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1952-02-26 第13回国会 参議院 予算委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年二月二十六日(火曜日)    午後一時三十八分開会   —————————————  出席者は左の通り。    理事            東   隆君            平岡 市三君            小林 政夫君            木村禧八郎君            岩間 正男君    委員            泉山 三六君           池田宇右衞門君            左藤 義詮君            白波瀬米吉君            杉原 荒太君            中川 以良君            平林 太一君            宮本 邦彦君            岡本 愛祐君            小野  哲君            片柳 眞吉君            楠見 義男君            高良 とみ君            新谷寅三郎君            内村 清次君            吉田 法晴君            松永 義雄君            山田 節男君            吉川末次郎君            西田 隆男君            深川タマヱ君            堀木 鎌三君   政府委員    大蔵省主計局次    長       東條 猛猪君    大蔵省銀行局長 河野 通一君   事務局側    常任委員会專門    員       野津高次郎君    常任委員会專門    員       長谷川喜作君   説明員    大蔵省銀行局総    務課長     福田 久男君    大蔵省銀行局資    金運用課長   高橋 俊英君   参考人    日本輸出銀行常    務理事     山際 正道君    日本開発銀行理    事       矢田部 章君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○昭和二十七年度一般会計予算内閣  送付) ○昭和二十七年度特別会計予算内閣  送付) ○昭和二十七年度政府関係機関予算  (内閣送付)   —————————————
  2. 東隆

    理事東隆君) それではこれから委員会を開会いたします。  日程によつて進めたいと思いますが、先ほどから日本輸出銀行専務理事山際正道さん、それから日本開発銀行理事矢田部章さんが見えておりますので、先に廻して日本輸出銀行のほうから御説明を願いたいと思います。山際正道君。
  3. 山際正道

    参考人山際正道君) 私は只今御紹介に與かりました日本輸出銀行専務理事をいたしております山際であります。お申しつけによりまして日本輸出銀行状況について御説明を申上げたいと存じますが、先ず順序といたしまして昨年開業以来今日までの実績について申上げまして、続いて二十六年度中の見込、なお更に来年度予想について御説明を申上げたいと存じます。  開業をいたしましたのは昨年の二月一日からでございますが、爾来今日まで満一カ年間の実績につきましては、只今計表によりましてお手許に差出しましたからそれを御覽頂きたいと存じますが、計表の第一頁にございます「四半期別貸出状況」でございますが、一番左の欄の一番上に融資承諾件数及び金額というのがございます。即ちこれは資金融通申込を受けましてそれに対しまして承諾を與えました件数及びその金額でございますが、右の端の累計の欄に現れておりまする通り件数においてこの一年間に七十件、承諾をいたしました金額において八十九億一千四百余万円になつております。この八十九億余円の承諾額のうち、現実に資金をすでに貸出しました金額は、その次の欄にございます通り累計七十五億二千百余万円になつております。そのうちすでに今日まで回收をいたしました金額が十三億九千六百余万円になつておりますので、本年一月末日現在におきまする残高最後の欄でございますが、件数において六十一件、金額において六十一億二千四百余万円となつております。これが過去一カ年間に扱いました実績でございますが、その融資内訳につきまして、第二頁に品目別仕向地別状況が掲げてございます。  簡單にこれを御説明申上げますと、一番左の欄が品目の欄でございますが、その一番上は電気機械でございます。その仕向先はここにございます通り、アルゼンチン、沖縄フイリピンインド台湾タイオ—ストラリア、これが合計十九件で、その輸出契約金額は三十九億四千七百万円、その契約を実行いたしますために輸出銀行貸出します金額が二十一億九千六百万円という数字なつております。その次の下の欄が繊維機械に関するものでございますが、繊維機械台湾香港パキスタンベルギー領コンゴーインド朝鮮インドネシアの各地へ向けまして扱いました件数が二十件、その輸出契約金額は四十四億五千九百万円、これに対しまして輸出銀行といたしましては二十一億二千五百万円の融資承諾いたしておるのでございます。  その次の品目船舶でございますが、パナマ、リベリア、タイ沖繩朝鮮仏印に向けまして十七件を取扱いまして、その輸出契約金額が七十億六千五百万円、これに対しまして輸出銀行は二十八億九千百万円の融資承諾いたしました。  その下の欄は鉄道車両でございます。これは。パキスタンへ向けまして二件取扱いまして、輸出契約金額が十一億七千三百万円、これに対して五億四千四百万円を輸出銀行から融資承諾をいたしました。  次に東南アジア開発関係で、これはポルトガル領ゴアに対しまして取扱い件数は一件、輸出契約金額が五億八千二百万円、輸出銀行融資額が四億一千六百万円になつております。その他雑件といたしましてビルマ、沖繩インド等に対して十一件、その輸出契約金額は三十二億六千八百万円、輸出銀行協調融資で出しました金額がここにございます二億五千八百万円で、なおこの分につきましては一番右の端に手形割引承諾額、これが四億三千万円ほかにございましてこの全部を累計円いたしますと件数において七十件、輸出契約金額において二百四億九千六百万円、これに対しまして輸出銀行協調融資承諾額といたしまして八十四億二千六百万円、そのほかに手形割引承諾額といたしまして四億八千八百万円を実行いたしたのでございます。これが過去一カ年間における、取扱いました業務内容でございます。  この成績はいつぞやもこの席において私が申上げたかと思いますが、当初予期したところによりますれば、やや低調を免れないと申上げざるを得ないのでございます。即ち昭和二十六年度における輸出銀行資金量はすでに政府から拂込を受けました金額が九十億、未拂込として年度内に拂込を受け得る金額が八十億、合せて百七十億の資金量を擁しておるのでありますが、一月三十一日の現在における融資残高只今説明申上げました通り六十一億二千四百余万円にとどまつたのでございます。これはいろいろ事情もございましようが、要するに日本プラントものの輸出というものがなかなか伸びて参らん、それは主として物価事情等によるものと思われるのでございますが、その反映といたしましてこの融資金額が比較的伸びていないという状況なつておるのでございます。  ただ御承知通り昨年の秋からいたしましてアメリカ系輸出船建造注文が非常に我が国に集つておるのでございます。それらの事情説明いたしますために最後の表を御覽頂きたいのでございますが、第三表は借入申込状況といたしましてこれは現在具体的に話の正式の申込を受けておりますもの並びに内談程度の話を受けておりますものの状況でございますが、この表で御覽の通り現在の申込状況からいたしますと船舶に対する注文が圧倒的に多いのでございます。仕向地パナマアメリカ、ギリシア、タイ、とございますが、このうちタイは比較的小型の船舶で、これを取除きますと、その他のものは仕向地はそれぞれ異なつておりまするが、これを建造いたします資本アメリカ資本でございまして全部ドル契約なつておるのでございます。これが輸出契約見込金額といたしまして二百六億六千九百万円に上つておるのでございます。そのほか繊維機械において十五億七千百万円、電気機械において七千七百万円、これを合計いたしまして現在銀行手許に集まつておりまする申込関係件数は二十三件、二百二十三億一千七百万円、尤もこの数字輸出契約見込金額でございますが、かなり多額に上つておるのでございます。而もそれは大部分只今申上げました通りアメリカ系輸出船建造申込でございます。従いまして只今申上げました通り、百七十億円の資金量に対しまして現在の残高は比較的少うございます。これはこの船舶関係の実際の資金需要が二月、三月並びにその以後に集中をいたしておりまするために、年度末へ参りまして本行の融資は急激に増大する見込なつております。即ち現在の予想によりますれば、これらの船舶中心とする申込を実行いたしますために、大体において年度末の融資残高は、この二月、三月のうちに約五十億円程度増加をいたしまして、百十三億円程度見込を立てておりまするが、そのほかに約四十億乃至五十億程度は四月以降に資金を放出すべき融資として残るものと考えておるのでございます。従いまして、資金計画から申しますとこの特別な船舶需要がありますために、大体二十六年度予定されました資金量一ぱい一ぱい年度を越すものと見込まれるのでございます。  続いて二十七年度につきましては、御承知通り別途予算におきまして一般会計から四十億円の出資金拂込と更に見返資金特別会計から三十億円の借入予算を提出されておるのでございましてこれらを全部拂込を受けたものといたしますると、二十七年度運用し得る資金資本金において二百十億円、そのほかに見返資金関係只今申上げました借入金として三十億円、合せて二百四十億円の資金が運営の中心なつて参るわけでございます。これに対しまして、一方運用見込でありますが、二十七年の政府貿易計画によりますと、国際收支受取勘定において、機械類輸出によるところの受取金は二億四千万ドルと計算されております。二億四千万ドルの機械輸出のうち、いわゆるプラントものと称されるもの、即ち輸出銀行取扱の対象と考えられておりますものは、従来の実績によりますと約その半分でございます。なお通産省輸出契約輸出承認金額から推定して参りますと、昭和二十七年度は二億一千六百万ドルの承認を與えるものという見込を立てております。そのうちプラントものの輸出は一億七百万ドルという計算を立てておるのでございます。この一億二千万ドル乃至一億七百万ドルのプラント輸出契約に対しまして従来の実績から輸出銀行がどの程度資金準備をしなければならんかという計算を立ててみますと、大体その五〇%程度見込みまして百八十億乃至百九十億程度資金が必要となるように計算されるのでございます。そのほかにこれは別途日本輸出銀行法改正法として他日御審議を仰ぐことになろうと思いますが、その改正法律によりますると、ごく極限された範囲の輸入金融業務取扱うことになつておるのであります。これがための所要資金を約二十億円と見込みまして、大体二百億円程度を以て二十七年度資金運用計画見込んでおるのでございます。これと予算による拂込並びに借入金数字を照合いたしますと、大体それで一ぱい一ぱい二十七年度計画が達成されるということに相成るわけでございます。勿論従来のちよつと先ほど一言触れました件から申しまして計画通りプラント輸出実績を挙げて参るということはなかなか相当の困難が伴うことを覚悟せねばならんと存じます。それは先ほどもちよつと申上げましたが、主として物価事情、殊にプラント輸出に関しましては鉄の価格が日本が割高であるという基本的な事実によりまして、相当に困難もあろうとは存じますけれども、併しながら国際收支を維持する関係において計画された程度機械類輸出は是非とも実現せねばならん。又そのうち予定されているところのプラント輸出については、輸出銀行といたしましては、全幅の努力を以てその達成に応援をせねばならんという考えでおりますので、大体御審議を仰ぎます程度資金量は、是非とも来年度においてこれを確保すると同時に、十分それを活用して参りたい、又努力如何によつては十分これを活用し得るのではないか、かように考えておる次第でございます。一応資金の量からいたしまして、実績並びに来年度見込につきまして御説明を申上げた次第でございまするが、なお御質疑によりまして御説明を申上げたいと存じます。
  4. 東隆

    理事東隆君) 質疑ありませんか。
  5. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 ちよつと伺いますが、品目別仕向地別輸出契約の御説明を承りましたが、沖縄に対する電気機械輸出、それからその他というところに沖繩向相当あるようですが、この沖繩向というのはどういうものですか。どういう性質のものか伺いたいのと、もう一つ東南アジアのほうですね、ゴア一件あるのですが、これはどういう種類のものですか、伺いたいのですが。
  6. 山際正道

