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1952-04-24 第13回国会 参議院 法務委員会 第29号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年四月二十四日(木曜日)    午前十時二十九分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     小野 義夫君    理事            宮城タマヨ君            伊藤  修君    委員            加藤 武徳君            左藤 義詮君            長谷山行毅君            岡部  常君            内村 清次君            吉田 法晴君            齋  武雄君            羽仁 五郎君   委員外議員            須藤 五郎君   国務大臣    法 務 総 裁 木村篤太郎君   政府委員    法務政務次官  龍野喜一郎君    法務法制意見    第四局長    野木 新一君    刑 政 長 官 清原 邦一君    法務検務局長 岡原 昌男君    法務特別審査    局次長     吉橋 敏雄君    法務府民事局長 村上 朝一君    中央更生保護委    員会事務局長  齋藤 三郎君   事務局側    常任委員会專門    員       長谷川 宏君    常任委員会專門    員       西村 高兄君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○恩赦に関する件 ○平和條約の実施に伴う民事判決の再  審査等に関する法律案内閣提出、  衆議院送付) ○平和條約の実施に伴う刑事判決の再  審査等に関する法律案内閣提出、  衆議院送付) ○日本国とアメリカ合衆国との間の安  全保障條約第三条に基く行政協定に  伴う民事特別法案内閣提出、衆議  院送付) ○小委員長の報告 ○戰犯者釈放に関する請願(第一四  一九号)(第一五五一号)(第一五  七七号) ○戰犯者釈放等に関する請願(第一  四二七号)(第一四五三号) ○法務特別審査局岡山分局岡山市  内家宅捜査に関する請願(第四四六  号) ○株式会社日本機関紙印刷所輪転機封  印解除に関する請願(第一三一五  号) ○全戰犯拘禁者釈放に関する陳情  (第七七四号) ○平和條約第十一条による刑の執行及  び赦免等に関する法律案内閣提  出、衆議院送付)   —————————————
  2. 小野義夫

