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1952-07-30 第13回国会 参議院 法務委員会 第64号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年七月三十日(水曜日)    午後一時五十一分開会   —————————————   委員の異動 七月二十九日委員小串清一入交太藏 君及び栗山良夫君辞任につき、その補 欠として、左藤義詮平井太郎君及び 吉田法晴君を議長において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     小野 義夫君    理事            宮城タマヨ君            伊藤  修君            一松 定吉君    委員            左藤 義詮君            長谷山行毅君            岡部  常君            齋  武雄君   政府委員    中央更生保護委    員会事務局長  齋藤 三郎君    中央更生保護委    員会少年部長  池田 浩三君   事務局側    参     事    (事務次長)  芥川  治君    常任委員会専門    員       西村 高兄君    常任委員会専門    員       堀  眞道君   説明員            高橋 通敏君   —————————————   本日の会議に付した事件継続調査要求の件 ○継続審査要求の件 ○議員派遣要求の件 ○小委員会設置の件 ○小委員補欠選任の件 ○小委員長補欠選任の件 ○派遣議員報告検察及び裁判運営等に関する調査  の件  (平和條約第十一條による刑の執行  及び赦免等に関する件)   —————————————
  2. 小野義夫

    委員長小野義夫君) これより委員会を開きます。  本日午前、委員長及び理事打合会を開きまして、閉会中の委員会運営につきまして協議いたしました結果に基きお諮りをいたすことがございます。先ず継続調査についてお諮りいたします。当委員会におきましては、今期国会におきまして検察及び裁判運営に関する調査を、それぞれ小委員会を設け、又ときには委員会におきまして調査いたして参つたのでありますが、本調査今期国会閉会中も引続き行いたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 御異議ないと認めます。委員長よりこの旨の要求書議長に提出いたします。なお要求書内容便宜委員長に御一任願います。   —————————————
  4. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 次に只今決定されました調査のために、閉会中も引続き司法制度に関する小委員、新刑事訴訟法運用に関する小委員青少年犯罪に関する小委員を設け、小委員今期国会通りといたしたいと思います。又本調査の新たな一項目として、今期国会におきまして集団暴力に関する事項を取上げ、本件に対する小委員会を設けておるのでございますが、破防法施行等の新しい事態をも勘案いたし、委員長及び理事打合会におきまして協議の結果、この小委員は今後集団暴力並びに破防法及び公安調査に関する小委員とし、所要の調査を行うことに決定いたしました。  なお、この小委員及び小委員長は、集団暴力に関する調査小委員方々をそのまま選定いたしたいと思います。  以上申上げました閉会中における各小委員会設置、小委員選定に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 御異議がないと認めましてさよう決定いたします。   —————————————
  6. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 次に継続審査に関してお諮りいたします。当委員会只今まで刑事訴訟法の一部を改正する法律案の審議を行なつて参つたのでありますが、本法案の重要性に鑑み、閉会中も引続き審査を行いたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 御異議ないと認めます。委員長よりこの旨の要求書議長に提出いたします。なお要求書内容便宜委員長に御一任願います。又本案は本国会と同様、新刑事訴訟法運用に関する小委員において審査せしめることにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 御異議がないと認めてさよう決定いたします。   —————————————
  9. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 次に議員派遣に関してお諮りいたします。今期国会閉会中、検察及び裁判運営等に関する調査のため議員派遣を行いたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 御異議がないと認めて、委員長より議長にこの旨の要求書を提出いたします。なお調査の細目、派遣地派遣議員の人選、日数等便宜委員長及び理事に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 御異議がないと認めまして、さよういたします。   —————————————
  12. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 小委員補欠選定についてお諮りいたします。一松長谷山、齋、左藤吉田の各委員は先般委員を辞任されましたが、その後、更に補欠として法務委員選定されました。つきましては、これらの委員方々を再び各種の小委員補欠選定いたしたいと思います。なお、この小委員の互選は便宜委員長に御一任願うこととし、それぞれ前に受持たれておりました小委員に指名いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 御異議がないと認めてさよう決定いたします。念のため申上げます。一松委員は、司法制度に関する小委員、新刑事訴訟法運営に関する小委員集団暴力並びに破防法及び公安調査に関する小委員、それから長谷山委員は、司法制度に関する小委員、新刑事訴訟法運用に関する小委員集団暴力並びに破防法及び公安調査に関する小委員、齋委員は、新刑事訴訟法運用に関する小委員青少年犯罪に関する小委員左藤委員は、司法制度に関する小委員青少年犯罪に関する小委員集団暴力並びに破防法及び公安調査に関する小委員吉田委員は、新刑事訴訟法運用に関する小委員集団暴力並びに破防法及び公安調査に関する小委員、以上でございます。   —————————————
  14. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 次に小委員長補欠選任についてお諮りいたします。司法制度に関する小委員長は、鬼丸義齊君が辞任いたしましたので、補欠選任をいたしたいと思いますが、これは便宜委員会において委員長より指名いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 御異議がないと認めまして、小委員長一松定吉君を指名いたします。   —————————————
  16. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 別に御発言はございませんか。
  17. 伊藤修

