運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1952-07-30 第13回国会 参議院 農林委員会 第59号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年七月三十日(水曜日)    午前十時四十八分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     羽生 三七君    理事            西山 龜七君            加賀  操君            山崎  恒君            岡村文四郎君    委員            瀧井治三郎君            宮本 邦彦君            片柳 眞吉君            島村 軍次君            三橋八次郎君            小林 亦治君   政府委員    農林大臣官房会    計課長     増田  盛君    農林省農地局長 平川  守君    食糧庁長官   東畑 四郎君   事務局側    常任委員会專門    員       安楽城敏男君    常任委員会專門    員       中田 吉雄君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○農林政策に関する調査の件  (農林関係予算に関する件)  (食糧管理法施行令に関する件)  (でんぷん業維持育成に関する  件)  (農地農牧問題に関する件) ○継続審査要求に関する件   ―――――――――――――
  2. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それではこれより委員会を開きます。  最初に農林関係昭和二十七年度補正予算及び二十八年度通常予算の方針及び作業状況等について農林当局から一応説明を承わりたいと思いますので御了承願います。会計課長さんから説明して頂きたいと思います。ちよつとお断りしておきますが、まだ作業が進んでおるわけではありませんので、問題のなかばであることをこちらが了承して説明を聞きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
  3. 増田盛