    委員長小野義夫君) これより委員会を開きます。  先ず恩赦に関する件を議題に供します。法務総裁より発言を求められておりますから……。
  3. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 昨日突如として読売新聞恩赦に関する件が漏れまして、誠に私としては恐縮に存じている次第でございます。かようなことが如何にして漏れたかということにつきましては只今極力捜査中でございます。御承知通りこれが漏れるということは、影響するところは少なからんのであります。この取扱い方といたしましてば極めて嚴重に漏れないように取計らつてつたのであります。誠に申訳ない次第だと思つております。  元来法務府におきましては、昨年秋以来平和條約の発効と同時にそれを機会恩赦を行いたいという考えを以ちまして着々準備を始めました。従来の先例なり又各方面意見をも十分徴しまして、その研究を進めて参つたのであります。そして本年三月下旬に漸くその草案を得たのであります。尤もこの草案によりますると、恩赦に浴すべき者は約百万以上に達することを予想せられております。この恩赦実施に当りましてはなかなか事務的に容易ならん手数がかかるのであります。一々これを取調べるということは非常な時日を要します。少くとも三十日以前にその手配をしなければ相成らんのであります。その着手に必要なる準備を進めて参つたのであります。そこでこの草案なるものを約千部以上作つたのであります。各所の、検察庁、刑務所、少年観察所、そういう方面へこれを送付いたしたのであります。送付につきましても郵便送達でありますると或いは外部に漏れろ慮れがありますので、一々これを嚴封して使いを以てこれを届けさせました。そうして漏れないような万般の準備をしているのであります。  ところが昨日の読売新聞草案が漏れたような次第であります。で、今申上げました通り如何たる経過によつてそれが漏れたかということはまだわかりません。尤も今申上げました通り千部余りのものが各所に行つているのでありまするから、調べろについてもなかなか容易ならんことであります。我我といたしましては漏れないように心がけておりましたが、或いは漏ればしないかという一抹の懸念も持つてつたのであります。まあ最近まで漏れなくて、実は私らの気持としてはほつとした気持でおつたのであります。然るにかようなことに相成りまして誠に私は申訳ないとこう考えております。   これはもう善後処置と申しましても、如何ようにも善後処置をとることができない。ただ責任者をどうするかということの処置だけは残つておりますが、当面の最高責任者である私として誠に申訳ないと、謹んでお詫びをするよりほかありません、こう考えております。何分御了承をお願いいたします。詳細のことは事務局長齋藤君より申上げます。尤もこの恩赦に関する取扱い方といたしましては、これは法務府の外局でありまする中央更生保護委員会の仕事であります。白根松介君が委員長でおやりになり、その下に万事齋藤事務局長が善処し、責任者としては私であります。白根君は尤も委員長として当面の責任者でありまするが、これは委員長は殆んど実際の事務をやつておりません。委員長は私は事実上の責任はないものとこう考えております。さような次第でありますので、一応この漏れた経過を報告いたしまして、私からお詫びをする次第であります。
  4. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 今の法務総裁の御発言はこれを承わり置きまして、その他の問題につきまして、法務総裁も時間がやはり今日も衆議院に今破防法がかかつている状態で、非常にお忙しいのでございますから、先に法務総裁に対する御質疑願つて後に事務当局に対する御質問を願いたいと思います。
  5. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 只今法務総裁から御鄭重な御釈明があつたのでありますが、私が昨日本委員会で緊急の質疑をいたしました趣旨は、第一にはこの漏れるか漏れないかということよりも、政府が或る程度の形を以てそうして政府の所管の各方面にその材料を送られるというような時期においては、その問題に深甚な関心を持つており、又その責任を有する委員会に向つてもそれらの資料を内示せられることが適当ではなかろうか、これは国権の最高機関たる国会を尊重せられるゆえんではなかろうかという点なのでありまして、それで私はそれは漏れたことについて責任を追及するという気持は毛頭ないのでありまして、いわんや最高責任者としてというお言葉がありましたが、そういうお言葉を頂戴したいと思つていた意思は毛頭ないのであります。そうではなくして、いわんやこれが新聞の自由な取材活動によつて、発表された新聞社活動に対しては深く敬意を表するものであります。ただ問題は、国会がそれらに深い関心を持ち、責任を持つておるにかかわらず、それらについて非常に遅れてそれらの知識を得るということでは、国会最高機関としての機能を果すことができない。我々が責任感じてやらなければならないという点において甚だ遺憾であつたということを申上げておつたので、今回恐らくその点についての遺憾の意を表せられることと期待したのでありますが、その点について遺憾の意を表せられなかつたので甚だ不満でありますが、恐らくそういう意味でおつしやつたんだろうというふうに拝承いたします。  それに関連いたしまして第二の問題になりますが、これは勿論いわゆる政令というものは行政府がなされる権限に属することでありますから、立法府としてそれらに対して直接どうこうと干渉がましいことを申上げるわけではない。併し昨日も法制意見長官にもその趣旨質疑をして、意見局長官も御同意の御答弁がありましたが、政令政府権限であるとは言え、その根本をなすものはやはり或いは憲法であり或いは法律であり、或いは立法活動である。国会立法権限に属する、それらの根拠というものの趣旨に副うて政令が出されるのであつて、決していわゆる完全な意味において政府に全権が委任せられたというふうには了解できない。又そうした憲法なり或いはその他の諸立法なりの趣旨を逸脱するということはなされるべきではない。これも言うまでもないことであり  ます。従いまして我々が最も希望することは、政令或いはその他今回の恩赦関係の五政令というようなものにつきましても、それらを政府において御決定になります前に、立法府意見をもお聞きになるということが、政府に委任されております政令を発する権限というものが、最も望ましい形において発布せられるべきことではないかというように考える。その点についてはすでに意見局長官が同じ意見であるというふうにお答えになつておるので、法務総裁も勿論同じお考えであろうと思う。そこで最後に、第三に問題になりますのは、昨日読売新聞に発表せられました大赦その他の五政令を拝見いたしまして、我々は法務委員会で、すでに法務総裁もよく御承知のように、かなり長い間この問題について意見を述べ、又政府の所見を伺つておりました点が、或いはそれらの趣旨が十分実現されていなかつたのではないかと思う点がありますので、その点について只今法務総裁の御意見を伺つておきたいと思うのであります。これは直接に関係いたしますのは、いわゆる占領目的阻害行為処罰令昭和二十五年政令第三百二十五号関係のものでありますが、これは法務総裁よく御承知のように、これについては左の覚書又は書簡趣旨に反する行為からなる罪を除くということであります。即ち言論の自由に関する最高司令官覚書日本新聞のいわゆるプレス・コードに関する最高司令官覚書、それから日本ラジオコードに関する最高司令官覚書、それから日本人海外旅行に対する旅行証明書に関する最高司令官覚書、それから著作権に関する覚書、そ れからいわゆる「アカハタ」の三十日間の発行停止、それに引続いて無期限発行停止というものに関する最高司令官書簡、この(イ)から(ヘ)に亘るものを除外しておられる点に関することであります。これは昨日政務次官に対しても申上げ、政務次官から恐らく法務総裁にも御報舌があつたことだというふうに信じておりますが、これは一つの例でありますが、必ずしもこれに限らない。私は必ずしもこれに拘泥するという意味合いのものではない。その点はよく法務総裁にも御承知願つておきたいと思う。今回の大赦というものは、先に岡部委員からも御発言がありましたように、行刑の精神、或いは目的というものは、罰することによつてよりもむしろ許すことによつてその目的を果すことが大であるということは、法務総裁の耳にも残つておられるであろう名言だと思うのであります。いわんや日本がなすべからざる戰争をなし、そうして占領を受け、そうして今独立するということは、空前にして絶後であるという非常に大きな機会だろうと思うのであります。そういう機会に行われる大赦というものは、一般の大赦においてもそうでありますけれども、特に重大な意味を持つておる。そこでこれが行われる方針として、本委員会において私、その他各委員からしばしばおつしやられたことは、この日本が新たに独立するというときに、今までの一切のさまざまの関係の中で、一掃し得るものはすべて一掃して、そうして全く新らしい出発をし、その意味において、新たに例えば合法的な活動に最近中心を置かれておるような人々に対しても、今後合法的な活動に全幅の信頼を置いて、そうした方向活動を集中されるようにという期待を我々委員会として、又私自身として表明しておつたのであります。ところがさつき申上げましたような点について、これについては昨日政務次官の御答弁を伺いました場合に、いわゆる国民感情というものによるのだというようなお答えもありました。本日の朝日新聞の報ずるところによれば、自由党政府だからこれらを除外したのだ、社会党政府であつたならばこれらを除外しなかつただろうというような批評をもいたしております。そこで法務総裁に向つて伺いたい点は、第一に大赦が與える影響、これが公平にして無私なものであるということをお望みになると思いますが、如何ですか。これらの点について多少でも或いは片手落である、或いはバランスを失しておるという点がありますと、やはりこれから受ける国民意思は、勿論多数の人は感謝を以て迎えるでありましようけれども、併し中にはこれらの大赦においてやはり非常に不公平だ、法の公正というものについて、信頼の感を高め得るというわけには行かないような影響があるのではないか。これは大局的な見地に立つて法律家として又政治家として法務総裁が、この大局的な見地からどういうふうにお考えになるか。  第一には、何と申してもこれは若干バランスを失つておるという感じは、これは公平に見て拭い去れないじやないかと思います。憲法上の根拠があり法律上の根拠のある罪に対して大赦が行われておる。然るに憲法上の根拠なく法律上の根拠なく、純粋に占領期間占領軍の超憲法的な権力によつて、そうして全く占領目的によつて出された覚書というものに対しまして、日本裁判、或いは日本憲法日本法律というものに根拠のない罪というものがこの際許されない、憲法法律根拠がある罪が許されて、憲法法律根拠のない罪が許されないということは、如何にもバランスを失しておるのではないか、これが第一点であります。  第二点は、朝日新聞批評しておりますように、これが社会党内閣でもあつたならば、こういう除外はなされなかつたじやないかというような、余りに自由党のお考えが露骨に出ておりますと、法に対する党派を超えた正義というものについての確信国民の間に或いは揺ぐのではないか、それから来る影響は恐るべきものがありはしないかという点が心配されるのでありますが、その点についてどうお考えになりますか。国民感情というふうに昨日政務次官のおつしやいました言葉は、自由党の御解釈になる国民感情というものであつて、まさにこの朝日新聞でありましたかの批評のごとく、そういう点について問題があるのではなかろうか、そういうような国民感情の御判断というものに若し問題があると、或いは恐るべき影響がありはしないか、これが第二点であります。  それから第三は、今政府提出法律案として平和條約の実施に伴う民事及び刑事裁判の再審査に関する法律案審議中であります。これは戰争中日本外国人が受けた裁判で不当なものがあつた場合には、再審査に応ずるという特別の立法であります。ところがこれは御承知のように、戰争中外国日本人が受けた裁判で不当なものがあつた場合に再審査に応ずるという、そういう法律はないのであります。でありますから、言わば片手落ちである。これは最高裁判所からも御出席を願いまして、御意見を伺いましたのですが、最高裁判所としても、日本裁判独立ということを疑わしめる意味合い立法がなされるということは、最高裁判所としては喜んでいないということを言つておるのであります。それからそれと関連をいたしまして、占領期間中に憲法上の根拠なく、日本法律上の根拠なくしてなされましたるところの、いわゆる占領軍司令官覚書に基いて日本側裁判所でなされました裁判というものに対しては、最高裁判所としても憲法尊嚴裁判独立という意味から遺憾に考えられておるところがあるということを申しておられます。これは法務総裁もよく御承知のように私も又承知しておりますが、裁判が不幸にして平静に行われていない場合があります。そのために裁判所侮辱罪法案というものがお考えになられたこともあります。併し裁判尊嚴というものは、そうした刑罰を伴う法律によつて守られるものではない。それによつて却つて裁判尊嚴というものは、鞭を以て守らなければ守れないということでは、本当裁判の至高の権威というものは得られない。最高裁判所の御希望になつているところも、或いはその超憲法的な力によつてなされましたところの裁判というものに対してはこの際一掃されることが、裁判独立から見て望ましいところだというお考えからあつたのではないかと思うのであります。  以上三点、第一は、この恩赦の際に法の公正ということが国民に徹底するような処置がとらるべきではないか。その意味においてバランスを失したような措置はお避けになるべきではないか。で、憲法法律上の根拠を持つた犯罪に対して赦免が行われて、憲法上、法律根拠のない罪に対して赦免が行われないということは、公平に見ましてバランスが失われているという感じを與えはしないか。第二には、而もそのバランスが失われていることの根拠が、一党一派に偏する判断であるという場合に、国民に、法の党派を超えた公正に対する信頼というものを高めるゆえんであろうか、若しそれが逆の効果を発生した場合には恐るべき影響があるのではなかろうか。第三には、日本裁判独立し、日本裁判独立確立され、そして本当にどういう立場の人も、共産党の人も或いはいろいろな立場の人も、裁判で公正な結果が得られるのだという確信を少しでも高めるという方向に持つて行くことが、政府としても又国会としても最高裁判所に対する誠意ではないかと思うのであります。その点について最高裁判所日本裁判所が、憲法尊嚴裁判独立という趣旨そのものの現れではなかつた罪に対して或る意味においてそれから国民が受ける感じ裁判所がお受けになるということは、裁判独立の上から或いは恐るべき影響がありはしないか。これらの点について私は何ら底意があるわけではない、講和発効後の日本政治状態がどうか、真実の意味において民主主義的に進行して欲しい。で私はその不満があり、その不満が正当に満足させられないために生じて来る暴力的な活動、それに対して政府が又圧力を以てそれを抑圧される。それに対してそこに生じて来るいろいろな流血の惨事というものを見るに忍びない。これは法務総裁も御同感だろうと思う。こうしたちよつとした障害、それを除かないために、それが雪だるまのように大きくなつて行つて最後にはこれを随分ひどい方法で以て彈圧しなければならないということよりも、除き得る程度のものはお除き下さつて、そうした紛擾の種を政府みずから取去られる。或る意味においてそうして或いは万一非合法的な手段に訴えるという者に対しても、政府は堂々として飽くまでも階級鬪争の線に立たない。政府は飽くまでも寛大な態度をとるのだ、それにもかかわらずそれらの人々がそうした態度に出るときには、国民はおのずからそれを眺めて心に判断するところもあるだろう。そういう態度を現在の政府としてもおとりになつて頂くことができるのではないかという意味から、以上の点について特に法務総裁の高邁なる識見を伺わせて頂きたいと思うのであります。
  6. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 只今羽仁委員からいろいろ御高説を承わりました。至極私も同感であります。すべて政府大所高所からものを取扱う、いやしくも不公平な取扱いのないように、御尤もな御意見であると私は満腔の賛意を表します。そうあるべきであると考えております。   今度の恩赦のことにつきましても、実はあらかじめ各委員に相当な関心を持つて頂いて御意見を承わるべきかと思つております。その一助といたしまして、相当前の当委員会において、こういう範囲でやりたいと、又やるべきであるという希望だけは述べたのであります。当時といたしまして、あれ以上のことは、実はこれは非常に中へ入つている人に影響するところがあるのでありますから申述べなかつたのであります。あれが実は精一ぱいのところなのでありまして御了承を願います。そこでこの取扱いにつきましても、我々の気持といたして、成るべく広範囲に而も公平にやりたいという意思で取計つたつもりであります。巨細の点を取調べますと或いは不満足の点があるかも知れないと思つております。そこでそれらの点につきましては今後特別特赦というようなこともできまするので、十分その点については御意見のほどを参酌いたしまして、さよう取計いたいと思つております。  それから次に裁判の問題であります。これも御尤もなことです。これは何としても独立国家なつた以上は、日本裁判権確立をいたしまして、国民本当のこの最終の法律のよりどころは最高裁判所である。ここにおいてすべて公正な判断をするというこの制度の確立は勿論のことでありますが、国民にもその点について周知徹底させるようにしなければならんと思つております。私の気持を十分お察しを願いたいと考えております。  そこでこれはもう一つ進んだ御意見でありますが、国家としてはすべての問題について大所高所からこれを取計らつて行く、いやしくも一党一派に偏して取計らつてはならない。私はこの御議論に賛成いたします。併し私はこの大所高所から見るということは、要するに国会を通じて、これは申すまでもなく国会国民最高機関であります。この反映するところはです、いわゆる国民意思の反映であります。その国会意思をすべての方面において徹底させるということが、これが何よりの急務だろうと、こう考えております。それですべての法案取扱い方にいたしましても、先ず国会で十分の御審議願つて、そうしてそれを法律に反映せしめて政府がそれを運営して行く、このあり方が当然なことだと、こう考えております。今後の取扱いにつきましても十分に委員各位の御意見を承わりまして、そうして政府においては善処いたしたいと、こう考えております。
  7. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 私の申上げましたことに対して法務総裁が原則的に御賛成下され、又そのような処置を可能なる限りおとり下さるという御誠意に対しては深く感謝をするものであります。ただ一言申上げて置きたいと思いますのは、行政立法と司法との三つの段階において、おのずからそこに若干の差異があると思うのであります。純粋に行政的の面でありますと、まだそこにいろいろの問題がありますけれども、問題は特に法というもの、それから裁判というものは、或る意味においては最後段階でありますしですから或いは選挙の際に敗れた、そのために少数なつた、そのために多数の政党政策というものに服しなければならない。併しそこに法の上の不公平があるならば、裁判の上でそれが解決されるだろうというように考えるのは、これは国民最後気持だと思うのであります。それで選挙に敗れ少数なつたから、もはや法の公正も期待できないんだというように考えしまつてはいけないので、たとえ少数であつて裁判の上で公正な裁判によつて党派を超えた法の正義によつて裁判が得られるんだという確信はどうか失つて頂きたくないのであります。特に法務委員会がこの最初の国会以来、或る意味においてそういう意味正義の超党派的な立場というもので運営されて来たことは法務総裁は御了解下さると思いますが、階級闘争、或いは選挙による多数党の勝利というようなことを私は勿論否定するものではありません。ありませんが、併し最後にそれらにおいて多数を得られた政党政策を行われる、これは勿論結構でありますが、併しながら最後の法の正義裁判の公平というものは飽くまで守つて頂きたいと思うのであります。そのためにこれは我々が言うべきことではなく、むしろ最高裁判所がお考えになることでありますが、我々としてそれらを干渉し、或いはそれらに対して何らかの干渉的な意見を述べようというのじやないのですが、占領関係では御承知のように権限でないと言つて裁判が却下せられましたり、或いは裁判の進行中にも、不幸にして軍政部或いはその他の圧力が加わりましたりして、裁判官におかれても或いは御自身裁判官としての良心に基いての裁判が行われたというようにはお感じになつていない場合が或いは不幸にしてあつたのではないか。それが今度国民に與えます影響も、裁判なんか持つていても駄目だ、もはや実力行使よりほかはないんだというようなことになつてしまうことを恐れますし、法務総裁はその点については恐らく御同感であろうと思いますので、その法の公正、裁判独立国民信頼する、裁判官は何物にも侵されずして裁判をなし得るのだという意味から、先ほどの点を特にもう一応お考え願つて置きたいのであります。それでこれはそういうことは万々ないと思うのでありますが、例えば先ほど申上げましたような除外がなされましたにつきまして、万一にもそれが現在の占領軍関係から同意が得にくかつたというふうなことがありますと、なおこれは問題になつてしまうと思うのであります。それで我々が今この平和條約の発効に伴う民事刑事の判決の再審等に関する法律案審議しております際に受けます感じも、外国人日本で不当な裁判を受けたということについて、本当に不当なことがあるならばその再審査をするということは当然なことだと思いますが、併しこれは恐らくは日本裁判所は民主主義の新憲法以前といえども、或る程度裁判独立を持つておられたんじやないか、むしろこれは警察や検察においてそうした外国人に対して不当な処置があつたんじやないか、それが不幸にして日本裁判所の名誉に関係するような立法が強制されるということになつている。而も日本側からは向うへは何も言えない。且つ又占領期間中のそういうものについても日本側がはつきりした主張を以て占領軍の同意を得ることができないようでありますと、いわゆる占領の継続という実感がますます深くなつて行く。これも私はそういう占領の継続という事実があるかないかということよりも、そうした印象を一つでも余計與えて行くことは、今後日本に駐在せられます米軍にとりましても、いわんや日本政府にとりましても無用の紛擾を起す種をみずからまいて行くという意味で、そういう点は万々ないと存じますが、若し同意が得がたい場合には、日本政府としてこういう再審査法律国会は通そうとしているんだ、従つて占領軍の側としても、或いは今後駐留に伴つて幾分やりにくいというふうなお考えがあつても、むしろやりにくいやり方によつてつて真実の結果を得て、余りやりよくなさろうとすると却つてやりにくくなつて行くというような点も十分法務総裁から日本政府を代表せられて、日本国民に法の公正、裁判独立という印象を與えて行かなければ、今後の政治的解決ということは困難になるという点は卒直に又端的に啓蒙せらるべきであり、又そういうふうな御努力を頂いておることと信じます。
  8. 小野義夫

