○岩間正男君 それじや時間まで
質問したいと思いますけれども、先ず第一点お聞きしたいのですが、先ほどから非常に頼りないと思う。片務
協定にな
つてしまう。成るほど
平和條約が発効してそれに
関連した法案をこちらで作らなければならないという形で進められておるのですが、先ほども
相馬君から話されましたように、これは
連合国人の
著作権を保護をするということになりますが、これと
関連しまして
日本の翻訳者とかそれから業者、こういうもの
権利がそれとの
関連において侵害されるという問題が非常に出て来ると思う。
従つてその問題をもつと明らかにしなければならない。
それからもう
一つは、先ほど話されました相関
関係において
日本人の持
つている
著作権、これをどういうふうに諸
外国に対して保護するか、こういう問題なんですが、殆んどこれは具体的な
お話がない。そうして
文部省のほうが主務官庁でありますから話があ
つたらそれについて何か
考える。こういうわけなんですがこれは私は今のような御
答弁では頼りがないと思う。そこで具体的にもつとお聞きします。今後
努力する、何とかなるだろう、こういう
お話でありましたがお聞きしたいと思います。
先ず第一にこの中で問題になるのは
著作権の
期間の問題なんですが、
日本は言うまでもなく
ベルヌ條約に入
つて戦争を迎えたわけです。そうして
戦争中ブラツセル條約ということになりまして
著作権の
期間が非常に延長されたわけです。三十年から五十年というふうにこれは延長された。そうしますと、先ほど
山本さんから
お話があ
つたのですが、これはどういう
規定になりますか、ブラツセル條約に
従つてその拘束をどこまで受けなければならないということになりますか。
ベルヌ條約には参加してお
つてブラツセル條約には参加していない。それを五十年という形で以て今後
規定されて行けば、これは何か参加しないところの條約の
規定というものを押付けられることになる。これは
一つ私は外交的に解決しなければならない問題だと思う。これが点であります。
第二点といたしましてもつと具体的にお聞きしますと、政令二百七十二号、こういうようなことで以て翻訳
著作権というものが従来は
日本でもこれは認められてお
つたと思うのでありますが、占領治下におきましては全部これが廃棄された。そうしてこれは原著作者並びにその仲介者にそういう
権利というものは
日本から殆んど半強制的にこれは讓渡させられる、こういう形にな
つているわけです。そうしてこういう形のものが今後これは
戦争中の
措置だというのでここで何ら具体的に問題を解決しない。こういう点につきましては先ほど
山本さんから話がありましたように、
イタリア條約の附属文書によりまして一年間でこういう
権利については回復できる。こういうような問題があるのでありますが、
日本の場合にはこれは全然できない、こういうことになりますと、非常に大きな問題だということができる。併し政令二百七十二号によ
つていろいろ発生しましたところの
日本の翻訳者並びに業者なんかに非常に不利なところのいろいろな問題をどのように具体的に
措置されるかということを具体的にお聞きしないと大体
はつきりしない。
なお理由を挙げないと
ちよつとおわかりにならないかと思いますが、例えばこういうひどい場合がある。これはシートンの動物記、これを内山賢次氏が訳した。とろがシートン夫人にこれを
交渉して、
著作権の保管者がクリステイ・モーア社というのでイギリスのクリステイ・モーア社に
交渉しまして同社から翻訳権が譲渡された。それで大体七・五%の印税を抑えばいいということにな
つてお
つたそうであります。ところがそれに対しましてアメリカの仲介業者のトーマス某という人がその中に入
つてそうして仲介権をと
つてしま
つた。そうして
交渉権を持つに至
つた。内山氏に対しましてはこの承諾書、クリステイ・モーア社かち得ましたところのこの翻訳書を借りたいとい
つてそのまま取上げてしま
つた。そうして現在にな
つてこれが問題にな
つているのであります。その承諾書を受取
つた覚えはないということにな
つてそうして印税においては七・五%が九%にされている。こういう
事態が一例でありますけれども実際起
つている。ところがこれは原状回復というような一年間の
期間がないとこのまま継続されて非常に
日本の飜訳者並びに業者を圧迫するという形がこのまま継続される。こういう問題が具体的に起
つているが、こういう具体的な問題についてどういうふうに
外務省としては処理し、これについて和解と信頼であるということを表面に語
つてありますところの
平和條約の精神に基いて、それとまるで相反しているようなこの非常に劣悪な條件についてこれを改正される
考えがあるかどうか。当然双務的なものとしてこの際これは
交渉されなければならん。そういう具体的な問題について如何ですか。この二点を先ず伺います