    政府委員増田盛君) それでは簡単に概略をお話申上げます。只今お話にありました通り実は補正予算のことに関しまして何ら私どもに対して指示がございませんので、本格的な作業ができない段階でございます。只今農林省といたしましては、一応各局要求を取まとめておる程度でございまして、その要求に基いてこれをどういうふうに要求としてまとめて行くか、その作業は実はほんの準備程度でございまして、全項目に亙りまして詳細な審議がまだ行つておらんのでございます。従いまして私只今お話申上げますのは、各局がどういうものをどういう考えで出して来ているかという、こういう大体程度にしかお話できないのであります。  そこで実は各局要求して一応作業しまして準備しております数字も非常に変化がありまして、一耳提出したあとで又訂正しなければいかん。或いは一応仮の数字で、つて爾後相当な変更があると、こういう申出がありまして、一応そういう前提で集めておるのでありますが、大体現在のところ総額で一千億ぐらいになる見込なんで、これは一般会計で一千億ぐらいになつております。併しこの一千億という数字内訳を見ますと、この大部分を占めておりますのは特別会計に対します一般会計からの繰入れ、それからもう一つは、いわゆる公共事業費と呼ばれております費目の増額と、この大体二つで九割近く占めておる状況でございます。一千億のうち大体九百億近いものがこの二つで占められております。大体実はこの補正予算各局要求を準備させますに当りまして、農林省といたしましては政策的にはつきりした方向を細かく示してやつたわけじやないのでございますが、御承知のごとく大きな項目が大体きまつております。それは一つは、食糧増産の五カ年計画の線が一つきまつたこと、それからもう一つは、畜産振興の十カ年計画がきまつたこと、それから食糧統制におきます新しい構想が繰返されて来ております。大体そういう点に重点を置きまして更に森林関係とか或いは水産業振興関係に関しましても、これらを全部含めまして農林施策として一応農林省構想がまとまつております。これは主として二十八年度以降の予算はつきりして来るわけでございますが、併し可及的に補正予算からこれを実現して行きたいというので、農林施策の概況の、極めて簡単でございますが構想がまとめられておりますので、そういう点で各局要求重点を遭いて出して来ておるわけであります。  もう少し各項目に関しまして申上げますと、先ほど申上げました通り食糧増産対策、これが大体二百四十七億というので出ておるわけでございます。実はこれは補正予算でございますので、この二百四十七億は一応農地の拡張、改良事業に限定されております。食糧増産対策はこのほかに耕地関係のいろいろの事業つて来る存でございますが、補正予算性質上新らしく耕地関係として特に大きく要求する項目がないために、今回は土地改良事業中心といたしました種目に限定しておりますが、灌漑、排水、土地改良開墾干拓、これを合せまして二百四十七億、この数字の中には実は今国会で成立いたしました農地関係中心としました特殊立法によります予算要求が盛り込まれております。それの農地局関係が盛り込まれております。即ち急傾斜地帶振興に関する臨時措置法、それからもう一つ特殊土壌地帯法律と、この二つのもの、更にもう一つは、すでに前の国会で成立しました例の単作地帯振興法律に基きまして、そのうち最近に至りまして八県が追加指定されましたので、それを中心にしまして増額要求、こういういろいろな特殊地帶に関する復興のための食糧増産経費がこの二百四十七億の中に盛り込まれております。その金額は大体細かに申しますと、單作地帶関係のものが三十六億この中に盛り込まれております。それから特殊地帶経費が、農地関係だけとしまして七億盛り込まれております。それから急傾斜地帶経費農地関係だけで十一億と、こういうものが合せて相当な金額になるのでございますが、それが五十四億でございますか、この経費が二百四十七億の中に含まれてございます。従いましてこういうものを除きましたその他の経費は、食糧増産対策の当初の経費では足りない、計画数字を出して参りますに当りまして足りないというので出しておるわけでございます。従いまして食糧増産五カ年計画経費は、農地関係経費としまして二百四十七億に即応しまして、農林漁業資金のほうに当然所要の経費が組まれておるわけでございます。  次に大きい項目は、第二番目といたしまして食糧管理対策に要する経費でございます。これは実はまだ極めて数字が不安定なのでありまして、或いははつきりした数字でお示しいたすことにいたしましてどうかと思う点もあるのでございますが、併し一応不安定でありますけれども、御参考の数字になるだろうと思います。以上取りまとめましたのが、一般会計から特別会計に対する繰入れといたしまして三百七十二億という数字をまとめております。  一応生の数字のままで三百七十二億、この内訳を申上げますと、米麦等輸入食糧にございます補給金不足、これが百三十億であります。当初予算は二百七十億でございましたが、これが更に不足いたしますので百三十憾、これは従来一般会計といたしましては農林省外に組んでおつたのでありますが、今回は農林省予算の中に組むということにして百三十億、それから更に食管会計全体としての運用を見ますと、この輸入補給金のほかに相当の不足額が生ずるわけでございましてその補填といたしまして二百四十二億を繰入れなければならない、それはいろいろな原因がありまして殊に新らしい米の統制変化に即応しますいろいろな経費等が予定されておりますので、そういうものも全部ひつくるめまして二百四十二億であります。この中には只今審議されております飼料需給調整とも関連いたしまして、外国飼料輸入する輸入飼料経費が二十億含まれております。この二百四十二億のほかに二十億、大体これは価格差補給金性質を持つものでありますが、二十億見ております。それから北海道の甜菜等買上げが大体四億、これで十分かどうかという点で問題でありますが、一応四億、こういう経費が中に含まれております。澱粉関係経費は一応考慮してもらい、買上げする事態に至るのじやないかという予測でありまして、なお今後の事態の推移を見まして検討されなきやならんと思いますが、一応澱粉関係買上げ経費はそこまでで、それから来る不足分は含まれておりません。今申上げました通り大体三百七十二億、これが食糧管理対策に要する経費であります。この場合に食糧証券の発行、その他いろいろな手段による解決も考えられますが、この場合はその他いろんな問題が考えられますが、そういうものは全然考慮しないで、先ほど申上げました通り、生の数字といたしましてそこで計上した次第であります。要求が出ておる次第でございます。  それから第三番目は畜産振興の十ヵ年計画に対応する経費であります。畜産振興対策経費であります。これが基幹となります家畜の導入に関する資金融資で賄なつておりますので、これはもう既定経費としてそれで賄うことになつておりますが、その場合に年度当初に考慮されなかつた経費二つほど大きな項目として出ておるわけであります。先ず大きい項目として二つ、その一つは、新らしく乳牛輸入する経費が入つております。御存じ通り十カ年で現在の二十二万頭の乳牛を百万頭にする計画になつておりますので、この乳牛年次別外国から輸入する計画になつておりますが、その経費としまして約二億二千五百万円ほど一応要求があります。この乳牛輸入経費は大体これはアメリカから千頭輸入するという経費でございます。そのほかに御存じ通り濠洲ニユージランドから輸入する計画があるのでありますが、これの費用のほうは融資のほうでいわば民間輸入として賄わせる考えでございます。一応予算面ではそれは載つておりません。大体畜産局のお考えでは、濠洲ニユージランドから二千五百頭本年度中に入れたいというお考えがあるようでございます。ここに載つておりますアメリカからの輸入は千頭だけでございまして、これは国で買上げまして、国有のまま民間に貸付ける、こういうお考えのようであります。それからもう一つはサイロー、堆肥舎畜舎の建設の助成でございます。二分の一助成をやる、これが五十億、一応本年度は半分しかございませんので、大体二十万基作りたいということで、その経費が五十億、堆肥舎畜舎こういうものの新設の経費を見ております。  以上申上げましたのが大体主なる項目でありますが、そのほか大きい項目を拾いますと、森林資源関係におきましてはこれはやはり相当な金額治山対策林道対策として要求されております。大体こういう経費で三十五億の経費要求されております。当初予算不足であつたという理由治山造林林道全般に亙りまして三十五億の要求、それから更に林野庁要求としまして目立ちますものは森林病害虫、特にクリトマ蜂でございますが、全国的に蔓延を憂えられております、クリトマ蜂緊急防除費用が一億七千万円要求されております。ここでちよつと申上げますのは、実はクリトマ蜂防除に関します経費は四億出ているわけでございますが、予備費で一部要求しまして、それから本年度中に間に合わないのは来年度予算に持ち込むということで、一応四つに区切つて補正予算で一億七千万要求したいというのが林野庁考えでございます。  それから次に先ほど申上げました食糧増産対策、それからその他の公共事業費等金融面におきます裏付けとなります農林漁業資金関係でございます。この要求が百三十二億、農林漁業金融特別会計の繰入れが百三十二億、それから金融関係でもう一つこれと別でございますが、例の自作農創設維持金融でございますが、これは現在自作農創設特別会計強制譲渡の形を以ちまして賄われておりますが、それが不足だというので二十四億一般会計から繰入れるという要求がございます。当初予算特別会計の枠の中で八億五千万の金を見出しまして、この八億五千万で賄われておるわけでございますが、実は去年の実績をそれから本年度の頻発する災害現況等から見まして、到底この金では不足だというので、更に追加としまして二十四億、八億五千万に更に二十四億を追加してもらいたい。この財源特別会計財源では賄えませんので、一般会計からの繰入れを要するというのがもう一つ考えであります。  それから次は先ほどちよつと触れましたが特殊地帶振興対策をもう一度一まとめで申上げますが、先ず単作地帯でございますが、それは先ほど農地局関係としまして三十六億が前の経費に入つていると申上げましたが、そのほかに単作地帯全般としまして林野庁から四億の要求があります。これは特殊造林特用樹種の普及に関しまして四億の要求がありました。計四十億と、こういうふうになつております。それから特殊土壌地帯に対しましては先ほど農地関係から七億あると申上げましたが、そのほかに林野関係の先ほどの前の経費の中に実は含まれておるのでございますが、林野関係で六億、農地が七億と、林野が六億とその他が一億と、その他と申上げましたのはこれはいろいろの所から要求がございまして、農業改良局蚕糸局、こういう経費が入つております。それが二億でございます。それから急傾斜地帶のやつでありますが、これは大体農地が大部分でございますが、農地が先ほど十一億と申上げましたが、その他農政局等より一億の要求がございまして、合せて十二億でございます。單作地帯が四十億、特殊土壌地帯が百五十億、傾斜地帶が十二億、大体これが各局要求を取りまとめた数字でございます。  そのほか更に新しい構想として申上げなければなりませんのは、肥料需給調整経費で、農政局考えられておるようでありまして、大体これが三十億程度資金を以ちまして、この資金を貸付けまして、肥料の波を乗越えたい、こういうもので大体三十億前後でございます。このくらいのものと考えております。  それからもう一つ大きな項目甘としましては、農業共済保險に対する繰入れ一の関係でございます。これが十五億くらい予定されておるのであります。これは去年のルース台風以来の災害が累積しておりまして政府特別会計の中にあります基金勘定からどんどん金を使つておりますので、そういう面の穴埋めとか、それから水稻料率改訂に伴います不足金、こういうものが全部入りまして十五億で済むのじやないかと考えて、これを要求しておつたのであります。  一気に申上げましたが、大体今集まつておるのはその程度でございまして、このほかに農協再建整備の金が相当大きく出て来るのじやないかと思います。実は農協再建整備金額が非常に複雑になつておりまして前年度不足金はもうはつきりいたしております。これは予備費で現在要求中でありますが、予備費でどの限度まで考慮されるか、まだはつきりしておりません。それからもう一つは本年度再建整備奨励金不足額はつきり出て参りませんので、そういう点で数字として少し同まつておらない向きがありますが、予備費の分がやはり補正のほうへ廻るということになりますと、それから本年度不足金ということになりますと、やはり相当大きな金になるのじやないか、生で言いますと、七億、八億くらいの金額になるのじやないか、これをどうするかという問題が実はあるわけであります。  大体只今段階といたしまして申上げます点は以上の点に盡きるわけでございます。今申上げましたこのほかに水産関係が入りますから、大体一千億に近い数字になります。このほかに細かい項目が二百項目くらい出ておりますが、その点は省略いたします。
  4. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 大体補正予算についての見通しを承わつたのでありますが、御承知のように補正予算という形で出て来るのかどうか、その辺も政治的にまだ見通しの困難な状態でありますが、昨年は私も皆さんのお供をして、丁度補正予算編成前、池田蔵相がサンフフンシスコの会議に行かれる前でございまし奈、行つていろいろ要求をして、農林関係予算実現のために努力したわけでございますが、会期も切迫し、なお他の法案の処理や或いは自由党自体内部事情等のためにこの際いろいろ統一した動きをするのが非常に困難な状態にありますので、一応まあ今会計課長さんから御説明を聞く、程度にとどまるわけでありますが、いずれあと委員会の構成、それから委員長等も代ることと思いますので、あと東京に近くお住まいのかたで、今の補正予算等要求をお含みの上、一つ極力実現方の御配慮をお願いしたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
  5. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 ちよつと質問してよろしうございますか。まだ確定しておらぬようですから、或いは細かいことはわからないかも知れませんが、食糧管理対策ですが、補給金が非常に殖えるということ、これは国際価格上昇等で止むを得んと思いますが、この二百四十二億の補給金以外の繰入れの中には例の超過供出奨励金が入つておりますか。
  6. 増田盛

