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1952-04-25 第13回国会 参議院 郵政委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年四月二十五日(金曜日)    午前十一時二十八分開会   —————————————   委員の異動 三月三十一日委員小笠原二三男辞任 につき、その補欠として成瀬幡治君を 議長において指名した。 四月十七日委員成瀬幡治辞任につ き、その補欠として和田博雄君を議長 において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     岩崎正三郎君    理事            中川 幸平君            柏木 庫治君    委員            城  義臣君            和田 博雄君            駒井 藤平君   政府委員    郵政政務次官  寺本  齋君    郵政省郵務局長 松井 一郎君    郵政省簡易保險    局長      白根 玉喜君   事務局側    常任委員会專門    員       生田 武夫君    常任委員会專門    員       勝矢 和三君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○日本国アメリカ合衆国との間の安  全保障條約第三條に基く行政協定の  実施に伴う郵便法特例に関する法  律案内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) それでは開会いたします。  本日は先ず公報に出しておきましたこの「日本国アメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定実施に伴う郵便法特例に関する法律案」の提案説明をお願いいたします。
  3. 寺本齋

    政府委員寺本齋君) 只今議題となりました「日本国アメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定実施に伴う郵便法特例に関する法律案」について提案理由を御説明申上げます。  先般締結せられました日本国アメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の第二十一條におきまして、合衆国は、合衆国軍隊構成員及び軍属並びにそれらの家族が利用する合衆国軍事郵便局を、日本国にある合衆国軍事郵便局間及びこれらの軍事郵便局と他の合衆国郵便局との間における郵便物送達のため、合衆国軍隊が使用する施設及び区域内に設置し、及び運営する権利を有することに定められましたが、郵便法二條においては、郵便事業は国が行う事業であつて郵政大臣がこれを管理する旨を規定し、且つ、同法第五條において何人も郵便業務を業としてはならないこと及び何人も、他人の信書の送達を業としてはならないことを規定しておりますので、右の行政協定実施するためには、郵便法二條及び第五條規定に対する特例を設けることが必要となり、ここにこの法律案提案することといたした次第であります。  以上簡單でありますが、提案理由を御説明申上げましたが、何とぞ御審議上速かに御可決下さるよう御願いする次第であります。
  4. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) 今の御説明に御質問ございませんか。
  5. 和田博雄

    和田博雄君 これは合衆国軍事郵便局というのは、一体どの程度できるのですか、数は。
  6. 寺本齋

    政府委員寺本齋君) それは、まだどの程度できるかということは向うの中のことであつて、数がどのくらいということはわかつておらないのであります。
  7. 和田博雄

    和田博雄君 これはまあ行政協定の二十一條に基くのですけれども、この行政協定のいろいろな内容全般関係するのですが、例えば合衆国軍隊が使う施設区域内に設置するというわけですが、その区域がどういう区域であるかはつきりしなければいろいろな点がわからないことになるのですが、区域の設定の仕方等によつては、いろいろこれは形式的にはこういう法律規定して、形式的にはこういう法律で区別がつくのだが、実質的にはいろいろ日本郵便施設、交通その他のものといろいろな関係を実は持つて来るものと思うのですが、何かそういう、もつと具体的な資料というものは、これはないのですかね。これだけだと、ただ形の上だけの審議ということになつちやつて、本当の審議には僕はならないと思う。そういう資料をもう少し頂けるといいのですがね。ただ郵便は、国の事業だから、一つのやはりこういう行政協定ができて、それについての郵便向うからやるのには特例が要るのだということは、これはまあ形式的にはその通りなんだけれども、併しどうもそれだけでは何だか、僕らとしては非常にお座なりなもののような気がするのですがね。一種の特権的な区域の中で、こちらから何にも手の入らない区域で、向うが勝手に何でもできるという、郵便ができるということに形の上ではなつて来る……。
  8. 寺本齋

    政府委員寺本齋君) どうも和田さんのおつしやる通り向う特定区域の中で、向う軍事郵便局を作り、軍事郵便業務を行い、又その区域の中でも軍のことですから移動することだろうと思います。そういう具体的な資料とおつしやつても、そういう資料もちよつとつかめないのじやないかと思います。それかといつて、これをただ放つて置くわけに行きませんし、まあこういう抽象的なものになりますけれども、一応郵便法特例を設けるわけになりますから、こういう規定を設けるわけですが。
  9. 柏木庫治