    伊藤修君 検察及び裁判運営に関する調査のうちに、本国会において調査報告の未了の分、即ち呉及び広島におけるところの調査報告及び長良川事件に対する調査報告につきましては、引続きこれは調査することにお諮り願つておきたいと思います。
  18. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 只今伊藤委員より提案になりました事項に関して、たお引続き調査することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 御異議がないと認めさよう決定いたします。
  20. 伊藤修

    伊藤修君 先に当委員会の指名によりまして、四月八日より同月十四日までの間七日間、大阪府並びに兵庫県に派遣せられて、朝鮮人集団暴力に関するところの調査を行なつた次第でありますが、その調査の目的並びに調査概要、及び事件概要、その結果等は、詳細報告書に記載いたしておりますから、これに基きまして報告に代えたいと思います。   —————————————
  21. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 次にそれでは戦犯に関しまして、参議院議長のお計らいで連合国議会へ向つて戦犯に関するお願いというのでありますか、懇請の書翰を送られたことに関しまして、事務次長芥川君より説明を聴取することにいたします。
  22. 芥川治

    ○参事(芥川治君) 只今委員長からお話がありましたが、昭和二十七年の六月二十六日に、佐藤議長から関係国上院議長に宛てまして、左のような手紙を出しております。この関係国と申しますのは、米国英国、カナダ、フランスインドニユージーランドフイリピン、濠州、オランダ、以上でありまして、文章は   本月九日参議院戦犯在所者釈放等に関する決議を可決いたしました。関係諸国の同情ある理解に依り、出来る限り早急に本決議案の趣旨が実現されることを心から念願いたします。就いては、右決議を送付致します。これが実現方につき格別の御配慮と御援助を賜われば本院議員は云ふに及ばず、同胞一同等しく感謝する所で御座居ます。 これに対しまして、先般七月の十二日に、インド議長から参議院議長佐藤尚武君といたしまして、手紙が参つております。   私は貴翰を外務担任者である総理大臣へ手交しました。貴方の御提言は総理大臣に於て考慮中です。何等か決定の際は御知らせ致します。それから更に七月の二十八日でありますが、ニユージーランド議長から手紙が参つております。   一九五二年六月九日貴参議院で御採択になつ戦犯在所者釈放等に関する決議案の飜訳文御送附の六月二十六日附の貴書翰接受致しました。   右貴書翰及び決議案政府に伝達いたしました。 以上でございます。
  23. 小野義夫

    委員長小野義夫君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止
  24. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 速記を始めて。  それではこれで休憩いたします。    午後二時八分休憩    ——————————    午後三時三十五分開会
  25. 小野義夫

    委員長小野義夫君) それでは午前に引続きまして、委員会を再開いたします。  先ず平和條約第十一條による刑の執行及び赦免等に関する法律に基き関係各国に対して行われている勧告等交渉の実情について、先ず外務省当局の御説明を願います。
  26. 高橋通敏

