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1952-02-21 第13回国会 参議院 文部委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年二月二十一日(木曜日)    午前十一時二十六分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     梅原 眞隆君    理事            加納 金助君            高田なほ子君            木内キヤウ君    委員            木村 守江君            黒川 武雄君            荒木正三郎君            棚橋 小虎君            河崎 ナツ君            岩間 正男君   政府委員    文部省社会教育    局長      寺中 作雄君   事務局側    常任委員会専門    員       石丸 敬次君    常任委員会専門    員       竹内 敏夫君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○教育及び文化に関する一般調査の件  (昭和二十七年度文部省関係予算に  関する件)   —————————————
  2. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) これから委員会開きます。  文部予算についての質疑を行いたいと思います。
  3. 高田なほ子

    高田なほ子君 ちよつとお伺いいたします。雨天体操場必要坪数七千七百坪ありますね。そうですね、それのつまり今度の組まれた予算必要坪数を満たす十分の一ぐらいの費用にしかならない。これは四カ年計画の一部として考えているのだという御説明を私は承わつたように記憶している。そうするとですね、要求額の十分の一くらいのもので、而もそれは四カ年計画の一部だということになれば、これは大変矛盾して来ると思う。十分の一なら、それは十カ年計画だというふうにまあ考えるわけなんですがね、平均で言えば……。特に最近の再軍備予算の膨脹というものは、更に年次を逐うて私は測り知れないものになつて来るように危惧を持つ。そうすると、今年要求額の十分の一きりつていないとすれば、その四カ年計画というものが折角立てられても、これは崩れてしまつて北信地区の積雪寒冷浸湿地帯雨天体操場設置というものは、文部省のお考えになつている基本的な方針というものが画餅に帰してしまうということを非常に憂えるわけであります。そこでなぜこの十分の一という数字がここに挙げられ、果して四カ年計画というものが数字通りに行くか行かないかという見通しと、なぜ十分の一きり今度とれなかつたかというその経過であります。それを一応承わつておきたいと思うのであります。
  4. 寺中作雄

    政府委員寺中作雄君) 積雪寒冷地帯屋内体操場計画は、これは一定基準がございまして、冬季三カ月の温度が零度以下であるというような細かいまあ基準によりまして、必要なこの地域が指定をされておりまして、その基準までの不足坪数が三十一万坪ぐらいになつておるのでありますが、それを四カ年計画にいたしまして、七万七千坪というものを要求いたしたわけであります。それがまあ約十分の一認められたということで、只今お話がありましたように、非常に要求とは隔つたものになつたのでありますが、これは六三の建築計画と並行的に考えておるのでございまして、やはりこの六三建築必要坪数を満たすということを第一義、優先的に考えておりますので、一定財政の枠内で三十四億をこの六三制の建物に出した場合、寒冷地屋内体操場のほうは何と申しますか、これはあと廻しになるということになるのでありますが、六三制完成について必要な坪数が満たされたのちには相当充実した計画で四カ年計画を更に縮めるようにもいたしまして、これを一気に完成しよう、そういうような意味で私ども考えておる次第であります。ともかくこの屋内体操場不足も非常に緊急な問題でありますが、先ず六三制建物ということで、来年度は六三制はどうしても完成ということには行くと思いますので、それと同時に屋内体操場のほうも相当額、今年要求したくらいの坪数は見てもらえるものというふうに思つております。
  5. 高田なほ子

