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1952-04-01 第13回国会 参議院 文部委員会 第22号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年四月一日(火曜日)    午前十一時一分開会   ―――――――――――――   委員の異動 三月三十一日委員白波瀬米吉君辞任に つき、その補欠として鈴木安孝君を議 長において指名した。   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     梅原 眞隆君    理事            加納 金助君            高田なほ子君            木内キヤウ君    委員            木村 守江君            黒川 武雄君            高橋 道男君            堀越 儀郎君            矢嶋 三義君            岩間 正男君   国務大臣    国 務 大 臣 木村篤太郎君    文 部 大 臣 天野 貞祐君   政府委員    特別調達庁次長 堀井 啓治君    特別調達庁管理    部長      長岡 伊八君    文部省初等中等    教育局長    田中 義男君    文部省社会教育    局長      寺中 作雄君    文部省管理局長 近藤 直人君   事務局側    常任委員会專門    員       石丸 敬次君    常任委員会專門    員       竹内 敏夫君   説明員    大蔵省理財局為    替審査課長   崎谷 武男君    大蔵省主計局主    計官      岩動 道行君    文部省管理局教    育施設部長   田中 徳治君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○図書館法の一部を改正する法律案  (内閣提出) ○教職員除去就職禁止等に関する  政令を廃止する法律案内閣送付) ○連合国及び連合国民著作権特例  に関する法律案内閣提出) ○教育及び文化に関する一般調査の件  (スポーツ国際親善等及び外貨割  当基準に関する件)  (学問の自由と大学の自治に関する  件)  (十勝沖地震による教育施設災害状  況に関する件)  (被接收教育施設に関する件)   ―――――――――――――
  2. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) 只今より文部委員会を開きます。  先ず図書館法の一部を改正する法律案について文部大臣から提案理由の御説明を願います。
  3. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 今回政府より提出しました図書館法の一部を改正する法律案について御説明申上げます。  図書館法は、改めて申上げるまでもなく、我が国図書館の健全な発達を図り、国民教育及び文化発展に寄與することを目的として、昭和二十五年四月、第七国会において制定され、関係者の多年の要望が実現されたものであります。  爾来、この法の目的に副つて図書館は新らしい図書館奉仕機能確立し、地域社会文化的中心機関として活溌な社会教育活動が展開され、年々著しい進歩を示しております事実は、誠に御同慶に堪えません。特に図書館專門職員資質向上については、法の規定に基く講習契機として、公共図書館及び学校図書館とを問わず、その職責の重要性の自覚を促し、自主的な專門的識見技術研究が活溌となりましたが、昭和二十六年度においてはすでに約一千二百人の專門職員資格附與講習が行われたのであります。政府專門職員充実を図ることが、図書館本質的機能確立の基盤となり、法の目的を達成する原動力となるものと考えますので、この講習実施について積極的な努力をしているのであります。つきましては、法の規定に基く講習実施の実績に鑑みまして、この講習をより効果的に、計画的に行い得るようにするために、次の通り現行法の一部を改正する必要が生じたのであります。  改正の第一点は、図書館司書及び司書補資格附與講習教育学部又は学芸学部を有しない大学も行い得るように改めようとするものであります。即ち現行法によれば、この講習委嘱教育学部又は学芸学部を有する大学に限られているのでありますが、現在教育学部又は、学芸学部を有しない大学文学部等において「図書館に関する科目」が置かれているところが多く、且つ自主的な講習も行われている実情なのであります。  従つて、これらの大学は、当然現行法に基く、文部大臣委嘱講習を行い得る要件を備えているわけでありますから、この点を時宜に適するように改めたいと思うのであります。なお、この点については、すでに、私立大学図書館協議会から請願がなされ、採択されているのであります。  改正の第二点は、図書館司書及び司書補暫定資格大学以外の学校に附属する図書館に勤務する、教諭免状を有する者にも與えることに改めようとするものであります。即ち現行法においては、法施行の際大学附属図書館司書又は司書補に相当する職員にそれぞれ暫定資格を與えていますが、大学のみならず、小中高等学校等附属図書館職員も活溌な活動を行なつており、且つ暫定資格を得て、受講機会を持ち、專門職員資格の取得を望んでいるものが多いので、これらの職員のうち、教諭免許状を有するものに対し、暫定資格を附與し、講習受講機会を與えるよう改めたいと思うのであります。  以上が、この法律案の骨子でありますが、現実に処理を迫られている問題でありますので、よろしく御審議の上、速かに、御賛成下さるようお願いいたします。  なお、図書館法改正点については、他に若干存しているものの、他の法令との関係もありますので、目下研究中であることを附言する次第であります。
  4. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) 次に寺中局長補足説明を願います。
  5. 寺中作雄

    政府委員寺中作雄君) このたび政府より提出いたしました図書館法の一部を改正する法律案について、その大要を御説明申しあげます。  図書館法は、社会教育精神に基き、図書館の設置及び運営に関し必要な事項を定めまして、その健全な発達を図り、国民教育文化発展に寄與することを目的として、去る第七国会において制定され、昭和二十五年法律第百十八号として同年四年三十日公布、同年七月三十日から施行なつたものであります。法施行後現在まで約二年を経過しましたが、この法が関係者の十年余の要望でもありましたので、我が国図書館関係者に非常な喜びをもたらすと同時に職務の重要性を自覚せしめ、新らしい図書館奉仕機能確立のために大きな抱負と勇気とを釀成し、着々その実情を示しておりますことは誠に御同慶に堪えないところであります。法が施行されまして以来、短時日の間に、我が国図書館がどのような発展の過程を示したかを、具体的にその事例をあげれば、およそ、次の通りであります。  第一は、図書館新設及び復旧の増加であります。即ち、図書館制度確立と相待つて図書館重要性並び必要性が痛感されて、新設及び戰災等による復旧計画が促進され、新設のもの約四〇館、復旧のもの約一〇館が数えられるのであります。特に、国庫補助金交付最低基準は、新設及び復旧の標準となり、これらの計画が助長されている事実は、この法の特徴とも申すことができるのであります。  第二は、図書館奉仕機能の整備であります。即ち新らしい図書館機能は、地域社会各種事情を反映いたしまして、動く図書館としての奉仕活動を基調とするわけで、常に地域住民の実生活に即応して容易に利用し得る体制を整えることが肝要なのであります。従つて、各地の図書館はこの精神則つて閲覧方法も旧来の出納式接架式に改め、出納手経ずして自由に図書の利用ができるような設備を施し、且つ直接図書館を利用できぬ人々のために、移動図書館、即ち自動車文庫を設け、すでに全国で約十五台の移動図書館活動している等、各種の新らしい図書館奉仕が進展しつつあるのであります。  第三は、図書館專門職員充実であります。即ち專門職員である司書及び司書補資格規定に基いて、これらの職員資格附與講習が行われるようになつたのでありますが、この講習契機といたしまして、專門職員識見技術向上が図られると共に図書館学に関する諸種の研究が旺盛となりまして、おのずから專門職員資質向上されて来たのであります。文部省といたしましても、この專門職員養成充実我が国図書館発展原動力となるものと考え、大いに努力をいたしており、このたびの改正もこれに関連をするわけでありますが、昭和二十六年度におきましては、すでに約一千二百人の講習を終り、引続き二十七年度も約二千人の養成講習を予定し、所要の準備を進めているのであります。  以上申述べた過去二カ年の法実施の経験から考え、特に重要と思われる專門職員充実について現実に、而も早急に解決を要する問題が生じて参りましたので、次の通り現行法の一部を改正し、法の実施を更に円滑にし、法の目的を実現したいと思うのであります。  改正の第一は、法第六條第一項の規定に基く文部大臣大学委嘱講習を、教育学部又は学芸学部を有する大学のみに限定いたしませず、広く大学委嘱できるように改めようとするものであります。即ち現在「図書館に関する科目」が設置されている大学は、東京大学を初め京都大学、早稲田大学及び慶応大学等国公私立大学を含めて全国で約十六の大学に及んでおりまして、それぞれ有能な教授陣容を備えて開議し、自主的な図書館講習計画実施しているところが多いのであります。併し「図書館に関する科目」は殆んど文学部に属し、而も大部分教育学部又は学芸学部を有しない大学が設置している実情なのであります。従つてこれらの大学は、教育学部又は学芸学部を有しなくとも十分文部大臣委嘱講習実施し得る大学でありますので、講習総合計画との関係からも、時宜に適するよう改めたいと思うのであります。この点の改正については、すでに全国私立大学図書館協議会から請願がなされ、二十六年五月、参議院において、同年七月衆議院においてそれぞれ採択されているのであります。  改正の第二点は、法附則第四項の規定によつて司書及び司書補暫定資格公私立図書館国立国会図書館並びに大学附属図書館職員に與えられているのでありますが、これらの職員のみならず、大学以外の学校図書館職員教諭免許状を有するもの及び教諭免許状を有するものとみなされるものについても同様に暫定資格を附與することに改めようとするものであります。即ち法制定の際には、この法が公私立図書館を対象として規定していること、又国立国会図書館支部上野図書館国立国会図書館法第二十二條の規定によりできる限り速かに東京都に移管され、公立図書館として再出発すること並びに專門職員講習大学委嘱することにより、大学図書館の果す役割が大きいこと等の事情を勘案して、これらの図書館職員にそれぞれ暫定資格を附與したものであります。従つてその当時においては、大学以外の学校図書館職員については、この法の資格規定との直接具体的な関連を生ぜず、而も学校教育におけるこの種の規定を予想して暫定資格を附與しなかつたものであります。併しながら、これらの当初の事情はその後再検討すべき余地も生まれて参り、更に講習の実態から申しますと、大学以外の学校図書館職員暫定資格を得ていないために、折角有能な職員でありながら受講機会を失するものもあり、なお暫定資格を獲得して受講を望むものが多いので、図書館相互間の円滑な人事交流の点からも考えまして、他の図書館職員同様法施行の日に遡つて暫定資格を附與するように改めたいと思うのであります。併し学校図書館が、学校教育学習活動の拠点となる本質的機能の面から考えまして、これら職員のうち、正式教員、つまり教育職員免許法規定する教諭免許状を有するもの及び教育職員免許法施行法規定する教諭免許状を有するものとみなされるもののみに暫定資格を附與することといたしまして、臨時免許状を有するものは除いたのであります。  以上の二点が改正の要点でありまして、早急に解決を要する問題なのであります。図書館法の他の点についても若干改正を必要とする問題もありますが、社会教育法を初め他の法令との関係もあり、なお十分研究すべき点が多いので、目下検討中であります。右の事情を御了察の上、十分御審議下さいまして、一日も早く御賛成下さるよう特にお願いする次第であります。   ―――――――――――――
  6. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) 次に、教職員除去就職禁止等に関する政令を廃止する法律案に関する提案理由文部大臣にお願いいたします。
  7. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 今回提出いたしました教職員除去就職禁止等に関する政令を廃止する法律案について御説明申上げます。  教職員適格審査制度は、昭和二十年十月に発せられました日本教育制度に関する管理政策に関する件及び教員及び教育関係官調査、除外及び認可に関する件の二つ連合国最高司令官の覚書に基いて制定された教職員除去就職禁止等に関する政令によつて実施されて来たものであります。併しながら日本国との平和條約が発効した曉においては、公職資格審査制度も廃止される関係もあり、占領政策に基いて実施されましたこの教職員適格審査制度は、終止せしめるのが妥当であると考えられます。  このために、この法律により、教職員適格審査根拠法令である右の政令日本国との平和條約発効の日において廃止しようとするものであります。なおこの政令規定により恩給その他の利益を受ける権別又は資格失つた者については、この法律によつて、その施行の日からその権利又は資格を取得させることとし、又同令廃止前の違法行為に対する罰則適用については、なお従前の例によることとして、先に罰則適用を受けた者との間に公平を失わないようにいたしたのであります。  以上が本法案の要旨であります。何とぞよろしく御審議の上御可決下さらんことをお願い申します。   ―――――――――――――
  8. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) ちよつとお諮りいたします。昨日参議院に本審査として連合国及び連合国民著作権特例に関する法律案が提出されました。つきましては本日の日程に追加いたしまして、文部大臣から提案理由説明を聞きたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) それでは大臣にお願いいたします。
  10. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 只今政府から提出いたしました連合国及び連合国民著作権特例に関する法律案について、その提案理由及び内容について御説明申上げます。  この法律案は、日本国との平和條約第十五條(C)の規定に基くものであり、同條約に規定されている事項同一事項規定するものでありますが、このような法律案を提出するに至りました理由は次の通りであります。即ち、対日平和條約のこの規定だけでは一般国民理解に不十分な点もあり、又実施上の細目について欠けるところもあります。そこで條約上の義務を日本国及び日本国民が誠実に履行するために、又将来において起り得べき問題をできるだけ避けるためには、同條約同規定の解釈を法律で定める必要を認めたわけであります。  次にこの法律案内容について主な点を申上げます。  第一は、著作権に関する日本国との條約又は協定が廃棄又は停止された場合においても、連合国及び連合国民が戰時中に取得した著作権はこれを保護する旨を明確にいたしました点であります。第三條は、これに関する規定であります。  第二は、この法律案著作権法規定する著作権保護期間に関する特例を定めたことであります。即ち(イ)昭和十六年十二月七日に日本国において存在した連合国及び連合国民著作権は、著作権法規定する期間に、戰争期間に相当する期間を加算した期間、継続することといたしました。又(ロ)戰争期間中に生じた連合国及び連合国民著作権は、著作権法規定する期間著作権が取得された日から日本国当該連合国との間に対日平和條約が効力を生ずる日の前日までの期間に相当する期間を加算した期間継続することといたしました。第四條はこれらに関する規定であります。(ハ)著作権のうち特に翻訳権に関する保護期間については、上記(イ)(ロ)による加算期間を加え、更におのおの六カ月を加算することになりました。具体的に申しますと、著作権法七條第一項に規定している翻訳権に関する十年という期間は、この十年に上記(イ)(ロ)による戰争期間を加え、更におのおのの場合において六カ月を加えた期間となります。第五條はこれに関する規定であります。  第三は、前述の連合国及び連合国民著作権保護期間延長利益は、日本国当該連合国との間において、対日平和條約が効力を生ずる日に、連合国及び連合国民が有する著作権のみが受けることと規定いたしましたことであります。即ちその日に非連合国又は非連合国民が譲渡を受けて権利者なつてい著作権は、本法による期間延長利益を受け得ないのであります。第六條はこれに関する規定であります。  第四は、連合国及び連合国民著作権に関する讓渡については、著作権法に定める原則通り登録をしなければその権利を第三者に対抗できないこととし、又この登録については、連合国及び連合国民に対しても登録税を課することといたしましたことであります。第七條はこれに関する規定であります。  以上がこの法律案提案理由及び内容であります。何とぞよろしく御審議上速かに御可決下さるよう御願いいたします。   ―――――――――――――
  11. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) 矢嶋委員から、スポーツ選手派遣に関して発言を求められておりますから、これを許可いたします。
  12. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私はこの際、国際的競技大会我が国民が参加する問題につきまして、大臣一つ所見を承わりたいと思つております。  先ず大臣に承わりたい点は、スポーツ国際親善というものをどういうふうにお考えなつていらつしやるか、その点を先ず承わりたいと思います。
  13. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 本質的にはスポーツ国際親善に寄與するものだと考えております。
  14. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 先般十数年ぶりに我が国オスロにおける冬季オリンピツク競技大会に参加して、その参加された監督並びに選手のかたがたの帰朝談によりますると、技術の面につきましても、更に国際親善国民外交という立場から非常にその成果は大きかつたということを承わつておるのでございますが、大臣只今スポーツ国際親善、更には国民外交に果すべき使命というものは原則的に承認される問題だ、こういう御発言があつたのでございますが、現在世界が冷い二つのブロツクに対立しておることは申すまでもありません。この中にあつて、私は我が国平和憲法を守る立場からも、この世界の溝を、我が国は少しでもこの深き溝を浅くして行く。そして世界平和を招来するという基本線に立つて我が国は今後歩いて行かなくちやならんのじやないか、こう考えるのでございますが、それに対する大臣所見並びに大臣スポーツ国際親善との関係を肯定されたわけでございますが、それに対しまして、どういう具体的な案を持たれてその目的を達成されようとしておるか、そういう点につきまして御所見がございましたら伺いたいと思います。
  15. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 原則的に私は国際親善に資すると思いますが、併し日本のような敗戰国でございますから、その程度とか、そういうことについては十分なる考慮を拂わなければならないと思つております。
  16. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 敗戰国だから、その程度については考慮を拂うというのはどういう意味でございますか。
  17. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 非常にたくさんの選手を出すとか、或いは国によつては、場合によればどこへでも出すとかいうようなことは、やはり日本としてそういう点については考慮をすることが必要であるということであります。
  18. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 人数場所について御説明なつたようでございますが、まあ経済的な理由から或る程度派遣人員が制約されるということは、これは別の問題としてさておきまして、どこにでも出すというわけには行かないというのはどういう意味でございますか。もう少しお話を承わりたいと思います。
  19. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) スポーツにとつて重要性を持つておるところと、そうでないところがありはしないか、私はただ極く一般的に言つていることなんです。日本国敗戰国であるのに華々しくやるということは余りよろしくないのではないか、だからして人数とか、或いは出す場所についても、これは是非スポーツの上から必要であるというところと、そうでないというところという区別はありはしないかと思います。
  20. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それでは大臣にお伺いしますが、大臣スポーツ国際親善ということを肯定されたわけでございますが、ではよく私たち小さい頃から耳にしておることでございますが、スポーツには国境がない、スポーツによつて裃脱いだ国民外交というものは非常に効果があるのだということをよく耳にして参つたのでありますが、このスポーツ国境がないということについて、大臣はどういうふうにお考えなつていらしやいますか。
  21. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) スポーツ国境がないということはどういうことでございましようか、私もいろいろに考えられると思いますが、極く常識的に言えばそうだと思います。
  22. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それでは少し話を進めまして、先般オスロ代表を送る場合に、まあ予算の問題その他でいろいろ議論されたわけでございますが、ともかく我が国経済状況で許される範囲内において、監督以下選手十七人のかたが参加されて、まあ立派な成果を上げてお帰り下さつたわけです。更には先般二月インドで卓球世界選手権大会がありまして、大臣承知通り男女單複、団体と四つ選手権を獲得されて代表のかたがお帰りになつた。これらは国民の、敗戰国民としての誇りというものを、敗戰国民の打ちひしがれたその気持に一つ誇りを與える意味におきまして、非常に私は効果があつたと思つておるのでございますが、伝えられるところによりますと、この卓球大会が明年三月はルーマニアのブカレストで開かれる、ところがルーマニアで開かれるので外貨割当が許可されないらしい。外貨の許可がされないというと、四つ選手権を持ちながら、そのカツプの返還にも参加することができない、こういうふうなことを私は伺つておるのでございますが、大臣そういうことを御承知でございますかどうか、先ず承わりたいと思います。
  23. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) この外貨関係があるために今その点を研究しておるというように聞いております。
  24. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それじや大臣にお伺いいたしますが、この外貨の枠というものは、どのくらいあつて、そうしてその配分というものはどういう基準によつてなされておられるのか、御答弁願いたいと思います。若し大臣承知でございませんでしたら、少くともこれだけの重要な問題につきましては、私は文部省内の所管局長において研究されておることでございましようし、又大臣も私は或る程度は当然御存じでないかと思いますが、お伺いいたします。
  25. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) スポーツにはそういう枠がないように聞いております。
  26. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それじや大臣にお伺いいたしますが、外貨割当がないために行けない、その点について研究されておる、こういう御答弁でございますが、まあ御承知のように藝能人、それぞれの階層において相当のかたが渡航されておるわけでございますけれども、この卓球選手というのは、私は数から言つても極めて少数であるし、その外貨割当がないということについて、私はどうも理解に苦しむ点があるのでございますが、如何なものでございますか。
  27. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 外貨のところの問題がはつきりしないから、それを今調べておるということでございます。
  28. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それじや大臣ルーマニアにあるところの卓球世界選手権大会には我が国代表を送るべきだというお考えでいらつしやいますか、どうなんです。
  29. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) まだ私の考えははつきりいたしておりません。
  30. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 はつきりしていないというのはどういう……。先ほど国際親善に寄與するというまあ前提を承わつたわけですが、はつきりしていないというのはどういうことですか。
  31. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 外貨の問題がはつきりしないから私の考えもはつきりしないということです。
  32. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 外貨がはつきりしないという……、外貨を獲得するためには、そういう会には、日本人として出席することが是非必要だと、だから僅かながらの外貨であるが、その中から是非割くべきである、こういうように話は進むのじやございませんでしようか。例えばヘルシンキの大会に当りましても、私まあ承わるところでは二十万ドルの外貨が確保されておる、その派遣人員は九十八人で、文部省関係の予算としては千五百万円予算されておるということは、先般承わつた通りでございます。従つてこのルーマニアで開かれる卓球大会につきましても、これが渡航目的その他から妥当だということになりますれば、大臣としては当然その線から外貨の問題を論じて行くべきであつて外貨がどうだから派遣すべきかどうかということはまだ見解が到達していないということでは、私は話が逆だと考え理解できないのでございますが、如何でございますか。
  33. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 先ほども申しましたように、どこにでも何でも派遣するというのじやなくして、その派遣すべき場所重要性とか、そういうことを考えて行くということが先ず第一点である。次に外貨を獲得できるかということが第二点であると、こういうように申したのであります。
  34. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 その前段でございますが、一部の報道によりますというと、ルーマニアはソヴエト・ブロツク圏に入つている、まあカーアン内であるから、だから外貨割当は許可されないのだと、こういうようなことを、真僞のほどは知りませんが、承わつたのでございますが、大臣はそういう点御承知でございますか、更に若し御承知とするならば、それに対する大臣の御見解を承わりたい。
  35. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 文部省ではまだそういうことは聞いておりませんのです。
  36. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それでは理財局の崎谷事務官がお見えになつているようでありますから、私承わりたい点は、外貨割当てるときの基準並びに現在私の質問の中心になつておりますところのルーマニアへの卓球選手の派遣に要するところの外貨割当の問題の経緯並びに結論に到達されておりますならば、一応の現在の結論というものを承わりたいと思います。
  37. 崎谷武男