    政府委員増田盛君) 入つております。
  7. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 どのくらいの單価かわかりませんか。
  8. 増田盛

    政府委員増田盛君) 実は今日書類を持つて来ておりませんので、お答えできないのでございます。
  9. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 それからこれは二百四十二億というやつはどうなんですか、いわゆる損益計算上のネットの赤字を補填するとかそういうものは勿論ですが、去年度までやつてつたようないわゆるインペントリー・フアイナンスまでやるということか、どつちなんですかね。
  10. 増田盛

    政府委員増田盛君) インベントリー・フアイナンスは一応考慮しないでいい……。
  11. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 そうすると純粋の損益計算上の赤字を補堕するというだけの二百四十二億ですか。
  12. 増田盛

    政府委員増田盛君) 一応この間の私どものほうで取りまとめた場合にはそういう説明をしておりました。
  13. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 それからもう一つこれとは直接関係がないようでもありまするが、例の蚕糸局の繭糸価安定のやつの三十億という金が現在では殆んど政府に売つて来る事実はないわけですね。貴重な三十億というものが実は予算では歳出に見られてないなら、それは全く遊休しておるわけですか。農林省としてはこれはどんなふうにお考えですか。
  14. 増田盛

    政府委員増田盛君) いやいろいろお考えがあるとは思いますけれども、まだそこまで内部で議論しておりませんので、お答えできないのであります。
  15. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 それからもう一点ですがね。單作地帶区域が殖えて三十六億ということですが、この間東北地方べ行つて見ると単作地帯予算が非常に、これは法律作つた意味がない程度に非常に少いんだということを強く言つておるんですが、その区域の増以外に全体的に殖やすという構想はないんですかね。
  16. 羽生三七

    委員長羽生三七君) ちよつとそれに関連して、三十六億、それから林野関係を四億含めて四十億ですが、これは地域の殖える部分だけに該当するのか、既定地域に対するプラスも含まれておるんですか、その点ちよつと……。
  17. 増田盛

    政府委員増田盛君) これは全体を含んでおります。地域プラスのほかに既定地域の増、これも全部考えた次第であります。
  18. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 今日はどうですかね。質問もこの程度にして頂いて、極力それぞれの線で……。
  19. 島村軍次

    島村軍次君 農協再建整備只今お話不足額だけという御意見になつておるようですが、融資の問題も農政局で取上げておると思うのですが、あなたのところへ参つておりませんか。
  20. 増田盛