    委員長小野義夫君) ちよつと今の羽仁さんの御質問の中に一つ羽仁さんの誤解があるかと思いますが、つまり占領軍によつてなされた裁判その他は一応この恩赦、特赦以外に無罪の状態になつて、その中の悪質のものだけが更に告発その他の手続によつてやるという説明を受けておるのですが、今除外例を指摘されたものは、それに該当するものと違いますか、この点ちよつと明らかにして置きたい。
  9. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 今委員長がおつしやるのは誤解でなく、委員長のおつしやいます向うでやつた軍事裁判というものは全部一掃される。ただその中で殺人、強盗、放火というような日本の刑法の罪に当るものは再起訴されるという点、私の申上げましたのはそうではなくして、日本裁判所裁判が行われ、ただその裁判の基礎になつたものが、日本国憲法に基く法律ではなくして、占領軍覚書によつて日本側でそうした裁判が行われましたそれらについて幾つかの除外がなされておる、その除外がなされておる除外の性質は、先ほど申上げましたような共産党に対する措置、そういうものはこの際存続して行こうというふうになされるのであります。ですから今委員長のおつしやいました点は誤解はございません。
  10. 小野義夫

    委員長小野義夫君) その点をそれでは一つ明らかにして頂きたい。
  11. 清原邦一

    政府委員(清原邦一君) 先般当委員会におきまして申上げましたのは連合軍の軍事裁判、いわゆるプロボスト・コートにおいて取調べを受け、或いは訴追せられたそういう人たちにつきましては、いわゆる戰争犯罪へとは異つておりまするから、それらの人については原則として講和條約の発効と同時に釈放せられる、こういうことを申しましたので、只今羽仁委員の仰せになりましたのとは別個のものでございます。
  12. 小野義夫

