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1951-12-14 第13回国会 参議院 文部委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十二月十四日(金曜日)    午後一時三十八分開会   —————————————  委員氏名    委員長     堀越 儀郎君    理事      加納 金助君    理事      高田なほ子君    理事      若木 勝藏君    理事      木内キヤウ君            川村 松助君            木村 守江君            工藤 鐵男君            平岡 市三君            梅原 眞隆君            高良 とみ君            高橋 道男君            山本 勇造君            荒木正三郎君            和田 博雄君            大野 幸一君            堂森 芳夫君            駒井 藤平君            矢嶋 三義君            岩間 正男君   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     堀越 儀郎君    理事            加納 金助君            高田なほ子君            若木 勝藏君            木内キヤウ君    委員            梅原 眞隆君            高良 とみ君            高橋 道男君            荒木正三郎君            大野 幸一君            岩間 正男君   政府委員    文部省管理局長 久保田藤麿君   事務局側    常任委員会專門    員       石丸 敬次君    常任委員会專門    員       竹内 敏夫君   —————————————   本日の会議に付した事件教育及び文化に関する一般調査の件  (調査報告書に関する件)  (学校給食に関する件)   —————————————
  2. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) それでは只今より文部委員会を開会いたします。  本日は先ず報告書の提出についてお諮りをいたします。当委員会におきましては、第十二回国会閉会教育及び文化に関する一般調査につきまして、継続調査を行なつて参つたのでありまするが、本院規則第五十五條によりますと、閉会中その審査又は調査を終らなかつた事件については、次の会期の初めにその旨の報告書を議長に提出しなければならないことになつております。つきましては只今申上げました調査事件については、未了の旨の報告書を提出したいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 御異議ないと認めます。なお報告書の内容につきましては、便宜委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 御異議ないと認めます。それから報告書には多数意見者署名を附することになつておりますから、賛成のかたの御署名を願います。   多数意見者署名     加納 金助  高田なほ子     若木 勝藏  木内キヤウ     荒木正三郎  大野 幸一     高良 とみ  岩間 正男     高橋 道男  梅原 眞隆   —————————————
  5. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 学校給食の問題について、予算措置に関して世間で非常に不安を抱いている点もあるように聞き及ぶのであります。文部省は折角努力しておられると思うのでありますが、この問題は非常に重要な問題であり、我々相当に考慮を払つて善処をしなければならない問題であると思いますので、一応政府委員から現在の状況を承わることにして、後ほど皆さんの御意見によつて善処して行きたいと思います。
  6. 若木勝藏