    説明員高橋通敏君) それでは外務省側から現在までとつております手続概況お話申上げます。  平和條約第十一條に従いまして、先ずここに仮出所赦免手続をとつている次第であります。で、法務府からその決定書をおのおの頂きまして、それを直ちに飜訳いたしまして、それぞれ関係国に伝達いたしている次第であります。現在までのところ、ちよつと数字外務省のほうの数字は古く、一昨日のものでございますが、仮出所におきましては百五十九名、ただこれは法務府から頂きました書類を、原則としてその日のうちに通達しております。でございますから、時々刻々、その数が違つておりますが、約百六十名近くの仮出所勧告をそれぞれ関係国通達済でございます。  それから赦免につきましては、先ず台湾との平和條約が近いうちに発効する段取になりますのでそれと同時に、これらのこの国の関係戦犯者……、中国関係戦犯九十一名が近いうち釈放になる予定であると考えております。  それから釈放でございますが、そのほかたまたまフランス関係におきまして、フランスの七月十四日の独立記念日をトしまして、フランス関係戦犯者三十九名でございますが、これにつきまして釈放方佛国側に申入れております。佛国側から最近これについては、非常に好意的に考慮しようというふうな報告を受取つておりますので、これにつきましては、非常に明るい希望が持てるのではないかと思つております。  以上簡單でございますが、外務省側のとつている手続概況を申上げました。
  27. 左藤義詮

    左藤義詮君 この仮出所の数ですね。内訳はわかりませんか
  28. 高橋通敏

    説明員高橋通敏君) 米国が二十八名、それから英国が三十五名、オランダ八十八名、フランス七名、オーストラリアが一名でございます。計百五十九名。
  29. 左藤義詮

    左藤義詮君 仮出所はみな三分の一過ぎた者ばかりでございますね。
  30. 高橋通敏

    説明員高橋通敏君) はい。
  31. 小野義夫

    委員長小野義夫君) これは向う側がまだOKとは言つて来ないのですか。これから勧告して仮釈放勧告をしたと、こういう意味でございますね。見込としては如何でしようか。
  32. 高橋通敏

    説明員高橋通敏君) まだ実は、見込の点でございますが、向うのほうからも何とも言つて来ないので、極力推進している状況でございます。と申しますのは、外務省におきましては、すぐ公文書を作りまして、ここの出先米国英国オランダの大公使館に持つて行く。同時にそこで縷々説明をして向うに渡しているわけでございますが、ここの出先の公館ではすぐに決定するわけには行かない。非常に好意的ではありまするが、それをそのまま本国に通達している状況でございます。本国に通達しますと、恐らく本国でも本国外務省を通じまして、関係省行つて、その決定がなされて、それから又こちらに来るのではないか。  それから今まで例えば米国関係でございますが、大体のこちらの公文内容電報で取次いで行くということで非常に早く行きそうだつたのでございますが、アメリカ側からはやはり公文の全文と申しますか、それを欲しいというふうなこともありますので、それが向うに伝達されるということになりますと、なかなか、うまい工合に行かないというような状況でございますし、大体見渡しますのにフランスが最も現在のところは好意的に考えてくれるようでございますが、まあ、なかなかむずかしいいろいろな事情もあるかと思いますが、極力推進しておる状態でございます。
  33. 岡部常

    岡部常君 さつきお話になりましたフランスに対する交渉赦免でございますか。或いは仮釈放ですか。
  34. 高橋通敏

    説明員高橋通敏君) 赦免です。
  35. 岡部常

    岡部常君 赦免ですか。仮釈放以上の赦免ということを目標にして……。
  36. 高橋通敏

    説明員高橋通敏君) はあ。
  37. 齋藤三郎

    政府委員齋藤三郎君) 只今の点でフランス関係は先に七月十四日以前にパロールの申請をした人が若干名ございます。そのうちに重ねて赦免勧告をいたし、なお外務省に御連結いたしまして、若しむずかしい場合には口頭で一つできるだけ短かい刑期減刑してもらいたい、五年とか七年とかいうことを大使から申入れて頂いておるわけでございます。
  38. 左藤義詮