    柏木庫治君 これは今和田委員の言われる通りなんですが、その奧に日本アメリカが互いに信頼している。その上から軍事基地も貸し、いろいろしているので、これがきまれば軍事基地内の郵便云々ということはその信頼の上に成り立つて、ほかの、英国なら英国日本がやつてつたときなど考えて、これは一番根本は貸すか貸さんかということが問題で、貸したという上からは、これはもう動いて行く。当然のことで、そこがきまれば、もうこれも信頼一つとして、よろしいと認めることが僕は妥当だと思うのですが、これは併しどうもアメリカが何するかわらんぞという不安があるならば、こういうこと、こういうことという具体的な資料がなければ、実際の審議にはならないのだ。審議にならないのだけれども、ならないからといつてつて置くわけに行かない。だから結局は僕は軍事基地を貸し、この條約ができた以上は、その信頼の上によろしいと是認する、こういう意味において僕は止むを得んじやないか、こう思うのだ。
  10. 城義臣

    城義臣君 一、二点お伺いしたいと思いますが、日本国内に設置されるこの合衆国郵便局と、日本郵便局との間における郵便物交換というものが、万国郵便連合條約の規定に基くものであるかどうか。若し基くものであるとすれば、例えばこの合衆国軍人日本側との間に発着する通常郵便物、又小包交換というようなものは、どういうふうになるのであるか。具体的にはその料金外国郵便料金を適用するようなことになり、又小包通関手続を要することになるのではないかと、こう考えるのですが、そういう点はどういうふうになりますでしようか。
  11. 寺本齋

    政府委員寺本齋君) 軍事郵便局のみに限るのであつて日本郵便局関連がないのじやないかと思いますが、ちよつと詳しくは郵便局長から……。
  12. 松井一郎

    政府委員松井一郎君) 実はアメリカ軍隊構成員その他のかたがたに対して、日本人から手紙を出すということも、これは当然必要になつて来るわけでございますが、向うかたがたの、軍人のそういう身分上、肩書は必ずABO何とかという番号でありまして、私どものほうでただ表面のアドレスだけを見て、このかたはどこにいらつしやるかということは、これはわからないのでございます。そこで日本側といたしましては、これは日本人並びにこの軍事郵便局を直接利用する権利のない一般在留外人です。そういうかたがたアメリカの、日本にいるこの軍隊とか、或いは軍人軍属といつたかたがた手紙を出すときには、日本郵便を利用されますが、その際の宛名は今申しましたような関係で、こちらでは必ずしもわからない。そこでそういう郵便物は、日本国内の東京とか大阪とかいつたような特定の局に集めまして、そこで向う軍事郵便局にこちらは渡します。向うはそのアドレスによつて向う自身が配達してくれる。併しその料金は勿論日本郵便を利用しておる関係上全部日本郵便が頂戴いたします。他面又、向うかたがた日本人宛出したい場合には、勿論日本郵便局を利用される場合は問題ありませんが、いろいろな関係でどうしても日本郵便局が利用しにくいといつたような場合には、それと交換意味において向うから日本人宛郵便物を或る一定の郵便局へ受渡してもらつて、こちらで配達する。つまり郵便はどこまでも相互的にやらないと、お互いに不便になるという意味相互的にやります。その場合に向う軍事郵便局で出された場合は、向う料金を払うでありましよう。日本側が引受けた場合には実際の配達向うがおやりになつても、こちら側の料金でやります。その間におけるいろいろな郵便物種類といつたものについても共通一つ物差しがどうしても要る。そこで我々は共通物差しとしては、外国郵便として通常扱われておる国際郵便條約、万国郵便條約というものを基本にして、その範囲内においてそういう必要に応じた交換をしたい、こういうように考えております。
  13. 城義臣

    城義臣君 小包についても同じような考え方ですか。
  14. 松井一郎

    政府委員松井一郎君) さようでございます。それでもう一点ございますが、通関問題でございます。これは御承知のように、別途通関関係については法律が出ておりまして、アメリカかたがたから日本人宛のものはやはり一応全部通関する。内地にいる日本人から内地にいるアメリカの人に宛てたものは別にそういう関係はございません。それから外地から来たものは全部やりますし、外地に出るものは又移出検査もする。そういう税関一般法規に基きまして、そういう郵便物を持つておるものはまあ事前の税関検査に付されるということになつております。
  15. 和田博雄