    若木勝藏君 それでは政府委員に二十七年度の学校給食方針について伺いたいと考えます。二十六年度の十月以降の予算については、先般来文部委員会でも相当論議されているところでありますが、一応三月までの予算もきまつたようであります。ところが二十七年度の学校給食がどういう形において継続されるかということが、今非常に関係当局方面でも心配しているようなところであるのでありまして、我々はどうしてもこれは学校教育上これを継続して行くということが重要なことであると考えておるので、これに関しまして、先ず二十七年度の方針について文部省はどういう意見を持つておるか、概略で結構でございますが……。
  7. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 二十七年度の給食を現在のような姿を変えないで継続いたしたいという希望において変つておりません。そのやり方を先般もお話申上げておるはずでありますが、従来私ども大蔵省に要求しております形は、ミルクを外した給食というものは栄養の関係から言つて、私ども意味がないという点を強く主張いたしておりまして、ミルクを国で保障してやつてもらいたいという線を出して来たわけでありますが、その後いろいろな関係から食糧改善、又は麦を米に代えて、食糧政策の上からいつて国際的な歩みに乗り替えさせるという一つ仕事があつていいはずだから、米を輸入する代りに麦を輸入して粉食に折角馴らそうという一つ政策に乗つかつて、その実施舞台である学校給食というふうに持つて行こうというようなことからいろいろ計算をいたしましたところ、大体米を麦に乗り替える結果、米自体値段と麦の値段の差、それから米麦にそれぞれつけられなきやならん価格差補給金の差、その合計したものが大体三十六億ばかりになるのでございます。逆に小麦を従来のように無償児童に提供してもらうと大体四十四億ほどの金がかかります。丁度私ども給與ベース計算から、一旦勘定しましたものが父兄の当然に負担し得るはずであるという金額と、事実上栄養なり、又学校給食としての実質的な形を考えまする給食の單価とのその間に差がありまして、その差を補つてやるという建前計算いたしましたものが三十三億ばかりになる。いずれも似通つたような数字がそこにまあ出て参るわけでありますが、そういう数字から考えていわゆる給與ベースの線から父兄負担し得るはずの金額に対して、実際に給食効果的に行われなきやならん、又行わせるに必要な金との間の差額というものを、私ども予算として要求いたしたいという形に置き替えて来たわけであります。この予算大蔵省は……、まだ正式のところにまで私ども持込んでおりませんが、今農林省食管折衝いたしておりまして、食生活改善の費目として農林省一般会計に乗つけてもらつて、それを食管特別会計のほうに流して行けるという形をとれば、一応事務的には完結した線が出るのじやないかという線で今折衝いたしております。本筋から申すと、文部省予算学校給食予算として乗つけて、それを食管特別会計のほうに流して行くという方式考えられます。当面食管一般会計から特別会計に流すような流し方のほうが、割合に抵抗がなくて実現がやさしいのじやないかという面もございますので、目下そういう折衝にいたしております。自由党総務会政調会にもいろいろ御相談申しておりますが、又その辺の御協力も頂いて食管会計をそういうふうにいじるという限度で或いは法律を作ります立法的な措置も必要かと思つておりますが、それらの形を実現いたしますと、大体現在ミルク原麦無償で提供されておりますものと大差なく実際の仕事が動かせられるのではないかというふうに考えております。いずれにしても、多少の増額といつた線が出ますので、生活保護法関係の分の金額を、まあ現在大体三%少々の比率で出してもらつておるわけでありますが、これをその後倍額くらい殖やしてもらつて、その間を無理のないような姿で、これを現在のように運んで行きたいというふうに思つております。いま一点、従来向うから頂いておりました原麦が分量的に限られておりました関係から、そのときの條件として、先ず市制地域だけに限つてこれを実施しろという枠になつておりましたものを、今度は少くとも国内的に処理をするわけでありますので、市制地域ということに限らないで、従来かねがね申して来ておりますように、設備と意欲とそれに対する負担と、この三点から考えて、市制地域でなくても有効に給食が行えるという舞台学校というものにはそれぞれの手当をして行きたい。先般来申しておりますように、従来四百万に限つておりましたものを大体五百五十万見当に増して、児童対象の数をそれだけ増しまして実施いたしたい、こんなふうに考えております。又予算見通しというような点については、まだ申上げるほどの段階に至つておりませんが、このことの正しさ又効果といつたようなことについていささかも疑点のない問題と自信を持つておりますので、思い切つてこれに取つ組んで行きたいというふうに考えております。
  8. 若木勝藏

    若木勝藏君 そうしますというと、今の御答弁によつて文部省給食実施基本方針は変つたように私は考えるのです。それは予算措置というような方面にこれは重大な変化がある。在来文部省自体といたしまして学校給食というものを教育本質上から考えて、そのためには相当のこれに対する予算が伴わなければならないという建前から、その計画を立てられておつたのでありまするけれども、今の御答弁だというと、何か農林省のほうに頼つて、そうしてその米を麦に振り替えるというようなことから食糧をもらう、そういうふうな方針に変つてつておるのであります。この点私非常に重大な点だと思うのでありまするが、そのように私は考えておるのでありますけれども、間違いありませんか。その点を伺いたいと思います。
  9. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) あれは私の言葉が足りませんで多少誤解があるのかと思いますが、予算的に補助が必要であるという面については全然変つておりませんで、たまたま米を麦に切替える結果として、国として又国民として、そういう利益がそこに出て来るわけでありますから、財源をそこにたまたま求めるというだけが変つているかと思いますが、それは学校給食に対して補助が必要である、又その学校給食そのもの教育的に、又国民生活一般から見て非常に効果的な有効な施設であるという点においては私変つておらんと考えております。ただむしろミルクをそういう原麦なり小麦粉なりに乗替えて行つた点は変つておりますが、給食そのものの実質の上ではミルクを必要としますこと従来通りでありますし、又粉食訓練といつた面から言つて原麦小麦の必要なことも変つておりませんのでございます。
  10. 若木勝藏