    説明員(崎谷武男君) 先ずルーマニア卓球大会のことから申します。これは文部大臣の御答弁にありました通りでありまして、ルーマニアとの決済、ルーマニアに対する支拂をどうするかということが実は一つの問題でありまして、今までのところはつきりしておりません。ルーマニアに対する決済をどうするか、その点を今文部大臣も御答弁になりましたごとく、外貨の問題について研究中でございます。これは外務省その他各省で検討しております。なおルーマニアの件は、これは今御質問にもありましたように、来年の二月、三月頃の問題でございます。今度一応上半期のスポーツ関係の予算として外貨予算を検討いたしました際に、体協から出ておりますのは殆んどが九月までの企画でございます。卓球だけが二月、三月頃のいわば来年度のものであります。その点で特に上半期の外貨予算を検討いたします際に、そう早急の問題でもありませんので、外貨の決済についても十分に検討いたしまして、それまで一応態度をきめかねたということであります。それからスポーツ関係外貨予算を一体どういうふうな基準できめるかという御質問でございますが、これも先ほど文部大臣の御答弁にありましたように、スポーツ関係に幾らという特別に枠を初めから作つておるものではございませんで、ケース・バイ・ケースに、体協なり、その他運動競技関係の団体から要求がありました都度ケース・バイ・ケースに閣僚審議会で検討してきめて行くと、そういう立場をとつております。従いまして、スポーツ国際親善ということは御趣旨の通りでありますが、外貨関係もありますので、余り大衆性のないスポーツとか、或いは日本が行きましても全然問題にならないというようなものは多少考慮の余地があると、大体そういうことで、ケース・バイ・ケースに審査して行くという方針をとつております。
  38. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 スポーツの場合について今お話がございましたが、まあ大衆性がないとか、或いは日本が参加しても問題にならないようなスポーツに対しては、外貨割当についても考慮されんというような御発言でございますが、この卓球に関する点は、そういう点は問題にならないでしようね、如何でしよう。
  39. 崎谷武男

    説明員(崎谷武男君) 卓球に関しましては、私もよくその点はわからないのでありますが、むしろ体協とかいうような運動団体で、そういうことは役所といたしましては、体協あたりと折衝いたしましておりますので、体協あたりの判断に基礎を置きましてきめるということになると思います。卓球に関しては私スポーツは余り存じませんので、自信を持つてお答えするわけには参りません。
  40. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それでまあ結論としては、そういう外貨割当てて渡航させるかどうかというようなことについては体協の意向を尊重すると、そうして決定すると、こういうふうに承わつたわけでございますが、もう一言あなたに承わりたいのは、ルーマニアとの外貨の決済云々ということでございましたが、もう少しその点お話し頂けませんか。
  41. 崎谷武男

    説明員(崎谷武男君) 御承知通り、ソヴイエト圏との決済というものがなかなかむずかしいわけであります。実際問題として、経済的な交流が殆んどございません。ルーマニアにつきましては、ルーマニアにこちらから旅行するときにどういうことになるかということははつきりしていないわけであります。
  42. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 では今のところ来年の二月に予定されておるところのルーマニアで行われる卓球大会我が国代表選手を派遣するかどうかということについては、体協のかたがたの意向を尊重して聽取し、更に外貨の決済についても検討を加えて、明年度下半期のことであるから、一応ここで保留しておるのであつて、今後国際親善立場から、できるだけこの大会我が国選手が参加できるように善処する用意がある、こういうふうに私は答弁を承わつてつてとつたわけでございますが、そんなんでございますね。これについては大臣も御答弁願いたい。
  43. 崎谷武男

    説明員(崎谷武男君) 大蔵省といたしましては、大体御質問の御趣旨の通りでございます。
  44. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) これは卓球連盟からもまだ話も何も聞いていないことなんです。だから自分らのほうではまだ研究も何もしていないことなんです。だからよく研究をするという御返事をいたしたいと思います。
  45. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 これはやはり相当大きな問題でございますので、スポーツの持つ使命並びに意義という立場から、今後大臣において積極的に私は御努力を切に要望いたして、この点についての質問を一応打切ります。
  46. 岩間正男

    ○岩間正男君 大臣にちよつとお伺いしておきますが、世界選手権四つも取つて、そういうカツプを返すことができないということになれば、つまり日本スポーツに対する考え方ですね。国際的にどういうふうな影響を與えるということをお考えになつておりますか、この点を伺つておきたいと思います。
  47. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 只今私が申すように、卓球連盟がそういうことは主としてよくお考えであると思うのですが、何もまだ聞いていないんですから、よく卓球連盟の諸君と、若し申出があつたら話合をいたしたいと思います。
  48. 岩間正男

    ○岩間正男君 スポーツはどこの所管でありますか、ちよつと念のため伺つておきたい。どこの所管です。日本の官庁のほうは……。どこの省ですか。
  49. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 文部省の所管でございます。
  50. 岩間正男

    ○岩間正男君 我々もそう了承しておつたのですが、間違いないわけですね。従いまして、これは矢嶋君からくれぐれも言われたように、これはですね、平和と親善のためには非常に大きな役割を果す。スポーツ国境なしと言われるのはそういう意味だと思います。そういう点から、日本が今置かれておる立場というものを大きく世界に了解させる上にも非常に大きな意義を持つということは言うまでもないことであります。そういうことを所管しておる文部省が、卓球協会から話がないからといつて、併しこれは随分騒いで新聞にも出て問題化しておるこの問題に、文部大臣はやはり積極的に乘り出すべきじやないか、これは関係者から聞くなり、そうして今隘路になつておるところの外貨割当の問題、これは十分に大蔵省なりと折衝して、こういうものに積極的に努力される意思があるかどうかですね。私はそれは積極的に努力する段階に来ていると思うのですが、これは大臣一つの決意の問題として承わつておきたい、あなたの所管ですからね。この所管の責務をどう果すかということです。
  51. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 勿論私の所管でございますが、併しどういうようにこれをやつて行くかということは私の判断によることである、善処したいと思つております。
  52. 岩間正男

    ○岩間正男君 もう一つ。これはあとで矢嶋君が又質問するようですが、いろいろ文化に対しまて、やはり世界文化と交流する、こういう面が遮断されておる。そうして非常に一方的にこれはなつております。私は予算委員会で質問したのですが、映画の面なども丁度このスポーツに似たような関係になつておる。それを押えておるのはこの外貨割当ということを聞きますけれども、それによつてわざわざこちらのほうも、どうもこのソヴイエト圏、こういうようなブロツクに対しまして遮断しておる、こちらから何か戸を閉めているというような感じが非常に濃厚になつて来ているんです。こういう点は私は文部大臣は、文化と平和というものを司る最も大きな、そういう任務から考えて、これは打開されるために十分の努力をいたすべきだと思いますが、この点は如何ですか。
  53. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 文部大臣の職責については私も十分考えております。適当に考えて行きたいと思つております。
  54. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 スポーツ関係を質問申上げるついでに、私二、三点国内スポーツに関してお伺いいたしたいと思いますが、この点に関しましては、先般本委員会におきまして一応御質問申上げた点でございますから、繰返して申上げません。ただこの敗戰後の我が国スポーツ我が国の再建という立場において、物心両面において貢献して来た業績というものは極めて大きいし、今後も又大きいであろうということを私は固く信ずるものであります。そういう立場から、先般私はこの学生スポーツのあり方について大臣に質しました。まあ野球のごとき我が国はプロとアマというものがあるわけでございますが、ともかくこのプロとアマというものをはつきり区別しなくてはいけない。セミ・プロ的な存在は学生スポーツにおいて許可されないことで、スポーツの再編成と言いますが、新らしい時代に処して行くところの新態勢というものをここにはつきりと理念的にも実践的にも確立しなければならない段階に来たのではないか。戰後殆んど放任状態であつたスポーツ界に、ここに建設的な或る方向を打立てるべき段階ではないかということを大臣にまあ御質問申上げたわけでございますが、その後大臣は、今日は私は学生スポーツだけについて御答弁願いたいと思います。時間の関係で……、どういう積極的な建設的御指導をなされたかということを私は承わりたいのでございます。それが一点と、それからそういう立場から、第二点としましては、ややもするとこの学生スポーツが、社会スポーツは特に極端な場合があるようですが、まあ学生スポーツがややもすると興行化の傾向がある。これに対しましても地方税あたり、地方税法の七十六條によりまするというと、二割の課税をしておりますが、こういうものも私は大蔵大臣が言うように我が国の経済が非常に安定して来て今後も心配がない、こういう大臣の言葉を以てするならば、私は当然この二割の課税というものを免税さるべきではないかという私は見解を持つものでございますが、これらに対する見解、これが第二点、それから第三点は、私のまあ今日の質問の直接の動機になつたわけでございますが、本日から大阪では毎日新聞の選抜高校野球大会が始まつておりますが、この開始を前にしまして、大臣も新聞で御覧になつたことと思いますが、福岡県の門司東高校の参加辞退問題が起つております。その参加辞退問題は詳しく申上げませんが、結局参加する選手に対して、学校当局が学年末の試験を受けなくてよろしいという特別取扱をした。これに対する教育的並びに社会的影響の大なる立場から、福岡県の高等学校野球連盟のほうで辞退を勧告して参加しないことになつたわけでございますが、或いは本日から参加している他のチームにも、門司東高校のように学年末試験の特別取扱を受けて参加しているチームもあるかも知れません。ないかも知れません。それはともかくといたしまして、ああいう問題を大臣はどういうふうにお考えになるか。更にこういうものは現実に起つた問題でございますが、これは單に一校の問題に限りません。全国大会に限りません。ブロツク大会もございましよう。県下大会もあれば郡内の大会もある。まあスポーツ行政の私は全般に通ずる大きな問題だと考えますので、これらに対する大臣所見並びに大臣のこれに対する指導の方針、こういうものを承わりたい。
  55. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 学生野球というものが職業化してはいけない、この点については学生野球協会の人たちは、それまで嚴重にするのかと私が驚くくらい非常に嚴重なことをやつております。日本学生野球協会については私は詳しく知つておりますが、そういう点はもう非常に嚴重にやつております。それから又只今のように試験を免がれさすとか、そういうことが惡いことは勿論ですが、それをその土地の高校野球連盟というものが許さないということは、高校野球連盟というものが非常に健全だということを証明していると思うのですが、併しそういう学校にいろいろなことが起こるということが惡いということはこれは当然のことで、私はこれは教育委員会の所管でございますが、教育委員会に対して注意を促したいと思つております。課税のことについては局長から答弁いたします。
  56. 田中義男

    政府委員田中義男君) 免税等につきましては、大体都道府県がきめることになつておりまして、而もそれには所定の手続をしなければならないことになつております。私どもは免税されることが望ましいと考えておりますが、只今申しましたようなことで、個々の都道府県でそれぞれ処置することに相成つておることを申上げます。
  57. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 勿論入場税は地方税でございますから、地方で税額をきめられることになりますが、併しながら国会できめるところの地方税法にちやんと謳われていることでありますし、これは單に地方できめられるからそのまま放任しておくというのでなくて、やはり文部省としまして確たる見識を持つて積極的に私は働きかけて行くことが本問題を解決する重要な要素だと考えるわけです。で、どういう御努力をなさつたか、今後なさろうとされているかということを重ねて伺いたい、それが一点。  それからもう一つは、大臣のさつきの御答弁でございますが、まあ私が発言の仕方が惡かつたかも知れませんが、大臣は野球だけを取上げて御答弁なさつたわけですが、私はこの戰前並びに戰時中の教育と戰後の教育の転換期に、運動というものが曾つては一部の学生のためであつたものを、学校スポーツが全部の学生のためとレクリエーシヨンのような性格で非常に大転換したと思うのでございますが、それが更に、私先般申上げましたように、あのいたいけな小学校の六年生あたりに、郡内或いは県下の大会というものを催してそういうところに選手として出して、非常に心身共にまだ未発達の過程にあるああいう児童を非常に感激のシーンの中に打込むというようなのが、新らしい教育という立場から果して適当かどうか、更には県下の大会或いは全国的な大会に、殆んど無制限的に一年の何割というものをそういう試合に過すというようなことは、学習と併立するという立場から果して適当なのかどうか、統制でなくて教育的な指導というものを要する段階に来ているのじやないかということを先般質して、大臣から善処するという御答弁を頂いたわけであります。そういう立場から指導の立場にある文部省として善処して頂いているかということを御答弁願うのが私の目的であつたわけであります。まあ野球に限つた問題ではありません。
  58. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私は野球ということを矢嶋さんが言われましたし、現在子供のスポーツといえば野球が一番盛んですからそれで野球について一例をとつてお話したのです。現在この学生野球協会とも体育協会とも文部省は毎月懇談会を催して、そうしてどういうようにするかということをしよつちう協議をいたしております。それから只今申された子供の野球熱ということは確かにそれが過ぎては困る、だから文部省でもこれだけやつちやいけないとか、中学校全国的なことをやつてはいかんとか、いろいろなそういう詳しい指示をいたしております。自分の直接の所管ではございませんけれども指導をいたしております。ただこの際私らが考えにやならんことは、やはり子供ですから野球も熱中しては惡いのですけれどもそうでないと又はかの娯楽に入つてしまう虞れもあるという、そういう点も私は教育者としては考慮を要すると思うのです。いろいろ世間には子供がふけると困ることがたくさんあるのですからして、そういう点もあるからし過ぎてはいけないと思う。そういう点は文部省でも十分指導をいたしておる考えでございます。
  59. 田中義男

    政府委員田中義男君) 先ほどの御質問になお補足してお答え申上げますが、免税の点につきましては、只今申しましたことが実はいろいろ努力した結果での話でございまして、なおお話のように十分積極的に努力するつもりでございますから御了承頂きたいと思います。なお今まで文部省はどういう努力をして来たかというお話でございますが、御承知のように学習指導要領、或いは又従来学徒の大会試合については通牒等も出しておりますので、その線に沿つてしばしば研究集会なり、或いは関係者の会合等を催しますたびに、それぞれの指示なり或いは協議等をいたしまして趣旨の徹底を図つて来ております。要は大体一般に学校自体が教育的な立場においての自主性を確立するということが非常に必要なことでございまして、体育を実施いたします場合にも、自己の責任において指導的に計画的にそれを実施して行くということが最も肝要であると存じまして、さように助言するようにいたしております。のみならずその学校の中におきましても、体育の指導的立場にあるその指導者について、これを本当にそれぞれの責任を果し得るような指導力の強化を図ることが大切だと思いまして、それらの点についても殊に二十七年度におきましては、学校体育、学校スポーツの運営に関する手引書を作りまして、そうしてそれを中心に指導者のかたがたにお集りを願つて十分研究討議いたしまして、そうして学校スポーツの運営の確立、健全化を図りたいとかように思つております。
  60. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 委員長、時間の関係上これで終りますが、私は決して現在興隆しつつあるところの学生スポーツを統制しようとか、或いは抑制して頂きたいというような趣旨で御質問申上げているわけじやないのでございまして、その点取違えられないように要望いたしておきます。で、飽くまでも教育的でなければならない。より健全なものにしなければならないという立場から質しているわけでございますから、先ほど大臣は御努力して頂いている点御答弁あつたのでございますが、最後に私一点この際所見を伺い、なお望要をしておきたい点は、ほんの一例ではございますけれどもそれでまあ盡きると思うのでございまして、学生の殊に生徒、児童のスポーツなんかというのはどこまでも私は教育的でなければならないと思います。それがどうかすると大全のレクリエーシヨンの具として用いられるような場合がある。極端な場合には教育団体、教育者などとは全く別枠で防犯協会あたりが犯罪防止の一つの行事として生徒、児童の運動大会をやる、まあ野球なんかよくその場合に使われておりますが、こういう問題なんかは大臣はどういうふうに考えられるか。こういう点なんかにはやはり私は閣内における大臣発言によつてそういうものを継続もされるし、又それが中止されて教育委員会なり、或いは学校の所管の範囲内においてそういうものが行われるかというそれだけのことをお尋ねいたします。
  61. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 御心配の点は誠に御尤もなんです。それについてはそれを改組しまして、少年野球協会というようなふうに改組して防犯とかいうことではなくやるようにいたしております。又防犯的なほうも全くやめになつてしまいやしないかも知れませんが、そういう改組をするとかそういう努力はいたして来ておりますが、これはなかなか簡單のことのようで簡單でないのです。御指摘のような弊害が起つてはいかんということは私もよく考えてその点にも考慮をした次第でございます。
  62. 岩間正男

    ○岩間正男君 東大問題を扱われるそうですが、木村法務総裁が見えるまで矢嶋君のさつきのスポーツの問題に関連しまして私は映画の問題についてお聞きしたい。御承知のように日本の映画はアメリカの映画が殆んどはんらんしていると思うのです。大体七〇%以上がアメリカ映画というような恰好になつておる。そのうちのアメリカから入つている映画の約八〇%がギヤングものだ、こういう形になつているわけです。ですから富士銀行のああいうギヤング問題が起りますと即日、僅か一日の間に浦和、新宿それから京都、こういう所でギヤングの模倣事件が起つておる。これはそういう下地をたくさん作つておるのです。そこで今年度の映画の割当を見ますと、上半期の映画の割当はアメリカの映画は六十三本から七十八本に殖えている。ところがフランス、イタリイ映画、こういうものは一木か二本きり。それからソビエトの映画に対しましては今まで三本だつたと思うが殆んど全部切つてしまつた。その理由は全部外貨割当とかなんとか大蔵省で言つているのです。吉田総理も、予算委員会でこれを質問しますと勿論好きな映画を見ておるんだと、こういうことでおよそ吉田さんは実情にうといと思う。これは誰もアメリカのギヤング映画は喜んで見ていないと思う。仕方なしに見ている。もう少しいい映画がふえればそつちのほうに傾いて行くと思う。これはフランスの映画、ソビエト映画が年に一本、二本配給されると、それが興行成績を非常に挙げていることは明らかである。こういうことを考えると先ほどの問題ですが、文化の上でも一辺倒で一方を遮断してしまう。そして殊にアメリカ映画の大事な点ということになるかも知れませんが、アメリカ映画がこつちにあふれているという原因は、一つは採算のとれる観衆を約六百万ぐらい動員する映画というものは二、三百本作るうち僅か十四、五本しかない。それですからあとの映画はアメリカ内でも採算がとれないという映画をどんどん日本に持つて来てはんらんさせている。そして同時に戰争の態勢に対しましてこのギヤング物を普及させるということで、戰争気分というものをあおるということが一つ。それからあれを通じて非常な大きな外貨を獲得している。つまり日本の映画館の営業経営の状態を見ますと、やはりアメリカに多数、約六〇%というものはあの営業の売上金の中から大きくごつそりとられる。こういう形ですから日本映画というものはこれと太刀打ができないのでだんだん滅んで行つている。こういう形が出て来ていると思う。そうするとこれは非常な大きな問題であると思うのですが、文化の面でも一つの遮断をやつて行くことは日本民族の非常な不利益じやないか。馬車馬のように一方だけ見せておいて一方の世界で大きく動いている問題について眼をおおつてしまうということは東條時代と同じような愚な政策であると思いますが、これに対しまして文化政策の立場から文相はこの大蔵省の外貨優先主義でやつていることに対しましてどういうお考えを持つているか、どういう打開の方法を考えているか。これはさつきの矢嶋先生の卓球選手の派遣の問題と関連しましてより以上に文化的につながりを持つものでありますから、これは当然文相の御意見があられると思いますが、これをお聞きしたいと思います。(「共産主義一辺倒だ」と呼ぶ者あり)
  63. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私は映画もそうでありますし、又文芸の作品なども何か適当な委員会を作つて、そういうところで審査するというようなことが必要ではないかという構想を持つております。そういうことを何か考えてみたいと思う。そして勿論そういう道徳的によくないというような映画を見せることはどこの国のものでもよくないですから、考えたいと思つております。
  64. 岩間正男

    ○岩間正男君 それは民間のそういうふうな希望を持つてやろうとしている動きは非常に多いのです。特にフアンとかそういう人たちがそういうような希望は非常に大きく出しているのです。私は官制的にそういうふうなものを作る必要があるかどうかいうことはやはり問題であると思う。むしろ官制よりもそういうような民間のそういう希望を大きく入れて、そして今の障碍を除去するということが重要でありますが、文相は現在の現在の置かれている映画の鎖国状態に対してどういう打開策を考えているか。先ほどの審議会や或いは委員会を作るということではこれは恐らく解決できない一番大きなものが外貨の問題で、そこで大きく締められているから何ともならない。こういう態勢があるのですが、これについて御意見を承わりたい。
  65. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) そういうことも何か一つ文化的な、芸術的な作品とか或いは又映画とかそういうものを研究する一つ委員会というものが出来たらいいんじやないか、すでに民間にも映画論理委員会というふうなものがあるように聞いておりますけれども、私は文部省にもあつてもいいのではないかと思つております。何でも役所々々と言われますけれども、この頃の役所はそうなんといいますか民間の意思を無視するものではなくして、よく民間の言うことも聞くというそういう意味研究したらどうかというような考えでございます。
  66. 岩間正男