    参考人山際正道君) 沖縄向電気機械沖繩において相当出力の大きい火力発電所を建設されました。それに対する設備輸出でございます。取扱業者の数が多いものでありますから件数としては多くなつております。それからその他の欄における沖繩関係は、これは主として軍の兵舎その他の設備に伴いますところの機械設備でございまして、それには或いは水道の関係でありますとか、やはり電気関係もございますが、各種附属設備の多種類のものがあつたと記憶しております。  次に東南アジア開発関係ゴアに対する分でございますが、これはゴアは従来日本との関係においても鉄鋼石供給地であつたのでございます。日本といたしましては比較的安価に入手し得るところの鉄鉱石東南アジア地区に求めつつあるのでありまするが、その一つ該当案件といたしまして、かねてこのゴア鉄鉱石をもう少し大規模に採掘をいたしまして、それを日本輸入するという計画が進行しておつたのでございます。でインドゴアと両方の国籍を持つたインド人が現在その鉱区を所有しておるのでございますが、これが日本鋼管の子会社でありまする鋼管鉱業という会社と提携をいたしましてその採掘設備を拡大するためのいろんな機械設備をこちらから輸出をいたしまして、でその輸出代金をその機械を働かせた結果増産されますところの鉄鉱石日本輸入いたしまして、その代金によつて決済をするという方式で昨年話がまとまつたのでございます。で日本といたしましてはその鋼管鉱業採掘に必要なる設備を一式輸出いたしまするが、それで入つて参りまするところの鉄鉱石は八幡、富士、日本鋼管の三大鉄鋼会社が使用することになつておりまして、その一連の運用計画と申しますか、手はずが全部整つておる案件でございます。
  7. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 東南アジア開発についてはまあしばしば新聞などにも随分出ておりまして、又非常な今後の講和後の日本経済自立の重要なまあ一つ前提條件なつているように聞いておりますが、これは二月九日の毎日新聞なんですが、日米経済協力に関する最高会議というものがあつて、こういうものがあるかどうかわかりませんが、そこで東南アジア開発計画というものを作つて、その案によると「日本東南アジア各地石炭鉱石、木材を開発し」、そうしてこの「資源により金属素材、重機械戰略器材等を米国に輸出する」、こういうふうにまあ書いてあるのです。こういうようなまあ計画があるやに伝えられておりますが、そうしますと、今後東南アジア開発のためのこういう輸出というものは相当ふえて来るのじやないかと思われるのですが、こういう案がまああるかどうかも我々わかりませんが、併しその輸出銀行立場から御覽になりまして、二十七年度或いは八年度、今後の東南アジア向のこういう輸出金融見通しについてお伺いいたしたいと思います。
  8. 山際正道

    参考人山際正道君) 只今お話政府の或いは持つておられるかと推測ざれるという計画ということにつきましては、銀行のほうにも何らお話は示されておりません。従いましてそれは存じませんが、私どもといたしましては民間同志の間においていろいろ話が進んでおります案件を連絡を受け承知をいたしております。例えば鉄鉱石につきましてはフイリピンシブゲイ鉱山、マレイのズングン鉱山インドビハール地区香港の馬鞍山といつたような各地鉱石日本において輸入を受けたいという話が行われつつあることを聞いております。或いは銅につきましては台湾においても話があるようでありまするし、石炭についても台湾に話があるようであります。又塩などにつきましても仏印その他に話が進行しておるかのごとく承わつております。私ども立場からいたしますると、成るべく原材料ポンド地区から輸入したいということと、それから又将来、従来日本買つてつた地域からの原材料輸入は困難になる、そういうふうな予想の下に成るべく手近な所にその資源を求めたいということは、経済上から申しまして極めて自然な要求であろうと思われまするので、銀行といたしましてはできるだけこの需要に応じたい考えを以て進んでおります。  二十七年度における大体の見込といたしましては、設備輸出形式によつて約三十億円、それから法律改正の結果輸入前金形式による輸入金融方面において約二十億円、合計五十億円程度がこの東南アジア資源開発輸入関係において運用せられるのではないかという見込を一応立てております。
  9. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 船を造つて輸出しているらしうございますけれども、外貨を獲得いたしますためには、輸出はいいようなものでございますけれども今日日本の船の不足は誠に極度に達しておりますのに、それだけの資材資金がございますようならばなぜそれで日本船不足を補うようにしないのか。殊に輸出する地方は、タイ国を初めといたしましてポンド過剩に悩んでいる方面輸出するのであつて、この狙いがどこにあるのかわからないのですけれども、その御説明を願いたいと思います。
  10. 山際正道

    参考人山際正道君) お尋ねの点は政府船舶建造の政策に関するお尋ねのように考えまするので、銀行立場から或いはお答えいたしかねる問題ではないかと存じまするが、ただ私どもといたしましては、通産省その他において輸出建造許可になりましたものにつきましてその必要なる資金融通をいたしておりまするし、且つ又現在参つておりまする船舶注文は、先ほど申上げました通りその大部分アメリカ注文でございましてドル資金獲得なつておるのでございます。国内船建造が意のごとく進まんということにつきましてはその事実を承知はいたしておりまするけれども輸出許可になりましたものにつきましてドル資金獲得の見地から銀行といたしましてはこれは応援すべきものと考えてこれに対して融通を行なつておる次第でございます。
  11. 小林政夫

    小林政夫君 この輸出銀行のまあ資金余裕ですね。これの運用は如何なものでございましようか。
  12. 山際正道

    参考人山際正道君) 輸出銀行余裕資金運用は、法律国債買入預金部預金とすること、及び日本銀行預金とすること、この三つに限定をされておりまするのでその通りつておりまするが、只今では主として国債の保有によつて余裕金運用いたしております。
  13. 東隆

    理事東隆君) 御質疑ありませんか。……なければ日本開発銀行について、銀行理事矢田部氏が来ておりますので説明を求めます。
  14. 矢田部章

    参考人矢田部章君) 私は開発銀行理事矢田部でございます。当行の業務内容につきまして御報告を申上げたいと存じます。  日本開発銀行は御承知のように昨年の五月の十五日に開業いたしました。以来約十カ月余りを経過いたしました。その間におきまして昨年の九月の末日を以ちまして上半期決算をいたしました。これは法律によりまして一年二回、九月並びに年度末の三月に決算をいたすごとになつております。上半期の九月末に仮決算をいたすことになつております。これを主務官庁に御報告いたし、なお内閣報告いたしたものでございます。只今手許に差上げました資料上半期決算報告でございます。これにつきましては、開発銀行開設早々でございましたし取立てて申上げまするような点もございません。ごく簡單数字なつておりますのでございます。この資料によりまして御了承を頂きたいと存じます。  次に本年一月十六日にこれ又法律によりまして、元の復興金融金庫を吸收いたすことになりまして十六日を以ちまして復興金融金庫債権債務を継承いたしました。その数字簡單に申上げますると、資本金におきまして八百五十二億二千万円、準備金におきまして三十七億三千万円、これに対応いたします資産勘定といたしましては、貸出金約七百八十七億円、有価証券九十四億円等でございまして、これを合併いたしましたときの開発銀行の合併時の貸借対照表も、これ又お手許に差上げておりまする日本開発銀行勘定残高表一月十六日承継時となつておりまする資料でございます。開発銀行は御承知のように貸出資金源といたしましては、当初見返資金会計から百億の御出資がありまして、その後一般会計のほうから七十億の補正予算の追加御出資がございました。そのほかに先ほど申上げました復興金融金庫からの回收金のうち政府への納付金を控除いたしましたものが、本年の三月末の見込でございますと百十億になる予定でございます。結局合計いたしまして二百八十億と申しますものが本年度開発銀行資金源になるわけでございます。それに対しまして一月末日現在の融資のお申込並びに承諾貸出額等につきましては、お手許に差上げておりまする一月中の借入申込処理状況と申します表がございます。これの第三段目に申込受付累計額なつております欄の合計額四百三億七千八百万円、これが一月末日までのお申込合計でございます。この内訳上欄業種別石炭鉄鋼以下数業種に亙つて申込があるわけでございます。これに対しまして、これはどういうふうに処理いたしましたかというのが次の頁の第三段目の前月までの受付承諾額、一月中の貸付承諾額同上累計なつております合計欄の二百七件、百七十一億四千五百万円と申しますものが、一月末日までの借入申込に対しまして、融資を御承諾いたしました額でございます。そのうち実際に貸出の出ました額は、最下段の百九十二件、百四十四億一百万円でございます。これを業種別に申上げますと、石炭鉄鋼非鉄金属自家発電化学工業繊維工業機械工業港湾施設農林水産関係、その他というふうになつておりましてそれぞれ二百三十七億、二百五十二億、八億四千、十七億、十五億、十七億、こういうふうに融資をいたして参りました。今後二月、三月の間におきまして融資承諾いたしまする予定といたしましては、約七十四、五億を予定いたしております。従いまして本年度におきまする融資承諾累計額はざつと二百四十五億になる予定でございます。これを二百八十億の資金源に対応いたしまして、差額三十五億円は結局来年度資金計画に織込める見込でございます。尤も貸出は実際二百四十五億の融資承諾をいたしましたけれども資金の入用な時期に多少のずれがございますので、実際の交付はそのうち約二、三十億程度のものは来年度になりまして交付いたす予定でございます。  次に二十七年度明年度計画につきまして一応の見通しを申上げたいと存じます。二十七年度資金源といたしましては、予算案にも載つておりまするように、一般会計から百三十億の出資をお願いする。そのほか見返資金会計からの借入金を四十億という予定にいたしております。又復金並び開発銀行になりましてからの融資分回收いたされますものが合計いたしまして八十四億円、貸金並びに有価証券国債等運用によりまする運用利殖金といたしまして二十六億が見込まれまするので、合計いたしまして二百八十億が明年度資金源予定なつております。これを以ちまして明年度融資業種別等の資金計画につきましては、実際にはなお多少の移動があるかとも存じまするが、一応の予定といたしましては自家発電に六十億、鉄鋼関係に四十億、石炭関係に四十億、その他の産業に二十億、市中銀行の肩替りといたしまして七十億、その他予備に五十億、こういつた一応の見通しを持つておりまするが、そのうち本年度に着手いたしました事業で明年度に継続せらるべき事業というものが一応見込まれまするので、その額が幾らになりまするか、大体百億ではないだろうかと思つておりまするが、まあそういつたものにいたしますと、その差引百八十億と申しますものが新らしい来年度の新規資金の供給し得る額ではないかと存じます。以上甚だ簡單でございましたが概況を御説明申上げます。
  15. 東隆

    理事東隆君) 御質疑ありませんか。
  16. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この二十七年度資金計画ですね、市中肩替り七十億、あと自家発電、鉄、石炭その他というのはこれは全然全くの新規投資ということになるわけですか。
  17. 矢田部章

    参考人矢田部章君) 二十六年度の……。
  18. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 二十七年度の。
  19. 矢田部章

    参考人矢田部章君) 二百八十億の供給予定の中にはざつと百億見当を本年度の継続事業として見込まなきやならぬと、かように考えております。
  20. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この開発銀行開発銀行法にあるように、市中銀行の肩替りということと、それから新らしく貸付けるということと二つあるわけですね。それから市中銀行の証券なんかを引受けるとこういう形なんですが。先ほどのこの資金計画のうち開発銀行自体として新規に貸付ける分ですね、市中銀行の肩替りじやなく。それは幾らかというのです。それはさつき承わりました自家発電、鉄、石炭その他というのは、これは市中銀行の肩替り分じやなくて純粋のこの開発銀行の投資と見ていいのかどうか。
  21. 矢田部章

