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1952-06-02 第13回国会 参議院 郵政委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年六月二日(月曜日)    午後一時四十九分開会   —————————————   委員の異動 五月十六日委員中川幸平辞任につ き、その補欠として鈴木安孝君を議長 において指名した。 五月二十一日委員駒井藤平辞任につ き、その補欠として鈴木強平君を議長 において指名した。 五月二十三日委員和田博雄辞任につ き、その補欠として山花秀雄君を議長 において指名した。 五月三十日委員鈴木強平辞任につ き、その補欠として駒井藤平君を議長 において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     岩崎正三郎君    理事            柏木 庫治君    委員            城  義臣君            駒井 藤平君   政府委員    郵政政務次官  寺本  齋君    郵政省簡易保険    局長      白根 玉喜君   事務局側    常任委員会専門    員       勝矢 和三君   説明員    郵政事務次官  大野 勝三君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○簡易生命保険及び郵便年金積立金  の運用に関する法律案内閣提出、  衆議院送付)   —————————————
  2. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) それでは本日の委員会を開会いたします。  本日の議案は、簡易生命保険及び郵便年金積立金運用に関する法律案と、郵便事業の運営、事業実情に関する調査であります。  先ず簡易生命保険及び郵便年金積立金運用に関する法律案について寺本郵政政務次官の御説明を願います。
  3. 寺本齋

    政府委員寺本齋君) 只今議題となりました簡易生命保険及び郵便年金積立金運用に関する法律案提案理由を御説明いたしたいと存じますが、それに先立ちまして、この問題につきまして絶大なる御支援と御協力を頂きました委員各位に対しまして篤く篤く御礼を申上げます。おかげを以ちまして多年の懸案が解決いたし、ここに本法律案の御審議を願える段階に立至りましたことは、ひとえに委員各位のお力添えのたまものでありまして、衷心より感謝申上げる次第であります。  簡易生命保険及び郵便年金特別会計積立金は、事業創始以来一貫して、簡易生命保険事業及び郵便年金事業所管大臣が管理運用して来たのでありますが、戦時から戦後にかけまして、臨時的措置として、自主的運用が制限されて参つたのであります。  即ち、先ず、昭和十八年度以降、地方債営団金庫債券に融資運用するもの以外の積立金大蔵省預金部に預け入れることとなり、引続き、戦後昭和二十一年一月には連合国最高司令部の意向によりまして契約者に対する貸付を除き一切の投融資を停止し、積立金全額大蔵省預金部に預託することとなりまして、これで、郵政省における自主的運用実質的に失われてしまつたのであります。  更にその後昨年三月の資金運用部資金法成立によりまして、簡易生命保険法が改正され、運用基礎法規まで削除されまして、名実共にいわゆる運用権失つたのであります。  かように戦時中の臨時的措置が一層強化された状態となつて今日に至つたのであります。  この間、衆参両院よりしばしば簡易生命保険及び郵便年金積立金運用を速かに復元することを要望した決議を頂きまして、政府はその実現努力して来たのでありますが、重ねて今国会におきましても、両院よりその実現を促進する決議を頂いた次第であります。  以上の経緯に鑑み両院の御要望に副うためにも、講和成立機会としてここに政府におきましては、簡易生命保険及び郵便年金積立金運用郵政省復元し、積立金を確実で有利な方法により、且つ公共利益になるように運用することによつて簡易生命保険事業及び郵便年金事業の経営を健全ならしめるため、その管理及び運用基本法として、この法律案を提出いたした次第であります。  この法律案の要旨を申述べますと、次の通りであります。  先ず第一点は、簡易生命保険及び郵便年金積立金は、郵政大臣が管理し、及び運用することを明らかにしたことであります。  第二点は、簡易生命保険及び郵便年金積立金運用対象でありますが、これは保険契約者等に対する貸付地方債及び地方公共団体その他政令で定める公共団体に対する貸付とし、現実に運用するまでの積立金大蔵省資金運用部に預託することができるものといたしました。  第三点は、簡易生命保険及び郵便年金積立金運用計画及びその変更計画は、あらかじめ資金運用部資金運用審議会に諮問して決定すること。その他郵政大臣は、積立金運用に関する要事項について、同審議会の意見を聞くことといたしました。  最後に、郵政大臣は、毎年度簡易生命保険及び郵便年金積立金運用についての報告書を、同審議会に提出することといたしております。  なおこの法律案は、昭和二十八年四月一日より実施することとし、その実施の万全を期するため必要な運用計画のごときは、右の実施期日以前においてたてることができる様にいたして居る次第であります。  以上を以ちまして、提案理由法律案の概要につき説明申上げましたが、何とぞ充分御審議上速かに御可決下さるようお願い申上げます。
  4. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) 今の御説明に御質問ございませんか。
  5. 城義臣