    和田博雄君 これは例えば軍人軍属が、軍用という……、これは全部軍用なつちやうのだけれども、私信というものもアメリカ或いはほかの国に行くやつも全部向うのやつを使うことになるわけですな。料金の点については向うの自由な意思できめることになるのでしようね。そうすると商売上のことなんというものも、例えばアメリカ軍調達は全部直接調達になつてしまつて向うでも契約することができるし、それから向うで契約したのをこつちで契約するということになつておるのですが、アメリカとの間の通信というものは殆んど向うのやつを使わずに、全部こつちのやつを使つてつて行く、こういう形になるのですかな。
  16. 松井一郎

    政府委員松井一郎君) 郵便は大体、普通通信の場合におきましては、片つ方からのみの通信というものは原則として余りありませんです。必ず通信出したものに対する返事があります。アメリカのほうから、日本商人なら商人に対して調達の必要上、軍事郵便をお使いになつて通信をお出しになることも或いはあるかと思います。その場合に、こちらのほうから向う通信を出す場合には必ず日本郵便局を通ずるより仕方がありませんから、その場合に向うからお出しになる場合には、向う料金と言いますか、向う負担になりましようし、こちらから出すなら日本負担になる。結局相互でそこの特剔抉済をしないというのが普通郵便の取扱であります。但し小包郵便のような場合におきましては、これは一方的になることも多分にありますので、これは個別的におのおの取り分をきめて、計算することになつております。
  17. 和田博雄

    和田博雄君 よく知らないけれども、この外国郵便種類というものは大体どのくらいあるのですか。
  18. 松井一郎

    政府委員松井一郎君) 大体外国郵便関係で今、これは小包を除きまして通常郵便では、外国へ出るものと入るものと年間三千万通くらいございます。いろいろこれは外国の場所によりまして料金も違つておりますので、今正確な料金はちよつと覚えておりません。
  19. 城義臣

    城義臣君 もう一点伺いたいのですが、あれですか、合衆国郵便物というのは、日本側通信機関に託送せられるというようなことが予想されると思うのですが、どうなんですか、事実……。
  20. 松井一郎

    政府委員松井一郎君) 御承知のように万国郵便條約というもの、要するに国際間におけるいろいろな違つた郵政上における取極めの中の基本原則というものは、取次の自由、お互いの間の、相手の国の郵便物を積卸してやるという自由ということが謳われておるわけでございます。殊にその中に一例を申上げれば、例えば軍艦郵便というものがございます。これは軍艦というものはしよつちゆういろいろな所を歩いておりますし、必ずしもその軍艦乗組員が現在どこにいるということが家族その他にもわからない、外国へ行つている場合もあります。そういう場合にも軍艦宛のものは、各国が、どこの軍艦であろうと自分のほうで積卸してやるということが規定されております。同様に、こうした部隊相互から見まして軍事郵便局がある、勿論相互の間において、向うの手において、軍事郵便送達されることは自由でありますが、併しどうしても向うが僅かな部数のことではあるし、特に自分たちみずからの手でやる必要はないといつた場合には、日本郵政省に頼みまして、日本郵政省はそれに対して合理的な料金をとつて便宜我々の郵袋と一緒に運んでやるということは認められておるのであります。私たちもやはりその精神に基いて必要な個所において、而も我々の施設の余裕のある限度において、そういう特に要望があればいたしたいと考えております。
  21. 城義臣

    城義臣君 それではその場合に、別に行政協定といつたものは必要じやないことになるのですね。
  22. 松井一郎

    政府委員松井一郎君) その点については、万国郵便條約にそういうことを予想した規定がございますから、それでやつて行きたいと思つております。
  23. 城義臣

    城義臣君 それでできるわけですね。
  24. 中川幸平

    中川幸平君 曾つて戰時中、中国とか外国軍隊が出動した際に、野戰郵便局をこしらえた。その際に、その国国の何か機関を利用した例があるのですか、ないですか、無論戰時中ですね、それをちよつとお尋ねしたい。
  25. 松井一郎

    政府委員松井一郎君) 戦争状態におけるいわゆる野戰郵便におきましては、大体占領国郵便施設を利用してやつておるという例があるのでありますが、今度のような場合におきましては、戰時状態ではございませんので、我々のほうの施設を直接向うがお使いになるというようなことは予想しておりません。
  26. 中川幸平

    中川幸平君 和田さん、資料と言われるけれども、むずかしい話ですし、大体これで質疑はいいのじやないですか。
  27. 和田博雄

    和田博雄君 どうもいいか悪いかは言えないのですが、内容が殆んど具体的にはわからないあれなんですね、形式的にはこれでわかつていると言えばわかつているのだけれども……。
  28. 柏木庫治