    委員長小野義夫君) そうすると除外の理由はどういうものですか、ちよつと承わりたいんですが。
  13. 齋藤三郎

    政府委員齋藤三郎君) 大赦令に適用になります法令を選ぶことにつきましては勿論公平にやらなければならないということは申上げるまでもございません。ただ大赦ということに相成りますると、その法令に該当する罪は一切が赦免される、こういうことになります。それで私どもそれを選ぶに当りましては、その影響するところ等を十分に検討いたしまして、一部には成るほど気の毒な赦免に値する者があるということがわかりましても、一部には又それを赦免することは如何かと思うような者が予想されるという案件につきましては、これはやはり一応大赦から除外して、そうして個別的に十分調査して、赦免に値するものは惜みなく赦免する、そのためには特赦についての方法、或いは減刑から漏れた場合には特別減刑、そういうものは漏れなく行えるように、いろいろと従来の前例にないような方法も講じたい、かように考えておる次第でございます。さような見地から一部において大赦から除外になつておる者がございます。只今昭和二十五年政令三百二十五号から若干の除外を設けようというのも、そういつた見地からいろいろと検討いたしました結果、個別的にこれは審査をして、そうして赦免に値いする者は赦免にいたす、こういう方法を選んだ次第でございまして、これらを全部を赦免しないという意味ではございません。又これらの罪については減刑の点におきましてはやはり悦びを分つという意味合いで減刑の適用を受ける、一般の減刑の適用を受ける、こういうことにいたしておるわけでございます。
  14. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 今齋藤事務局長から御説明下すつたことは、これは全く政府権限内に属することで、我々の特に立入つて言うべき問題ではないのであります。私が申上げているのは、さつき法務総裁に対して申上げたのは、これらを除外した根本的な精神に関する問題であります。これはあなたは専門家だからなお一層よくおわかりになると思いますが、大赦をする場合には、日本憲法法律上の根拠のある罪を大赦して、日本憲法法律上の根拠のない罪を、それを大赦をしないということは、日本独立なり或いは法の公正なりという点からこれは批判を免がれません。現に今朝の朝日新聞に、これは自由党だからこういうものを除外したのだ、社会党内閣であつたら除外しなかつたかも知れない。社会党はとんだところで非常に得をしておるわけなのだが、自由党はとんだところで非常に損をするという、僕は必ずしもその批評が直ちに当つているというのじやないけれども、併しそういう批評を免がれない。現に今朝そういう批評がありました。それはあなたが専門家として恐らく遺憾にお考えになる点であろうと思う。ですから原則的にこういう(イ)から(ヘ)というものを除外なさるということが、余りにどうもレベルが高いお考え方だというふうには見えない。ところがこれを除外しない理由として占領軍のほうでどんなことを考えておるか、それは別としまして、日本側政府で恐らく拘泥したのだろうと思うのは、徳田球一、野坂參三というような前衆議院議員の諸君の問題だろうと思う。これは併し政治上の問題を抜いて、純粋に法的な問題として考えれば、そういう人たちに対しても現在大赦が行われる。そうしてそういう人たちが合法的に政治的に活動することができるようにするということと、それから今言つたような法的にバランスのとれない方法で以て、そういう人たちが依然として非合法活動を続けざるを得ないようにして行くことと、法に対する国民の大きな意味信頼が高くなる、合法的な手段を盡すということに対して国民を激励するゆえんであるか、或いはやはりああいうものは駄目なんだね、そうすれば潜つてやるよりほかしようがないのだねというような気持を與える、政治的なものは一切抜いて、このいずれが法の尊嚴を維持する上から大事であろうか。私は極論すればある意味において徳田前衆議院議員なりそれらの諸君がこの際大赦にせられるということのほうが、或る場合には共産党にとつては不利であるかも知れない、考え方によつては……そうすると共産党のほうのそういう潜つたかたがたは却つて困るでしようということも考え得るかも知れない。ですから政治的に考えて見れば利害得失それぞれあるので、ただひたすらああいうかたが今無罪になつて、そうして表面へ出て来られるということは工合が悪いということは、工合が悪いというふうにお考えになる考え方は私は余り大きい考え方ではない。こせこせした考え方ではないか。最もお困りになる場合ですらそうです。極端な例をとりましてね……。いわんやそれらの他の例は先にあなたがおつしやつたように非常に不当な、まあ毎日、朝日、読売なんかの新聞記者に対してなされたいわゆるレツド・パージ、これは裁判に訴えても、裁判所でもお困りになつて、管轄権がないというふうになさつておる。そうすると日本で管轄権がないといつて控訴も許されない。それで最初の裁判覚書に基いてなされた罪がそのまま残る。それは個々の事情をお調べになるまでもなく、一昨年朝鮮において事件が起つた、それと、北鮮軍というものが共産軍としてアメリカ軍或いは国連軍と戰争を交えて、そういう戰時状態において、戰時的な意味において軍機の秘密が漏れるというような意味最高司令官覚書が出ておるんでしよう。ですからそういう状態がなくなつてしまえば、原則的に言いまして存続すべきものではないのです。ですから当時事実参議院の本会議でも緊急質問で申上げたのですが、院内で毎日活動をしておられた優秀な新聞記者は、そういう意味で、如何なる意味においても危険だというふうに考えられないかたが、全く不当にあのとき解職されて、現にまだ復職せられない。併しやはり新聞記者として例えば活動せられたいと思つて議院の周囲を往来しておられます。そういうかたがある。例としそあのとき挙げたのは、例えば牧野博士の令息などもそういうふうになつておる。そういうふうに非常に多数のかたが非常にお気の毒な状態になつておるというのが、これが或る意味においてその当時一時の必要というものはあつたかも知れないが、併し長きに亘つての妥当と考えられる措置ではない。今申上げたように、最も困る例を挙げましても、それから多数の例を挙げましても、これらが納得しかねるということは、私が納得するかしないかということは別としまして、納得しかねる人たちにとつて納得しかねる相当の論拠がある、こういうものをここに原則的にお残しになる。而もこれは速記にもとめて頂いて述べるほうがいいのかも知れないのだけれども、そういうような問題が将来において発生した場合に、それらに対する措置というものをとろうとする立法は、現在の政府が着々準備して国会に提出せられて、それに僕が賛成するかしないかは別とし、通過するかしないかは別とし、そういうことがあるのだから、この際空前にして縄後、日本がなすべからざる戦争をして敗れて占領され、そうして今度独立する空前絶後、唯一のチヤンスの際に、法の公正、法は共産主義者の上にも公正を誇ることができるということを発揮せられることが、法に関係する者の希望だろう。こういうことはたびたびあるわけのものではない。せめてこういう場合にでも共産主義者が非合法的な手段に訴えるのは正しくないのである。なぜならば現在法は合法的な面において共産主義の人人が合法的に活動する最大限の寛大さを持つておるのであるということを示し得る唯一のチヤンスではないか。そういう意味からもこれらの(イ)から(ヘ)に亘る者を除外されておるということは、私はハイ・ポリシーとは言えない。又法の公平にして尊嚴、皆さんは法の尊嚴とか裁判独立とかいうことを本当に信じでいるのかと僕は思う。或いはそういうことを口で言うだけで、内心はそんなに信じていないのじやないかというような疑いさえ、甚だ失礼な疑いさえ持たざるを得ない。僕は何とかして法は公正であり、何とかして裁判独立ということを日本に実現したいということを切願いたします。これは決してあなた上り僕のほうがそう思つているというふうな失礼なことを申上げるのではないのですが、併しどうか一つ日本人は余り過去において法は本当に公正だとか裁判本当独立だとかいう確信を與えられたことはないので、この千載一遇のチヤンスにそういう確信を與えられたらどうだろうという意味政府意見を伺つているわけなんです。
  15. 齋藤三郎

    政府委員齋藤三郎君) 羽仁委員から非常に高邁な政治上の識見それについての政府の所見をお尋ねでございましたが、私からお答えできない面も多多あると存じます。只今仰せの中に憲法の下、法律に基いて処罰された者は大赦になり、憲法に基ずかない超憲的なことによつて処罰されておる者が大赦にならないことは不当ではないか、法の尊嚴裁判独立ということにも延いて国民確信を失つて、不測の事態を起す虞れがあるのではないかと、こういう仰せでございます。確かにそういうことになりますれば誠に遺憾でございます。ただ形式的に申上げますると、この三百二十五号の、やはり法律と同等の、法律と同じようになりまする昭和二十二年の緊急勅令に基いておりますので、然るが故に日本裁判所がやはり処罰するもの、但しその内容が白地刑法でございます点はそういうふうなお考えをお持ちになるかたもそれはあるのではないかと存じます。ただ私どもといたしましては成るべく、成るべくというよりは絶対に公平にやるというつもりでいろいろ準備をいたして参つたのでございますが、諸般の点を検討いたしまして、一般的にこれを赦免するということはやはりこの際避けたほうがいいのではないか、個別的に審議してそうして本当に価する者に対しては惜みなくこの際であるから赦免すると、この大赦令を御覧になりまして、もつと入れてもいいのではないかというふうにお感じになる点も多多あると存じます。いろいろ我々も検討いたしまして、例えば食糧管理法等におきましても、本当に終戰後の混乱時代に職を失い、家を焼かれ或いは外地から引揚げて来て、多数の家族を扶養して食うに困るというので担ぎ屋をやつたという人も多々あります。それが同じ食管法で処罰されている。食管法の点でも除外例がございます。米麦等については除外をいたしております。それも救いるものなら救いたいということでいろいろ検討いたしました。併しながら遺憾ながら法律の建前が大赦にするということを予想して作つておるのではありませんので、早々の際に作られておる。そういつた罪のそういう細かい点を区別して法令ができておりますれば、区別してこの大赦にかけるということはできまするが、遺憾ながら検討いたしましたが、食管法の米麦等についてはそういつた気の毒な人も、或いは又逆にそういつた際にそれに乗じて巨利を博しようと、巨利を博したというような人も同じ罰則で処罰されている。そういう面からこれは大赦から除外する、或いは銃砲等所持禁止令、名称は多少違うかも知れませんがそういつたものもございます。これらのうちにもこの刀剣、家宝のような刀剣を今出しては持つて行かれてしまうとか、或いは親族からちよつと頼まれて預かつたといつた本当にこれはこの際助けたいと私ども思いました事案がたくさんございました。併しながら半面においては強盗のつもりでピストルを持つてつたというようなことも同じ法令で処罰すると、こういつた面がたくさんございますので、やつぱりこういうものは一概に大赦にするという、大赦の制度から一応取除いて、個別的に審査をするという方法にしたほうがいいのではないか。それから又国際関係ということも十分考えまして、例えば麻薬の関係とか、これは国際條約、国際協定がございますので、この日本が新たに独立して国際社会に入つて行くと、その第一歩においてそういつた條約に基く法令違反を大赦にするというようなことが如何なものであるかという点も考慮いたしまして、私といたしましては本当に公平にやりたいと思つて作業いたして準備をいたして参りました。それをまあ閣議においてお諮りし決定になる。こういう段階でございまして、何党であるからどうということは私としては考えないつもりでやつてつた次第でございます。
  16. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 御苦心の点はよくわかるのでありますが、私の申上げている点は極めて重要な点で、言論の自由、政治的自由、これを一体最大限に認めるのか認めないのか。最大限に言論の自由や政治的自由を認めないならば、政見を異にする人々は非合法活動よりほか手段はないですよ。そうでしよう。僕らがどうしてこの新憲法を尊重したいというふうに念願しているかと言えば、実際合法的手段を盡している。これは若干余談に亘つて恐れ入りますが、僕は絶えず学生諸君や又労働組合の若い諸君に接する機会が多いので、僕は言葉を盡して絶えずどうか合法的手段を盡してくれというようにいつも言つているのです。併しその学生諸君や労働組合の諸君の面前に現われているものは、たとえ羽仁五郎がそう言つても合法的手段というようなものは殆どないのじやないかという感じが現れている。それはいわゆる少数の人だとばかりは言えないのです。そうしてそれらの人々に対して国民の側にも、ああいじめられてはああなるのは無理もないのだろうというような感じも生じて来る慮れもある。ですから今お述べになりましたいろいろな問題もあります。それらの問題については新聞でも書いて、貧しい人で担ぎ屋やつた者が大闇をやつたのと同じように扱われている。これらは個別的に救済するのに値いする。又そういうようになさるのがいいと思います。併し言論の自由とか政治的自由に関する問題は個別的に救済されるというよりも、言論の自由や政治的な自由を最大限に認めるのか。勿論言論の自由や政治的自由に伴つてここにおいて発生して来た、刑法で個別的に問われなければならないような罪が行われている場合には、そういう眼前に実害がある場合にはそれは別です。それは又別に考えなければならない。併し実際どういう実害があつたのかという点からも考えて見なければならない。それで新聞紙などが報ずるとこようにれば、最近治安を撹乱するような行為が頻々としてあるのだというけれども、併しこれは数日前の放送討論会で海野晋吉さんも言つておられたように、日本政府はどうかすると情報屋の情報で以てそういう事実があるようなことを言つて、特審局長の犬が毒殺された、調べて見たら肺炎で死んだのだが、そういうような記事を新聞紙に提供して、そうして何か非常に不安があるような感じを與えてそれに対して立法をやつて行く。或いは政治的行政上の措置をとつて行くという慮れが、そういう印象があるのじやないかというふうに言われている。ですから言論の自由、政治的自由というものを最大限に認めるのか、最大限というよりも無条件でですね。日本憲法はそうしてそれらが特に眼前に公共の幸福を阻害する実害があつた場合にのみこれが制限されるということになつている。これはやかましい議論はしませんけれども、憲法において保障されているいわゆる制度上の権利と、それから基本的人権とは学者の説を参考にして考えてみても明瞭に二つに分れている。制度上の権利というものは必らずそこに制限の規定があり、基本的な人権については日本憲法は制限の規定を設けていない。それらをかぶせる条文があるのじやないかというような解釈もありますけれども、それは両説、それこそ両説あるので、併し本質的に考えて行けば、言論の自由や政治上の自由というものは、実際実害はないですよ。ギリシヤ以来言葉が害をなすということはあり得ない。ですから、プレス・コードだとか或いはラジオ・コード、これらについても除外されているということは原則的に問題があるのじやないか。これはたびたび繰返して恐れ入りますが、岡部委員もおつしやつたように、実際千載一遇の機会なんだから、むしろ許すことによつて、その人々の反省を促すということの効果のほうが大じやないのか、そうして我々国民としても国が再び独立するという空前絶後の機会に法の公正、それから裁判独立、そうして寛大の精神というものを各人が與えられるほうが私は得るところが大であろうと思うのです。さつきの御説明の半分は了承いたしますけれども、併し言論の自由とか政治的自由に関する問題は、ちよつと個別的に解決するという問題じやないように思います。
  17. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 他に御質問はございませんか。他に御質問もなければ……。
  18. 岡部常