    城義臣君 只今提案理由の御説明の中にもございましたが、公共利益になるように云々という御趣旨は御尤もでありまするが、私の伺いたい点は、この被保険者利益のためにそうしなければならないと、こういうふうに私は考えるのであります。即ち保険契約者等に対する貸付という点もすでに法案の中に明示されておりまするが、その他、具体的にどういうふうな御方策をお持ちであるか。その点、伺えれば幸いと思いますので、先ずその点をお伺いいたします。
  6. 寺本齋

    政府委員寺本齋君) 只今の御質問でございますが、保険契約者に対するどういう便利を考えているかという御質問でございますが、個々契約者に対してよりも、この法案で考えておりますのは、大体地方公共団体などで、起債事業内容に亘りまして、例えば上水道設備であるとか、下水道設備であるとか、或いは保育園であるとか、その他この種の直接庶民階級利便を供与するような施設、そういう事業一つ一つ検討いたしまして加入者の便利を考えたいと思つております。なお詳細は保険局長をしてお答えいたさせます。
  7. 城義臣

    城義臣君 私の質問の仕方が少し足らなかつたと思いますので、更に付け加えたいと思いますのは、郵政省運用すれば、大蔵省資金運用部に預託する現在の制度と比べて、運用の利率が高いと申しまするか、運用による利廻りの利幅が大きくなつて来る。従つてこの利幅の大きいことによる利鞘ですね、これを具体的に私は被保険者の直接の利益になるように運用するのが妥当ではないか、こういう気持でお伺いしておりますので、局長からでも具体的な案があればお伺いしたいと思うのであります。
  8. 白根玉喜

    政府委員白根玉喜君) おつしやるように、従来大蔵省運用した際におきましては、御承知のように保険会計には預託金に対する五分五厘の利子が付くわけでございます。ところが資金運用部から簡易保険資金郵政省で独立してやつて行くことに相成りますと、ここの三条に害いている客体、二号、三号を例に引きましても、最小限度六分五厘になるのでございます。従いまして利鞘利益は約一分になるのであります。そういたしますと、相当な運用利益の増が出て参るのであります。増が出て参りますと、加入者利益のために還元しなければならないということは、簡易保険法にも、余剰金があれば加入者利益に還元しなければならないというような条文もある次第でございまして、条文があるとないとにかかわらず、そういう方向に動かなければならないのは当然のことでございます。従いまして、こちらへ復元したために利益の増が相当見込まれるのでございまして、できるだけ早い機会におきまして、例えば利益配当とか或いは保険料の引下げとかいうところのほうへやつて行かなければならないと思うのでございます。本年度早々すぐやるということは申上げかねるのでございますが、その利益増と、それから先ほど申上げましたような加入者に対する利益になるような方法等につきまして経費等も出るのでございまして、それらを十分見極めまして、できるだけ早い機会におきまして加入者に還元いたしたい。かように存じております。
  9. 城義臣

    城義臣君 次にもう一点お尋ねしたいのは、資金運用部の既往の借入金の措置については政令で定めることになつておりますが、大体のそれに関する御方針を承わりたいと思うのであります。
  10. 白根玉喜