    若木勝藏君 そうしますと、今の御答弁のいわゆる財源措置ということは、二十七年度だけに限るのですか。将来もこの方針で行くというような形になりますか、その点伺いたい。
  11. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) ずつと長い将来ということになると又問題になりますけれども、私は二十七年度だけに限つた問題でなくて、少くともここ数年の間そういう訓練国民のみんなにあつてよろしいものと考えますので、少くともここ数年はそういう形を続けてもらいたいというふうに考えております。
  12. 若木勝藏

    若木勝藏君 そうするともう一点、先ほどの御答弁に関連して聞くのでありますけれども、前はミルク八百万についてミルクをやつてつた。今度はそのミルクは全然なくて、全部パンに切替えられる、こういうふうな形になるのですか、五百五十万については……。私の聞きようが悪かつたか知れないが、今のお話は……。
  13. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 従来のミルク御存じ通り無償割合に原料を多く頂いておつたわけで、できるだけ多くの人に分けたいというので、施設の如何にかかわらず、とにかく八百万だけ、もらうだけ全部に配給しておつた。私どもの狙つております学校給食は、そのことを決して反撃するわけじやありませんけれども完全給食の形で実施したいというところに焦点がございまして、これは四百万しか実は配給できない。それだけの分量しかなかつた。これを五百五十万に振替えて、いわゆる市制地域はそれぞれの施設を相当充実いたして来ておりますから、そういう意味においてこれは省くわけに参りませんが、それ以上は御存じ通り施設をどんどん拡充して来ているのが殖えておりますから、そういうような所に百五十万だけ増して行く必要がございますし、又それはできることでございます。今の八百万から五百万に減りますいわゆるローカルな部分ミルクだけをもらつてつた部分については、ミルクが消えて行くわけでございます。これは無償でもらつていたということになりますから、ミルクが欲しいということになればその分はそれぞれの負担においてやつてもらうよりほかに仕方がございません。
  14. 若木勝藏

    若木勝藏君 そうすると、五百五十万についてはパンミルクも実施されるということになるわけですな、そういうことになるのですね。
  15. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) その通りでございます。
  16. 若木勝藏

    若木勝藏君 それでは更に伺いたいと思うのでありますが、いわゆる文部省としては在来市部学校だけでは教育的な立場から不十分であると、そこでまあ五百五十万に完全給食実施を拡大しておると、この意味は一応わかるのでありまするけれども、本当に学校給食実情から考え行つたならば、又基本方針から考え行つたならばやはり五百五十万という、いわゆる市部とその周辺に限定するということは、これは本質的でないと思う。だから給食を実施するところの対象というものは、これはいわゆる小、中学校義務教育の生徒全部、それから更に定時制高等学校、こういう範囲にまで拡げて、そうしてこの地域に適当な、ミルクだけでいい所はミルクと、或いはパンの必要な所はパンと、その他の惣菜の必要なところは惣菜と、こういうふうな工合に全く実情合つた給食というようなことが我々の考えておる給食なのであります。これに対する文部省の五百五十万に限定しなければならない理由を一つお伺いしたいと思います。
  17. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 従来の四百万に囚われて百五十万というものを考えておるわけでは全然ございませんで、学校給食完全給食の形で学校に持込むかどうかという観点の分れ目だと私は解釈いたします。先生のおつしやるように、都市の周辺に限るという意味ではありませんで、それぞれ学童父兄負担を伴いますので、又その設備がどの程度できておるかということに大きなウエイトがかかるわけでありまして、どこでもやりたい希望があるからそこだけはやるのだという程度に野放しにする危險も一面あるわけでありますから、できるだけそういう設備負担力と、その仕事をしてもらう効果という三点から大体睨みまして、この学校は十分それをやつてもらうのにふさわしいはずだと、それから更にやり方にまだいろいろ問題が残つておりますけれども、或る程度登録制度をとりまして、そういう観点から見て、ここなら安全に効果的にできるはずだという種類のものを拾つて行きたいというふうに思つております。それでも五百五十万は割に少な過ぎるとかいう御見解もありますが、これは或る時間やつて見ませんと、先ほど申しますように果してその負担に堪えられるかどうかという部分についてはかなりの疑問がまだ残つております。私どもの承知しておりますところは、世界の給食をやつております大抵の国が大体半分見当になつておりまして、アメリカのような場合ですら約半分を少し超えておるかというくらいでございます。これも土地柄によつての必要さということもございましよう、その土地なりそのときなりの食糧事情といつたようなこともございましようが、大体そう全部にというような形は案外出て来ないのじやあるまいか。全部国が補助して一切の世話を国ができるという前提に立てばそういう考え方が正しいと思いますが、多くの負担学童なり父兄なりにかけて行きます結果からまだ今当面のところは大体その半分を抑えて実施して行くくらいが妥当ではないかというふうに見ておるわけであります。
  18. 若木勝藏