    ○岩間正男君 私のお聞きしているのは、委員会などができても実際の外貨の獲得、割当の問題に対して大きな発言権を持つていないのが現在の実績です。殊に文化問題の委員会は非常に貧弱です。私は当然これは政策の面としてもつと大きな立場から文相が当然責任者として大蔵省あたりと談判してこういう状態を解決しなければならないと思いますが、これに対してどういう具体的な案を持つておられますか。その委員会の問題はまあ一応それはお聞きしなくてもいいのです。現実当面の問題としてすぐにこの四月一日新会計年度から現れて来る問題ですが、これに対してどういうふうな基本的な態度を持つておられるか。
  67. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私はだからそれが果してどういうふうに映画というものがなつている、どういう程度にそういう割合がなつているかということをよくはつきりさせて、若し本当に不当なことがあるなら幾らでも大蔵省に交渉をいたしますけれども、先ずそういうことを研究することが必要ではないかと思つておるのです。
  68. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうするとまだこれは御研究にもなつておらないということになるわけですね。私の今申上げましたのは外貨割当としてはつきり出た資料について私は述べているのですよ。そしてもうアメリカの映画は七〇%以上も占め、大部分の日本の映画商品の市場というものを圧倒しているのです。こういう形がいいかどうか、而も大部分の内容、八〇%以上を占めるものはギヤング映画です。西部割です。ああいうものだけ見せて一体日本文化を起すことができるか、国民文化の栄養として満足できるか、そういうような一辺倒で国民を本当に健全に育てることができるか、殊にギヤングの映画はああいうものは教育の中に惡影響を與えておるのです。こういう問題に対しまして現実の問題として起つておるからこの点についてお聞きしたいのですが、まだそういうものを御研究になつて、それからというようなことでは、私はどうもこれはやはり映画の問題も当然文部大臣の御所管であると思うのでありますけれども、これはどうでございましようか、こういうことは非常に私は間に合わないと思うのでございますが、どうでしようか、これは。
  69. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) これはアメリカのものがみんな惡いというわけではないだろうと思うのです。だからしてどれだけアメリカのものが入つているからそれで全部惡いということは私は思いません。だからその程度がどういう程度であるか、必要があればいつでも大蔵省に談判しようと思つております。
  70. 岩間正男

    ○岩間正男君 それでは御研究頂きまして早急に、この問題は重要ですから、そのうちに質問したいと思います。
  71. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 議事進行について。岩間君の質問も終つたようでございますので、これから東大事件をやられると思いますが、そのうち法務総裁も見えると思いますが、従つてそれまでにこの東大問題については大臣も衆議院或いは参議院においていろいろ発言されているようでございますが、時間を節約する意味におきましてこの東大問題に関するまとまつた大臣の見解というものを一応ここで大臣のほうから承わつて、それに基いて各委員から質疑をする、こういう形で進んだら如何ですか。
  72. 岩間正男

    ○岩間正男君 法務総裁は見えるのですか。
  73. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) 見えます。
  74. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは法務総裁も聞いて頂く……。   ―――――――――――――
  75. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) 引続いて学問の自由と大学の自治に関する質疑を開きます。
  76. 岩間正男

    ○岩間正男君 この東大問題に関しましては私は文相に釈明を願わなければならない問題が一つあるのです。といいますのはこれは私は二月の二十何日だつたかと思いますが、この問題につきまして質問をしたわけでございます。ところが文相は学園内にああいうようなスパイが立入るというようなことについて止むを得ない、警官が立入ることについて止むを得ない、そしてやはり学生のやつていることは非常に惡いことだ、どうも不穏なことだ、こういうことで以て文相は殆んどこれに対しまして否定的な態度をとられた。ところが翌日になりますとここで答弁されたのとは丸で違つた態度で以て答弁された。そこで矢内原学長と会われた後には私は澁谷の学生の騒擾事件について話したのであつて、東大事件については何ら話をしないんだというようなことを言われて、そうしてこれは朝日新聞にも報道されておる。これは甚だ私は当委員会における国会の答弁と、それから外部でその後様子は変つたでありましようが、変つてそれから答弁されているのは丸で食い違つている。こういうことは非常に許されないことだと思う。私はこの点について当然文相から釈明されることがあると思つて、実はお待ちいたしておつたのでありますが、今までにそういうことがないのですが、こういう点は如何なものでありましようか。
  77. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私は澁谷の事件についてはいろいろ申しましたけれども、東大の問題については事情がまだわからないから何とも言えません。ただ大学といえども治外法権でないから場合によれば警察が入るということもやむを得ないこともあるということを原則的に一般的に言つたのです。
  78. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私の議事進行について一遍諮つて下さい。
  79. 岩間正男

    ○岩間正男君 今の御答弁は速記録をお調べになつてそういうことをおつしやつているのですか。一つ速記録をお調べ願いたい。
  80. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私は速記を別段見ておりませんです。
  81. 岩間正男

    ○岩間正男君 速記録ではそういう一般的なというふうにあなたはおつしやつております。それは違います。私は東大の問題につきましてはつきりお聞きしているのに対しまして、そういうお答えをなしているのです。その点は非常に私は遺憾に思う。一国の大臣の答弁がそんなふうに一日に前後によつて情勢が変つたり、豹変するようなことは許されない。これは国会そのものに対して非常な侮辱です。
  82. 木村守江

    木村守江君 豹変なんかしていない。
  83. 岩間正男

    ○岩間正男君 君は見ていないのか、速記録を。
  84. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) それでは速記を調べた後にお答えすることにして、それでは先ほどの矢嶋君の動議のように今法務総裁も見えましたから文部大臣及び、法務総裁からこの問題に関して概括的な御意見を承わつて、それに対して各委員の質疑をするということに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  85. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) さようにいたします。それではこの学問の自由と大学の自治の件につきまして文部大臣及び法務総裁の御意見を承わりたいと思います。先ず文部大臣の御意見を承わります。
  86. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 東大の事件については私は警察にも又学生のどちらにも行過ぎがある、警察官が次官通牒の線を超えて大学に何の交渉もなしに入つたということも警察官の行過ぎであるが、併し警察官の手帳を奪つて、そうしてこれを公開するというようなことも学生の私は強い行過ぎではないかと思うのです。だから今後両方がよく話合つて行けばこういう問題は起らないようによく解決できるという考えでございます。
  87. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 私の意見を率直に述べてみたいと思います。学問の自由は勿論尊重すべきであると考えております。要するに何らの勢力の影響も受けずに真理の探求をし或いは学術の習修をするということの自由というものは飽くまで尊重して行かなければならん。又学校は学問を修得するの場でありますから、これに対して我々は十分な尊重を図るべきことは当然の理由であります。併しながら学園といえども決して無條件に自由ではないのであります。殊に教育基本法第八條によりますると、学校は特定の政党を支持せず又支持せざることの教育を施したり、又政治活動をしてはいけないということを明らかに規定しているのであります。殊に昭和二十三年十月八日附を以ちまして、文部次官から公立、私立大学高等專門学校教員養成諸学校に当てました、学生の政治運動についてという通牒が出ております。これは誠に当を得たものと私は考えるのであります。いわゆる学問の自由は認めるべきではあるが、学校は政党の場であつてはならん。政治的中立性をどこまでも確保しなければならんということを明らかに書いてあるのであります。従いまして学校においてはどこまでも学問の中立性というものを尊重して、いわゆる学習に專念すべき場であらなければならんと私は考えるのであります。そこでこの東大事件が不幸にして起つたのはいろいろの原因がありましようが、勿論警察官はこの学問の自由を侵害してはならん、これは当然であります。併しながら学校において政治活動をするようなことがあつては、これは相成らんのであります。又御承知通り、東大は非常に広範な学庭を持つているのであります。いわゆる学校の校庭というのは非常に広いのであります。普通の道路と少しも変らないような道路が多数あります。この間において種々な出来事が起つているのでありまするから、学園の中へ入つて警察官がこの自由を乱すということがあつてはなりませんが、学校校庭内の秩序というものはどこまでも警察の責任でありますから、警察官が校庭の中へ入つて、いろいろなことについての聞違いが起らぬようにするということは、これは又治安の面から言つても当然であると私は考えております。そこで私は学校当局は、いわゆる学問の中立性をどこまでも維持するように努力すると同時に、警察は又学問の場でありまする、いわゆる教室なんかにおいてこれを取締るというようなことがあつてはならん。ただ学校の校庭内においての秩序をどこまでも保持して行くという程度にとどめるべきであろうと考えております。今度の東大事件は甚だ不祥事でありますが、これがいわゆる雨降つて地固まるでありまして、先般学長の矢内原君も今後におきましては十分教育基本法第八條の規定を尊重してどこまでも学問の中立性を維持して行くということを明言されたのであります。又警察の方面におきましても行過ぎのないようにこれから十分に注意をするというようなことを言つているのでありまするから、将来再びかような間違の起らないように相共に協力して行くということになりますれば再びかような不祥事は万起ることはなかろうと、私はこう考えている次第であります。
  88. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) 各委員の御質疑がありましたら御発言を願います。
  89. 高田なほ子

    高田なほ子君 木村総裁にお伺いいたします。御趣旨は一応わかりますが、二、三点疑義がございますのでお伺いをいたします。学問の自由は当然守られなければならない。そうして学園内の自治も又十分認めなければならんという考えでございますけれども、次官通達の点について触れておられないようでございますが、基本的にはこの次官通達をどういうふうにお考えになつておるか。あれを確認されているのか、されておらないのか、それを端的に。
  90. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 私は今読上げたのは二十三年十月八日附の次官通牒であります。恐らく高田委員の仰せになるのは昭和二十五年七月二十五日の通牒であろうと、こう考えます。この通牒を端的に申しますると私はよくできていると思うのです。この通牒をお互いに学校当局も又取締方面においてもこれを遵守して行けば将来は間違いはなかろうかと考えます。ただ細目の点において双方十分にまだ理解し得ないところがあるかもわかりませんが、これらの点については両当局者において十分に協議すれば、この通牒で以て私は学園の自由も尊重され、又警備方面のほうのことも十分に行くのじやないかと、私はこう考えております。
  91. 高田なほ子

    高田なほ子君 大変明確にわかりました。ただこれは三月十五日の朝日新聞に出ておつたのでございますが、当然この次官通達は大学も、文部省も警視庁も責任をもつて守らなければならないと思うと、只今の御答弁と同じような記事が載つているのでございますが、この東大事件を仔細に検討いたしました場合に、いささかここから逸脱したような行動が、これは文部大臣も言われているように警察側にも行き過ぎがあつたということを認められ、又木村総裁も同じように認めておられると思うのでございますが、警視庁も責任を以て守るべきだと思うというのでありますが、責任を以て守り得なかつたものに対する措置、考え方、これをどういうふうになさるおつもりであるのか、それを一点お伺いいたします。
  92. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) どういう点について行き過ぎがあつたか、どういう点について甚だおだやかでなかつたかということについてはまだ私に対して詳細な調査はいたして参りません。はつきり申上げます。併し将来のこともありまするのでこの点については慎重に私考えたいと、こう考えます。
  93. 高田なほ子

    高田なほ子君 只今になつて行き過ぎがあなたのほうに行つていないということについては非常に私も心外に思うのでありますが、行き過ぎのあつた点については当然反省せられ、善処せられるような御答弁であつたことは了承いたします。  その次にお伺いいたしたいことは教授の身元調査、つまり思想の調査であります。そういうことは当然やるべきことではない、行うべきことではない、これは多分天野文相もそういう点については明確な御主張があつたやに承わつておりますが、この場合渉外部の命令でやるということと、それから警視庁自体がそういうことをやるということとは、非常に似たようであつて似ていないものがありますけれども、今後も又向うからそういうものの命令が来た場合にはいつでも遠慮なく学園内に入つて教授の身元調査をやるというお考えであるのか、どうであるのか、その点を承わりたいと思います。
  94. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 個人の思想はどこまでも尊重しなくちやならんことは、これは憲法から当然であります。その人の思想なり、そういう従来の行動なりについて身元を洗うというようなことは私はこれは行き過ぎであると考えております。併し警察においてもこれはいろいろの観点から人の思想を調査するというようなことは、これは行き過ぎでありまするが、犯人なんかの捜査の点において当然取締のときには、取締に当つてそういうことの調査は必要な点もあるのであります。併し今度の事件のように教授の思想なり、何なりを、これをいわゆる平易な言葉で申しますれば洗うと、こう申しましようか、そういうようなことは将来あつてはならんと私はこう考えます。
  95. 高田なほ子

    高田なほ子君 渉外部からの命令があつた場合とそれとはどういう関連を持つのでしようか。
  96. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 渉外部の命令によつてやつたかどうか、私は存じません。併しながら今後は、御承知通り講和條約発効後は日本は完全な独立国になるのでありますから、さようなことはあり得ないことと私は考えております。
  97. 高田なほ子

    高田なほ子君 これは田中警視総監が本院において御答弁になつたことであつて、渉外部が教授の身辺調査を命令したということである、その命令に従つて警視庁はこういうことを行なつた、甚だ私どもも心外なことを伺つたのでありますが、今後そういうことは絶対にあるべきはずのものではない、又やつてはならない、こういう点が明確になつたと思うのであります。  次にお伺いいたしたいことは、学園というのは一体じかに教授から教育を受ける場、教室、それと又校内ということと、二つに分けて先ほどお話があつたようで、教室の中にそういうものが入つて来るなどということは大変な行き過ぎである、そんなことは断じてあつてはならないことだと言われながら、校庭内の秩序を保持して行くためには、やはりこれはお互いに研究してやらなければならない。こういう御発言があつたのありますが、校庭内の秩序の保持ということの限界でありますが、その点を明確にして頂きたいと思います。
  98. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 校庭内においてはあらゆる面から秩序の保持をしなければならんと思います。いろいろな事案が起るのであります。それは学校のいわゆる教室内と校庭とは全然区別さるべきものと私は考えております。
  99. 高田なほ子

    高田なほ子君 校庭の内部ではいろいろ学校が許した集会なんかも当然持たれると思うのであります。そういつたような学校の許した集会、学校の許した会合、そういうものに対しましてもやはり法務総裁としては、そこに秩序を守る者の立場から考えて、何らかの制裁、制ちう、そういつたものを加えられてもよいのだという御見解をお持ちのように解釈されますが、その点如何ですか。
  100. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) この次官通牒について先ほど申上げたのでありますがこの点極めて明瞭であります。この集会、殊に学校の管理者の許可を受けてやる集会については、管理者が全責任を負つてやらなければならん。これは学校の当局に責任を一任しております。併しながらこの集会において学校の当局がこの管理権を放棄するような場合が仮にあつたとすれば、それは学校当局みずからの責任であります。当然それに対して治安の面から見ても警察においてやるべきと考えればやらざるを得ない場合があるだろうと思います。これは私が申上げたのは、学校当局が全責任を負つてこの通牒を守つてもらいたい、守りさえすればこれは問題は発生する余地はないのであります。そこで十分にこの通牒の趣旨を理解されて、学校当局者はこれを遵守されることを私は希望いたします。
  101. 高田なほ子

    高田なほ子君 矢内原総長も又東大の教授のかたがたも口をそろえて大学の自治ということについては非常な責任を持つておられる。今日までも又その責任において事を処して来られたと思うのでありますが、大学側がみずから管理権を放棄するというようなことは、これは当然私はあり得ないことだと思うのであります。併し今総裁が管理権を放棄した場合には仕方がない、こういうことを言われたのでありますが、一体管理権を放棄するという現実の問題はどういうようなことになつて来るのでしようか。
  102. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 学内において秘密結社を結んだり、政治行動をしたりすることであります。
  103. 高田なほ子

    高田なほ子君 その政治行動の限界でございますが、成るほど教育基本法第八條によれば、これは当然政治的に中立でなければならないということは申すまでもないのであります。けれども私共は生を受けている以上は、衣食住あらゆるものが政治と関連性のないものは何一つとしてないわけであります。特に今のようなこういう情勢下にさらされております場合に、青年たちが直接身にふりかかつて来る火の粉、例えば徴兵というような問題も起つて来てからではもう間に合わない。自分たちはもう二度と戰争を起さないためにも、又そういうことに協力しないためにも徴兵というものに対しては自分たちは反対の立場をとる、これは率直な、素朴な青年の真情であろうかと思う。そういつたものが直ちにこれが政治的に特定の政党を支持している行動であるというように解されるとするならば、これはもう無言の行をせざるを得ないというところにまで追込まれておる。これは非常に重要な問題でございますから、あらゆるものは政治に関連して行かなければならない。している、現実にしている、こういうような立場である限りにおいては、政治的中立という意味のその限界を引くということは非常にむずかしいのではないかと思う。この点の御見解を私は総裁にお伺いしたいと思う。
  104. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 学生が政治批判をしたり或いは政治学を研究したりすることは自由であります。併しそれが政治活動に移るということはあつてはならない。これは教育基本法第八條の精神であります。その実際行動に出た場合においては、学校当局はこれを看過し得べきものではないと、私はこう考えております。
  105. 高田なほ子

    高田なほ子君 徴兵反対という具体的な問題をお答え願いたいのですが、ああいうものは政治活動というようにお考えなつていられるのでしようか。
  106. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 徴兵反対そのことの行動を私は見なければならない。それが実際の行動でどういうことをやるかということを具体的に何しなければ、そういう抽象的なことには私はお答えすることはできない。
  107. 高田なほ子

    高田なほ子君 それは私は決して抽象的なことではないと思う。今政府は実際徴兵するということも何も言つておらないわけであります。何政党もそういうことを言つておらないわけでおります。そういう何も言つておらないという現実ではありますけれど、併し一旦こういうになつた場合には、自分たちの身にふりかかつて来る火の粉である。これは未然に拂つて行かなけばならない。こういつたような考え方を持つのは私は青年として当然のことであつて、これをしも政治活動ということは余りにも政治活動というものの限界を狭め過ぎるように考える。でありますから、私は徴兵反対の運動は果して政治活動の中に入るものか。署名運動にしても或いは街頭演説にしても、学生がそういうことをした場合にそれを政治活動であるといういふに一概にあなたはお考えになるのか。具体的な問題でありますから、それをお答え下さい。
  108. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 学内でお互いにこの徴兵制度について論議するというようなことは無論自由であります。併しです、学生がです、街頭に立つて徴兵反対なんというようなことをするということはです、まさ私は一種の政治運動であるとこう考えております。(「それはおかしい」と呼ぶ者あり)
  109. 高田なほ子

    高田なほ子君 大変その解釈は私はまあおかしいのでありますが、街頭でそういうことをやつて政治活動であるというような何か法律的な根拠があるのでしようか。それをお伺いしたい。
  110. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) それは一種の政治活動と思うんであります。
  111. 高田なほ子

    高田なほ子君 それは大変疑義がありますから、私はよく研究をしてみます。  その次にお伺いしたいことは、天野文相の談話として、三月十三日の朝日新聞に、「次官通達は大学の歴史を背景として出来た文部省と警視庁の”協約”で十分尊重されるべきものだ。現在のままでいいと思う。ただ警視庁側から細かい点ではつきりしない点があるのでもつと具体的にしてもらいたいという要望もあるので、一部字句の修正等はやるかもしれないが、」こういう談話が発表されております。併し木村法務総裁は先ほどこの成文化された通達は非常に明快で、結構であると思うというお話があつて、それを修正するというような御意向は聞かれなかつたのであります。ここで総裁にお伺いしたい点はです。細かい点ではつきりしない点があるので、もつと具体的にしてもらいたいという要望があつたというのであります。その要望内容をお差支えがなければ明らかにして頂きたいと思うものであります。
  112. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) ちよつとわかりにくい……。
  113. 高田なほ子

    高田なほ子君 文部大臣に対しましてですよ、大変にこの通達は結構である。併し警視庁側でもいろいろと研究した結果ですね、はつきりしない点があるので、もつと具体的にしてもらいたいという要望があつた。つまり通達を修正をしてもらいたいという要望があつたようなこの文面なんですが、なぜこの何がはつきりしない点があつたので、こういう要望がされておるのでしようか。若しおわかりでしたら、内容を知らしてもらいたいとこう思います。わかりませんか。
  114. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 私はそれをどこの委員会で言つたのですか。
  115. 高田なほ子

    高田なほ子君 これは今新聞を読み上げました……。
  116. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 私はそれは記憶はありません。
  117. 高田なほ子

    高田なほ子君 それではこういうことはないわけですね。それではこれで終ります。
  118. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 総裁にお伺いいたします。私、高田委員が質問されましたので、それにダブらないように質問いたしますが、従つて具体的にお伺いいたします。先般宮城県では教育の場である教室から警官が児童を直接に手錠を嵌めて連行して行つた。それから南のほうでは熊本県で、これは新聞記事に出ませんでしたので或いは御承知ないかと存じますが、中学校校長がPTAの予算を少し使途を誤まつているという疑いの下に、丁度授業中に、職員も生徒も勿論おります。そこに警察官が靴履きのまま校長室に入つてつて、生徒の見ているところで校長に手錠を嵌めて、そうして警察に連行した。約一カ月くらい前の事件です。こういう具体的の問題です。これを法務総裁はどういうふうにお考えになりますか。(「議事進行」と呼ぶ者あり)待ちなさいよ。
  119. 木村守江

