○
政府委員(
斎藤三郎君) それでは私から、仮
出所以下のことにつきまして
逐条概略を御
説明申上げます。
第三章は
条約十一条によりまして、
条約発効後
一定の
条件の下で行うことができることになります
パロールにつきましての
手続の
規定をいたしております。
パロールと言いまするのは、丁度
国内法で言いますると、
刑法二十八条以下の仮
出獄の
規定と、これに関連して設けられておりまする
犯罪者予防更生法の
保護観察に関する
規定とが、丁度合せますると
パロールに実際に即応する、こういうことでございまして、さような
意味合いでこの章が構成されております。
第十六条は、
在所者について
パロールを許され得る、
在所者が
パロールを許されることのできる資格と言いますか、
適格性を
規定しております。
国内法におきましては
刑期三分の一、
無期については十年の
執行を
終つて、改悛の状あるものと、こうな
つておりますが、この章の十六条におきましては、
刑期四十五年
未満の者についてはその三分の一、四十五年以上の者或いは
無期の終身に亘る者については十五年を経過して、且つ
刑務所の
規則を守
つておると、こういう人が仮
出所の
適格性を持つと、こういうふうに相成
つております。
日本では二十年以上というのはないのでございまするが、少し古い統計でありますが、四十年という人が二十一人、四十一年以上の人が四人もあるというようなことで、かような
規定にはな
つておりまするが、又この十五年というのも現在
巣鴨プリズンにおいて行われておる
パロールの
条件と
同一でございます。第二項は
二つ以上の刑のある場合に
継続執行の場合にはそれを合算する。
同時執行の場合には長い
刑期によるのだと、こういう
規定を引用いたしてございます。第十七条は、
パロールの申出と言いますか、
適格性を有する
在所者が
審理を受けようとする
手続でございます。この
申請は
刑務所の長を経由して
中央更生保護委員会に対して
申請をする、こういうことに相成
つております。これには
文書を以て
申請することにいたして、その
文書の
記載事項といたしましては、一は、
パロールに
なつたのち帰
つて行くべき
予定地、
帰住地の
同居者、その者との
関係、その者の健康、職業及び
経済状態、将来無事に
パロールの
期間を終るかどうかということを判断いたす
資料でございます。二が、
戦争犯罪に問われた事実、
共犯者との
関係並びに酌量すべき
情状、こういうことを書いてもらう。それから三は、
拘禁を受けた
期間及び施設の名称、所在地、四はその他参考となるべき
事項、こういうものを
書面にして
刑務所の長を経由して
委員会に申出てもらう、こういうことにいたしております。なお
パロールということが、要するに自分が
パロールを許されれば守るべき
遵守事項を守
つてやりますという
一つの誓約を以てなされるという
関係でございまするので、
本人が
申請をしないというものに対して
パロールをするということは無
意味に近いのでありまして、この十七条の
申請によ
つて審理が開始される、こういう考え方に相成
つております。三項は
在所者が心身の故障によ
つてこの
書面を作ることができないという場合には、
刑務所の職員が代書することができることにいたしております。第四項は、
在所者から
申請書を
受取つた刑務所長は、速かにこれに対して意見を附して、その者にかかる
判決書の写及び
在所中の成績その他刑の
執行の経過の概要を記載した
報告書を添えて、
委員会に進達する、こういう
手続にいたしております。第十八条は、
在所者の親族、
知人その他の
関係者は
委員会に対して
文書を以てその者の
パロールをや
つてほしいという
願出をすることができる、こういうことにいたしております。これは
あと、この
願出があつたときには必ず
委員会が
審理を開始するということにはならないのでありますが、その場合には、
本人が見込みがあるという場合に、若し
本人から
申請のない場合には適切な処置をとることもできまするし、又外におる人の気持も考えまして、かような
規定があるわけでございます。この
願出書は
委員会に対して出すべきことにな
つておりまするが、仮に若しこれが
刑務所に出された場合には、
刑務所長はすぐにこれを
委員会に進達しなければならないということが二項でございます。第十九条は、かようにして
委員会が仮
出所の
申請書を受理いたしますると、先ずこの
申請書の
書類を
調査いたしまして、第十六条に言