    政府委員増田盛君) まだ参つておりません。
  21. 島村軍次

    島村軍次君 これは希望を申上げておきます。一つ農政局と打合せて至急に御研究願いたいと思います。申出を強くいたしておきます。
  22. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それでは先ほど申上げましたようにまだコンクリートになつたわけではないようでありますので、今作業中の中間報告みたいな形でありますが、一つ皆さんの御協力で極力農林予算実現できるように御配慮願いたいと思います。この問題はこの程度にいたしますが、御了承願います。
  23. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それでは食糧庁長官も見えられましたので次の議題に入ります。片柳さんから御要求がありまして、食糧管理法施行令のうち問題点に関して御発言がありますので、この際御発言願います。
  24. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 前回にも申上げた次第でありまするが、過般の食糧管理法の一部改正法律に基きまして食糧管理法施行令の一部を改正する政令が公布施行されておりますが、米価審議会のほうで特にこれは意見が出ましたわけでありますが、本法趣旨が必ずしも政令にそのまま具体化されておらない、むしろ多少歪曲されて政令化されておるということが米価審議会では問題になつたわけであります。米価審議会では、本法趣旨に即して政令を再検討をして改正をして欲しいという実は決議が附いたわけであります。私もその席におつたわけでありまして、その意味から当委員会前回発言をいたしたわけでありまするが、いろいろ米価審議会でもさような意見がありましたが、一応私の私見としてその辺の意向をまとめて改正すべき点ではないかという点を申上げまして、これは委員の各位の研究及び政府当局研究と両方願いたいと思います。  第一点は施行令の第二條の三の規定であります。要するに生産者価格であります。この政令を見て参りますると、大体は本法趣旨は出ておると思いまするが、特にこの間の米価審議会で問題になりましたのは、あれは五月のパリテイでありましたか、パリテイが非常に下つて来ておる、或いはそれは非常に偶発的な理由価格決定時にパリテイが下つておる。その下つたパリテイでフイツクスをされることは非常に困るのだと、こういうことでありまし売れ従つてパリテイを算出した、要するに麦価決定以降における物価動向見通して、五月には少しパリティが下つておるのですよ、その後又物価土つてパリティは上るという見通しがある場合においては、その価格決定以降における物価動向というものを特に重要視をして欲しい。これは法律で言いますと、「その他経済事情を参しやくし」という中に入ると思いまして、特に拔き出して書いて欲しいという意見ではないかと思うのでありまして、仮に私案を申上げますると、第二條の三の第一号の所に「農業パリティ指数に基き附録第一の算式によつて算出される価格基準とし、命令で定める予想反当収量及び基準反当収量パリテイ価格との関係から附録第二の算式により算出される価格」、その次へ今言つた趣旨を、字句はまだ練れておりませんが、価格決定時以降の物価動向の見通その他経済事情を参酌して定めるというふうに、特にその点を抽出をして誓いて頂きますれば、大体趣旨が達成できるのではないだろうか。勿論「その他の経済事情」という中に現在でも入つておるとは思いまする特にそれを抽出して書いて頂きたということではないかと思うのであります。それからその次の点は、第二條の四には「標準売渡価格は、家計簿に基き付録第三の算式によつて算出される価格範囲内において、」要するに家計簿が上昇すれば上昇しただけは上げてもよろしいということは、これは、過般の食料管理法改正案付帯決議と言いまするか、決議といたいしまして現行水準以上には上げないということがはつきり委員からもでておるわけであります。そうするとこれで行きますと、現行水準よりも上るという、家計簿が上がつてくれば現行水準以上に政府売却価格は上がるということになるのですが、これはむしろやや本法趣旨に抵触するのではないか、これは字句は練おれておりませんが、要するに麦の統制を続けておりました最後の、最近の政府売却価格を超えない価格範囲内において、場合においては大体二条の四の「精米の消費価格」云々というところに続けていいと思います。最高額は、やはり今言つた麦統制が続いておりました、極く最近の政府売却価格範囲内においてやると、こういうことではないかと思うのでありまして、これは私もまだ極めて未熟な私見でありまするが、大体そういうようなことではないか。特にこれは米価価格審議会では大森委員川俣委員からそういう要望がでておりましたので、これは私のほうでも連絡はいたしまするが、政府当局でもその辺ともご連絡をしていただいて、でき得れば米価審議会開催前に今言つたような政令改正一つして頂きたい。方法は又後でご相談をいたしてよろしいと思いまするが、大体以上の点を申上げまして……。
  25. 羽生三七

    委員長羽生三七君) ちよつと長官の答弁の前にお答えしておきまするが、長官は今大蔵委員会から催促があつて大分催促されておりますので、片柳さんの御質問の範囲は、問題点だけに限定して本日はおきたいと思いますけれども、ご了承をお願いいいたします。
  26. 東畑四郎