    木村守江君 今日は東大問題の結論を出すことになつているはずであります。ところが只今いろいろな質問を拜聽しておりますというと、東大問題に関係のないような質問が続出しております。(「関係ないことはないよ」「簡單に聞くんだもの、いいんじやないか」と呼ぶ者あり)そういうようなことではいつになつたらこの問題が結論が出るかわからない。それでこれはやはり議事の進行上質問を整理して欲しいと思います。
  120. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 答弁して下さいよ。
  121. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 今お話になつた点は、私についてはまだ報告も何もありません。
  122. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 若しあつたとすれば、私の今の発言のようなことがあつたとすれば、どう考えますか。
  123. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) それは具体的なことを十分取調べた上でなければ、私は何とも言えない。それは具体的の事実、どういうことになつてどうということが明らかにならなければ、警察に言うことはできないと思うのであります。
  124. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私がお伺いする点は、総裁は二十五年七月二十五日のいわゆる次官通牒というものはよくできておる。これを尊重して双方話合つて行けば、学問の自由、それから教育の自主性というものも保てると、こういう立派な御発言がございましたあとで、先ほど高田委員がちよつと触れましたが、教育の場を教室内と運動場と、こういうふうに殊に明確に区別されて先ほどから御答弁なさつていらつしやいますので、私は教育の自主性なり学問の自由という立場からこの警察権の行使との関連が非常にありますので私はお伺いしたわけでございますが、これを更に法務総裁並びに文部大臣に対してお伺いいたしたいと思います。
  125. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 勿論、先刻から繰返して申しまするように、学問の自由は尊重しなければならんのであります。従つて、学園の自治も私は尊重しなければならんと存じております。併し、この具体的の問題、どういうことが起つたかということを明らかにしなければ、私は何とも言えないと、こう言うのです。或いは教室の中へどろぼうが飛込んで現行犯を捕えるというような場合もあり得るのであります。そういう場合には、学校としては管理の問題じやなしに、これは純然たる警察の問題でありますから、その場合には警察がタツチするのは当然であります。これは学校の管理を保護する立場から……、それですから学園に起つたからと言つて、具体的な問題が現われて来ないと、抽象的には責任ある答弁はいたしかねるのであります。
  126. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それではまあ宮城の問題、或いは態本の問題、これは他県にもこういう類似の問題が最近起りつつございます。私その概要を。話して答弁を頂こうと思つたのでありますが、非常に慎重を期されまして、私の説明を信用して下さらんようでございますから、これは文部省要望しておきますが、至急に教育委員会を通じて調査して、それに対する法務総裁並びに文部大臣の御答弁を改めて私は頂きたいと、こういうように考えております。  次に法務総裁にお伺いいたしたい点は、東大事件が起つたときに、学生が警察手帳を取上げて万一後日証拠が必要になつた場合に備えてこれを撮影をやつた、この話を聞いたときに、法務と文部の連合委員会があつたときには、ちよつと行過ぎではないかというような御意見も一部の委員からありましたが、矢内原学長は、若しも正式の問題になつたときの証拠用として撮影を許可したと、こういうように答弁をされました。その後私は、科学精神と申しますか、それの発揚には一応私は敬意を表しながらも、そういう必要は恐らく起らないのではないかと、こういうように私は信頼しておつたわけでございますが、二月の二十六日だつたと思いますが、その委員会に証人として喚ばれましたところの本富士署長並びに警察官諸君は、二十日の文部、法務の連合委員会の公述と全く違つた公述をされて、田中警視総監の口を通じて、本富士署長の二十日の証言は誤りであつたと、こういう取消をされて、あの事件の起つた当日東大学生が警察手帳の撮影をしたのは必要であつたという裏書をしたわけでございますが、いやしくも国会においてこういう事態が起つたのでありますが、こういうことに対する法務総裁の見解、これを一つ承わりたい。  それから次にお伺いをいたしたい点は、東大の取締に警察官のかたを本富士署長は入れておられるようでございますが、警察官の質の問題でございますね、伺つてみますというと、二十歳から二十二歳程度の警察官のかたが、教授の尾行をするとか、或いは講義場においてどういうことを講義しておるかということを聞く、そういう警察業務に服されておるわけでありますが、こういうおかたは東大の学生諸君よりも年齢的にも私は低いかと思うのでございますが、果してこういうような人的配置というものが適当であるかどうかという点、これにも関連いたしますが、矢内原学長の主張するところによりますというと、前の署長さん時代には非常に連絡をして下さつてうまく行つておつたが、現在の署長さんになつてから全く連絡がなくなつてうまく行かなくなつた。更には先般の、正式には偽証問題にはなりませんでしたが、ああいう事態が起つて、果してあの年配の東大の学生諸君と本富士署長以下警察官との関係がうまく行くかどうか。ああいう大学生からも愛される本富士署となるためには私は何らか考慮さるべき問題があるのではないかと思いますので、こういう点に対しての総裁の御意見を伺いたい。これは本富士署だけでなく、全国的に通ずる問題だと思いますので、法務総裁の御意見を伺いたい。
  127. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 初めの警察手帳のことは私はよく存じないのですが、どういうことなんですか。ちよつと速記を……。
  128. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  129. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) 速記を始めて。
  130. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) お答えいたします。そういうことは少し私は行過ぎだろうと考えております。将来十分に注意されることに取計らいます。又警察官の年齢の問題の御質問でありますが、これは誠に御尤もと思います。殊にこの学園がその管轄内にあるような警察においては、十分学生の気持を理解し得るような署長が是非とも私は必要だ、こう考えております。相当この点については我々は将来考慮を拂うつもりでおります。
  131. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 次にお伺いいたしたい点は、この警視総監と矢内原学長のお言葉を承わつていますというと…。
  132. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) 一時に法務総裁は是非行かなくちやならんところがあるわけでありますから、一つ簡單に法務総裁に対する……。
  133. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 警視総監は常時内偵ということを先般の委員会では言われているわけであります。常時内偵が必要だということを、総裁は只今校庭の秩序は警察でと、こういう答弁をしているのでございますが、この両者の発言には関連性があるのかどうか。私は教育の場というのは、教室と校庭とによつてつているのであつて、校庭だから警察官が、二十五年七月二十五日の文部次官通達によらずに、自由に出入りして、直接警察権を行使するということは、やはり学問の自由と大学の自治の上から考慮さるべき問題じやないかと、こう私は考えるわけですが、これが一点。それからもう一点お伺いいたしたい点は、身許調査については先ほど御説明がございましたが、それに関連して私もう一点お伺いしたい点は、全国的に労働組合の幹部の身許調査をしている事実がございます。警察法の第一條の一項、二項を見ましても、そういうものはそれに該当するような一切の表現はないのであります。思想の調査については否定されましたが、身許調査については全面的に否定されない、むしろ肯定されたようなさつき発言があつたのでありますけれども、労働組合の幹部に対して、どういう目的で、何の根拠によつてなされているか、更には今後それを続けられるのか。
  134. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) この校庭内と申しましても、区別しなければならない。殊に東大の校庭というものは、殆んど校庭じやない。人の通行を自由に許しておる。普通の学園の校庭と違います。あそこはもう最近は自動車か人か知りませんが、我々の学生時代でも何でも入つた。我々も実は校庭で以て物を盗まれた経験もある、その被害者の一人なんです。自由なんです。ああいう所をそのまま学校の管理者に放任しておけば、どれだけの犯罪が起るかわかりません。現に起つているのであります。そこをはつきり区別しなければならない。普通のそこらの小学校の校庭とは全然違う。あれは交通自由なんであります。あれをそのまま警察の権利を封じて、警察権が及ばんということになれば、何が起るかわからん。これは責任ある私が申上げます。これははつきり区別しなければならない。労働組合の委員諸君の身許調査、そういうことは私聞いておりません。
  135. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そういうものはやらないんですね。
  136. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 無論私は……。
  137. 岩間正男

    ○岩間正男君 時間がありませんから、簡單にお伺いしますけれども、学問の自由は飽くまで守る、そういうことで、次官通牒の線が確認され、これは文相も法務総裁もそういう発言でありますから、それはそういう決着までに行つたことは一応いいと思うのでありますが、ただ問題は、今後ああいうような事態が起るかどうか、こういうところに問題があると思います。一応そういう答弁があつた。そこで私はお聞きしたいのですが、田中警視総監の本委員会における証言によりますというと、ああいうような身許調査とか、尾行とか張り込みというようなスパイ行為というものは、これは法的根拠がない。併しこれは警察の今までの慣習である。この警察の慣習というのは、一体いつの慣習であるのかどうか。これは戰争前の時代にもやはりこういうことが非常に多くなされた。治安維持法の形で以てどんどんなされて、恐怖的な警察行政がやられた。併しその時代のこれは慣習じやない。少くとも新らしい憲法時代におきましては、こういうようなことは嚴然としてこれは禁止されておる事実だと思います。そこで法務総裁にお伺いいたしたいのでありますが、このような慣習というものは、これは許されるのかどうか、こういう点はどういうふうにお考えですか。無論法的根拠がないということは、法務総裁も確認されると思いますが、併し慣習そのものが今のような形でやられるとなれば、これは甚だどうもおかしいことになるのでありますが、この点はどういうようにお考えになりますか。
  138. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 犯罪の予防及び捜査に必要なる限度においては、警察官がそれをやるのは当然であると思います。
  139. 岩間正男

    ○岩間正男君 その限界がこれは問題になつて来るのでありますが、それと関連して、一体そのような組織が現在ないのでありますか。何かこれは特別警備班というようなものは、実際ないのでありますか。
  140. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 特別警備班なんということは、私は聞いておりません。
  141. 岩間正男

    ○岩間正男君 これはこの点を我々はもつと明らかにされる必要があると思うのであります。これは木村法務総裁もまだ就任後残くて、そういうことは或いは御存じないかも知れませんから、或いは又御存じなのかどうかわかりませんが、これはあの警察手帳の内容を見ましても、あの警察官は普通一般の警察官とは考えられない。全く学内における尾行、身弁調査、そういうことだけに專念してある。そういうような特別隊が現在秘密裡に七十三人によつて構成されておることを聞いておる。その中の、あの警察官ははつきり学生係の三人である。四人、本富士署にはそういう者があるそうであります。そういう事態は木村法務総裁は御存じないのでありますか。
  142. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 私は全然存じません。よく調べましよう。
  143. 岩間正男

    ○岩間正男君 この点については十分にこれは御調査になつて、少くともこういうことは、日本の秘密警察の復活の端緒としまして、非常に重大な関心を持つておるのでありますから、誰もが、この問題に関心を持つておるから、御調査なすつて、こういう事態が明らかになれば、どのような御処置をとるお考えでありますか、この点も伺いたい。
  144. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) そういう特別の警備なんという必要は、私はなかろうかと私えております。普通の警察の職員で以て調べるべきものは調べ、捜査すべきものは捜査し、治安を守るときには治安を守つて行くということでよかろうと思います。
  145. 岩間正男

    ○岩間正男君 あのような警察手帳の内容で警察官の職務が執行されるとした場合には、明らかにこれは違憲である、憲法違反のやり方であるということは総裁お認めになりますか。
  146. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 私は前から申上げておる通り、人の思想に立入つたりすることは、これはよくない、将来そういうことは慎しむべきであると申しております。
  147. 岩間正男

    ○岩間正男君 慣習はどうでありますか。そういう慣習だからと言つて、そうして何か特高警察の復活の事態がまざまざと起つておるような、ああいう慣習だのということで、警視総監がやつて行つたら、これは重大な問題だと思います。こういう慣習は許されますか、どうでしようか、はつきりお答え下さい。文部委員会において私の質問に……。
  148. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 私は慣習ということを聞いておりませんが、只今まで申上げた通り、さような人の思想に立入つたりするということは、これはよくない。将来において若しも万一さようなことがあるということを仮定いたしますれば、私は断然それはやめさせるべきもの、こう考えております。
  149. 岩間正男

    ○岩間正男君 先ほどの質問に関連するのでありますが、これは独立後にはそういう事態が起らない、こういうことなんですね。これは向うの渉外関係から依頼を受けて調査したということを田中警視総監ははつきり答えておる。そういうことははつきり起らないのでありますか。そこでお聞きしたいのは今問題になつておる刑事特別法というような形で、そうしてやはりこれについて日本の警察はこれを調査すべし、こういうような事態が起らないでしようか。今度の刑事特別法との関連においてこれは非常に問題になると思うのでありますが、如何でありますか。
  150. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) 外国の依頼を受けて人の身許を調査するということは、講和発効後にあり得ないことであります。併し刑事特別法においてこれは駐留軍の……、治安を確保するというような点に至りますると、日本が独自によつてこれをやるのでありまして、かりそめにも駐留軍の指揮監督によつてやるものではないと私は確信いたしております。
  151. 岩間正男

    ○岩間正男君 そういうような場合には、これは何かそういう常日頃にそういう組織がなくて現在の警察だけでそういう任務をする、遂行することは非常に不可能だと思うのですが、どうなんですか、そういうようなものを組織して特審の擴大とか何とか考えておりせんか。
  152. 木村篤太郎

    国務大臣木村篤太郎君) いや考えておりません今までの警察力を以て十分できると私は考えております。
  153. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) 一時ですから、法務総裁お帰りになります。
  154. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 文部大臣にお伺いいたします。東大の矢内原学長を本委員会に二日間おいで願つたのですが、我々が承わつておるところによりますというと、校内規律に反したものに対しましては、相当の処分者を出しておりますし、更にはこの処分の解除に当つても随分慎重な態度をとつておられる。更には今法務総裁の発言がありました非常に都民の交通が頻繁であるというような立場から。パトロールというものも一応了承しておるようでございますが、更に近くは学内の自粛を図る目的を以て学長告示というものを出されたことも新聞で拜見しております。こういうところを一貫して見まするというと、大学の学問の自由並びに自治をみずからの手によつて守ろうとする大学当局の努力というものは、私は相当高く評価されていいのじやないか。この事件を通じて私はそういうふうに感ずるわけでございますが、そこで大臣に私お伺いいたしたい点は、大臣は二十五年七月二十五日の次官通牒というものは話合いによつて守らるべきもので、それによつて問題はうまく進むと思う。こういう見解を先ほど開陳されたわけでございますが、それに当りまして、この通達を生かして行くに当つて最も私は必要なことは、本富士現署長に代るまでは非常にうまく行つておつたが、代つてからどうもうまく行かない。これは矢内原学長の証言でございます。更に先般、ちよつと先ほど申上げましたように、ああいう前言の全面的取消しというものを宣誓の下に国会において署長はなさつております。更にはパトロールというものも一応大学当局は了解をしておりますけれども、これも話合いなくして、二十年頃からいつ始まつたともわからずに、パトロールが実施されるようになつたということを、こういうことを矢内原学長は言われているのでございますが、私は委員会における矢内原学長と田中警視総監の発言は若干食違つておるし、又或る意味においてはそれぞれ部下がありますし、感情的な一部の対立もあるのではないかというような点も感じないわけではございませんでしたが、この際私は大臣は次官通達の線を守つて行く。更に現在の東大と本富士署警官と大学の教授並びに生徒諸君の間がうまく行くようにするためには、私は何か大臣として善処さるべき余地があるのではないか。もうちよつと具体的に申上げますならば、少くともあの東大の学生にとつては、現在の本富士署長並びに先般問題になりました警察官、ああいう人が如何なる指導をしようとも、あの大学生を心服さして、これを警察官として指導して行くということは全く私は不可能事だと考えるわけですが、それらに対して何か大臣の見解なり対策がおありになつたら伺いたいと思います。
  155. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 東大当局が非常にこのことに誠意を以て努力しておられるということは、私も非常に多としておるところでございます。それから本富士署長のことは、私の所管外のことでございますが、一般に言つて適当な機会を得て東大学長、警視総監、私とでよく話をしたいということを考えております。
  156. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 その点はそこにとどめまして、これについては直接所管ではないけれども、まあ大臣の所管である東京大学、延いては全国の学園に影響のある重大な問題でございますので、大臣の格段の私は善処を切に要望いたします。  もう一点お伺いいたしますが、それは矢内原学長は学問の自由と大学の自治を守る立場において二つの要素がある。その一つの中に、人事権が大学に確保されることである、こういうことを二つのうちの一つとして挙げられておるわけでございます。そこで私は本日は学問の自由と大学の自治という立場における委員会でございますので、大臣にあえてお伺いいたすわけでございますが、先般一部新聞には、法学部の廃止論とか或いは学長の官選論というのが出たわけでございますが、これに対しまして、私は伝え聞いたところでありますので、大臣に確かめるわけでございますが、学長選任については四月一日から発足するところの中央教育審議会に諮つて、そうして考慮するという態度を大臣を中心とするところの文部首脳部で決定したやに承わつておりますが、果して事実かどうか、と申しますことは、現在における学長の選任方法では不当であるとお考えなつていらつしやるのかどうかということを私はここに改めてお伺いいたしたいわけでございます。それと同時に、国立大学並びに公立大学の管理法は先国会に提案されて流れたわけでございますが、その後におけるところの旧制大学並びに新制大学の管理機関は、あの一応国会に提案された管理法の管理機関に準じて各大学は大よそ運営されておるということは、先般の委員会で局長から承わつたわけでありますが、これも又私一、二の例をとりますが、伝え聞くところによりますというと、旧制大学は管理令によつてうまく行つておるが、新制大学は管理機関というものが確立されないで、ややもするというと大学教授の身分というものは非常に薄氷を踏むようなもので、ましてや世界情勢、国内情勢がこういう段階になりますというと、発言にも非常な制約を受けて来る、延いては学問の自由というものにも影響性があるというようなことを承わつておるわけでございますが、これらに関しましてどういう御見解を持ち、なお大学の自治と学問の自由を確保するために必要なる人事権の大学における確保という立場から、こういう新制大学に如何なる対策を持たれておられるか、この二点について御答弁を煩わしたいと思います。
  157. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 中央教育審議会というのは、それには教育の一般的な問題を諮問したいと思つております。大学の学長を選挙するということは私は変える考えも何も持つておりません。  それから地方の大学は、旧制大学と申しましようか、長くやつて来た大学とは違つてまだ完成していないのです。そういう未完成の状態ですから旧制大学とは幾らかそこに違いはあるかも知れませんが、併し教授諸君が薄氷を踏むがごときことは全然ないのであります。
  158. 岩間正男

    ○岩間正男君 大臣に二、三点伺つて置きたいのでありますが、学問の自由を飽くまで確立するためには、先ほど私は法務総裁にお聞きして、そして確答を得なかつたのでありますけれども、こういうような一つの何か思想調査、身許調査というようなことが今後行われたら非常にこれは確立することが不可能だと思う。これは私は事例を挙げません。私はここに具体的な例を持つておりますけれども、煩に亘りますから挙げません。そういう態勢はとられつつある。少くともそういう方向に行きつつあることが現在の逆コースと関連して大きな形になつておる。こういう点について文相はこういうような特高警察の復活的な方向に行つているものに対しまして、どういうふうに学問の自由を守る立場からこれは御処置になるか、閣僚の一人としてどういうふうに御努力をなさつているか、この点がはつきりしない。看板だけが学問の自由を守る、抽象的な声明だけでは私はなかなかこれは本当に守り切れない、こういう態勢になりつつあると、この点に対しまして文相の御決意を伺つて置きたい。
  159. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 大学教授の思想を調べるというようなことは、私はあり得べからざることで、若し仮にそういう事実が現実にあつたらば、そういうことに対する抗議をしようと思つております。
  160. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうすると具体的に、今度の警察手帳は文相もお読みになつたと思いますが、そういうようなことが人民の警察だという名前で以て一応発足した新らしい性格におけるところの日本の警察の行動として許容されるとお考えになりますか。
  161. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 思想を調べるというようなことは許容できないということはしばしば申した通りでございます。
  162. 岩間正男

    ○岩間正男君 警察手帳の具体的な内容につきまして、尾行をやるとか、そのほか身元調査及び思想調査をやる、実際張込みをやつて而もはつきりした特殊な任務を持つている者で、七十三人で、実は各警察管区から一人ずつ腕利きの者を集めて作られたこういう秘密組織なんです、こういうようなかたたちに対しまして、ああいう形が現われておる、單にあの手帳が偶然にあんなとき現われたのではありません。警察手帳の内容が問題になつて来ると、この警察手帳の性格についても論議をされたのでありますが、実にでたらめな答弁をしておる。ああいう具体的なことを事実されまして、これでは学問の自由というものは守られない、こういうふうに文相はお考えになると思うのでありますが、そうだとすれば、そういう態勢の下に動かされておるものに対しまして、文相としてはもう一歩進めてやはり学問の自由を守る点において、政治的にそういう問題を解決される御努力がなければ、私は空言に終つてしまうのではないか、こういうふうに思うのですが、どういうふうにその点文相お考えになりますか。
  163. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 現に法務総裁とも、法務総裁もああいうようなお考えですし、又警視総監ともよく話そうと思つておるので、そういうことは今後起らんようにする、仮にそういうことが起つて来たら強くこれに抗議しようと思つております。
  164. 岩間正男

    ○岩間正男君 我には文相のそういう、特に文相もそういう点でで苦しまれた体験を持つておられるのだと思いますが、そういう復活の徴候がまざまざと世の中で問題になつておりますから、やはりこういう態勢に対しまして事前にも強力な政治的な方法をとられることを希望して、第二にお聞きしたいのは、先ほどの木村法務総裁の御答弁によりますと、法務総裁時間の関係で行かれてしまつたのでお聞きできなかつたのでありますが、学外におきまして生徒が演説をする、こういうことはどうもけしからん、生徒としてけしからんというお話であつたのでありますが、これは生徒は学園内において学問に專心をすることは当然だといたしましても、学外においては当然生徒は政治活動の自由があるのだということは、これは尾高参考人もはつきり申述べている。こういう点から考えまして非常にそこのところが食い違いがあり、そして法務総裁のような解釈を持つておられて、これがこのまま継続されて行くというと、学問の自由というものは私は守り得ないと思う。実際は法務総裁の考えておる学問の自由というものは如何ようにしようとされておるのですか。私はおかしい、この点ははつきり文相とされてはどういうようにお考えになつておりますか、この点重要なことですからお聞きして置きます。
  165. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) これは一体どこから政治活動ということになるかということが一つの問題でございますが、仮に政治活動としても、法律上は成るほど岩間さんおつしやる通りだと思うのですが、教育上は好ましくないということは大学の私ども知つている人たちがみんな言つていることで、教育上は好ましくない。私もだから法律上これは確かに認められても教育立場からは好ましくないと、こういうことが言えると思います。
  166. 岩間正男

    ○岩間正男君 尾高教授がはつきりその点は明言されたのでありますが、その点はやはり尾高教授のお考えと食い違いがあると思いますが如何お考えになりますか。これははつきり明言された、文部・法務連合委員会におきまして、学外における生徒のそういう政治活動のできることを拘来することはできない。はつきりそれは認められておるので、そこを伺いたい。これは皆さんも御記憶あるだろうと思います。ここにおられる委員長もはつきり記憶しておられると思う。
  167. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私は尾高教授は法的な立場から言われたことと思うのです。殊に選挙をその際引例されたということでございまして、法的な立場から言われたことと考えております。
  168. 岩間正男