つておる
適格性のあるなしを判別する。そうしてまだ
刑期三分の一に達していないというような場合には、
決定を以て
内容の
審理に至らないで却下をする。
適格性のあると認めたときには
内容に
亘つて審理を開始する。これが第二項でございます。第三項はその
審理方法でございますが、その
審理に当りましては
申請書或いは家族、
知人等の
願出書、
刑務所の
報告書その他
委員会に提出された
資料を十分検討することは当然でございまするが、それでもわからないという場合には補充して
調査も行い、又特に必要がある場合には
外国に
照会をしてその判断の適正を期す、こういう
趣旨でございます。この
パロールの
審理につきましては、単に
書類点検だけでは不十分でございまして、面接をするというのが現在も
司令部の
パロール、ボードによ
つて行われているところであり、今後もこの
審理に当
つてはさような具体的な
手続が行われることと考えております。第四項は、かように
委員会が
審理をいたしました結果、
条約第十一条に定めるところによりまして
パロールの
勧告をするということが相当であるかどうかということを
委員会は
会議を以て
決定する。そうして第五項におきまして、その
会議の結果、
勧告が相当であるという場合には、
法務総裁にその旨を報告して、これが
日本国として
外国に
勧告するという
手続に参るわけでございます。この第十九条から二十条の間までは
法律ではこれを
政令に譲
つておりまして、
国内のさような
勧告の
手続については、この
法案の第三十五条におきまして
政令を以てこれを決する、こういうことにいたしておりまするが、これは国としていたしまする
関係、又
渉外関係でありますることから、閣議に諮り、そうして外務省を通じてそれぞれ
関係国に
勧告をする、折衝するということになると思います。第二十条は、さような
勧告の結果又十分なる折衝の結果、
委員会がその
渉外関係から
平和条約十一条に定める
関係国の
決定があつた、そうして
日本国の
勧告に副
つた決定があつた、そうして仮
出所は許すことができる、こういうことに
なつた場合には、実際上の仮
出所の指定の期日やら、或いはその人が出てから守るべき特別な
遵守事項をここで必要がある場合にはきめて、これを
巣鴨刑務所のほうに連絡をする、こういうことに相成るその
根拠規定でございます。 二十一条は、さような
刑務所に対する通知によりまして、
巣鴨から
パロールにな
つた人が、その
残刑期が
満了するまで
委員会の
監督の下で
保護監督に付せられる。この
保護監督は
国内法で言いますると、
犯罪者予防更生法の普通の仮
出獄者に対しまする
保護観察と大体似たことに相成ります。ただ
国内法上何ら
犯罪者ではないのでありまするから、
保護監督という別個の名前を用いまして、そうしてその
方式等は
犯罪者予防更生法の必要な
条文を準用いたしてございます。なお
刑期の
満了につきましては、先ほど
古橋局長から御
説明を申上げました
通りに
善行特典が設されることになります。具体的に、甚だラフな
計算でございまするが、
刑期十年の人は三年
数カ月で仮
出所が許され得る、そうして許されれば
残り三年
数カ月だけ
保護監督に服して、事故なければ
残りの三年
数カ月は、
丁度年の三分の一でございまするが、それは
善行特典によ
つて残刑期の数量が繰上がる。結局そういつたことで全部無事に済めば、それで終る。こういうことになるものと考えております。第二十二条は、
パロールを許されて仮
出所中のものが仮
出所の
期間中に
逃亡したり、或いは遵守すべき
事項を遵守しなかつた場合に取消すことができるということに相成
つております。これは必ず取消さなければならないというものではなくして、
情状によ
つて取消すこともできるということに相成
つております。その後段は
遵守事項を守らなかつたというような
情状が重大である、或いは虚偽の陳述によ
つて仮
出所が許されたということが明らかに
なつた場合には、当然取消さなければならないというのが二十二条でございます。
日本の仮
出獄においても再犯を犯したり、或いは
遵守事項を守らなかつたという場合には取消すことができるという
規定に相成
つております。第二項はその取消処分の
審理でございまして、これはやはり「
委員会が
審理し、
決定をも
つて行う。」ということにな
つておるのであります。三項におきまして、取消の
審理につきましては仮
出所中の者が
逃亡した場合を除いて、その者に十分弁解の機会を与えなければならないという