    参考人矢田部章君) さようにお考え頂きまして結構でございます。尤もその自家発電鉄鋼石炭等の中には本年度の継続事業も含まつておることは御了承頂きたいと思います。
  22. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうしますと市中銀行の肩替り分は二十七年度においては全体の資金計画のうちでは割合に少いのですね、全体の資金計画のうちでは。それでこれまでいろいろ問題があることは御承知通りですが、開発銀行はどつちに重点を置いて行くのか。いろいろまあ承わるところによれば、オーバー・ローンの解消の一手段として、開発銀行は市中銀行の肩替りのほうに重点をおいて行くということも伝えられているし、又肩替りよりもむしろこれは前に我々希望したのですけれども新規の貸出しをなすべきもある、市中銀行の肩替りをやると、結局不良貸付を開発銀行に肩替りすることになるのだから、市中銀行の肩替りというものは極力少くして、そうして新規のインヴエストメントを多くする、こういうことを我々は前にこの法案を審議するときに要求したのですが、どつちの方向に重点をおいて行くのか、その点承わりたい。
  23. 矢田部章

    参考人矢田部章君) 只今の肩替りの方針につきまして、私の考えといたしましてはどつちに充点をおくということはむずかしうございますけれども、実際問題といたしまして考えてみまするに、開発銀行が肩替りすることができる市中銀行融資というものにはおのずから限度もございましようし、只今御心配になりましたような不良の融資を引継ぐとか、こういつたことは勿論許されませんし、何と申しましても一方では新規資金需要が非常に強い需要がございまするので、その需要も一方には満足しなければならんということになりますると、相当新規融資というものに力を入れなければならん、かように考えております。
  24. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 もう一つ伺ひたいのですが、開発銀行はこの債券の発行ということを二十七年度には考えているのですか。
  25. 矢田部章

    参考人矢田部章君) 只今のところ予定しておりません。
  26. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 只今のところ考えてないということは二十七年度には考えてないという意味ですか。
  27. 矢田部章

    参考人矢田部章君) さようでございます。
  28. 平岡市三

    ○平岡市三君 只今二十七年度資金供給の金額二百八十億の計画の概略のお話を聞きましたが、これは例えば自家発電なら自家発電というようなことのその金額でございますが、こういうものは通産省或いは運輸省のようなものと御協議になつて、或いは連絡をとつておやりになつたかどうかということを聞きたいのであります。と申しますのは、去年の夏ごろでしたか、或る私鉄々道が、運輸省から各私鉄会社に対しまして君のところの資金需要はこのくらいだ、併しこのうち開発銀行のほうへこういう通知をいたしているから、そこで開発銀行へ行つて借りるように交渉をしたらどうかと、こういう通知を私鉄会社が受けまして、そうして開発銀行へ参りました、ところが我々はそういうことは存ぜない、こういう御返事だつたそうであります。そこで私は特にあなたが今二百八十億の資金計画と申しておりましたけれども、そういう事柄に対しまして各省と連絡をとつて御協議なさつているのか、その点お聞きしたいのです。
  29. 矢田部章

    参考人矢田部章君) お答え申上げます。この計画の何十億と申しますのは何も資金枠ではございません。大体開発銀行として、このぐらいは需要もあり、御需要に応じられるだろうという見込金額でございます。但しこれを見込金額を申上げまするにつきましては、勿論開発銀行といたしましては各省の御内意なり国家の御計画なりというものを承りながら運営しているわけでございます。そういう各省の御内意を聞いたものがここに現れているわけであります。
  30. 平岡市三

    ○平岡市三君 そうしますと、先年の運輸省から各私鉄会社にそういう書面を出したということも、僕はやはり開発銀行との連絡があつてそういう資金計画ができたのじやないかと、こう思うのであります。そこで私鉄会社では開発銀行へ参りまして今度ごそは金が借りられるだろう、そうすればこういう計画を立つてやれるだろうという意味で行つたのに、全然開発銀行のほうではそういうことは知らぬ存ぜぬというお答えであつたということで、融資を逃げたというように聞いておるのでありますが、そうしますと何だか皆さんがたのほうと各省との連絡が全然ないので、どうもそこを我々は不思議に思う。その点を伺います。
  31. 小林政夫

    小林政夫君 今の平岡委員に対して御答弁を願う前に、一体この融資額というものはどういう機構でどういう手続できめられるのか、その点から話して下さい。
  32. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 関連してもう一つ。どういう基準できめられるか、例えば二つ、三つ競争会社がありますね、どういう基準でABCとあるうちにAならAに貸すか、そのときの判定の基準ですね。
  33. 矢田部章

    参考人矢田部章君) お答えいたします。開発銀行資金を出しまする場合の、只今のお言葉の基準等につきましては、御承知のように政府の基本方針に順応いたしまして私どもは貸さなければならん責任があるわけでございまして、例えて申上げますれば石炭はどれだけ増産しなければならん、鉄鋼はどれだけ増産しなければならん、こういつた政府の基本の御方針というものは十二分に承わりまして、その線に沿つた融資をいたしたいと存じております。従いまして、例えば三十億、五十億ということが、予定といたしましては常に資金繰りの点、その他に鑑みまして考えておりますけれども、これが何も固定した資金枠というような意味ではございませんので、実際にそれだけの御需要があるかないか、あれば健全な真に必要な資金の御要求でありますれば、できるだけその御希望に副い得るように努力するわけでございまして決して固定した一定不変の枠ではございません。  なお私鉄の問題でいろいろございましたが、先ほど申上げましたように、我々は政府の基本の御方針に基いて運営しておるのでございまして、何の会社にどれだけを融通するとか、こういつたものは何ら承わつておらんわけでございまして、例えて申上げますれば、鉄鋼の四百五十万トンの鋼材を生産するための発電の設備というものが必要であるという、こういう政府の御方針に順応いたしましてさようなお申込がございますれば、而もその御計画が妥当であり、企業体として間違いのない、償還上支障がない、こう認めましたものにつきまして融資を御承諾申上げているような次第でございます。
  34. 平岡市三

    ○平岡市三君 そうしますと、運輸省のほうに今度はお聞き申すことにしてみますと、そうすると、要するに去年の問題のようなのは運輸省とあなたがたのほうは全然関係なくて、ただ運輸省だけが各私鉄会社に対してそういう書面を出した、あなたがたに連絡なく出した、こういうふうに了承してよろしいですか。
  35. 矢田部章

    参考人矢田部章君) 私が只今申上げましたのが幾らか誤解を生じたかと思いますが、私鉄につきましては、二十六年度政府の基本方針の中には取上げられておる業種でございまして、但し各私鉄会社に対しまして通知が参りましたことこつきましては、これは各地の現局におきまして御通知、ご連絡があつたようでございまして、本省としてはあとで御存じになつたように聞いております。二十六年度政府の基本方針の中には、私鉄も資金余裕があればできるだけ一つ融資の対象として取上げるように、こういうように基本方針には明らかにして謳つたのでございます。
  36. 小林政夫

    小林政夫君 今の政府の方針、一口に政府の方針と言うのですが、それは閣議決定によつてきまるのか、そうしてそうならば、実際そういつた内閣へ出す案としてはどういう所を経由しておりますか、機構的にもう少し具体的に説明して下さい。それとあなたのほうとの関連はどういうふうになるのか、通牒一本で行くのか。
  37. 矢田部章

    参考人矢田部章君) 政府の基本方針は閣議の決定で定まつたものと了承いたしております。その手続等につきましては、一つ大蔵省のほうで御答弁頂きたいと思います。
  38. 小林政夫

    小林政夫君 それであなたのほうに対する政府からの連絡はどこからやられますか。
  39. 福田久男

    説明員(福田久男君) 御説明申上げます。政府の方針と開発銀行でおつしやつたのは、正式の名前は産業及び交通に関する基本計画と申しまして政府資金全体につきまして、例えば開発銀行だけではありませんで、農林漁業資金融通特別会計資金等をも含めまして、政府資金融資するに当りまして、総合的に見て重要度をいろいろ勘案してどういうものが対象として選ばれるべきかということをきめたものでございます。経済安定本部が中心になりまして、各省もそれに当然関與いたしまして閣議決定を経てきめられたものでございます。大蔵省といたしましては銀行局を通じまして開発銀行のほうへその閣議決定の内容を連絡いたしておるものでございます。従いまして開発銀行だけの問題でなくて、政府資金全体を運用するに当つて取上げらるべき対象というものをその内容に盛られたものでございます。
  40. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それに関連して。その場合にこの政府資金計画に副うて融資されておるか、いないかを判定するのはどこですか、一応判断するのは、或いはそれを監査する所はですね。
  41. 福田久男

    説明員(福田久男君) 只今申上げました基本計画には金額は載つておらないので、或いは勿論個別の会社というものも上つておりません。対象としての業種というものは、業種並びに設備というような事項が載つておるのでございましてその緊要度の判断は、例えば開発銀行で申しますれば、開発銀行が自主的に開発銀行の使命から考えて、日本経済復興再建のためにいずれのほうがより重要であるかということを開発銀行自身として御判断願うということになつておるのでございます。
  42. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そこでこれは国家資金でありますから、国家資金運用するときに開発銀行が自主的に判断すると言いますけれども、これはやはり国家資金である以上何かどこか国家機関でこれを監査することをやらなければならんはずだと思うのです。そこで結局問題は国会がこれを監督しなければならん。前の復金のときには復金の性格として各官庁が監査できたわけです。むしろ各官庁の代表が入つてその資金計画なんかに参画したのですが、融資懇談会があつてこれは前からの問題です。ですから問題は二十七年度計画についても、どこへどういう会社にどれだけ貸すかという詳細については国会にやはり報告してもらいたい。二十六年度においても同様であります。それは国会にやはり提出してもらいたい。そうして我々が判断する。公正に行われておるかどうかを我々が判断するよりしようがない、今の開発銀行の機構ではそうなつておりますから。その点一つ資料を御提出願いたいと思います。
  43. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 それに関連してですが、丁度私も要求したいことだつたのですが、資料としてやはり具体的にどの会社へどれだけの金を融資したかということを我々に知らしてもらいたいと思うのですが、それを知る資料が脚々の手許に出されておりませんから御提出願いたいと思います。出ていなければ木村君がおつしやつたように知らして頂きたいと思うのです。  それからこれは復金の仕事を継承した機関でありますが、我々知り得るならば、復金の時代においてもやはり国家資本融資というものが、例えて言うならば、化学工業の面においていろいろな問題を起した昭和電工なら昭和電工というものに対してこれだけの融資がされたということと同じように、ほかのいろいろな石炭生産についてはどこの公団、会社にこれだけの金を融資しているということの極めて詳細な、具体的な表のようなものを一つ我々に御提出願いたい。私今お願いしたいと思つていたので、丁度木村君が言われたのですがお取計らい願いたい。
  44. 福田久男

    説明員(福田久男君) 御承知のように、復興金融公庫時代におきましては、個々の融資につきまして復興金融審議会というものがございまして、それには勿論役所関係も入り、又産業界も入りまして、大きな方針なり、或いは個々の案件についてその審議会で決定されておつたのでありますが、いろいろと責任の所在がはつきりしなくなるというようなこともございましたし、いろいろ弊害を伴う面も少くなかつたので、開発銀行法ができます際にはその仕組を改めて責任の所在を明らかにする、開発銀行の当局においてはつきり責任を持つような姿に御承知のように変えたわけであります。それだからといつて開発銀行業務について、手放しと申しますと語弊がありますが、何ら監督していないという意味ではなくして、開発銀行法にはその法律の中で検査権その他の監督権が大蔵大臣にあるわけでございまして、それによつて行政上所要の監督をなし得ることになつているのでございます。従いまして直接の監督は主務大臣の大蔵大臣が監督するということで御了承願いたいと思うのであります。  なお融資内容について資料の要求がありましたのでございますが、この点につきましては後ほど相談いたしまして御返事申上げたいと思います。
  45. 東隆