    若木勝藏君 そこが非常に私は大事なところだと思うのであります。文部省の基本的な考え方が、今在来つたような市とか、或いは四百万とかいう限られた区域に対して、そうして安心しておるのか、将来はどうしても全兒童生徒に対して教育立場から学校給食を実施して行くという建前に立つのか。今のお話ですと、どうも基本方針が便宜的なところに立つておるように私は思うのです。そうでなしに給食重要性から、山の中の子供あたり考えて見ると食物が豊富に渡つておるように思うかも知れませんけれども、非常にこれは偏食になつておるのです。そのためにいろいろな病気に罹つておる、そういうところに着目されて行きまして、ただ單に今食事情が容易でない、そういうようなところに在来考えられておつたところにこだわつてつて本質を失うようなことがあつては私はならんと思う。そこで文部省といたしましては、本質に立つて行きながら漸次その方向に転換して行く、いわゆる財源措置というふうな方面から進めて行くというお考えであれば、私はその点においては一致するのでありますけれども、そこはどういうふうになつておりますか。
  19. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 先ほど申しましたように、漸進的にずつと殖えて行くであろうということについては私ども疑いを持つておりませんが、非常に急激に全部の学童が全部学校給食の枠の中に入つて来るというふうに見るのにはまだ少し時間がかかるのじやないか。先生のおつしやるように、この地域は必要がないのだ、この地域はやらなくてもいいという観点から考えておるわけではありませんが、先ほど来申しました三つの要素がどの程度に充足されて行くだろうかということと睨みながら進めて行くべきだという観点に立つておるわけでございます。一カ所の学校で相当大きな設備費がかかかりますのと又それを動かして行きます上に必要の経費は事実上相当かかります。そうしたものの負担をしてやつてでもこの際そういう運動、そういう仕事に参加して行く自発的な形というような部分の見方でありますが、只今のところ大体百五十万見当の増を見込んで、これらの設備がどれだけできた、又大体どういう状況にあるかということを私ども資料としてこさえておりまして、それから割出しておる数字でありますから、漸進的にそういう形がとれて行くということにおいては疑いを持つておりませんが、すぐ大きな数字へ躍進して行くという目安はまだ持つておりません。
  20. 若木勝藏

    若木勝藏君 ここなんですよ。あなたのほうで学校給食というものを本質的に考えて行く考えならば来年度において全面的に亘つてでき得なくても、三ヵ年計画であるとか、五ヵ年計画であるとか計画を立つて行けば丁度六・三制の建築問題と同じように五ヵ年計画を立てて今年は何ぼ、来年は何ぼということに行けば今少しで建築の面が完成するところまで来ておる、そういう建前で行かなければ学校給食本質に触れたものではないと思う。どうもあなたがたの昨年度来やつて来ておるところの問題について考えて見ますと、何だか当座の便宜的なところに学校給食を置いておるように考えられる。これだけの無償の配給があるからそれをもらつてこれは充てようとか、或いは十一月に四百万トンの小麦のストリクがあるから、それで百万ずつ減らして行つても三月まで大丈夫だと、そういうふうなその当座の便宜的なところに囚われておる。根本的に私どもが要求するところは年度計画を立てて全体の子供給食して、本当にこの学校給食本質を発揮すると、こういうふうな工合に行かなければならんと思うのであります。どうですか、これについて伺いたいと思います。
  21. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 御説のように私も本質的な考え方には全く同感でありますが、たまたま今年度の分までいわゆるガリオヤ式な物資で賄うという建前から来ておりました関係から、又今年すぐこれを切替えて何年計画で以てどういう線が出るかということを明確にいたして行くならばまだ事実上資料として現在やつております段階実情としてまだ無理があるかと思います。大体五百五十万という線を抑えてそこから十分出発すれば先生のおつしやるような線に近付き得るという見通しを持つておるわけであります。
  22. 若木勝藏

