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荒木正三郎君 この伊丹飛行場の拡張の問題でございますが、現在日米合同
委員会でこの問題の折衝が行われているというふうに聞いているわけなんですが、この問題につきましては地元においては非常な反響を捲き起しておることは御
承知の
通りだと思います。で、連日地元から陳情に見えておりますのですでにその
内容については御
承知だろうと思いますが、私もこの飛行場のそばに住んでおるものでありましてこの実情をよく知
つておるわけなんですが、この飛行場は豊中、池田、それから伊丹、三衛星都市の丁度中間に位置を占めておる飛行場です。而もこの三衛星都市は住宅都市として、或いは
教育都市として知られておる
ところなんです。
ところが今回この中間にある伊丹飛行場が相当拡張されるということについていろいろの支障を来たしておるわけなんです。
先ず第一に
教育上から申しますと、現在でもかなり飛行機の発着その他の騒音によ
つて、殆んどその演習の激しいときは授業ができない、こういう状態にあるわけです。
ところがこれが更に拡張せられて、大体お話を聞くと一万一千フィートの滑走路を作る、こういうことです。それによ
つてジェット戦闘機及び大型爆撃機を発着せしめるというふうなことを聞いておるのですが、そうしてこれに要する要員も三千人ばかり増員になる、こういうことですが、そうなれば今でも非常に困
つておる
教育上の支障が更に大きくなる。それから現在でも相当数の何と言いますかパンパンガールと言
つております。が、そういう人が相当あるわけです。これは豊中、池田という
ところは子第の
教育のために集ま
つて来られるかたが相当あるのです。これは誇張ではないのです。
ところがそういう種類の婦人が殖えることを非常に問題にしておるのです。今度三千人もそのために殖えるということになればこの傾向が一層助長されて来るわけです。そういうようなことで、現に私は二三日前に帰
つて来たのですが、転宅をしなければならんということを言
つておる人が出ておるのです。で、私は池田市長にも豊中市長にも会いましたが、どうもこういう状態では市の発展のためにも困る、非常に市民に迷惑を及ぼすということを憂慮せられておりました。それが
教育上の問題から言えばその点ですが、なお農地から言えばこれによ
つて農地を接収されてその生活の根拠を失う者が大体戸数にして五百戸近いと思うのですが、人数にして約二千人くらいだと聞いておりました。こういう人たちがこの農地を失うということになれば生活の途を失
つて行くわけです。そういう意味から農民にと
つてもこれは非常に大きな問題である。で、私の
考えではこういう衛星都市の人口は、大体衛星都市を合すれば二十万になると思うのですが、こういう真中にある飛行場をこの際拡張することはやめて、現状はいたしかたがないと私は思うのですが、一応拡張することはやめて、若し非常に不都合であればほかにもう少し広々とした
ところで、換地でや
つて、前の陸軍の演習の青野原などがあります。金は少なからずかかりますけれ
ども、やはりそういう
ところを換地として、そこに建設して、こういう人家の、周囲が密集して、而もそれは先ず言えば北大阪における住宅地帯なんです、山手ですね、そういう
ところに、文化都市として拡めようとい
つたところにこういう飛行場を拡張するというようなことはやめたらどうか、こういう意見なんですが、これについては三市の市長或いは市会、或いは住民の総意として私のほうにも陳情が来ておるわけなんですが、聞く
ところによるとこれはかなり進捗をして拡張を撤回することは非常に困難であるというようなことを聞くのですが、この際私は是非これは拡張
計画を中止して他に求めてもらいたい。こういう
考えでありますが、そういう点についてどういう経過にな
つておるのか聞きたいと思います。