    高田なほ子君 そこが問題だと思うのです。つまりこの基準のきめ方というのは、冬季三カ月零度以下という基準であるという御説明であつたと思う。つまり積雪地帯において、或いは寒冷地帯において零度以下ということは、これは一応の基準になるかも知れません。併し北信地帯というのは必ずしも零下三度三カ月続いているだけが雨天体操場を必要としないのであつて、非常に石川、福井なんというところは雨が多いわけです。つまり私がさつき言つた湿地帯である。三百六十五日のうち晴天は二十日くらいにしか過ぎないというようなデータがとられているわけです。成るほど積雪寒冷地帯は、それは先ず見なきやならないけれども、そういう日本の特殊的な気候の上から浸湿地帯基準外に外されているということは、これは非常に私は問題だと思うのです。この浸湿地帯に対して文部省はどう考えているかということが一つと、それからもう一つは、一体教育機会均等という建前から六三制を完備して、然るのちにこういうものをやつて行くということを言われますけれども、こういう積雪寒冷地帯或いは浸湿地帯というのは〇・七坪を完成する上において、これはプラスアルフアしなければ教育機会均等にならない。全部〇・七坪完成してから、然るのちにこれを建てるということでは、これはちつとも教育機会均等にならない。そういう寒冷積雪地帯並びに浸湿地帯に対しては〇・七坪プラスアルフアというものが出て、それを解決することが初めてこれが私は教育機会均等だと思う。私から言うまでもなく、実に北信地区の浸湿地帯児童たちの生活なんというものは陰惨を極めている。そういう陰惨を極めているものを六三の何ができてからというようなことでは、いつ解決するか私はわからないと思う。まして来年度あたりは、もう六三建築完成するだろうというような楽観的な見通しをされているが、実際にこの間の説明にもあつたように、必要坪数完成坪数の実際は十五万坪も開きがあるので、その十五万坪の開きというものが今ここにぼうつと出て来て、その完成さえも私たちは非常に危惧しているのに、来年度はこれが完成できて、そのあとにこういうものをやるのだというようなことでは、いつできるか私はわからないと思う。先ほどから繰返しますが、その基準について、いわゆる浸湿地帯に対する基準はないのか、更に六三ができ上つてからこういうものはやるという考えが間違いであると考えないのか、この二点をお伺いいたしたい。
  6. 寺中作雄

    政府委員寺中作雄君) 寒冷地基準については、一応全体のいろいろな条件を調べまして、先ず優先的にこれこれの条件のあるところはということで一定の線を引いたわけでございまして、それをやるだけでもまだ相当の努力を要するわけなんでございます。浸湿地帯ということも十分考慮の必要があると思いますので、そういう特殊条件も加えまして、将来はこの基準漸次に直して行く必要があるというふうに考えております。それから六三制が終つてから屋内体操場というのは困るという御意見でございますが、御同感でございまして、六三制と同時に六三制と同様くらいの意義を以て考えるべきものであるとは思いますが、ただ予算を検討する場合には、やはり財政の枠という問題がこれが一つ締め金になつておりますので、やはりその関係から言いますと、六三制が先ず第一でありまして、その部分に相当とられれば、従つて屋内体操場のほうは漸次に止むを得ず二次的に一応六三のあとから考慮されるという形にならざるを得ないのであります。高田先生の御意見御尤もなんでありますが、実際財政の枠ということに縛られて、止むを得ず二次的に考えざるを得ないというような事情も御了察願いたいと思います。
  7. 高田なほ子

    高田なほ子君 財政の枠が締め金なつでいるということは、これは誠に尤もな話なんです。それが締め金になつているからこそ、六三制を完備するということの計画の中に、こういう特殊事情のものを加えて考えて行く。つまり当初からそういうものを加えて要求して行けば、その財政の枠の中でも相当に私はこれは確保されて行くと思う。で、私があなたに強く希望したいことは、締め金になつているから駄目だというのではなくて、〇・七坪を完成する途上において、こういう特殊地帯のものをプラスアルフアとして計画の中にはつきりと入れて行く。第二次ということでなくて、これをプラスアルフアしなければ、六三制は実施できないのだという基本的な考えを持つて要求してもらいたいということを言うているのです。それからもう一つですが、この浸湿地帯というものも考慮に入れている、誠に結構でありますが、漏れ聞くところによりますと、各地方々々でも、やはりこういう少い予算の粋なものですから、分捕り競争、中央に非常に活発に運動しているものに優先的にその費用が落ちて行く、こういう傾向を私は認めている。でありますから、この浸湿地帯のものも多少加味するというか、やはり一定基準というものを作つて、公平にそれが行われなければならないと思うので、若しそれについての具体的な案ですね、予算配分についての大まかな案というものがあつたら、あとで結構でありますから、そういう資料是非御提示願いたい、これを要求して私の質問を終ります。