    若木勝藏君 そうなりますと私の言うような何年度計画かで以て進むというような本質的な方面に立てば、先ず第一に着手しなければならないのは学校給食法制化であると思う。今のように何ら法律的な根拠がなくて、やつてもいいし、やらなくてもいいし、希望しないほうには補助が渡らないということじやなしに、そういうことを根本的に考え直して行かなければならん、これらについてはどうですか、これを法制化するということについて伺いたいと思います。
  23. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 学校給食学校の教科の一部として考えたいということにおいて私どもどなたにも負けない熱意を持つておるつもりでございますが、只今申しますように今現在私どもが持つております資料の面ではせいぜい全学童半分程度にしか及んでおりません。この場合にどの程度強制力といつたようなものをその際立てるべきかといつた部分についてはまだ十分これを確信を持つて法制化する時期にまだ早くないか。この仕事のよさというものが、もう少し滲透して、自分の学校も是非それをやろうという構えがもう少しく必要ではないか、というふうに見ておるわけでありまして、法制化の問題も私どももう数年来前からやりたいほうの人間ではございますが、まだそれを確信を持つて法制化するという段階には、もう少し時間がかかるのではないかという見通しです。
  24. 若木勝藏

    若木勝藏君 それで、私は今本質的な方面について、そういうふうに伺つて行つて文部省の肚を聞くと同時に、そう行くべきではないかと要望したのでありますが、そういう線に立つて行くのと、本質的な線に立つて行くのとでは、予算措置の仕方が変つて来る。先ず私は文部省に対して本質的な建前を立ててくれ、それでなければ学校給食の問題は毎年割切れない問題で、常に問題になつて行く問題になる。そういうふうな線によつて処置してもらいたいということなんです。そこで差当つて、それでは来年度の問題になつて来るのでありますが、この問題について先ほどの御説明を聞いても、私もどうもはつきりまだわからない点がある。そこでこれが何人の子供対象にして、どういう方法によつて、今予算措置がどうなつてどういう折衝過程にあるかということを、はつきりわかるように一つ答弁を願いたいと思う。
  25. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 折衝過程は先ほど申した通りでありまして、大体自由党政調会総務会あたりに一応の了解ができておりまするし、又その意味においてやつて行こうという話に進んで来ております。それから衆議院の文部委員会では小委員会作つてつておりまして、そこで農林委員会あたりとも折衝をしてやつて下さるように承知しております。予算としましては、今申上げましたように、文部省予算に載せる方法と、食管一般会計に載せて、そこで食管特別会計に流すという方式を立てたいというところで折衝をいたしております。
  26. 若木勝藏

    若木勝藏君 その折衝過程を聞きたい、どれだけの予算を片方から取り文部省へ……。
  27. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) それは金額的に申しますと、先ほど申しましたように三十三億を補助する。その三十三億と申しますのは給與ベース関係から、当然父兄負担し得る能力と、現実に行います給食の単価から出て来た金額があるわけですが、それによつてこれだけは父兄負担力を超えても、学校給食をやらなければならんという金額が出て来るわけでありますから、その分だけを補助してやつてもらいたい。まるまる只で小麦粉を提供するということになれば、四十四億ですが、その四十四億まるまるくれとは申しません。理論的にこういう差額が出て参りますから、この差額としての三十三億をもらいたい、こういう建前になつておるわけでございます。
  28. 若木勝藏