    左藤義詮君 フランス関係で一番長いのはどれくらいですか。
  39. 小野義夫

    委員長小野義夫君) ちよつとそれでは、今中央更生保護委員会事務局長説明を一遍お願い申上げます。それから質問に入ります。
  40. 齋藤三郎

    政府委員齋藤三郎君) 法務府といたしましては、巣鴨在所者につきまして、特にB、C級のかたについては一刻も早く解決をしなければならない、かように存じて、今日まで、又今後も努力を続けるつもりでございます。仮出所につきまして先ず申上げますが、この一ケ月くらいの間に仮出所適格性を有する、即ち刑期三分の一に達する、こういう人が在所者九百九十二名中二百九十六名ございます。これにつきまして殆ど調査を完了して、六月の十二日だと記憶いたしておりますが、その日を皮切りにいたしまして書類の整備次第勧告決定書を作り、その関係書類については、法務府として英訳を附けて、そうしてそれぞれ決定の上、法務総裁を経由いたしまして外務大臣に御送付申上げて、又事務当局といたしましては緊密な連絡をとつて事務の推進を図つて参つております。その結果、外務省で表書きを英訳なさつたり、又書類をいろいろ検討なさる関係で若干その間に日がかかる場合もございます。さような関係勧告書を私のほうから出した数は、パロールにつきましては百八十七という数になつておりまして、その大部分がそれぞれの手続を完了して関係国勧告をされておる。こういう状況に相成つておる次第でございます。残りの者につきましては、八月の中旬くらいまでには、全部適格性を有する人については仮出所勧告手続が終る予定で、現在準備を進めております。なお赦免につきましては、今日まで決定をいたしましたもの、先ほど外務省からお話中国関係のものにつきましては、これはちよつと別といたしまして、その他につきましては、フランス関係のものにつきまして、三十九名、それから朝鮮台湾の本籍を持つておられて、現在では日本国民でないという人について、一括してそれぞれの裁判を言渡した関係国に対して、赦免勧告をいたしておりますものが三十名、計六十九名、その他の方々についても、最も近い機会に適当な機会を見出して、それぞれ赦免或いは減刑等、適切なる勧告を行うべく、その際に事務上間に合わないことのないように、現在判決書の翻訳やら或いは本人の申立て、本人につき、或いは家庭につき、諸般の調査を進めておるような状況でございます。なお在所者は一般的に一日も早く赦免一般勧告をしてほしいという強い要望をお持ちになつております。これについても、私どもとして、できる限りさような要望が一日も早く実を結ぶことのできるように手続を進めて参りたい、かように存じております。  それから先ほどの左藤委員のお尋ねの点でございまするが、フランス関係刑期につきましては昨年減刑がございまして、無期について五年或いは七年、もう少し長いのがあつたかと存じておりますが、減刑がございまして、この講和発効後その減刑によつて出られた人が二人ございます。ところが、如何なる理由ですか、同じフランス関係終身刑のかたで、そこで昨年の減刑なつていない人が二人ございます。その他有期刑については昨年余り減刊がなかつた関係で、二十年未満につきまして三十何名か現在在所しておる人があるわけでございます。これらにつきまして一括して、昨年のその一部無期の人について減刑された。これも有難い。併し他の二名をどういう理由で除外なすつたのか、その理由がわからない。是非一つ赦免お願いしたい。若し赦免がかなわない場合には、せめて五年とか七年というふうな短かい期間減刑をしてほしい。こういうふうな勧告をいたしておるような状況でございます。
  41. 左藤義詮

    左藤義詮君 そうすると、二百九十六名の該当者というのは、これは、三分の一刑期が済んだ者でございますね。そのうちで百八十七名というものは、あとはどういうふうになるのですか。
  42. 齋藤三郎

    政府委員齋藤三郎君) これらの残りの者につきましても調査は完了いたしております。それで現在勧告に必要な書類を作つておりまして、来月の、二十日くらいまでに全部勧告手続が完了する、こういうつもりで準備いたしております。当初は、アメリカ関係で申し上げますると、アメリカ大使館に一通だけ書類を出せばいいように準備をいたしておりましたのが、途中で電報本国といろいろ折衝された結果、電信だけではわからぬ、全部コツピーを出してくれということで、五部ずつ写しを出してくれということで、途中変更をいたしましたりなどいたしまして、なかなかいろいろ初めての仕事でございますので、途中で変更なつたりいたしまして、書類を作るのに若干日数を要するという事情もございました。さような進行状態でございます、
  43. 左藤義詮

    左藤義詮君 百八十七名は手続が済んだ。今外務省で百五十九名とおつしやつた、その差は、事務のまだ途中にあるわけでございますか。
  44. 齋藤三郎

    政府委員齋藤三郎君) そうです。
  45. 左藤義詮

    左藤義詮君 これもそのうちに片付くわけですね。
  46. 齋藤三郎

    政府委員齋藤三郎君) 今申上げておりますうちにどんどん片付いて行つておると思います。
  47. 左藤義詮

    左藤義詮君 フランス大変好意を持つて、昨年も若干の減刑があり近く革命記念日にいい返事がありそうだ、その一国がそういう例を開かれたら非常に行きやすいと思うのですが、その様子を見て他に又赦免お願いをしよう、こういうおつもりだというふうに考えていいのですか。
  48. 齋藤三郎