    理事東隆君) 木村君と吉川君、(必ず出して下さい。」と呼ぶ者あり)それでいいですか。
  46. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 必ず出すように委員長から御要求を願いたい。
  47. 東隆

    理事東隆君) 今の要求は大蔵省を通して出しますか。
  48. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 どちらでも。
  49. 東隆

    理事東隆君) それでは委員長から言いますが、今の資料一つ……。
  50. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 只今説明がありましたが、復金時代と違つて今回は開発銀行で責任がとり得るような制度にしたと言いますけれども、前にも問題になりましたように、総裁は総理大臣の任命であつて、我々は国会の承認を要求したのです。ところが国会の承認を要さないようなことになつておりまして、従つて国会に対する責任の関係が明確でないのです。国家資金を使いながら、これは総裁が国会の承認を得るということになればそこで明確になつて来るのですけれども、そうでなかつたものですから我々はいつでもこの点、復金の前の例もありますし、特に国民には疑惑の眼を持たれる性格の機関でありますから、これはむしろ明瞭に、相談するとか何とかいう問題ではないと思うのです、それをここではつきりと、そうすれば我々が判定しますから、公正にやつているかどうかを……、それを是非はつきりとお答え願いたいのです。委員長からも一つお願いいたします。
  51. 東隆

    理事東隆君) 委員長から申上げますが、只今の木村、吉川両氏から要請の資料審議の上に大変必要だと思いますので提出を願います。
  52. 岩間正男

    ○岩間正男君 確認していいですか、今の、出せるか出せないか。出せないならその理由をはつきり……。
  53. 東隆

    理事東隆君) お答えを願います。
  54. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 これは復金時代には詳細に資料を出されております、復金時代には。そういう前例があるのですから。
  55. 福田久男

    説明員(福田久男君) まあ帰りまして御相談して申しますが、様式或いは内容等については後刻御相談いたしました上で所要の資料を提出するようにいたします。
  56. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 その人は政府委員か、説明員か。
  57. 福田久男

    説明員(福田久男君) 説明員でございます。(「君がそんなことを言う権利はないぞ」と呼ぶ者あり)
  58. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 資料を出せんという馬鹿なことがあるか。
  59. 東隆

    理事東隆君) それでは説明員の答弁以外に、銀行局から見えておりませんし……。(「説明員じやそれだけの資格がない」と呼ぶ者あり)  それでは今福田君は説明員でありますから穏当でないと思いますので取消したいとの申出がありましたが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 東隆

    理事東隆君) 御異議がないようですから今の説明員の言葉は取消します。  只今大蔵省関係として見えておりませんので、この問題は後刻委員長から関係方面に十分申入をいたすことにいたします。
  61. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 先ほど来御説明の中で、一月十六日現在で復金の実体を引継いだというお話でございますが、今の資料に関連をいたしますけれども、復金時代に或いは一部復金で融資せられました貸付金が回牧が不十分でありまして故意か惡意か定期に返済せられないで、途中で次の貸出をするために漸次返されつつあるといつたような状態等もございましたが、引継の場合にこれらの点は十分済んで引継がれましたのか。その点等について一つ伺いたいと思います。
  62. 矢田部章

    参考人矢田部章君) 只今のお答え申上げますが、復金の引継につきましては引継前から復金におかれましてもいろいろ書類その他の引継に必要なる準備相当長時間に亘りましてなさいました。これを一々債権債務を照合いたしまして引継いだわけでございます。但し融資の償還、いわゆる滯りとかそういつたものもあるわけでございまするが、この的確な数字をつかみますことは実際問題といたしまして東京の本所における貸出以外に支所並びに代理店等に非常にたくさんの店舗に分れております。引継以来鋭意これが実体の把握と申しますか、に努めまして適切なる処置をとりたいと思つております。従いまして引継の一月十六日におきましては、必ずしも滯りがどれだけあるとかいうようなことまでは把握できない面もあるわけでございます。併し債権がこれだけある、債務がこれだけある、こういうことにつきましては、はつきり確認いたしまして引継いだわけでございます。
  63. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 今の御答弁で債権債務ははつきりしておるけれども、法定のと申しますか、規定の債務返済が行われておるかどうかということはわからんままに引継がれたと、こういう点がまあ明らかになつたと考えるのであります。  なおこれに関連しまして一点だけお尋ねを申上げておきたいと思うのですが、それは一昨年の炭鉱のストがございました。そのときにこれはストライキがストツプを命ぜられて、そして政府の職権調停に付せられた、その具体的な解決の一つの足がかりとして炭住融資についてその債務期限或いは利子等について考慮しそれを近いうちに発表し得るんだと、こういうことが参議院の本会議で大蔵大臣から言明をされたのでありますが、その問題がその後もくすぶつておりそれから現に問題があるように考えておるのでありますが、これらの問題について復金の業務を引継がれました開発銀行でどの程度に関知しておられますのか、或いは現在の方針と申しますか、そういうものを若しございましたらば承わりたいと思います。
  64. 矢田部章

    参考人矢田部章君) 炭住融資に対しまする回收につきましては、目下業界のほう、官庁、政府におきましても鋭意御研究になつておるように漏れ承わつております。私どもといたしましても相当金額に上つておる貸金でございますが、できるだけ円滑なる回收を図りたいと存じまして私どもといたしましても目下これが対策について研究をいたしておる次第でございます。
  65. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 復金はもう清算会社ですか、清算過程に入つておるですね、その復金の跡仕末の結果ですか、そういうものがまあ清算過程に入つておると思うのです、復金としては。そういうものを発表願えませんか、報告なり、途中なら途中でもいいんです。
  66. 矢田部章

    参考人矢田部章君) 只今の御質問の御趣旨ではちよつとわかりかねるのでございますが、復金は清算過程には入つておりませんので、一月十六日に完全に開発銀行法律の規定によりまして吸收して消滅してしまつております。
  67. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それじや引継ぐときの復金の状況ですね、さつき吉田さんから要求があつたそれをですね、例えばもうどうしても取れないものもあるかも知れん、不良債権というものがどのくらいあるとか、どういうところでこれはどうしても取れないものかどうかというようなことを。
  68. 矢田部章

    参考人矢田部章君) 復金の引継時の債権債務数字につきましては先ほど御説明申上げました、その引継ぎました資産の七百八十数億のうちにどれだけの真に回收不能になるものがあるであろうかということのお尋ねであろうと思います。それにつきましては先ほどもちよつとお答え申上げましたように、非常に全国に亘りまして本店、支所、代理店、代理店も非常にたくさんな代理店がございますので、これに一々実際に当りまして検討いたしませんと正確な数字は勿論つかみにくいのでございます。只今鋭意その実際的な数字をつかもうと思つて努力いたしておりますのです。個々のケースにつきまして、私どもが日常業務をやつて行きます感じから申上げますると、千三、四百億の融資をやつておつたわけでございますが、それに比較いたしまして回收不能になる金額というものは意外に小さいものではないだろうか、かように考えております。と申しますのは担保その他もございますし、なるほど滯りはいたしておりますけれども少し回牧の方法に余裕をつけますると申しますか、長い目で見ると、こういうふうにいたしますれば案外損失になるものは少いのではないだろうか、かように考えている次第でございます。
  69. 東隆

    理事東隆君) 御質疑がありませんか。……ないようですから、それでは開発銀行資料については委員長のほうから要求をすることにいたします。この関係はこれで打切りまして、次の……。
  70. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 私先ほど申上げたのですが、丁度今問題になつておりました復金の個々のケースについての貸付金額と、それから貸付けた先というものについては、木村君のお話によりますと以前国会で発表されたものがあるそうでありますが、それは重複しても結構ですが、これはこの際参考にいたしたいと思いますから、以前のものがあるのだから出して頂きたいと思います。それから今特に問題になつております開発銀行が復金の仕事を継承されたときの総額についてでなくして、やはり個々のケースについてどこの会社へどれだけ融資して、それがまだ未回收にこれだけなつているというようなことが極めて重要なことだと思いますので、これを具体的に明細に知ることができるような資料を、先ほど私の要求の中に含まれているわけなんですが、もう一度再燃しましてその点明らかにして頂きたいと思います。それは従来とも、やはり昔のことですが、例えば大蔵省の預金部の金なんかをやはり民間のいろいろな事業会社融資しておつたのが、大体杜撰なるところの予算によつて相当内閣を通じてやはり政治力によつて怪しげな会社融資されて焦げつきになつているようなものが相当あるということが随分今までにも報道せられているのでありますから、それと同じようなことがあつてはこれはよくないと思いますので、若しありましたならばそういうことを我々は明確に知つておく必要があるのでありますから、私の今申しましたようなことを十分考えの中において頂いて私の要求を満してくれるような明細な、具体的な個々のケースについての資料をどうぞ出して頂きます。もう一度委員長から私のさつきの要求はそういうものだということを御確認おきを願いたい。
  71. 東隆

    理事東隆君) 只今吉川君からのお話は、最初に申上げましたように回收、貸付並びにそれの回收状況、そういうようなものの詳細を一つ資料として提出するように要求をいたします。
  72. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 委員長が皆さんに代りまして出してもらいますその資料は何と何か、もう一遍はつきりおつしや  つて下さい。
  73. 東隆

    理事東隆君) 要求をしておる資料は木村君と、それから吉川君のほうからお話がありました中身でありまして、主として貸付先、それからその後におけるそれの回收状況中心でありまして、それを詳細に、できるだけ明瞭にした資料、こういうことなんであります。
  74. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 それだけなんですか、それでは私も。それと同時にこの貸付先としては、私は特に申上げたいのは、復金から開発銀行に受継いだとき以後において貸付けた先とどういう條件で貸付けているかという内容を付加えて頂くことが一つと、特に今回の予算関係して私が希望いたしますのは、二百八十億という国家資金でございますので、開発銀行と言つて名前は銀行にはなつておりますけれども、これは政府の方針に従つて出しますのですから、一銭一厘に至るまでやはり議会で出してよいものか悪いものかを審議いたして、そうしてその銀行さんのほうでただ事務をとつてもらう性質のものだろうと思いますので、来年度においてこの二百八十億の金というものは何に使おうとなさつているのか、それを一銭一厘まで政府の具体的な案を出してもらいたい。予算案と共にこれを出してもらいたいので、これが肝腎だと思うのです。それが一つ、もう一つは、この開発銀行に受継いで以後貸出した金の使い途につきましてこの予算委員会から、辛辣ですけれども視察に行く必要があると思う。なぜならば二、三年前に私は決算委員をいたしておりましたときに、復金の金を随分貸しましたけれども、あとになつて調べに参つてみますると、工場を修理するんだと言つて大金を、借りたり或いは塩田を作るんだと言つて金を借りておりながら、実際視察に行つてみますと塩田を作つていないでぺんぺん草がぼうぼうと生えている。工場修築と言つても嘘で燒け出されたままで金はどこに行つてしまつたかわからない状態でありますので、いよいよ開発銀行に受継がれて以後貸した金の用途が初め言つた用途に使われておるかということは、国民の税の番人をしなければならない予算委員としては是非視察に参る必要があると思いますので、是非附加えておきたいと思います。
  75. 東隆

