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1952-02-15 第13回国会 参議院 文部委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年二月十五日(金曜日)    午前十一時二十一分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     梅原 眞隆君    理事            高田なほ子君            木内キヤウ君    委員            川村 松助君            木村 守江君            黒川 武雄君            高良 とみ君            高橋 道男君            堀越 儀郎君            矢嶋 三義君            岩間 正男君   事務局側    常任委員会專門    員       竹内 敏夫君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○派遣議員報告   —————————————
  2. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) それではこれから委員会を開きます。  最初に派遣議員報告を承わりますが、高田さんから第一班の報告を承わります。
  3. 高田なほ子

    高田なほ子君 第一班の視察報告をいたします。私と荒木委員とは、福井県と岐阜県を視察して参りましたが、福井県は戦災に会い、いち早く復興に立ち上つております途上、更に二十三年には、大地震によりまして徹底的に破壊された県であります。岐阜県は又戰災に会い、大きく多くの都市が破壊され、燒失され、又高山地方などを含める一市三郡は極めて不便な山間僻地でありまして、いずれもこれら災害上、経済上、地勢上、交通上、いろいろな点において惠まれない特殊事情に置かれている地方でございます。私どもはこの二つの県を視察いたしました中で、要約しまして、六三制施設整備産業教育学校給食文化財保護状況など、及び各地で開かれました教育懇談会などの概略を申上げて報告したいと思います。  先ず第一番に申上げたいことは、両県のこういう特殊事情、非常に劣惡特殊事情であるにかかわらず、県当局並びに教育委員会教員組合PTAなど、実に渾然一体の姿を以ちまして子供たちのためにあらゆる惡條件を克服するための真摯な努力がされておることでありまして、ここには全く政党政派を超越した真摯な御努力の跡を見ることができました。  先ず六三制の整備について申上げますと、一般校舍の分には、生徒一人当り応急最低基準の〇・七坪に対する福井県の不足坪数は七千三百四十七坪でありまして岐阜県では五千四百九坪でありますが、生徒一人当り〇・七坪までの解消に対する国庫補助は勿論、今後〇・九坪或いは一・二坪の線までの基準引上に対しまして、是非国庫補助が確実に予算化されるようにしなければならないということを痛切に感じて参りました。  次に屋内体操場の問題でありますが、福井県などでは「弁当を忘れても傘を忘れるな」という諺がある通り冬季積雪寒冷地であるのみならず、引続き非常に雨が降りますので、一年間のうち約六カ月は校庭の使用が全く不可能であります。発育時期にある生徒兒童の健康上、又教育上必要欠くべからざるものでありまして、これはむしろ優先的に確保されるべきであると思いますし、又私ども教育機会均等という立場から、地域的な特殊事情文部省最低基準にプラス・アルフアーすることによつて教育機会均等精神が実現できるものであるということを非常に強く感じさせられたわけであります。又特に松岡町の中学校のごときは、二十三年には地震に会い、又ジエーン台風に襲われまして、父兄管理者などの熱意がありましても、なお今日この屋内体操場を建てられないという極めて悲惨な実情を見て参りまして、是非これらの建築の必要を痛感したわけであります。又岐阜県におきましても、飛騨地区を控え、一市十一郡八十七市町村地区において屋内運動場整備は全く緊急を要する事情にあるので、予算において当初要求全額九億八千万円を復活の必要が非常に強く叫ばれておりましたし、又臨時措置法としましての立法化が強く要望されておつたわけであります。次に危險校舍の問題でありますが、福井県では二十年以上の老朽したものが四万三千三百五十坪で、小学校該当校は百八十二校もあります。又岐阜県では高山市においてすら八つの小学校、四つの中学校二つ高等学校がありますが、これらはいずれも視察いたしましたところ、老朽校舍でありまして、歩けば廊下のささくれで足を怪我する。風が吹き、雨が降れば窓からどんどん教室に入りこんで来る。