    岡部常君 ちよつと……。新聞発表によつて承知しましたところによると、非常に広汎な範囲において恩赦が行われるということでありまして、これは非常な慶賀すべきことだと存じます。但しこの扱い方につきましては、政府においても相当愼重になさることが必要だと思います。ただいい法令を出したというだけでは効果は期待できないと思う。それについては万全の御用意があることと存じます。殊に刑務所に現在おります者に対する減刑をその他の恩赦の扱い方については特段の御注意を要望する次第であります。それによつてこのいい減刑令も恩赦も有終の美をなし得るものと存じます。つきまして私は一つだけ、いろいろございましようが、一つだけ私は伺つておきたいことは、今回の減刑はよほど従前の減刑とは違つたように承知いたしますが、その違つた点を御説明願いたいのであります。
  19. 齋藤三郎

    政府委員齋藤三郎君) 従前の減刑によりますると、原則といたしましては、刑期四分の一を減ずる、但し刑の執行が半分以上を経過しておる人については残刑期の二分の一を減ずる、こういうやり方をやつてつたのでございます。而もその減刑のやり方におきましては、宣告刑を基礎にいたしませんで、宣告刑から通算されました未決の日数を除いた日数を基礎として四分の一、刑期二分の一以上服役しておる人は残刑期の二分の一、こういうやり方にしておつたのでございます。これは刑期二分の一以上を過ぎておる人は、実際は余計務めれば余計務めただけ減刑の恩典が薄い、それから全体的に未決の日数を引いた残りについて日数を減じますので、減刑の日数が度合が薄いという結果に相成つてつたのでございます。而も事務的には、これは岡部委員がとくと御承知の点でございまするが、この計算は、実は私もよくわかりませんくらい複雑な、暦とかいろいろな関係で非常に複雑で、いつでも恩赦がありますると、関係の職員の数名は間違つた計算をして懲戒処分を受けるというのが過去の恩赦の先例でございました。そこで今度は思い切りまして、宣告刑を基礎にして平等に四分の一を減ずる、但し高齢者七十歳以上十八歳未満の弱年者の者については三分の一ということにいたしました。結局服役の長い人については非常に有利なように今度は減刑令の内容を変えて行きたい、かように考えておるのでございます。
  20. 岡部常

    岡部常君 今御説明になりました残刑期二分の一減刑という従前の例を捨てられたことは大変な御勇断だと思います。それにつきまして実際現在務めております者が、従前の減刑によるのと、今回の減刑によるのと、実数においてはどんなふうな御計算でありまするか。
  21. 齋藤三郎

    政府委員齋藤三郎君) 従来のやり方で参りますると、残刑期の二分の一でございまするから、五日残つておる人も即日は出られない。二日なり二日半ということになるのですか、私計算のことは存じませんが、そういつた計算になりまして、即日釈放が非常に少いのでございます。刑務所から即日出るという者は先ず殆んどないという  ことでありましたが、今回のようなやり方をしますると、刑期の四分の三以上を務めている人は全部出る、高齢者とか弱年者は三分の二務めていれば、三分の一は減ぜられますから、全部出るというふうな関係で、今回の恩赦によつて即日釈放になる人が非常に多い。この数はまだ正確にはわかりませんですが、従来とは比べものにならない、数千人の人が、これはちよつと前の推定でございまして、最近の推定はわかりませんですが、九千人くらいの人が出ろ勘定になつております。
  22. 岡部常

    岡部常君 新聞によりますと、減刑のところで第五条に前第二条の規定云々とありますが、これはどうも前二条の間違いだろうと思いますが、その通りですか。
  23. 齋藤三郎

    政府委員齋藤三郎君) その通りでございます。
  24. 岡部常

    岡部常君 それで結局前二条の適用によりますと、すでにおつり銭が出ることになつておるのがある、そういうところから条文ができておるのでございますね。
  25. 齋藤三郎

    政府委員齋藤三郎君) そうです。
  26. 岡部常

    岡部常君 それからもう一つ承わりたいのは、やはり事務取扱上非常に従前困りましたことは、いわゆる恩赦再入ということ、その調査のために当時は非常に困つたのが実例でありましたが、それは今度全然除かれているわけですね。
  27. 齋藤三郎

    政府委員齋藤三郎君) お尋ねの通りに、従来は一遍恩赦になつて又入つた人は恩赦をしない、こういう建前でございましたが、今回はそういう線を全部抜きまして、すべて平等公平にやるということになつております。
  28. 岡部常

    岡部常君 それからもう一つは、刑の執行猶予期間の短縮ということが、これはまあ全く画期的のことに私は拝見しておりますが、この前私ども総裁に伺つてそういう御計画と承知しておりましたが、やはりこれは新たなる制定でございますね、その内容……。
  29. 齋藤三郎

    政府委員齋藤三郎君) 従来は執行猶予の期間はそのままにして、ただ言渡された刑だけを減ずる、こういうやり方をいたして参つたのでございます。ところが御承知通りに、執行になりまして取消しになる人は一割か二割ぐらいでございまして、最近執行猶予は非常に数が多くなつて参りまして、恐らく現在は二割ぐらいになつているかと存じますが、とにかく大半の人は無事に済んでしまう。ところがその人たちにとつて見ますると、單なる刑期を減じてもらつても、執行猶予期間中はやはり就職その他において非常な不利益な状態になり、それは全然解消されない。それだから何にも恩典はない、結局執行猶予の期間が満了しますると言渡しはなくなつたことになりまするが、結局事実上の恩典はないということで、このやり方についてとかくの批判要望があつたのでございます。今回はそれらの点も十分検討いたしまして、従来にないことでございまするが、執行猶予の期間も刑期と同様に四分の一減ずる。こういうやり方をいたしたいと、かように考えております。
  30. 岡部常

