○矢嶋三義君 懇談会に入る前に、
大臣並びに管理
局長にお伺いしておきたいと思います。先ず
大臣ですが、私は現在
我が国が非常に重大段階にあると考えます。と申しますのは、これはアメリカの本意に反すると思うのでありますが、私の見又聞き、判断する
範囲内においては、少くともこの反米思潮というものは相当に大きく浮び上
つて来つつあると思います。だからとい
つて親ソ思潮が浮び上
つて来ているということにはならないと思うのでございますが、その間隙を縫
つて、私は超国家主義的な民族思潮というものが起
つて来るのじやないか。そこに我々今歩みつつあるところの民主主義新日本の建設という立場から私は非常に重大な段階にあると思うのです。これを如何に調節して行くかということは、私は当面最も大事な問題じやないか。その問題の、やはり被接収
学校舎の返還というのが一つとして大きく取上げられると思うのです。現在
大学からまあ
小学校の
生徒というものは、我々が侵した太平洋戦争の大きな犠牲者であ
つて非常に気の毒だと思うのですが、こういう
生徒、
児童諸君に、講和條約を結んで独立したという喜びを彼らに浸らせ、それを現実に見せつけるものとしては、何と言
つても私は接収されているところの
教育施設並びに設備というものを一刻も早く彼ら
生徒、
児童に返還してやるということが最も私は大事なことではないか、こう考えるのであります。
天野文部大臣はそういう基本的なことを私が申上げるまでもなく十分御認識の上で御努力なさ
つているようでございますが、よく
大臣のお言葉の中に、岡崎国務相も非常に理解があり、十分連撃をと
つているということを申されます。本日も申されているようでございます。私もそれを認めるのにやぶさかでありませんが、併し先般も私は本
委員会で岡崎国務相に対してポ宣言に伴うところの命令に関する件に基く文部省
関係諸命令の中に、
教育施設をどこまでも確保しなければならないという命令が出ておつたが、その
趣旨に基いて校舎返還というものについて努力しているのかという質問に対しまして、岡崎国務相は、それはポ宣言に基いてできたものであるから、講和條約の発効と同時になくなるのだと、こういう意味のことを言われて、私としては、その校舎、接収
教育施設を返還するに当
つて、一体基本的な
教育施設が非常に重大だというあの
一條の精神に基いて岡崎国務相が努力されているのかと思
つておりましたが、その点非常に私は心外に思つたわけでございまして、又岡崎国務相が一応ポ
政令でできたのだから、講和條約の発効と同時に一応失効はするが、非常に
教育施設は大事であるから、それを確保する意味において現在の国会に更にそれを存置するところの
法律案を出してあります、こういうふうに冒頭から答弁して頂ければ私は了とするのでございます。その点非常に明確を欠いた。こういう点に岡崎国務相は本当に、
大臣から努力されているというのですが、どのくらい努力されているのか。更に
天野文部大臣が、岡崎国務相に非常に強力に交渉されているということを承わるのでございますが、どの程度に
天野文部大臣のその御意思が岡崎国務相に圧力として加わ
つているかという点に一点の懸念なきを得ないのでございますが、それらについて
大臣の御答弁をお願いいたしたいと思うのでございます。それからもう一点は、これは所管
大臣でないのでちよつと御無理かとは考えますけれども、私はこの際お伺いいたしたいのは、駐留軍は当初伝えられるところによりますというと、
我が国の大都市から遠ざか
つて駐留する。
従つて総司令部あたりも埼玉県の朝霞あたりに行くのではないか。そこらあたりが中心にな
つて今後駐留するのではないかということがずつと前にかなり大きく伝えられたようでございますが、昨日あたりの新聞、或いはラジオを見ますというと、牛込の旧陸軍士官
学校のあたりに総司令部が置かれるというように、これはまあ新聞でございますが、それで拝見したわけでございます。どういう過程を通
つてそういうように変換されたかということは知るよしもありませんが、この一点からも都市内におけるところの被接収
施設というものは返還に難点が出て来るのではないか。東京、横浜についても、或いは神戸あたりにつきましても、都市の中枢の一番いい所を建物といい、土地といい接収されておるわけでありますが、これは講和條約発効後においては、やはり両国の合意の下に考慮されなければならない問題だと考えるのでございますけれども、昨日の新聞あたりから拝見するというと、
大臣は努力されておると言われますが、都内におけるところの
教育施設の返還というものは、又難関にぶつつかるのじやないかという懸念をいたしておるものでございますが、これらに対しまして所管
大臣でないので、
天野文部大臣にお伺いすることは私は当を得ないものと考えますが、非常に関通性がありますので、これをお伺いするわけでございます。それから第三点にお伺いしたい点は、これはやはり合同
委員会で今後やられる問題で、岡崎
国務大臣の所管でございますが、
内容的には
天野文部大臣の所管だと考えるのでございますが、先般岡崎国務相に、日本の醇風美俗を維持して行くという立場から、占領軍が駐留軍に変つた場合の
我が国の
法律をどの程度尊敬して頂けるかという立場から、例えば
国立の文教地区という問題を私から、又高田
委員からも質問したわけでありますが、そのときは時間がなかつたから長く質問できませんでしたけれども、岡崎国務相の答弁は極めて私は通り一遍の常識的なものであつたと思うのですが、
我が国の
法律を尊重するとは言いながら、私は実質的には殆んど
我が国の
法律を適用、運用することはできない。具体的に言うならば、
我が国で数少いああいう
国立の文教地区というような所も、実質的に私は
我が国の
法律が蹂躪されて、あの学園がやはり紊されるのじやないかという点を懸念いたします。そういうことにつきましては、私は両国の合意でございますが、強力なる交渉によ
つて私は何とか
国民、特に学生諸君の希望に副うようなことができると思うのですが、あの岡崎国務相のああいう答弁の状況では将来懸念されると思うのですが、これらについての改めて
文部大臣の決意を承わりたい。
最後に承りたい点は、これは
大臣並びに管理
局長でございますが、これはいつぞやこの
委員会でちよつと動議として出しました、本日実現せずにおります、と申しますのは、今被接収
教育施設を論じておるわけでございますが、これと関連しまして独立後の
教育の全般に亙るところの
教育施設の問題でございます。接収されているところの
施設を返還してもらうのも一つでございましよう。更に戦災復旧の問題がございます。或いは
災害復旧の問題がございます。本会議でも問題になりましたところの〇・七坪の最低応急基準完成のために、計数上十五万坪の差が出ているのです。それらについては若干の大蔵
大臣は考慮すると、或いは人口増に伴うものについても考慮すると言
つておられますが、そういう十五万坪の中に人口増が入
つているのか入
つていないのか、そういう点も
大臣或いは主管
局長の答弁では明確を欠いている点があると思うのでございますが、こういう一連の
教育施設の確保という問題を、今日は詳しい答弁要りませんが、極く近い機会に極めて詳細なる資料に基いて、文部当局のこれに対する対策並びに御所見を詳細に、それは本日でなくてよろしいのですが、承わりたいと思いますが、基本的なことだけにつきまして本日御答弁願えれば幸いだと思います。以上四点について。