  8. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 今高田さんから御質問があつた問題に関連しているのですが、この間北陸地帯文部委員会から派遣せられて視察したのであります。これは北陸地帯だけでなしに、東北、北海道も同じ条件にあると思う。で、その地方における雨天体操場の問題は、学校においても、地元においても非常に困つておるわけであります。そこでこの問題を解決する私は方法としては、文部省考えを改める必要があるのじやないかと思います。それはどういう点かというと、雨天体操場というものを六三建築と切離して予算措置をしているというところにあるのじやないかと思います。これでは十分予算がとれないということはわかり切つた話である。屋内体操場は、いわゆる東北北信における屋内体操場は私は教室だと思う。大体一年の半分運動場が使えないのですから、それを体操教室として使う、こういう状態にあると思うのです。特に発育盛り生徒児童にとつては、この体操教室というのはこれはほかの学課の教室と何ら私は変らない性質を持つているのではないか、重要性を持つているのではないかと思う。そういう意味において六三建築予算、それから屋内体操場予算と、こういうふうに分離して予算措置をすると、どうしてもこういう雨天体操場のほうの予算はとりにくいのじやないか、これを一本にしてとる、こういう措置のほうが考え方としてはいいのじやないか、こういうふうに思うわけなんです。いずれにいたしましても、私はこの雨天体操場の問題は一億円くらいの予算では誠に困ると思うのです。これは追加予算においても、本年度追加予算において相当費用を見るべきである、こういう見解を持つていますので、十分考慮して頂きたいと思うのです。ただ予算的措置として一本にしたほうがいいのじやないか、こういう私の見解に対して文部省見解を伺いたいと思います。それからついでにこれは質しておきたいのですが、この間の予算委員会で、大蔵大臣予算説明を一通り聞いたわけですが、その説明の中に六三建築は一応本年度を以て完了するということを言つておられた。これは非常に私は重要な意味を持つていると思うので、一応六三建築は今年で完成するものと考えている、こういう考えなんです。ところが我々の承知しておるところでは、六三建築はまだまだ〇・七坪に達するまでには相当坪数を残しておると思うのです。文部省もそのことは資料として我我に提出しているわけなんです。こういう食い違いができている理由はどこにあるのか、これは私は文部省相当な手落ちがあるのじやないかと思うのです。文部省はこの間の説明を聞くと、来年度からは六三建築としてとらないで、何とか別な方法でとるほうが有利であるというふうなことをちよつと言われたのです。そういうことをすれば、六三でさえとれない予算がほかの費目でとれると私は思えないのです。そういう意味において、これははつきりとした方針を堅持して行かないと、今後六三建築予算というものは流される心配があるというふうに感じますので、こういう点についても一応文部省考えをここで説明をして頂きたい、こういうふうに考えます。その二つ……。
  9. 寺中作雄

    政府委員寺中作雄君) 寒冷地屋内体操場計画は、お話のように六三制と同様の重要性を持つものであり、文部省といたしましては、これは一つのものに考えておるわけであります。六三制を一品に三十七億とれたという中には寒冷地屋内体操場の問題を含めているわけなんでございますが、ただ積算基礎といたしましては違うわけでありまして、六三制は御承知のように一人〇・七坪でありますし、屋内体操場のほうは、中学校について一人〇・二坪、小学校について一人〇・一五坪というような積算がございますので、従つて要求書の形は二つに分れるわけであります。で、これを見る大蔵省のほうが、これを査定する場合にやはり〇・七坪の完成が先ず第一だという気持計画的に考えますし、屋内体操場のほうはこれも大切なんでありますが、考え方としては前年度額を一つ出して、それで六三制のほうに余裕ができたときには一挙に解決しようというような考え方もしているのじやないかと想像もされるわけなんでありますが、そういう意味で私どもとしては同様なウエートを置き、重要性を以て一つのものとして考えておりますが、実際の折衝なり、結果におきましては、以上のようなことになるということになつているのであります。それから六三制の〇・七坪が大蔵省完成していると、文部省では完成していないという食い違いがあるというお話、これに関する私がこの前速記を止めて頂いてちよつとお話し申上げたことが今問題になつたわけなのでありますが、これは実は六三制を根本的に計画的にやり直さなければいかんと出発いたしましたのが、二次的出発をいたしましたのが、二十五年の初め、二十四年の終りにおける調査でありまして、そのときに百四十五万坪というものが不足坪数として出ておつたわけであります。二十四年度においては、それだけを完成すればいいという数字であつたわけであります。