    政府委員齋藤三郎君) 必ずしもまあフランスがいい返事をして、それによつてというふうにも考えていないのでございまして、国内の、或いは外国の当該国にやはり赦免勧告するにふさわしいような出来事があるという時期に一つ、それもできるだけ早い機会にそれをいたしたい、かように考えております。たまたまフランス独立記念日が七月十四日にありました関係で出したわけでございます。今後日本国内或いは当該国においてそれに適するような場合に一つ勧告をいたしたい、かように考えております。
  49. 左藤義詮

    左藤義詮君 いろいろお骨折の点、拜承いたしましたが、非常に一日千秋の思いで待つておるのでございますから、今適当な機会とおつしやいましたが、その機会を逃さないように十分の御善処を願いたいと思いますが、なお昨日社会党の藤原議員も帰つて来られて、フイリツピンの大統領に会つて来られたそうでありますが、フイリツピンにおります戦犯について、当局としてどういうような情報をお持ちになり、どういうような努力をしておるのでありますか。
  50. 高橋通敏

    説明員高橋通敏君) フイリツピンには只今百十一名おると公言されておるのでございますが、この取扱いにつきましては、先ずフイリピン政府に対しまして、内地に送還して服役せしめるようにこれを要請中でございます。併しまだこれにつきましては向うのほうからも何ら、非公式にも返答はしておりません。
  51. 左藤義詮

    左藤義詮君 要請は正式にいつなすつたのですか。
  52. 高橋通敏

    説明員高橋通敏君) 正式な要請というか、非公式な要請をたびたびやつております。
  53. 左藤義詮

    左藤義詮君 外務省から……
  54. 高橋通敏

    説明員高橋通敏君) はあ。
  55. 左藤義詮

    左藤義詮君 それから死刑延期等についても何か非公式には要請をしておられますか。
  56. 高橋通敏

    説明員高橋通敏君) それはすべて内地服役ということで要請しておるということになつております。
  57. 左藤義詮

    左藤義詮君 死刑執行しないようにということですね。
  58. 高橋通敏

    説明員高橋通敏君) 勿論そういうようなことも含めて要請をしておるわけでございます。
  59. 左藤義詮

    左藤義詮君 これに対して非公式とおつしやつたのですが、宗教団体とか婦人団体とか非常に国民心配しておるわけですが、署名運動その他いろいろの歎願をしておるのですが、こういうことに対して外務省としてはどうお考えなつておるか。連絡なしに余りいろいろなことをやられては困るというのですか。それとも、こういうことは結構なことで外務省としても非常に便宜を計つておられるが、向うに対する響き方をどういうふうに見ておられますか。
  60. 高橋通敏

    説明員高橋通敏君) これは実は私どもとしましては相当向うの響き方につきましていろいろデリケートな問題が多々あるんじやないかというふうな感じを持つておりますので、相当できろだけ愼重な態度を持つて対しておる次第でございます。
  61. 一松定吉

    一松定吉君 今あなたの御報告によつて私も非常に世間の人がいろいろな誤つたる報道を誤信して心配をしておるというようなことがよほど解消せられる事実だということを了承いたしました、そこで今左藤君の御質問の中にもありましたように、こういうことについては世間がいろいろ誤解をし、いろいろ心配をしておりますから、差支えのない限り、こういうような手筈をした、こういうような状況なつておるということを、広く人に知らせるという必要はないとしても、そういう関係者や特別の人には、そういう事実をお知らせになる要はないかと思うのですが、そういうことについてはどういうお考えで、どういう方法でやつておりますか、それを一つ
  62. 高橋通敏

    説明員高橋通敏君) これは外務省といたしましても交渉の結果とか、模様でございますが、これは逐一でき得る限り関係者、主に巣鴨に収容されておる戦犯者に知らせるというふうな方向に進んでおります。それも、正式にきまつたとか、結論を得たということのみならず、その過程におきましても可能なものはできるだけ知らせるというふうな方向に進んでおります。
  63. 一松定吉