    政府委員白根玉喜君) 御質問の点につきましてはお話のように附則の第二項に書いてあるのでございます。従いまして、この二項の趣旨を御説明申上げますと、この法律が施行されまして若しこの二項の規定が仮にないといたしますと、御承知のように資金運用部における預託金期限が来れば当然返してもらうこともできるのでございます。又期限が来ないでも、五分の利子の減がございますが、引上げることもできることに相成つているのでございます。そういう方法をとり得ることが建前になつているのでございますが、又一面、私のほうで運用するに当りましても、投資対象が確定しなければ金を貸すことはできないのでございまして、必ずしも現に預託してあるものを期限前或いは期限満期に伴いまして全部引上げなければならないというような必要もないのでございます。又これは実際面といたしましてそういう必要も必ずしも起らないのでございます。他面、資金運用部のほうといたしましては預託した金を長期の投資にやつている面もございまして、それを期限前に或いは引上げたり、期限満了いたしましてすべて引上げるということになりますと、資金運用部における投資関係につきましても相当な混乱も出るのではないかと、こういうような事情にあるのでございます。従いまして、それらの両面のことを考えまして、向う運用に余りに摩擦を起さない、又こちらの必要性に基いて、或る程度期限満了になりましてから引上げてこちらで運用する必要がある。こういう両面を加味できるように、政令でこれを規定することに相成るのでございます。この政令の案につきましては、今後大蔵省と折衝しなければならないと思いますが、考え方はそういう考え方でございます。
  11. 城義臣

    城義臣君 次に、起債要望額が非常に多額であつて積立金ではとても応じ切れるものではないのでありまするが、従つてこの投資対象事業決定するのが、或いは都道府県五大市というようなものを袖にして、市町村重点を置くというようなことが一応考えられるのでありまするが、詮議の御方針について承わつておきたいと思うのであります。
  12. 白根玉喜

    政府委員白根玉喜君) お話のように、現在実際上の起債許可がある金額起債要望金額とは相当の隔たりがあるのでございます。従いまして、復元前におきましても、大蔵省地財委話合いによりまして、要望額をどの程度に縮めるかということにつきましては、起債詮議方針というものをきめまして、その詮議方針によりまして起債の枠をきめ、又実際どの事業力点を置いて査定するかというような、いわゆる起債詮議方針というのを現に使つているのでございます。従いまして私ども復元した後におきましても、従来大蔵省地財委との相談によつてできております起債詮議方針につきまして郵政省も一枚加わりまして、起債詮議方針によりまして、需要量よりも供給量が少い現在でございますから、起債詮議方針の際に十分その点に対しまして適切な詮議ができるように努力を重ねて参りたいと、かように存じております。さてその際における心構えとしてはどうかというお話でございますが、おつしやるように私ども運用する際におきましては、できるだけまあ町村のほうへ相当重点を置いて行かなければならない面もございます。のみならず起債事業につきまして、御承知のように三つ事業があるわけでございます。公共事業、これはまあ御承知のように国家の補助を受けてやつた残りの、補助を受けてやる事業のうちで補助だけでは足らないで更に起債を仰ぐ事業がございます。これは公共事業と申しております。それから単独事業、これは二つに分れておりまして、上水道とか、下水道というような事業をやつております。なお公企業、これは電気とか、ガスとかいうような事業種別があるわけでございます。その事業種別を見まして、加入者利益になるような事業力点を置きまして、個々起債査定額、そういうところに重点を置きまして、私のほうの金の投資をそのほうへ持つて行くように努力を払わなければならないと、かように存じております。
  13. 城義臣

    城義臣君 当委員会は勿論でありまするが、衆議院郵政関係会議におきましても、我々は速かにこの運用復元運用再開ということには努力して参りましたが、その際、反対をされる側の理由一つとして、窓口二つになつている、従つて煩瑣で困るのではないか、こういう議論も相当出たのでありまするが、まあそれに関連して伺つておきたいのは、地方団体借入申請及びその貸付手続というものは、できるだけ簡素にして利便を図るということは当然であります。そこで今後資金運用部から分離したために地方団体に不便をかけないようにいたさなければならんと、これは当然でありますが、従つてそういう場合を想定して、大体の御構想があれば、この際承わつておきたいと思うのであります。
  14. 白根玉喜