    岡部常君 私はまあこの点は非常な朗報でありまして、恐らく世の中におりますところの、執行猶予の恩典に浴しておる者の喜びというものは非常なものだろうと思うのです。それにつきましてはこの発表において、特段に私はこの点を強調して周知せしめるということが非常にいいことだと思うのであります。この点について十二分のお考えを要望しておきたいと思います。
  31. 齋藤三郎

    政府委員齋藤三郎君) この政令が公布の際に政府としまして発表いたしたい。その趣旨も新らしいやり方でございますから、国民一般にあまねく周知してもらうような方法をとるつもりでございます。なお御本人には、言渡しをした裁判所に対応する検察庁の検察官から御本人にも通知をする、こういうやり方をとりたいと、かように考えております。
  32. 小野義夫

    委員長小野義夫君) ちよつと私もついでに思いつきでございますけれども伺つておきたいと思いますのは、今回直ちに條約発効と同時と申しますか、即日釈放になられるかたがたに対して、すぐ宿屋に行くとか或いはなんとかいうようなことでは、なかなかこれでそれだけの用意が獄中にできておらないと思うのでありますが、これは相発の金がかかるかも知れないと思うのですが、そういう釈放者の受入態勢についての予算的処置その他の準備はどういうことになつておりますか、それを一つついでにお知らせを願いたい。
  33. 齋藤三郎

    政府委員齋藤三郎君) 非常に大切なことについてお尋ねでございます。実は私どももかような構想で準備をいたしまして、直ちにその点について気がつきまして九千幾らの人が而もこれは四分の三まで勤めた、それまで仮釈放にならなかつたということでございまするから保護関係の余りよくない人が多いのではないかと考えて、その対策について万全を期したいと考えましていろいろな方法をとつてつております。その一つは仮釈放ができる、もう殆んど減刑の対象になつて即日釈放になるだろうと予想されておる人は四分の三でございまするから、仮釈放の要件は大体備えております。期間中に全部備えております。こういうことになりまするから、一時に人を出すということはいろいろな混雑を起し、又そのためにまずく行くと御迷惑をかけるということを避けるために仮釈放は事前に出すように、そういつたふうに仮釈放権限を持つておりまする地方の委員会に対して注意を促がして着々さようなことをいたしております。それから更に当日出る人は恐らくその半数、先ほど申上げました数の半数以下に、大体半数ぐらいになるのではないかと考えておりますが、それも一時に出ることでございますから、これにつきましては、各地にございまする保護観察所におきまして民間協力者の保護司、それから民間の更生保護会、それから刑務所、こういうところと今月の初め頃からたびたび協議会を設けまして收容を要する者、それから病院に入れなければならない、東京だけで十二人ほど結核患者が出るそうでございます。そういつたその対象者がどういう保護を要するかということを十分に個別的に調査をして、それについての具体的な対策を立てるように注意を促しております。そうして大体労働省、厚生省等にもこれをお話いたしまして、労働省及び厚生省からそれぞれこの釈放者の就職なり、生活保護なりについて万全を期するように通牒を出してもらつて、各地においてそれらの機関法務府系統の機関とが協議会を設けまして、当日刑務所から出所の際にも十分注意いたしまして、成るべく多数の人が同時に出ないような、同時というとちよつと語弊がございますが、同じ時間に出ないで一人、二人ずつ退所する、そうして門の前に保護相談所みたいなテント張りのものを設けまして、そこに民間協力者の保護司なり、或いは観察所の職員も出張いたしまして、そうしてあらかじめ刑務所から大体わかつておりますので、その人が出れば本籍地に帰る人については汽車賃の割引券を上げるとか、それとも旅費がなければその半額を給與するとか、どうしても行きどころのない人については收容施設、或いは宗教団体で協力をされるという点もございまするので、そういつたところに落ちつかせて、そうしてそれらについて適当な激励、慰問もいたし、御迷惑のかからないような措置をとるように手配をいたすつもりでおります。それについての必要な予算も大蔵省に対して予備金から支出を求めております。かようなことで準備をいたしておるような次第であります。
  34. 小野義夫

    委員長小野義夫君) どなたかもう質問はございませんか。  それでは午後一時まで休憩いたします。    午前十一時四十九分休憩    —————・—————    午前十一時四十九分休憩    午後一時三十八分開会
  35. 小野義夫

    委員長小野義夫君) これより委員会を再開いたします。  まず前回質疑終了となつておりました三法案について討論採決に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 平和條約の実施に伴う民事判決の再審査等に関する法律案、及び平和條約の実施に伴う刑事判決の再審査等に関する法律案、以上二案を便宜一括して討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願いたいと思います。
  37. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 私は日本社会党を代表いたしまして、只今議題となりました再審査等に関しまする法律案民事判決刑事判決の両案につきまして反対の討論をなすものであります。  この両法律案は申上げるまでもなく、日本国との平和格納第十七条(b)項の規定に基きまして、連合国の国民が原告又は被告として事件について十分な陳述ができなかつた訴訟手続について太平洋戦争開始から平和條発効までの期間に日本国裁判所の行なつ裁判を條約発効後一年以内に、再審査のため提出することができるようにするために必要な措置をとらねばならない、こういう条文に基き、なお議定書に基きます流通証券の提示等の期間を六カ月延長する、先ほどの戰争中の期間を、これを空白にし、時効と同様になかつたものとして提示期間を六カ月間、講和発効後延べるという内容を持つておるものでありますが、委員会質疑され、或いは論議せられましたように、その連合国の国民が原告又は被告として受けた判決についてのみ再審査をするというのでありまして、連合国において同じ期間中日本国民が受けた判決については、訴訟手続について十分な陳述ができなかつたかどうか、こういうことを問わず再審を求めることはできないことになつておる。或いはその問題については、今後外交交渉において日本政府としても努力して参りたいということが政府委員から申されたのでありますが、ということは明らかに片手落ちであるということを少くとも現状においては、或いは、條約上においては片手落ちであるということを政府みずから認められたのであります。又この太平洋戰争終了後日本国民占領下において受けました判決につきましても、これを再審査するという方法につきましても同様にこれは考慮せられるべきであると考えられるのでありますが、その点についても政府側におきましても、これは実態的には認めながら、その立法の措置が講ぜられておらんということが明らかになつたのであります。従いましてこれは講和條約そのものにおいてこの民事判決、或いは刑事判決につきまして相互主義、或いは対等の立場であるということがこの問題について実現しておらんということが明らかになつたことを証明いたしておると考えるのであります。  従いまして我が党といたしましては、この一方的な民事判決刑事判決の再審査を実現する、大部分手続法、実体法も一部含まれておりますけれども、この法案について反対せざるを得ないのであります。以上簡單でございますが、反対の理由を申述べて討論といたします。
  38. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 私はこの二つの法律案に反対をいたします。反対の理由を簡單に申上げます。平和条約そのものがいろいろな問題を含んでいる。併しながら不幸にしてこの平和條約は成立したのであります。従つて我々としてはこの平和條約から発生して来るさまざまな弊害を最小限度に阻止したい。で、今我々の眼前にあります二つの法律案は、そういう意味において否決せられるべきである。これが第一点。  それから第二の理由は、この二つの法律案は何らの実効がない。最高裁判所の御意見を伺いましても、戰争中においても日本裁判所に関する限り、或る程度までの裁判独立は維持せられ、そうして不当な裁判が行われたとは考えられないという御意見であります。で、若しこれらの法律案が、いわゆる勝利者の敗者に対する命令でないとするならば、日本の戰争中に外国人関係して行われた裁判において、不当があり、その不当を反省するということが、実効が持つならば、これらの法律案はその意味を持つのでありますけれども、併し今申上げたように、その点において何らの実効がない。且つ又恐らくこういう国内立法が、平和條約において要求せられたところの真実の原因は、日本裁判においてではなくして、日本の検察及び警察において、いわゆるサングイナアリイな拷問的な、或いは極めて野蛮なそして不穏当な取扱い外国人に対してなされ、何人かの外国のかたがたがそのために不当に生命を奪われたりしたことは、我我も忘れることのできないことであり、そうして将来に決してこれを繰返すべきではないというふうに考えておるわけでありますが、これらの重要な点が本法律案によつては何ら反省されず、又救済されようとしていない。むしろそういう点に非常な問題があつたのに、その問題が、日本裁判に問題があつたかのごとくにすり代えられたという点で、本法律案は或る意味においては非難に値するものではないかという印象を受けるのであります。従いまして、こういうことが第三に、将来に再び繰返されないということについても、この法律案は何らの実効がない。日本が、こうした或る意味において最高裁判所の御意見を伺つても喜ぶことのできない法律案である。こういうものを将来において繰返さないというためには、何故にこうした国内立法平和條約において要求されたのかという点についての十分の反省に基き、そうしてそれらの深い反省に基いて、将来においてそうした日本裁判独立日本の国内法の権威というものを低めるようなことを繰返さない、そういう処置をするものでなければならないが、この法律案はそういう点については何らの実効がない。且つ又それに対して、附加えて最後に、これらの法律案と並行して、或いは日本国民が外国において戰争中に受けた裁判に不当なものがあるならば、それ々救済する措置、或いは占領期間中において日本国民が日本国憲法尊嚴日本裁判独立という趣旨とはずれた取扱いを受けたならば、これらに対する完全なる救済、これらの措置と相待つてこの法律案が提出せられるならば、又そこにバランスの上において認めるべき点もあると思うのでありますが、そういう点については何らの努力も顧慮も行われないで、そうしてこういうふうな一面的な法律案が提出せられるという点においても反対せざるを得ないのであります。  以上の理由に基いて私はこの二つの法律案に反対をいたすものであります。
  39. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 他に御発言もなければこれにて討論は終局したるものと認めまして両案に対して採決をいたしたいと思います。  両案を原案通り可決することに賛成の諸君の御挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  40. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 多数と認めます。よつて両案は多数を以て可決すべきものと決定いたしました。    —————・—————
  41. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 次に日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三条に基く行政協定に伴う民事特別法案について討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。
  42. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 私は日本社会党第四控室を代表いたしまして、只今議題となりました日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三条に基く行政協定に伴う民事特別法案について反対の討論をいたすものであります。  申すまでもなくこの法律案行政協定に基きまして、日本に駐留をいたしますアメリカ合衆国軍隊の構成員又は被用者が、その職務を行うについて、公務上日本の国内において違法に他人に損害を加えた場合、国家賠償法に基いて日本国が賠償すべきことを内容とする法案であります。更に行政協定第十八条六項のB項によります強制執行の対象について、差押手続規定が含まれておりますけれども、主たる内容は前半に申上げました公務上の不法行為に基きまする損害賠償を国家賠償法に基いて日本の国が賠償をする。なおこの賠償いたしました負担につきましては、アメリカと協議をし、そうして分担をするということになつておりますが、アメリカ合衆国の軍隊の構成員  又は被用者がその職務を行うについてといえども、日本の国内において違法に損害を加えたものについて、日本がその賠償の一部責めに任ずるという結果に相成るわけであります。この点はこれは行政協定なり或いは安全保障条約に定めてありますけれども、何といつても納得しがたい不平等のものであると考えるのであります。従いましてこの行政協定に基きますこの法律案につきましても私ども賛成をいたしかね  るのであります。   以上簡單でありますが、反対の理由を述べて討論とする次第であります。
  43. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 他に御発言もなければ討論は終局したものと認め、直ちに採決に入りたいと思います。  本案を原案通り可決することに賛成の諸君の御挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  44. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 多数と認めます。よつて本案は多数を以て可決すべきものと決定いたしました。  なお、前例によりまして只今の可決されました三案の委員長報告及び審査報告書の内容は、委員長に御一任を願います。賛成の諸君の御署名を願います。    〔多数意見者署名〕     伊藤  修  齋  武雄     宮城タマヨ  加藤 武徳     長谷山行毅  左藤 義詮     岡部  常   —————————————
  45. 小野義夫