    一松定吉君 今あなたのお話だとすると非常に結構なことだと私も思うのですが、ところが昨日私のところに辯護士会の林というかた、それと巣鴨からこの間出たという人の海軍中佐のかた、それと今現に入つておるという人の奥さんと、そのほか関係者の人がやつて来まして、こういうことを、法務委員であるということを知つて、私に陳情に来たのです。御参考のために申上げておきますが、この間、今月の十二日に木村法務総裁巣鴨を訪ねてくれた時に、今参議院決議に基いて万遺漏なく手続を進めつつある。自分としては、すでに独立国なつた建前から恩赦令でも施行して、その恩恵を国民によく周知徹底せしむべくしておるのであるが故に、戦犯者諸君に対してもそういうような好意ある手続をとつており、又将来とてもそういうような手続決定すべく進行する考えであるから、大いに諸君は喜んでくれよという報告を、この十二日に木村法務総裁がした。そこでまあ巣鴨戦犯者諸君は湧き立つようにして喜んだ。ところがその翌々十四日に岡崎外務大臣が来て、戦犯者に会つた時に、戦犯者の一人から岡崎外相に向つて木村法務総裁がこういうことを話してくれて、自分らも非常に嬉しく感じておりますが、政府外務大臣もそういうような方針で一つ急速に有効適切な方法においてお進みを願いたいということを陳情したそうだね。ところが岡崎外相は、それは木村法務総裁がそういうことを言うたとすれば、それは法務総裁が勝手に個人でそういうことを言うたので、今政府としては木村法務総裁の言うようなことを考えてはいない。そういうようなことを積極的にするということはむしろプラス・マイナスになる、或いは藪蛇になるというようなことであるから、関係国が進んで釈放手続をとることに応じてこちらも釈放という手続をとつておるのだから、今そういうことをむしろ政府としてはやらぬほうがいいんだ。こういうことを岡崎さんが言うた。そこで巣鴨戦犯諸君が非常に驚いて、これは実に木村法務総裁の言うことと、岡崎外務大臣の言うことは違うので、大変なことだというて、今大騒ぎをしておる。ついては一つ各政党の法務関係の人にお願いをした。緑風会にも社会党にもお願いをしたが、あなたにもお願いするが、どうかそういう事実がどつちが本当だろうか、緊急質問一つ明日国会の最後の日にやつてくれないかというふうに頼んで来た。私は調査してみまようといつて考えた結果、そういうようなことを国会において緊急質問をするということが国際情勢に如何なる惡影響を及ぼすかもわからんということを考慮して、私は今日は特別に委員長お願いをしてあなた方においでを願つて、その話を聴いて、岡崎君がそういうことを言つたことについては誤りであつたということを自分から自覚して、喜んでおるわけであります。そういうようなことで、今、私があなたに、今あなた方の交渉したような経過を関係者に御報告なつておるということをしておりますかとお尋ねしたのは、それなんです。でありますから、今言う通り誤解を招いておる点もありましようから、そういうようなことは国家のためには喜ぶべきことではないし、従つて今あなたのお答えになつたような方法によつて、何らかの手段手続によつて、そういう人にやはりその都度知らしてやつて差支えのない限り知らしてやつて安心するようにしてやつて頂けたらよいと思いますから、こう思いますから、老婆心ではありますけれども、今あなたのいい報告を拝聴いたしましたについて、それだけの希望を申上げ、お願いをしておきますから、どうか一つ手ぬかりのないようにお願いいたします。
  64. 齋藤三郎

    政府委員齋藤三郎君) 只今大変いい御注意を頂きましてありがとうございました。私どもも誤解があつては誠に取返しのつかないようなことも起つて来るかと思いますので、その点一つ努めて我々の実際やつておること、我我の気持も伝え、そうして事態をうまく進めて行きたいと、かように存じまして、先般も総裁、外務大臣が行かれましたあとに、事務の責任者に来てくれということで、私と古橋局長と、後任の中尾局長と参りまして、三時間に亘り代表者にお会いして、いろいろ事情お話し、又向うのかたの気持も聞いて参りました。で、できるだけ間違いのないように進めて参りたいと、かように考えております。
  65. 伊藤修

    伊藤修君 九百二十二名中、二百九十六名手続するところの資格者がある。このうち百八十七名すでに手続をしておられる。外務省のほうで百五十七名手続済みである。外務省の現に二十八日までに手続を終つておるものが百五十七名ですか。
  66. 高橋通敏