    政府委員(東畑四郎君) 片柳さんの御質問の趣旨は、私も米価審議会で十分実は了承いたしております。その第とこれで行きますと、現行価格水準よ一点のパリテイにおける価格決定時をりも上るという、家計費が上つて来れ麦であれば五月末ということにとつて現行水準以上に政府売却価格は上おるのであります。附録算式のいわるということになるのですが、これはゆるP2に当る部分でありまして、政府むしろやや本法趣旨に抵触するのでの買入価格を決定しようとする年の農はないか、これは字句は練れておりま林大臣の定める月というのが、例えばせんが、要するに麦の統制を続けてお五月であれば五月というのがいけなりました最後の、最近の政府の売却価い。将来の物価動向考えてはどうか格を超えない価格範囲内において、という御発言であり、その趣旨で政場合においては大体二條の四の「精米令を改正してはどうかと、こういうの消費者価格」云々という所に続けてことでありますが、一応政令といたいいと思います。最高限は、やはり今しましては、経済事情を参酌すると言つた麦統制が続いておりました、いうことになつておりまして、現実にはいわゆる豊凶指数というものをここに織込んでおるということで解釈をしておつたのであります。なお物価情勢その他の場合もこの経済事情で実際は解釈できるのじやないかというふうに考えておつたのです。ただ将来の物価見通しを織込んではどうかということは、現実の価格を彈く場合に非常にむずかしい問題で、物価が上昇いたします場合はこれは比較的簡単でありますが、下る方向に行きます場合に、下る情勢というものを麦なら麦に織込むということはなかなかこれは、パリテイは現実は高いんだが、物価はだんだん下り気味だから、もう少し安くするということも如何かというようにも考えまして、これはもつと卒直に言いますと、農民のためにどちらが有利か不利かわからないという場合も出て来るのであります。政令改正等はよほどこれは練つてやるべきだというふうに考えておりまして、趣旨は単に五月だけのパリティを以て判断すること自体は私自身も若干疑問もあります。これはまあ十分一つお打合せをしてみたいと、こういうふうに考えます。  それから第二点の現在の小麦粉の価格の基礎になつております原麦価格はこれはもう最高で上げるなというような御趣旨でありますが、これは政府側といたしまして若干その点はきついのでありまして、むしろ我々といたしましては、精米の消費者価格と精麦又は小麦粉の消費者価格との開きというものが実際開いて行くということによつて、いわゆる自由価格というものにもなつて行く。家計費等がどんどん実質的によくなつて来るという場合に、家計費だけ全部上げるというのじやありませんで、その範囲内において実際は消費家計及び精米対小麦粉の実際の市場の価格差というものを織込んだ原麦の操作をいたしたいというのであります。議会の御決議も現在上げるなというふうに私どもはとつておるのであります。こういうふうに長い将来の線としてもう原麦は如何なることがあつてもこれ以上げてはならんということは、ちよつと政府のほうでは誠に辛いのであります。その点は又一つ十分我我のほうの見解もお聞きを願いたいと、こういうふうに実は考えておる次第であります。
  27. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 第一点は多少誤解があるので、私は五月末でパリティをきめるということは技術的にしようがないと思うのです。ただ五月に何か非常に偶発的な理由でエア・ポケット的に下つたというような場合においては、その場合においては、それは又上るということが予想されるわけでありまするから、そういう場合にはその下つた事由を仔細に検討をして、それをその後物価は上るのだというような趣旨においてそれを特に見てほしいというのが大森さんの意見ではないかと思います。下る場合ということは虫がいいかも知れませんが、特にエア・ポケット的に下つた場合において、それを五月にきめることは止むを得ぬと思うのですが、その後又再び上るというようなことが明瞭な場合においては、その事情を特に強く勘配して欲しいと、こういうわけでありまして、五月末で一応パリテイ指数を計算することは、これは技術的にはしようがないと思うのです。大体そういう趣旨でありますので、第二点の将来ずつとフイツクスされると困るというわけでありましようが、それはそういう時期が来れば政令改正してもらいたいのであつて、差当りやつぱり現行価格ということで行きませんと、それはちよつとやはりこの参議院の決議なり或いは米価審議会でもその点は大分きついのではないかと思います。これは私のほうでも研究はいたしてみますが、このままでいいんだということになりますと、又ちよつと私としても了承しがたいのであつて、今日は時間もないようでありまするから、或いは適当に案ができましたら、まあ国会が終りになりまするが、或いは便宜お集まりの皆さんだけにでも御相談をして頂きまして、一遍一つ案を作つて頂きたいことを要求いたします。
  28. 東畑四郎

    政府委員(東畑四郎君) 御趣旨は実質的にはよくわかるのでありますが、政令の表現の問題はなかなかむずかしい問題でありますので、私のほうでもいろいろ考えておるのでありますが、まだ成案も実は得るまでに至つておらないのであります。御趣旨の点はよく斟酌いたしまして、別途これは御相談して頂きたいと、こういうふうに思つております。
  29. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 これは私のほうも一つ専門員のほうにおいて或る程度の案を一応作つて頂いて、政府のほうと連絡をして頂くことにして結構です。
  30. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それでは今の件は問題点として研究をして頂くことにいたします。   ―――――――――――――
  31. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 次に山崎委員から御要求がありまして、米国のコンプロ社の日本進出に関する件について御発言要求がありますので、この際御発言を願います。
  32. 山崎恒

    ○山崎恒君 最近我が国の澱粉事情の問題につきまして、政府考え方がどの程度であるかという点をまだ我々はわからないのでありますが、アメリカのコンプロ社が日本に進出しようというような計画があるやに仄聞しておるのであります。これはもうすでに過去一年前頃からそれの下工作が進められておるということでありまするが、最近におきまして非常に政府に対しましているいる説明をしたり或いは大蔵省等に対しましても相当了解工作を進めておるというような話でありまするが、このコンプロ社の進出が日本の澱粉、なかんずく日本の農業経営にプラスになるか、マイナスになるかという点は、これはもう第二の問題といたしまして、この社の進出がどの程度進んでおるか、又政府がどういう工合にアメリカのコンプロ社の進出に対して考えておられるかというような点について、これはもう日本の基礎的産業であるところのいもの問題、なかんずく澱粉業の問題、製飴業の問題等々相当密接不可分の関係が招来するというような問題であろうと思います。特にこの業界が進出いたしまして、日本の業界を圧迫するか、或いは反対に日本の業界を鞭撻して日本の業界をよりよく発展させるかというような二つ考え方があるのでありますが、政府においてはこの問題についてどういう工合に只今考えておられるか。一応一つその所信をお聞きいたしまして、又業界等においても特に研究いたしたいと、かように思うのでありますが、その点を一つお聞かせ願いたいと、こう思うのであります。
  33. 東畑四郎