    理事東隆君) 深川さんの要求されているのは、復金が開発銀行なつてから以後におけるものについてもはつきりせよと、こういう御要求のようでありますが、勿論それも必要なんでありますから、併せて要求をすることにいたします。それから銀行のいろいろな貸付先、その他についての視察その他、これは理事会の際にそのことを相談をして、そしてお答えをすることにいたしたいと思います。もう一度委員長のほうから要求をする事項を申上げます。一つ開発銀行創立後における貸付先明細表、二十七年度貸付計画、これですね。それから二番目は、復金の引継当時における貸付先及び回收状況の一覽表、こういうことになると思いますから。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕   —————————————
  76. 東隆

    理事東隆君) それでは日程の一番先の資金運用資金関係、これについて政府から説明を求めます。説明員として銀行局資金運用課長の高橋君が来ておりますから高橋君から説明をして頂きます。
  77. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) 二十七年度資金運用部の資金運用計画につきまして簡單に御説明申上げたいと思います。  資金運用部の資金は、御承知のように、歳入歳出としては取扱いませんで、特別会計においては利益及び経費、つまり利子、利子收入等の收入金と、それから利子支拂等の経費等を掲げておりまして、資金については歳入歳出外として取扱つております。その歳入歳出外であるところの資金運用と、これに見合うところの資金の收入について御説明申上げます。  先ず原資の面から申上げますると、昭和二十七年度におきましては、本年度見込よりは相当上廻つた收入の見込を立てております。郵便貯金は六百二十億円ほど予定いたしておりまするが、今年度は第三四半期までですと非常に調子が悪くて、四百二十億円くらいしか見込んでおりませんでしたが、最近の見込では先ず四百六十億円は可能であろうと思つております。それに対しまして明年度は一般の国民の税引所得の増加を考慮いたしまして、又明年度から相当強力に展開いたしまするところの貯蓄増強運動の成果をも考えまして六百二十億円と予定いたしております。それから簡易保險につきましても今年度見込は二百七十億円でありまするが、二十七年度においてはこれを約百億円上廻るところの三百七十億円の増加を予定いたしております。次に厚生保險でありまするが、これは本年度は百五十億或いは場合によつては百六十億と考えられるのでありまするが、明年度はこれを二百億円と見積つている次第でございます。この三つが資金運用部のネツトの資金、純粋の資金の増加というものの中の最も主要なものでございます。そのほかにも資金運用部は他の特別会計等からの預託金を受入れることになつておりまするが、それにつきましては明年度といたしましては、特別会計等からの預託金の増加、これは非常に見積りが困難でございまするが、百五十億円ほどとりまして、他に一般会計の金から生ずるところの国庫の余裕金の預託を百六十五億円予定いたしまして、これを合わせまして三百十五億円見積つております。従いまして預託金の増加といたしましては千五百五億円ということになりますが、別途資金といたしまして貯蓄債券を今国会に御審議願いまして、その法律の通過を見越しまして、一応六十億円の資金をそれによつて獲得し得るものと予定いたしております。これのほかに運用金の回收がございましてその回收の総額は百十五億円と見積られるのでありまするが、その内訳といたしましては、国債の償還期の到来するもの四十五億円、それから地方債等、と申しますのは、地方債のほかに相当古い資産で回牧になるものが二、三億円ございまするが、地方債の回收の中には今年度ルース台風関係で繋ぎ融資といたしましたもので、明年度国庫の補助金によつて償還せられるものも約三十億円入つております。それらがすべてで七十億円になります。かようにいたしますると、この預託金の増加、貯曹債券の收入金、それから運用金の回收を合しまして千六百八十億円になるのでございまするが、今年度から二十七年度に繰越すところの資金が五百十億円と予定せられておりまするので、これらを合せまして二千百九十億円に達するのでございます。  而して運用資金に見合うところの運用におきましては先ず特別会計に対する貸付金、これは国債又は貸付金として予算でもそう挙げておりますけれども、先ずこれは貸付金の形で出資されるだろうと思うのでございますがそれが二百六十五億円でございます。その内訳は電通特別会計に対するものが百三十五億円、郵政特別会計に対するもの五億円、農林漁業特別会計に百十億円、なおこれは名称は恐らく特定道路整備事業特別会計ということになろうと思いますが、俗にいうところの改良道路のための特別会計に対しまして十五億円、こういうことになつております。それから政府関係機関といたしまして二百三十億円を予定しておりますが、その内訳は国鉄百十億円、住宅金融公庫百億円、国民金融公庫二十億円となつております。ここに至るまではすべて相手かたの特別会計なり、或いは政府関係機関における予算と結び付いておるわけでございまして、それぞれのほうでも十分御審議を頂くわけでございまするが、これは予算ではございませんが、まあ一応予算と結び付いたという意味でその裏打ちをなしておる次第でございます。次は地方債につきましては六百五十億円を予定いたしておりまするが、本年度の地方債は五百四十七億円でありまして百億円余りの増加となつております。次には帝都高速度交通営団、これは継続的な事業でございますので途中でやめるというわけには行きませんので、今年度八億円融通いたしましたのに続きまして、明年度十億円を融通する予定といたしております。それからなお電力開発関係は先ほど貯蓄債券のところで申上げましたが、貯蓄債券六十億円を発行いたしまして、その六十億円に相当額を予定いたされまするところの電力開発のための特殊会社、それを対象に考えているのでありまするが、未だにその会社の法案が固まりませんが、一応抽象的に電力開発資金ということで六十億円を計上いたしております。それから別途国債を買入れるために三百億円を掲げておるのでありまするが、これは見返資金運用と非常に関係がございまして、この国債三百億円は見返資金のほうの特別会計から買入れる予定にしておるのでありますが、見返資金明年度の歳入額は僅かに百三十五億円でございまして、運用のほうでは六百億円を予定しておるということであります。その場合にこの資金の調達をするためには見返資金が保有いたしておりますところの国債を売却する必要が生じたのでありまして、それをまあ日銀に売るか、或いは資金運用部に売るかという点が最後まで問題であつたのでありますが、今までの財政の均衡をそのまま意地するという建前から、これを国庫内の資金操作によつて賄うことといたしまして、資金運用部において見返資金の三百億円を買入れて、その代り金を供給する、かような形にいたしたのであります。かような関係もありまして、金融債に対する運用は一応この場合運用としては困るということに相成つておりまして、実質的な運用の総額は千五百十五億円であります。翌年度に対する繰越金は六百七十五億円、かような次第であります。
  78. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 これは知つておらなければならんことをよく熟知しないのでお尋ねするのですが、帝都高速度交通営団というのですね。これはたしか戰時中の東京都内のいろいろな施設なんかを統一して、こういうものを作つて東京都も何か関係しておつたかと思いますが、これはどういう構成になつておるのですか、それを御説明願いたい。
  79. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) 帝都高速度交通営団は昨年資金運用資金法が作られますのと並行いたしまして一部法律を改正いたしました。それによりますと、それまでは東京都に入つておるところの私鉄が一部の株式を、株式といいますか、出資といいますか、持つてつたのでございますが、その状態でありますると特別法に基くところの方針ではありますが、官民の合同というような形になつて、その資金運用資金からは貸せない。資金運用資金法によれば、いやしくも民間の出資があるものには融通ができないということになりますので、それと見合せるためにこれらの出資金は比較的少額でございまして、それをできるだけ速かに買入れ償還をする、株式を償却するわけでございますが、出資金を償却してしまつて残るのは国有鉄道と東京都だけが出資者として残る。かようなふうな性格に改正いたしたのであります。現在そういうふうに進んでおるものと了解しております。
  80. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 そうすると今の御説明によつてですね、帝都高速度交通営団というのは国鉄と、それから東京都電、並びに東京都の都営バスというようなものだけによつて構成されておるものなんですか、私鉄、地下鉄等は加えていないわけですね。
  81. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) 現に東京の下を走つている地下鉄がそうなんでございますが、これは東京都と国鉄と、これだけが出資者でございます。ですから民間の出資は昨年はございましたけれども、これをできるだけ速かに、果して現在もうなくなつてしまつたのかどうかわかりませんが、必ずなくしてしまわなければならんように制約されております。
  82. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 何かそれをもう少し具体的に的確に知ることができるような資料は何を読んだらわかりますか。
  83. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) 帝都高速度営団に関する法律がございます。昨年三月に修正されております。
  84. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 その法律に伴うところの具体的な事実を知るような資料のようなものがあつたら……。
  85. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) 提出いたします。
  86. 左藤義詮

    左藤義詮君 只今帝都高速度の十億のお話があつたのですが、それと匹敵するものとして大阪市が直営をしております地下鉄に対して地方債六百五十億とありましたが、どのくらい予定をしておられますか。
  87. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) 大阪の地下鉄はこれを大阪市の経営でございますが、只今つておりますのが余り長いものでございませんので、できるだけ速かにこれを完成させるに足るような資金融通をするつもりでございます。本年度も必要額だけは融通いたしまして一駅だけは完成しております。一明年度も必要な額だけは供給するつもりでございます。
  88. 左藤義詮

    左藤義詮君 必要ということの解釈によるのですが、只今計画しておりまする分に対するものは、この帝都高速度と同じような意味において明年度においては十分に考慮しておられる、かように了解してよろしいのでございますか。
  89. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) さようでございます。
  90. 左藤義詮

    左藤義詮君 それから只今の御説明の中に簡易保險三百七十億とありましたのですが、これは簡易保險の限度をどれくらいにしてこれだけの成績を挙げられるおつもりですか。
  91. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) 簡易保險の増加見込につきましては、実際のところはその限度の引上げというものを必ずしも前提として予定したものではございません。併しながら、勿論限度の引上げによつてこの三百七十億の目標の達成が相当容易になるという点は確かでございましよう。併し、当初この計画を組む際に何万円であればこの程度行くというような見積りをしたのではなく、別途只今までの保有契約状況と本年度末までの契約の増加見込、それらを基準とし、更にそれらの既契約明年度中にどの程度解約になるかということを考えまして、それから又明年度において新たに獲得するところの契約から、どれだけの保險料收入があるかということを積上げた上で、一面から検討いたしましたし、又過去におけるいわゆる国民貯蓄の中を分析いたしまして国民所得に対する割合がどうであつたか、この二、三年の増加の割合がどうであつたかという点を検討しております。特にこの最近の三カ年程度をとつてみますと、昭和二十四年度は八十九億の増加でありましたが、二十五年度には百八十億、それから本年度には二百七十億というふうに、その初めのスタートが戰争後のインフレのために非常に低かつたという特殊の事情はございますが、毎年大幅に九十億乃至百億というような割合で増加しております。そういう点を考慮いたしまして三百七十億円が可能であろう、この推計をいたしております。
  92. 左藤義詮

    左藤義詮君 さようでありますと、現在の五万円の限度で三百七十億は可能であると、こういうお見通しを持つていると了解してよろしいのでございますか。
  93. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) 非常に困難はあるが、一応の目標としてその程度を立てるのが妥当ではないか、こういうことでございまして、それが限度引上げのある場合と、ない場合とでは、その目標達成に難易の差が相当あるということは事実でございます。
  94. 左藤義詮