    ○岩間正男君 法的な立場で保護されているものが、何でほかで制限されて行かなくちやならないかと言うのです。その点が主観的な判断になると非常にまずいので、教育内容の問題と言いましても、それが法的に保護されている、併し教育的に見ればまずい、こういうようなお話でありますけれども、この点はそうするとそういう法的な保護のあるのを教育上において制限している、こういうことになるのじやないですか。これは重要なことだと思うのです。
  169. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私は法律上は許されていることでも学長の教育の方針によつては或る程度の制限を受けるものもあり得ると思つております。それは学長或いはその大学教育方針によるものだと思います。
  170. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうしますと、そこまで立入る権限が学長にあるというのは、まあ新らしい解釈になつて来て別の問題ですが、この論争はやりませんけれども、私はこれはおかしいと思う。それからもう一つ今の問題と関連しまして、先ほど高田君からもお話が出たのでありますけれども、政治活動の限界というのが、個人的な主観的な判断で以て決定される。今言つたような平和を守り、憲法を守る。そうして学生の最も足許まで押寄せたこの戰争に対する不安の問題を飽くまで憲法を守ることによつて守り抜く、こういうこともすぐ工合が惡いというと政治活動だ、けしからん行動だ、こういうふうにこれは認定される。こういうことになりますとこの見解は実は非常に危險だと思う。一応法的に認められたということで政治活動の自由はあるんだということが言われておりましても、それが具体的になりますというとさつぱりそうでないというような形で推進められておる。こういうことは非常に私は問題だと思うのです。そういうこととも関連しますというと今言つたように教育方針云々で政治活動が望ましくないと、こういうことを言われているのですが、併しアルバイトなんかで自由党なんかに雇われまして選挙のときには盛んにやつておる、実際は。(「その通り」と呼ぶ者あり)御承知でしよう。こういうのも望ましくないのでありますか。やはりそういうものは許容されておつて、そうして今度は別の立場から自分の政治的信念を貫くために利害を超越してこれは闘つている。これはしてはならない、こういうことになるだろう、私はこれは大変な独断だと思うのでありますけれども、学長がそんなことを拘束する権限があると、こうおつしやるのですか。この点は教育方針とか何とか言いましても非常に了解に苦しむ。
  171. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私は学生は法的に触れなければ何をしてもいいというのじやないと思います。学生にはやはり学生のあり方があるから、学長がこういうのか学生のあり方であつて、自分はこういう方針によつて学生を指導して行きたいと言われれば、私は法律に許されているものは全部学生がやつてよいということにはならないと思います。
  172. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうすると学長は少くとも今のアルバイトの問題なんかを解決して、学生は八〇%ぐらいこれはアルバイトをやつているのですが、みんなちやんとやり得る、しつかり学問ができるという態勢をとらなければそういうことを拘束する理由なんていうことはあり得ない。学校の方針なんと言つて、そうして食えない状態に落して置いて、そうしてそれについては責任は余りお持ちにならない。そうして教育方針についてだけは、これを拘束する面だけはこれをきちつとやかましく言う。こんなことが日本教育の過去の姿じやないですか。口先だけのことで現実の問題は解決つかない、こういう形の私は教育というものは本当の教育にならないのじやないか。従いまして何も学生だけじやないと思います。法律規定されているから、それでその権利を飽くまで主張しなければ……その中にもいろいろ制限があるという、これは何も学生ばかりじやない、一般の国民でも必ずしもその権利を全部行使しなければならない、こういうことを言つているんじやありませんけれども、どうも今の学長の方針によつて、これを規定して、学内の性格までこれを規定して行くということになりますと現実は大変な破綻に当面する。恐らくアルバイトを公式に奬励している大学の学長は私はないと思う。これはやはり教育方針に反しており、大変なことになる。併し現実はどうかというと八〇%以上がアルバイトをやらなければ食えない。そして選挙なんか始まりますと、これは旗をかついでそういう仕事までやつているというのが現実です。そうしますときに文相はその点を一体どういうふうに解釈するか。これは教育的に見ましても非常に重要だと思います。拘束面だけは許して、そうして学生の生活を本当に考えてやり、これを解決してやる、こういうような面については何らの責任を負わないとしたら日本の国はどうなりますか。がたくじやありませんか。こういう点について文相の考えをもう一度確かめておきます。
  173. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 今岩間さんも言われたように、普通の人でも法律に許されているから何でもそれをするということは望ましくないと言われる御議論ですが、学生と言えばもつとそういうことがあると思うのです。アルバイトはみんな否定するというわけじや決してないので、このアルバイトは学長がこれは好ましくないアルバイトだから、何かほかのアルバイトを世話をしようということもあり得ると私は思います。
  174. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) ちよつとお諮りいたしますが……。
  175. 高田なほ子

    高田なほ子君 これはやめですか。
  176. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) ちよつとお諮りいたしますが……。
  177. 岩間正男

    ○岩間正男君 今の文相の説明には私はまだ承服できない。私は教育全般を検討しなければならん問題ですから、こういう点は十分検討して頂きたい。この問題はやはり我々がここで何ぼ努力をしてもやりがいのない問題じやありません。恐らくこれは歴史が変遷して、二、三年後に考えると、我々がここに大いに文相とも努力して行くということは、日本の歴史の進展の上において私は不必要な問題じやないと思います。いずれ又この問題は新たな研究課題として取上げて行きたいと思います。
  178. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 一点だけ確かめておきたい。先ほど法務総裁がおられましたからお尋ねしなかつたのですが、大臣にここではつきり一言答弁して頂きたい、それはさつき岩間さんから言われた問題の焦点ですが、法務総裁は教育基本法の第八條を引用して高田委員に盛んに抗弁した。そして街頭ではいけないと結論してお帰りになつたしことは、これは教育基本法第八條の解釈ですが、この法務総裁の解釈は確かに間違いだと思います。それで大臣がはつきり法的な立場から弁明して頂きたいと思います。
  179. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) そのときにも法務総裁はこの八條の精神によればと言われた。
  180. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 おかしいです、法律上のことではありません。
  181. 岩間正男

    ○岩間正男君 これはそうなりますと擴張解釈をどこまでも許せば、そういう解釈長つていろいろな法案というものは弾圧法にも何にもなつて来るのですから、従いましてこれは法律のやはり規定された範囲内で、而もそれを守るということが、私はこういうときの文相の立場ではないかと思いますが如何でしようか。擴張解釈ではいけないと思います。あいまいなことでやられたら大変なことになります。
  182. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 僕は附加えて申上げますが、これは聞いておこう……、私は精神のない法律はないと思います。その法律精神を余り擴張解釈すれば、もうないのと同じことになります。教育基本法の第八條というものは、これは教育の場におけるところの……、又場という問題になりますが、規定したものであつて大学生が一個人となつた場合には、当然私はこういう制限を付けられるべきものではない。ちよつと大臣のお耳を汚しますが、憲法の第三章の国民権利及び義務の第十二條には「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。」、これとの問題になるが、公共の福祉に反しない限りは、第十三條に謳つてあるように、「最大の尊重を必要とする」。と、こういうふうに謳つてある。第二十一條には「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」と、こういうふうになつているわけです。これらの関連で、大学の学生諸君が大学の校門を出て、そうして学帽をかぶつているのが惡いというならば正服正帽を脱いで一個人となつた。而も彼らは成人しているんでありますから、こういうものの行動というのはこの憲法によつて法的に保持せられるべきであつて、法務総裁の言うように、精神として御頭でやつてはいけないという、こういう終止符を打つということは、これは重大な問題であると思いますので、この答弁をお願いします。
  183. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) だから私は法律的には外においては行動の自由か持つているということはさつきから申している通りであります。ただ精神ということを法務総裁が言われたのは、法的にはそうであつても、学生というもののあり方から考えれば、例えばそのやり方によつてはデモンストレーシヨンをやつたとか、そういうやり方によつてはそこに制限を受けるという御趣旨じやないかと思います。併しそれは法務総裁によくお尋ね下さい。私は前から法律上は認められるという答弁です。
  184. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) ちよつとお諮りいたします。今日はこの委員会を午後も続けて開きますか。又は委員会は今閉じて、小委員会に移りますか。
  185. 高田なほ子

    高田なほ子君 委員長発言が片寄り過ぎるよ。
  186. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私は先般来から災害に関する質問を申上げたいということを再々申上げておるのです。明日から明後日に関連する内容でございますので、今日の公報にも上つておりますし、本日午後是非管理局長並びに課長に質問させて頂きたいと思います。
  187. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) 午後開きたいという御意見ですが、午後やることに御異議ございませんか。
  188. 岩間正男

    ○岩間正男君 午後継続するならば、又法務総裁を呼んで頂きたい。今の問題を明らかにしなければ、大変な影響の起る問題です。
  189. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) 午後やることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  190. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) それでは二時半に再開することに御異議ありませんか。    〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕
  191. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) それでは岩間さんの言われた法務総裁のところはこれから懸け合います。併しながら果して来られるかどうかということは、努力はしますが、その辺は御了承を願いたい。
  192. 岩間正男

    ○岩間正男君 出られなければ又この次に……
  193. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) それで午前中の委員会を休憩し、二時半でどうでございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  194. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) 二時半に開会いたします。これから懇談に移ります……。
  195. 高田なほ子

    高田なほ子君 懇談の前に確認して下さい。東大事件はこれで打切られますか。
  196. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) それは打切つておりません。午後から開会すること、これだけ約束しました。
  197. 高田なほ子

    高田なほ子君 私の発言を要求したときは、やはり指名して下さい。いつも抜かす癖がある。
  198. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) 抜かしません。あなたがそう言つているので、十分あなたに発言を許しておる。  これから休憩して懇談に移ります。    午後一時二十九分休憩    ―――――・―――――    午後三時八分開会
  199. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) それではこれより引続いて文部委員会を開きます。  最初に北海道地震による教育施設災害の状況について管理局長から説明を求めます。
  200. 近藤直人

    政府委員(近藤直人君) それでは北海道の十勝震災の文教施設の被害状況につきまして御説明申上げます。お手許に資料が差上げてあると思いますが、北海道では、学校数を申上げますと小学校が全壊、半壊、大破、中破以下を入れまして二百七十二校、中学校が同じく七十六校、高等学校が二十七校、合計三百七十五校、それからこの被害坪数を申上げますと、小学校では三万三千四百四十二坪、中学校が一万一千百二十七坪、高等学校が二千三百四十六坪、合計四万六千九百十五坪という状況でございます。なおこの十勝の地震に伴いまして、岩手に余震がございまして、これは学校の大破が一校でございます。そのほかに石川県にやはりこの十勝地震の余震でございまして、このために学校が大破いたしたものが小学校で九校、高等学校で二校ございます。今次の十勝の地震は御承知と思いますが、非常に震度の強いものでございますので、福井の地震の倍、ほぼ南海の地震に匹敵するという強烈なものでありましたために被害も甚大であつたのでございます。取りわけ学校施設が非常に被害が多かつたのが著しい特徴であろうかと思います。  この学校施設の被害の状況は今申上げました通りでございますが、この復旧につきましては、只今のところ北海道庁の調査並びに文部省のほうからも実地に調査に参りまして、双方の調査をまとめまして復旧の対策を立てておるのでございます。その詳細につきましては、現地に実地に参りました田中施設部長から御説明いたしたいと存じます。
  201. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) それでは引続いて田中施設部長から説明を願います。
  202. 田中徳治

    説明員田中徳治君) それでは先月の十三日から約二週間に亘りまして、北海道の十勝地震の現状を視察して参りましたその大綱を御説明申上げます。  今次の震災の特徴といたしまして、特に学校建築の被害が非常に多かつた、この点につきましては、この学校が主として北海道の泥炭地、非常に地盤の軟弱な個所に建設されておつたということ、なお校舎自体が非常に構造的に不備であつたということ、なお校舎自体が非常に老朽のものが多く、腐朽の程度が甚だしい結果であつたということ、なおそのほかに地震そのものが非常に大きかつたということ、これらのものが総合されまして、一般住宅に比しまして非常に被害が多かつたということでございますが、併しそのうちでも不幸中の幸いと言いますか、兒童、職員の犠牲者が非常に少なかつたということは、従来の震災に見ない例でございまして、なお火災の少かつたということは、これも一つの特徴でございます。現地の学校におきまして人的災害の少かつたということは、校舎自体が構造は非常に粗末でありますが、特に屋根の瓦がなかつたということ、要するにトタン葺なり或いは板葺で、非常に建物の上のほうが軽かつたということ、なお震災地におきましては二階建の校舎がなかつたということが、割金に地震の激しかつたことに比較しまして被害の少い原因にもなつておりますが、又倒壊に相当時間を要しまして、十分なる避難ができたということも関係があるのでございます。併し特に被害の多いということは、学校の集合煙筒と言つておりますが、冬期の媛房のための煉瓦造の煙突、これが相当に、殆んど大部分が被害を受けまして、その倒壊によりまして兒童の、或いは職員の犠牲者が出ておるのでございます。このことは北海道におきましては従来暴風も非常に少いのでございますが、震災がなかつたということで、学校建築の上におきましても何らのこれに対する措置を講じていなかつたということが、その被害を大きくした一つの原因でございました。従いまして北海道の現在の建築はいま少し耐震的な方法なり、或いは暴風に対する構造的措置を相当に考慮いたしまして、今後の建設をする必要があるのではないかというふうに考えております。なおこの児童、職員の犠牲者の少かつた原因といたしましては、戰前からの避難訓練の非常に徹底しておつたということが一つの原因であります。なお火災の少かつたということにおきましては、常々北海道の校舎が火災が非常に多い、これは一つは冬の暖房のストーブの関係でもございますが、この火器に対する平常からの心がまえが非常に徹底しておつた。地震中におきましても、みずから火傷を負いながらもこれらの防火措置を講じたということが火災を非常に少くしたというようなことになつております。特に震災の大きかつた地域は十勝、日高方面でございますが、釧路方面に参りましては震災よりは、むしろ津浪の被害が非常に多くなつてつておりまして、特に霧多布におきましてはこの津浪のために相当の被害をこうむつておりますのですが、幸い新らしい新制中学は立派な構造をやつておつたために、そのまま流失を免がれてそのまま嚴存しておるというような状況でございます。この建設につきましては、今後如何にするかという問題につきましては、市町村財政の非常に困窮しておる北海道市町村におきましては、少くとも十分な補助の裏付なり或いは起債の裏付をいたしまして、今後又二度とこのような被害をこうむることのないようにすることが最も必要ではないかというふうに考えておる次第であります。なお、北海道全道に亘りましては相当の震度の地域もありますが、十勝、日高以外におきましては、建物そのものに対しましては大した被害はありません。大体集合煙突の被害程度でありまして、なお、この十勝或いは日高方面におきましては、学校そのものが非常に小さい学校であると同時に、僻陬地にあります。従いましてその被害学校が現在の授業をどう継続するかという点につきましては、相当府町村自体も困つておるような現況を見受けました。併しこの授業の継続に対しましては、現地におきましては応急バラツクの建設というような声も強いようでございますが、併し折角市町村自体の財政の困窮の際なり、或いは国家の財政の困窮の際におきまして、このようなバラツクの建築を推進することは国費なり、地方費を無駄に使用するというようなことと考えられますので、できるならば本建築推進のために万全の措置を講ずることが最も適当ではないかというふうに考えられます。その点につきましては、先ほどの補助金政策なり或いは起債の十分な裏付けを必要とするというふうに考えられている次第であります。  大体以上のような次第であります。
  203. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私は本問題に関する皆様がたの説明を二週間前から要望して本日までできなかつたことを非常に遺憾に思いますが、こういう問題が起つた場合には、全般的な災害状況については、本会議で主務大臣から緊急説明が行われる例になつております。少くとも文教関係の損害というものは相当大きかつたとあらば、一日も早く情報の入るたびに本委員会に積極的に御説明つて然るべきではないかと、こう私は考えるわけでございますが、單に北海道の災害に限定することなく、全般的にこの文部委員会としては教育施設の確保という立場で先般は決議案を出したような実情であります。それらに関して極めて重大な問題だと考えるのでありますが、本日まで文部省側から積極的な発言のなかつたことを私は遺憾に思うのでありますが、今後のこともあろうかと存じますので、今後は善処して頂きたいことを先ず冒頭に要望しておきます。  御質問申上げたい点は、北海道庁の資料並びに今文部省から提示されました資料並びに説明によつて概略つかむことができました。そこで私は具体的にお伺いいたしたい点は、先ほど老朽校舎が非常に多かつたのが災害を大きくした一番の原因だという御発言がございましたが、私一部から聞いたところでは、新築の校舎もかなり損害を受けている。これは例えば一万六千円の單価で早急に建築をするために、これを單価を引下げて水増し建築をした、即ちこの建築が粗漏であつた、そういうことが原因で新らしい校舎もいたんでいるということを聞いたのでございますが、只今局長発言によりますと、津浪の場合に立派な構造が嚴存しておつたというような説明を聞くにつけましても、私はその感を深くするわけでございますが、そういう点についての実情、それが一点、それから次は文部省報告によりますと、六億七千万の損害額と査定され、更に中破以下を六千八百万円とこういうふうに資料をまとめられておられますが、この復旧につきましては、先ほど施設部長のほうから市町村財政の困窮、或いは起債の裏付けが必要であるというような御発言がございましたが、具体的に現在本省内において数字的にどれだけの復旧対策を立てられておられるかという点を先ず承わりたいと思います。
  204. 近藤直人

    政府委員(近藤直人君) 只今の質の惡い点のことでございますが、この点につきましては、特に十勝方面におきましての学校建築の質は非常に低下しております。老朽校舎のみが倒壊しておるというわけではありません。新築のものでも倒壊或いは倒壊に瀕しているものが多いのでございますが、このことは十勝方面の一般民家の建物と同じように、特に北海道地方におきましては非常に建物の質が落ちております。学校建築におきましても、非常に脆弱な構造法をそのまま採用しておつた、こういう例が非常に多いのでございます。これは従来の六三制の補助金関係の單価の問題にも関係がありましようが、今矢嶋委員の質問されましたような水増しの点よりは、むしろ補助金單位の少いために、なお地元負担において十分な建設予算を計上し得なかつたことも一つの原因とは考えますが、それ以上に建物そのものに対する構造的の関心が殆んどあの地方においては持たれていなかつたということが非常に大きな原因ではないかというふうに考えます。
  205. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 具体的な、今ここに全壊とか、大破とか、中破とかいう数字を挙げられておりますがね、具体的にどれだけの補助金とか或いは補助率とか、そういうものを以てこの問題を解決しようとしているか。
  206. 近藤直人

    政府委員(近藤直人君) お答えいたします。この十勝震災の文教施設被害の点につきまして、文教施設ばかりじやございませんが、この被害復旧対策につきまして一つ委員会ができまして、私もその一員として加わつているのでございますが、その席におきまして、これは北海道庁の御要望でございますが、従来災害の場合の復旧費の補助率、それはルースの場合でもキジアの場合でも、従来は原則として二分の一であるということでありますが、北海道の特殊事情考えて、是非これを七割にしてもらいたいという強い要望がございまして、その点につきまして我々といたしましても、従来とても町村の負担能力その他のことを考えまして、五割というのは少いという考えを持つておりましたのでございますが、北海道の特殊事情考えまして、これは七割を以て一つ財務当局のほうに交渉するということで、私はその席で了承したのでございます。それで具体的に現われました場合には、これは昭和二十八年度の予算になりますか、或いは昭和二十七年度の補正予算になりますか、これは今後の問題になるのでございますが、そういつた場合に是非七割でこれは要求したい、かように考えております。それから問題は、従来は全壊、半壊、大破以上を大体補助の対象にしておりましたのですが、これは我々といたしましても、中破以下におきましても何らか補助の手段が講ぜられたいものだという気持はありますので、この点につきましても、なお財務当局ともよく打合せまして、できますならば、中破以下につきましても、北海道は特例といたしまして補助をお願いするということで折衝をいたしたい、かように考えているわけであります。併しながら従来の経過から申しまして、災害の補助率は二分の一であるという経過でございますので、なかなか困難なことと思うのでございますが、この点は我々は今後大いに努力して参りたい、かように考えております。
  207. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 北海道の特殊性とか、或いは努力ということを承わるのでございますが、局長の答弁はその言葉に関する限りは了承しますが、実は今日は文部大臣に来て頂きたいと思つたんですが、大臣が来ていないからお尋ねしますけれども、この北海道の災害の復旧も又これは容易でないと思うのです。今、局長は二分の一を七割にしたいとか、或いは中破以下も努力したいと言われますが、どうもその言葉で終始するんじやないかと思うのですが……と言いますのは、私のところに陳情書が来ているのですが、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法、これは第十国会法律第九十七号で成立しているのですが、こういう公共土木施設は災害があつた場合は、この法律に基いて補助率がぴしつときまつている。災害があれば最低三分の二の補助があるということは、はつきり法的に明記されているのであります。従つて災害があると同時に、公共土木施設については直ちに地方公共団体が手を着けるわけです。ところが学校に関する限りはそういうような明文がない。而も災害地では各民家も痛めつけられていますので、それでなくてもさつき部長が言われたように單価を引上げた立派な建築はできない地方の財政の実情でございます。ましてや民家が痛めつけられているときに、補助の法的な根拠がはつきりしていない場合には、その復旧の速度なんかにも非常に私は遺憾な点が出て来ると思うのです。が、更に今、補助率について局長は今後努力するということを言われましたけれども、このルース台風に今まで非常に関心を持つておりましたが、このルース以降農林関係あたりの、或いは建設関係の補助率というものは引上げの傾向にあるわけです。ところが文教施設に関しては法的裏付がないものだから、むしろ高等学校の災害復旧のごときは三分の一に率が低下したというような実情で、現在ですら文教施設の災害復旧というものは容易でない。ところがそれより幾らか法的に補助が確立している公共土木施設のほうでは、更にこの法律第九十七号で国庫負担率を引上げて欲しいとか、或いは一カ所の工事の対象を、今まで十五万円以下は当らなかつたのを十万円まで引下げて欲しいというような一部改正の強力なる陳情あたりも展開されている。こういう段階に、私は北海道の災害に限らず、災害復旧に関しては恒久的な構想、対策があつて然るべきだと思うのですが、それに対する局長なり、部長の責任ある答弁を頂きたい、それが一点、それからこれは国の予算とも関連しますので、これだけでは私復旧計画は立たないと思うのですが、ルースの場合でも文部関係の損害は七十九億四千万となつて、そのうち公立学校が七十三億七千万円となつておりますが、この復旧もなかなか十分行つていない。この前にキジアとかジエーンとかいう過年度災害がありますが、そういうものはどのくらい残つており、それをどういう形で復旧を図つて行こうとするのか、そういう具体的なものと、恒久的なものに対する見解を承わりたいと思う。我が国における災害によるところの施設の被害というものは、実に甚大で、例年のことなんですから、相当しつかりした恒久的な見解を持つていなければ、私はこれは解決できないと思う。
  208. 近藤直人