    政府委員(東畑四郎君) コンプロの全体のことは私はわかりませんが、私が知つております限り、又私自身が向うの責任者と会つたときの事情、その後のことで知つております限り、卒直に一つお話し申上げます。  約一ヵ月ばかり前でしたか、或いはそれ以上前でありましたか、コンプロの副社長、ラムスタイン、この人と向うの技師長という二人が私の部屋に来られまして、日本の甘藷、馬鈴薯、澱粉を基礎にしてデキストリン・シュガーを作りたいという計画を持つておる。日本のコーン・スターチ工業というものは、コーン・スターチ以上には資源もないし、伸びないから、これはこれ以上の発展はできない。併し澱粉というものは、大体それが日本の甘藷、馬鈴薯というものを基礎にした澱粉工業を発展することは日本のためじやないかという話合いで実は来られたのであります。そのときに私に説明されたのは、先ず資本関係ちよつと記憶がございませんが、向うが過半数をもらう、その資本は、マイロスターチを入れて、それでこちらへ投資をしたいというお話でありました。併せて消費宣伝のために向うで作つておるコーン・シュガー、これはマイロ・スターチからできたシュガーであります。それをやりたい、こういうお話合いでした。私自身が少し疑問を持ちまして、マイロスターチを入れるのはどういう意味があるかということを大分突込んだ。そうしたらこれを一つやります、こういうことであります。これはコンスターチであります。  コーン・シュ・ガーで、マイロスターチから作つたもの、それを入れることは消費宣伝になる。用途とつては、アメリカではヶン・シュガーの八割でできる。而もヶンシュガーと違う用途にこれはできる。例えば清涼飲料水とかそういう方面にこれは非常に消費が多い。そういうものをやはりどれくらい日本人が食うかという消費宣伝の問題があるので、それを一つ入れて資本投下の基礎にしたい。こういう実は話合いになつた次第であります。私のほうは澱粉業というものについていろいろ説明をいたしたわけですが、日本の甘藷、馬鈴薯の澱粉というのは非常に複雑な形態を整えて来ておるのだ。非常にむづかしい問題を随分説明しましたところが、向うは相当こちらへ来て調査をして、調査資料を相当持つております。その日は私は簡単に話をして別れたのでありますが、それから約二週間ばかりたちまして、又来られまして、そのときに日本に資本支出をするというのは一体どういう資本と提携をし、農業とどう結びつけるのかということを大分突込んでみたのでありますが、それについてはまだきまつていない。ただ日本で甘藷、馬鈴薯の澱粉というのが非常に余つているという感じを持つている。非常に余つた場合の処分として、それをより高級なものにするということは、日本の農業のためでもあるし、いいじやないかということで、資本構成はどうするかとか或いはそういう工業について一体アメリカの資本について、マイロスターチを入れたりいろいろ懸念もあるから、そういう問題はどうだということも突込んで見たのでありますけれども、マィロスターチを売りたいけれども、これは日本としては澱粉業に対して影響があるからやめてほしい。併し直接資本をこちらへ持つて来るといつてもなかなかむづかしいので、コーン・シュガーというものを若干こちらに入れてもらつてれそれを母体にしてその資金を投資したい、こういうことであります。  それからもう一つ特許権というものがあるのかどうか大分突込んだのでありますが、一切特許権はない。コンスターチを作るにおいても、その後のコーン・シュガーを作ることにおいても、過去にはあつたけれども、それはすでに時効になつてつて、一切の特許権はありません。機械は一体どうなのだということを細かく突込んで見たところが、機械のごく一部はアメリカで作られているものだが、大部分の機械は日本でもできる。それ以上いろいろ突込んで見たのでありますが、向うもはつきりしない。場所としては関東に作りたい、こういうことであります。その後私はこれは日本政府としては非常に重要でありますから、そんな簡単な話だけではいかないから、もつと詳細に研究したいと言つて実は別れたのでありますが、その後アメリカへ帰られてしまつて、その後ずつと来られない。ただ向うの技師が来ていろいろ調査をしておるということは聞いております。政府としましても、まだその程度でありまして、事は澱粉業というのは重要な問題であります。農業に非常に影響がありますので、外資導入をやるかやらんかという方針の前の調査研究というものをまだやらなければいかんのじやないかというので愼重にやつておるのでありまして、まだまだ具体化する前の段階にある。業界の一部ではこれと提携をすることについていろいろ計画をしておられるかたもあるやに聞いておりますが、まだ実ははつきりいたしておりません。向うも別に強いて日本側の反対を押してこちらへ投下しなければいかんという熱意もないのじやないか、ただ様子を調査に来たのじやないか、あの会社はなかなか澁い会社だと聞いておりまして、なかなかがつちりしておるようであります。副社長、技師長にありましても非常に綿密な調査をやつておるようでありまして、そう簡單にこちらに出て来るとも考えられません。相当これはいけるという確信でやつておると思いますが、私といたしましては、日本の澱粉業そのものなり、甘藷、馬鈴薯の発展になることであれば、それは或いは歓迎すべきでありますけれども、根本問題について愼重を期せない限りなかなかそう急速に解決することは問題であります。こういう態度で向うの言うことをつぶさに聞きましてまだ調査をしております。こういう段階に私はあると思います。これの関係省も大分これは関係もありますので、その他の点については私はまだわかりませんが、一応お答えしておきます。
  34. 西山龜七

    ○西山龜七君 ちよつと関連して只今長官が最初にお会いしたときに、マイロスターチを日本に持つて来て投資をしたい、これが私本心だと思う。これがコンプロ社の独占事業でありますからして、この製品を日本に持つて来るということが本当のことであると思う。これをよく注意したいということと、それから日本の澱粉は過剰しておるという三月頃のあの空気を以てやつたのじやないか。事実において日本の澱粉は過剰していない、不足して困つておる。こういうのでありますからして、この問題は一つよほど愼重に研究して頂いて、日本のいも作又澱粉工業の将来を考えて、愼重に一つ一年でも二年でも研究して万全を期してもらいたい。これをお願いしておきます。
  35. 羽生三七

    委員長羽生三七君) それではこの問題はこの程度にいたします。
  36. 羽生三七

    委員長羽生三七君) 次にもう一点あるのでありますが、それは加賀、滝井両委員が、先般議員派遣でお出かけになつた際に、現地で問題になつた接収地の問題で御発言要求がありますので、この際御発言をお願いいたします。
  37. 加賀操