    若木勝藏君 そうすると、その問題について、子供一人の分を計算してどのくらいになりますか。現在と同じですか。
  29. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 現在二百五十円見当になつておりまして、それを超えないでという建前に立つておるわけでございます。
  30. 若木勝藏

    若木勝藏君 百五十円じやないですか、現在は。
  31. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 地方の分を非常に大袈裟に見ますと、百七十円というのも出て来ますが、これはやはり人件費や何かの分が落ちていますから、地方のほうは、割合にそういうふうな形式的に計算されておりませんので……、私どもが実質的に見た平均価格は大体二百五十円という線になつて来ます。
  32. 若木勝藏

    若木勝藏君 そうすると、その三十三億は、これは農林関係方面から来るのでしようか、或いは文部省予算として組む……、その組み方はどうなんですか。
  33. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) それは農林省所管の一般会計に、いわゆる補助金の形で立ててもらいまして、それを食管特別会計に流すという形をとりたいと思つております。
  34. 若木勝藏

    若木勝藏君 そうすると、文部で組むところの予算施設費とかというのはどのくらいですか。
  35. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 文部省は、設備補助と指導費の補助といつた、これを運営して行きます上の事務費を組みたいと思つております。そのほかに事実上品物を買つたり、殊にミルクが今度個人の負担において輸入されるような線が出て来ますが、その資金として大体運転資金を十億ほどもらいたいというふうに考えております。
  36. 岩間正男

    岩間正男君 関連して、今の食管一般会計に組んで、それを特別会計に流す、こういうやり方は、これは価格差補給金ですね。その問題は価格差補給金が来年度の総枠がどうなるかという問題と非常に関連がある。それが変更あるかも知れない。今年度分二百三十億でしたか、そういうことになつている。これが全体の大きな今の財政的の操作の中で来年度の輸入食糧の補給金というものが、このままで先ず第一に維持されなくちやならんという前提がある。更に問題としてはそういうような技術的にこれはいいのか、そういういわばプライベストみたいなやり方です。そうでしよう。価格差補給金というものは今言つた小麦とそれから米の価格の差だけ、それで以て三十億ばかり流すということは一応考えられるが、併しこれは財政的な建前になるときに価格差補給金として出す補給金のうち現実にやはり外国から食糧を輸入するときに、その三十三億分だけ少くなつて来る。それを実際にそういうよのうな一つ技術的な操作だけでやつて、いろいろな財政的な、財政法なんかに引つかからないのかどうか。こういう技術的な面についての検討、更に必要なのは大蔵省がこれを承認しておるか、ここが一番問題だと思う、金に対して。これがいつも文部省のやる、省内だけの希望的ななにで、外部へ出すとこれはいつも駄目になる。今度の教育平衡交付金と同じような運命になる可能性が非常に私は強いと思う。こういう点についてどれだけの見通しを持つているか。ここのところはどうしたのでございますか。そこのところを聞きたい。  それから農林省との間に一応話合いができて、希望的ななにが見られる、こういう形でこういう成案が流されて、そうして現実の問題としては非常に最後の査定の場合に、今の点で技術的に問題がある。それから財政的な措置で以て、大枠で補給金かどうなるかという問題はきまつてない。そうなつて来ると非常に難関がある。この問題どうです。この問題の見通し……。
  37. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 今の技術的な関係という点からはちつとも不安はございません。別にからくりをやるわけでありません。で、米を買う代りに麦を買うわけですが、食糧全体として動きませんし、価格差補給金は当然米の場合に必要なだけを小麦のほうに流すだけでありますから、技術的に何の不安もないわけです。(「そんなことはない」と呼ぶ者あり)又財政の上からどうかという点ですが、それは政策の問題でありまして、私どもはその政策をとつてもらうように努力するよりほかないのでありまして、現在の私の見通しでは、先ほど申したように私は自信を持つて申上げるという以外に答える方法はありません。
  38. 岩間正男

