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宮城タマヨ君 誠に
法務府として、ただそれを
伺つております
程度でございますと、私も心細く感ずるわけなんでございますが、実はこの間国立の文教地区指定地問題で、文部
委員会と
法務委員会との合同
委員会を開きましたときにも、
業者が参りまして堂々とこういうことを
言つております。
婦女子から、殊に若い十八、九というような娘を下宿させておりまして、一軒に数人下宿させておりまして、そうして三千円乃至五千円の間代を取
つている。そうしてそれが一体何をしているのですかと言うと、さあどんなことをしておりますか……と
言つてもううまく逃れている。これは私は全体においての実請であろうと思
つております。一体こういう
業者をいつまで
政府は生かしておけばいいのですか。この
意味におきましても私は今度の
勅令の九号を、まあ一時的の
措置としてということもございますけれ
ども、それを一時的としておきますといつまでもこの下に隠れて……私は
法務府の無責任を暴露することになるのじやないか、
政府の無責任だけでなくて、私
ども国会におります者の、殊に
婦人議員としての責任を非常に痛感するものでございます。この
売春に関しまする
ところの調査を本
委員会で年を重ねていたしましたことは昨日も申しました
通りでございますが、この調査の一環としまして
昭和二十四年の十二月に集まりましたもの、これは全県でございませんようで二十三県から集ま
つているのでございます。そうしてこの集まりました
ところの
売春婦の数は、
集娼が七千四百名、散娼が二千百五十五名、つまり九千五百五十五名について、これは
全国のものでございませんで、甚だ
統計としたら不備なものでございますが、併しこれだけのものにつきましての調査ではつきりいたしておりますことは、生活難が七八%、生活に困
つたために転落しておりますものが七八%、それから好奇心、自暴自棄とい
つたようなものが一五%ということも出ております。それから家庭を持
つたことのあるものは丁度七〇%、九千五百五十五人のうちの七〇%、それから最も憂えなければならない点は、子供がございますものが二五%。そうしてこの稼いでおります年限でございますが、これは
集娼だけについて見たものでございます、一カ年以下というものが四五%で、一年以上というものが五五%にな
つております。そうしてその一年以下の四五%を又よく調べて見ますというと、一年稼いで、一年以内稼いで出たけれ
ども、どうしても娑婆に出て見ましても生活ができないので、もう一度舞い戻
つて稼業をや
つたという
数字が一七%に上
つております。それからこの
売春が禁止されたらやめ得るという回答をいたしておりますものが僅か二八%、どうしても生活難のためにやめられないというものが大五%にな
つております。これによ
つて見ましても、どうしても、ただ強い
罰則を持ちました
法律によ
つてだけこの問題を解決することはできない。
従つて私
どもはこの社会保障
制度の確立というようなことも、今切実に願
つている問題なのでございますが……まだお見えになりませんか、
厚生省の局長はまだですか……これにつきましては、
厚生省関係のかたにお伺いしようと思いましたが、まだ局長が見えないそうでございますから、その問題については私はやめておきましよう。私
ども聞いておりますが、
集娼、散娼を集めまして、二十四年に
厚生省のほうから出ましたものには、これは推定数でございましようが、二十万ということが言われ、そうしてその性病の蔓延いたしておりますパーセンテージについては、その当時三〇%ということが
厚生省のほうから発表されたものを見ておりましたのでございますが、私が今日において非常に雑駁に申しますというと、その当時二十万と言われた
集娼、散娼の数が、恐らく十万も殖え、或いは倍にも殖えておるのではないか。そうしてその人たちが流しております
ところのその害毒は、性病は、これはもう津々浦々にまで、農村までも行き届いておるほど大変な拡がりようでございますし、又この忌わしい
生活状態が教育に及ぼす点を
考えましたときに由々しい問題ではないか。今、私
ども、殊に母の立場におりますものは、平和を守り、再び戦争にな
つては困る、そうして子供を戦争から守りたいという非常な希望を持
つておりますと同時に、又それにも劣らないほど、子供をこういう面から守りたいということが母の願いでございます。そこで私はこの際
政府の本当に責任ある
答弁を伺いたい。それは前から申しますように、ここで以て少しでも完全に近いものをこの六カ年の間に準備して頂いて、私
どもも大いに努力いたしますが、何とかしたいという
答弁が頂きたいのでございますけれ
ども、如何でございましようか。