    委員長小野義夫君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  46. 小野義夫

    委員長小野義夫君) それでは速記をつけて下さい。   次にちよつとお諮りしますが、戰犯の小委員会におきまして先ほど請願、陳情が六件ばかり決定されておるとのことでございますので、この際日程に載せておりませんが、これらの請願、陳情の審査を行いたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 御異議ないと認めます。   戰犯関係請願、陳情の審査を行います。請願第千四百十九号、第千四百二十七号、第千四百五十三号、第千五百五十一号、第千五百七十七号、陳情第七百七十四号、以上六件につきまして戰犯小委員長より御報告を願います。
  48. 岡部常

    岡部常君 只今議題になりました請願及び陳情に対する小委員会における審査の経過を御報告いたします。  本小委員会におきましては、戰争犯罪人の釈放、減刑等に対する請願第千四百十九号、第千四百二十七号、第千四百五十三号、第千五百五十一号、第千五百七十七号及び同趣旨の陳情第七百七十四号につきまして、政府意見を聽取いたし、又各小委員から熱心な御質疑が行われたのであります。  以上六件はいずれも採択の上内閣送付して然るべきものと決定いたしたのでありますが、ただその中には個人の減刑、釈放を願意といたしておりますものが若干ございますので、これらにつきましては前回同様に審査報告書中の意見書案に特に個人的問題については十分調査の上善処せらるべきものであるが、願意の大体は妥当である旨附記いたしますのが適当であろうと決定いたした次第であります。
  49. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 只今委員長報告の通り決定いたすことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  50. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 御異議がないと認めまして、さよう決定いたします。   —————————————
  51. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 次に請願第四百四十六号法務特別審査局岡山分局岡山市内家宅捜査に関する請願を議題に供します。まず紹介議員須藤五郎君より御説明を願います。
  52. 須藤五郎

    委員外議員(須藤五郎君) この問題は実は昨年の十月十二日に起つた問題でありまして、私は昨年法務委員をやつておりましたときに、十一月二十一日のこの法務委員会におきまして、法務総裁に実は質問をしてある問題なのです。これともう一つ同日同じような項に松江のほうでも、衆議院の我々の党の木村議員の宅が同じような捜査を受けましたので、この二件を併せて法務総裁に質問しましたところ、法務総裁は実はこういうふうにそのとき答弁していらつしやるのです。「実は他人名義の捜査令状を以ちまして捜査場所でない場所を捜査する、これはつまり令状なくして捜査すると同じことに相成ります。その点果して事実であるといたしますと、これは誠に不都合千万なことであると存じます。いずれ数日中に検察庁会議をやることになつておりますから、その際に検事正も出て来ると思いますから、事前によくその点を調査させまして、その際に詳細報告を聞きたいと思います。」というふうに答えていらつしやるのでありまして、実は本人の捜査令状でない令状を以ちまして衆議院のほうの苅田アサノ議員のいるところを捜査しまして、いろいろなものを、私物までも持つてつたという事件なのでありまして、法務総裁もこういうふうに当日の委員会お答えになつていらつしやる点から見まして、どうぞこの請願を御採択を願いたいと考えております。
  53. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 次に関係政府委員意見を聽取いたします。
  54. 龍野喜一郎

    政府委員龍野喜一郎君) 請願の御趣旨がちよつとわかりかねたのでございますが、どういう請願でございましようか。
  55. 須藤五郎

    委員外議員(須藤五郎君) 法務委員会においてこの問題を審議してもらいたいという請願なんです。
  56. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 法務委員会において審議しろという、法務委員長に対する請願なんですか。どういうことなんですか。……ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  57. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 速記を始めて。只今須藤君から御発言のありました件について、政府当局においては、その事件の真相を、只今お答えできるならば一つこの際御説明願いたいと思います。
  58. 龍野喜一郎

    政府委員龍野喜一郎君) それではその事件に関しまして当局の見解と前後処置を申上げたいと思います。  本件は、昭和二十六年十月十二日岡山県下二十四カ所において法務特別審査局職員が、アカハタ同類紙、「党活動指針」の発行停止措置を執行いたしたことに関係しているのでございますが、これは一九五〇年六月二十六日付及び同年七月十八日付連合国最高司令官内閣総理大臣宛書簡による両指令に基き日本共産党機関紙アカハタ及びその後継紙並びに同類紙の発行を停止させるために必要な措置として行なわれたものでありまして、総理大臣は以上の両指令に従いとるべき一切の行為につき最高指令官に対して直接責任を負担しておりますと共に、最高司令官はこれに関する事項を一般的に政府の措置に任せではいますものの、それに関する手続の如何なる段階におきましても、これに介入する固有の権限を保留しており、その結果以上の停刊措置の当不当の判断最高司令官の認定に待ち、日本国裁判所裁判権も排除せられている次第であります。而して現在まで特別審査局の行いました停刊措置を不当と最高司令官により指摘されておりませんので、同局の措置は正当であるものと我々は確信いたしております。なお詳細につきましては他の政府委員から説明いたします。
  59. 須藤五郎

    委員外議員(須藤五郎君) とんでもない答弁だと思うのですが、私が言つていることはそうじやないのでして、要するに他人名義の捜査令状をもつて、而も国会議員の家に押入つて、そして勝手な捜索をして、而も国会議員の私有物すらも持つてつた。その持つてつたものはちやんとそこにも出ておりますがここにこの委員会の討論の中にもずつと名前が書いてありますが、すべて皆合法的な出版物です。そういうものすらも持つてつたということが正しいのかどうか、そういう点を私は指摘しているのです。あなたの答弁は見当違いだと思うのです。それでそういう措置に対しまして法務総裁は正しくない、事実こういうことがあるのは正しくないから検察庁会議でこれを確かめると答弁されて遺憾の意を表されているのです。あなたはどこを向いて答弁しているのですか。
  60. 吉橋敏雄

    政府委員(吉橋敏雄君) 只今のお尋ねに対しまして答弁いたします。岡山において捜索いたしましたのは只今政務次官お答えしたような法的根拠に基いてやつておりまして、これは行政措置でありまして、司法処分ではありません、従つて裁判所の令状なくしてやつたのであります。
  61. 須藤五郎