    左藤義詮君 そうすると限度が若し仮に十万が八万になりますれば、これが相当殖えるということもお認めになつているのですか。もう全然そういうことには、限度が殖える殖えんにはかかわらないで、これだけの收入が確保できる、限度を上げたからといつて、殖えるものではないというふうにお考えなつておるのですか。
  95. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) これらの点は、現在の募集がどのような方法で行われているかということも考えてみなければなりませんので、例えばときどき民営の保險のほうから実際問題として指摘されますように、五万円の限度を無視しているという事例が絶無ではございません。でありますから限度が低くければ相当いろいろな無理が行われるということはございましよう。ですから私たちとしては、国民の税金を拂つた残りの所得の中から生活費を支弁して、更にその残るもののうちから貯蓄が行われるという考えから行きますると、明年度の所得の大きさとも、こういう保險に拂込まれるものが関係するわけでございますから、限度の引上げが直ちに俣險料の收入の増加になつて現われるかどうかについては、まだ確信を持つてお答えはできないのであります。
  96. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この翌年度への繰越です、これが二十六年度の場合よりも又相当多くなつているのです。六百七十五億です。これはどうしてこんなに多くしておくのか、これはどういう形で保有されておるのか、この点ちよつと……。
  97. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) 今年度から来年度への繰越が五百十億円で、更に二十七年度から二十八年度への繰越が百六十五億円、それよりも増加することになつておりますのは、これは見返資金運用とやはり関係がございまして、見返資金のほうは先ほどちよつと申上げましたが、百三十五億円の收入に対しまして六百億円の支出をする。従つて四百六十五億円の、その面で言いますと撒布超過になる。そのうち三百億円だけは見返の持つておる国債資金運用部が肩代りすることによつて補えるわけでございますが、残りの百六十五億円は、見返のほうで繰越金が二百六十五億円から百億円に減るのでございます、両方の計算をいたしますと繰越金は変りない、かようなことになつております。
  98. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この預金の、郵便貯金の伸びですね、伸びが六百二十億というのは大体ぎりぎりのところが、これ以上伸びる見通しがあるかどうか。
  99. 小林政夫

    小林政夫君 そのことをちよつと聞こうと思つたので関連して……、今度郵便貯金の利率を上げましたね、これは上げる前の見込なのかどうか。
  100. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) これははつきり申上げますが、これは上げるということを前提にして予定した数字でございます。なお郵便貯金について、私のところで一つの参考としてどの程度のものであるかということをお知らせ申上げる資料があるのでございますが、郵便貯金と国民所得の中のいわゆる可処分所得との関係でございます。これは昭和九—十一年の平均をとりますると、国民所得の中から税を引きましたものの丁度一・六%が郵便貯金の増加額ということになつております。それで最近の実績では、昭和二十三年度におきましてはその割合が一・六四%、それから二十四年度には一・八三%で参つたのでございます。こういう割合は勿論これは異常な場合をとるわけには行きませんですが、昭和十五年のごときは八%まで行つたこともある。非常に大きな開きがあるのでございますが、二十五年度と二十六年度は少し下つております。二十五年度が一・一五%で二十六年度は一・三四%でございます。これを二十七年度の安本で見積りました可処分所得の六百二十億の場合に適用いたしますと一・五五%になります。従つて私たちの希望から申しますれば九、十、十一年の平均の程度であるところの一・六%、そういうところまでは行き得るのではないかという感じは持つておるのでございますが、併し現実に貯金を奨励しておる立場のかたの御意見を承わりますると、六百二十億でも非常な困難が予想される、こういうことでございますので私どもといたしましては今はこれ以上は望まないし、望めないのではないかというふうに考えておる次第でございます。
  101. 高良とみ

    高良とみ君 今の郵便貯金は、利子が上るつもりで計算しておありになるというのですが、そうすると、その次の簡易生命保險の利子もやはり上ることを予測して計算してあるわけですか。その点、さつき左藤委員からありましたけれどももう一遍ちよつと伺いたい。
  102. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) お答えいたします。簡易保險の限度の引上げは、五万円から八万円というのが政府の案でございます。成るほどこれは六割の引上げではございますけれども、それが先ほど申上げましたように必ず五割、六割に相当するものがすぐに響くかどうかという点については、私たちとしては自信が持ち得ない。ただ三百七十億というものが若しもつと低いものでございましたならば、それは考えに織込んだわけでございまするが、初めから成るほど百億円くらいずつこの三カ年は上廻つて来ておる、そういう点からいえばできそうではありますけれども、一方民間の生命保險のほうを全然見殺しにして殖やすというわけにも参りません。そこで資金需要の面からこの三百七十億を目標にしなければならんということは相当以前から考えておつたのでございますが、一方郵便貯金のほうは、若し金利の引上げができずに又限度の引上げもできなかつたならば、六百二十億円は到底不可能だろう、そういうことを言つてつたのでございます。而して郵便貯金の場合の今度の改正は相当條件がよくなる、簡易保險が五万円から八万円になるというようなものから比べて見ましても、非常に差がある。今までの限度が三万円しか一人当り認めない、それを十万円に引上げる、利子のほうは通常の二分七厘六毛を三分六厘九毛にする、こういうふうにかなり大幅な引上げになつておる。これははつきり、貯金者の側に影響があるものと思いまして、かような考え方をしたのであります。
  103. 高良とみ

    高良とみ君 その生命保險のほうも政府案のような八万円まで上げるということならば了承できるのでありますが、一挙に十万円、十五万円までに上げるというようなことになりますと、そこに先ほどお話のあつた郵便貯金においても相当無理なことではないかというお話もあるのでありまして、同じことがやはり簡易保險の勧誘の面に聴いて行われるのではないかということを我々考えるのです。申すまでもなく預金部資金は零細な国民の貯蓄を奨励し、或いは生命保險から上るものでありますから、この点においてよほど政策としても民間に無理をしないようにやりませんと、利子を上げることはいいとしましても、その点で官業専横というような傾向が強くなりはしないかということを憂うるものであります。従つて、諸外国の状況を見ますると、勿論民間事業に全部が下つてつてあるのでありますが、民主主義が逆になつて官業が……、簡單に言えば郵政従業員というものが貯金を奨励する、簡易保險も奨励する、それは民間の事業を圧迫してもそれをやるということになりますと、全く官業に依存して行くような傾向になりはしないか。そうでなくてさえも相当官尊民卑の思想が強いのでありまするから、その点についてこの二つの預金部資金のその点が非常に疑わしく思われるのでありますが、その点十分な考慮が行われているかどうかということを聞きたい。更に従つて、零細な民間人の預貯金でありまするから、こういうものの用途が本当の公共事業を進めるために使われていることを国民は自覚もしておりまするし、その点においてよほど民主的な限度の引上げ及び預金募集の仕方をしませんと、これはまあ郵政問題でありましようけれども、大きな予算がここに出ているということに対して不安を感ずるものでありますから、この二つの点をお伺いいたします。
  104. 東隆

    理事東隆君) 高良さんに申上げますが、高橋さんは説明員ですから……。
  105. 高良とみ

    高良とみ君 併し一応の予算の基礎を……。
  106. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) 先ほど郵便貯金については国民所得との関係を一応御説明申上げました。只今昭和二十七年度の状態が直ちに戰前の基準年度である九、十、十一年度に比較し得るような程度に国民の経済が復活するとは私も考えませんが、まあ目標は、貯蓄その他のそういう面では、資本蓄積の目標としてはその辺まで漕ぎ着けたいものと、こういうふうに考えております。そういたしました場合に、先ほど郵便貯金について申上げましたけれども、九、十、十一年度において可処分所得の分の一・六%を基にいたしまして、来年度の六百二十億は一・五五%を見ているに過ぎません。なお簡易保險について見ますると、昭和九、十、十一年度の平均におきましては郵便貯金との比較で申訳ないのでありますが、郵便貯金との比較の増加額につきまして簡保、年金合せますと、八四・八%という数字なつております。郵便貯金の増加額がその当時は一億八千四百万円でございました。それに対して簡保、年金の増加額が一億六千六百万円、これが二十七年度の場合には丁度郵便貯金の約六〇%に当るわけでございます。でありまするからして、基準年度の時代における簡保、年金の増加額の割合までは来年度必ずしも見ておるわけではない。ただこの場合に考慮しなければなりませんのは、成るほど、簡保、年金の国民の所得に対する割合は下つておりますが、それよりもなお民営保險のほうが甚だしく下つておるという実情でございます。民営保險の下り方のほうがより甚だしいということは事実でございます。併し民営保險の募集がうまく行かないということについては、まだいろいろの面も、ほかの原因も考えてみなければなりませんし、それが悪いから、悪いほうで歩調を揃えて目標を減らすということに行かずに、来年度資本蓄積の一環として簡保にもこの程度の目標を持つということは、必ずしも不当ではないのではないかというふうに考えております。
  107. 松永義雄

    ○松永義雄君 昨年、簡易保險料が資金運用部に併合されたときに問題になつたのですが、簡易保險料の地方還元というものはどういう状態になつておるか。又来年度計画においても若しおわかりになつたら……。
  108. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) 地方還元と申しましても、まあ広い意味と狭い意味がございましようが、私どもといたしましては、これを日本国中の零細な所得者層から集めた郵便貯金や簡易保險料については、やはり地方生活の向上、或いは地方産業の発達等に相当重きを置いて運用すべきである、こういう原則を有するものと了解しておるのでありますが、その点では最も端的には地方債の引受ということで、この地方還元が行われているものであります。それが今年度におきましては五百四十七億でございました。来年度予定といたしましては六百五十億でございまして、総運用額に占める割合も相当大きいのでございます。そのほかに、これは直接ではございませんが、住宅資金の供給とか、或いは農林漁業関係資金、住宅には来年百億、農林漁業には百十億ということを予想しておりますが、これらも相当末端において日本国中に分散して隅々まで運用させるという趣旨のものでございますから、中央の相当大きな産業のみに集中するということはございません。こういう意味でやはりこれも地方還元に出て来るのじやないかと思います。相当大幅にやつておるわけであります。
  109. 松永義雄

    ○松永義雄君 その運用につきまして郵政省と言いますか、郵便局と相談してなさつておるという建前になつておるのですか。
  110. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) これは資金運用資金運用審議会というものを設けて、そこに大蔵大臣が諮問した上で運用する、こういうようなことになつておりまして、その委員会には郵政大臣が副会長になつております。それから郵政次官が委員に入つております。そこで協議が行われておると了解してよろしいと思います。
  111. 松永義雄

    ○松永義雄君 保險契約件数を殖やすためにも地方還元をすると非常に都合がいいということが、当時力説されておつたのですが、そういう点は考慮されておられるのでしようか。
  112. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) 先ほど申上げました地方還元の言葉を非常に狭くとりますと、この貸付をする場合に、保險に余計入つたもの、或いは貯金を多くした地域に対して多く貸出すというふうなことも言われるのであります。これは非常に狭い意味の還元たと思いますが、そういうふうなことを非常に強くやりますことは、一面において害がある場合もございますし、又それでありますると、折角零細な資金をプールして相当効果のある仕事をするというのに差支えが起る場合がございますので、余り狹い意味での還元ということには重点は置いておりません。ただ例えば非常に同じような條件で小学校などを復旧いたします場合に、同じような條件であつて、いずれをとつてもいいかという場合でありましたら、貯蓄のほうに協力をしてくれているほうにやる、かような措置は相当徹底してやつておりまするが、貯蓄の高に応じて貸付をするということでは、日本のような非常に天然資源やその他の條件で地方的に差異のあるところの欠陷を補うということがむずかしくなりますので、そういう点は余り害にならない程度にしか使えないと考えております。
  113. 松永義雄

    ○松永義雄君 もう一点伺いますが、この二十六年度になりますか、二十五年度になりますか、その当時郵政省が運用しておつた科目と言いますか、学校なら学校、そういう方面に支出した金額と、二十七年度計画、それはどういうふうな数字になるか、どういう状態になるか、若し資料があつたら提出して頂きたいのです。
  114. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) 御質問の御趣旨ですが、郵政省が運用しておつたのは終戰後にはないのでございます。郵政省の運用は終戰後はいたしておりません。
  115. 松永義雄