    政府委員(近藤直人君) お答え申上げます前に、先ほど私申上げました点を多少補足したいと思いますが、具体的に予算の問題になりますのは、二十七年度の補正乃至二十八年度ということを申上げたのでございますが、これでは非常に間に合いませんので、早急には繋ぎ融資をいたすことになりまして、この点につきましては北海道開発庁長官を兼務されております野田建設大臣が非常に努力なされまして、大体文教関係といたしましては、三億五、六千万円の金が繋ぎとして出るように交渉いたしております。大体これは了解になつておるというふうに伺つております。取りあえず運用部資金を以ちまして繋ぎ的に学校復旧をやるのでありまして、それで補助金がきまり、或いは起債がきまりますれば、これを返すという方向で行くと考えております。その点をちよつと補足申上げます。  それから矢嶋委員の御質問の、災害復旧に対する恒久対策如何ということでありますが、御指摘のように誠に御尤もな御意見でございます。公共土木施設災害復旧費国庫補助法という法律か現に公共土木についてはございます。又農林土木、つまり林道とか水路、そういつた面につきましても單行法がございます。或いは大蔵省関係の塩田につきましても、その復旧費につきまして国庫負担法があるということも承知いたしております。従いまして、我々といたしまして学校につきまして、学校災害の場合に何らかこれに恒久的な国庫負担の法律が必要ではないかということをしばしば痛感いたし、又研究を続けて参つておるのでございますが、いろいろな関係がございまして、まだ結論には達しておりませんが、これはどうも学校施設災害復旧費国庫負担法というようなものが要るのではないかという結論に漸次近付きつつありまして、これは私といたしましては、早急に何らか結論に達したいというふうに考えております。実際、こういう国庫負担法がございますれば、誠に災害の場合に直ちにこの法律従つて補助が出るということで、安心できるという点があろうかと思います。併しながら実際上、文部省と大蔵省の話合いによりまして、従来予算の面におきましては、災害の場合、学校については二分の一補助をしてもらうということになつておりますので、実際の面については大した変化はないと私は考えますが、併しながらこの法律があることによつて、やはりしつかりした基礎ができ、且つ確実な補助金が頂けるということになりますれば、やはり災害に会つた市町村といたしましても、非常に結構ではないかと考えますので、この点につきまして先ほどかく申上げましたように、何らか結論に達したいと努力いたしております。  それから過年度災害につきまして、どのくらい残つているかというお話でございますが、昭和二十五年度の分につきまして、只今事業費といたしまして四億三千百五十一万五千円というのが過年度災害として残つております。この分につきましては、今年の補助金といたしましてこれを解決いたしたいと考えております。
  209. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 只今の答弁のように過年度に四億三千万円も残つており、これも本年度解決したい、努力したいと思う。その言葉は誠に結構でございますが、これ自体でも又容易でない。このたびの北海道でも文部省の資料では六億八千万円で、北海道庁の報告によると十一億ばかりになつているわけですが、従つてこれは現象面を追駈けておるのでは私は解決できないと思うのです。で、今日は時間がありませんので、長く質問しないつもりですが、届長としてはその必要性を認め鋭意研究していると申されますが、いつ頃を目途に結論を出す予定で研究されているのか、それを承わりたい。
  210. 近藤直人

    政府委員(近藤直人君) お答え申上げます。その点につきまして、実はできますれば今度の国会に間に合わしたいという気持を持つております。止むを得ませんければ、この次の国会には是非とも御提案申上げたいというふうに考えております。それから先ほど過年度災害につきまして四億三千何がしの数字を申上げましたが、あれはすでに決定いたしておりまして二十七年度の災害の分といたしましてこれはもう補助が決定している分でございます。さよう御了承を願います。
  211. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 その局長の構想をできるだけ早い機会に聞き得ることを期待いたしまして質問を転換いたしますが、岩動事務官にお伺いいたしたいと思います。今日は実は主計局長においで願いたいと思つたんですが、主計官に御質問いたしたいと思います。お伺いいたしたい点は、先ほどの田中施設部長説明で北海道地震における文教施設の損害の大きかつた原因としていろいろ挙げられましたけれども、老朽校舎が非常に多かつたということを強く叫ばれ、更に建築の質の惡かつたことがこの災害を大きくしたんだというような御説明があつたわけです。私は一昨年でしたか、大阪のキジア台風のときにも文部委員として視察に参つたんですが、新らしい建築の校舎が次々にあのキジアでやられている姿を見て、こういう災害で建てるほど次々にやられて行くし、一方火災などで潰れて行くとすれば一体いつになつたらこの文教施設は確保されるかという点について懸念しているものですが、そこでお伺いいたしたい点は、岩動事務官は文部関係で十分御承知と思いますが、この文部省の内輪の調査によりましても老朽校舎の今すぐ補修をしなければならないのが百六十六万五千坪ある、こういうように算出されておりますし、そのうちで、今にも危險であるから早急に施さなくちやならないのが四十四万八千坪ある、その所要経費として本年度概算要求二十一億円をしたのに対して、まあ大蔵当局はこれをゼロと査定されたわけです。大蔵大臣は老朽校舎というのはこれは地方公共団体が放つといたからできたのであつて、今老朽校舎になつたから国から補助してくれというのは筋が通らない、こういうことを大蔵大臣言つておるが、併しこれは大蔵大臣の全く放言であつて、私の考えを以てするならば、戰時中殆んど校舎の建築とか修理に当りましては、資金資材も廻されなかつたわけです。いわば一つの戰争の国策の犠牲として老朽校舎ができて、更には新制中学校の発足に伴い、六三の三の建築の犠牲として小学校の補朽校舎の百六十六万五千坪というものができた、いわば国策の犠牲である。何も地方公共団体が怠けておつたというわけではございません、私はそう思う。これに対して大蔵当局としてはどういう御見解を持ち、如何なる対策を以て地方公共団体がこれを解決することに協力されるところの用意があるのか、事務官から大体大蔵当局の見解を御存じと思いますので、お伺いしておきたいと思います。
  212. 岩動道行

    説明員岩動道行君) 老朽校舎の問題でありますが、この学校、義務教育の施設につきましては本来その設置者でありまするところの市町村がこれを建てて行くのが現在の建前になつておるわけでありますが、そこで六三の場合には、これも本来であれば当然市町村の設置者自体がこの校舎の建築を賄つて行くというのが一つの建前であろうと思うのでありますが、併しこれは一方におきまして、只今お話にありましたように、国の新らしい教育制度の政策としてこれをすべての市町村が実施しなければならない、而も急速にこれを実現するというような特殊事情からこの建築費につきましても国が半額を負担して、援助して行くという建前になつたと承知いたしております。そこでそういう面にから只今御指摘にありましたように、まさに六三の建築のために本来自分で建物を建て、或いは補修をして行くという学校の建物がなかなかやりにくくなつた、六三のために相当の資金をそのほうに注ぎ込むために本来の校舎のほうに手が廻りかねたということは確かにあり得ることであります。併しこれはその学校の許置者であるところの市町村がもともとやつて行くべき筋のもので、政府といたしましてはそのようないろいろな困難な事情考慮いたしまして、できるだけその建築の促進については援助をして行くという建前をとつております。従いまして、今日におきましてはそういう老朽校舎につきましては地方債の起債等におきましてその援助をやつておるわけであります。そこで今夜、そのように相当の坪数が危險校舎としてなかなか兒童の安全を保つてないような状態にあるものも相当あるということになつておりますが、これにつきましても、できるだけ起債の面において援助をして行くということを当面の方策といたしておるわけであります。併しながら、それでもなお、不十分であるということも考えられますので、只今文部当局におきましてもいろいろとその老朽校舎の再建築につきましては研究をいたしておるのであります。これにつきましてはまだ何ら最終の結論を得ておりません。義務教育費国庫負担法の中でそれを解決するという考え方も出ております。或いは又特別な金庫を作つて、それによつてつて行こうかというような考え方もあるように伺つております。未だ文部当局の中においても必ずしも最終的な結論を得ておるように私は存じておりません。従つて文部省として、これをどういう方向で解決するかということを一つの土台といたしまして、大蔵省もその案を検討し、そうして政府の案を作りたい、かように考えております。従つて昭和二十七年度の予算におきましては、この問題は起債という面で解決をする。併しながら二十八年度からは、そのような更に基本的なしつかりした基礎に基いた老朽校舎の再建築ということについて、何らかの方法をとつて行きたいという方向で、私ども研究もいたし又相談もいたして行きたいというふうに考えております。
  213. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私、もう一点伺つて、他の諸君も質問があるようでございますから打切りたいと思いますが、この問題につきまして大蔵当局が地方公共団体を援助して解決して行くという建設的なそういう態度を持たれておる点を諒といたします。ただ具体的な点についてここで承われないことは残念でございます。この質問は一応ここで打切りまして、もう一点お伺いいたしたい点は、私は北海道の災害、勿論これにはルースとか過年度災害、そういうものも関連して参りますが、それに老朽ということもあります。それから先般戰災都市の復旧状況に関する資料を文部当局に要望しておきましたが、まだ本日まで出ておりません。そういう問題、それからこれから問題にされますところの接收教育施設の問題、それから教育に必要なる基準確保の問題、こういうものが一連となつて教育を守るところの施設の確保ということができるものと、こう考えますし、これは何人も異議がないと思うのですけれども、その立場から私ここで是非とももう一点伺つておきたい点は、本会議でも問題になりましたが、丁度岩動事務官が参つたのでお伺いいたしますが、本年度の予算を見ますというと、二十四年の算定基準で大蔵省が査定して、文部省の資料との差が十五万坪となり、而もその予算は二十二億円という差を生じて来ました。これに対してどうするのかという質問に対して、文部大臣は二十六年の指定統計、それらも参考にして二十四年以後の資料の相違によつて生じた額については今後考慮して行くという一般的な一応の答弁があつたわけでございますが、現場においてはこういう事態が起つておるわけです。大蔵当局としては、二十四年の資料でやつて二十六年のこの指定統計というものを無視しており、その結果、もう若干府県というものはいわゆる〇・七坪、〇・九坪の応急普請というものは終了したのだ、こういう見解を大蔵省はとつておられる。従つて天野文部大臣の〇・七坪、〇・九坪の基準引上げなどは問題にならず、二十四年以後における社会増によるところの問題、人口増によるところの問題というものが解決できない段階になつておるわけなのでございますが、大蔵当局として、文部大臣の答弁を敷衍する意味において、この社会増に伴うところの算定規準の相違から参つたところの二十三億円、更にはその後におけるところの人口増、こういうものを教育施設を確保するという立場から、どういうふうにお考えなつていらつしやるのか。それが岩動事務官に対する質問の一点。  それから次にその問題に関しまして局長にお伺いいたしたい点は、先ほどもちよつと触れましたように、施設をするに当つては認証外工事というものを皆様はお認めになつておりますが、これは約十億ばかり予算に要求して、大蔵に切られて零となつておるのでございますが、そのほか單価を切下げて早急に坪数を増すために、いわゆる單価を切下げて水増し建築をやつた熱心な地方公共団体、まあ準認証外工事というのですが、そういうようなところを大蔵の二十四年の資料に基いて、すでに〇・七坪の基準が完成しているのだからもう補助金は参らないという、そういう数字のみによるところの補助金の分配というものは、私は相当問題があるのじやないか、こう考える。本年度予算案では三十四億数千万円が通過しておるようでございますが、伝え聞くところによると、近日中にその配付もやられるということを承わつております。それらに対する教育的、指導的な見地から、どういうふうにお考えなつていらつしやるかということを、これは教育施設と関連がありますので、これを局長に伺つて、この問題に対する私の質問を他の委員に讓りたいと思います。
  214. 岩動道行

    説明員岩動道行君) 六三予算に対する大蔵当局の考え方についての御質問でありますが、大蔵省といたしましては文部省と協議をいたしました結果、差当り六三制を実施いたしまし  て、それが昭和二十四年の四月現在の調査基準といたして、それで〇・七坪の問題は昭和二十七年の予算で解決するという話合いをいたしたわけであります。そうして二十四年の四月現在を基礎にいたしました結果、今日におましてはいろいろな社会的な現象によりますところの兒童の異動、人口の増加等によりまして、坪数の不足が生じて来ておるところが相当出て参つておるわけであります。その現状と二十四年の四月当時との差につきましては、これは更に明年度の予算において何らかの考慮を沸いたいというふうに考えて、今後文部当局と十分に協議をいたして参りたいというふうに考えております。
  215. 近藤直人

    政府委員(近藤直人君) 認証外工事でございますが、この点につきましては二十七年度の予算要求の場合に、設備費といたしまして十億要求をしたのでございますが、それが不幸にして査定されましたので、この問題は依然として残つておるわけであります。
  216. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 大きな問題ですよ。
  217. 近藤直人

    政府委員(近藤直人君) 我々としましては、これを放つておくわけではございませんので、この問題につきまして何らか、設備費という方法で行くか、或いはほかの方法で行くか、これは今後の問題でございますので、その点は十分考えたいと思つております。  それから二十七年度の予算配分でございますが、御指摘のように目下成案を得つつあります。近く配分の方針を各教育委員会のほうに指示したいと考えております。なかなか困難な問題がありますので、大蔵当局のほうとよく連絡をとりまして、これは又来年の問題にも関係を持ちますので、十分慎重に参りたいという考えを持つております。来年は只今岩動主計官からもお話がありましたように、この六三の予算が一応終つたと観念いたしましても、現状におきましてはまだまだ〇・七坪以下のものもありますし、社会増とか人口増の関係で以て非常に工作いたしておりますので、その間調整を要する面も多々あります。文部当局といたしましては、何らかほかの観点から別途に六三関係の費用を予算要求をいたしたいというふうに考えております。間もなく二十八年度の予算編成の時期にもなろうかと思いますので、目下我々といたしましては慎重に考えておるということだけ申上げておきます。
  218. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 ちよつと一言だけ…、局長の御答弁非常に言葉数は多いのですが、内容的には非常に責任回避した御答弁のようなんですが、私は局長としてのあなたの御見解を承わつておるのですから、もう少し言葉を弄ばないで、あなたが局長として一つ考えを持つていらつしやると思うのですから、それをできる範囲内においてお漏らし願わなければ、委員会の質疑応答の意義はないと思う。  繰返して一点だけお伺いいたしますが、大蔵当局は一応二十四年の数字については二十七年に終つたのだ、こう言われておる。ところが、あなたも認められておるように、認証外或いはそれに準ずるものというような、教育に非常に熱心であり積極的であるその良心的な立場から起つた問題もある。従つて現段階において当面重要な問題の、来年の予算の分配というような問題になつて、二十四年のデータでこれはもう終つておるからというような画一的な、いわばそれは非現実的な、現状を無視したものに近いものなんでございますが、そういうような態度で行かれるお考えか、それとも若干の現実というものを考慮されてやられるお考えか、その点を私はお伺いしておるわけなんです。それだけちよつと御答弁を願いたいと思います。
  219. 近藤直人

    政府委員(近藤直人君) 一応形式的には六三の予算は二十七年度を以て〇・七坪以下の線は充足されたということになると思います。併しながらそれを配分いたしますると、非常に実態と遊離したことになりますので、これは実際問題といたしましてなかなか困難でありますから、実態とマツチするように配分を考えて行きたい。従いましてその結果〇・七坪以下のところも出て来るという結果になりますので、その点につきましては来年度社会増、人口増の要求をいたします際に、その点も併せて調整をお願いするという考えを持つております。
  220. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 あなたの答弁は、承わつていると……続いての質問ですが、これつきりせんですが、あなたは大蔵の岩動主計官を前にして二十七年度で〇・七坪完了したということは、それはどういう御発言でございますか、文部省は我々に対して今まで資料なり何なりによつて二十四年と二十六年とこう違う、従つて十五万坪の差があるのだ、これは大蔵当局がどうしても認められないために現状においてかくかくの困難な点が起つていると、我々は教育委員会から承わつた。ところが、あなたの今の御発言では二十七年度で一応完了したという御発言は、私は非常に意外なんですが、表現を誤まられたのですか、どうですか、それだけを聞いて、もう質問いたしません。
  221. 近藤直人

    政府委員(近藤直人君) 言葉が足りませんので或いは誤解を招いたかと思いますが、私の申しましたのは二十四年度の実態調査でございますね、その線に沿うて六三の予算を査定いたしました線は一応終つていると、かように考えているのです。(「今何年だ」と呼ぶ者あり)
  222. 岩間正男

    ○岩間正男君 とにかく文部省の答弁というやつは、えて定評があるので、そういうことはやめたらいいと思う。(「質問も定評があるぞ」と呼ぶ者あり)大体今昭和二十七年度ですよ、二十四年が一応完了したということで政治的に動くとか何とか、この前から言われておるのでありますが、十五万坪穴があいておるということは誰でも知つている。それをあなたたち政治的な問題になるとかならんとか、それをきつと政治的にどうだとかこうだとか、とんでもない考慮なんかしないで、私たちは事務的に資料を聞いておるのです。いずれこういう問題については詳しくは今度の小委員会でやられると思いますから、私はやりませんが、先ず委員長にお伺いしますが、道庁の人が見えておりますか。
  223. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) 見えております。
  224. 岩間正男

    ○岩間正男君 その問題に入るようですから、北海道の問題で簡單に二、三だけ聞いて置きます。第一の問題は今度の災害でいろいろ倒れたわけですが、その中でどうですか、老朽によつて倒れた坪数、それから私は新朽という言葉をいつか言つて笑われたのだが、実際は六三制の建造過程に單価がどんどん値上りして、ものすごい物価の値上りで以てあつちこつち略しておるわけです。私は北海道で見て来たんですが、あの方面は、私も二年ばかり前に日高地方を見たのですが、そういうのがたくさんあるので、そういうようなのがどういうふうな割合になつておりますか。つまり新らしく建てたのが建築を略したので倒れ、或いは老朽によつて倒れたというお話があつたのですが、そういうものの調査は一応出ておりますか、どうですか。
  225. 近藤直人

    政府委員(近藤直人君) 只今ではまだその調査は完了いたしておりませんが、御指摘の調査は早速やりたいと思つております。
  226. 岩間正男

    ○岩間正男君 それでは大体どうです、六三制という形で建てたもので、まだ三、四年しかたたないのが倒れたのはどのくらいあるか、大体今まで見て来られた範囲内で、どのくらいありますか。
  227. 近藤直人

    政府委員(近藤直人君) これは大体現地を見ましたおのおのの感じでございますが、三分の一が六三のいわゆる御指摘の新朽のほうになると思います。(「大きいじやないか、三分の一というのは」と呼ぶ者あり)
  228. 岩間正男

    ○岩間正男君 いずれにしてもこれは資料を頂いてから、我々検討したいと思います。  第二点は繋ぎ資金として三億五、六千万円出すというのですが、これで当分の要求は何とか満たして行けるのですか。大体まあさつき四万六千九百坪というような話ですね、そうするとこれでは半壊とか、中壊とか、全壊とかいろいろあるんたが、一律には行かないが、坪七千円ぐらいだけは今の繋ぎ融資でやつて行く、これで当面の要求を満たすことができますか。北海道の單価は一坪どのくらいになるのですか。殊にそれと関連してお聞きしたいのは、今後そういうような災害の場合を考えて建てたいということになりますと、大急ぎでバラツクを建てるというと二の舞を踏むことになる、相当恒久的なものを建てたい、できれば鉄筋コンクリート、こういうふうにこれは行きたいのが当然だと思うのです。繋ぎ融資の、額が余りにこれは少いのじやないか、こういうふうに思うのですが、こういう点は大蔵省と十分折衝されてのものであるか、止むを得ず、とにかく当面の問題としてまあ焼石に水だけれども出してもらつたということで、ここのところの事態を糊塗して行こうとされるのであるか、一体これだけの繋ぎ融資で当面の要求を満たすことができるか。これはどうお考えですか。
  229. 近藤直人

    政府委員(近藤直人君) 大体この繋ぎ融資で間に合せ得るという感じでございますが、なお若干は起債が伴わなければならんと思つております。感じといたしましては大体現地を見た田中部長の言といたしましては大体これで当面切抜け得るものと思つております。
  230. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうしますと次に、資料を頂いたのが、全壊が幾ら、半壊が幾ら、中壊が幾ら、こういうようなもの、その坪数、それによつて私たち検討ないと、これは実際具体的にならんのですが、これは出ておりますか。……出ておるね。こういう何を見てどうも私は震災のあとを少し見ましたけれども、場合によつては全壊と同じように、名前はまあ半壊とか中壊ということになつておるけれどもその取片付けをやるとか、それからあと、それを復旧するためにいろいろな補修をやつたりすると殆んど余り全壊の場合と單価は変らないというようなことを見ておるわけですね。だから全壊だからこうだ、それから半壊だからこうだというふうに、これはきめて行くというと、実情に合わないことになる、こういうことも出て来勝ちなんです。こういう点も考慮されておりますか、どうですか。
  231. 近藤直人

    政府委員(近藤直人君) まさに御指摘の通り、全壊とか半壊とかいうことはなかなか認定の困難な点もございます。併しながら、従来一応現地の報告を基礎にいたしまして、なお中央から現地に参りまして視察いたしました両方の報告を、かみ合せまして全壊半壊中壊というふうに査定いたしております。併しながら現地のほうの主張と、それから中央の考えと必ずしも一致しない点がありますが、それはまあ個々具体的の折衝になりまして大体話合いで落着いておる現状でございます。必ずしもここで線を引くというふうには行つておりませんが、併しながら従来の経験から申しまして比較的これは話合いが円満に行つておるように聞いております。
  232. 岩間正男