    岩間正男君 それは問題はただないというけれども、問題は大きなことである。つまりそれならばはつきりこれは今のように総枠の補給金を減らしてそれだけのものを文部省予算に持つて来ることも可能なんです。それが今言つた食管会計内部の技術的な操作ではやはり問題がないということは言い切れない。これは一つの何というか実体です、実体の操作をやるのであつたら財政法との関連が必ず出て来ます。出て来ます。ないと考えているのは文部省のこれは考えだけだと思う。併し今局長はそういうふうに信じていられるのですから、これはこの後の発展を見ればわかるのですが、ただやはりこの問題については、文部省から一応の抱負を聞く程度でたくさんだけれども、問題は大蔵省が、これをどう処置するか、或いは食管のそういう技術的な面はどうするか、こういうことが今後究明されなくては明らかにならんのであります。そこで私は文部省に要求したいのは、今の文部省のやつているところの方策を資料としては出して下さい。全体の額はどうなるのか。それから今のそれによつて小麦がどれだけ買われるのか。それによつて小麦を買つた場合はどうなるのか。これは国際価格の異同という問題も出て来ますから、そういうような関連で出してもらいたい。その中でこれだけは余るからして、そうして而もこれを施行する人数はどれだけ、これは計画があるわけでありますか、この計画を私たち頂ければ、このような今の説明だけでは、久保田局長話が早いから話がわからない。どうもそういうものを出して頂いてこれを検討して頂いて、そうして技術的な面と全体の、来年度の予算編成との、こういう問題で、これは価格差補給金全体と必ず関連する問題が起る。この問題をあなたは大蔵省並びに食管のほうと折衝して見なければ……、これは一応お聞きしておくという程度にとどめるのであります。その点どうですか。資料ございますか。早速もらいたいのですが、どうですか。
  39. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 用意してありますから……。
  40. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 先ほどの説明を聞いて確かめておきたいと思うのです。そうすると、今度は学校給食対象人員は五百五十万人でしよう。
  41. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) その通りでうす。
  42. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 それに対して三十三億円の補助を出す、こういうことになるのですね、結果から見れば……。その三十三億の補助というのはパンの原料である小麦粉の大体購入費に対しての補助、実質的にはそうなるのですね。小麦粉で五百五十万人に対して無料でやろうとすると四十四億円要る、そのうち三十三億円補助する、こういうわけですね。ところが先ほどですね、話を聞いておると、まあ米を買う分をやめてそれを小麦粉でやろう、こういうのですね。そうすると何ですか、それだけ米が少くなるわけですから、米で配給されておるところを米で配給しないで、その分だけは麦で配給してそれで学校で食べさせてやろう、こういうことになるんですか。その点がおかしい。私は疑問に思つたんです。そうすると大分僕は重要な問題を含んで来ると思うんですよ。まあ今いわゆる一月に幾ら配給されているか知りませんけれども、その分だけ米は減るわけですね。減つてその代りに麦で配給する。その麦の分を学校へ渡して給食する、こういうことになるんですね。それでわかりました。僕はどうもこの問題が重要な問題だと思います。こういうことが父兄が了承するかどうか。これは重要な問題だと思うんです。それからミルクは何ですね。これは全然補助しない、こういうことになるんですね。
  43. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) そうです。
  44. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 だから、そうするとミルクのほうは学校のほうで給食しようということになればこれは学校随意ということになるわけですね。全部父兄負担、こういうことになるわけですね。まあそうすると大体政府の内容はわかりました。こういう学校給食が果していいか、悪いか、これは又別に私は意見を述べる機会があると思うんです。今日は……。
  45. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 他に御意見ありませんか。  ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  46. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 速記を始めて。
  47. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 もう一度聞いておきたいんですけれども、米で配給するところを麦で配給するんだから、麦のほうが安い、その価額だけを補助するということは、これは補助するということにならないと思うんですが、この点どうですか。
  48. 久保田藤麿