    政府委員白根玉喜君) それでは現在やつている方法を御説明しつつ、今後来年四月一日以降に郵政省復元された資金運用との結び合せ考え方を御説明申上げますが、現在は御承知のように、地方財政委員会は毎年度開始前に地方債総額をきめ、又先ほど御説明申上げました起債方針大蔵省と協議いたしまして決定いたしまして、その上に都道府県五大市市町村という三つ種類に枠を示しまして、それに対する起債要望額市町村から出させるのでございます。その出された起債要望額に基きまして大蔵省と協議の上、貸付証明を与えているのでございます。その現状に基きまして、運用再開郵政省がした後どうなるかと申しますと、地方債なり起債詮議方針につきましては、従来大蔵省地財委だけで協議しておつたのでございますが、それには私どもといたしましても一枚加わりまして、三者で御相談をして地方債総額なり起債詮議方針をきめなければたらないと思うのでございます。併しこのことは市町村に対する監査ではないのでございまして、中央で慎重に、又かゆいところに手が届くような考え方起債詮議方針なりをきめることのほうが、むしろスムースに、足が地に付くような起債許可ができるのでございまして、これは是非その面に一枚郵政省はタツチしなければならないと思うのであります。さて、その方針に基きまして先ほど申上げました三つ種類に基きまして起債要望額を求めるのでありますが、只今起債要望額につきましては、各市町村のどこから借りたいという借入先は、現在でも大蔵省へ出ないときには来ておつたわけでございます。戦争中でも一部は私どものほうもやつてつたのでありますが、その際は大蔵省から借りたい、郵政省から借りたい、その時は逓信省ですが、こういうので、市町村のどこから借りたいという借入先要求があるわけでございます。従いまして、それらの要求に対しまして先ほど申上げました起債詮議方針によりまして、できるだけ市町村希望を容れましてそれを決定いたしたい。ところが、そういうことになりますと、郵政省に対する希望額がこちらの投資額と一致しないとか、或いは多いとか少いとかという場合が出るのでありますが、これにつきましては地方財政委員会更正決定をする途が認められているのでございまして、できるだけ市町村要望する借入先に合うように運用いたしますが、枠の関係で、すぽつと入らないような場合におきましては、大蔵省郵政省と協議いたしまして、入らない分につきましては地財委とも話合いをいたしまして、更正決定で或る程度調整をやる、こういうような考え方をしなければならないと思うのでございます。そういたしますと、それできまりますと、それによりまして借入先に対しまして借入通知をすればいいことに相成ると思うのでございます。ただ現状におきましては御承知のように、起債許可を受ける際におきましては、地財委側に対しましては各市町村から起債許可申請書が参ります。その申請書に基きまして、府県はそれをチエツクいたしまして順位を付けて地財委に持つて参るのでございます。ところが大蔵省といたしましては、それ以外に、更に大蔵省に対するルートといたしまして、各公共団体まり起債事業申請書という詳しい説明書大蔵省に出しておりました。そういたしまして、大蔵省自分のところに来ましたところの起債事業説明書に基いて個々の又査定自分でやつて地財委許可申請に基くものと睨み合せまして、大蔵省で選んだのと地財委で選んだのと、個々決定を突き合せてやつているのが現状でございます。私どもといたしましては起債の面に対して地方財政監督をやるという考え方ではないのでございます。従いまして、そういうルートルートで細かく種類を二本も出させる必要はない。できれば地財委に対する許可申請と同じような内容のものをもらいまして、そこから地財委ルートでもらつたものを信用いたしまして、併し個々決定には無論タツチはいたしますが、地方財政監督のような面が両方にあるような恰好二つルート書類というのは、郵政省としては避けたほうがいいじやなかろうかと思つております。そういたしますと、実際問題といたしましては、中央起債方針をきめる際におきましては、我々も一枚加わるのでございますから少し煩瑣になるかも知れませんが、それは慎重を期し、而も起債を円満にやる、足が地に付くように詮議するわけでございまして、而もこれは中央でやることでございまして、その点は或る程度プラスするのが当然じやないかと思いますが、そのために直接町村にタツチする分につきましては、先ほど申上げましたように、むしろ郵政省復元いたしましたことによる書類その他の監査の点はできるだけ避けるようにいたしたいと、かように存じております。
  15. 城義臣