    説明員高橋通敏君) 九名でございます。
  67. 伊藤修

    伊藤修君 いや、よろしうございます。その中に中国関係の九十一名というのは、その外になるのですか、内になるのですか。
  68. 高橋通敏

    説明員高橋通敏君) 外でございます。
  69. 伊藤修

    伊藤修君 これは別ですね。二百九十六名という大枠の外ですか、内ですか。
  70. 齋藤三郎

    政府委員齋藤三郎君) 大体外だろうと思います。実は中国関係とかいうことでなしに、ずつとパロールを進めて参りましたが……。
  71. 伊藤修

    伊藤修君 これは二百九十六名中に、現に手続なすつた、法務庁から手続なすつた分百八十七名中に含まれるかどうか、若しくは二百九十六名でもよろしいし……。
  72. 齋藤三郎

    政府委員齋藤三郎君) 大体外だと思います。と申上げますのは、表を見ましても、中国関係の九十一名のうち、七十三名は終身でございます。これはもう当然……。
  73. 伊藤修

    伊藤修君 ならない。
  74. 齋藤三郎

    政府委員齋藤三郎君) はあ、やはりやることはございませんから……。若干は含まれておるかも存じません。
  75. 伊藤修

    伊藤修君 今一つお尋ねしたいのは、七月十四日のフランス独立記念日をトして釈放手続をなさつている者三十九名はどうなのですか。
  76. 齋藤三郎

    政府委員齋藤三郎君) 三十九名中七名だけが重複しております。
  77. 伊藤修

    伊藤修君 七名だけがこれは重複ですね。
  78. 齋藤三郎

    政府委員齋藤三郎君) はあ。
  79. 伊藤修

    伊藤修君 それからいま一つお尋ねしたいのは、台湾朝鮮関係の三十名はどうですか。
  80. 齋藤三郎

    政府委員齋藤三郎君) 二、三名くらいだろうと思います。
  81. 伊藤修

    伊藤修君 そういたしますと、これだけの人が一応恩典に浴せられるところの機会をつかんでいると感ずるのでありますが、これだけの人を引いた残りの人ですね。残つた人に関してはどういうお見通しですか。
  82. 齋藤三郎

    政府委員齋藤三郎君) できるだけ早く、而も有効適切なる機会を逃さずに、そのときに一つ減刑なり、赦免なりをできるだけやるということにして行きたいと思つております。
  83. 伊藤修

    伊藤修君 有効適切なる機会をつかむということは、大よそどういうことを想像されておるのですか。
  84. 齋藤三郎

    政府委員齋藤三郎君) 先般巣鴨に参りまして、フローア・リーダーや、釈放委員会の代表の方々にお目にかかりました。そのときに、いろいろな機会があるだろう。例えば一番早いのは終戦の日八月十五日、或いはミズーリ号の調印の日、或いは九月八日のサンフランシスコ條約の調印の日、更に十一月の立太子の日、或いは外国で言えば大統領の選挙、そういつたようないろいろな日が考えられるのであります。又、中のかたも、そのうちで一番早い日でやつてくれという希望がございます。それらにつきまして十分検討いたしまして、そうして実施をいたしたい、かように考えております。
  85. 伊藤修

    伊藤修君 そうすると、日本国内の慶事、苦しくは記念日は勿論、諸外国の関係、諸外国のそういう記念日等を舞えて、残つた方々釈放機会を捉える、こういうふうに伺つていいですか。その際は勿論残余の人々に対して一般的にこれを行う、こういう御方針ですか。その際にも個別的になさるつもりなのか。
  86. 齋藤三郎

    政府委員齋藤三郎君) 個々のケースをつかんでやるということは避けたいと思います。
  87. 伊藤修

    伊藤修君 一般的に……。
  88. 齋藤三郎

    政府委員齋藤三郎君) 一般的といつても、その場合に、一般的のつかみ方にいろいろあるのじやないかと思つております。それは一つ事案も研究し、そのときの情勢、国際情勢とかということも十分検討いたして、そうしてできるだけ一般的にやりたい、かように考えております。
  89. 伊藤修