    ○岩間正男君 それにしても、坪七千円というようなことで繋ぎ融資をやつて行く、起債は幾分変るのかも知れんけれども随分現実の單価と隔たりが出て来て、いろいろな問題が起るのじやないでしようかね。この点我々は心配しているのですが、なお詳細はこれは小委員会に讓りますが、殊に又北海道の雪をよけるものとか……それから今度の倒壊の非常に大きかつた理由はコンクリートで土台を固めていないのだそうですね。私のほうの田舎では「どう突き」というのだが、「どう突き」で以てずつと叩いてところどころに石を置いて、そういうふうな上に土台を載せている……。それで足のほうが非常に弱くて、すつと持つて行かれた、こういう形が出ているように聞いておりますが、そうすると少くとも今度はそういうことを繰返すことはいけない。コンクリートで固めた所は海岸近くでも残つたと、こういうことを聞いておるのですが、そうしますと、そういうような面までも考慮したり、それから文部省がそういうところをむしろ積極的に個々の建築様式について計画を立てるというような、そういう方針をとらないと、これはまずいと思うのです。それにしては三億五、六千万円の繋ぎ融資じや焼石に水になりやせんですかね。この点は大蔵省は検討されておりますか、検討して大体、繋ぎ融資を出されたのか、或いは又、なお文部省との話合いで一応ということになつておるのですか、これは岩動さんどうですか、今のような條件については大蔵省検討されておりますか。
  233. 岩動道行

    説明員岩動道行君) 繋ぎ融資の問題につきましては、北海道開発庁が中心になりまして相当努力をされた結果、或る程度のものが出るやに私も伺つております。この文教施設につきましては、被害状況の報告が必ずしも私どものほうに的確に入つておりません。と申しますのは、北海道のほうの現地からの報告、或いは文部省からの報告等でそのいずれを正しいとするか、まだ十分な検討ができないような現状であります。併しながら放つて置くわけに参りませんので、一応文部省からの報告に基きまして、これは数日前の話でありますので、又新らしい報告がその後出て参つたようでありますが、その前の報告に基きまして、一応全壊につきましては六・三の建築費の單価によつて計算し、半壊につきましてはその半分、大破については更に標準を下廻つた單価によつて一応の計算をいたしております。更に北海道につきましては、單価について全壊の場合には若干地域的な経費の増がございますので、それも考慮いたしております。そうして更に二十七年度におきましてどれだけの工事量を行うかというような点も考慮いたして、差当りの繋ぎ融資というものを予定して、近々のうちにその具体的な数字もきまると思います。併しながらこれは飽くまでも繋ぎ融資でありますので、その後予備費なり、或いは補正予算なりが組まれるまでの繋ぎでありまして、国から補助金が出ればそれで地方財政のほうは間に合つて参りますので、それまでの繋ぎでございます。従つて期間的にも一年分の繋ぎの資金を出す必要がないのでありまして、極く短期間の経費を賄う趣旨でありますので、只今考えておりますような金額で十分に賄つて行けるというふうに考えております。
  234. 岩間正男

    ○岩間正男君 只今の御答弁で、とにかく新らしいいろいろな調査が確実になればこれについて再考慮して現状に合つたように補正する、そういうことはあり得る、こういう意見。もう一つは、それが飽くまで繋ぎ融資で、これは補正なり何かで以て補助する、はつきり補助されるわけですな。繋ぎ融資のものをどうするかということですから、これはどういうふうになるのですか。どういう恰好で……。例えば補正か何かで組まれた予算の中で、繋ぎ融資の補助まではつきり考えておるということになりますか。これは更に負債として残りますか。
  235. 岩動道行

    説明員岩動道行君) 繋ぎ融資は飽くまでも補助、この学校の施設につきましては補助を受けるということを前提にして、その補助金の肩替りとして差当りの金を廻すという考えであります。従いまして借りた金は勿論後に至つて補助金で肩替りして返して行くということになります。
  236. 岩間正男

    ○岩間正男君 それではこの問題は、あとで又小委員会のほうでも十分に災害の対策としてやれる問題ですから、そのくらいにして、今の北海道の問題に関連してついでにお聞きしておきたいのですが、この火災がないということは、なかなか子供たちが熱心に燃えているストーヴを手で出した火傷した。それまでにして火災を守つたということも出ておりますが、そういうことも伺いたいのであります。それからこの災害に当つて北海道教職員組合が非常に全面的に乘出して、そうしてこの問題のためにいろいろ卒先して、これは一般の民衆の災害の援助のために立上つた。そういうようなことが非常に伝えられて、道民の感謝を受けておるということを聞いておるのですけれども、こういう点を岩動さんはどういうふうにつかんでおりますか。これは我々の聞いておるのはそういう形になつておりますが、併せてこれは現地を視察されたかたのお聞きになつたものとして、今のような点をお聞きしておきたい。
  237. 田中徳治

    説明員田中徳治君) 特に学校管理の面、或いは火災防止或いは生徒の避難につきましては、戰時中からもそうでございましたのですが、終戰後におきましてもその点は十分徹底いたしまして、学校長或いは職員一丸になつて、これらのことにつきましては平生から訓練を怠らず、万一のときを考えて始終対策を講じておつたということは聞いております。特に霧多布の小学校でございますが、ここに津浪が来るという情報に基きまして、学校長は全職員を集めまして教諭をやると同時に、その児童を全部校庭にとどめまして一歩も出てはいかんというような処置を講じまして、そうして正々堂々と裏山に避難したのでありますが、その間におきまして或いは家庭のかたが学校に参りまして、そのような非常措置を講ずるのは困る、我々の家庭の子供をどうしてくれるか、是非帰して欲しいというようなことで、相当に問題を起したということも聞いておりますが、学校長は断乎として、子供の授業時間中の責任は自分が持つということで以て、これらの地方民の声を反撃いたしまして、そうして裏山に避難させ、而も津浪の事情によつて一人々々を家庭に送り帰したというようなことを聞いております。地方民も初め学校長に対しまして申出たことを非常に悔いまして、今後はそのようなことのないように、是非学校長においても学校管理或いは生徒の訓練等につきまして十分一つ協力態勢をとるというようなことを申出たというような美談も聞いております。災害が今まで北海道になかつたことにつきましては、一般の民衆も余り関心を持つておりませんようでございましたが、特にそういつた災害の少いところにおきましてこれらの処置を講じたということは、非常に学校当局者の責任の強いということを明かに現わしている具体的の例でございまして、なおそのほかストーブを職員みずから或いは生徒自身が持ち出して火傷を負つたというような例もほうぼうに聞いておりまするこういつた点は、現地に行きまして如何に学校管理者が、或いは教職員が、学校教育或いは兒童の安全のために非常に積極的に或いは熱心にこれを遂行したという例は非常に多いのでございます。こういつた点を聞きまして、私たちも非常に感激した次第であります。
  238. 岩間正男

    ○岩間正男君 教員組合のことをおつしやらない。教員組合がどういう行動に出たかお聞きしたい。教職員組合のことはさつぱりお話がなかつたのですが、学校管理のことだけで……。
  239. 田中徳治

    説明員田中徳治君) 教職員組合の点につきましては、実は札幌に参りました当時教育委員会に行きましたのですが、その当時におきましては殆んど時間の余裕がありませんので、現地調査に参りまして個々の学校内容につきましてそういつた実例を実は承わつたのであります。
  240. 岩間正男

    ○岩間正男君 そういう点がお調べなかつたようですが、やつぱり教育一つの現われとして重要でありますから、ついでにこういうことはお調べを願いたい。非常に重要問題である。なぜかというと、こういう問題は組織を持たなければ……、事前に訓練というような面では戰争前の訓練と同じでありまして、(「宣伝するなよ」と呼ぶ者あり)これは私は問題外だと思います。そういうことではいけない。そうじやない。その後に起つた新らしい教員の団結と組織、そういうものによつて、而も單に学校だけの問題でなくて、今回の災害については社会面にも乘出して行つて、罹災民の問題についても働こうという態勢をとり、働いている。こういう実態が、あなたたちが管理の方面から職掌上から止むを得ないかも知れませんがこれは教職員については同時に今後でもいいから調査してもらいたい。これは重要です。教員組合がどうだこうだと足を引つ張ることだけは言つてますけれども、こういう面について道民が感謝の的となつている。そういう態勢については御調査がないとすれば実にこれはおかしい。教育行政というものを本当に見ていないということになる。これはあなたに要求するのは無理でありますましようが、そういう点はもつと虚心坦懐に見られたいと思います。   ―――――――――――――
  241. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) 他に御発言もなければ次に教育施設接收解除の問題を議題といたします。特別調達庁から堀井次長並びに管理部長がお出でになつておりますから御質疑を願います。
  242. 高田なほ子

    高田なほ子君 特別調達庁のかたにお伺いする前に丁度管理局長が見えておられますから伺いますが、三月七日の文部委員会の席上であつたと記憶しますが、被接収校舎の返還については特別作業班の中に文部当局からもその作業に参加せしめて、被接収校舎の返還に遺憾なきを期したいという御発言がありました。私どもは国務相の御発言を非常に重要視いたしまして、その後の経過については極めて首を長くして伺いたいと思つておるところでありますので、先ず特別作業班に参加した後の文部省のその作業の進行状態に関する経緯を局長から伺いたい。
  243. 近藤直人

    政府委員(近藤直人君) 前回この席でお話がございまして、文部省からも予備作業班に参加するということを言われましたが、その後外務省ともお話しいたしました結果、やはり定員その他の関係もございまして、文部省関係は随時事務的に連絡いたして交渉すると、それからこちらの要求は随時申出てもらいたい、場合によつては管理局長が臨時に参加して折衝すると、そういうような話合いになりましたものですから、文部省といたしましてもそういう方針で参ることにいたしました。その後外務省の国際協力局長或いは特別調達庁長官にもお会いいたしまして、具体的な場合の交渉の話をお聞きし、又こちらの要望するところも十分御連絡申上げたのでございます。併しながら只今までのところでは、前回この席で御説明申上げました程度でございますので、まだ具体的にははつきり申上げる段階には立至つていないのでございます。
  244. 高田なほ子

    高田なほ子君 米軍からの意向を私は仄聞するところによると、被接收校舎の返還については日本側のやはり強力な主張を要求されておるようであります。これは個人的に私は聞いたのであります。そういう際にこの人員が特別作業班に入る人員に関係があるので、まるでその臨時雇みたいな形に文部省がつき合されているということについては、私は誠に遺憾千万以上のものを感じるのですが、そんなふうなで、ことは極めて初期の目的を貫徹するように進んでおるのでしようか、どうですか。
  245. 近藤直人

    政府委員(近藤直人君) 予備作業班に参加する問題につきましては先ほど申上げた通りでございますので、やはり先方の都合もございますので、こちらからだけの案はなかなか向うでは聞き入れないというようなことでありますので、その点につきましてはなお今後私といたしましては申出でてみたいと思つておりますが、併しながらそれがために文部省の所管いたしまする学校の返還という問題が非常な齟齬を来たしておるというようなことは私はないものと確信いたしております。
  246. 高田なほ子

    高田なほ子君 先方の都合もあるのでというのですが、これは先方の都合だけ聞いてはおられないので、後段あなたがおつしやつたように、今後ともそういうところに十分意向を反映したい、併しそうしなくても別に差別はないように考えられるということを確信を以て答えておられるのですが、併しどうもあなたの確信と事実というものは極めて反対の方向に進んでいるようでありますが、これは後ほど又この点についてはお伺いしたいと思いますけれども、それでは現実に四十七校の警察予備隊或いは占領軍に接收されているものは、今日になつてどのくらい返されるという見通しがついているのか、これは文部省並びに特別調達庁次長にお伺いいたします。
  247. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) 私からお答えいたします。只今文部省側とお話のございました予備作業班の問題につきましては、実は学校問題につきましては原則的に優先的に返還するというアメリカ側の方針であるということを承知いたしております。従いまして今後の成行きを見なければはつきりはわかりませんけれども、学校が返されることはほかの建物に比較いたしまして早いことであろうと察している次第でございます。現在までのところどの学校が返るということは、まだ予備作業班の作業がそこまで行つてないように聞及んでおります。殊にこの学校を全部を一度に返すということは相当困難が、向うの現在おりますものの引移ります関係もございまするので、全部が一度に返るということは相当むずかしいものと思つておりまするが、期限を切りまして返されるのだと聞及んでおります。極く最近になりまして大体向う側の都合と申しますか、引移ります順序がはつきりするかと思います。現状におきましてはまだどの学校がいつ返るということは、この席上で御回答申上げられんという状態でございます。
  248. 高田なほ子

    高田なほ子君 どうものれんと腕押しのような答えで……。これは三月の初旬に特別作業班が持たれまして、学校の校舎の返還についてはすでに作業が始められているというお話であつたのです。ところがどうもあちらさんの方針、あちらさんの方針ということを言うのですけれども、もうこれはあちらさんの方針よりはこちらさんの方針を私は聞きたいくらいなんですが、こちらさんの方針がもつとはつきりしていない限りは、あちらさんの方針も立たんということになるのですが、まあこれは意見の相違ということになりましようが、向うの様子がわからなければいつ返つて来るかわからないということになれば、非常にこれは学校の子供も先生も実に不安やる方ない思いにかられている。大体これはいつになると見通しがつく様子なんですか。予備隊の再編成や何かとも関係があるのですか。それはどういうふうになつているのでしようか。
  249. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) 予備隊の関係は全然私承知いたしておりません。この問題につきましては只今御指摘のありました通り、我がかたからも主張しなければならん問題であります。只今交渉の段階といたしましては予備作業班を督促いたしまして、何とか早くこの目的を実現させる、こういう方法よりございませんので、予備作業班に十分我がかたの……、これは承知いたしておりますが、更に督促いたしまして、最近の機会にわかるようにいたしたいと考えております。
  250. 高田なほ子

    高田なほ子君 最近の機会というのは大体いつ頃の見通しですか。
  251. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) 実はざつくばらんのお話を申上げますならば、この委員会が今日ありますので私出ます直前に、実は現状を調べましたが、只今申上げますような現状でございますが、或いは今明日には東京地区のリストが判明するのではないかと、作業班のほうでも期待いたしておる次第でございます。
  252. 高田なほ子

    高田なほ子君 そのリストの内容をちよつと聞かしてもらいたいと思います。リストの内容を……。
  253. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) それは只今申上げました通りに、向うからまだ示されておりませんので、この学校はいつ頃まで使いたいとか、いつ返すとかいうことがまだ示されておりませんので、只今この席上でそのリストをお示しすることができないことを非常に遺憾に思います。
  254. 高田なほ子

    高田なほ子君 私がそういう質問をしたのは、こういう意味を持つているわけです。この被接收校舎のこの幾つか、四十七校上つておりますね、この四十七校のうちに東京にあるものが幾つか上つておるわけです。こういうもののリストを指しておるのか、先ほど近藤管理局長が非常に安心して言われたのですが、東京地区のリストが、新らしいリストが今都の教育庁で調査している、この調査は一体どこから命じたのですか。これは新らしいリストなんですか。新らしいリストという意味は、今学校に使い、而も被接收校舎になつておらない、なつておらないのです。それを現在今子供が入つておるわけです。例えば北区の豊島中学ですね。それから新宿区立の戸塚一中、目黒区立の東根小学校、同じく目黒区立の目黒一中、世田ケ谷区立新星中学校、世田ケ谷区立富士中学、世田ケ谷区立櫻丘中学校、中野区立第九中学校、北区の豊島中学校というように、新らしく、現在子供が入つて授業をしている校舎が明確にこれはリストの中に入つているように何か聞いておる。あなたが言われるリストというのは、被接收校舎を返還するリストではなくて、新らしく接收するためのリストも加えて、そうして新たな構想の下にもう一遍これが振り出しに戻つて、新らしい構想の下に作業を展開するという意味のリストを作つているのかどうかという意味なんです。
  255. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) 私の申上げました、判明するであろうと申上げましたのは、現在接收いたされておりますものが、いつ頃、この校舎についてはいつ返るかということがわかるであろうというリストの意味で申上げました。新たにどの学校が接收されるというようなことは、私まだ承知いたしておりません。
  256. 高田なほ子

    高田なほ子君 この何ですか、都の教育庁で、調査を命ぜられたのは、どこで命ぜられたのですか、これは……。現にこれは現実にあれでしよう。上のほうから学校に宛ててさつきも陳情が来たのですがね、学校に。この学校は返してくれという、そういう命令が、命令というのじやないが、まあそういう何ですか通達でありましよう。そういうのは現に来ておるのです。それを調達庁のあなたが御存じがないということはちよつと受取れないが、これはどういういきさつなんでしようか。その経緯を先ず伺いたいと思うわけです。大変な……。
  257. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) 東京都のリストにつきましては、全然私聞いておりませんが、実はここに只今委員からお示しを頂きました豊島中学長以下の陳情書にございます第二造兵廠跡の問題が非常に気にかかつておる問題でございます。この問題につきましては、日ははつきり覚えておりませんが、或いはこの地区が元造兵廠であるという理由から接收されるのではないかという問題が起きまして、利害関係者が非常に驚かれまして、何とか接收を免れる方法はないか、接收をやめてもらつてくれという話がございまして、特調といたしましても、至極く御尤ものことであると考えましたので、この問題につきましては、現在ではなお向うが接收する権力を持つておりますから、向うに頼むよりほかございません。アメリカ側に事情を具申いたしまして、接收の免除と申しますか、やめてもらうように申請をいたしたのであります。これに対しましては、アメリカ側から、今直ちに、この地区は接收しないということは言わない、こういう返事が参りました。ところが一方、校舎の問題に限りませず、新らしく接收いたしますものは、これまで行なつております通りに要求書に基きまして直ちに特調がこれを借上げて提出するという方法はもうやめた、今はやらない。中には土地、家につきましても、いわゆる要求の来たのをこれも差戻しましたような状態でございまして、この問題も第二造兵廠跡の問題につきましても、いきなりこれまでのやり方で接收されることはないと存じますし、その後いろいろな方面から話されして、現在のところは、いつ接收するということも聞いておりませんし、これは予備作業班でこの建物を出すべきか、出すほうがいいか惡いか、適当であるか当でないかということは論議される問題であります。いずれ合同委員会にかけられる問題だとさように心得ております。
  258. 高田なほ子

    高田なほ子君 あれですか、この接收する権力があるというようなことを言われましたけれども、向うの方針は、学校は接收しないという方針でありますから、これは権力というふうに解釈するのは大分おかしな話だと思うのでありますが、そういたしますとですね、なぜ、この北区の豊島中学の場合を指して言うのですけれども、接收されるかも知れないというふうに騒ぎ出したということは、現場の先生方は毎日教育しておるのですから、接收されるかも知れないというふうに感じるということは先ず私はないと思うのです。何かそこにされるかも知れないというような通達のようなものが、それは非公式であるかも知れませんけれどもあつたから、こういつたような陳情が来るのじやないか。この場合、先ほどあなたは米軍から要求があつた場合に、それをすぐ特調が取次いでやるということはないというふうに言つておられますけれども、そうすると、どういう順序で一体これは来るのですか、アメリカが直接その豊島中学にそういうことを言つて来るのですか。
  259. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) 只今権力云々と申しましたので、或いは誤解を招いたかと存じますが、実は今日までの占領下におきましては、向うから権力に基いてこれは接收するということを言つて参りました。その際には、どういう手続になるかと申しますと、家でも土地でも同じことでございますが、先ず向うで接收をしたいと思います土地なり、建物につきまして、特調に対して調査を命じて来ます。坪数が幾ら、所有者は誰、これを移転させるためにはどういう費用がかかる、いろいろな調査を命じて参ります。で、特調にいたしましては、これを調査いたしまして、向うへ出しますと、向うから正式に接收するという命令が来る順序であります。併し、これは今日までの占領治下の問題であるのでございまして、今後はそういうことは起らんはずであります。合同委員会にかけまして審議する、而もこれが適当だというときに、行政協定に基きまして提供するということに相成るのでございます。只今申上げました調査を出します前に、軍側で一応見ることがございます。恐らくこの第二造兵廠跡の問題につきましても、軍からここはどうだという、現地軍が見たこと等が、現におられます皆さんに対して刺戟を與え、御心配を與えたことではないかと存じます。なお、只今申上げました、今は接收しないということは言い切れないという向うから公文が参りました際に、特調といたしましては、関係省にその向きを通じたのでございますが、その後時間的のズレがございまして、大体今度は接收しないであろうということが察せられました後に、その公文が文部省側に届きましたために、いよいよやられそうだと言つて御心配を與えたのでございますが、これは全く只今申上げました事情を、一応文部省側へも通じておくべきだといつて出しました書類の時間的のズレの問題でございまして、現在では第二造兵廠跡が接收されるだろうということははつきりいたしておりません。ただ我々といたしましては、何とかこれは我々の希望か達せられまして、接收なしに済むようにということを念願いたしております。
  260. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) ちよつと私伺いますが、この来ております陳情書の中に、「図らずも、特別調達局から旧陸軍第二造兵廠王子工場は接收することがある、との予告に接し」と書いてあるが、この予告というのは、この文句で見ると、特別調達局から学校へ予告したというふうに書いてある、この点を今高田委員言つておるのだと思いますが……。
  261. 高田なほ子

    高田なほ子君 今言おうとしたところです。現実に証拠がある。
  262. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) これが事実かどうか。
  263. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) ここに書いてありますことは、只今申上げました、向うから接收しないということは言い切れないという公文が参りましたことを、文部省を通じまして、それが伝わつた結果、こういうふうに予告があつたと、こういうことだと思います。私のほうから各学校に対して、いつ接收されるというような予告はいたしておらんはずでございます。
  264. 高田なほ子

    高田なほ子君 成るほどそういうことあり得るかも知れませんが、併しまさか国会に出す陳情書に嘘を書いて来るはずもないと思います。三月十日特別調達局からGHQの命令により云々と、明らかに特別調達局から接收されることがあるという予告に接したということでありますが、もう一度これはお調べ頂いて、こういう書類や何かでこんなことができるとすれば、これは私随分学校にとつてお気の毒だと思う。こういうことをしておきながら、学校側では非常に心配をして、特別調達庁櫻井次長なり何なりに陳情に行つたという、私のところに手紙が来れおるのですが、学校だから心配ない、学校施設の接收は全然ない、安心していなさいという言明を聞いて、陳情団が引下つて来たが、如何にも心配でならないという手紙なんです。だからそういつたような言明をこの席上でして頂きたい。
  265. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) これは只今申上げました通り、決してここでとやかく事実を飾りまして申上げておる次第では毛頭ございません。櫻井君から申上げましたときには、この区域は接收せられないであろうという、大体の見当がつきましたときに申上げましたので、その後に、今申上げました、恐縮の至りでございますが、時間的のズレの問題で、文部省に通じましたものが、前のニユースがあとになりました関係で、いよいよやられる、又やられることになつたのだという感じを與えたのだと承知いたしております。それで現在では、只今申上げました通りに、第二造兵廠の問題は合同委員会で今後論議されまして、これは出すことが、提供することが適当だということに相成りません限りは、今のところ直ちに接收されることはないと考えております。    〔木村守江君発言の許可を求む。「今発言中だ」と呼ぶ者あり〕
  266. 木村守江