    城義臣君 ちよつと今の御説明で、もう少し突込んだ具体的なことを一点聞きたいのは、成るほどおつしやるように、従来の規制手続ルート二つであつて、非常に煩瑣であつたということは、国民ひとしく皆認めておるところです。そこで、この地方手続に関してですが、郵政局長あたりに与える枠が少し思い切つて大きくされれば、その点、非常に簡素に、而もスピーデイに処理ができるのではないか、具体的にそういうふうに考えるのですが、この辺についてはお差支えなければどの程度の枠をどうするというふうなお考えでもあれば、念のために伺つておきたいと思います。
  16. 白根玉喜

    政府委員白根玉喜君) 御尤もでございまして、先ず機構の面から申上げますと、大蔵省につきましては、この郵政局段階には、御承知のように財務局がございまして、各県庁に財務部がございます。従いまして、起債許可申請のときの第一次は財務部からスタートして財務局に来て、大蔵省に来るような恰好になつております。私のほうといたしましては、これはまだ研究しなければわからないことでございますが、書類収次のごときは県に一つというのじやなくて、できれば集配局と申しますか、もう少し下のほうの郵便局から書類の取次をしたらどうか。そういたしますと、足を運ぶ回数が少くなる。これが一つでございます。そういうような考え方で、第一次的には財務局に相当する郵政局に或る程度運用の実務を委任しなければならないと、かように存じております。さて本省と郵政局との関係でございますが、御承知のように現在大蔵省では、形式上の権限といたしましては、相当量のものを財務局に任せております。ただ今資金供給量需要とは需要のほうが多いものでございますから、最後の締めは中央で締めております。従いまして財務局に対しての権限は、殆んど府県五大市を除きますと……府県五大市大蔵省で締めております。大蔵省で締めておりますが、五大市以外の市と町村に対する貸付事務形式上は財務局に委しております、原則的には……。併し中央で個別的にやはり睨んでおりますから実質上やはり中央に来なければならんようになつております。そういうような実情等をも考えまして、できるだけ形式上の権限……無論、資金の統制は中央個別的審査をするということが少くなればなるほど地方が弾力的に運用できることでございますが、この点は地財委大蔵省と私のほうと或る程度相談いたしまして、何かもう少し弾力性の与えられる余地ができれば更にその手を打ちたい、打つと同時に、おつしやるように、現在形式上は財務局のほうが相当権限が広いようた恰好もございますので、できるだげ実務的なところは、形式上の権限とは言いながら郵政局長権限を或る程度大幅に認めたい。併し現状におきましては、形式上の権限ではございますが、実質上は中央で実は締めておるような状況でございますから、その中央で締める度合が緩まない限りにおきましては、或いは一時は形式上の権限が広くなつたと、こういうことだけになるかも知れませんが、できるだけそういうふうにいたしたいと、かように存じております。
  17. 城義臣

    城義臣君 そういたしますと、あれですか。大蔵省のほうの財務局郵政省の側の地方郵政局が大体同じような役割をするものだというふうに解釈していいのでございますか。
  18. 白根玉喜

    政府委員白根玉喜君) 大体そういうような考え方で行きたいのでございますが、とにかく六年の空白時代がございますので、或る程度郵政局が慣れるまでは、財務局よりも少しは制限しなければならない度合が強いかと思いますが、慣れるに従いましてできるだけその線に行きたいと、こう考えておるのでございます。
  19. 城義臣