規定でございます。第四項は、さような
審理の結果「仮
出所の処分が取り消されたときは、その者は、
善行特典の
日数の全部を失うものとし、且つ、仮
出所中の
日数は
刑期に算入しない。」、これもほぼ仮
出獄の取消に
なつた場合に、取消前の仮
出獄中の
期間が
刑期に算入されないのと即応しておる点でございます。勿論この
善行特典の
日数の全部を失うということになりまするが、その再
収容後の
情状によ
つては、又それを回復することができる
規定は十二条にございまして、その後の
情状によ
つては又一遍失つた
善行特典の
日数を回復することができることに相成
つております。第五項は「
委員会は、仮
出所の処分を取り消したときは、直ちに、その旨を
刑務所の長に通知しなければならない。」そうして第六項は、その通知を受けた
刑務所の長は、必要がある場合には
収容状を発する、これが二十二条の処分取消の
関係の
規定でございます。二十三条は、これは処分取消をするかどうかという場合に
審理をしなければならない、その
審理中の必要な
規定でございまして、仮
出所中のものが
逃亡或いは
遵守事項を守らなかつた、或いは虚偽の陳述によ
つて仮
出所を許された、こういうことを疑うに足る十分な理由があるときには、仮に仮
出所の処分を取消して、そうして仮
収容状を出すことができる。それは、その第二項におきまして「前項の仮
収容状は、
委員会の
委員の指揮により、保護、観察官又は
法務府事務官が
執行する。」、そうして第三項におきまして「警察官又は警察吏員は、
委員会の依頼により、仮
収容状の
執行をすることができる。」、第四項におきまして、「仮
収容状の
執行を受けた者は、監獄その他適当な施設に
収容することができる。但し、その
期間は、十日をこえてはならない。」、そうして第五項におきまして、その十日の「
期間中であ
つても、
収容の必要がないと認めるときは、直ちに、
本人を
釈放しなければならない。」、第六項におきまして、仮
収容の
期間は仮にその
審理の結果取消されたという場合においても、これは身柄の拘束を受けておるのでありますから、
刑期に算入する、こういうことにいたしてございます。
第四章は現在
巣鴨プリズンにおきまして、緊急一時仮
出所という名前で行な
つている
制度を、これは
在所者にと
つて利益の
制度でございますので、これを採用したい、こういう考えでございます。これは
国内法の
執行停止というものに考え方が類似しておりまするが、その原因とか、或いはその効力において相当違いがございます。この
巣鴨プリズンにおきまして現在実施しておりまする緊急一時仮
出所は、現在
巣鴨プリズンで行われておりまする。
パロールの基礎にな
つておりまする同章にはない
規定でございますが、人道上当然であるという見地からであろうと思いますが、同章でなくて実施されているものでございます。そういう利益の
制度でありまするので採用しております。二十四条はその一時
出所ができる理由といたしまして、第一には「
在所者の父母、配偶者又は子が死亡したとき、又は危篤であるとき。」という場合でございます。第二は、
在所者の子供、而も未成年の小さな子供が現在世話にな
つておる、或いは監護されているその人が、
在所者の小さな子供の面倒を見ている人が死んだとか、或いは死にそうだという場合には非常に気の毒でありますので、これも第二として事由にいたしております。第三は、震災であるとか、風水害、火災或いはこれらに類する災害、実例といたしましては、先年福岡の近くで連合軍の飛行機が墜落をいたしまして、丁度
巣鴨に入
つている人の家ですか、親戚の家ですか、その上に落ちまして、七、八人の人が亡く
なつたという場合に、やはりこれもこの事由によりまして緊急一時仮
出所を許しております。こういつた不測の災害の場合であ
つて、
在所者又はその近親の住居、家財が破壊され、或いは滅失し、
本人が出向かなければ跡始末に困るというような場合、この三つの場合には
委員会の許可によ
つて在所者の一時
出所ができる、こういうことにいたしております。但しこの父母、配偶者又は子供がなくなり、或いは死にそうだとか、或いは
在所者の子供さんの面倒を見ておる人が死んだとか、死にそうだとかという場合には、その危篤のたびということでは甚だ濫用に陷る虞れもありますから、六カ月以内に
同一人の死亡又は危篤を理由としては二度はできないというのが但し書でございます。そうして第二項はその
期間でございます。この