    ○加賀操君 先だつて私と滝井さんと九州と中国の接収地を視察に行つたその結果を報告しますと共に、農林省のほうに強く希望申上げておきます。  個々の点につきますので、詳しいことはお聞きの皆さんにおわかりにくいと思いますので、概括的に申しますが、福岡県の古賀の演習場ですが、これは福岡に非常に近い所です。海岸でございますが、殆んど通信隊で使つていた所であります。新らしく拡張をするという駐留軍からの申入れがあるのでありまするが、この地区は非常に施設、建物が多いわけであります。住宅にしましても、鉄道にしましても、変電所、学校、病院、非常に多い。これを接収するなんていうことは恐らく無謀であろうと思います。それでこれは拡張はできないと思うのです。実際問題として……、従つて今まで国連軍が使つていましたのは通信関係だけで、先ず一年に三回か四回と立入りも自由だと、海岸の漁師も自由にやれると、こういうことになつていましたので、これは是非拡張を取りやめて、そうしてその拡張区域にある住民、施設を取除けと、こういうような無謀な事柄は、日本政府としては到底受入れられんし、又非常に問題を起しますので、その点十分に考慮されて、先ず使わないということはできないと思いますので、従つて従来国連軍が使用した程度に使うと、拡張しないと、こういうように一つ考えを願いたいと、かように思います。  それから次に築城ですが、これは飛行場です。海岸にありますのですが、大分県に近い所、これは従来使つておりましたし、只今も盛んに使つておる所で、これは使わなければならんと思いますが、これにも拡張の要請があるわけであります。これはかなり広いというよりも、むしろ非常に周囲の住民に影響のある拡張になりますので、詳しいことは申されませんが、海岸のほうにかなり面積の広い拡張を要請をされておるわけでございます。ここは普通の地盤からニメートルほど下つておるわけです。従つてこれは無理に駐留軍が使わなくてもいいと、こう私たちは見ておるわけであります。又使うに不適当であり、それから海岸まで使いますと、漁業が全然駄目になる、こういうわけでございます。そこで海岸のほうは成るべく使わないように是非拡張から除く、それから鉄道側の拡張もありますが、これは帶のように拡張するのでありまするが、その中を少し縮めてもよいということを言うて参りました。どうしてもその鉄道側の拡張をしなければならんときには、現在使つている飛行場に不用地があるわけであります。それを交換に解放すると、こうして頂きたいと思うわけであります。それからここは約四百町歩くらい何回にも分けて拡張さ君たのですが、農家が非常に面積が小さくなりまして困つておるので、実はその南に椎田の干拓の予定地があるわけであります。これはすでに調査に着手しておられると思いますが、これを早急にやつてもらえばここに三百町歩ほどの干拓ができると、これでもしてやらなければあれは納まらんと、こういう気がいたしますので、この点農林省のほうで十分注意されて御処置願いたいと思います。  それから第三番目は有名な日本原でございますが、これは軍から見ましても農林側から見ましても非常によい所なんです。両方いいのです。併し私は軍の専門家でありませんので、どうしていいかということはわかりませんが、これは経過的に日本も使い国連軍も使い、又駐留軍も使うと、こういうことを非常に要求しているところを見ればこれは非常にいいと、こういう結論が出るわけであります。農業側から見れば、私たちが見ましても非常によい所で、又これは非常な競合になつておりますが、これを歴史的に見ますと、日本が接収した当時から、これは明治四十年頃です。その当時からかなり自由に使つていたわけなんです。慣例があつたわけなんです。又文書もありますし、それから国連軍のときにも地元の役場その他でよく交渉をして、自由に差支えないときは入つてもよろしいし、或る所は開墾してもよろしいというような文書があるわけです。交換された。それで地元としてはこれはどうしても解放してもらいたいと、日本軍時代からの約束もあるので解放してもらいたいと、こういうわけなんですが、又農林側からいいましても、これは解放すべきものだと思いますが、要は換地があるかないかと、こういう問題なんです。客観的に見ますれば、若し換地がなければ、これは止むを得ませんから従来の日本軍或いは国連軍が使つていた慣例によつて今度使うと、こういうことはこれは止むを得んと思いますが、若し換地がなければ。併し農林側からいえばこれは解放すべきだと、こう我々は見たわけであります。それで若し換地がない場合には、只今言いましたように従来の慣例によつてその條件で新らしい駐留軍が使う。但しこの場合に條件が二2二つあるわけであります。実は県道以南の土地はこれは終戦後解放をしまして、直ちに開拓地にしたわけです。そうして県と農林省で十分な開拓計画を立てて着々仕事をされ、恐らく日本中であれぐらい開拓地として立派な施設を持つて、いいように行つておる所はないと思います。それぐらい非常によくやつておる存です。いろいろな農産加工の工場も大きなやつを持つていますし、畜産も十分発達しているわけですが、若し今拡張を要求されているようにやりますと、この県道以南の開拓地の計画が中途半端になるわけです。これは県道以北に増反地を作るという計画はつきり立つておるわけです。それだけの面積はこれは除いてやらなければ、折角今まで県道以南の開拓地の施設が中途半端になりまして、非常に迷惑もかけるし、今までの非常な努力が水泡に帰するという非常に重大な問題でありますし、又私が見た範囲では、恐らく本州において津山にある北部酪農協同組合というのがありますが、これは実に立派な施設を持つてそうして非常に上手に経営をしているわけです。一例をとつて見ますと、これは初めて私も見たのですが、その酪農組合は製氷事業を一緒にやつているわけです。そうして乳を集めまして、製氷事業をやつていますから冷すことは自由なんです。一度か二度くらいに冷しまして、午後の七時か七時半頃にそれをトラックに積むわけです。大き」な毎に入れまして、そうしてその中へ氷を入れて、夜通し運送して大阪まで行くわけです。六時間半で行くわけです。それで大阪へ着いて六度か七度くらいに温度が上つている。恐らく日本でこんな合理的な経営をやつている所はないと思いますが、その牛乳の原料は日本原のほうに大半がかかつているわけです。こういう既定の施設がありますから、開拓地にしましても今のような既定の施設を活かすようにそれだけの最大限度のところは残してやつてほしいと、こういうことを考えているわけです。それから村によりますと、一番東の村は私は名前は忘れましたが、それが拡張されると、山ばかりでありまするから村の財政が立たんと、こういう状態になつておりますので、その点を考えて頂いて、要は県なり国が開拓及び産業に今まですでに計画を立て、その計画を清々実行して、その成績が日本有数な成績を持つているような事業に対しては、これはそれを守り又発達させるために拡張の分から除くと、これは非常に僅かな面積ですから大したことはないと思います。そういう点を御考慮願いたいと、かように考えております。私たちが見ました一般の結論から申しますと、いろいろ地元へ行つたり或いは当局に聞いたりしたのですが、駐留軍に関する限り結論を申しますと、地元においてはその使い方がはつきりしないと、こう言うのです。ただこれだけの面積を大体こういうように使うんだと、こういうのですね。それで若しはつきりすれば又地元でもはつきり方針が立つが、ただ大きな面積をこれだけの所を使うのだ、これは大体こういうふうに使うのだから、その中のものは皆退去しろ、こういうことではつきりしないわけなんです。それでもう少しはつきりさす必要があれば必要があると私は考えておるわけです。そうせぬと地元もなかなか得心が行きかねると思います。  それから次は予備隊ですが、これは実に不明朗なんでございますれ。どこへ行つても、まあ従来の国連軍が使つていた所を使うのはまだいいんですが、或る所へ行くと、どこでも使うというのです。私有林だろうが畑だろうが、そうしてここへ入つちやいかんと言うと、ああそうですかと言つて頭を下げてやめるというのです。又三十分ぐらいたつと向うのほうで始めるというのです。そんなわけで地元民の考えを聞きますと、不明朗な点については駐留軍より予備隊のほうが悪いと、こう言つておるわけです。そうして例えば日本原にしましてもほかの接收地にしましても、果して駐留軍が要求しているのか、或いは予備隊が要るのか、地元で聞いてもはつきりしないのです。そうして予備隊にどこが要るのだと言つても、ここが要るのだとこう言うだけで、どれだけ要るのかというと地元じやわからん。恐らく地元のほうでも結論から言いますと、予備隊は供替地がないと、こういうことは大体皆わかつておるのです、附近の人は。ですから何とかして使わせて上げたいという気持はあるけれども、さつぱりその手続が一つも取れていないし、使うのに非常に不明郎な使い方をしておるから、これはむしろもつとはつきりしてもらいたいと、こういう希望があちらこちらでありましたし、私もそういう見通しで来ましたので、以上の点を御報告いたしておきます。それから増原さんには私個人で来てもらつて、よく予備隊の不合理な点は申上げておきましたから、あとから又農林委員会として適当なお考えがあれば、そのときに御相談願えれば結構だと思います。簡單に御報告いたします。
  38. 東畑四郎