    城義臣君 今のお話ですと、これまで二元論で怪しからんというような反対論がなくなるのみならず、具体的には、この大蔵省財務部などと申しましても、これは各府県全部にあるのではなくて、又機構改革等では財務部を廃止すべしという今の段階から見まして、それに代る郵便局窓口で受付けるということは、もう非常な国民にとつて利便なんです。この一点だけから具体的に見ても、今回のこの法律案が一日も速かに実施されるということを、私は国民が期待しておると、こう思うのです。ただ私が先ほどお尋ねした財務局に匹敵する郵政局が適正な権限を持つか持たぬかということまで、即ち中央のほうで余り抑えますと、窓口はできたけれども、やはり東京まで行かなければ事が済まない、こういうようなことのないようにお取計らい頂きたい、こういう趣旨で申上げておるのですから、今後、政令等でおきめになる場合には、十二分にその辺を御勘案頂きたい、こういうことをこの際要望申上げて、私の質疑を終りたいと思います。
  20. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) ほかに御質問ありませんか。
  21. 柏木庫治

    柏木庫治君 この法律案は、衆議院、参議院においてかくあれという決議に本会議では総員賛成をいたしておりますので、善し悪しを論ずることはもう殆んど蛇足であると思うのであります。それで、さつき城委員質問で重複をするようでありますが、この金も従来すでに集まつてつて資金運用部で処理しておつた金と、これから集まつて来る金と、二通りあるのでありますが、すでに貸し与えてある金が順次に入つて来る、その金を運用するときに、その範囲を政令で定めるという、この政令内容と申しますか、もう少し詳しく、これがいつまでもその金の性質が二通りで行くのか、二十八年の四月一日から先は、いつまでも二つで行くのかどうかという政令内容を、もう少し詳しく承わつておきたいと思うのですが。
  22. 白根玉喜

    政府委員白根玉喜君) 実は政令内容は、向うと交渉して、まだまとまつておるわけではございませんが、まあせめて考え方だけを御説明申上げますと、現に大蔵省運用しておる金で、先ほども申上げましたように、三カ年物であれば三カ年来れば満期になりまして、満期になれば引出して、こつちで運用することができるわけでありますが、それを満期になるごとに引出して運用することになりますと、向うでは例えば市町村債とかいうので、五年物とか、二十年物もございますし、一応約束はしているのでございます。従いまして、向う運用に混乱をさしてはいけないという面も考えなければいけない。こういうような考え方をして見ますと、最少限度こちらはまあ預託期間が来ればいつでも返して貰うことはできるわけです。併し向う投資の償還期限等をも無視して、もう全部引上げて行つたのでは、向うもやりにくいだろう。そこでそこらの関係を考慮に入れますと、最少限度といたしましては、向うに預けてある金には回収して来るのがございます。こちらには、回収金額ではございませんが、向う運用の面から見れば、例えば十円貸して償還して来ますと、償還した金は、更にこれから運用をきめない限りにおいては返つて来ておるわけでございます。少くともその限度は、これはもうこちらのほうへ預託期限が来るたびに、それは期限前の払い戻しは少し無理かも知れませんが、少くともそのぐらいの金は預託期限が来るたびごとにこちらに引上げて利用してもいいのじやないか。無論それより以上のことも考えなければならないと思いますが、実際問題といたしますと、当該年度における、こちらの手による運用額をきめる際におきまして、先ほど申上げました回収金額等をも考慮に入れまして、どの程度こちらのほうへ出してもらいたいということを、余り画一的でなくて、協議でやるようなふうになるんじやないかと思うのでございますが、できるだけ、いつまでも既往のやつが大蔵省にぐるぐる廻つて、いつもいつも向うへ置いておくというのではなくて、向う運用状況に差支えのない限度における既往の積立金預託金額の分もこちらへ徐々に引上げて持つて参りたいと、かように考えておるのでございます。
  23. 柏木庫治