期間は現在は余り長くないのでありまするが、
日本の交通の事情等もございまするので、この
法案におきましては、「
目的地までの往復の
日数を除き、五日をこえてはならない。」、こういうことにいたしてございます。第二十五条はその
手続でございまして、この一時
出所は
在所者又はその親族、
知人、知友その他の
関係者が
委員会に対してその
規則の定める法式によ
つて文書を以て願い出る、こういうことにいたしております。その添付
書類といたしましては、亡く
なつたとか、或いは危篤の場合には、その状況を記載した医師の診断書、検案書又は死亡証書、こういうものを付ける。それから天災等の場合には、その状況を明らかにして、そうしてそれについての市町村長或いはその代理者の証明書を添付してこれを願い出れば仮
出所を許される、こういうのが二十五条の
規定でございます。二十六条は一時
出所を許された場合には、
委員会はその人が一時
出所中の守るべき
事項を定めて誓約させ、且つ観察官であるとか、或いは
法務府事務官のうちから
監督に適当な人を選んで同伴をさせ、
監督上必要な措置をとることにいたしております。第二十七条は、この一時
出所中の人が
逃亡したり、或いは守るべきことを誓約した
事項を守らなかつたという場合には、
委員会は
決定を以て
善行特典の
日数の全部又は一部を剥奪することができる。二項は前項の
決定をした場合、
委員会はその旨を
刑務所の長に通知しなければならない、こういうふうにいたしまして、第三項におきまして、それらに必要な
遵守事項を守らなかつたという場合、その
情状が重いとき、或いは嘘をついて一時
出所したという場合には必らず取消さなければならないというのが二十二条の第一項でございますが、第二項は、
委員会が
審理をして初めて
決定する、第五項は
刑務所の長への通知の
規定、第六項は逃走した場合には
収容状の必要も考えられますので、その
規定を準用してございます。それから第四項には一時
出所の処分が取消された場合の効果でございますが、一時
出所中の
日数は
刑期に算入されない、こういう
規定にいたしております。結局この半面におきまして、
国内法の
執行停止は
刑期に算入されないのでありまするが、この
法案の
制度に対しては一時
出所中の
日数は当然算入される、ただ取消された場合に算入されない、こういう
趣旨でございます。それから第五項が、この一時
出所の場合に同伴に当る者は、観察官或いは
法務府の事務官は
本人が
逃亡を企てたり、或いは守るべき誓約
事項を守らないというような十分な理由がある場合には、直ちにその者を
刑務所に取戻すことができることを
規定したものでございます。なお四章の一時
出所というものは
関係国の
決定なしで、
日本側だけで行うことができるという建前でございます。
第五章は
赦免及び刑の
軽減でございます。この
赦免、
軽減ということは
国内法で言いますると特赦とか、
執行の免除とか、刑の
軽減は、まあ減刑ということに近いことであると存じますが、
国内法上の犯罪ではございませんので、別個の名称を用いてございます。二十八条は
在所者及び仮
出所中の者はこの
赦免及び刑の
軽減の
適格性を全部持
つておる、仮
出所のように
一定の年限の
執行の経過ということを
条件とせず、事案によ
つて誰でも事案が相当ならば
赦免なり、
軽減の
審理を受けることができると、こういうことにいたしております。二十九条はその
手続きでございまするが、
在所者或いは仮
出所パロール中の者が
赦免又は刑の
軽減の
審理を受けたいという場合には、
在所者は
刑務所の長を経由して、仮
出所中の者は直接
委員会に対して
文書を以て
申請することにいたしております。第二項は、
在所者又は仮
出所中の者の親族、知友その他の
関係者は
委員会に対して
文書を以て
赦免又は
軽減の
願出をすることができるということにいたしております。そうして第三項において、その場合の記載の
事項であるとか、又
本人が
在所者であ
つて、
本人が書けない場合は
刑務所の職員が代
つて代書することもできる。
委員会に出すべき
書類を
刑務所へ出した場合には、
刑務所が
委員会に進達するというような必要な仮
出所についての
条文を、この
赦免、
軽減の
申請願出に準用いたしております。第三十条は、それらの
審理でございまして、
委員会は
赦免又は刑の
軽減の
申請書、
本人からの
申請書、或いは
関係者からの
願出書を受理したときには
審理を開始しなければならん。そうして