    政府委員(東畑四郎君) 只今お話のありました点は、今回の決定の際にもいずれも保留になつておる地区でございまして、その保留になつておりますわけは、結局お話のような点についてこちら側から要求をいたし、使い方、條件等についてもはつきりさしたい。殊に無理な点についてはこちらは強く主張をいたしております関係上、まだ話がきまらないために保留になつておるわけです。そういう点につきましては主張をいたし、向う側としても大体妥当な線は納得するのじやないか、かように考えております。予備隊につきましてはお話通りでありますので、これについても予備隊本部とはつきりした折衝をいたしたい、かように考えております。   ―――――――――――――
  39. 羽生三七

    委員長羽生三七君) なお、このほかに急傾斜地帶の現地を御視察になつた宮本委員から御発言があるわけですが、時間も大分切迫しておりますので、適当な機会に又詳細を御報告願うことにして、本日はむしろ現地調査の結果得られた観点から御要求というようなことで一つ発言をお願いしたいと思います。
  40. 宮本邦彦

    ○宮本邦彦君 時間の関係もありますから、緊急と思われるような観点から一つだけ申上げたいと思うのです。  今回私ども三名が視察して参りました急傾斜地帯で特にまあ急いで今日当局のほうへ要求をしたいと思うことは、これは御承知のように急傾斜地帯は何百年の間不便なところの耕作をやつておりました関係上、今度の法案に非常に大きな期待をかけておる。ところが今日も会計課長から補正予算の十一億要求したい、こういうようなお話がありしておりますので、特にこの問題を取上げて申上げたいと思うのでありますが、積雪寒冷地帶のほうでは主として水利施設とか、或いはそういつた土地改良に関する各種の施設が要求されておるわけであります。だから農道においては二割でも或いは十分な効果があるのじやないか。ところが急傾斜地帶のほうはこれは地元が最も要求しておるものは道路なのであります。道路以外のものはむしろ附帶的な事業として、これは技術的にも……、或いは道路以外のものも相当重要なものがあるのでありますけれども、地元の人たちが今日最も要求しているのは道路なのであります。その道路が積雪寒冷地帶の前例があり、二割或いは三割程度であつて補助率がきまつてしまうのならこれはとても負担がやり切れん。この点特に急傾斜地帶ではほかの積雪寒冷地帶なんかとは違つてつて、道路に重点をおいて参つておるのだから、その道路が一等補助率の低い二割というような程度で突放されるのでは、これは折角の急傾斜地帶のために開発されるようないい法案ができても内容が伴わない、これじや困るのだ。帰つたらすぐこれを農林委員皆さんお話をしてそして同時に御理解を得、政府のほうへもそういうことを申入れて欲しい、これが非常に強い要望でございます。  ほかの問題は今委員長お話のように時間もございませんもので、いずれ報告することにいたすことにいたしまして、ただこの問題について要求があつた、これは本当の事実だということであつて、三人に代りまして御要求を申上げて終りたいと思います。
  41. 増田盛

    政府委員増田盛君) 御指摘の点私どももよく了解いたしておりますので、できる限りの折衝をいたしたいと思います。
  42. 羽生三七

    委員長羽生三七君) これにて大体今国会における懸案の諸問題は一応終つたわけであります。先日の御協議に基いてそれぞれ継続審査にすべきもの等は委員長にて取計らいますので、御了承をお願いいたします。  本来ここで散会するところでありますが、いつ問題が起るかわかりませんので休憩ということにいたして、若し再開の場合があればアナウンスいたしますが、お含みおき願います。  それではこれで休憩いたします。    午後零時十四分休憩    〔休憩後開会に至らず〕