    柏木庫治君 郵務局長説明で大分わかりました。
  29. 和田博雄

    和田博雄君 それでは郵便料金にしても、これは万国郵便條約から見ても、我々日本の何から見ても、どういうような一体程度になるのか、そういつたようなことだつて今のところわかつてやしない。元より安いものになるかどうかわからんけれども、軍事郵便と言いながら軍事郵便でなくて、一般私信をも当然含んでおるはずだろうと思います。だからその限りにおいては名前は軍事であつても、アメリカの側の何のあれがそのままこつちへ移つて来て、アメリカ協定になると、こういうふうに思うんですけれども、行政協定或いは安保條約そのものに対する意見になつてしまうが、その点は何かそこをもつと、僕らは審議する以上はそういう点についてどの程度に一体日本側政府としても話合いをしておるのかどうか。そういつたことをこれは政務次官おられるのですけれども、当然知らなければならんことだと思うんですね。法律の建前だけから言えばこれでまあいいようなんであるけれども、実際においては日本側料金とか何とかについては、恐らくこれは任しきりということであつたにしても、多少の話合いがあるものじやないかと思うんですが、そういう資料とかいろいろなものがわかつておればいいし、それからもう一つ非常に心配いたしますのは「合衆国軍隊の使用する施設及び区域内」というものがはつきりしておりませんから、そこでこの「区域内」というものが非常に何して来れば、日本側郵便局との間にいろいろなる関係が起つて来るのか、来ないのか。全く無関係で済むのか。そういうような点が私にはわからないのです、実際のところ……。
  30. 松井一郎

    政府委員松井一郎君) 先ほどもちよつと申上げましたのですが、大体ここに書いてあるように、向う軍人或いは軍属相互の間の問題というようなものは、これは料金をどうされようと、何をされようと、実は私たちのほうには一応正面切つて何の関係もございません。その点は関係ございませんが、私が先ほど申上げましたように、日本人から向う郵便を出す場合、或いは向うから日本宛のものが出された場合はどうするか。そういうことが出て参ります場合は、両者の関係におきましては、どこまでも対等相互主義である、それが郵便精神である。そうして、そのためにいろいろ細かな規定を作るということも、これは非常に煩雑でありまして、又郵便種類もおのずから限定されておることですから、これは国際間でお互い交換し合つている万国郵便條約というものの規定手続とにおいて、必要なる場合の郵便物交換をしたいという原則の下に、細かなことをやつておる次第でございます。
  31. 和田博雄

    和田博雄君 それはアメリカ軍のほうと、やはり話合いをされておるわけですか。
  32. 松井一郎

    政府委員松井一郎君) 話合いをいたしております。
  33. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) 私も質問したいのですが、いろいろなことが具体的にはつきりしていないようだけれども、一体これで日本郵政従業員、こういうものに全然無関係にこの軍事郵便というものをやると……日本国内のことなんだから、日本人のそういう関係技術者というか、そういうものの專門家というか、その力を借りるのか、借りないのか。そういうところを……。
  34. 松井一郎

    政府委員松井一郎君) 向う軍事郵便を取扱うということにつきましては、特に日本人專門家を入れるということは恐らくないと思います。ただこちらとして関係いたして参りますものは、先ほど申しました向う発郵便物で、こちらで配達を請負うようなもの、それから途中で郵便物継越を頼まれた場合に、向う郵便物を、輸送の場合に一括して輸送して上げるという程度関連しかないのであります。
  35. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) そうすると、日本郵政関係従業員とは何らの接触はないわけでありますか。
  36. 松井一郎

    政府委員松井一郎君) さようでございます。
  37. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) わかりました。  ほかに御質疑ございませんか。    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) 御質疑もございませんようですし、討論に入るわけでございますが、大分もう質疑の中で討論もあつたようでございますが、又改めて御討論のある人は、御討論願いましようか。如何ですか。
  39. 城義臣

    城義臣君 討論を省略して採決をして頂きたいと思います。
  40. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) では城君の御発言もございましたので、この法律案に対して御賛成のかたに挙手を願います。    〔賛成者挙手
  41. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) 多数と認めます。それではこの日本国アメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定実施に伴う郵便法特例に関する法律案は、原案通り多数を以て可決すべきものと決定いたしました。  なお本会議における委員長報告、これは例によつて委員長に御一任を願います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) それでは本案に御賛成のかたの御署名を願います。   多数意見者署名     中川 幸平  柏木 庫治     城  義臣  駒井 藤平
  43. 岩崎正三郎

    委員長岩崎正三郎君) 場それでは本日の委員会はこれで散会いたします。    午前十一時五十二分散会