    伊藤修君 いま一つだけお尋ねしておきますが、今在外の在所者、これはどことどこにどれだけあるか、わかりますか。
  90. 齋藤三郎

    政府委員齋藤三郎君) 現在ですか。
  91. 伊藤修

    伊藤修君 ええ。フイリピンは先ほど伺いましたが、そのほかに……。
  92. 齋藤三郎

    政府委員齋藤三郎君) 外地でございますか。
  93. 伊藤修

    伊藤修君 ええ、外地です。
  94. 齋藤三郎

    政府委員齋藤三郎君) 外地はフイリツピンとマヌス島だけだと私は聞いております。
  95. 伊藤修

    伊藤修君 マヌス島は……。
  96. 高橋通敏

    説明員高橋通敏君) 二百六名でございます。
  97. 伊藤修

    伊藤修君 二百六名、これで全部ですね、在外は……。
  98. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 中共、ソ連は別問題ですね。
  99. 高橋通敏

    説明員高橋通敏君) 中共、ソ連は別問題です。
  100. 伊藤修

    伊藤修君 赤はわからんですね。
  101. 一松定吉

    一松定吉君 フィリピンにおる死刑の宣告を受けた人とかいうような人らが大分あるようですがフィリピンの大統領なども非常に好意を持つてつて死刑の判決が確定しておるにもかかわらず、今日まで執行せんでそのまま見送つておるというような実情で、フィリピンに収監されておる人々は、いずれ自分らは命だけは助つて日本に送還せらるるのであろうということで、非常な期待を持つておるというようなことは、何度も何度も通信を得ておるのです。殊にあそこの監獄におる教講師か、日本人のそのかたからも我我直接手紙など頂いたような実例があるのですが、どうですか、それについてのお見通しは……。
  102. 高橋通敏

    説明員高橋通敏君) どうも見通しと申しますと……。
  103. 一松定吉

    一松定吉君 お見通しというのは、大統領がそういう好意を持つておるというなことについていずれ朗報があるだろうというようなことで、宣教師か、教誨師などが慰めておる事実を、私どものところに本人手紙で何回もよこしたような事実があつて、これがそうなることについての見通しですね、いや、見通しというのは実現の見通しですよ。
  104. 高橋通敏

    説明員高橋通敏君) ちよつと見通しというふうなこと、実現がどうであろうかというようなことになりますと、ちよつと私からも申上げるのはなかなか困難な問題であるかと思いまするが、この前やはり別の委員会だつたと思いますが、やはり同じような御質問がございまして、その際、政務次官よりは、大体非常に、何と申しますか、いいようなふうなお話があつたということを記憶いたしております。ところが又これもそういう情報でございますが、それがフイリツピンのほうでは、それがすぐさま先に伝わつたと同時に、即座に打ち消されたというようなお話も承わつております。ちよつと見通しというようになりますと、私から申上げることはちよつと困難かと思つております。
  105. 一松定吉

    一松定吉君 いや、そういうことをあなたから御報告するのについての重大な責任を感じられる立場におるからして、確たる答えができんということは諒としますがね。そういうようなことを政務次官が答弁したことが直ちに向うに反映して、すぐに打ち消されたということはどうかというと、それらの戦犯者に対しては不利益の結果を招来したということになるということであれば、今我々のあなたとの質問応答なんかというものが外部に洩れれば、やはり結果がよくないということになる。そういうようなことのために、なんでしようか。フィリピンの関係当局のほうで、いや、そういうことはないのだよということで打消したということになるのですか。何かはかに事情でもあるのですか。その辺をおわかりございませんか。
  106. 高橋通敏

    説明員高橋通敏君) ほかにはつきりした事情は実はわかつておりませんのでございますが、当時のいろいろなことを総合しますに、何かそういう事実があつたのじやないかというふうなことを承わつたことがあるのでございますが。
  107. 一松定吉

    一松定吉君 この先刻私が申上げた岡崎外務大臣が、君たち、そういうことをするということはむしろ害はあつて益はないぞというようなことを言つたということを、本当か嘘か知りませんが、そういうようなことがやはり岡崎外務大臣をしてそういう発言をなすに至らしめた動機、原因ではないのでしようか。
  108. 左藤義詮

    左藤義詮君 議事進行について。非常に微妙な話になりましたので、速記をとめて少し我々だけで懇談をしたらどうですか。
  109. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止
  110. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 速記を始めて下さい。本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十分散会