    木村守江君 今のお話の点は、(「委員長どうしたのです」と呼ぶ者あり)
  267. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) こちらに発言を許しました。
  268. 木村守江

    木村守江君 現在占領中でしよう。占領中なんですが、今あなたの申されるのは、占領治下でないような形式で接收されることになるという話ですが、現在占領治下なんですね。それでもそういうふうにできますか
  269. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) 先ほど申上げました通り只今は占領治下でございますけれども、今後は従来の通りの接收のやり方はやらない、全部合同委員会にかけてやるということを向うから申して来ております。
  270. 木村守江

    木村守江君 それでは結局豊島中学の人たちが陳情に行つたときには、その問題は一応もう見通しがついて、ついたものだから櫻井さんが陳情団に返事をして、そのあとに教育委員会に調達庁のほうから通知が行つた、そういうわけで以て、その通知が行つたということは一応解決しておる問題ですね。
  271. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) 只今申上げます通りに、そのとき櫻井君が申上げましたのは、どういうふうに申上げましたか、恐らくこの問題は今のところ接收される虞れはないようです、殊に合同委員会にかけて決せられる問題でございますから、只今は御心配がないと思いますということを申上げたのだろうと思います
  272. 木村守江

    木村守江君 一番心配しているのは、櫻井君が陳情団に対して答弁したあとに新らしくそういうような調達庁からの通達があつたのじやないか。
  273. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) それは只今申上げました接收しないということを今明言できないという通知はその前でございます。それが皆さんのほうに伝わりましたのは、あとから伝わりましたものです。
  274. 木村守江

    木村守江君 新らしく出たものではないのですね。
  275. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) 一旦これは逃がれたと思われたところを前の情報が伝わりましたから、更に又再度やられるのではないかという感じを與えた。    〔岩間正男君「文部省はそこを明らかにして下さい」と述ぶ〕
  276. 高田なほ子

    高田なほ子君 文部省はこういつたような問題についてはどういう一体態度をこれからおとりになるつもりなのでしようか。
  277. 近藤直人

    政府委員(近藤直人君) 特別調達庁のほうから私のほうへも通牒がございまして、この点はどうもおかしいので局長のほうへ実は確めておるわけでございます。その結果実は只今管理部長からお答えのようなことになりましたので、まあ一時安心しておつたのでございます。又いろいろ今のお話によりまして、今後はやはり我々が特調のほうにいろいろお願い申上げて、この問題の解決努力したいと考えております。
  278. 高田なほ子

    高田なほ子君 そうすると、結論としては、まだ海のものとも山のものともつかない。特に問題になつて来るのは、どういうふうですか、これは経緯がよくわからないのですけれども、特別調達庁のほうから調査を、米軍の要求がいささかあつて、特別調達庁のほうから調査をしている学校が、まあ東京都内で約九つ、十ですかある。而も接收予定の計画をしているのは、板橋の一中の分校と板橋区立の金澤小学校というふうに明確にこれは出ておるのですけれども、こういうことは文部省に何も連絡はないのですか、しないのですか、どういうふうになつておるのですか
  279. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) 只今の特調で計画をしておるということは、私承知しておりませんので、その今御指摘になりましたことは私にはちよつと実はわかりかねる状態でございます。勿論そういう問題が起きましたならば、先ほど申上げました、軍からの通知を出しましたが、そのときに非常にあわてることがあつてはいかんから、これはどうしても引越さなければならんという問題が起ることがあつた場合に、成るべく早目に関係省にお知りらせしておかなければならんという意味で、先ほどの通告を文部省なり各省へ出しました次第でありまして、只今御指摘の特調で現在調査しておるものはないと私は承知いたしております。
  280. 高田なほ子

    高田なほ子君 他の委員のかたの御発言もありますから、私は結論を……、もうこれで打切りますけれども、学校を接收しないというアメリカの方針であることは先ほど明確にされた。又日本政府も岡崎国務大臣の口を通して明確にされておる。そのことは……。然るにもかかわらず、次ぎ次ぎとこういう問題が現に出て来ておる。而も特調は余り知らないというような御答弁でありますけれども、これでは責任の所在が私はないと思う。一体どこにこういうことの責任の所在があるというふうに考えておられるのでしようか。藪から棒にこんなものが東京都の教育庁に幽霊みたいに出て来るはずはないのです。一体学校を接收するそういう仲立ちをする、こういう調査を命じておる、どこに一体責任があるのです。私はその大元をお聞きしたい。実にこれは私は不可解だ。大元を聞きたい。
  281. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) 先ほども申上げました通り、接收するということになりましたならば、私のほうに向うから……、今日までの問題でございます……、通知がございまして、それから先ほど申上げました手続をとるわけございます。今調査しておる云々というお話でございますが、私今日ただはつきりいたしておりませんことは、一番初めでございます、先ほども申上げました調査を向うから命ぜられたことは、私現在ないように思つておりまするけれども、これは私の記憶違いかも知れませんけれども、現在はさつきも申上げました通りに合同委員会で協議いたしまして、その上でなければ接收されることはないと存じております。
  282. 高田なほ子

    高田なほ子君 これはまさか今合同委員会を持たれておるわけではないと思います。これは結局予備作業班の作業の一つとしてこういうことが行われておるわけでしよう
  283. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) そうです。
  284. 高田なほ子

    高田なほ子君 結論としては合同委員会でやる、こういうことでしよう。……最後に一点お伺いいたしたい。ここに来ておられるお母さんがたは月島第三の父兄のかたですが、実に過去六カ年に亘つて自分の学校の返るの待つておられ、実に連日運動され、非常に心配されておる。今明日中にその結果についてほぼ東京都内のものについてはわかる、こういう先ほどの御発言でありましたが、ここでその詳細をお答えになることは非常に困難であろうと思いますけれども、現在挙つておりますこの四十七校の両も東京都内のマークされておる学校は、見通しとしてどういう程度に一体返還されるのか、大まかで結構でありますから、それを聞かして頂きたい。
  285. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) 実は都内の学校が接收されておりますことにつきましては我々も非常に関心を持つておりまして、誠にお気の毒だ、これは成るべく早く解除してもらいたいということで努力はいたしたのでございますが、今日までその実が結びませんので、誠に遺憾に存じておる次第であります。先ほど申上げました通り、今明日にも東京都内のリストがわかるであろうということを申上げました。その向うのリストを見ませんと、都内の何校が何月末に返るということははつきり申上げかねるのであります。これは私の想像であります。或いは七月末、九月末、こういつたふうに部分的に返されるのではないか、これは私想像いたしております。併しこれは対しては先ほどもお話がございました通りに、これは向うの言い分ですから、現在におきましては予備作業班を通じましてこちらの要求を早目に出しまして督促をいたしたい、かように考えております。
  286. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 お伺いいたしたい点は、予備作業班の日本とアメリカは対等の立場かそうでないか、どうですか。
  287. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) 現在私は対等に話が進められておるものと承知しております。
  288. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 やがて発足する合同委員会は全く対等の立場でやられるものと思いますが、どうですか。
  289. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) さように私も存じております。
  290. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それではこの接收施設の問題に関して或いは予備作業班或いは合同委員会が持たれるときに、これに臨む日本側の基本的態度、それを承わりたいと思います。
  291. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) これは予備作業班なり合同委員会の全般的のことを私の……、私は実は予備作業班にも入つておりませんが、そういつた方針とがこれに授けます訓令とかいつたようなものにつきまして、私の口からかくあるべきものだということを申上げることはいささか僭越だと私は存じますが、恐らくこの問題は行政協定に基きます義務と申しますか、施設なり区域を提供いたしまする義務でございまするので、これを果しますのと、所有者の権利と申しますか、そういうものとの調整の問題だと、さように考えております。
  292. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 これで私は、そういう相互的なものとか、行政協定に基くところの云々というようなことを私は伺つておるのじやなく、具体的に先ほどから質問の展開されておるように、アメリカは今日は教育施設は使わないようにするということは、占領当時から基本的態度として出て来られておるこういう文教施設を守るという立場から、日本側としては、少くともあなた個人としては、予備作業班並びに合同委員会に臨むに当つてですね、如何なる態度を以て臨むか。こちら側はこれはどうしても返してもらわなければならんのだと、接收されては困るのだという態度に出るのと、向うの発動によつてこちらが態度をきめるというというのでは違つて来ると思うんですね。話が占領下で、向うの話によつてこつちが従つて行くなら別ですけれども、対等の立場で折衝を持たれておるという、こういうふうにお話下さいますので、然らば日本側としてどういう基本的態度で臨むのか、それを一番大事な点だから、これを伺つておる。
  293. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) 勿論予備作業班に出ます者には、学校施設につきましてこれを成るべく早く日本側の手に返えしてもらうような方針で進むようにということを十分話しております。
  294. 岩間正男

    ○岩間正男君 第一にお聞きしますが、今明日中に東京のリストがこれは明らかになれば、公表はできないでしようが、この委員会には示すことができますか。
  295. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) これはまだ、それは来て見なくてはわかりませんが、公式に発表はできない程度ではないかと存じております。
  296. 岩間正男

    ○岩間正男君 それは合同委員会の決定を待たなければ公式に発表できない、こういうものですか。
  297. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) この点につきましては合同委員会が開かれますまで発表できないとか、或いは或る時期には発表できるものか、まだそこまでは私確かめておりません。
  298. 岩間正男

    ○岩間正男君 それも向うさんに聞かなければ発表できないのですか。私は大体非常に期待して待つておるんですが、今明日中にそういうことがわかるとすれば、少くとも委員会、この委員会ぐらいには、これは公表でなくて結構です、懇談で結構ですが、大体の話ができると、こういうふうに思うのですがどうでしようか。
  299. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) 今明日ということを申上げましたのも、私の想像としますか、勘と申しますか、はつきりしたことは申上げられませんが、できる限り、お話のできます限りは決してこれは我々において特に隠すという意味は持ちません。ただ問題は交渉の過程にありますものを、何もかも話してしまうということは、これは信義の問題になりますのでできないかも知れませんが、できる限りは御安心を願うニユースでございますならば、成るべく早く発表いたしたいというのも我々のやはり念願でございます。
  300. 岩間正男

    ○岩間正男君 それじや、それに又私たちはお聞きする機会を持つだろうと思いますが、そういうふうに願いたいと思います。次にお聞きしたいのは、こちらの学校は接收しないという方針ですね。これは政府も再三確認しておる、あなたがたも確認しておる。こういうものは向うで認められましたか、予備作業班は日本政府の方針というのを認めましたかどうか。
  301. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) 私の承知いたしておりまするのは、向う側が成るべく学校は早く返すということを申したように承知いたしております。
  302. 岩間正男

    ○岩間正男君 それじや政府の方針じやなかつたのですか、向うの方針だつたんですか。こちらは、政府はね、政府側はそういうことを我々が要求し、又下のほうから父兄の要求があつて政府の方針として向うへぶつかつて、そうして向うがそういうことを言つたんですか。それとも最初から向うは成るべく学校は返すという方針だと、こう出たんですか、そこはどうですか。
  303. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) 政府の方針といたしましても、早く返してもらうように交渉するということは当然でございますが、今向うの原則として、教育施設は早く返すと申しましたことは、如何なる折衝に基きましてそういうことが言われましたかは私承知いたしておりません。
  304. 岩間正男

    ○岩間正男君 その点はこれはやはり現在の予備作業班がこれを確認して、もう少し明らかにして置かないと、今後やはりこの問題は私は不明瞭だ。成るべくというような形容詞が非常に曲者です。それから今はなんというのは、こういう形容詞は非常にどうとも解釈されるのです。そのときのこれに携わる人のこれは判断で以て、あのとき成るべくとか、今はとか言つておつたので、てれは全然飽くまで学校優先ということは言つていないのだ、こういうようなことで、さつき懇談をしたと言われておるそういう通知を見ますると、接收しないということは今は明言できない、こういうようなこともあるのですから、私はこの原則が確認されるかどうかということは、日本政府としては非常に大きな努力をしなければ、現状において明確にされたとはこれは言えないと思うのですね。非常にあいまいです、依然として。だから先に行つてこれはどうする……、殊にあなたも今はしなくもおつしやつた行政協定に伴う義務、つまり施設や、それからいろいろなあそこのいわゆる我々は基地と言つておるのですが、こういうものを提供をする義務がある、こういうことになりますと、これは行政協定の第三條だつたと思いますが、第三條のこの規定によりますと、日本政府は当然これは義務を負つておる。そうしますと情勢如何によりましては、それらの施設或いはいろいろな設備というものは何ぼでも擴張できる。そうしますと、先に行つてこれは合同委員会が持たされて、予備作業班では一応こういうものは原案はできたけれども、少し情勢は変つて来た、殊に現在は御承知のように東亜の情勢というのは変つておる。まあ朝鮮の戰争というものは休職になるかどうかわからない。或いはなるかも知れません或いはならないかも知れません。それからその後のいろいろの日本を包むところの態度があるわけであります。そういう中で、どうしてもこれは先には、今はこれは成るたけ返すということを言つておるけれども、これはできないということになる。今あなたのおつしやつたような点を日本政府によつてはつきり確認して……この点がはつきりしない限りは非常に不安定に思いますが、この点どうでしようか。
  305. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) 将来の問題につきましては今御指摘がございました通りに不安だというお話でございますが、我々といたしましては、ともかく現状におきましては教育施設の接收をやめてもらうという方針で行かなければならんということは皆承知いたしておりますので、そのつもりで進んでおる次第でございます。ただその結果どうなりますか、これは私も保証はできかねますが、努力いたしたいと思います。
  306. 岩間正男

    ○岩間正男君 あなたは、あれは何日でしたかな、参議院におきまして満場一致で通りました、接收校舎ですね、こういうものを優先的に返してもらいたい、これを返さないということは、これは日米間の感情の上からいつても、こういう点はこれは是非民族的な立場において返してもらいたいという満場一致で決議案が通過しだということは御存じないのですか。
  307. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) 承知いたしてあります。
  308. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうするとこれは国会の決議ですから、その問題を徹底的にあなたたちは今度の折衝の中で、或いは今までの折衝の中でこれを向うにその意図を披瀝されましたでしようか、どうでしようか。この決議案というものは一応聞いて置く程度のものにされたのでしようか。これは尤もあなたにだけ全部お聞きしても或いは不明瞭かも知れませんが、少くともあなたの関知しておる範囲内におきまして……。
  309. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) その決議に対しまして、直接政府においてどういう措置をとられましたかは承知いたしておりませんが、今特調といたしましては、この教育施設の接收を免れますことは先ず予備作業班の作業におきまして交渉することが一番有効であり、且つ現在適切だと考えて進んでいるのでございます。
  310. 岩間正男

    ○岩間正男君 少くともこの交渉の過程で国会の決議、国会のこういう意向というものが伝えられましたか、向うへ……。国会ではこういう決議までしてこれは大きな問題として満場一致で以てこれを通しておる。こういうようなことは折角国会がそういう決議をしておるのでありますが、そういう意向を強力に伝えられておるのでありますか。
  311. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) 先ほど申しました通り私が予備作業班に出ておりません関係で、どのようにこれを伝えましたかはつきり現在わかつておりません。
  312. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうしますとこれは岡崎国務相の出席を願つて、そして政府の態度をあとでお聞きしたいと思います。もう一つお聞きしたいのは今度の豊島中学の問題ですが、こういう問題が起つた、東京都内で十カ所ばかり新らたに起つておる。我々は今までの接收されておるのは当然のこと、それから新らたなこういう接收校舎というものが起るということは期待し得ないが、今までの接收の四十七校についてはこれは一応何とか解決する。併し新らたな問題として起つた問題については、これはどうも範囲外である。こういうような解釈をするという可能性もあるので、そういうことになりますとこれは大変なことになる。これは我々はその点も含めて言つているつもりです。その点はどうあなたがたはお考えになつておりますか。
  313. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) 我々は現在接收されておりますものを早く返してもらいたいということと、新らたに接收されないということが第二でございます。実は豊島中学の問題につきましては、徒らに御心配をかけることはどうかと思いまして、只今まで申上げすにおりましたが、実は先ほども申しました通りこれは何とか接收を免除してもらいたい、この方針で行くことに間違いございませんが、あの地区はたまたま第二造兵廠跡でございますので、土地柄向うからこれは必要だということが言われやせんかという内心心配をいたしておることは事実でございますが、これに対しまして話の出ましたときには、只今申上げました通りに、現在においては予備作業班を通じましてこの実情を訴え、最善の努力をいたしたいと考えておる次第でございます。
  314. 岩間正男

    ○岩間正男君 これはやはりそういう形で今御説明なつたことが真相だと思うのでありますが、これは何ですね、国有財産になつておるわけですね、豊島中学は、現在……。そこで政府の立てた方針の中で、国有財産は民間とか公共団体の所有施設よりも優先的にこれはとつてもらいたい、これはたしか政府の接收に対する方針の一つだと思います。こういう点からこの問題が起つておるのですが、この豊島中学の問題はどうなんですか。
  315. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) 国有財産を優先的にということは、これは原則でございますけれども、それぞれその土地なり建物につきまして事情がございますので、これは我々といたしましてはその事情を、單に国有財産なるが故に唯々諾々としてこれを提供するということには相成らんと思います。かような学校施設のありますものを、これを接收されますならば、如何に我がほうにおいて困惑いたしますか、これは誰しもわかつておることでございますので、これは十分アメリカ側に徹底させたいと存じておる次第であります。
  316. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうしますと、政府では国有財産と一般の民間とか公共事業とか種々のものがあり、同じ学校を接收する場合、国有財産というものは先に優先的にやられる可能性があるわけですね。これはそうでしよう。政府の方針の中で、学校などは成るたけやらないと言つていながら、一方では同じ学校を接收されるという場合が起つたときには国有財産が先になる、こういうことが起るわけですね。これはどうなんですか。
  317. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) 只今お話の通りどちらかという問題が起つたときには、そういう議論が出るだろうと察しております。
  318. 岩間正男

    ○岩間正男君 とにかくこういう問題は旧陸海軍関係ということで、そういう可能性があるということでございますが、これは今の日本実情から考えまして、殊に学校として使つておる、そうして殊に地元の区長から拂下げの陳情が起つておる、そうして学校地区としてこれを確保したい、こういう問題が起つておるのですね。こういう点についてはこれは十分やはり事情説明すべきである。とにかく軍の元のものだというので、そういうものがどんどん接收されるということになりますと、何のための行政協定だか、それから何のためのアメリカの駐兵軍隊であるのであるか、非常に問題になつて来る。軍のそういう施設がどんどんもとに戻つて来るのでは、態勢は昔に戻る。こういうことに日本国民は非常な危惧を持つておるわけです。飽くまでも旧軍の関係だろうが、これを教育施設として日本文化国家として新たにこれを使いたい、これは日本国民の決意である。そういう決意が大きく結集されまして国会のああいう決議になつたのであります。あなた方は、政府はやはり大きくこの点を認識しませんと、日米関係にとつて非常に不利であり、又これは思わしくない国民感情を誘発する大きな原因となります。そういう点を徹底してやつて頂きたいと思います。これは岡崎国務相その他直接責任者をここに呼んで御質問したいが、あなた方もそういう考えでやつて頂きたい。
  319. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) 他に御質疑ございませんか。
  320. 高田なほ子

    高田なほ子君 管理局長に私はお尋ねするのですけれども、東京の例でもわかるように、こういう問題が突如として起つておるようですが、全国でも恐らくやはりこういう問題が出て来ておるのではないかと思うのです。こういうものを一つ調査いたしまして、早急に私どものほうに資料を出して頂きたいと思います。これは是非お願いします。  それから最後の一点でありますが、今明日中に大体東京の様子がわかるようでありますが、この際この接收校舎が解除になつた場合に、移転に要する費用、それから改造、それから破壊された部分の復旧の費用、それから施設のこわされた場合のこれに対する整備の費用、こういうものは学校施設確保に関する法律にあるように、あの條文が学校の場合に適用されるのかどうかという問題を一つつておきます。
  321. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) 建物が接收解收になりました場合にはその現状を直ちに確認いたしまして、どのような状態でこわされておるか、様子が変つておるかということを確認いたしまして、それぞれ損害を受けておりますものについては、補償をいたすわけであります。一番問題になりますのは国庫の金をかけましてよくなつておる場合に非常に困難を感ずるのであります。恐らく学校関係ではさような問題が起ることはないであろうと思います。
  322. 高田なほ子

    高田なほ子君 そうするとよくなつておるというのはそちらの確認ですから、大体接收校舎に対しては飽くまでも予算も何も考えておらない。端的にはそうですね。
  323. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) そういう意味ではございません。補償はいたします。こう申上げておるのであります。
  324. 岩間正男

    ○岩間正男君 こういう豊島中学のような問題がほかに全国で起つておりますか、東京だけの問題ですか。
  325. 長岡伊八

    政府委員(長岡伊八君) 私の承知しておりますのはこれだけでございます。
  326. 岩間正男

    ○岩間正男君 文部省関係は無論しませんでしような。こういう問題は早く文部省調査して、そうしてこちらに報告して下さい。これは切望しておきます。
  327. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 委員長ちよつと資料要求……、局長に資料を要求いたします。先ほど恒久的な災害対策につきまして内容的には伺わなかつたわけですが、現在局長研究中とありますが、文部省の現段階における構想というものを資料によつて提出して頂きたい。それによつて改めてお伺いいたしたいと思います。
  328. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) 他に御質問がございませんければ本日はこれにて散会いたします。次回は四月三日午前十時に委員会を開きます。    午後五時二十一分散会