    ○松永義雄君 簡易保險料は今までどこが運用しておりましたか。
  116. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) 終戰後は專ら預金部でやつておりまして、昨年度資金運用部ができましてから、資金運用部でやつております。
  117. 松永義雄

    ○松永義雄君 その当時無論郵政省とは相談してはやつていたのでしよう。
  118. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) やはり預金部時代におきましても預金部資金運用審議会がございました。その審議会に諮問した上で運用しておりました。
  119. 松永義雄

    ○松永義雄君 私の聞きたいのは、二十五年度に地方還元をしておつたですね、それが二十七年度にどういう変化を生じて来るかということを聞きたいのです。簡易保險料の集積したものが……。
  120. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) 資金運用資金は、その源におきましてはいろいろ分れておりますが、これを運用いたします際には資金運用資金として、一体として把握いたしまして運用しておりまして簡易保險の金がどこに使われたというふうには離れてできないようになつておるのでございますが、ただ地方還元、主として地方債を通ずるところの地方還元がこの二、三カ年度においてどのような金額で行われて来たか、こういう資料でございましたら御提出をいたす用意がございます。
  121. 松永義雄

    ○松永義雄君 それで結構でございます。
  122. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 この資金運用部の資金と申しますものは、簡單に申しますと、政府が郵便貯金を資本にいたしたり、それから簡易保險とか或いは厚生保險とかというような保險事業をされまして、それから上る利益、そういうものを資本にいたしまして、その資本からできるだけたくさんの利権を挙げようとする事業、例えば郵政省へ金を貸すとか、電通省とか農林省あたりへ金を貸したとか、有料道路へ金を貸すとか、そういうふうな仕事をされまして、それから上る利益で郵便貯金の利子を拂いまして、まだそこにたくさんの利益があるから、それで国家のほうから国債償還四十五億を背負うとか何とかいうような仕事が主になつている。こういう事業なんですか、簡單に申しますと……。
  123. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) 先ほど申上げました資金運用資金は、特別会計の歳入歳出とは別個の扱いをいたしまして、予算書に歳入歳出としては挙げてはないものでございます。要するに、簡單に申しますると郵便貯金や簡易保險、或いは厚生省でおやりになつておるところの厚生保險、そういうもので年年相当多額の資金が集積されます。そのほかに国の特別会計も、例えば国有林野事業で木材の価格が上つたために売拂代金関係で非常に金が余つた。そういうようなときにはこれを資金運用部に………歳出してしまうものは別でございまするが、歳出に充てられざるところの残つた金は原則といたしまして資金運用部に、早くいえば預金の形で受入れるわけでございます。預金の形で受入れましてそれを特別会計政府機関、或いは地方公共団体に対する貸付等に運用いたします。先ほど御指摘になつ国債の四十五億と申しますものは、これは前に預金部の時代に運用いたしました国債の期限が到来いたしまして、こちらに還つて来るというものでございまして、利益があつたから逆に償還の金を負わされるのじやなく、このほうはむしろ国債整理基金特別会計から支拂われて来るものを資金として受入れる、こういうものでございます。それらの還流して来た金も又新たに運用に向け得るところの原資となる性質のものでございます。
  124. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 そういたしますと、その範囲で支出をすればよさそうな問題だのに、何故六十億の国家資金をその中に注ぎ込むのでしよう。別途にこういう資金はいろいろな事業に政府のほうから投資する途も開かれておると思いますのに……、国家資金六十億というのがございましよう。
  125. 東隆

    理事東隆君) もう一度、意味がわからないそうですから。
  126. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 六十億の国家資金をこの中に注ぎ込むという説明がありましたでしよう。
  127. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) 貯蓄債券のほうではないでしようか。
  128. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 そうですが、それではこの次にいたしましよう。高良さんは、さつき官業横暴ということをおつしやつたんですけれども高良先生は朝日生命の重役ですからでございますけれども、各別この方面のことにお詳しいのですが、ですけれども私素人考えで、郵便貯金の利子はもう少し上げてもいいのじやないかと思います。なぜならば、零細な金を持つている人が預けるのでございまして、もう少し利子を上げてもいい。ところが利子を上げますと一般の銀行家さんが怒りまして、郵便貯金が利子を上げると普通の銀行のほうに出してくれないからという言い分もあるのだろうと思いますけれども、今日の銀行家さんは正直のところ儲けておりますけれども、実際その資金を預けておる人には大して利子を付けませんで、株主の配当が多いのでございましよう。そうだとすれば、やはり銀行へ預けておる人の利子をもう少し殖やす、零細な人のほうの利子をもう少し殖やすようにしてもいい。金利の高いのはいけません。生産が衰えますから金利の高いのはいけませんけれども、一般の銀行の金利に比べまして、やはり郵便貯金のほうの利率はもう少し高くするほうがいいのであつてそれは官業横暴ではないと思うのだけれども、この点はどうなんでしよう。
  129. 東隆

    理事東隆君) 深川君に申上げますが、今の御質問は一つ政府委員が見えましたときにして頂くことにいたします。
  130. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 それでは最後にもう一つ、いろいろ資金運用部の金を官業に何か貸付けておるらしいのでございますけれども、そういうものに貸付けます場合に、どういう利率で貸しているのですか、現在は……。
  131. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) 只今のは産業資金としてつまり金融債、小さいものは帝都高速度交通営団等を指すと考えますが、金融債は、この法律上條件がきまつておりまして民間の資金で金融債を消化する場合の條件と同じ條件でなければならないということになつておりますので、只今では利付きの金融債しか引受けておりませんが、これは期限三年、例外として五年のものがございましたが、三年で年利率八分五厘ということになつております。それから帝都高速度交通営団の場合、交通債券の形でやるものが約半分、それから貸付金の形でやるものが半分でございますが、債券の場合もやはり市中での條件と同一條件によるとありまするから、利廻りとしては約九分程度になるのでございます。それから貸付金の場合は特に考慮いたしまして八分五厘で貸付けております。
  132. 東隆

    理事東隆君) 皆さんに申上げますが、大分御質問があるようですが、今日の日程の中で、見返資金関係を実は終りたいと、こう思つたのでありますが、四時からこの部屋を使うことになつているように聞いております。それで見返資金説明だけ聽取を先にいたしたいと思いますが……。
  133. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 一つだけ資料の提出を願つて……。先ほど向うからお話がございましたが、私、厚生保險自身の、何と申しますか、收支と申しますか、二十七年度二百億となつておりますが、それを頂きたいのです。というのはこういう意味なんです。これは厚生年金というのは、労働者から皆集めているのです。ところが労働者から集めて又還元の問題になりますけれども、どれだけとにかく労働者というか地方に還元されるかというと、殆んど還元されてない、そこで労働者は自分で金は出しているけれども、さてそれじやけい肺病院でも建てるというときに、こういうものが廻つて来るかというと、全然廻つて来ないということを非常に感じているわけです。そこで還元の問題は今あなたにお尋ねする時間もないし、又あれでもないですが、資料のほうを詳細に……、まあ五年くらいでいいですから、一つ頂きたいと思います。委員長から一つお取計らいを願いたいと思います。
  134. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 もう一つ資料として……。それはいわゆる余裕金ですね、前年度繰越、即ち二十五年度五百十億、二十六年度六百七十五億はどういう形になつておるか、例えば預貯金とか短期証券の運用とかあると思いますので、その内訳資料として……。
  135. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) 先ほどお答えすべきところを落しまして大変失礼いたしました。余裕金は、余裕金と申しましても、これは実際は食料管理特別会計がその金繰りのために必要として発行するところの食糧証券を運用するというのが従来の例でもございますし、今後の考え方といたしましては、やはり政府発行の短期証券、特に食糧証券又は場合によつては外為が発行をいたします分もございますので、余裕がある際には外為証券を買うということもございます。最近の状況につきましては毎月資金運用状況を発表いたしておりますが、これについては資料を提出いたしたいと思います。
  136. 小林政夫

    小林政夫君 やはり資料ですが、資金運用部特別会計というのは一つの大銀行であつて、従つて貸借対照表と、それから損益計算書とを出してもらいたい。損益計算書は成るべく一般の、経営の面から考え一般会計のほうといろいろ交叉している面もあると思いますから、それを成るべく詳細に……。
  137. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 私はこの資金運用資金の現在のコストですね、二十七年度は郵便貯金の利子が上りますので、二十七年度の全体の資金コストが上るのじやないか、若し資金コストが上るとしますると、新らしい融資計画で利息の上るものがどれだけかという点を伺いたい。
  138. 小林政夫

    小林政夫君 過去の、まあ私は資金コストを特に知りたいために損益計算書を要求したわけです。
  139. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) 資金運用部の採算でございますが、バランス・シートは勿論毎日作成しておりますが、その收支につきましてはこれは結局或る意味では先ほど御指摘になりました銀行とは……まあ銀行ではありますけれども、いろいろ予算の都合上、早く言えばその年度内に支拂う利子は歳出であり、受取る利子は歳入である、こういうふうな形になつておりまして、未経過利子等のことはこの予算には全然関係ないものであります。ですから、或る時点で締切つた場合には、今のと違うところの收支の状態が出て来ますが、とにかく年度内に現実に支拂うものは歳出であり、現実に受取るものは歳入であるというような方法でしかやつておりません。それはつまり毎年御審議つておりますところの資金運用部特別会計の收支の予算書でございます。ですから收支の状態は、決算書並びに予算書にそのまま現われているというふうなことになるのでございます。
  140. 小林政夫

    小林政夫君 それは予算書を見れば、例えば他会計への繰入金として資金運用部の剰余金四億八千四百万円というようなものが計上されております。それはあなたの今の御説明だと剰余金であり、利益だということになる。私の要求したのは先ほど言つたように、いわゆる普通の銀行的な経理をして、未経過利子等も或る一時点で、成るべく早い時点をとつてそういう計算をしてもらつて又例えば財務局等で資金運用関係の事務を担当している、そういうような給與費等も成るべくどちらかと言えば、資金運用部の負担を多くするような気持で計算をして出してもらいたい。だからすぐ簡単にできる資料じやないかと思います。
  141. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 私のは、運用審議会で恐らく説明をされていると思うのですが、そこで現在の貸付金利を決定する場合の現在のコスト、並びに来年度もこの同じ計算で行なつて、来年度のコストはどのくらいになるかという点だけをお聞きしているのであります。これは恐らく審議会で説明された通りと思いますが、その運用審議会で説明された現在のコストと、同じ方法で計算した来年度コストという点をお伺いしたい。
  142. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) 大変申訳ないのですが、明年度のコストを計算したものを今手許に持つておりませんが、これは甚だ私申訳ありませんので、できるだけ早くこの席でお知らせ申上げたいと思います。今年度資金コストは正確には見積れないのですが、大体見通しとしては五分五厘を若干下廻る、五分四厘を欠けるかどうかというくらいのところだと見積つております。明年度におきましては、まだ予算は通つておりませんが、郵便貯金特別会計に対しまして、郵便貯金の金利の引上げの結果、かなりその郵便貯金特別会計の負担が大きくなる点を考慮いたしまして、予算上は一部の特別の利子を郵便貯金の五年以上の預託金に支拂うことになつておりますので、今年度のコストよりはその分だけは確実に上廻る、こういうことになつております。その数字につきまして何分何厘であつたかという数字は、ちよつと失念いたしまして大変申訳ありません。
  143. 小林政夫