    柏木庫治君 返つて来た金が、そのときは一度返つて来たけれども、前の実際上の約束として二、三回貸した仕事の性質上、繰返さるべきような貸し方であつた金は、この法律で結構と思いますが、そういう金ではなくて、すでに貸した金がその目的を果して、本当の意味の期限で返つた金は、又この法律の持つ内容といたしまして、郵政省に返つたのでありますから、これを運用する方法も同時に郵政省に付いて返つておるべきものであります。だから、そこは法律ですから、大蔵省に預けてあつた金が性質としては全部郵政省に返つたのですから、その限界をはつきり法的にいたしておきませんと、預けて大蔵省運用しておつたものが返つて来たけれども、又甲から乙のほうに大蔵省の都合によつて廻すというような、法を逸脱した考え方を持たずに、双方すつきりした気持でやるべきであるということを、私は声に出して強く申上げます。
  24. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) 何かほかに御質問ございませんか……。私から一、二御質問いたしたいと思いますが、御承知のように両院で三回もこれは決議しておるので、こういうことは政府を随分鞭撻されておるわけでありますが、私どもはこの法の実施を直ちにやつてもらえるものと思つてつたところが、この法案によりますというと来年の四月一日ということになつておりますので、どうしてそう遅らしてやつておるのか。その間の事情を伺いたいと思います。
  25. 白根玉喜

    政府委員白根玉喜君) 御尤もでございまして、国会の決議におきましては直ちに実施に移すようにというような意味の御決議があつたのでございまして、私どもといたしましても御趣旨は御尤もであると存ずる次第でございます。事務的に申上げますと、起債許可申請資金運用部から借りるというような、借りる先はきめて参つて申請しておりますが、具体的な許可は六月中、七月の上旬頃で具体的にきまるのでございまして、本年度から実施するにつきましても必ずしも事務的にできないというわけではないのでございます。まあ年度の途中でもございますし、又運用権実質上名実共に郵政省に入つたのは、六年間の空白状態もございましたので、実施に相当な慎重性を加味いたしまして準備万端十分な準備態勢をとりまして、この運用復元に対しまして市町村側も多少の杞憂を持つたような、何と申しますか意見も出ておるような最中でもございますし、できれば早くやりたいのは無論でございますが、準備態勢を十分やりまして、来年度早々こちらへ名実共に復元された暁におきましては、従来に増したサーヴイスと申しますか、市町村側の要望に応えつつ国家資金の有効活用につきまして水も漏らさないような準備態勢をするという必要もあるのでございまして、さような意味で国会の御趣旨につきましては十分副い得たとは申しかねるのでございますが、そういう準備態勢の完璧を期するというような意味も含めまして、来年四月一日から実施するように相成つたのでございます。一応お答え申上げます。
  26. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) ほかに御質問ございませんか。
  27. 城義臣

    城義臣君 大野事務次官にちよつと伺つておきたいと思いますが、第四条第一項の「審議会」ですね。これはこの運用に関して極めて重大な機関になるのでありまするが、この審議会委員ですね。五名増員せられることになつておるように承知せられますが、これはよほど簡保事業に対する練達の士と申しますか、理解のある諸君であらなければならないと思います。この辺どうなのでしようか。どういうふうなお考えをお持ちであるか、念のためにこの際、伺いたいと思います。
  28. 大野勝三

    説明員(大野勝三君) 誠に御尤もなお尋ねでございます。私どもといたしましては、あたかも運用審議会の学識経験委員が三人増員になりましたこの機会に、いわゆる簡保、年金、積立金復元運用をする際でもございますので、その方面に十分理解のあるメンバーを是非加えて頂きたい、かように考えておるのでございます。
  29. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) よろしゆうございますか。
  30. 城義臣

    城義臣君 ちよつと議事進行についてお打合せ申上げたいので、質疑が終つたあとで協議会をして頂きたいと思います。
  31. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) 質疑も一応済んだようでありますが、それぞれ考え方もあると思いますので、一応本日はこの程度で散会いたしまして懇談会に入りたいと思いますが御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) それではさように決定いたします。散会いたします。    午後二時三十七分散会