又廊下を歩けば二階の廊下がきしんで非常に危險であるという、いわゆる明治三十二、三年頃の建築が非常に多く見られました。危險校舍改築は、戰時中の疲弊と中学校の建設に汲々といたしましたために、その必要を痛感しながら、市町村では財産に乏しく、財政国庫補助並びに起債に仰ぐほかなく、止むなく今日に至つている状態であります。更に山間僻地においては、老朽校舍荒廃は誠に言語に絶するものがございます。緊急に改修を要望している次第であります。高山市では改築の場合には、寒冷積雪地におけるモデル・スクールにしたいという意向が極めて強くありました。  ここで私が特筆大書して大きく申上げなければならないのは、いわゆる高山市を含む僻地教育の問題でありますが、私どもは実はその僻地視察する予定であつたのですが、非常に雪が深いために、その僻地実情を伺うことができなかつたわけであります。そこで詳細それらの地域関連があるかたがたからの御報告を伺うことができたのでありますが、例えば大野郡の白川村というあの日本にただ一つきりない家族制度の画然として残つておる村の加須良分教場のごときは、冬になると熊がいつも現われて本年もすでに七頭の熊がとれた。その加須良分教場校長さんが、丁度十二月の末にお父さんが亡くなつたという知らせを受けながら、雪が深いために亡父の霊前に行くことが遂にできず、雪の融ける五月になつて漸くお父さんのお墓にお参りすることができた、こういうような非常にひどいところに、又それらの分教場荒廃した姿は写真にも収められまして、まるで鶏小屋か、豚小屋のようなところに、実に苦しい教育活動教員諸君が続けられておるのをつぶさに伺いましたし、更に吉城郡のごときは、誠に山間僻地の中にありまして、教員交流の際などにおきましては、殆んどその先生がたが転任をされる場合に誰一人泣かない者はない。吉城郡の或る学校先生は、荷物をまとめ、妻や子供の手を引いて一つの峠を越えて次の村に転勤されたそうでありますが、その峠の名前びつくり峠という名前が付いておるそうであります。余りに長い峠であつて、そこへ来てびつくりしてしまつた。その峠を越えて行くと又その次の峠がある。妻も子供もすでに疲れ果て、荷物を引く校長さんの手も疲れ果てて、その峠の中腹に立つてしみじみと行く先を案じまして、どうしたらよいか、この峠の名前思案峠と呼ばれておるわけであります。その思案峠を更に越えて、行けども行けども峠が続いて遂に夕闇が迫り、妻も子も泣き出し疲れ果てて、そして御本人も又全く疲れ果てて、もうこれでは職をやめなければならないのじやないか、ここで辞職を決意したというようなことで、辞職峠というような名前さえもあるのであります。教員交流というようなこと、或いは教員の定数というようなことは、とても机上プランでは解決できない幾多の問題が山積していることを、私どもはこの岐阜のいわゆる僻地教育報告によつて把握して参つたわけであります。  次に産業教育の問題であります。高等学校における産業教育については、財政上の窮乏からその施設設備必要度を満たすのには誠に縁遠いものがございました。岐阜農業高等学校視察いたしましたが、農業科については近代的農機具と、これを使用するために教育訓練を施す農業工作設備を中核とし、農産加工有畜農業に必要な施設設備充実を図ることが非常に大切であると思いました。工業方面では大垣の工業高等学校視察いたしましたが、工業科については非常に設備が古く、近代工業教育実施上極めて不適切不十分である、これを改革する必要がありますが、これらの設備費は主に御父兄からの寄附などによつて多く賄われておることを私どもは見て参つたのであります。商業科については商業実践施設及び設備充実を急速に図ることが大切である。  中学校における産業教育については内容充実が極めて大切である。又優秀な教員確保すること、これについては教員の再教育が必要であること、更にこの中の先生方お話によれば、非常に教員待遇が惡いだめに、他の待遇のよい方向に優秀な技術を持つておる先生がたがどんどん流れて行く傾向があつて教員確保については非常な困難を来たしておるというお話がございました。中学校指定研究校は一県当り五校になつておりますが、中学校職業指導重要性からもつと増加してもよいと考えられました。産業教育振興のためには優秀な教員確保が必要であり、職業科教員養成機関充実要望されております。産業教育振興法第十五條財政的援助の場合、文部省の定めた基準にまで高めようとする場合、これに要する経費については予算範囲内で援助することになつておるが、基準に近いものに援助するのは勿論でありましようが、地方財政が極めて窮乏しておりますころでは、この高い基準になかなか達せられない状態でありますから、このような学校にも是非援助してもらいたいという意向がございました。定時制高校勤労青年対象としておりますが、地域産業との密接な関連から重要でありますので、この施設国庫補助制度の確立が大切であるという声が高くありました。  