    小林政夫君 今までの融資は人件費等が入つておりますか、いろいろな人件費、事務費を全部含めてのコストでございますか。
  144. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) 資金運用部の特別会計の歳出の最も主要なものはこれは支拂利子でございまして、これが百数十億円でございます。明年度はもつと多くなるのですが、資金運用部の事務費は、今年度の場合ですと一億円そこそこでございまして、コストには殆んど響かない程度のものでございます。併し勿論私が申上げましたコストと申しますのは、そういう一億円程度の事務費を含めたものをコストと申上げておるわけです。
  145. 東隆

    理事東隆君) 小林君の要求資料の、今の損益計算書、それから貸借対照表はこれはどういたしますか。
  146. 小林政夫

    小林政夫君 貸借対照表はすぐできるのですが、損益計算書はなお日にちがかかると思いますからでき次第ということに……。
  147. 東隆

    理事東隆君) それでは貸借対照表は至急提出して頂きたい。それから損益計算書はできるだけ早く作成してほしい、それを要求しておきます。
  148. 中川以良

    ○中川以良君 私は一点ちよつと承わりたいのでありますが、さつきこれに触れて多少御説明があつたようでありますが、金融債でありまするが、二十六年度には三百億円を計上しておりますが、二十七年度はございませんが、それは何かの形で以て当然引受けられるというようになると思いますが、それに対してどういうふうなお考えでございましようか。
  149. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) 金融債をゼロにしたいきさつは、先ほどのところで余りはつきりは申上げませんでしたが、とにかく見返資金運用と、資金運用資金運用とを相並べた上で検討をいたしまして、見返資金のほうは相当大幅に收入を上廻つて運用する。その代り資金運用部で若干これを抑制して、財政のバランスを図つたということなのでございますが、実際の状態といたしまして、資金運用部が金融債を引受けないことによつて起るところのいろいろな障害を考えますると、これをやらないで済ますということは相当問題であろうと思います。併しながら只今のところ、この資金運用資金予算そのものではございませんので、その意味で資金運用審議会に諮問をすればこれを変更することも可能である。併しながらそれに至るまでには、現在の財政全般に通ずるところの考え方に基きまして再検討を加える必要があります。私といたしましては、これは責任ある答弁を申上げる身分でもございませんが、今までとつて来た財政の方針について再検討を加えた上で、丁度論議されておりますところのオーバー・ローンをどう解決するかという問題もございます。又いろいろな開発のための資金をどうするかというような問題もございますので、それらのむずかしい問題の解決の一つの方策として何とかこれを実現するような状態を作り上げて行かなければならないというふうに考えておるわけです。
  150. 中川以良

    ○中川以良君 私は今の御説明のごとく、当然これは金融債の引受けをしなければならんような状態が参つて来ると存じます。そうするとその際には、長期の形式を以て引受けるということになるのでございましようか。
  151. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) 他に引揚げる要因が差当りないといたしますれば、金融債をやつただけは政府資金を撒布超過の形で出すということになると思いまするが、今までのような、例えば政府が少しも撒布超過をやらない、併し一方では日銀券は殖えざるを得ないということでありますると、どうしても日銀貸出は殖えるし、銀行のオーーバーローンもますます高まつて来るということになりまするので、政府が撒布超過をしたほかに、民間の貸付も殖やすということになりますれば、必ずインフレになりまするけれどもこれをインフレにしないような状態と申しますれば、只今大蔵省でも銀行に要請しておりますのは、いろいろな貸出の固定化を防ぐために、重要ならざる産業への設備資金融資等は極力抑制するということを要請いたしております。そういう趣旨をもつといろいろ徹底させることができるという見通しがつきますれば、仮に資金運用部が金融債を政府資金の撒布超過の形でやりましてもインフレにはならない、インフレは避けて行くことができるというふうに考えておりますが、これらについては情勢の判断と見通しの問題でございまして、私らだけではきめられる問題ではございません。十分研究した上で善処いたします。
  152. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 地方公共団体に対する短期融資の問題を聞いてみたいと思います。地方公共団体が赤字で困つておるので繋ぎ融資的に短期融資資金運用資金からしておられる。これはこの運用のどれから出しておられるのか。これが一点。それから二点は、短期融資の期限はどのくらいにしておられるのか、それから何か十二月一日から二月の十五日までに八十億ほどやつておられるようでありますが、今からでも申込があればやれる金がどれだけあるか。又出納閉鎖期まて待てるかどうか。そういうことをお尋ねしたいと思います。
  153. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) 地方公共団体に対する融資はこの計画の外でございますが、但しその短期融資を行うにつきましては資金運用審議会の議決を経まして四月から三月末までの間においては地方公共団体に対して審議会の議を経ないで融資することができる。こういう御決議を頂いておりましてそれに基いて我々は実行いたしております。而しておおむね三カ月、ことに借換という形をとつております。それで三月末には資金運用審議会の議決通りこれを償還せしめて四月になつたら改めて貸し換える。こういう方法をとつておるのでありまして十二月から成るほど借換えその他に新らしいものを含めまして七、八十億出しております。なお全体の残高といたしましては最近では百億を越えておるのでありますが、これは一応何らかの形で三月までには御返済を願いませんと、短期融資が実際は長期の形に振替つてしまう。短期融資という名を使いながら、実体においては長期の融資をしておるという形になりますので、これは我々として運用審議会の御決議の通り必ず一旦はお返し願う、而も私ども資金のほうはいわゆる普通の予算における決算というものは別にございませんで、要するに三月末を以て年度の終りとしておりますからして、そのときには必ず全額を回收する、こういうような考えでおる次第であります。
  154. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 大体わかりましたが、そうしますと、今から短期融資をしてもらつたものも、三月三十一日までには返さなければならない、併し新年一度におきまして又新たにそれに対して短期融資をすることもできる、こういうふうに心得てよろしうございますね。
  155. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) よろしうございます。
  156. 岩間正男

    ○岩間正男君 今の繋ぎ融資の枠はどれくらいですか。枠の限定はあるのですか。
  157. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) そのときどきの必要に応じまして各貯務局には枠というものを割振つてはございまするが、本年度の場合でございますると、財務局に対する與えた枠の総額は百八十億円で、そして本来なればそれを、三月に近付くにつれまして引締めて行くという必要があるのでございまするが、本年度の場合は特に地方財政の実情に即しまして、その枠をそのまま與え放しでおる。併し実情といたしましては勿論逐次少しずつ減つております。貸付残高は減つておりますが、枠は動かさない。ですから実際上は幾らを枠にして、それ以上は貸さないというふうな方針はとつたことはございません。
  158. 岩間正男

    ○岩間正男君 百八十億というのは、本年度の粋なんですが、そのうちどれくらい今まで使つてしまつて今度の短期融資にはどれくらい残つておるのですか。
  159. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) 只今も申しました本年度與えた百八十億の枠と申しますのは、残高の枠でございます。限定額ではございません。今はどこも枠には引つかかつておらん、かような状態でございます。
  160. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうすると、申込があればこれは蔵相の言明とも関連するのでありますが、百八十億の枠内で全部これは申込を満たすことができるのですか。
  161. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) 私どものほうも、短期融資をいたします際に、例えて申しますれば起債によらなければ財源がないような事業を、起債が認められなかつたにかかわらずあえてする。こういうふうな場合には、これを認めますと実際は返せないということになりますので、そういうものは査定いたしております。従いまして申込に応じてそのまま貸付けるということはいたしておりません。地方財政を却つて悪化させるような意味での短期融資は愼しんでおりますが、そうでない場合には、別に枠がないからと言つて断わるようなことはいたしません。
  162. 岩間正男

    ○岩間正男君 この問題は、この前の地方財政委員会からの百億の増額の問題とからんで、実際この前予算委員会で問題になつた。そこでどの程度まで枠を認めるのだというので、それは申入れがあればそれについて個々ではあるけれども満たすのだというような蔵相の言明があつた。そのときの財政委員会の要求としては百億だつたのですね。だからそういういろいろ査定というような問題もあるでしようが、あのときの要求としては、今言つたような固定したものでなくて、オープンの融資というものだつたと思う。その点は一つ明らかにしておいたほうがよいのじやないかと思う。
  163. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) 短期融資で繋いで行くという問題ですが、地方団体がこれだけ足らないと言つている従来の話のいきさつは、むしろ会計年度決算上生ずる赤字がこれだけあるからまあこの程度ほしいという話なんです。でありまして、必ずしも三月末までにこれだけ要るというふうな数字ではございませんで、丁度決算が五月に終るわけでありますが、四、五月の拂い等も含めまして、そうして決算相当不足するということを言つておるわけでございます。これにつきましては、その財源措置をどうするかという問題は、いろいろその実情等調べまして大蔵省においても検討いたしておりますし、地財委と財源については話合つております。どうなるかわかりませんが、それがどうなりましようとも、決算上赤字になつて、そのために四、五月になつて非常に金詰りになる、地方団体が支拂ができない、こういうふうな場合におきましては、資金運用部から短期融資相当大幅に行なつてこれをカバーして行きたい、こういうつもりでおります。
  164. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 簡單なことを三つお尋ねしますけれども資金運用部の資金開発銀行資金との貸付ける対象の区別ですけれども資金運用部の資金は主として国家事業に貸付けるのであつて開発銀行の場合は主に民間事業に貸付ける、これが区別なんでしようか。
  165. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) 大体お説の通りでございますが、資金運用部の資金も長期資金の供給の源泉といたしましては非常に大きなものでありますので、これを財政の目的にのみ限定することが適当でないというところから、金融債の引受けを通じて、その発行銀行が今度はみずからの意思で直接私企業に貸して行く途が開けております。開発銀行は国や公共団体でなしに、純粋の民間産業に対して貸付けることを本旨といたしております。
  166. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 その次に資金運用部の資金でございますけれども、何分大資本を擁して事業をしているのですから、だんだんだんだん何というのですか、資本金が殖えるわけでございますね。そのとき一定限度以上になりましたら、一般会計のほうへでも入れて開発銀行資金のほうへでも廻すのか、それとも幾ら溜まりましても厖大なる場資金を擁して国家事業のほうに廻すことになつているのか。
  167. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) 只今のところ二十七年度予算におきましても、開発銀行に金を廻すということは予定しておりませんが、まあ将来の問題としては、財政の需要を賄つてなお余りある、或いはその方面に出すことがより緊急であるということが認められましたなら、開発銀行において借入れる能力がある限りは、これに供給することも十分考えられるのでございます。
  168. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 最後に二十七年度資金運用部の資金の中に四十五億円の国債の償還が入つておりますが、この場合の国債償還というのはどれを指すのでございますか。
  169. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) これはすでに資金運用部が過去において国債を引受けましてその期限の到来するものが四十五億円ございます。明年度中に期限の到来によつて国債整理基金特別会計から支拂を受けるものを指しているのでございまして、併しその中には相当古いものもございますが、期限五年程度のために終戰後に発行したものも相当多額含まれております。
  170. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 そうしますと、これは政府事業に貸付けてある債権の金が入つて来るのですね。政府事業としていろいろな官庁に金を貸しておりましよう、その金が回收される、その金でございますか。
  171. 高橋俊英

    説明員(高橋俊英君) さようであります。
  172. 東隆

    理事東隆君) それでは本日はなお見返資金と歳入関係が残つておりますが、これは後の機会に審議をいたすことにいたしまして、本日はこれを以て散会いたします。    午後四時十九分散会