刑務所長も
文書を以て申出ができますので、その申出があつた場合にはやはり
委員会は
審理を開始する。更に第二項におきましては、
委員会は
本人からの
申請なり、
関係者からの、
知人、親族、家族等の
願出、或いは
刑務所の長の申出がない場合でも事案相当である、そうして必要ありと認めた場合には職権で
審理を開始することができる。こういう建前をと
つております。第三項は、かように窓口を幾つも持
つておりますので、その
願出、
申請願出、申出が重な
つて二つ以上あるという場合に、成るべくそれを併合して
審理するという建前をと
つております。第四項におきましては、
赦免又は刑の
軽減の
審理に当
つては、
委員会は
刑務所に
照会を発して、
判決書の写しやら、
在所中の成績その他刑の
執行の経過の概要を記載した
報告書を取寄せるほか、
刑務所の長の意見も徴し、又
本人以外から
願出た場合には
本人の意向も確める、こういうことにいたしております。第五項は、その
審理に当
つて、十九条にございまする
書面だけでは足りない場合に、
関係者において直接
調査をして補充
調査をするとか、或いは
関係国に
照会を発する、こういうような
規定、そうして
審理をすれば、
勧告するかしないかを
決定しなければならない。そうして
勧告を相当とする場合には
法務総裁に
委員会は報告をする、そうしてそれが閣議を経て外務省を通じて
関係国に参る。この
規定を五項といたして置きました。その
国内の
勧告の
手続につきましては、
あとに出まする第三十五条におきまして、
政令において定めることにいたしております。それから三十一条は、かようにいたしまして、
条約十一条に定める
勧告と、そして
関係国の同
趣旨の
決定があつたという場合に、
委員会は
赦免なり、刑の
軽減ができる、赦すことができることに相成りますので、速かにその実施の
手続をするという
根拠規定を置いております。
以下第六章は雑則でございまして、三十二条は、
委員会はこの
法律によ
つてその権限に属せしめられた
事項の
調査について
刑務所その他の公務所に対して
書類の提出を求める。それから三十三条が
関係国に対する連絡通報を敏速且つ円滑に行うために、刑の
執行に関する
書類は
法務総裁において、
委員会においては
赦免とか、刑の
軽減であるとか、仮
出所、及び一時
出所に関する
書類を常に整備して置く。それから二項におきまして、
勧告の
手続をとるに当
つては、
委員会は、
関係国に提出すべき
書類として、左に掲げる
書類で当該事案に関するものを、それぞれの事案ごとに整備しておく。
申請書の写或いは家族等の
願出或いは
刑務所長の申入書の写、或いはその要旨を記載した
書類、それから
在所中の成績、行状
刑務所長のそれらについての
報告書、それから意見書或いはその要旨、それから仮
出所中の成績を明らかにした
書類、
遵守事項とか、医師の診断書、それらの
関係書類を提出する。それから第三項におきましては、入所、
出所、
病院への
移送及び
病院からの復所、死亡、
逃亡、こういうことを一月ごとに取りまとめて、翌月の初めに
関係国に通報する。
委員会は
赦免をしたとか、刑の
軽減をしたとか、仮
出所をしたとか、或いはそれらの取消、一時
出所、
刑期の
満了、死亡、
逃亡ということを同様に整備して、翌月初めに
関係国に通報する。それらのほか
関係国からの要求がある場合にはそれらの
事項を通報する。六項におきましては、
刑務所長は
委員会に
関係のある入所、
出所、
病院移送その他の
事項があつた場合には、
委員会に報告する。それから第三十四条におきましては、
刑務所長が
関係国から申出のあつたときには刑の
執行の状況の視察或いは
在所者に対する面接を許さなければならない。第三十五条におきましては、先ほど申し上げましたように、
法務総裁に報告して、それから
関係国に参りまするまでの
手続、それから
関係国から外務省を通じて内閣に参る。内閣から
委員会に参りまするまでのいろいろな
手続は
政令で定める。三十六条につきましては、それらのほかに第二章の
執行に関する面におきましては、その必要な
事項細則的なものは
法務府令で定める。第二項につきまして、
刑務所長は
処遇細則を定めることということ、それには
法務総裁の認可を必要とする。それから三十七条におきましては、この
法律及び三十五条の
渉外関係の
政令のほか、
委員会の権限
事項に関する
事項細則は
委員会で定めるということに相成
つております。