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1952-07-08 第13回国会 参議院 法務委員会 第62号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年七月八日(火曜日)    午前十時四十八分開会   —————————————   委員の異動 六月二十日委員紅露みつ辞任につ き、その補欠として一松定吉君を議長 において指名した。 六月三十日委員加藤武徳辞任につ き、その補欠として石原幹市郎君を議 長において指名した。 七月四日委員玉柳實君、松浦定義君及 び吉田法晴辞任につき、その補欠と して、入交太藏君、鬼丸義齊君及び栗 山良夫君を議長において指名した。 七月五日委員片岡文重辞任につき、 その補欠として齋武雄君を議長におい て指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     小野 義夫君    理事      伊藤  修君    委員            入交 太藏君            岡部  常君            中山 福藏君            内村 清次君            齋  武雄君            羽仁 五郎君   事務局側    常任委員会専門    員       西村 高兄君    常任委員会専門    員       堀  眞道君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○理事補欠選任の件 ○議員派遣要求の件 ○法務設置法等の一部を改正する法  律案について内閣委員会に申入れの  件   —————————————
  2. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 委員会を開会いたします。  最初に理事補欠選挙についてお諮りいたしますが、理事松浦定義君が委員辞任せられましたので、理事が一名欠員となりました。つきましては、この際補欠選挙を行いたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 御異議ないと認めます。互選は成規の手続を省略して便宜その指名を委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 御異議がないと認めます。  理事に一松定吉君を指名いたします。   —————————————
  5. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 次に議員派遣についてお諮りいたします。伊藤委員より派遣についてお申出がございました。便宜伊藤委員より御説明を願います。
  6. 伊藤修

    伊藤修君 広島県の呉における英濠軍が、事実上呉地区に駐留しているにもかかわらず、今日に至るも日英間の協定が成立せず、無条約状態にあるため、呉においては独立後六月二十五日までの間に八十八件、強盗四件、強姦四件、同未遂二件、窃盗二十四件、詐欺七件、暴行十二件、傷害十件、器物毀棄二十三件の日本人に対する犯罪が発生した。これがため呉市民は非常な恐怖に陥つている。かような状態でありまして、呉市及び呉市附近におきましては、今日は恐怖の街と化しておるような次第であります。これらに対する国内法と、又これら駐留軍との関係における属地主義属人主義に対する法的措置、それらについて当委員会においては重大な関心を持たなければならんと思います。又かねがね当委員会におきましては、検察及び裁判の運営に関する調査として、基本人権擁護ということに全力を尽しておる次第でありますから、この際委員派遣いたしまして、この実情を調査する必要があると存じますので、よろしくこれを採上げて調査せられたいことを希望いたします。  なお、その際、岐阜県の海津郡の海西村長良川堤防ダイナ台風のために決壊いたしたのでありますが、この決壊自然現象としての、不可抗力としての決壊であるならば、問題はないと存じます。併し長良川のこの海西村におけるところの農業用水の取入品の工事瑕疵に基きまして、この度の風水害を契機として決壊いたしたのでありまして、この瑕疵は当時農林省においてこれを主管して施工したのであつて、その現場官吏不正行為によるものであるということが今日検察の対象となつておる次第であります。およそこうした官吏汚職国民に対し、若しくは国家に対して蒙らしめるところの損害につきましては、今日まで多くの事例を認めておるのでありますが、かような一官吏不正行為が多くの住民、多くの財産国民財産を毀損せしめるような大洪水に至らしめたということは、以て他に例がないのであります。一般の汚職行為とはその本質を異にする次第です。元来この長良川堤防というものは、御承知の通り奈良朝時代以来の水利問題のやかましい所でありまして、殊に宝暦年間におきましては、薩摩義士が多くの犠牲を払つて築き上げた三大河川堤防であつて、その後明治維新以来今日に至るまでこの三大河川治水工事というものは国家事業として成し遂げられて、このほど漸く完成したものであつて、これによつて濃尾平野におけるあの米穀産地というものは築き上げられた。かような長い歴史を持つところの治水工事の中において、たまたまこうした一官吏汚職行為によつてこれらの現実に築き上げたところの堤防決壊され、それによつて海西一円が洪水になり、水稲においても何百町歩が壊滅するに至つたのでございます。又道路、建物及び橋梁、その他の損失を合算いたしますれば、数百億に達する。或いは建物の面におきましても、六億何がしかの損害に達しておるというような次第でありまして、これらに伴う国家賠償に関する措置をも国家としては考えられなければならんと思います。殊に国家賠償法に対しましては、当委員会において非常に熱心に検討せられ、憲法第十七条の附属法規として制定された当時、国家の、若しくは地方自治体の工事に対する瑕疵によつて国民が蒙る損害に対しましては、当然責任を負わしむべき規定を設けておるような次第で、当委員会においてその点は原案を修正してまでも強く打出したのである。こういうような点を考えまして、この際この国家賠償、並びに汚職行為に基くところのかような大きな損害に対する原因、その他について調査せられんことを要望してやまないのであります。以上二点に対しまして、議員派遣を要望するものであります。
  7. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 只今の御趣旨で議員派遣を行うことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 御異議ないと認めます。なお派遣議員の人選、期間等便宜委員長及び理事に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 御異議ないと認めます。さよう取計います。   —————————————
  10. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 次に当委員会におきましては、かねて法務設置法案の一部を改正する法律案につきまして、去る六月三日内閣委員会連合委員会を開いたのでありますが、本案につきまして当委員会といたしまして、次の申入を委員会決議としていたしたいと思うのであります。
  11. 伊藤修

    伊藤修君 この際、当委員会内閣委員会に対しまして、次の決議をいたして、これを委員長において適当に交付され、委員会の意思を伝達されんことを要望してやまないのであります。即ち   人権擁護重要性必要性が、今後益々増大することに鑑み、人権擁護局は、現行法通り存続すべきである。  右決議書に基きまして、内閣委員会において法務設置法の一部改正につきましては、人権擁護局存置の方向に御努力あらんことを委員長においてお願いします。
  12. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 只今お読みになりました通り決議いたし、内閣委員長に申入れることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 御異議ないと認めまして、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十時五十九分散会