次に学童給食の問題であります。福井県では学校給食の目標は、家庭の食生活の改善や県民の食糧事情の緩和などを図ることも考えられてはおりますけれども、やはり教育の灘会均等という一線を強く主張され、又その実施について極めて真摯な努力が拂われておりました。福井県では二百三十七校のうち百七十六校実施しております。生徒数は九万九千三百九十六人中九万五千五百三十二人が給食を受けております。一回の給食費は市が七円五十銭、郡部になると三円五十銭でございます。給食炊事婦実施校百七十六校中五十三校でありまして、他は父兄のお手伝い、或いは教職員の過重な負担によつてこの給食が賄われておつたわけであります。更に生活保護兒童数は、九万五千五百三十二人の給食を受けている兒童の中で、生活保護兒童が三千三百四十人、準生活保護児童が二千三百十五人の多きに上つております。福井市内湊小学校給食室施設視察したが、よくできておりまして、又給食婦指導する先生が誠に十分な努力が拂われておりました。福井県全般の給食に対する声は、今後給食費が三百円或いはそれ以上に値上りをした場合、到底それらの負担に堪えることはでき得ない。現在の負担でさえもPTA或いは市、県あたりなどからの補助を受けておるものが非常に多いので、それらの多額な出費は到底負担し得ないという声が非常に高く、現行負担以上の負担は何としてもこれは改めてもらわなければならないという懇談会の席上における声が非常に高くありました。岐阜県でも市制地五市に実施されて、学校数六十三校、実施兒童数は五万六千二百九十三人に達しております。経費は一回が七円から八円でありますが、現在は十円以内に大体なつておるようであります。岐阜市内京町小学校給食状況視察いたしましたが、施設洞営業に大変いいと思いました。経費については、学校給食の実績に鑑みまして或る程度値上りは止むを得ないとしましても、第一点は現在の程度父兄負担でやらなければならない。これ以上は負担し切れない。現在の対象人員を減らすことはなく、このままむしろ拡充して継続すべきであるという声が高まつておりました。更に現在の学校給食において脱脂粉乳最低負担において最大の栄養面効果を挙げております。それで現在の脱脂粉乳無償配給が有料となります場合、国庫が全部負担し、給食を継続するよう要望しておりました。たとえ最惡の場合でも三分の一以上を国庫補助することを要望しております。特に感じましたことは、給食設備も重要ではありますが、同時に給食指導者適任者である。献立、栄養指導衛生管理等身を以てこれに当つておるのを見ましたが、これに対しては是非いい適任者が更に必要だと思つております。特に岐阜県下の僻地における兒童給食問題は極めて重要な問題でありまして、ややともすれば都市中心学童完全給食が行われ勝ちの傾向にありますが、カロリーの足りない僻地にこそ、惠まれない僻地にこそ完全学童給食国家負担による実施が極めて教員各位の口から強く叫ばれていたことをここに私は大きく御報告しなければならないのであります。  次に文化財保護状況の問題であります。先ず福井県においては現在指定されているものは、重要文化財として九十二、重要美術品は十四、史蹟名勝天然記念物は二十五点おります。文化財保護委員会では、重要文化財として二十五年に神宮寺仁王門を応急修理し終えております。重要美術品には例えば建造物として柴田氏住宅があります。又史蹟として新田義貞戰歿伝説地等があります。又委員会として現に着手しているのは、神宮寺本堂、越前では丸岡城天守があり、それぞれ一千有余万の工事費を予定して、三カ年の継続事業として、一つは大修理一つは再建に着手しております。併し小浜地方にも多くの文化財が集まつており、これらに着手するのは今後の問題であります。小浜地方文化財は誠に地の中に埋れておる文化財でありまして、みすみすこれらの文化財が保護されないために、無意識のうちに流失される危險性のあることを強く私どもは確認して参つたわけであります。財政上の窮乏から、これらのものが手が付けられないでおりますが、文化財保護法施行と共に、漸く社会関心を喚び起し、保護育成に当ろうとする声が高くあります。  次に、岐阜県の高山地方に赴きましたが、視察しましたのは国分寺本堂であります。これは室町時代の建物で、この修理には国庫補助として七百五十万円を交付されることになつておりました。高山地方には又祭りの特殊な屋台がありまして、これは全部で二十三台、これを維持修理するには一台に約八万円を要するものでございますが、目下重要文化財として申請中の由であります。更に史蹟として飛騨国分寺塔址高山陣屋跡があります。特に白川村の民屋が調査されております。無形文化財として、神楽、獅子舞闘鶏楽雅楽等があります。いずれも文化財保護法施行と共にこれから保護されようとしておるものであります。