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政府委員(
小野吉郎君) 前段の十万円
引上げを再考してはどうか、こういう御
質問でございますが、私
どもも当初から十万円でいい、こうは考えておらないのでありますが、一方現在の一口当りの預入の平均を見ますると、これは
相当まだ低く相成
つております。勿論口座の中には実際には活動しておらない口座もあります。そういうものも一口当りの中に入
つておるわけでありますしするような
関係で、まだ千円に達しないような平均にな
つております。又御指摘の
通り、
限度がたとえ現在三万円であ
つても、それを超える
貯金をしておる向きもありはすまいか。そういう点につきましては、こういう点も確かにあろうと思いますが、大勢から申しますと、
郵便貯金一件当りの現在高はまだ千円そこそこというような見当でもございまするので、この際は一先ず十万円ということで行きまして、いろいろ貯事業に対しまする
貯蓄増強上の要請も加わ
つて来ることと考えますので、そういつた必要とも睨み合せまして、将来の機会には十万円で満足することなく、更に善処いたしたい、かように存じておる次第でございます。
次に
利率の点につきましては、これは
郵便貯金三種のうち、
通常貯金につきましては、
昭和二十二年以来今日まで二分七厘六毛、こういう
利率で参
つておるわけであります。これを今後はいろいろな
関係を
考慮いたしまして、三分九厘六毛に
引上げるということにいたしたいと思うわけでありますが、その
根拠につきましては、別段にこれは
郵便貯金、
通常貯金と対比する恰好なものがないわけであります。仮に
銀行におきまする普通
預金と申しますか、
通常貯金と比較いたしまするとどうなるかと申しますと、これは的確な比較材料ではございませんが、
銀行の
預金の中には、通常
預金と称せられるものの中には、本当に一日か二日で常に出し入れの激しい当座
預金というものもございます。そういうものを除きまして、大体もとの
貯蓄組合がや
つておりました、割に
資金の固定するようなものについて見ましても、平均、
資金が滞留いたします
期間は現在一カ月見当にな
つております。
郵便貯金は十カ月、こういうようなことにな
つておりまして、
積立貯金は、二年満期の
積立貯金、六カ月の
据置期間で、それ以上長く留ることを期待しております。
銀行の定期
預金に似た
定額貯金につきましても、
通常貯金につきましても、今申しましたように、
資金が大体十カ月というような
状況にあるわけであります。従来の沿革から申しましても、大体
銀行の三カ月定期と半年定期の中間ぐらいのところに
利率が定められて参つたわけであります。そういう
事情も
考慮いたしまして、
銀行預金が今日三カ月のもので四分、半年のものが五分、勿論これは二割の
税金がかかるわけでありますが、その税引の三分二厘と四分との中間
程度、こういうところを狙いまして三分九厘六毛、かようにいたしたわけであります。
積立貯金につきましては御
承知の
通り、毎月一定の額をきま
つて預け入れまして、二年経ちますと満期に相成るわけであります。
従つて資金といたしましては、
相当長期の
貯金費目にな
つております。この点につきましては、
通常貯金の三分九厘六毛、こういうような
基準も考え、一方には
銀行の定期
預金の
状況等も考え合せまして、四分二厘というところが妥当ではなかろうか。現在三分一厘二毛の
利子を付けておりますが、四分二厘ということにいたしたいと思います。更に
定額貯金につきましては、これは二十二年後一回上りまして、或いは昨年の六月に極く僅かばかりの利上げをいたしたわけであります。殆んど言うに足らない利上げでございますが、一回ございます。併し現在その利上げをいたしましたとはいえ、
定額貯金の
利子を
銀行の
預金と比べて見ますと、甚だしく不利な
状況に相成
つております。一応
定額貯金は六カ月が
据置期間に相成
つておりまして、
銀行の三カ月定期と対比はできないわけであります。丁度
銀行の半年定期のものと比較して見たら、釣合いがとれるのじやないかと思います。その三カ月の定期が
銀行におきましては、五分の
利子を付けております。そういつた
関係で大体半年から一年未満のもの、これに対しまして四分二厘の
利子を付しておるわけであります。
銀行の半年定期は五分でありますから、二割の
税金がかかるとしますと、四分になるわけでありますが、これは半年丁度で四分になるわけでありますが、それを超えますと、又更に預入替えをして複利
計算の利便ということもありまするし、私
どものほうの
定額貯金の
利子といたしましては、半年から一年までのものを
一つの区切りにしておりますので、四分に少し上廻つた四分二厘を最低のところにしております。従来は一年までのもの、以上一年増すごとに五年まで、五年を超えるものというような、大段階の非常に大きな刻みがあつたわけであります。
如何に長期の
貯金を希望いたしますものとはいえ、今日の情勢で、五年を超えるような長い段階のもの、而もそれにそう高くない
利子を付けるということは無
意味でありますので、これを段階を整理しまして、一年まで、一年から一年半、一年半から二年まで、二年を超えるもの、これを最後の区切りにいたしまして、最低四分二厘から、
最高二年を超えるものにつきましては六分、こういう
利子を考えておるわけであります。