    政府委員久保田藤麿君) 岩間さんからちよつとお話が出ておりましたけれども、米を買つたことにして実は麦を買つて、その価額を操作する、そういうことではなくて、価格差補給金の一種にはなりましようが、この学校給食に要する麦の分量を、それを米を買うであろうならばどれだけ要るはずた。それを米を買う代りに麦を買う。それだけは国として利益のはずだからどちらから財源を出しても同じだ、父兄負担においても国民負担においてそれだけの財源を出すことは同じだ、ここに立脚しているわけでして、そこにからくりをして、実は米を買う金を払つたようにして麦の分を払つて差額を出すというようなわけではありません。
  49. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 文部省考えていることはわかりました。
  50. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 他に御意見ございませんか。それでは本日は文部省の説明を承わる程度にしてあとはこちらの御意見を……。   速記をとめて。    午後二時二十分速記中止    —————・—————    午後二時四十四分速記開始
  51. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 速記を初めて下さい。
  52. 大野幸一

    大野幸一君 通常国会で委員の交代がある場合もありますので、この前文部大臣が国民実践要領を出されるということに関してこの委員会でまだそれに関する結論は出ていないようでありますけれども委員長と文部大臣との間の交渉経過において、文部大臣は現在ではもう白紙に返されたというように理解しておつてよろしうございますかどうか、こういう点であります。又すでに国民の世論は一致して文部大臣の考えも又その方法も余り好ましくないということに一致したようでありますし、文部大臣も比較的あつさり素直なおかたでありまして、考えておく、こういうお話でありましたから、私たちはそう理解しているのですが、その点委員長として御感想を一つ念のために伺つておきたいと思います。
  53. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 私からお答えいたします。その点について大野さんがお見えになる前に少し話合つたのであります。この問題が大きく取上げられるようになりましたのは、第二回国会のときの我々の申合せに基いて、最初文部大臣が考えられたような構想の下に出されることの可否について相当愼重に審議したのであります。我々自身としても研究会を持ち、又多数の学識経験のある人に来て頂いて御意見を承わつたのでありますが、大体我々と同じような意見であることを見てとりまして、文部大臣もその点をよく聞き入れて、文部委員会意見も参照し、又世論の趨勢も見極めて白紙に返そうということをはつきり言明しておられるのでありますが、本委員会における質疑応答においてはその点は明らかになつておりますけれども委員会として正式に文部大臣からの答弁を求めておりますので、実は今日したいと思うのでありますが、不幸にして健康を害しておりまして、ここ両三日登院できない、これは次回に延ばして解決をしたい、こう思つております。
  54. 大野幸一

    大野幸一君 了承いたしました。
  55. 高田なほ子

    高田なほ子君 久里浜の水産大学の問題は、大体四月頃あたりには見通しがつく、善処するというように文部大臣もおつしやり、法務総裁も大変熱意のあるお話があつたのですけれども、その後あれはどんなふうに進んでいるのでしようか、消えてなくなつてしまいそうなのですが……。
  56. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 非常に好転しておるということは、向うのほうから謝意を表されて当委員会に対して非常にお骨折りを頂いておるという文言の書面が参つておりますが、その後の経過についてはまだ聞いておりませんが、更に又事情を調査してもいいと思います。
  57. 岩間正男

    岩間正男君 今のに関連して、私は予算委員会で増原長官に聞いたのですが、補正に組んでおるかと聞いたら、補正には組んでいない、来年度の問題になるわけですが、これは尤もそういうような営舎を建てるかどうかということと別に切離して、向うが講和発効後接収建築を返す。それによつて越中島の校舎を水産大学に戻す。こういうような方法もあるけれども予算措置については別に考えていないようであります。だから先に行かないとわからん問題ですが、こういう問題について具体的に実現できるように向うとしばしば折衝する必要がある、こういうふうに思います。
  58. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) ただ予算の決定は相当遅れるらしく思われますが、休会明けまでには委員長としてもいろいろ折衝しますが、或いは又委員会として具体的に皆さんの御盡力を更にお願いしたいと思います。
  59. 岩間正男

    岩間正男君 望ましいのは四月から、途中だと非常にまずいですから……そういう点で、殊に来年度六百五十億、或いは千三百億と伝えられる警察予備隊の中で、こういう問題を具体的に考えられておるかどうか。非常に重要な問題だと思いますから、この点委員長として折衝をしばしば繰返して頂きたいと思います。
  60. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 了承いたしました。それでは本日はこれを以て散会いたします。    午後二時四十九分散会