ただ地方の人々の文化財に対する関心がまだ非常に薄く、この文化財保護という面については滲透しておらないことと、地方社会教育課における文化財予算がいずれも殆んど零に等しい状態にあるということ、この予算は少しずつ計上するよりも、できることなら今荒廃しかかつているのが多いのであるから、むしろ数年のうちに思い切つて予算を計上して、重点的に一度に改修してしまつたほうが、予算の上でも経費が少くなるのではないかという御意見が高くありました。  結論として、この二つの県の要望事項を申上げたいと思いますが、第一番に、積雪寒冷地帶屋内体操場の設置は一般父兄の非常に強い要望でありまして、どこを視察いたしましても、一番真先に出て来るのはこの屋内体操場の実現の問題でありました。  第二番目に六三制施設整備、特に危險校舍、戰災都市学校施設については、果して中央ではどれだけの関心を寄せておるのだろうかというように、中央教育予算に対する批判の声も又極めて高いものを私どもはここに発見して、これらの要望は非常に強いということをここで申上げます。  次に、育英制度充実の問題、又義務教育就学についても就学奨励制度について考えてもらいたい。又教育扶助については厚生省の所管であるが、文部省でこれは考えてもらいたいという要望。  第四番目に、学校給食については今後父兄負担が増大しないように継続してもらいたい。  五番目に、PTAでは現在の教育がただ博識に流れて、宗教的、道義的な精神力を忘れられておるようである。中央での適切な御指導と強力な施策を要望しておりますが、これと並行して基礎学力充実にもつと重点を置いてもらいたいという声がありました。  次に、教科書値段が非常に高過ぎる。子弟を多く持つ家庭では甚だ困るので、教科書値段がもう少し低廉であるような方策を講じてもらいたい。  七番目として、産業教育振興法で四條、五條、六條において、岐阜では現に四條を実施しておつて割合効果挙つておる。是非この諸條項についてはもう一度御研究が願いたい。  第八の要望として、教職員行政整理についてはすでに余裕はない。特に僻地教育実情においては到底机上プランで割切れるものではない。教員行政整理に対しては絶対にこれはやめてもらわなければならないし、そういう方針に対してはこれは十分に考慮を拂つてもらわなければならないという強い要望がございました。  次に、地方教育委員会を人口十万以上の都市に設置することを要望する。又教育委員公選制でなければならない。今問題になつておるようですが、当地方では公選制の強い要望がありました。  次に、婦人代表から、特に教育財政上、中央で削減されると地方も非常に圧縮されて困るから、中央においては教育費確保ということについて十分な考慮と協力が願わしいという声がありました。  次に、恩給金で、地方公務員任意加入であるが、是非強制加入にしてもらいたい。  次に、六三制については父兄負担が余り大き過ぎる、高校への入学が遅れる、教職員の数が足りないなどで父兄の信頼がなかなか得られないので、六三制について種々の批判が行われるから、これらのことについては内容充実ということについて主眼をここに置いてもらいたい。  次に、山間僻地教育振興にはこれは是非強力に推進してもらいたい。山間では有資格の教員が得られないで助教諭で殆んど間に合わせておる。それで二カ年の教員養成所是非高山あたりにこれを設置してほしい。  もう一つは、山間屋内体操場がないから、これを是非国庫補助で実現してもらいたい。義務教育国庫負担法を法制化してもらいたい。この僻地手当増額先生もときどき遭難するような山間、又一日の認定講習に行き帰りするのに、行きに二晩も泊らなければならない。帰りも又二晩も泊らなければならない。このような山間僻地手当が乏しいので誠に困る。  こういうことのために教員都会集中というような傾向を持つておるが、これは是非山間僻地教員待遇というものについて僻地手当増額というものが要望されております。  次に、青年学級については必ず指導主事を置いてもらいたい。又指導に、農林、厚生、青年団組合文部等の各系統で末端は分裂をしておるから、一元的に統一して青年学級の適切な教育指導というものをやつてもらいたいというような要望がございました。  以上で報告を終ります。
  4. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) 何か御質問ありませんか。
  5. 岩間正男

    岩間正男君 私は別の問題ですが、私の不在中のこの前の木村君の我々一行視察報告の中で以て訂正願いたい点があると思うのであります。というのは、大体我々の中で話合いをしておつたのでは、高良さんに一つこれは報告してもらいたいというように私は希望を申述べておいたはずであります。それからどういう報告をするのか、報告内容については事前に打合せをなさるということが我々の規定であります。そのことについて調べ質してみますと、どうも個人的な主観も入つておる。こういう点について我々必ずしもそういう見解はとらない。例えば高知県におきまして、高知徳島を見たのでありますが……。