二十五年、二十六年とやりまして、それだけの数字を引いて行きますと、二十七年度においては二十三万九千坪というものが残るのでありまして、それを来年度二十七年度にやるのでありますから、そこで大蔵省としては〇・七坪完成したというようなふうに一応言つておられるのでありますが、併し実際二十四年度から二十七年度の間にはいろいろそこにズレが出て来るのでありまして、第一に人口異動というようなものがございまして、戦災を受けた都市が復興いたします。につれて人口がそこに帰つて来る。田舎のほうは、〇・七坪のうちに数えられておつた田舎のほうはもう校舎完成している、多少余裕が出て来て都会のほうがつまつて来る。都会のほうでは人口増になつて来るというような状況が現われましたし、又実質的な児童増というようなものもあるわけであります。毎年々々その年の〇・七坪で具体的な坪数を計算いたしておりますと、きりがないということにもなるので、大蔵省としては、二十五年度の最初に百四十五万坪というものがあつた、その計画基礎にすれば来年度完成できるという一応数字上の見解をとつたわけでありますが、併し実際の面におきまして、只今言いますような人間の動き、或いは鉄筋補整というような問題も新らしくありますが、これは鉄筋コンクリートにすることによりまして、廊下の幅を普通の木造建築よりも少し広くしなければならないというような関係ズレも出ているわけであります。こういうような関係大蔵省も認識しております。文部省もその資料を出しておるわけなのであります。その差が十五万坪というものになつて現われておりますが、これは二十八年度予算審議の際には是非とも解決してもらうつもりで文部省は深い決意を持つております。が、ただその十五万坪を認めさせる方法といたしまして、私がこの前ちよつと申しましたように、〇・七坪の完成ということを言いますと、二十五年度計画から言えば、もう完成しているのじやないかというようなことも言われるのです。そういう面で、これの名義の付け方についていろいろ研究をしているというようなことを申上げた次第でございます。併しいずれにしましても、大蔵省としても、来年度二十八年度は何とかしなければならないということを言つておりまするし、我々もこれを必死になつて要求するつもりでおります。又具体的データも、調査の結果もいろいろ変つて来ている点もありますので、その点はもう一度慎重な詳細な調査をいたしまして、今後に備えたいという考えを持つております。
  10. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 そこで雨天体操場の問題ですね。これは先ほど高田さんからも指摘されたように、文部省要求額の十分の一しか通つておらない。こういう結果のようですね、いずれにしても非常に額が少いわけです。これに対しては補正予算追加要求をする考えがあるのかどうか、こういう問題が一つです。それから六三建築の問題については今説明を伺いましたが、どうもよくわからないのです。これは六三建築は一応これで終了したと、大蔵大臣政府として説明しているわけなんですから、一応終了したんだ、こう言つているんですよ。これは私は重要な問題、将来に重要な問題を残しているんじやないかと思うのですが、ここで文部省が態度を明確にして置かないと、六三建築はまだ継続として残されているんだ、こういうことをはつきりしておかないと、今後予算がとれないんじやないかというふうなことを考えますので、これは私はあなたに、これを特に追及するということも私は多少どうかと思うのです。これは大臣相当責任を持つてもらわなければならない問題だと思うのですがこの点私は御注意として申上げておきたいのです。先ほど追加予算の問題、それから追加予算の問題でもう一つあるんですよ、小学校老朽校舎ですね、この予算が全然見られておらないわけですね。ところが老朽校舎の問題は非常に多いわけなんです。これは文部省資料によつても、危険にして使用に堪えないものが四十万坪あると言うのですからね、これを放置することはできないと思うのです。これを追加予算でとるかどうか、そういう考えがあるかどうか、それを伺つておきたいと思うのです。
  11. 寺中作雄

    政府委員寺中作雄君) 追加予算の問題は、これはちよつと今申上げられないと思うのであります。というのは、大体この当初予算を組むときに追加予算がある見込みであるというつもりで組むわけには行きませんから、これは年度途中に現われた不足必要状況によつて追加予算という問題が出て来るのでありますから、そういう意味追加予算を約束するというようなことは、これは国会立場としても、又政府立場としても、ちよつとしにくいのではないかと思います。追加予算を組む機会が若しあるならば、大いにそういう面を研究しなければならないと思いますが、建前としましては、追加予算というものはないものだという気持で私どもは仕事をしておるわけであります。