけの手続は一応踏んでおきたい。
従つて
そちらでは今日中にという御
意見
だけれども、そのような不可能に近いことを約束しないで、最悪の
事態
に持込まないで、明日十時なら十時に開けば、三十分もあれば
結論
が出る。直ちにできる。それほど時間のかかる問題でない。今日中に上げなければならないとい
つて
も、本
会議
が散会にな
つて
おる。
従つて
今日
両院協議会
を上げるということは無理だ。なぜ明日の十時、十一時にやることに無理があるか。そういう無理をなさらずに、踏むだけの手続は、今までの慣例によ
つて
私は踏むほうが事が円満に行くのではないか。私は現実の問題を
取上
げて言
つて
いるのです。
西村久之
67
○副
議長
(
西村久之
君) お諮りいたします。
参議院側
にはいろいろ事情もあるようですから、正十一時に再開することにいたしまして、それまでの間にまとまらなければ、まとまらないという
意見
をお伝え願
つて
、
会議
の処置をいたしたいと思います。十一時まで暫時休憩いたします。 午後十時十五分休憩 ————◇————— 午後十一時四十七分開会
倉石忠雄
68
○
議長
(
倉石忠雄
君) それでは休憩前に引続き
協議会
を開きます。 先刻
衆議院側
から提出いたしました案について、
参議院側
の御
意見
を承わりたいと存じます。
中村正雄
69
○
中村正雄
君 一応
衆議院側
から出されました最後の案、いわゆる懇談会の席上で御
説明
になりました最後の案につきまして、これから
参議院側
は
協議
いたしまして、明日十時三十分に開かれまする本
協議会
に諾否の回答をいたしまして、最後の
成案
を得たいと、かように考えております。
倉石忠雄
70
○
議長
(
倉石忠雄
君) それでは明三十日午前十時三十分より
協議会
を開くことといたしまして、本日はこれにて散会いたします。 午後十一時四十八分散会