  6. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) 速記を止めて下さい。
  7. 岩間正男

    岩間正男君 いや速記は付けておいて下さい。
  8. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) それじや速記を……。
  9. 岩間正男

    岩間正男君 それから徳島県では一般の人が出て来て効果徳島で非常に挙つた、こういうような報告がなされたのでありますが、これは原案を、報告文を作成した事務のほうから聞きますと、これは当人の個人的な主観のようになつているのであります。そういう点から考えまして、報告は飽くまでこれは一行のやはり承認したものとして私は報告して頂きたい。木村君幸い見えましたから、そういう点についても明らかにしてもらいたいのでありますが、我々は全然見解を異にするものであります。例えば徳島がそういうものは成績挙つてつて高知では挙らなかつた、こういうような言い方は我我は承服できないのであります。殊に我々の見て来たところでは、教員の自主権或いは教員が教権を守り抜くというような、そういう一つの確信におきましては何ら……高知徳島より私は堂々たるものであつたと思うのであります。そういう点で成績挙つたとか、どうとかというような問題については、これは個人的な主観報告されてはかなわない、こういう点についてはこれは取消してもらいたい。(「報告書を見ろ」と呼ぶ者あり)そういう点で私はその点報告書あとで詳しく見ますけれども、そういう点で報告書が大体我々の承認したものでない、而もいろいろ聞いて見ますと、全部その作成から外れた主観的なものだということでありますから、私は問題にしているのであります。(「報告書を見てから言え」と呼ぶ者あり)そういう主観的な点について、一行見解として出されるということは甚だ迷惑であります。そういう点の、主観が一致しない点は省いて報告するのが公式な行の報告書であるということを私は確認しておいて欲しい。今後の問題もあることであります。ついでに申上げますが、教員が出たとか、それから一般は出なかつたということは、これは事務的な一つの手落ちであります。我々としましては全部PTA並びに教育委員会或いはそういう教育の、いろいろ教育庁の諸君或いは教員組合、こういうところをできるだけ広い範囲にこの懇談会出席を願うように事前に通知をして欲しいという要望事務のほうに通じたのでありますが、事務のほうではその手続をとらなかつた。こういうことがあとで旅行中わかつたのでありますが、そういう事柄も起つておると思うのであります。そういう点についてやはり公正妥当な報告がなされることが望ましいと思うのであります。折角木村君に我々の留守中は報告して頂いたのでありますが、私はこういう観点から、大体木村君でなく、高良さんがどつちかといえば中だろうから、中をとつて高良さんにやつてもらうことを私は要望しておつたのでありますが、これもどういう形でそういう変更をされて、而も主観的なものを加えるか。これは些些たる問題のようでありますけれども、この点は明らかにしておくことが今後のために望ましい、こう思うのでありますから、あえて発言いたします。(「報告書を見ろよ」と呼ぶ者あり)
  10. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 先般木村委員から代表して報告を承わつたわけでございますが、同一班の岩間君から只今発言がございましたが、これは第三班の不統一がもたらしたのであつて、本委員会としては迷惑千万に私は考えます。従つて第三班の視察団のほうで改めて検討されて、先般報告された、速記にも載つておりますので、これを訂正すべき点があるならば、次回の委員会において、第三班の総員の責任において然るべく訂正して頂きたいと、こういうことを申上げます。
  11. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) 只今矢嶋さんから御提案がありましたが、そういうふうにして、一つ話合いを願うことに御異議ございませんか。
  12. 木村守江