それから六三制が、私の説明が何と言いますか、如何にも何かからくりでも申上げておるようにおとりになつたかも知れませんが、そういう意味ではないのでありまして、この六三制が完成していないということは大蔵省でもよく知つておるのでありますが、ただ百四十五万坪の当初の計画から言えば数学的に完成したことになるということなんであります。そこでこれをどういう形で要求するかということは、これは研究を私どもしておるのでありますが、これは国会のお立場としても研究をして頂きまして、それはやはり六三制で進むのが当然だということであれば、それも結構なんでありますが、ただ一般の政治の考えとして、六三制には飽きたというような気持が若しありとすれば、そういう考えに乗つてつて不利に陥つてはならんというようなつもりで私ども研究しておるということを申上げた次第であります。
  12. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 それでですね。老朽校舎の問題、これは要求が全然認められなかつた、こういうことなんです。この間私は岐阜県へ参りまして、教育委員のかたに話を聞いたのですが、何かちよつと風が吹いて校舎が全部倒潰したという話を聞きました。丁度それは授業中でなかつたので、放課後であつたので犠牲者は出なかつた、こう言つておりました。そういう危険な状態のものがかなりあるわけなんです。四十万坪もあるわけなんです。これを要求して予算が全然通らないと、それから追加予算がわからないというのに、文部省が引退つて来たのは何故か、私はお互いにまあ教育者の身にもなつて考えてもらいたいと思うのですよ。そういう危険なところで多数の大事な生徒を預つて、これは責任を以てやれるかどうかという問題ですよ。これはやはり早急に対策を立てるべき問題であるというふうに私は考えている。それを今年度において予算計上ができなくて文部省引退つたというふうなことでは、これは私は困ると思うのですがね、何故そういう点を主張し得なかつたか、そういう点を明らかにしてもらいたいと思うのです。
  13. 寺中作雄

    政府委員寺中作雄君) 老朽校舎の問題は、これは非常に面倒な問題であるということは、これは一つの筋の問題でございまして、筋と申しますのは、校舎設置する責任者がどこにあるか。で、文部省の従来の考え方から言いましても、又大蔵省考えから言いましても、学校の経営は施設設置市町村当局がやり、教官の俸給は国と地方で半分々々持つということがまあ従来からの筋であるわけです。併し今日四十四万坪の使用禁止老朽校舎が現にできておるので、これをどうするかという問題に今迫られているわけなんでありますが、これはまあ普通の状態であればそういうものは出て来ないんで、市町村が当然設置者責任として修理するなり、建て替えるなりするのでありますが、戦時中に資材もなく、金も梗塞をして、その後六三制のこの義務教育延長関係から、いろいろな負担を負わされて、この面がなおざりになつて来たために、こういう面倒な問題が残つて来た、こういうことになるのでありますが、そういう意味で今この四十四万坪が非常に危険だから、すぐ国費を出すべきだということに仮にいたしますと、いわば従来の考え方の筋に対して一つの新らしい変更を来たすわけなんであります。で、そういうことになりますと、まあ校舎が古くなれば何でも国費から補助が出るという考えになつて来た場合に、果してこの校舎に対する国民としての育成保護気持が起るだろうかというような関係もありまして、それでこれがなかなか予算折衝としてむずかしい問題になつて来るわけであります。それで文部省として今持つている対策と言いますか、一つの案はあるのでありますが、それはやはり一種の国と地方どの両者による校舎補償制度のような、負担金を出し合つて、そこに一つの金のポンドを作つて、それによつて年々古くなつた校舎を補修する金を廻して行くというようなことも考えております。とにかくこれは非常に重要な問題でありますが、今申しましたような考えの切替えというような面で非常にむずかしい問題になつている。そういうことを前提にいたしまして、具体的に今至急に対案を練つておるのであります。
  14. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) ちよつとお諮りいたしますが、大臣及び給与準則関係官先ほどから連絡いたしましたが、今日は出れない、それと会議中で遅れる。今日は午後一時から接収施設の視察をすることになつておるのであります。そこで今の予算質問なり、それから大臣及び給与関係官に対する質疑を次回に譲つて、今日はこれで散会いたしたいと思いますが……。ちよつと速記を止めて……。    〔速記中止
  15. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) 速記を始めて……。それではこれで散会いたします。    午後零時九分散会