    委員外議員(須藤五郎君) 冗談言つちやいけません。逮捕状をちやんと持つてつています。
  62. 吉橋敏雄

    政府委員(吉橋敏雄君) 岡山支局からの報告によりますと十月の十二日午前三時四十分から五時二十分までの間におきまして岡山市絵図町深見民市方に対し停刊措置をとつております。これは行政処分としてやつております。
  63. 須藤五郎

    委員外議員(須藤五郎君) そのときに持つてつた令状は椎野悦郎君に対する令状を持つてつているのです。そうして椎野君がそこにおるという見込があるのかどうか知りませんが、椎野君に対する逮捕令状を持つて行つてこの家を捜索している。そうして国会議員の苅田君の私有物を持つてつているのです。それが違法でないというのですか、あなた…。
  64. 吉橋敏雄

    政府委員(吉橋敏雄君) その逮捕状のことは私たちのほうの権限外でありますので知りません。私のほうは停刊措置といたしまして、行政措置として執行しております。
  65. 須藤五郎

    委員外議員(須藤五郎君) ここで私は討論するつもりでこれを出したわけではないので、討論をしては委員長に対して済まないような気がするのですが、私は委員長に対してこういう不法なことがされておるから、この委員会において調査してもらいたい、そうして善処されたいという請願を出しておりますので、これ以上は余り対論をすることは好みません。誠に相済まないと思いますが、許されるなら対論してもいいと思いますが、それは本旨でないのであります。今の答弁はちよつと私には了解しかねるわけです。
  66. 小野義夫

    委員長小野義夫君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  67. 小野義夫

    委員長小野義夫君) それじや速記をつけて。  只今の須藤議員の御紹介による件は、本法務委員会において審査することにいたしまして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  68. 小野義夫

    委員長小野義夫君) さよう決定いたします。   —————————————
  69. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 次に請願第千三百十五号、株式会社日本機関紙印刷所輪転機封印解除に関する請願を議題に供します。紹介議員羽仁五郎君より説明を求めます。
  70. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 この問題は、株式会社日本機関紙印刷所において、各労働組合の機関紙を初め、各種業界紙、学校新聞、文化、映画、演劇等百余種の新聞類を印刷しておる印刷会社におきまして、昭和二十五年七月「新文化」という新聞を印刷した理由で法務府特審局によつて輪転機を封印されてしまいました。で、今日まで至つておりますが、こういう点について、いろいろな新聞を印刷して印刷業を営まれておる所で、或る特定の新聞が印刷されておつたということで印刷機が封印されているということは、その営業上当然の権利又は営業を行われる上に甚だ不当である。従つてどうか一刻も早くその必要にして十分な措置が終つた後においては、輪転機の封印の解除をせられたいという請願でございます。どうかこの趣旨は、願意におきましては妥当であると考えられますので、委員各位も十分御審議下さいまして……。
  71. 吉橋敏雄

    政府委員(吉橋敏雄君) お答えいたします。封印は先ほど政務次官お答えいたしました最高司令官の指令に基いてやつております。従つて封印の解除も最高司令官権限によつて解除されるということになつております。で、今日までこの日本機関紙印刷所の輪転機の封印の問題につきましても、当事者から再々解除の要請がありまして、特審局といたしましては、最高司令部と常時折衝を続けて参りましたが、先般漸く解除の承認を受けましたので、日本機関紙印刷所の輪転機につきましては、本日解除の執行をいたしております。
  72. 小野義夫

    委員長小野義夫君) それではもう目的を達つしておるのではないですか。
  73. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 今の政府側の御答弁を伺つたのでありますが、国民が持つておる請願権、それから又議会がその請願権を尊重するという意味において、本請願を採択せられんことを希望いたします。
  74. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 結論……、異議がございません。それからなおこれは印刷会社を組織するにつきまして、労働組合等から資金を集めてそれぞれの機関紙を印刷する、こういうことが行われておつたわけです。そこで一機関紙と申しますか、共産党の機関紙、代行紙を印刷したということで、その機関紙がどういう性質のものであるかということにつきましても十分の認識なくして行いました印刷会社或いは印刷機械を差押えられ、封印をされたということについて、私ども曽つて治安維持法の悪用について、歯医者さんが共産党員の治療をしたということで逮捕された等の例を考えるわけで、これはすでに本日解除せられたというならば、事実は済んだわけでありますけれども、法の運用について今後心すべきものを含んでおると考えますので、その点は関係せられました特審局も御出席になつておることでありますから、こういう過誤の今後についてもなからんことを特に注意をいたしておきたいと思います。勿論賛成であります。
  75. 吉橋敏雄

    政府委員(吉橋敏雄君) 日本機関紙印刷の輪転機の封印は、先ほど申上げましたように、一九五〇年六月二十六日及び同年七月十八日附の最高司令官の、赤旗並びにその同類紙及び後継紙に関する停刊措置命令に基いてやつておりまして、この指令の中に、停刊のために必要なる措置一切を強硬に継続することを命ずるという言葉がありまして、内容の具体的な解釈につきましては、当時司令部といろいろ打合せ協議をしまして、向うの解釈も打診しました結果、その必要の中には封印、押收というものが含まれるという有権解釈でありましたので、それに基いて封印をしたわけでありますので、不当なる措置ではないのであります。
  76. 小野義夫

    委員長小野義夫君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  77. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 速記を始めて。  それじや本件は採択し内閣送付することを要するものと決定いたすことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  78. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 御異議ないと認めます。  暫く休憩いたします。    午後二時三十五分休憩    —————・—————    午後四時二十六分開会
  79. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 委員会を再開いたします。  平和條約第十一条による刑の執行及び赦免等に関する法律案を議題に供します。先ず本案につきましては、戰争犯罪人に対する法的処置に関する小委員長より審査の経過及び結果について御報告を願います。
  80. 岡部常

    岡部常君 只今上程せられました法律案に対して当小委員会における審議の経過とその結果を御報告いたします。  この法案趣旨は、当委員会において提案理由の説明がありましたので御承知通りであります。平和條約第十一条のようなことが戰争終結後も実施されますことは、大げさに申しますと、有史以来のことでありまして、いわゆる戰犯者にとりましては、勿論国民全般にとりましても極めて重大な事柄であります。さような点に鑑み、当小委員会におきましては常に熱心且つ愼重に審議をいたし、回を重ねること八回に及んだのであります。その間伊藤、羽仁、吉田の各委員その他より本案にいわゆる刑の意義、巣鴨刑務所なる名称の不適当と死刑の言渡しを受けて現在不当に收容されている者を受入れることについてその用意、仮釈放赦免、刑の減刑について連合国に勧告をなすまでの手続、特に勧告を相当とする基準、未決通算及び赦免、刑の減刑についてのいわゆる一般勧告の可能性等を主な問題点として殆んど全条項について熱心な質疑が行われました。又巣鴨プリズンを出所いたしました元法務官、国際法学者及び復員局の事務官等を参考人として法案に対する意見を聽取いたしたのであります。  かように審議を盡しました結果次の四点について修正意見が抬頭したのでございます。即ち、第一に刑の本質が明確を欠くので、前文又は第二条においてこれを明確にすること、第二に死刑の言渡を受けて不当に收容されている者の送還を受けた場合の手続規定を明定すること、第三に赦免及び刑の減刑等については個別審理のほかに大赦的性質を持つているいわゆる一般勧告ができる旨を明確にすること、第四に巣鴨刑務所なる名称を刑務所以外の適当な名称に修正することの四点であります。  而して第一点につきましては政府の説明により一応了解できること、第二点につきましては、本法の第五条において処理できるとする政府の説明は、理論上は必ずしも了承することができないが、戰犯の裁判をした相手国の感情や従来の交渉の経過に徴し、本法に明文を設けることが必ずしも利益でないことが窺われること、第三点につきましては、本法第三十条第二項により、いわゆる一般勧告も可能であるとする政府の説明は必ずしも承認できないが、第二点と同様、従来の交渉の経過に徴し、本法中に明文を設けることが必ずしも利益でないことが窺われると共に、本法第三十条第二項に相応する政令及び規則にその趣旨を明定することにより目的が達せられること、第四点については、通称を使用することによつて国民感情に副うことができること、これらの理由により、いずれも修正の必要がないとの意見が伊藤委員より開陳せられたのであります。  以上申述べたように十分審議を盡しましたので、本法案の結論につき諮りましたところ、原案通り異議ないものとして決定いたしました次第であります。  右御報告いたします。
  81. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 只今の小委員長の御報告に対して御質疑はございませんか。なお、政府に対しましても御質疑がございましたらば合せてお願いいたします。  別に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて、これより討論、採決に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  82. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 御異議ないと認めてこれより討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。別に御発言もなければ、討論は終局したるものと認めまして採決に入ります。小委員長の報告の通り本案を原案通り可決することに賛成の諸君の御挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  83. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 全会一致と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決すべきものと決定いたしました。  なお、例によりまして本案に対する委員長報告及び審査報告書の内容は、委員長に御一任を願います。賛成の諸君の御署名を願います。   多数意見者署名     齋  武雄  長谷山行毅     加藤 武徳  左藤 義詮     岡部  常  宮城タマヨ     吉田 法晴
  84. 小野義夫

    委員長小野義夫君) 本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十四分散会