    木村守江君 只今途中から参りまして、岩間君の申されたことが私の報告のどういう点に相違があつたのかちよつとわからないのです。私も実際は岩間君が言われた通りに、視察報告を私がしようとは思つておりませんでした。突然委員会に出て参りまして、事務局から報告をするようにというようなことでありましたので、一緒に参りました專門員の原稿を殆んど読んだ程度でありまして、別に何ら私意を挾さむというようなことはないと思うのであります。ただ視察中に岩間君は御承知の通り共産党でして、共産党の見地からいろいろ教育上のこと等を述べられまして、私と岩間君とは根本的に意見が違いまして至るところで意見の相違があつたのでありまして、そういう点をですね、岩間君の言うような点を岩間君はいいと思つておるでしようし、私の思つておる点は私の述べることをいいと思つているのでありまして、そういう点を強いてどうこう申上げた次第ではなく、ただ感想として一言、二言申上げたと思うのでありますが、そういう問題を今この委員会で取上げて論議すべきじやないと思うのですが、若しも問題にしなければいけないような問題がありましたならば、これは速記録を読んでから、最も愼重なる態度で人を批判すべきだと思う。何もわからないで、実際どこのところがどうなのかわからないで、そうしていい加減でそんな問題を持ち出して論議するのはどうかと思うのですが、そういう点どうぞ委員長から適正なる方法をとつて頂きたいと思います。
  13. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 議事進行……。私はこれは先ほど申上げた通りで、ここで論議すべき問題でないと思います。確かに報告する場合に、同じ派遣団に加わつた岩間君の了承を得ないものを報告するというのは、やはり私は第三班の不統一と私は表明しましたが、やはり手落ちであつたと思います。それをどういう形で調査して意見がどうだつた、こうだつたと、ここで速記を付けて持ち出すのは甚だ文部委員会として迷惑千万です。従つて私はさつき提案したようにお取計らい頂きたい。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) それでは一つ今の矢嶋君の……。(「ちよつと意見を……」「言わしたらいいじやないか」と呼ぶ者あり)
  15. 岩間正男

    岩間正男君 私は今後の報告のやり方についても、同時にこれは質しておきたいから言つておるのです。何も見ていないのじやない。事務の手落ちかも知れない。私の一行としては木村君とは意見が対立したところがあるから、中をとつて高良さんにやつてもらいたいと要望したのです。それを君たちが了承しようがどうしようが、私はそれに対して了承していない。而も問題になつたのはその件以外のことを発言していることを私は言つておる。今聞いて見ますと、明らかに教育懇談会の問題については何ら起草者はいない。起草はしていない。まさしくそのことについて私は問題にしておる。意見の統一なくして仮に私に相談されなくても、これは時間的に間に合わなかつたということも事後に了承していいと思います。それは皆さんが、三人の意思がとにかく統一されたものの以外についての発言について、やはり重大な我々としては見逃すことのできない性格のものがあるから、その点について私は言つておるのであります。なぜそういうものを、主観的なものを、それは私の主観であるとか言つて報告とは別に言われるならば私はあえてそれは言わないが、報告書であるということで我々も了承した形においてそういうことが、先ほど申上げましたような問題が承認されたとすれば、それは我我大いに意見があることなんです。これは教育に対する根本問題なんです、実際は……。我々が視察に行つたときに、六時か五時頃まで残つてつて、授業を見せるために子供を残して見せてくれるというのが教育の実績が上つていると考えるか、或いはそうでない、当り前の姿を(「議事進行」と呼ぶ者あり)見せる教育が(「つまらんことを言うな」と呼ぶ者あり)本当に成績が上つているか、そういう問題になりますと、その問題は非常に判断の微妙な問題、実際問題、(「つまらんことを言うな」と呼ぶ者あり)この問題については、いずれ矢嶋君から発言あつたようにされていいですが、その手続方法については、これは質しておいて頂きたい。これは内容とは別問題ですから……。矢嶋君が言われた内容の問題については、それはその通り。併し今後手続については、今から質しておかれることは本委員会のために何らマイナスではないと思う。そこの点明らかにして頂きたい。
  16. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) それでは今岩間さんからもこの報告に関することに関して、今後一層周到を期したいということがありましたが、(「異議なし」と呼ぶ者あり)これはこの次の理事会で相談をいたしまして、又お話をしたいと思います。  今日はこれにて散会をして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) それでは散会いたします。    午後零時一分散会